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発明の名称 シックナー
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−98354(P2007−98354A)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
出願番号 特願2005−295095(P2005−295095)
出願日 平成17年10月7日(2005.10.7)
代理人 【識別番号】100096862
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 千春
発明者 中村 達史
要約 課題
混合液中の還元性物質が大気中の酸素によって酸化されることを防止できるとともに、固液分離に必要以上の時間がかからず、かつ、利便性に優れたシックナーを提供することを目的とする。

解決手段
還元性物質である固形分と液体との混合液を、界面が大気に開放された状態で貯留する装置本体(1)を有し、この装置本体の底部(2)に、沈降した上記固形分を排出させる排出口(3a)を形成するとともに、上記装置本体の液体の界面近傍に、上記液体を排出させる排水口(4c)を形成したシックナーとした。さらに、上記装置本体内の上部に、筒状体(5)が当該内部に上記液体の界面が位置するように配設し、この筒状体の界面の下方に位置する側面に混合液の供給管(6)を接続した。
特許請求の範囲
【請求項1】
還元性物質である固形分と液体との混合液を、界面が大気に開放された状態で貯留する装置本体を有し、この装置本体の底部に、沈降した上記固形分を排出させる排出口が形成されるとともに、上記装置本体の液体の界面近傍に、上記液体を排出させる排水口が形成され、かつ、上記装置本体内の上部に、筒状体が当該内部に上記液体の界面が位置するように配設され、この筒状体の上記界面の下方に位置する側面に、混合液の供給管が接続されていることを特徴とするシックナー。
【請求項2】
上記筒状体内には、上記供給管の接続部の上方であって、かつ上記界面の下方位置に、当該筒状体内を塞ぐ仕切部材が配設されていることを特徴とする請求項1に記載のシックナー。
【請求項3】
上記装置本体の上方から上記底部に向けて上下方向に配設された回転軸と、この回転軸の下端部に一体的に設けられ、上記回転軸の回転により上記固形分を上記排出口に向けて掻き寄せる掻き寄せ部材とを備えた掻き寄せ機が設けられ、かつ、
上記仕切部材は、上記回転軸を挿通させる貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のシックナー。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、還元性物質である固形分と液体との混合液から、固形分と液体とを固液分離するためのシックナーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から知られている一般的なシックナーは、図4に示すように、固形分と液体との混合液を、界面が大気に開放された状態で貯留する装置本体90を有し、この装置本体90の底部に固形分の排出口91が形成されるとともに、装置本体90の液体の界面近傍に液体の排水口92が形成されている。また、上記液体の界面が内部に位置するようにフィードウェル93が配設され、このフィードウェル93内部の液体の界面上方に供給口を具備する供給管94が設けられている。そして、この供給管94の供給口から上記混合液を装置本体90のフィードウェル93内部に供給すると、フィードウェル93の内壁に沿って固形分が沈降するようになっている。
【0003】
さらに、上記シックナーにおいては、フィードウェル93内に挿通されるとともに、モータに接続され、上下方向に向けて配設された回転軸95と、この回転軸95の下端部に一体的に設けられ、上記固形分を上記排出口に掻き寄せる掻き寄せ部材96とを備えた掻き寄せ機が設けられている。このため、装置本体90の底部外周に固形分が沈降した場合、この掻き寄せ機により固形分が上記排出口91に掻き寄せられるようになっている。
このようにして、固形分が上記排出口91から排出されるとともに、上記排水が上記排水口92から排出されることにより固液分離される。
【0004】
