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金属板の圧延方法 - JFEスチール株式会社
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発明の名称 金属板の圧延方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−21545(P2007−21545A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−208499(P2005−208499)
出願日 平成17年7月19日(2005.7.19)
代理人 【識別番号】100105968
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 憲一郎
発明者 舘野 純一 / 田谷 哲志 / 内山 貴夫
要約 課題
圧延サイクル内の全ての被圧延材の圧延において、ワークロールの熱膨張、磨耗を効果的に分散し、良好な板クラウンを得る。

解決手段
圧延サイクル内での圧延順に応じてワークロールのシフト位置を決定するにあたり、予め定めたシフトピッチでシフト位置を変更するとともに、ワークロールの軸方向中心位置から、シフト位置を変更する際のシフト移動方向を反転する折り返し位置Mまでの距離を、圧延サイクル内での圧延順に応じて変更する。
特許請求の範囲
【請求項1】
圧延機のワークロールを軸方向にシフトさせる金属板の圧延方法において、圧延サイクル内での圧延順に応じてワークロールのシフト位置を決定するにあたり、予め定めたシフトピッチでシフト位置を変更するとともに、ワークロールの軸方向中心位置から、シフト位置を変更する際のシフト移動方向を反転する折り返し位置までの距離を、圧延サイクル内での圧延順に応じて変更することを特徴とする金属板の圧延方法。
【請求項2】
圧延機のワークロールを軸方向にシフトさせる金属板の圧延方法において、圧延サイクル内での圧延順に応じてワークロールのシフト位置を決定するにあたり、以下の式に基づいてシフト位置を算出することを特徴とする金属板の圧延方法。
(式)
y(0)=0
y(1)=Δy または −Δy
{y(i)<M(i)−Δy かつ y(i)−y(i−1)≧0}
または
{y(i)<−M(i)+Δy かつ y(i)−y(i−1)<0}
のとき
y(i+1)=y(i)+Δy
{y(i)≧−M(i)+Δy かつ y(i)−y(i−1)<0}
または
{y(i)≧M(i)−Δy かつ y(i)−y(i−1)≧0}
のとき
y(i+1)=y(i)−Δy
ここで、
i:圧延サイクル内での圧延順(i番目)
y(i):圧延順i番目におけるワークロールのシフト位置
Δy:シフトピッチ
M(i):圧延サイクル内での圧延順i番目におけるシフト移動方向を反転する折り返し位置までの距離、ただし、M(0)≒M(n) n:圧延本数
【請求項3】
前記シフト移動方向を反転する折り返し位置を定めるにあたって、圧延サイクル内での圧延順が後になるに従い、ワークロールの軸方向中心位置から折り返し位置までの距離を減少させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金属板の圧延方法。
【請求項4】
前記シフト移動方向を反転する折り返し位置を定めるにあたって、圧延開始時におけるワークロールの軸方向中心位置から折り返し位置までの距離を100mm以上とし、圧延サイクル終了時におけるワークロールの軸方向中心位置から折り返し位置までの距離が、前記圧延開始時におけるワークロールの軸方向中心位置から折り返し位置までの距離の50%以下になるように単調に減少させることを特徴する請求項1または請求項2に記載の金属板の圧延方法。
【請求項5】
前記圧延機のワークロールを軸方向にシフトさせる金属板の圧延方法において、上下のワークロールを互いにクロスした状態で前記上下のワークロールをシフトさせることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の金属板の圧延方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属板の圧延方法に関し、さらに詳しくは、ワークロールを軸方向にシフトさせる金属板の圧延方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属板の圧延においては、被圧延材である金属板とワークロール(以下、単にロールとも称する)の接触によって板道(金属板とロールが接触する部分)に相当するロールの部分が磨耗していく。また、特に熱間圧延においては、高温の被圧延材がロールと接触するため、板道に相当するロールの部分の温度が上昇して、熱膨張する。そのため、圧延本数の増加とともに、ロールの軸方向のプロフィルに変化が生じてくる。
