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インサート式ドリル - 三菱マテリアル株式会社
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発明の名称 インサート式ドリル
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−136563(P2007−136563A)
公開日 平成19年6月7日(2007.6.7)
出願番号 特願2005−329863(P2005−329863)
出願日 平成17年11月15日(2005.11.15)
代理人 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
発明者 滝口 正治
要約 課題
深穴を加工する場合であっても、ドリルの振れを小さく抑えて、加工穴を精度良く形成することができるインサート式ドリルを提供する。

解決手段
ドリル本体2の先端部4に形成されたインサート取付座5に、切刃22を有するインサート20が着脱可能に装着されたインサート式ドリル1であって、ドリル本体2には、ドリル本体2先端側からドリル本体2後端側に向けて延びる切屑排出溝3が形成され、ドリル本体2先端側の切屑排出溝3のドリル回転方向T後方側には、外周ガイド部8が設けられており、外周ガイド部8には、ドリル回転方向T前方側に位置する第1パッド部9と、ドリル回転方向T後方側に位置する第2パッド部11と、これら第1パッド部9と第2パッド部11との間に位置してドリル本体2径方向内側に凹んだ逃げ部10とが備えられており、ドリル本体2には、逃げ部10に開口する切削油供給孔13が形成されていることを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
軸線回りに回転されるドリル本体の先端部にインサート取付座が形成され、該インサート取付座に、先端に切刃を有するインサートが着脱可能に装着されたインサート式ドリルであって、
前記ドリル本体には、ドリル本体先端側からドリル本体後端側に向けて延びる切屑排出溝が形成され、ドリル本体先端側の前記切屑排出溝のドリル回転方向後方側には、外周ガイド部が設けられており、
該外周ガイド部には、ドリル回転方向前方側に位置する第1パッド部と、ドリル回転方向後方側に位置する第2パッド部と、これら第1パッド部と第2パッド部との間に位置してドリル本体径方向内側に凹んだ逃げ部とが備えられており、前記ドリル本体には、該逃げ部に開口する切削油供給孔が形成されていることを特徴とするインサート式ドリル。
【請求項2】
前記外周ガイド部は、前記ドリル本体の先端面からドリル本体後端側に向けて延びるように形成されており、該外周ガイド部の前記軸線方向の長さが、ドリル外径Dに対して、1×Dから5×Dの範囲内とされていることを特徴とする請求項1に記載のインサート式ドリル。
【請求項3】
前記逃げ部が、前記ドリル本体径方向外側に向けて凸となる凸曲面状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインサート式ドリル。
【請求項4】
前記切屑排出溝の前記軸線方向の長さLが、ドリル外径Dに対して、L/D=5以上とされていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のインサート式ドリル。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドリル本体の先端側に、先端に切刃を有するインサートを着脱可能に装着したインサート式ドリルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被切削材に穴開け加工を施す切削工具として、ドリル本体の先端部インサート取付座が形成され、このインサート取付座に、先端に切刃を有するインサートが着脱可能に装着されたインサート式ドリルが使用されている。このようなインサート式ドリルでは、被切削材の切削によって切刃が損耗した場合に、インサートのみを交換して使用でき、ドリルの使用コストの低減を図ることができるものである。
【0003】
従来のインサート式ドリルは、軸線回りに回転される概略円柱状をなすドリル本体を有し、このドリル本体の先端部に、ドリル本体後端側に向けて凹んだ凹溝状をなすインサート取付座が形成され、このインサート取付座に、切刃を有するインサートが装着されてドリルを構成するものである(特許文献1及び特許文献2参照。)。
【0004】