ところが、上記シックナーを用いて還元性物質である固形分と液体との混合液の固液分離を行う場合には、供給管94の供給口が液体の界面上方に配設されているため、還元性物質を装置本体90内に供給する際、大気中の酸素によって還元性物質が酸化されてしまう。このため、還元性物質を再利用することができないという問題がある。
【0005】
そこで、上記還元性物質を大気中から遮断するために、函体の開口部に蓋体を設け、この蓋体に上記シャフトを挿通させるための貫通孔を設け、このシャフト周りの貫通孔の空間を塞ぐためメカニカルシールを設置したシックナーを用いることが考えられうる。
【0006】
ところが、このようにした場合にも、蓋体内部の空気と接触することにより還元性物質の酸化を完全に阻止することができず、上記還元性物質を再利用することができない。また、供給管94から混合液を装置本体90内に圧送すると、蓋内外の圧力差により混合液が勢いよく噴出し、装置本体90底部に沈降した固形分が巻上がってしまうため、再度、固形分が沈降するのを待つ必要があり、固液分離に必要以上の時間がかかるという問題がある。さらに、上述のようにメカニカルシールを用いた場合には、装置が複雑化する上、メカニカルシール自体が金属材料等からなるため、腐食等の問題がある。その結果、定期的にメンテナンスが必要となり、装置としての利便性に欠ける。
【0007】
【特許文献1】特開2005−211891号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このため本発明は、混合液中の還元性物質が大気中の酸素によって酸化されることを防止できるとともに、固液分離に必要以上の時間がかからず、かつ、利便性に優れたシックナーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、還元性物質である固形分と液体との混合液を、界面が大気に開放された状態で貯留する装置本体を有し、この装置本体の底部に、沈降した上記固形分を排出させる排出口が形成されるとともに、上記装置本体の液体の界面近傍に、上記液体を排出させる排水口が形成され、かつ、上記装置本体内の上部に、筒状体が当該内部に上記液体の界面が位置するように配設され、この筒状体の上記界面の下方に位置する側面に、混合液の供給管が接続されていることを特徴とするシックナーである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のシックナーにおいて、上記筒状体内には、上記供給管の接続部の上方であって、かつ上記界面の下方位置に、当該筒状体内を塞ぐ仕切部材が配設されていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のシックナーにおいて、上記装置本体の上方から上記底部に向けて上下方向に配設された回転軸と、この回転軸の下端部に一体的に設けられ、上記回転軸の回転により上記固形分を上記排出口に向けて掻き寄せる掻き寄せ部材とを備えた掻き寄せ機が設けられ、かつ、上記仕切部材には、上記回転軸を挿通させる貫通孔が形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
上述の請求項1に記載の発明によれば、還元性物質である固形分と液体との混合液は、シックナーへの供給の際、供給管から筒状体内の液体中に直接供給される。このため、還元性物質が大気に触れ、酸化することを防止できる。
さらに、シックナーに供給された後、還元性物質である固形分が筒状体の内壁に沿って沈降するため、還元性物質が液体の界面を浮遊することによって酸化することを防ぐことができる。
その結果、還元性物質を底部の排出口から取り出すことにより、再利用することができる。
【0013】
上述の請求項2に記載の発明によれば、筒状体内を塞ぐ仕切部材が、供給管の接合部の上方、かつ、界面の下方位置に配設されているため、大気にさらされる界面近傍を、大気から遮断することができる。その結果、供給管から還元性物質である固形分と液体との混合液を筒状体に供給し、上記固形分が筒状体の内壁に沿って沈降する際、液体の界面を浮遊する還元性物質が大気中の酸素に触れる恐れがなく、確実に還元性物質の酸化を阻止できる。
【0014】