【0003】
そして、このロールの局所的な磨耗と熱膨張が外乱要因となって、被圧延材の幅方向板厚分布(板クラウンともいう)や形状が悪化し、製品品質の低下や圧延安定性の阻害を招く。また、ロールの交換頻度が増すため、ロール原単位の悪化の原因ともなる。
【0004】
そのため、圧延用のワークロールを被圧延材の圧延1本毎に数mmずつ幅方向にシフトして圧延するワークロールシフト方法が実用化されている。
【0005】
従来のワークロールシフト方法は、例えば特許文献1、特許文献2に記載のように、ワークロールを周期的にシフトするサイクリックシフトが一般に用いられてきた。
【特許文献1】特開平06−154823号公報
【特許文献2】特開平11−254015号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、サイクリックシフトでは、予め定めた折り返し位置の間を往復しながら、一定ピッチで、被圧延材1本毎に、ロールシフトを行う。そのため、同一幅の連続圧延を行う圧延サイクルに対しては非常に効果的にロールの熱膨張と磨耗を分散することができる。
【0007】
しかしながら、一般には、圧延サイクル内で板幅が徐々に変化することが多く、このような場合には、従来のサイクリックシフトでは十分な効果が得られない。圧延サイクル内で板幅が段々と狭くなっていく場合には、圧延サイクル後半では、シフト範囲が広すぎて、十分なロールの熱膨張、磨耗の分散の効果が得られない。
【0008】
また、ある被圧延材とその次に圧延する被圧延材の幅の差によっては、板道の両幅端近傍でのロールの熱膨張や磨耗の影響で、サイクリックシフトをしたがゆえに、被圧延材の側では、エッジハイスポットやエッジドロップ等のプロフィル異常になる場合がある。
【0009】
本発明は、圧延サイクル内の全ての被圧延材の圧延において、ワークロールの熱膨張、磨耗を効果的に分散することが可能な圧延方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明者らは、従来のサイクリックシフトが、シフト移動方向を反転する折り返し位置を、圧延機のシフト機構の機械的な制約のみを考慮して決めていたことに問題があることに気付き、圧延中に折り返し位置を変更した場合の影響について、さらに上下ワークロールをクロスする条件も付加した場合も含め、鋭意検討した結果、シフト位置を決定する最適な方法が存在することを見出した。
【0011】
すなわち、本発明は、まず、第一に、圧延機のワークロールを軸方向にシフトさせる金属板の圧延方法において、圧延サイクル内での圧延順に応じてワークロールのシフト位置を決定するにあたり、予め定めたシフトピッチでシフト位置を変更するとともに、ワークロールの軸方向中心位置から、シフト位置を変更する際のシフト移動方向を反転する折り返し位置までの距離を、圧延サイクル内での圧延順に応じて変更することを特徴とする金属板の圧延方法である。
【0012】
また、本発明は、第二に、圧延機のワークロールを軸方向にシフトさせる金属板の圧延方法において、圧延サイクル内での圧延順に応じてワークロールのシフト位置を決定するにあたり、以下の式に基づいてシフト位置を算出することを特徴とする金属板の圧延方法である。
(式)
y(0)=0
y(1)=Δy または −Δy
{y(i)<M(i)−Δy かつ y(i)−y(i−1)≧0}
または
{y(i)<−M(i)+Δy かつ y(i)−y(i−1)<0}
のとき
y(i+1)=y(i)+Δy
{y(i)≧−M(i)+Δy かつ y(i)−y(i−1)<0}
または
{y(i)≧M(i)−Δy かつ y(i)−y(i−1)≧0}
のとき
y(i+1)=y(i)−Δy
ここで、
i:圧延サイクル内での圧延順(i番目)
y(i):圧延順i番目におけるワークロールのシフト位置
Δy:シフトピッチ