この種のインサート式ドリルにおいては、ドリル本体のインサート取付座に、先端側を向いてドリル本体の軸線に直交する底面と、この底面に交差しつつドリル本体の径方向内側を向くように軸線を挟んで互いに対向するように配置され、インサートを挟持する一対のクランプ面とが形成されている。また、このインサート取付座には、一対のクランプ面を互いに接近するように弾性変形させるためのクランプネジが具備されている。
【0005】
また、インサート取付座に装着されるインサートは、超硬合金等の硬質材料で構成され、外形が概略五角形平板状をなしており、五角形面の一部が前記クランプ面に押圧される被押圧面とされている。このインサートにおいては、インサートがインサート取付座に装着された状態で、五角形面のうちのドリル回転方向前方側を向く部分がすくい面とされ、このすくい面とインサートの先端面との交差稜線部に切刃が形成されている。
そして、インサートの外周面には、外周側に向けて突出したマージン部が、この外周面とすくい面との交差稜線からドリル回転方向後方側に連なるように形成されている。
【0006】
このように構成されたインサート式ドリルは、軸線O回りに回転されるとともに、軸線O方向に送りを与えられて、被切削材に加工穴を形成するように切削加工を施すものである。ここで、前記マージン部が被切削材に形成された加工穴の内壁面に摺動することにより、ドリルの回転が安定して、加工穴を精度良く形成できるのである。
【特許文献1】特開2005−169572号公報
【特許文献2】特開2004−330391号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、この構成のインサート式ドリルを使用して深穴、例えば、ドリル外径Dに対して穴深さLがL/D=5以上となるような深穴を形成する場合には、ドリルが切削抵抗によってたわむように変形してしまい、ドリルに振れが生じるため、加工穴を精度良く成形できなくなってしまう。このドリルの変形による振れを防止するために、被切削材に予め下穴を形成しておいて、この下穴にインサート式ドリルを挿入する加工方法がある。このように加工することにより、ドリルの変形が下穴によって抑制されるので、加工穴を精度良く成形できるのである。
【0008】
しかしながら、前述の加工方法においても、インサート式ドリルを下穴に挿入した直後の切刃の食い付きの際には、ドリルが大きく振れてしまうおそれがあった。また、下穴の内壁面と摺動するマージン部がドリル先端部のインサート部分にのみ形成されているので、特にマージン部がない側にドリルが振れたときには、ドリルの回転を十分に安定させることができず、加工穴を精度良く形成することができないといった問題があった。
【0009】
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、深穴を加工する場合であっても、ドリルの振れを小さく抑えて、加工穴を精度良く形成することができるインサート式ドリルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、この発明は、軸線回りに回転されるドリル本体の先端部にインサート取付座が形成され、該インサート取付座に、先端に切刃を有するインサートが着脱可能に装着されたインサート式ドリルであって、前記ドリル本体には、ドリル本体先端側からドリル本体後端側に向けて延びる切屑排出溝が形成され、ドリル本体先端側の前記切屑排出溝のドリル回転方向後方側には、外周ガイド部が設けられており、該外周ガイド部には、ドリル回転方向前方側に位置する第1パッド部と、ドリル回転方向後方側に位置する第2パッド部と、これら第1パッド部と第2パッド部との間に位置してドリル本体径方向内側に凹んだ逃げ部とが備えられており、前記ドリル本体には、該逃げ部に開口する切削油供給孔が形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
このインサート式ドリルによれば、ドリル本体の先端側に逃げ部を介して周方向に離間した第1、第2パッド部を備えた外周ガイド部が形成されているので、下穴の内周面とこの外周ガイド部の第1、第2パッド部とが摺動することにより、ドリルの回転を安定させてドリルの振れを防止でき、加工穴を精度良く形成することができる。
また、外周ガイド部に、径方向内側に凹む逃げ部が形成され、この逃げ部に切削油供給孔が開口されているので、この切削油供給孔から切削油を供給することにより、外周ガイド部と下穴の内壁面との潤滑を良好にでき、外周ガイド部の焼き付きを防止できる。
【0012】
