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発明の名称 高融点金属製中空ドラム形状鋳物を精密鋳造するための鋳型およびその鋳型を用いた高融点金属製中空ドラム形状鋳物の精密鋳造方法。
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−125615(P2007−125615A)
公開日 平成19年5月24日(2007.5.24)
出願番号 特願2006−263709(P2006−263709)
出願日 平成18年9月28日(2006.9.28)
代理人 【識別番号】100076679
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 和夫
発明者 坂本 敏夫
要約 課題
高融点金属でバルブのような中空ドラム形状鋳物を精密製造する方法に関するものであり、特に液体水素を燃料とする大型ロケットにおける燃料の供給、調節などを行うための高融点金属製バルブを精密鋳造するための鋳型およびこの鋳型を用いた精密鋳造方法に関するものである。

解決手段
中空ドラム形状鋳物を精密鋳造するための開口空洞部6を有する鋳型であって、前記鋳型の開口空洞部上半分まで外面を断熱材2で被覆しかつ前記開口空洞部6の開口部を断熱材2で塞いだ構造を有する高融点金属製中空ドラム形状鋳物を精密鋳造するための鋳型、およびその鋳型を用いた精密鋳造方法。
特許請求の範囲
【請求項1】
中空ドラム形状鋳物を精密鋳造するための開口空洞部を有する鋳型であって、前記鋳型の開口空洞部上半分まで外面を断熱材で被覆しかつ前記開口空洞部の開口部を断熱材で塞いだ構造を有することを特徴とする高融点金属製中空ドラム形状鋳物を精密鋳造するための鋳型。
【請求項2】
前記中空ドラム形状鋳物は、バルブであることを特徴とする請求項1記載の高融点金属製中空ドラム形状鋳物を精密鋳造するための鋳型。
【請求項3】
前記高融点金属は、Ni基超合金であることを特徴とする請求項1または2記載の高融点金属製中空ドラム形状鋳物を精密鋳造するための鋳型。
【請求項4】
中空ドラム形状鋳物を精密鋳造するための開口空洞部を有する鋳型であって、前記鋳型の開口空洞部上半分まで外面を断熱材で被覆しかつ前記開口空洞部の開口部を断熱材で塞いだ構造を有する鋳型に、高融点金属溶湯を鋳造することを特徴とする高融点金属製中空ドラム形状鋳物の精密鋳造方法。
【請求項5】
前記中空ドラム形状鋳物は、バルブであることを特徴とする請求項4記載の高融点金属製中空ドラム形状鋳物の精密鋳造方法。
【請求項6】
前記高融点金属は、Ni基超合金であることを特徴とする請求項4または5記載の高融点金属製中空ドラム形状鋳物の精密鋳造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、高融点金属でバルブのような中空ドラム形状鋳物を精密鋳造する方法に関するものであり、特に液体水素を燃料とする大型ロケットにおける燃料の供給、調節などを行うための形状が複雑で大型かつ薄肉の高融点金属製バルブを精密鋳造法により製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、液体水素を燃料とする大型ロケットにおいて燃料を供給し調節するための形状が複雑で大型かつ薄肉のバルブには低温脆性の少ない高融点金属(たとえばインコネル718などのNi基超合金)製バルブが使用されており、このバルブは構造が複雑でありかつ大型で薄肉であるために、精密鋳造法により製造することが知られている。
しかし、この大型ロケットに使用する燃料の液体水素を供給するためのバルブは、形状が複雑で大型かつ薄肉であり、しかもNi基超合金などの高融点金属を鋳造して作製するところから、引け巣、ポロシティーなどの鋳造欠陥が発生しやすく、そのために通常よりも大きな押し湯または多くの押し湯を設けて引け巣、ポロシティーなどの鋳造欠陥が発生するのを阻止している。