上述の請求項3に記載の発明によれば、掻き寄せ機が設けられているシックナーにおいて、筒状体内に回転軸を挿通させ、仕切部材には回転軸を貫通させる貫通孔が形成されているため、供給管から混合液を筒状体に供給し、上述の固形分が筒状体の内壁に沿って沈降する際に、混合液の供給量が多い場合、還元性物質が上述の貫通孔から溢れた後、回転軸と貫通孔との隙間に滞積する。この滞積した固形分は、上述の溢れた重金属類含有水が再度貫通孔から排出口に向けて流入することを阻止する。その結果、大気中の酸素により酸化された還元性物質が排出口から排出されず、排出口から排出された還元性物質を再利用することができる。
それ故、大気を遮断するために蓋体等を別途設ける必要がないため、蓋内外の圧力差により混合液が噴出して、装置本体の底部に沈降した固形分を巻上げる恐れがなく、かつ、メンテナンスにかかる手間が少ない利便性に優れた装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係るシックナーの一実施形態および、それを用いた重金属類含有水等の処理プラントの一実施形態について、図1ないし図3を用いて説明する。
【0016】
まず、本実施形態におけるシックナーは、図1に示すように、上部が大気中に開放され、固体と液体との混合液を貯留する円柱筒状の装置本体1を有しており、この装置本体1の底部2が中央部に向けて下方に漸次傾斜している。そして、この中央部に、頂部を下方に向けた円錐筒状のスピゴットコーン3が一体的に設けられ、この頂部に固形分を排出する排出口3aが形成され、概略構成されている。
【0017】
他方、装置本体1の上部には、リング状の仕切壁4aが上下方向に向けて配設され、この仕切壁4aの下端部から外周に向けて溝底4bが設けられることによりオーバーフロー溝4が形成されている。この溝4は、仕切壁4a内部からの溢流水を、溝底4bに部分的に形成された排水口4cに導き、上記混合液の固形分を除去した液体を排出するようになっている。
【0018】
さらに、上述の装置本体1の中央部に円柱筒状のフィードウェル(筒状体)5が、上述の混合液の界面が内部に位置するように上下方向に向けて配設されている。このフィードウェル5は、界面の下方において、側壁に上記混合液の供給管6が直接接続されている。また、この供給管6より上方であって、かつ界面より下方には、横断面を塞ぐ円形の仕切板(仕切部材)7が水平に設けられている。この仕切板7は、中央部に後述するシャフト9aを挿通させる貫通孔7aが形成されている。
【0019】
また、装置本体1の上方には、載置台(図示を略す)が設けられ、この載置台には、シックナードライブ8が置かれている。そして、シックナードライブ8には、シャフト(回転軸)9aが接続され、シャフト9aは、上記フィードウェル5内の貫通孔7aを挿通して、装置本体1の底部に向けて配設されている。このシャフト9aの下端部には、中央部にて一体的に接合されたレーキ(掻き寄せ部材)9bが設けられ、このレーキ9bは、底部の傾斜に沿って外周部に向けて設けられ、外周部に沈降する固形分を上記スピゴットコーン3に掻き集めるようになっている。
【0020】
次に、図2及び図3に基づいて、上述のようにして構成されたシックナーを用いた重金属類含有水等の処理プラントについて、説明する。
この処理プラントは、上述のシックナーから構成される固液分離部ユニット20の上流側に反応部ユニット10が接続されるとともに、同ユニット20の下流側に濾過部ユニット30および脱水部ユニット40が接続されることにより概略構成されている。
【0021】
ここで、上記重金属類とは、例えば、セレン、カドミウム、六価クロム、鉛、亜鉛、銅、ニッケル、ヒ素、アンチモンなどの各種重金属元素や金属元素を包含するものである。そして、上記重金属類含有水とは、上記重金属類を含む水の総称であり、自然発生的および人為的に生じた各種の廃水や排水等を含み、例えば、工場排水や下水、海水、河川水、沼や湖池の水、地表の溜まり水、河川等の堰止域の水、地下の流水や溜まり水、暗渠の水等であって、上記重金属類を含有するものである。
【0022】
そして、上述の各ユニット10、20、30、40は、それぞれ個別に搬送可能であり、例えば、重金属類を含有する排水等の処理場所まで搬送されたうえで、互いの配管部分が接続されることにより、全体としての処理プラントが構成されるようになっている。
【0023】