ここで、前記外周ガイド部を、前記ドリル本体の先端面からドリル本体後端側に向けて延びるように形成し、該外周ガイド部の前記軸線方向の長さを、ドリル外径Dに対して、1×Dから5×Dの範囲内とすることにより、下穴の内壁面と摺動する外周ガイド部の長さを確保して、確実にドリルの回転を安定化させることができるとともに、必要以上に下穴の内壁面と摺動する部分がなく切削抵抗を抑えることができる。
【0013】
さらに、前記逃げ部の底面を、前記ドリル本体の径方向外側に向けて凸となる凸曲面状に形成することにより、ドリル本体を切り欠く部分が小さくなり、このドリル本体の剛性を確保できる。
【0014】
また、前記切屑排出溝の前記軸線方向の長さLを、ドリル外径Dに対して、L/D=5以上となるように構成することにより、このインサート式ドリルを加工穴長さLまでの深穴の加工に使用することができる。
【0015】
このように本発明によれば、深穴を加工する場合であっても、ドリルの振れを小さく抑えて、加工穴を精度良く形成することができるインサート式ドリルを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明の実施形態であるインサート式ドリルについて、添付した図面を参照にして説明する。図1から図4に本発明の実施形態であるインサート式ドリルを示す。
このインサート式ドリル1は、軸線O回りに回転されて概略円柱状をなすドリル本体2と、このドリル本体2の先端側に着脱可能に装着されるインサート20とで構成されている。
【0017】
このドリル本体2の外周には、ドリル本体2の先端面に開口してドリル本体2後端側に延びる一対の切屑排出溝3が、軸線Oを挟んで180°回転対称に形成されている。この切屑排出溝3の先端側部分は、ドリル本体2後端側に向かうにしたがいドリル回転方向T後方側に向けてねじれるように形成されており、切屑排出溝3の後端側部分は、軸線Oに平行に延びるように形成されている。
【0018】
また、ドリル本体2の先端部4には、ドリル本体2の先端面に開口してドリル本体2後端側に凹むような凹溝状のインサート取付座5が、軸線Oを通る直径方向に延びるように形成されている。
このインサート取付座5は、軸線O方向先端側を向いて軸線Oに直交する底面と、この底面から屹立するとともに、互いに平行かつ軸線Oに平行で、ドリル本体2の先端面に交差する一対のクランプ面5Aとを備えており、底面とクランプ面5Aとに沿った側面視において、ドリル本体2の先端面に向けて「コ」の字状に開口するように構成されている。
【0019】
詳述すると、インサート取付座5は、ドリル本体2の先端部4において、切屑排出溝3の先端側におけるドリル回転方向T前方側を向く壁面同士の間が、軸線Oを通る直径方向に切り欠かれるようにして形成されたものであり、その延在方向Mの両端側部分において、切屑排出溝3にそれぞれ連通させられている。
【0020】
また、このような凹溝状をなすインサート取付座5がドリル本体2の先端部4に形成されることによって、ドリル本体2の先端部4は、第1先端部4Aと第2先端部4Bとに2分割されることになり、これら第1先端部4Aと第2先端部4Bとの間には、インサート取付座5における底面が位置させられ、かつ、第1先端部4A側にインサート取付座5における一対のクランプ面5Aのうちの一方が位置させられ、第2先端部4B側に一対のクランプ面5Aのうちの他方が位置させられている。
【0021】
ここで、ドリル本体2の先端面には、この先端面と切屑排出溝3におけるドリル回転方向T後方側を向く壁面との交差稜線部が切り欠かれるようにして、後述するインサート20のシンニング面25と連続する本体側シンニング面6が形成されており、ドリル本体2の先端面に交差するインサート取付座5における一対のクランプ面5Aは、これら本体側シンニング面6にも交差するように形成されている。
【0022】
インサート取付座5における一対のクランプ面5Aのそれぞれには、軸線O方向に沿って延びる複数のガイド溝7が、軸線Oに直交する方向に所定間隔で配列されるように形成されている。ここで、これら一対のクランプ面5Aのそれぞれにおいて、本体側シンニング面6の軸線O方向後端側に連なる部分(先端側が本体側シンニング面6に交差する部分)には、前記ガイド溝7が形成されておらず平面状に形成されている。
【0023】
ドリル本体2を軸線O方向の先端側から見た場合には、図2に示すように、一対のクランプ面5Aと本体側シンニング面6との交差稜線部が、それぞれ直線状をなし、かつ、一対のクランプ面5Aと本体側シンニング面6を除いた先端面との交差稜線部が、複数のガイド溝7によってそれぞれ波形状をなしている。
【0024】
また、ドリル本体2の先端部4には、後述するクランプネジ30をねじ込むための挿通孔が形成されている。この挿通孔は、図2に示すL方向に延びるように、つまり、インサート取付座5を交差して軸線Oを通る直径方向に延びて先端部4を貫通するように形成されており、その外周側端部がそれぞれ第1先端部4Aの外周面及び第2先端部4Bの外周面に開口されている。