ところが、引け巣およびポロシティーの生成を防止するために押し湯を大きくしまたは押し湯の数を増やして鋳造すると、高価な高融点Ni基超合金の多くが押し湯の形成に費やされ、材料の歩留まり(溶湯量に対する製品重量の比)が低下してコストが上昇する。
そのため、高融点金属であるNi基超合金の溶湯を鋳込んだのち鋳型内の溶湯を凝固させる際に鋳型内の溶湯を一部から順にある特定の意図した方向に向かって凝固させ、最後に押し湯部分の溶湯を凝固させ、それによって、小さな押し湯であっても、また押し湯の数を少なくしても引け巣、ポロシティーの生成を少なくしようとしている。この鋳造方法を図3および図4に基づいて説明する。図3は従来の鋳型を示す断面図であり、図4は図3のA方向から見た側面図である。図3および図4に示されるように、開口空洞部6を有する中空ドラム形状の精密鋳造鋳型1における開口空洞部6の上半分までの外面を断熱材2で被覆し、かかる状態でNi基超合金溶湯を押し湯部分3から湯口4を通して鋳型1のキャビティ5に鋳込むと、精密鋳造鋳型1内のキャビティ5内に鋳込まれたNi基超合金溶湯は、精密鋳造鋳型の上半分が断熱材2で被覆されているために、精密鋳造鋳型の開口空洞部6下半分に鋳込まれた溶湯から凝固を始め、順次精密鋳造鋳型の上方に向かって凝固し、最後に押し湯部分3の溶湯が凝固し、そのために鋳物に発生する引け巣、ポロシティーの生成が少なくなる。このとき押し湯3を大きくしまたは押し湯3の数を増やして鋳造すると、高価な高融点Ni基超合金の多くが押し湯の形成に使用され、材料の歩留まり(溶湯量に対する製品重量の比)が低下してコストが上昇する。
前記精密鋳造鋳型はいろいろな方法で作製することができるが、少量である場合はロストワックス法(非特許文献1参照)で作製することが好ましい。
【非特許文献1】杉山正孝編「鋳造技術の基礎」P154〜159、(財)総合鋳物センター(昭和53年発行)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、Ni基超合金のような高融点金属を開口空洞部6の上半分が断熱材2で被覆されている精密鋳造鋳型に鋳造して大型ロケットにおける燃料の液体水素を供給するための形状が複雑で大型かつ薄肉であるバルブを製造しようとしても、バルブのフランジのような肉厚部には引け巣が発生し、薄肉部にはポロシティーが発生するのを完全に阻止することは難しく、したがって、Ni基超合金を精密鋳造して形状が複雑で大型かつ薄肉であるバルブのような中空ドラム形状鋳物を歩留まりよく製造することは難しかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そこで、本発明者らは、引け巣、ポロシティーが生成することなく形状が複雑で大型かつ薄肉のバルブのような中空ドラム形状鋳物をNi基超合金のような高融点金属で精密鋳造により作製する方法を開発すべく研究を行った。
【0005】
その結果、図1の断面図および図2のA方向から見た側面図に示されるように、精密鋳造鋳型1の開口空洞部6の上半分を断熱材2で被覆した精密鋳造鋳型1の開口空洞部6の開口部に断熱材2を充填して開口空洞部6を密閉し、かかる状態で高融点金属溶湯を押し湯部分3に注入し、湯口4を通して鋳型1のキャビティ5に高融点金属溶湯を鋳込むと、得られた精密鋳造鋳物に引け巣、ポロシティーの発生が皆無となり、歩留まりが向上する、という知見を得たのである。
【0006】
この発明は、かかる知見に基づいて成されたものであって、
(1)中空ドラム形状鋳物を精密鋳造するための開口空洞部6を有する鋳型であって、前記鋳型の開口空洞部上半分まで外面を断熱材2で被覆しかつ前記開口空洞部6の開口部を断熱材2で塞いだ構造を有する高融点金属製中空ドラム形状鋳物を精密鋳造するための鋳型、
(2)前記中空ドラム形状鋳物は、バルブである前記(1)記載の高融点金属製中空ドラム形状鋳物を精密鋳造するための鋳型、
