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発明の名称 重切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−44788(P2007−44788A)
公開日 平成19年2月22日(2007.2.22)
出願番号 特願2005−230275(P2005−230275)
出願日 平成17年8月9日(2005.8.9)
代理人 【識別番号】100076679
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 和夫
発明者 西田 真 / 功刀 斉 / 石井 剛
要約 課題
重切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具を提供する。

解決手段
表面被覆超硬合金製切削工具の硬質被覆層を、(a)TiC層、TiN層、TiCN層、TiCO層、およびTICNO層のうちの1層または2種以上で構成され、かつ0.5〜15μmの合計平均層厚を有するTi化合物層からなる下部層と、(b)0.5〜13μmの平均層厚、および化学蒸着形成した状態で、AlとCrの複合酸化物固溶体の素地に酸化ジルコニウムが分散分布した組織を有し、 かつ、前記素地は、AlとCrの相互含有割合を示す組成式:(Al1−XCr)(ただし、原子比で、Xは0.05〜0.35を示す)、を満足し、さらに、前記分散相を形成する酸化ジルコニウムは、Zrの含有割合に換算して、層中に含有するAlとCrとZrの合量に占める割合(原子比)で、0.01〜0.10である、AlとCrとZrの複合酸化物層からなる上部層、で構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】
炭化タングステン基超硬合金基体または炭窒化チタン系サーメット基体の表面に、
(a)いずれも化学蒸着形成された、Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層、および炭窒酸化物層のうちの1層または2種以上で構成され、かつ0.5〜15μmの合計平均層厚を有するTi化合物層からなる下部層、
(b)0.5〜13μmの平均層厚、および化学蒸着形成した状態で、AlとCrの複合酸化物固溶体の素地に酸化ジルコニウムが分散分布した組織を有し、
かつ、前記素地は、AlとCrの相互含有割合を示す組成式:(Al1−XCr)(ただし、原子比で、Xは0.05〜0.35を示す)、を満足し、
さらに、前記分散相を形成する酸化ジルコニウムは、Zrの含有割合に換算して、層中に含有するAlとCrとZrの合量に占める割合(原子比)で、0.01〜0.10である、AlとCrとZrの複合酸化物層からなる上部層、
上記の下部層と上部層で構成された硬質被覆層を形成してなる、重切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、硬質被覆層がすぐれた高温硬さと耐熱性に加えて、すぐれた高温強度を有し、したがって特に各種の鋼や鋳鉄などの切削加工を、高い切削加工効率が得られるが、その分切刃部への機械的負荷が大きなものとなる高切り込みや高送りなどの重切削条件で行なった場合にも、硬質被覆層にチッピング(微少欠け)の発生なく、すぐれた耐摩耗性を長期に亘って発揮する表面被覆超硬合金製切削工具(以下、被覆超硬工具という)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、被覆超硬工具として、炭化タングステン(以下、WCで示す)基超硬合金または炭窒化チタン(以下、TiCNで示す)基サーメットからなる基体(以下、これらを総称して超硬基体と云う)の表面に、
(a)いずれも化学蒸着形成されたTiの炭化物(以下、TiCで示す)層、窒化物(以下、同じくTiNで示す)層、炭窒化物(以下、TiCNで示す)層、炭酸化物(以下、TiCOで示す)層、および炭窒酸化物(以下、TiCNOで示す)層のうちの1層または2層以上からなり、かつ0.5〜15μmの全体平均層厚を有するTi化合物層からなる下部層、
(b)0.5〜13μmの平均層厚を有し、AlとCrの相互含有割合を示す組成式:(Al1−XCr)(ただし、原子比で、Xは0.05〜0.35を示す)を満足し、かつ化学蒸着形成した状態で、酸化アルミニウム(以下、Alで示す)と酸化クロム(以下、Crで示す)の固溶体組織を有するAlとCrの複合酸化物固溶体[以下、(Al,Cr)で示す]層からなる上部層、
上記の下部層と上部層で構成された硬質被覆層を形成してなる、被覆超硬工具が知られている。
