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切削工具及びインサート - 三菱マテリアル株式会社
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発明の名称 切削工具及びインサート
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−69306(P2007−69306A)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
出願番号 特願2005−258900(P2005−258900)
出願日 平成17年9月7日(2005.9.7)
代理人 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
発明者 滝口 正治 / 金星 彰
要約 課題
加工穴開口部の欠損を抑制できるとともに、有効インサート数を減少することなく効率良く切削加工でき、しかも、インサートの使用コストを低減できる切削工具及びインサートを提供する。

解決手段
下穴の内壁面を切削加工する切削工具1であって、インサートは多角形平板状をなし側面のうちの1つがすくい面とされ、すくい面及び多角形面31A、31Bの交差稜線部と、すくい面及び該すくい面に隣接する他の側面の交差稜線部とがなす角部にコーナ刃を有する切刃が備えられ、工具本体10の先端部外周には、第1取付座20と、第2取付座21とが設けられ、第1、第2取付座20、21に装着されたインサート30同士では、互いに反対の多角形面側のコーナ刃が工具本体10径方向外側に向けられて、これらのコーナ刃は、一方のコーナ刃が他方のコーナ刃の工具本体先端側及び工具本体径方向内側に配置されていることを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
軸線回りに回転される工具本体と、複数の同形同大のインサートとを有し、被切削材に予め設けられた下穴に挿入され、該下穴の内壁面を切削加工する切削工具であって、
前記インサートは、外形が多角形平板状をなして2つの多角形面を有し、該多角形面の周りの側面のうちの1つがすくい面とされ、
前記インサートには、前記すくい面と前記2つの多角形面との交差稜線部と、前記すくい面と該すくい面に隣接する他の側面との交差稜線部とがなす角部にそれぞれコーナ刃を有する切刃が備えられ、
前記工具本体の先端部外周には、前記インサートが、一方の前記多角形面を正面逃げ面として装着される第1取付座と、他方の前記多角形面を外周逃げ面として装着される第2取付座とが設けられ、
これら第1、第2取付座に装着された前記インサート同士では、互いに反対の前記多角形面側の前記コーナ刃が前記工具本体径方向外側に向けられて、これらのコーナ刃は、一方のコーナ刃が他方のコーナ刃の前記工具本体先端側及び前記工具本体径方向内側に配置されていることを特徴とする切削工具。
【請求項2】
被切削材に予め設けられた下穴に挿入され、該下穴の内壁面を切削加工する請求項1に記載の切削工具に装着されるインサートであって、
外形が多角形平板状をなして2つの多角形面を有し、該多角形面の周りの側面のうちの1つがすくい面とされたインサート本体に、該インサート本体より硬質の板状をなす切刃部が前記すくい面に沿うように接合され、
前記すくい面と前記2つの多角形面との交差稜線部と、前記すくい面と該すくい面に隣接する他の側面との交差稜線部とがなす角部にそれぞれコーナ刃を有する切刃が備えられたことを特徴とするインサート。
【請求項3】
前記切刃部が、CBNによって構成されていることを特徴とする請求項2に記載のインサート。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、被切削材に予め設けられた下穴の内壁面を切削加工して所定の内径の加工穴を形成する際に使用されるボーリングカッタ等の切削工具及びこの切削工具に装着されるインサートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンのシリンダーボアの加工等に用いられる切削工具として、例えば、軸線回りに回転される工具本体の先端部外周に、切刃を有するインサートを着脱可能に装着したボーリングカッタが知られている(特許文献1参照)。