M(i):圧延サイクル内での圧延順i番目におけるワークロールのシフト移動方向を反転する折り返し位置までの距離、ただし、M(0)≒M(n) n:圧延本数
【0013】
更に、本発明は、第三に、前記シフト移動方向を反転する折り返し位置を定めるにあたって、圧延サイクル内での圧延順が後になるに従い、ワークロールの軸方向中心位置から折り返し位置までの距離を減少させることを特徴とする前記第一または第二の金属板の圧延方法である。
【0014】
そして、本発明は、第四に、前記シフト移動方向を反転する折り返し位置を定めるにあたって、圧延開始時におけるワークロールの軸方向中心位置から折り返し位置までの距離を100mm以上とし、圧延サイクル終了時におけるワークロールの軸方向中心位置から折り返し位置までの距離が、前記圧延開始時におけるワークロールの軸方向中心位置から折り返し位置までの距離の50%以下になるように単調に減少させることを特徴とする前記第一または第二の金属板の圧延方法である。
【0015】
最後に、本発明は、第五に、前記圧延機のワークロールを軸方向にシフトさせる金属板の圧延方法において、上下のワークロールを互いにクロスした状態で前記上下のワークロールをシフトさせることを特徴とする前記第一から第四のいずれかの金属板の圧延方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、圧延サイクル内の全ての被圧延材の圧延において、ワークロールの熱膨張、磨耗を効果的に分散することが可能となり、良好な板クラウンを得ることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明による、圧延機のワークロールを軸方向にシフトさせる金属板の圧延におけるワークロールのシフト位置の決定の方法について説明する。
【0018】
本発明では、圧延サイクル内での圧延順に応じワークロールのシフト位置を決定するにあたり、予め定めたシフトピッチでシフト位置を変更するとともに、ワークロールの軸方向中心位置からシフト移動方向を反転する折り返し位置までの距離を、圧延サイクル内での圧延順に応じて変更するものであるが、これを具体的に図2ほかの他の図も交えながら説明する。
【0019】
まず、図2を用い、シフトの概念について説明する。図2は、圧延中のワークロールおよび被圧延材のようすを模式的に示した正面図である。図2において、101Aは上ワークロール、101Bは下ワークロール、102は被圧延材を示す。103は圧延機の左右方向の中心位置を示す中心線であり、104Aは上ワークロール101Aの左右方向すなわち軸方向の中心位置、104Bは下ワークロール101Bの左右方向すなわち軸方向の中心位置である。ここで、ワークロールのシフト位置は、上ワークロールを例にとると、圧延機の左右方向の中心位置103と上ワークロールの左右方向の中心位置104Aとの間の距離で定義される。サイクリックシフトとは、被圧延材を圧延する毎にシフト位置をあるピッチで変更し、折り返し位置に達したらシフト移動方向を反転する一連の動作を繰り返す圧延方法である。ここで、上下のワークロールは、図2のような正面図で見て点対称となるように、互いに逆方向にシフトさせるものとする。
【0020】
そして、図1においては、横軸は圧延順、縦軸はシフト位置を示している。また、図中の黒マル記号●は、シフト位置の軌跡を示している。
【0021】
初期シフト位置を0とし、シフトピッチをΔyとする。また、折り返し位置をMとし、Mは圧延サイクル内でその値を変更できるようにし、圧延開始時の折り返し位置をM(0)、圧延順i番目のときの折り返し位置をM(i)とする。圧延サイクルの最終本目をn番目とすると、このときの折り返し位置はM(n)となる。また、本例では、1本目のシフト方向を正の方向にとるものとする。ここで、Δy>0とし、図2の例では、正の方向とは、上ワークロールにとって、図2中の左から右に向かう方向とする。
【0022】
なお、圧延サイクルとは、研磨したてのワークロールを圧延機に組み込んでから圧延を開始し、何本か(50ないし100本内外)被圧延材を圧延して、次にまた別の研磨したてのワークロールを圧延機に組み込んでから圧延を開始するまでの一群の被圧延材を圧延順に並べたものを一つの構成単位として称したものである。
【0023】
話を元に戻すと、本実施の形態では、圧延開始以降、最初に折り返し位置に達するまで、正の方向にシフトする。すなわち、
y(i)<M(i)−Δy かつ y(i)−y(i−1)≧0のときは、