(3)前記高融点金属は、Ni基超合金である前記(1)または(2)記載の高融点金属製中空ドラム形状鋳物を精密鋳造するための鋳型、に特徴を有するものである。
【0007】
この発明の前記(1)〜(3)記載の高融点金属製中空ドラム形状鋳物を精密鋳造するための鋳型を用いると、高融点金属溶湯で特に形状が複雑で大型かつ薄肉のバルブのような中空ドラム形状鋳物を歩留まり良く精密鋳造することができる。したがって、この発明は、
(4)中空ドラム形状鋳物を精密鋳造するための開口空洞部を有する鋳型であって、前記鋳型の開口空洞部上半分まで外面を断熱材で被覆しかつ前記開口空洞部の開口部を断熱材で塞いだ構造を有する鋳型に、高融点金属溶湯を鋳造する高融点金属製中空ドラム形状鋳物の精密鋳造方法。
(5)前記中空ドラム形状鋳物は、バルブである前記(4)記載の高融点金属製中空ドラム形状鋳物の精密鋳造方法、
(6)前記高融点金属は、Ni基超合金である前記(4)または(5)記載の高融点金属製中空ドラム形状鋳物の精密鋳造方法、に特徴を有するものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明の高融点金属製中空ドラム形状鋳物を精密鋳造するための鋳型を用いて精密鋳造すると、高融点金属であるNi基超合金でバルブのような中空ドラム形状鋳物を引け巣、ポロシティーが発生することなく製造することができるので、Ni基超合金製バルブを歩留まりよく製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
ロストワックス法により最大厚さ:30mm、最小厚さ:5mmのキャビティを有し、中央に開口空洞部を有するロストワックス鋳型を作製し、この鋳型の開口空洞部の上半分まで断熱材であるカオウール(商品名)を被覆した図3〜4に示される従来の精密鋳造鋳型を作製した。
さらに、インコネル718(成分組成:Cr:12.5質量%、Mo:4.2質量%、Nb:2.0質量%、Al:6.0質量%、C:0.1質量%を含有し、残部:Niおよび不可避不純物)を溶解し、Ni基超合金溶湯を作製した。
実施例1
図3〜4に示される鋳型の開口空洞部の上半分までカオウール(商品名)を被覆した従来の精密鋳造鋳型の開口空洞部に、さらにカオウール(商品名)を充填して図1〜2に示されるようにカオウール(商品名)で開口空洞部を塞いだのち、用意したNi基超合金溶湯を精密鋳造鋳型に鋳造してバルブを作製した。得られたバルブの内部に引け巣、ポロシティーが発生しているか否かを透過X線装置を用いて検査した結果、バルブの内部に引け巣、ポロシティーの発生は検出されなかった。
従来例1
図3〜4に示される鋳型の開口空洞部の上半分までカオウール(商品名)を被覆した従来の精密鋳造鋳型に、用意したNi基超合金溶湯を鋳造してバルブを作製した。得られたバルブの内部に引け巣、ポロシティーが生成しているか否か透過X線装置を用いて検査した結果、1個の引け巣、20個のポロシティーが検出され、不良品となった。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の高融点金属製中空ドラム形状鋳物の精密鋳造方法で使用する精密鋳造鋳型の断面説明図である。
【図2】この発明の高融点金属製中空ドラム形状鋳物の精密鋳造方法で使用する精密鋳造鋳型の図1におけるA方向から見た側面図である。
【図3】従来の高融点金属製中空ドラム形状鋳物の精密鋳造方法で使用する精密鋳造鋳型の断面説明図である。
【図4】従来の高融点金属製中空ドラム形状鋳物の精密鋳造方法で使用する精密鋳造鋳型の図3におけるA方向から見た側面図である。
【符号の説明】
【0011】
1:精密鋳造鋳型、2:断熱材、3:押し湯、4:湯口、5:キャビティ、6:開口空洞部。




 

 


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