このような切削工具に装着されるインサートとして、外形が四角形平板状をなし、その四角形面が正面逃げ面とされるとともに、この四角形面の周りの4つの側面の一つがすくい面とされ、正面逃げ面とされた四角形面とすくい面との交差稜線部に沿って延びる切刃が設けられた、いわゆる縦刃のインサートが使用されることがある。
【0003】
このような構成とされた切削工具は、工具本体がアダプタ等を介して工作機械の主軸端に取り付けられて、工具本体の軸線回りに高速回転されるとともに軸線方向に送りを与えられ、被切削材に予め設けられた下穴に挿入され、工具本体の先端部外周に装着されたインサートの切刃によって下穴の内壁面を切削加工し、所定の内径の加工穴を形成するものである。
【特許文献1】登録実用新案第2585714号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の切削工具においては、下穴の内壁面を切削しつつ軸線方向に送りを与えられて加工穴を形成していくが、加工の最後に切削工具が被切削材から突き出される際に、加工穴の開口部の一部が欠損してしまうことがあった。特に、切削工具の切削量(下穴と加工穴の内径差)が大きい場合には、加工穴開口部に発生する欠損も大きくなり、加工穴を精度良く形成することができないといった問題があった。
【0005】
ここで、切削工具の切削量を小さくすることにより、加工穴開口部の欠損を抑えることができるが、下穴を所定の内径まで加工するためには、例えば荒加工用の切削工具で加工した後に仕上加工用の切削加工を再度挿入するなど、複数の切削工具を使用することとなり、加工効率が低下してしまう。
【0006】
切削工具全体の切削量を確保しつつ、それぞれのインサートの切り込み量を低減するためには、工具本体に複数備えられたインサートの工具本体径方向及び軸線方向における切刃の位置を調整して、例えば、切削工具に備えられた複数のインサートの半数を荒加工用とし、残りの半数を仕上加工用として使用すればよい。しかしながら、工具本体に備えられたインサートを荒加工用と仕上加工用とに分割した場合には、荒加工時と仕上げ加工時とに使用できる有効刃数が減少するので、切削工具の送りを小さくする必要があり、効率良く加工ができなくなってしまう。
【0007】
そこで、荒加工及び仕上加工時の有効刃数を減少させることなく、かつ、切削工具の切削量を確保するためには、荒加工用及び仕上加工用にインサートをそれぞれ配置することになり、元の切削工具の2倍のインサートを備える必要がある。
ここで、特許文献1で示した切削工具において、荒加工用及び仕上加工用にインサートをそれぞれ配置した場合には、使用により切刃が摩耗した際にすべてのインサートを交換する必要がある。したがって、1組のインサートを工具本体に装着してこのインサートの切刃が摩耗するまでしか使用できず、インサートの使用量が増加して使用コストが高くなるといった問題があった。
【0008】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、切削工具全体の切削量を分割してそれぞれのインサートの切り込み量を低減し、加工穴開口部の欠損を抑制できるとともに、荒加工時及び仕上加工時の有効インサート数を減少することなく効率良く切削加工でき、しかも、インサートの使用コストを低減できる切削工具及びインサートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、この発明に係る切削工具は、軸線回りに回転される工具本体と、複数の同形同大のインサートとを有し、被切削材に予め設けられた下穴に挿入され、該下穴の内壁面を切削加工する切削工具であって、前記インサートは、外形が多角形平板状をなして2つの多角形面を有し、該多角形面の周りの側面のうちの1つがすくい面とされ、前記インサートには、前記すくい面と前記2つの多角形面との交差稜線部と、前記すくい面と該すくい面に隣接する他の側面との交差稜線部とがなす角部にそれぞれコーナ刃を有する切刃が備えられ、前記工具本体の先端部外周には、前記インサートが、一方の前記多角形面を正面逃げ面として装着される第1取付座と、他方の前記多角形面を外周逃げ面として装着される第2取付座とが設けられ、これら第1、第2取付座に装着された前記インサート同士では、互いに反対の前記多角形面側の前記コーナ刃が前記工具本体径方向外側に向けられて、一方のコーナ刃が他方のコーナ刃の前記工具本体先端側及び前記工具本体径方向内側に配置されていることを特徴としている。