y(i+1)=y(i)+Δy
となる。
【0024】
次いで、最初の折り返し位置に達すると、シフト方向を反対(負の方向)に転じる。すなわち、
y(i)≧M(i)−Δy かつ y(i)−y(i−1)≧0のときは、
y(i+1)=y(i)−Δy
となる。
【0025】
そして、負の方向での折り返し位置に達するまで、負の方向にシフトする。すなわち、
y(i)≧−M(i)+Δy かつ y(i)−y(i−1)<0のときは、
y(i+1)=y(i)−Δy
となる。
【0026】
さらに、負の方向での折り返し位置に達すると、再びシフト方向を反対に転じ、再び正の方向へのシフトとなる。すなわち、
y(i)<−M(i)+Δy かつ y(i)−y(i−1)<0のときは、
y(i+1)=y(i)+Δy
となる。
【0027】
ここで、上記の説明では、1本目のシフト方向を上ワークロールにとって正の方向とし、y(1)=Δyとしたが、このとき下ワークロールの圧延1本目のシフト方向は負の方向、すなわち、
y(1)=−Δyとなる。
【0028】
さらに、7スタンドのうちの後段4スタンドがワークロールシフト圧延機からなる熱間仕上圧延機の場合を例に、板幅1600mm〜1000mmの低炭素鋼板120本から構成される圧延サイクルに対して、折り返し位置が各被圧延材の板厚プロフィルに及ぼす影響について調査した。なお、最後の第7圧延機(第7スタンド)のワークロール(以下、単にロールとも略して称する)は、直径700mmで胴長が2000mm、材質はニッケルグレーン鋳鉄である。仕上圧延機の出側に設置した板厚プロフィル計で板クラウン(板幅中央位置と板幅端から25mm位置での板厚の偏差を左右平均したもの)を測定した。板クラウンはゼロに近いほど、幅方向の板厚偏差が少なく、良好な品質であるが、マイナス、すなわち板幅中心位置よりも板幅端から25mm位置の方が厚いものは、品質不良である。
【0029】
シフトピッチは21mmとして、折り返し位置を圧延サイクル内での圧延順に応じて変更するため、圧延開始時のM(0)と圧延終了時のM(120)を決定し、その間の折り返し位置は線形で内挿することとした。また、評価指標としては、被圧延材120本の板クラウンの平均値を用いた。
【0030】
図3に、M(0)およびM(120)の条件に対する、板クラウンの評価を示す。ただし、図中において、板クラウンが80μm以上、またはマイナス(板幅端から25mm位置の方が厚い)のときを×(不良)、板クラウンが60μm以上、80μm未満を△(やや不良)、板クラウンが40μm以上、60μm未満を○(良好)、板クラウンが0μm以上、40μm未満を◎(きわめて良好)とした。
【0031】
図3より、M(0)とM(120)が0mmの場合、すなわちシフトを全く行わなかった場合の板クラウンは×(不良)であった。これは、ロールの磨耗や熱膨張が被圧延材の通過部に集中し、圧延サイクル中、ロールプロフィルの変化が大きいためと推定される。
【0032】
また、図3中の301上に相当する条件のM(0)とM(120)が等しい場合、すなわち圧延サイクル中において、シフトの折り返し位置が変化しなかった場合には、△(やや不良)であった。これに対して、M(0)とM(120)が等しくない場合、すなわち、折り返し位置が圧延サイクル内での圧延順に応じて変更される場合には、○(良好)以上の板クラウンが得られている。これは、折り返し位置が変化しなかった場合に比べて、より大きなロールの磨耗および熱膨張の分散効果が得られたためと推定される。とりわけ、M(0)が100mmより大きく(図中302より右側の範囲)かつ、圧延サイクル終了時におけるロールの軸方向中心位置から折り返し位置までの距離が、圧延開始時におけるロールの軸方向中心位置から折り返し位置までの距離の50%以下となる303より下側の範囲において、◎(きわめて良好)の板クラウンが得られおり、本発明の中で最も好適な実施の形態であることがわかる。
【0033】
ここで、折り返し位置Mの上限については、板クラウンの面からは上限はないが、設備的な観点からは、Mが大きくなると、ロールの胴長を長くする必要があったり、大規模な機械設備が必要になるなどの問題があるため、300mm以下とすることが望ましい。
【0034】