上記反応部ユニット10は、上記処理場所において上記排水等を貯留したタンク11から送水ポンプ11aによって排出される上記排水等を一時貯留する貯留槽12と、上記排水等に硫酸第一鉄を添加する添加装置13と、上記排水等および硫酸第一鉄を空気流入が遮断された内部において撹拌機16によって撹拌しつつ反応させて還元性の鉄化合物沈殿を生成させる4基の反応槽10a〜10dと、この反応槽10a〜10d内のpH値を所定の範囲に保持するための水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液の供給装置14とが備えられている。
【0024】
ここで、貯留槽12は、上部に排水等の供給管21が接続されており、供給管21には流量計21bが介装されている。他方、この貯留槽12の底部には、内部の上記排水等を反応槽10aへと移送する移送管22が接続されており、この移送管22には移送ポンプ22aおよび流量計22bが介装されている。さらに、この貯留槽12には、内部の液面を検出して送水ポンプ11aおよび移送ポンプ22aの運転を制御するレベル検出器12cが設けられている。
【0025】
また、添加装置13は、硫酸第一鉄を蓄えるタンク13dと、このタンク13d内の硫酸第一鉄を所定の流量で供給する送液ポンプ13aと、この送液ポンプ13aの吐出管23とから構成されたもので、吐出管23が移送管22の流量計22bの下流側に接続されている。そして、この移送管22から硫酸第一鉄が添加された上記排水等が送られる反応槽10aの後段に、順次反応槽10b〜10dが配置されている。
【0026】
すなわち、4基の反応槽10a〜10dは、移送管24a〜24cによって直列的に設けられており、各移送管24a〜24cの流入側が前段に位置する各反応槽10a〜10cの底部に接続されるとともに、排出側が後段に位置する各反応槽10b〜10dの上部に接続されている。そして、最終段の反応槽10dの底部に上記供給管6の起端部が接続され、上述のようにして終端部が上記フィードウェル5の側壁に一体的に接続されることにより、固液分離部ユニット20へと接続されている。
【0027】
この固液分離部ユニット20は、上述のシックナーと、上記固形分の排出口3aに接続された二股配管の返送ライン25と排出ライン26とから概略構成されている。
この返送ライン25は、反応部ユニット10内に設けられた返泥ポンプ17の吸入側に接続されている。そして、この返泥ポンプ17の吐出側に返送ライン27の一端部が接続され、この返送ライン27の他端部が初段の反応槽10aの上部に接続されている。ここで、返送ライン27には、流量計27bと条件槽15とが介装されるとともに、流量計27bの上流側に返送ライン27内に水を供給する水供給ライン28が開閉弁28aを介して枝配管されている。また、返送ライン27には、条件槽15の上流側に上記水酸化ナトリウム水溶液の供給装置14における供給管29が接続されている。
【0028】
この供給装置14は、水酸化ナトリウム水溶液を蓄える貯留タンク14dと、この貯留タンク14d内の水酸化ナトリウム水溶液を、上記供給管29を通じて送液するポンプ14aと、このポンプ14aを駆動制御するpH計18とを備えたもので、このpH計18は、2段目の反応槽10bとの間の移送管24aに介装されている。
【0029】
他方、排出ライン26は、排出口3aから排出された重金属類を、濾過部ユニット30に設けられた送泥ポンプ35によって、開閉弁36aおよび流量計36bが介装された送泥ライン36から汚泥貯槽37に送られるようになっている。そして、この汚泥貯槽37の排出管38が、脱水部ユニット40内に設置された脱水ポンプ39の吸引側に接続されるとともに、脱水ポンプ39の吐出側が脱水機71に接続されている。
【0030】
なお、汚泥貯槽37には、内部の汚泥を撹拌する撹拌機41と、当該汚泥の量を検出して送泥ポンプ35の運転制御および開閉弁36aの開閉制御を行う超音波レベル計42とが設けられている。
【0031】
これに対して、シックナーの上部に設けられ、液体を排出するオーバーフロー溝4の排水口4cは、排水ライン43の一端部が接続されており、当該排水ライン43の他端部は、濾過部ユニット30に設置された2基の砂濾過槽44に導入されている。また、これら砂濾過槽44からの排水は、排水ライン45から順次用水槽46、pH調整槽47および処理水槽48へと送られ、処理水槽48から処理水が排水されるようになっている。
【0032】