【0010】
また、この発明に係るインサートは、被切削材に予め設けられた下穴に挿入され、該下穴の内壁面を切削加工する前記切削工具に装着されるインサートであって、外形が多角形平板状をなして2つの多角形面を有し、該多角形面の周りの側面のうちの1つがすくい面とされたインサート本体に、該インサート本体より硬質の板状をなす切刃部が前記すくい面に沿うように接合され、前記すくい面と前記2つの多角形面との交差稜線部と、前記すくい面と該すくい面に隣接する他の側面との交差稜線部とがなす角部にそれぞれコーナ刃を有する切刃が備えられたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
上記の構成の切削工具においては、第1取付座と第2取付座とが設けられており、例えば第1取付座に装着したインサートを荒加工用として使用し、第2取付座に装着したインサートを仕上加工用とすることで、切削工具全体の切削量を確保しつつ、それぞれのインサートの切り込み量を低減することができる。よって、加工の最後にこの切削工具が被切削材から突き出される際に、加工穴開口部が欠損することを抑制できる。
【0012】
また、第1、第2取付座に装着された前記インサート同士では、互いに反対の前記多角形面側の前記コーナ刃が前記工具本体径方向外側に向けられて、一方のコーナ刃が他方のコーナ刃の前記工具本体先端側及び前記工具本体径方向内側に配置されているので、例えば第1取付座に装着されたインサートのコーナ刃が、第2取付座に装着されたインサートのコーナ刃の工具本体先端側及び工具本体径方向内側に配置されていた場合には、第1取付座に装着したインサートで荒加工した後に、第2取付座に装着されたインサートで仕上加工を行うことができる。よって、荒加工を行うインサートが被切削材から突き出された際に小さな欠損が生じた場合でも、仕上加工用のインサートで欠損した部分を加工することができ、加工穴を精度良く形成することができる。
【0013】
また、第1取付座では一方の多角形面を正面逃げ面とし、第2取付座では他方の多角形面を外周逃げ面としているので、工具本体径方向外側に向けられるコーナ刃が第1取付座に装着された場合と第2取付座に装着された場合とで異なり、第1取付座に装着して使用したインサートを、第2取付座に装着して使用することができる。したがって、1組のインサートで2つのコーナ刃が磨耗するまで使用することができるので、インサートの使用コストを低減することができる。
【0014】
また、上記構成のインサートでは、外形が多角形平板状をなして2つの多角形面を有し、該多角形面の周りの側面のうちの1つがすくい面とされたインサート本体に、該インサート本体より硬質の板状をなす切刃部が前記すくい面に沿うように接合されているので、被切削材と接触する部分の耐摩耗性を高くすることができ、インサートの寿命延長を図ることができる。
【0015】
また、前記切刃部を、CBN(Cubic Boron Nitride)によって構成することにより、切刃の耐摩耗性をさらに向上させてインサートのさらなる寿命延長を図ることができる。また、切削に使用される切刃部のみをCBNで構成しているので、このインサートを低コストで製作することができる。
【0016】
このように、本発明によれば、切削工具全体の切削量を分割してそれぞれのインサートの切り込み量を低減し、加工穴開口部の欠損を抑制できるとともに、荒加工時及び仕上加工時の有効インサート数を減少することなく効率良く切削加工でき、しかも、インサートの使用コストを低減できる切削工具及びインサートを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の実施形態について添付した図面を参照して説明する。
図1及び図2に本実施形態の切削工具であるボーリングカッタを示す。また、図3にインサートの配置を示す。また、図4及び図5にこのボーリングカッタに装着されるインサートを示す。
ボーリングカッタ1は、円盤状の工具本体10と工具本体10の先端部外周に装着されるインサート30とを有する。