さらに、上下のロールを互いにクロスさせることによって生じる、被圧延材の幅方向中心からロール端部に向かって放物線状に上下ロール間ギャップが広がる現象を利用して、被圧延材の板クラウンを制御する手段であるロールクロスを組み合わせることによって、さらに良好な板クラウンを得ることが可能となる。図4に、図3と同一の圧延条件に対して、ロールクロスを行った場合での板クラウンの評価を示す。図4より、極めて良好な板クラウンが得られる範囲が広くなっていることが分かる。これは、ロールシフトのみでは、極めて良好な板クラウンが得られないような場合でも、適宜上下ロールをクロスすることによって、更なる板クラウンの改善を図ることが可能になったためと推定される。
【0035】
なお、ここで、シフトピッチΔyを21mm以外の条件、例えば、5mm、11mm、29mm、37mmなどとして、上記と同様の調査を行ったところ、同様の結果が得られた。
【実施例】
【0036】
以下に示す板幅構成の圧延サイクルについて実機シミュレーションを行い、本発明の検証を行った。熱間圧延機は、7スタンドのうちの後段4スタンドがワークロールシフト圧延機からなる4段仕上圧延機で、最終の第7圧延機のワークロールは直径700mm、胴長2000mmのニッケルグレーン鋳鉄ロールとした。第4スタンドから第7スタンドまでのワークロールシフト圧延機のシフトストロークは±300mmである。また、第4スタンドから第7スタンドまでは上下ロールがクロスする機構も有しているものとする。
【0037】
本実施例における圧延サイクルの幅構成は以下の通りである。
【0038】
(サイクルA)
図5に示すように、幅1200mmの鋼板を120本連続で圧延する。すなわち、幅変更はない。
【0039】
(サイクルB)
図6に示すように、幅1200mmの鋼板から圧延を開始し、最初の21本で幅1600mmになるまで幅を増やし、それ以降79本は10mmずつ幅を減らし、最後は810mm の板を圧延する。
【0040】
以上の各サイクルにおいて、鋼板の長さは、1000mの一定値とした。仕上厚みは2mmから2.5mmである。
【0041】
以上のサイクルA、Bに対し、従来例と、本発明例の比較、評価を実施した。結果を表1と図7〜図17に示す。
【0042】
【表1】


【0043】
図7〜14は、発明例1〜8における第7スタンドの上ワークロールのシフト位置を示しており、正の方向をドライブ側とした。ここで、下ワークロールは、上ワークロールと点対称に、即ち圧延開始後は負の方向にシフトを開始するものとする。また、第5スタンドは第7スタンドと同様の方向にシフトを行うこととし、第4スタンドと第6スタンドは第7スタンドと反対の方向に、即ち上ワークロールは負の方向に、下ワークロールは正の方向にシフトを開始することとした。つまり、隣接するスタンドは上下ともにいわゆる千鳥状にシフトするものである。
【0044】
図15〜17は、比較例3、5、6における第7スタンドの上ワークロールのシフト位置を示している。シフトの方向の定義は上記発明例と同一である。
【0045】
評価として、第7スタンド出側での板クラウンの平均値で評価した。ここで、板クラウンは板幅中央位置と板幅端から25mm位置での板厚の偏差を左右平均したものとし、符号が負すなわちマイナスの場合は、板幅中央位置に比べて板幅端から25mm位置での板厚が厚いことを示す。そして、板クラウンが80μm以上、またはマイナス(板幅端から25mm位置での板厚が厚い)のときを不良、板クラウンが60μm以上、80μm未満をやや不良、板クラウンが40μm以上、60μm未満を良好、板クラウンが0μm以上、40μm未満をきわめて良好とした。
【0046】
発明例1は、圧延サイクル内での圧延順に応じて、ロールの軸方向中心位置から折り返し位置までの距離を減少させたシフト(図7)であり、良好な板クラウンが得られている。
【0047】
以下、ロールの軸方向中心位置から折り返し位置までの距離のことを、略して、単に折り返し位置までの距離と称することにすると、発明例2は、圧延開始時における折り返し位置までの距離を100mm以上とし、圧延サイクル終了時における折り返し位置までの距離が、圧延開始時における折り返し位置までの距離の50%以下になるように単調に減少させたシフト(図8)であり、きわめて良好な板クラウンが得られている。
【0048】
発明例3は、圧延サイクル内での圧延順に応じて、折り返し位置までの距離を減少させたシフト(図9)であり、かつクロスを併用した場合であり、きわめて良好な板クラウンが得られている。
【0049】