【0025】
なお、挿通孔は、インサート取付座5と同様に、軸線Oを通る直径方向に延びるように形成されているが、その延在方向Lは、軸線O方向の先端側から見て図2に示すように、インサート取付座5の延在方向Mに直交する方向であるインサート取付座5の幅方向Nと平行ではなく、このインサート取付座5の幅方向Nに対して傾斜するように構成されている。
【0026】
また、このドリル本体2の先端側部分には、それぞれの切屑排出溝3のドリル回転方向T後方側に連なる外周面に外周ガイド部8が形成されており、図3に示すように、一対の外周ガイド部8が軸線Oを中心として180°回転対称に配置されている。
この外周ガイド部8は、切屑排出溝3の外周端に連なる部分に配置されてドリル本体2径方向外側に向けて突出した第1パッド部9と、この第1パッド部9のドリル回転方向T後方側に連なりドリル本体2径方向内側に凹んだ逃げ部10と、この逃げ部10のドリル回転方向T後方側に連なりドリル本体2径方向外側に向けて突出した第2パッド部11とで構成されている。
【0027】
第1パッド部9及び第2パッド部11は、軸線Oに直交する断面がそれぞれ軸線Oを中心とした円弧状に形成されており、これら第1パッド部9及び第2パッド部11がなす円弧の半径は等しく、また本実施形態では、円弧の長さも互いに等しくされている。
また、逃げ部10は、径方向外側に向けて凸となる円弧状に形成されており、この逃げ部10のなす円弧の半径が、第1パッド部9及び第2パッド部11がなす円弧の半径よりも小さくされているとともに、円弧の長さは第1パッド部9及び第2パッド部11がなす円弧の長さよりも大きくされ、これにより、第1パッド部9及び第2パッド部11は、軸線Oを中心として略90°の挟角をなすように配置される。
【0028】
本実施形態においては、図3に示すように、第1パッド部9が2つ、第2パッド部11が2つ備えられており、全体で4つのパッド部が備えられているのである。この一対の第1パッド部9は軸線Oを中心として180°回転対称に配置され、一対の第2パッド部11も軸線Oを中心として180°回転対称に配置されている。したがって、合計4つの第1、第2パッド部9、11は、周方向に概略等間隔に配置されることになる。
【0029】
この外周ガイド部8は、図1に示すように、切屑排出溝3の先端側部分と同様に、ドリル本体2後端側に向かうにしたがいドリル回転方向T後方側にねじれるように形成されており、第1パッド部9、第2パッド部11及び逃げ部10もドリル本体2後端側に向かうにしたがい切屑排出溝3の先端側部分と等しい捩れ角でドリル回転方向T後方側にねじれるように形成されている。
【0030】
この外周ガイド部8は、ドリル本体2先端面からドリル本体2後端側に向けて設けられており、その軸線O方向の長さCは、ドリル外径Dに対して1×Dから5×Dの範囲内となるように設定されており、本実施形態では、C=約2×Dに設定されている。これよりも後端側の軸線Oに平行に延びる切屑排出溝3のドリル回転方向T後方側に連なるドリル本体2の外周面は、第1、第2パッド部9、11の半径よりもさらに一段小さな半径の断面円弧状に形成されている。
【0031】
ドリル本体2には、図1及び図4に示すように、ドリル本体2後端面に開口するとともに軸線Oに平行に延びる一対の切削油孔12が、前記外周ガイド部8が設けられた部分のドリル本体2後端側まで達するように穿設されている。
そして、ドリル本体2には、図1及び図2に示すように、切削油孔12に連通してドリル本体2先端側及びドリル本体2径方向外側に向けて傾斜して延びる切削油供給孔13が形成されており、この切削油供給孔13の一端が、図1及び図3に示すように、外周ガイド部8の逃げ部10に開口されている。
【0032】
次に、インサート取付座5に装着されるインサート20について説明する。インサート20は、超硬合金等の硬質材料によって構成されており、その外形は概略五角形平板状をなしている。このインサート20には、五角形面21の中央部分から後端面までの部分がインサート20の厚さ方向に対して斜めに交差するように切り欠かれることによって、後述するクランプネジ30が挿入される切欠部が形成されている。
【0033】
このインサート20をインサート取付座5に装着した際に、インサート20の五角形面21のうちのドリル回転方向T前方側を向く部分が、すくい面21Aとされ、ドリル回転方向T後方側を向く部分が、インサート取付座5のクランプ面5Aと当接される被押圧面21Bとされている。つまり、インサート20の五角形面21は、軸線O近傍に配置される中央部分に切欠部が形成され、この切欠部を挟んで、前記すくい面21Aと前記被押圧面21Bとが設けられているのである。