【0018】
工具本体10は、鋼材等で構成され、図1及び図2に示すように、その外形が軸線Oを中心とした円盤状に形成されており、工具本体後端側(図1において上側)には、アダプタAの取付口に嵌入される嵌入部11が設けられている。また、工具本体10後端面のうち前記嵌入部11が設けられていない部分には、断面長方形のキー溝12が2つ設けられている。
また、工具本体10の内部には、軸線Oに沿って延びる貫通孔13が設けられており、貫通孔13の工具本体先端側(図1において下側)には、貫通孔13よりも内径が大きくされた大径部14が設けられている。
工具本体10の先端側には、工具本体先端側に向かうにしたがい漸次縮径するテーパ面15が形成されている。このテーパ面15の工具本体後端側には、工具本体先端側に向かうにしたがい漸次拡径する逆テーパ面16が形成されている。
【0019】
テーパ面15には、工具本体10が切り欠かれて工具本体先端側及び工具本体径方向外側に向けて開口し、テーパ面15と略平行に延びる底面を有する第1チップポケット17が、円周方向に等間隔で複数(本実施形態では、図2に示すように4ヶ)形成されている。
また、逆テーパ面16には、工具本体10が切り欠かれて工具本体先端側及び工具本体径方向外側に向けて開口し、逆テーパ面16と略平行に延びる底面を有する第2チップポケット18が、円周方向に等間隔で複数(本実施形態では、図2に示すように4ヶ)形成されている。
これら第1チップポケット17及び第2チップポケット18には、一端が工具本体10の後端面に開口された切削油供給孔19が開口されている。
【0020】
第1チップポケット17の工具回転方向Tの後方には、インサート30を装着するための第1取付座20が設けられ、この第1取付座20の工具本体後端側の壁面がテーパ面15と概略平行となるように形成され、この壁面にクランプネジ孔が穿設されている。
また、第2チップポケット18の工具回転方向Tの後方には、インサート30を装着するための第2取付座21が設けられ、この第2取付座21の工具本体径方向内側の壁面が逆テーパ面16と概略平行となるように形成され、この壁面にクランプネジ孔が穿設されている。
そして、第1取付座20と第2取付座21とは、図2に示すように円周方向に交互に配置されている。
【0021】
第1取付座20及び第2取付座21に装着されるインサート30は、図4及び図5に示すように外形が概略四角形平板状をなすように形成され、インサート30は2つの四角形面31A、31Bと4つの側面とを有している。
4つの側面のうちの1つがすくい面32とされており、このすくい面32に連なる他の側面の1つが逃げ面33とされている。逃げ面33とされた側面とすくい面32をなす側面とは、図4に示すように鋭角に交差しており、このインサート30は逃げ角が付されたポジティブインサート30とされている。
【0022】
また、インサート30は、超硬合金等の硬質材料によって構成されたインサート本体34と、インサート本体34よりも硬質な材料で構成された切刃部35とを有しており、すくい面32と逃げ面33とが交差する部分に切刃部35が配置されている。なお、本実施形態では、切刃部35はCBN(Cubic Boron Nitride)焼結体で構成されている。
この切刃部35は板状をなしており、すくい面32をなす側面に沿うようにインサート本体34に接合されているのである。
【0023】
この切刃部35には、四角形面31A、31Bとすくい面32との交差稜線部に沿って延びる切刃36A、36Bと、この切刃36A、36Bから延びてすくい面32と逃げ面33との交差稜線部に連なるコーナ刃37A、37Bと、これらコーナ刃37A、37Bの間に延びる交差稜線部に形成された直線切刃38とが形成されており、このインサート30は、いわゆる縦刃のインサート30とされている。
また、四角形面31A、31Bの中央部には、クランプネジ挿通孔39が2つの四角形面31A、31Bに対して垂直に貫通するように形成されている。
【0024】
クランプネジ40がインサート30のクランプネジ挿通孔39に挿通され、第1取付座20の工具本体後端側の壁面に穿設されたクランプネジ孔にねじ込まれることによって、インサート30が第1取付座20に装着される。この際、インサート30の他方の四角形面31Bが工具本体後端側の壁面に当接され、一方の四角形面31Aが工具本体先端側に向けられてテーパ面15と概略平行に配置される。