ここで、用水槽46には、内部の液面を検出するレベル計49と、このレベル計からの検出信号によって、内部の排水を、移送ライン50を通じて用水として汲み出す移送ポンプ46aとが設けられている。そして、移送ライン50は、送水された用水を砂濾過槽44の逆洗浄水として供給する逆洗浄ライン52と、同様に送水された用水を、上述した水供給ライン28や他の洗浄水あるいは薬品溶解水として供給する用水供給ライン53とに枝配管されている。
【0033】
また、pH調整槽47には、内部のpH値を検出するpH計54と、このpH計54の検出信号に基づいて、pH調整槽47内の排水を中和すべく中和剤タンク55内の硫酸をポンプ55aによって添加する中和装置57が設けられている。なお、図中符号58は、pH調整槽47および処理水槽48に設けられた撹拌機である。
【0034】
さらに、この濾過部ユニット30には、砂濾過槽44に隣接して、逆洗浄排水槽60が設けられている。そして、この逆洗浄排水槽60には、砂濾過槽44を逆洗浄した際の洗浄水と脱水機71からの脱水とが、それぞれ排水ライン61、脱水ライン62を介して導入されている。
【0035】
また、この逆洗浄排水槽60には、内部の液面を検出するレベル計63と、このレベル計63からの検出信号に基づいて、戻りライン64を通じて内部の排水あるいは脱水を貯留槽12へと戻す移送ポンプ60aが設けられている。
【0036】
次に、上記構成からなる重金属類含有水等の処理プラントを用いて、重金属類を含有する排水を処理する場合の作用を説明する。
上記構成からなる重金属類含有水の処理プラントにおいては、各々のユニット10〜40を上記処理場所まで搬送して相互間の配管を連結することにより当該処理プラントを組み立てた後に、上記処理場所のタンク11内に貯留されている重金属類を含む排水等を、送水ポンプ11aによって貯留槽12へと送る。そして、この貯留槽12内の上記排水等を、移送ポンプ22aによって移送管22から初段の反応槽10aへと供給する。この際に、還元性物質の添加装置13により、タンク13d内の硫酸第一鉄を、吐出管23から移送管22へと送ることにより、上記排水等の供給量に対応した所定量の硫酸第一鉄を添加する。
【0037】
そして、硫酸第一鉄が添加された上記排水等を、10℃〜30℃の常温において撹拌機16で撹拌しつつ、順次移送管24a〜24cを介して後段の反応槽10b〜10dへと送る。
これと並行して、後述するシックナーにおいて固液分離された還元性の鉄化合物沈殿の一部を、返送ライン25、27から反応槽10aに戻す。その際に、条件槽15において、この還元性の鉄化合物沈殿と、pH計18からの検出信号に基づいて供給装置14から供給される水酸化ナトリウム水溶液とを混合することによって、反応槽10a〜10d内のpH値を、8.5〜11、好ましくは9.0〜10の範囲に保持する。
【0038】
すると、空気流入が遮断された上記反応槽10a〜10dにおいて酸化還元反応が生じ、グリーンラストと鉄フェライトとの混合物からなる還元性の鉄化合物沈殿が生成され、上記排水等に含まれる重金属イオンが上記グリーンラストの層間に取り込まれることにより、上記重金属を含んだ状態で上記鉄フェライト化する。具体的には、上記排水等に添加された硫酸第一鉄が、グリーンラスト(示性式の一例、[Fe(II)4Fe(III)2(OH)122+[SO4nH2O]2-)になる。このグリーンラストは、第一鉄と第二鉄の水酸化物が層状をなす青緑色の物質であり、層間に重金属のアニオンを取り込んだ構造を有している。そして、当該グリーンラストが緩慢に酸化されて磁性物質である鉄フェライト(Fe34)になる。
【0039】
例えば、上記排水等に含まれる6価セレン(SeO42-)は、第一鉄化合物によって還元されて4価セレン(SeO32-)および元素セレン(Se)になって、上記グリーンラストの層間に取り込まれた状態で沈殿化する。このようにして、硫酸第一鉄および返送された還元性の鉄化合物沈殿が添加された上記排水等は、順次反応槽10a〜10dに送られるにしたがって、当該排水中に含まれるセレン、カドミウム、六価クロム、鉛、亜鉛、銅、ニッケル、ヒ素、アンチモンなどの汚染物質となる重金属類が効果的に沈澱が生成する。
【0040】