すくい面21Aは、その幅方向の中央部分がドリル回転方向T後方側に向けて凹んだ凹曲面状とされており、後端側に向かうにしたがい漸次ドリル回転方向T後方側にねじれるように形成されている。
【0034】
インサート20の先端面は、このインサート20がインサート取付座5に装着された状態で、軸線Oから外周側に向かうにしたがい漸次後退する2等辺三角形状をなすように形成されており、この先端面と前記すくい面21Aとの交差稜線部に、それぞれ切刃22が形成されている。この切刃22を先端面側から見た場合には、すくい面21Aが凹曲面状に形成されているので、切刃22はドリル回転方向T後方側に凹んだ凹曲線状をなしている。ここで、切刃22の軸線Oを中心とした半径は、第1、第2パッド部9、11の前記半径よりも極僅かに大きくされている。
【0035】
また、インサート20の先端面は、前記切刃22に連なる第1逃げ面23と、この第1逃げ面23のドリル回転方向T後方側に連なる第2逃げ面24とから構成された多段面状をなしている。このため、切刃22には、ドリル回転方向T後方側に向かうにしたがい多段的に大きくなるような逃げが与えられているのである。
【0036】
各すくい面21Aの先端側には、インサート20装着状態において、インサート20の五角形面21においてすくい面21Aとこれ以外の部分とが交差する付近からインサート20の先端面の中心に位置する軸線Oに近接する位置までの領域が、軸線O方向の先端側に向かうにしたがいドリル回転方向T前方側に向かうように斜めに切り欠かれることによって、切刃22の内周端側に連なるように先端面に交差してこの先端面の中心に位置する軸線Oに向けて延びるとともに、五角形面21におけるすくい面21A以外の部分にまで達するようなシンニング面25が形成されている。
これにより、切刃22の内周端側の部分には、先端面の中心に位置する軸線Oに向けて延びる略直線状をなすシンニング切刃26が配置されることになる。
【0037】
また、五角形面21に形成された被押圧面21Bには、インサート20装着状態で、軸線O方向に沿って延びる複数の凸部27が、軸線Oに直交する方向に所定間隔で配列されるように形成されている。なお、それぞれの被押圧面21Bにおいて、シンニング面25の後端側に連なる部分(先端側がシンニング面25に交差する部分)は、前記凸部27が形成されないで平面状に形成されている。
【0038】
また、インサート20における外周側を向く一対の外周面のそれぞれは、ドリル回転方向T前方側がすくい面21Aの外周側辺稜部に交差して、軸線Oを中心とした円弧状をなすマージン部28と、このマージン部28のドリル回転方向T後方側に連なり、マージン部28がなす円弧の半径よりも一段小さな半径の円弧状をなす二番取り面29とから構成されている。
【0039】
このような構成とされたインサート20は、ドリル本体2の先端部4に形成された凹溝状をなすインサート取付座5に対し、インサート20の厚さ方向をインサート取付座5の延びる直径方向に直交させた状態で、軸線O方向の後端側に向けてスライドさせられることによって挿入される。この際には、インサート取付座5のクランプ面5Aに形成されたガイド溝7と、インサート20の被押圧面21Bに形成された凸部27とを噛合させて挿入することになる。
【0040】
これにより、インサート20の後端面がインサート取付座5の底面に対向配置させられて互いに密着させられ、かつ、インサート20のすくい面21Aが、それぞれ切屑排出溝3内に開放されてドリル回転方向T前方側に向けられるとともに、インサート20の被押圧面21Bが、インサート取付座5のクランプ面5Aに対向配置させられ、被押圧面21Bに形成された凸部27とクランプ面5Aに形成されたガイド溝7とが互いに噛合させられた状態とされている。
【0041】
このとき、インサート20に形成されたシンニング面25の後端側に連なり平面状に形成された部分(先端側がシンニング面25に交差する部分)は、インサート取付座5のクランプ面5Aのうちで、本体側シンニング面6の後端側に連なり平面状に形成された部分(先端側が本体側シンニング面6に交差する部分)と、それぞれ対向配置させられ、これら平面状に形成された部分の先端側に連なるシンニング面25及び本体側シンニング面6とが連続した状態とされている。
【0042】
次に、ドリル本体2の先端側に設けられた挿通孔に、クランプネジ30が、インサート取付座5に挿入されたインサート20の切欠部を貫通するようにしてねじ込まれる。