【0025】
また、クランプネジ40がインサート30のクランプネジ挿通孔39に挿通され、第2取付座21の工具本体径方向内側の壁面に穿設されたクランプネジ孔にねじ込まれることによって、インサート30が第2取付座21に装着される。この際、インサート30の一方の四角形面31Aが工具本体径方向内側の壁面に当接され、他方の四角形面31Bが工具本体径方向外側に向けられて逆テーパ面16と概略平行に配置される。
【0026】
このようにして第1取付座20及び第2取付座21に装着されたインサート30は、その回転軌跡を重ね合わせた場合、図3に示すように配置される。
第1取付座20に装着されたインサート30は、一方の四角形面31Aとすくい面32との交差稜線部に形成された切刃36Aから延びる一方のコーナ刃37Aが工具本体先端側及び工具本体径方向外側へ向けられている。
また、第2取付座21に装着されたインサート30は、他方の四角形面31Bとすくい面32との交差稜線部に形成された切刃36Bから延びる他方のコーナ刃37Bが工具本体先端側及び工具本体径方向外側へ向けられている。
そして、第1取付座20に装着されたインサート30の一方のコーナ刃37Aが、第2取付座21に装着されたインサート30の他方のコーナ刃37Bよりも工具本体先端側及び工具本体径方向内側に位置しているのである。
【0027】
上記の構成のボーリングカッタ1は、工具本体後端側に設けられた嵌入部11がアダプタAの取付口に嵌入され、工具本体10の貫通孔13に取付ボルトが挿通されてアダプタAに固定される。この際に、アダプタAに設けられたキー材が工具本体10のキー溝12に挿入され、アダプタAと工具本体10との円周方向における相対位置が調整される。アダプタAには工作機械(図示せず)から供給される切削油をアダプタAの先端面まで流通する切削油剤供給路が設けられており、この切削油供給路と工具本体10の切削油供給孔19とが連通するように配置される。
【0028】
このようにして工具本体10が固定されたアダプタAが工作機械の主軸端に取り付けられ、工具本体10の軸線O回りに高速回転されるとともに、工具本体10の軸線O方向に送りを与えられることにより、工具本体10が被切削材Wに予め設けられた下穴に挿入され、工具本体10の先端部外周に装着されたインサート30の切刃36A、36B及びコーナ刃37A、37Bによって下穴の内壁面を切削加工し、所定の内径の加工穴を形成する。この切削加工時には、工作機械から切削油が供給され、アダプタAの切削油供給路及び工具本体10の切削油供給孔19を通して加工穴に切削油が供給される。
【0029】
上記の構成のボーリングカッタ1では、図3に示すように、第1取付座20に装着されたインサート30の一方のコーナ刃37Aが、第2取付座20に装着されたインサート30よりも工具本体先端側及び工具本体径方向内側に位置されており、荒加工用切刃として被切削材Wに設けられた下穴の内壁面を切り込み量C1で切削する。
この荒加工の際には、一方の四角形面31Aが正面逃げ面とされ、逃げ面33が外周逃げ面とされており、一方の切刃36Aがテーパ面15に平行に配置されているので、外周逃げ面が工具本体後端側に向かうにしたがい工具本体径方向内側に後退するように内壁面から逃がされており、一方のコーナ刃37Aよりも他方の四角形面31B側の直線切刃38、他方のコーナ刃37B及び他方の切刃36Bが切削に用いられることがない。また、荒加工時の切削抵抗が抑えられている。
【0030】
次に、第2取付座21に装着されたインサート30の他方のコーナ刃37Bが仕上加工用切刃として荒加工された内壁面を切り込み量C2で切削することになる。この切り込み量C2は、他方のコーナ刃37B周辺のみが切削に用いられる程度の大きさとされ、一方の四角形面31A側の直線切刃38、一方のコーナ刃37A及び一方の切刃36Aが切削に用いられることがない。すなわち、第1、第2取付座20、21に装着されたインサート30は、それぞれ切削に使用される切刃部分が重なり合うことがないようにされているのである。
【0031】