次いで、上記還元性の鉄化合物沈殿(還元性物質である固形分)を含む排水等(混合液)は、反応槽10dの下端部から供給管6に供給され、次いで、この供給管6内からシックナーのフィードウェル5内に直接供給される。このため、フィードウェル5内への供給の際、沈澱に一部含まれるグリーンラストと鉄フェライトとからなる還元性鉄化合物沈澱と大気との接触が防止される。さらに、仕切板7により大気との接触が遮断されているフィードウェル5の内壁に沿ってそのままスピゴットコーン3へ沈降する。また、一部底部2周辺に沈降した還元性鉄化合物は、レーキ9bによりスピゴットコーン3へ掻き集められる。この沈降の際、上記還元性鉄化合物沈澱と大気との接触が防止され、その結果、還元性鉄化合物沈澱の酸化が阻止される。
【0041】
また、還元性の鉄化合物を含む排水は、供給量の変動によって、一部が貫通口7aから溢れ、大気中の酸素に接触し、酸化される場合が生じるものの、還元性の鉄化合物沈澱が仕切板7のシャフト9aと貫通口7aとの隙間に滞積することにより、酸化された還元性鉄化合物沈澱の仕切板7下方への流入が阻止される。
【0042】
次に、沈降した還元性鉄化合物沈澱を含むスラリーは、一部が、返送ライン25、27から条件槽15に供給され、上述した供給装置14により水酸化ナトリウム水溶液が添加された後、再び初段の反応槽10aへと戻され、再利用される。この際、上述のようにシックナー内において還元性鉄化合物沈澱の酸化が阻止されているため、順次各反応槽10a〜10dに供給されつつ、さらに重金属類を取り込むとともにグリーンラストがフェライトに酸化される。
【0043】
他方、上記スラリーの他部は、超音波レベル計42からの検出信号により駆動される送泥ポンプ35により、排出ライン26から送泥ライン36を通じて、一時汚泥貯槽37に蓄えられる。そして、汚泥貯槽37の上記スラリーは、脱水ポンプ39によって脱水機71に送られ、脱水処理されて脱水ケーキ70として排出される。またこの際に分離された排水分(液体)は、排水ライン62から逆洗浄排水槽60へと送られる。
【0044】
他方、シックナーにおいて固液分離された排水は、オーバーフロー部22cから排水ライン43を通じて砂濾過槽44へと送られ、この砂濾過槽44において、当該排水中に残留していた還元性の鉄化合物沈殿が除去されて無害化された後に、排水ライン45から順次用水槽46、pH調整槽47へと送られる。そして、このpH調整槽47において、中和装置57から供給される硫酸によって中和され、処理水槽48から外部に排水されて行く。
【0045】
また、経時的な目詰まりによって砂濾過槽44における差圧が上昇した場合には、移送ポンプ46aによって用水槽46内の排水が、逆洗浄ライン52から砂濾過槽44に供給されて逆洗浄が行われる。この結果、砂濾過槽44に捕集された上記鉄化合物沈殿は、排水ライン61から逆洗浄排水槽60に送られる。そして、この逆洗浄排水槽60内に蓄えられた少量の鉄化合物沈殿を含む排水のレベルが所定値を超えると、これを検出したレベル計63からの検出信号によって移送ポンプ60aが起動し、上記鉄化合物沈殿を含む排水が戻りライン64から貯留槽12へと送られる。
【0046】
このように、上記シックナーによれば、還元性の鉄化合物沈殿を含む排水等を、上記供給管6からフィードウェル5に直接供給することにより、この沈澱と大気との接触を遮断し、供給後においても仕切板7により大気に曝さないようにして、沈降させることができる。その結果、還元性の鉄化合物沈澱は、酸化することなく、固液分離されて排出口3aから排出されるため、この一部を、返送ライン25、27によって反応槽10a〜10dに再供給することにより、再利用することができる。
【0047】
なお、上記実施の形態においては、還元性物質として、還元性の鉄化合物を用いたが、これに限定されるものではなく、還元性を有する他の化合物を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係るシックナーの一実施形態の側面説明図である。
【図2】図1のシックナーを用いた重金属類含有水等の処理プラントの一実施形態の一部を示した概略説明図である。
【図3】図1のシックナーを用いた重金属類含有水等の処理プラントの一実施形態の一部を示した概略説明図である。
【図4】従来のシックナーの一実施形態の側面説明図である。
【符号の説明】
【0049】
1 装置本体
3a 排出口
4c 排水口
5 フィードウェル(筒状体)
6 供給管




 

 


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