これにより、インサート取付座5の一対のクランプ面5Aが互いに接近するようにドリル本体2の先端部4が弾性変形させられて、これら一対のクランプ面5Aがインサート20の被押圧面21Bを強固に押圧した状態となり、互いに噛合されている凸部27およびガイド溝7同士も強固に密着させられて、インサート20がインサート取付座5に装着される。ここで、切屑排出溝3のドリル先端側からの軸線O方向長さLは、ドリルの外径Dに対して、L/D=5以上となるように構成されている。
【0043】
このような構成とされたインサート式ドリル1は、軸線O回りに回転されるとともに、軸線O方向に送りを与えられて、被切削材に加工穴を形成するように切削加工を施すものである。
このインサート式ドリル1では、切屑排出溝3のドリル先端側からの軸線O方向長さLが、ドリルの外径Dに対してL/D=5以上となるように構成されているので、加工穴の長さが切屑排出溝3の前記長さLとなるような深穴の加工に使用することができる。このような深穴を形成する場合には、被切削材に予め下穴を形成しておき、この下穴にこのインサート式ドリル1を挿入して穴明け加工を行うことになる。
【0044】
本実施形態によるインサート式ドリル1によれば、ドリル本体2の先端側に外周ガイド部8が形成されているので、下穴の内周面とこの外周ガイド部8とが摺動することにより、ドリルの回転を安定させることができ、加工穴を精度良く形成することができる。
また、外周ガイド部8に、ドリル本体2径方向内側に凹む逃げ部10が形成され、この逃げ部10に切削油供給孔13が開口されているので、この切削油供給孔13から切削油を吐出することにより、外周ガイド部8と下穴の内壁面との間に切削油が供給され、外周ガイド部8の焼き付きを防止できる。
【0045】
また、切削油供給孔13を、ドリル本体2の先端側に向けて傾斜するように開口しているので、切削油がドリル先端側に向けても供給され、切刃22による切削をスムーズに行うことができるとともに、切屑の排出を促進させることができる。
【0046】
また、外周ガイド部8がドリル本体2の先端面から後端側に向けて形成され、その軸線方向長さCが、ドリル外径Dに対して1×Dから5×Dの範囲内に設定されており、本実施形態では、約2×Dとされているので、下穴の内壁面と摺動する外周ガイド部8の長さを確保して、確実にこのインサート式ドリル1の回転を安定させることができるとともに、必要以上に下穴の内壁面と摺動する部分がなく切削抵抗を抑えることができる。
【0047】
さらに、逃げ部10が、ドリル本体2径方向外側に向けて凸となる凸曲面状に形成されているので、この逃げ部10を形成するためにドリル本体2を切り欠く部分を小さくすることができ、ドリル本体2の剛性を確保できる。
【0048】
また、外周ガイド部8がドリル本体2後端側に向かうにしたがいドリル回転方向T後方側にねじれるように形成されており、第1パッド部9及び第2パッド部11もドリル本体2後端側に向かうにしたがいドリル回転方向T後方側にねじれるように形成されているので、これら第1パッド部9及び第2パッド部11が下穴の内壁面と衝突した際の衝撃を小さく抑えることができ、このドリルの振れを防止することができる。
【0049】
以上、本発明の実施形態であるインサート式ドリルについて説明したが、本発明はこの実施形態に限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、ドリル本体に形成される外周ガイド部に、第1パッド部と第2パッド部が形成されたもので説明したが、これに限定されることはなく、3つ以上のパッド部が形成されていても良い。
【0050】
また、軸線Oに平行に延びる切削油孔を2つ形成したもので説明したが、これに限定されることはなく、例えば、軸線Oに沿って延びるように切削油孔を1つ形成したものであってもよい。
さらに、切屑排出溝がドリル本体後端側で軸線Oに平行に延びるように形成されたもので説明したが、ドリル本体後端側においても後端側に向かうにしたがいドリル回転方向T後方側にねじれるように形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施形態であるインサート式ドリルの側面図である。
【図2】図1におけるX方向矢視図である
【図3】図1におけるY−Y断面図である。
【図4】図1におけるZ−Z断面図である。
【符号の説明】
【0052】
1 インサート式ドリル
2 ドリル本体
3 切屑排出溝
5 インサート取付座
8 外周ガイド部
9 第1パッド部
10 逃げ部
11 第2パッド部
13 切削油供給孔
20 インサート
22 切刃




 

 


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