この仕上加工の際には、他方の四角形面31Bが外周逃げ面とされ、逃げ面33が正面逃げ面とされており、他方の切刃36Bが逆テーパ面16に平行に配置されているので、外周逃げ面が工具本体後端側に向かうにしたがい工具本体径方向内側に後退するように内壁面から逃がされており、仕上加工時の切削抵抗が抑えられている。
そして、このように切削加工することにより、このボーリングカッタ1全体の切削量Cは、C1+C2とされている。
【0032】
このボーリングカッタ1では、ボーリングカッタ1全体の切削量CをC1及びC2に分割しているので、第1取付座20及び第2取付座21に装着されたインサート30の切り込み量がそれぞれC1、C2と小さくされ、ボーリングカッタ1が被切削材Wから突き出される際に、加工穴開口部が欠損することを抑制できる。また、第1取付座20に装着されたインサート30で荒加工した後に、第2取付座21に装着されたインサート30で仕上加工するので、荒加工を行う第1取付座20に装着されたインサート30が被切削材Wから突き出される際に小さな欠損が生じた場合でも、仕上加工を行う第2取付座21に装着されたインサート30にて欠損部分を除去できるので、加工穴を精度良く形成することができる。
【0033】
また、第1取付座20と第2取付座21とでは、工具本体径方向外側及び工具本体先端側に向けられるコーナ刃37A、37Bが異なるため、第1取付座20に装着して使用したインサート30を、第2取付座21に装着して使用することができる。逆に、第2取付座21に装着して使用したインサート30を、第1取付座20に装着して使用することもできる。したがって、1組のインサート30を工具本体10に2回装着して使用することができ、インサート30の使用コストを低減することができる。
【0034】
また、前記切刃部35がCBN焼結体によって構成されているので、切刃36A、36Bの耐摩耗性が向上し、インサート30の寿命延長を図ることができる。また、切削に使用される切刃部35のみをCBNで構成しているので、このインサート30を低コストで製作することができる。
【0035】
また、本実施形態では、テーパ面15に第1チップポケット17が形成され、逆テーパ面16に第2チップポケット18が形成されているので、工具本体10が切り欠かれる部分が集中することがなく、工具本体10の剛性が確保されている。よって、工具本体10のビビリを抑制して、加工穴を精度良く形成することができる。
【0036】
なお、本実施形態においては、ボーリングカッタに装着されるインサートをポジティブインサートとして説明したが、これに限定されることはなく、例えば図6に示すように逃げ角の付されていないネガティブインサートであってもよい。
また、切刃部をCBN焼結体で構成されたインサートとして説明したが、材質に限定されることはなく、例えば切刃部が超硬合金で構成されたものであってもよい。ただし、CBN焼結体で構成することで耐摩耗性が向上し、インサートの寿命延長を図ることができるので好ましい。
【0037】
また、第1チップポケットが周方向に等間隔で4つ、第2チップポケットが周方向に等間隔で4つ設けられたもので説明したが、これに限定されることはなく、チップポケット及び取付座の数は、被切削材のサイズ等を勘案して適宜の配置とすることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施形態であるボーリングカッタの側面部分断面図である。
【図2】図1に示すボーリングカッタの底面図である。
【図3】図1に示すボーリングカッタで下穴の内壁面を切削加工する状態を示す説明図である。
【図4】図1に示すボーリングカッタに取り付けられるインサートを四角形面から見た図である。
【図5】図4の正面図である。
【図6】図1に示すボーリングカッタに取り付けられる他のインサートを四角形面から見た図である。
【符号の説明】
【0039】
1 ボーリングカッタ(切削工具)
10 工具本体
20 第1取付座
21 第2取付座
30 インサート
31A 一方の四角形面(多角形面)
31B 他方の四角形面(多角形面)
32 すくい面
34 インサート本体
35 切刃部
36A 一方の切刃
36B 他方の切刃
37A 一方のコーナ刃
37B 他方のコーナ刃
38 直線切刃




 

 


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