発明例4は、発明例2と同様に、圧延開始時における折り返し位置までの距離を100mm以上とし、圧延サイクル終了時における折り返し位置までの距離が、圧延開始時における折り返し位置までの距離の50%以下になるように単調に減少させたシフト(図10)であり、きわめて良好な板クラウンが得られている。
【0050】
発明例5は、折り返し位置までの距離を圧延サイクル内での圧延順に応じて変更したシフト(図11)であり、良好な板クラウンが得られている。
【0051】
発明例6は、発明例2と同様に、圧延開始時における折り返し位置までの距離を100mm以上とし、圧延サイクル終了時における折り返し位置までの距離が、圧延開始時における折り返し位置までの距離の50%以下になるように単調に減少させたシフト(図12)であり、きわめて良好な板クラウンが得られている。
【0052】
発明例7は、発明例3と同様に、圧延サイクルにおける圧延順毎の増加に応じて、折り返し位置までの距離を減少させたシフト(図13)であり、かつクロスを併用した場合であり、きわめて良好な板クラウンが得られている。
【0053】
発明例8は、発明例2と同様に、圧延開始時における折り返し位置までの距離を100mm以上とし、圧延サイクル終了時における折り返し位置までの距離が、圧延開始時における折り返し位置までの距離の50%以下になるように単調に減少させたシフト(図14)であり、きわめて良好な板クラウンが得られている。
【0054】
一方、比較例1は、シフトを行わなかった場合であり、板クラウンは不良だった。
【0055】
比較例2は、シフトを行なわず、クロスのみ行った場合であり、板クラウンは不良だった。
【0056】
比較例3は、圧延サイクルにおいて折り返し位置までの距離をずっと一定とした場合(図15)であり、板クラウンはやや不良だった。
【0057】
比較例4は、シフトを行わなかった場合であり、圧延80本目で板クラウンが過大になり、途中でのロール交換が必要となった。
【0058】
比較例5は、圧延サイクルにおいて折り返し位置までの距離をずっと一定とし、さらにクロスを行った場合(図16)であり、板クラウンはやや不良だった。
【0059】
比較例6は、圧延サイクルにおいて折り返し位置までの距離をずっと一定とした場合(図17)であり、板クラウンは不良だった。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明におけるワークロールのシフト位置の一例を示す図である。
【図2】本発明におけるサイクリックシフトの概念について説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるM(0)およびM(120)の条件に対する、板クラウンの評価を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるM(0)およびM(120)の条件に対する、ロールクロスを行った場合での板クラウンの評価を示す図である。
【図5】本発明の実施例におけるサイクルAの板幅を示す図である。
【図6】本発明の実施例におけるサイクルBの板幅を示す図である。
【図7】本発明の実施例における発明例1のシフト位置を示す図である。
【図8】本発明の実施例における発明例2のシフト位置を示す図である。
【図9】本発明の実施例における発明例3のシフト位置を示す図である。
【図10】本発明の実施例における発明例4のシフト位置を示す図である。
【図11】本発明の実施例における発明例5のシフト位置を示す図である。
【図12】本発明の実施例における発明例6のシフト位置を示す図である。
【図13】本発明の実施例における発明例7のシフト位置を示す図である。
【図14】本発明の実施例における発明例8のシフト位置を示す図である。
【図15】本発明の実施例における比較例3のシフト位置を示す図である。
【図16】本発明の実施例における比較例5のシフト位置を示す図である。
【図17】本発明の実施例における比較例6のシフト位置を示す図である。
【符号の説明】
【0061】
101A 上ワークロール
101B 下ワークロール
102 被圧延材
103 圧延機の中心線
104A 上ワークロール101Aの中心位置
104B 下ワークロール101Bの中心位置
M 折り返し位置




 

 


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