また、上記の従来被覆超硬工具の硬質被覆層を構成する上部層である(Al,Cr)層が、Alによる高温硬さおよび耐熱性と、Crによる高温強度を具備することから、かかる被覆超硬工具を各種の鋼や鋳鉄などの連続切削や断続切削加工に用いた場合にすぐれた切削性能を発揮することも知られている。
【0003】
さらに、上記の従来被覆超硬工具が、例えば図1に概略縦断面図で示される通り、中央部にステンレス鋼製の反応ガス吹き出し管が立設され、前記反応ガス吹き出し管には、図2(a)に概略斜視図で、同(b)に概略平面図で例示される黒鉛製の超硬基体支持パレットが串刺し積層嵌着され、かつこれらがステンレス鋼製のカバーを介してヒーターで加熱される構造を有する化学蒸着装置を用い、超硬基体を前記超硬基体支持パレットの底面に形成された多数の反応ガス通過穴位置に図示される通りに載置した状態で前記化学蒸着装置に装入し、ヒータで装置内を、例えば850〜1050℃の範囲内の所定の温度に加熱した後、まず、硬質被覆層の下部層として、例えば表3に示される形成条件でTi化合物層を形成し、ついで、
(a)反応ガス組成:容量%で(以下、反応ガスの%は容量%を示す)、
AlCl3:1.4〜2.1%、
CrCl:0.1〜0.77%、
CO2:3〜12%、
HCl:1〜5%、
2:残り、
(b)反応雰囲気温度:980〜1050℃、
(c)反応雰囲気圧力:10〜20kPa、
の条件で、上記の(Al,Cr)層からなる上部層を形成することにより製造されることも知られている。
【0004】
また、一般に、上記の従来被覆超硬工具の硬質被覆層の下部層を構成するTi化合物層や(Al,Cr)層が粒状結晶組織を有し、さらに、前記Ti化合物層を構成するTiCN層を、層自身の強度向上を目的として、通常の化学蒸着装置にて、反応ガスとしてCHCNなどの有機炭窒化物を含む混合ガスを使用し、700〜950℃の中温温度域で化学蒸着することにより形成して縦長成長結晶組織をもつようにすることも知られている。
【特許文献1】特開昭54−153758号公報
【特許文献2】特開平6−8010号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年の切削加工装置のFA化はめざましく、一方で切削加工に対する省力化および省エネ化、さらに低コスト化の要求は強く、これに伴い、切削加工は、通常の切削条件に加えて、高い切削加工効率が得られるが、その分切刃部への機械的負荷が大きなものとなる高切り込みや高送りなどの重切削条件での切削加工が要求される傾向にあるが、上記の従来被覆超硬工具においては、これを高切り込みや高送りなどの重切削加工条件で用いた場合には、特に硬質被覆層の上部層を構成する(Al,Cr)層の高温強度不足が原因で、切刃部にチッピング(微小割れ)が発生し易く、この結果比較的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、特に重切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する被覆超硬工具を開発すべく、上記の従来被覆超硬工具を構成する硬質被覆層に着目し、研究を行った結果、
上記の化学蒸着装置を用いて、被覆超硬工具の硬質被覆層の上部層を、
(a)反応ガス組成:
AlCl3:1.3〜2%、
CrCl:0.12〜0.78%、
ZrCl:0.03〜0.23%、
CO2:3〜12%、
HCl:1〜5%、
2:残り、
(b)反応雰囲気温度:900〜960℃、
(c)反応雰囲気圧力:5〜7kPa、
の条件で形成すると、この結果形成された上部層は、(Al,Cr)、すなわちAlとCrの固溶体からなる素地に酸化ジルコニウム(以下、ZrOで示す)が分散分布した組織を有し、前記素地は、AlとCrの相互含有割合を示す組成式:(Al1−XCr)(ただし、原子比で、Xは0.05〜0.35を示す)、を満足し、 さらに、前記分散相を形成するZrOは、Zrの含有割合に換算して、層中に含有するAlとCrとZrの合量に占める割合(原子比)で、0.01〜0.10である、AlとCrとZrの複合酸化物[以下、(Al,Cr)−ZrOで示す]層で構成されるようになること。
【0007】
(B)上記の(Al,Cr)−ZrO層は、素地によるすぐれた高温硬さと耐熱性、および高温強度を保持した状態で、前記素地に分散分布したZrO相の作用で一段とすぐれた高温強度を具備するようになり、したがって、硬質被覆層の上部層がかかる構成の(Al,Cr)−ZrO層からなる被覆超硬工具は、特に各種の鋼や鋳鉄などの切削加工を、切刃部への機械的負荷が大きなものとなる高切り込みや高送りなどの重切削条件で行なった場合にも、硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮するようになること。
以上(A)および(B)に示される研究結果を得たのである。
【0008】
この発明は、上記の研究結果に基づいてなされたものであって、超硬基体の表面に、
(A)いずれも化学蒸着形成された、TiC層、TiN層、TiCN層、TiCO層、およびTiCNO層のうちの1層または2種以上で構成され、かつ0.5〜15μmの合計平均層厚を有するTi化合物層からなる下部層、
(B)0.5〜13μmの平均層厚、および化学蒸着形成した状態で、(Al,Cr)の素地にZrOが分散分布した組織を有し、
かつ、前記素地は、AlとCrの相互含有割合を示す組成式:(Al1−XCr)(ただし、原子比で、Xは0.05〜0.35を示す)、を満足し、
さらに、前記分散相を形成するZrOは、Zrの含有割合に換算して、層中に含有するAlとCrとZrの合量に占める割合(原子比)で、0.01〜0.10である、(Al,Cr)−ZrO層からなる上部層、
上記の下部層と上部層で構成された硬質被覆層を形成してなる、重切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する被覆超硬工具に特徴を有するものである。
【0009】
つぎに、この発明の被覆超硬工具において、これを構成する硬質被覆層の構成を上記の通りに限定した理由を説明する。
(A)Ti化合物層(下部層)
Ti化合物層は、基本的には(Al,Cr)−ZrO層の下部層として存在し、自身の具備するすぐれた高温強度によって硬質被覆層の高温強度向上に寄与するほか、超硬基体と(Al,Cr)−ZrO層のいずれにも強固に密着し、よって硬質被覆層の超硬基体に対する密着性を向上させる作用を有するが、その合計平均層厚が0.5μm未満では、前記作用を十分に発揮させることができず、一方その合計平均層厚が15μmを越えると、切削時の発生熱によって偏摩耗の原因となる熱塑性変形を起し易くなることから、その合計平均層厚を0.5〜15μmと定めた。
【0010】
(B)(Al,Cr)−ZrO層(上部層)
上記した通り(Al,Cr)−ZrO層における素地のAl成分は高温硬さおよび耐熱性、同Cr成分は高温強度を向上させ、さらに分散相のZrOは一段と高温強度を向上させる作用があり、したがって、前記素地のAlとCr成分の相互含有割合を示す組成式:(Al1−XCr)で、X値が原子比で(以下同じ)0.35を越えると、相対的にAlの含有割合が低くなることから、層自体の高温硬さおよび耐熱性の低下は避けられず、これが摩耗促進の原因となり、一方、X値が0.05未満になると、層自体の高温強度の低下は避けられず、この結果チッピングなどが発生し易くなることから、X値を0.05〜0.35と定めた。
また、上記素地に分散するZrO相の割合が、Zrの含有割合に換算して、層中にAlとCrとZrの合量に占める割合(原子比)で、0.01未満では、層自体の高温強度向上効果が不十分であり、一方その含有割合が0.10を越えると、高温硬さおよび耐熱性に低下傾向が現れるようになり、層の摩耗が促進するようになることから、Zrの含有割合を、層に含有するAlとCrとZrの合量に占める割合で0.01〜0.10と定めた。
さらに、その平均層厚が0.5μm未満では、所望の耐摩耗性を長期に亘って確保することができず、一方その平均層厚が13μmを越えると、チッピングが発生し易くなることから、その平均層厚を0.5〜13μmと定めた。
【発明の効果】
【0011】
この発明の被覆超硬工具は、硬質被覆層の上部層が、素地の具備するすぐれた高温硬さと耐熱性、さらに分散相により一段と向上した高温強度を有するようになるので、各種の鋼や鋳鉄などの切削加工を、切刃部への機械的負荷が大きなものとなる高切り込みや高送りなどの重切削条件で行なった場合にも、下部層であるTi化合物層の具備するすぐれた層間密着性および高温強度と相俟って、硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を示し、長期に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮するのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
つぎに、この発明の被覆超硬工具を実施例により具体的に説明する。
【実施例】
【0013】
原料粉末として、いずれも1〜3μmの平均粒径を有するWC粉末、TiC粉末、VC粉末、TaC粉末、NbC粉末、Cr3 2 粉末、およびCo粉末を用意し、これら原料粉末を、表1に示される配合組成に配合し、ボールミルで72時間湿式混合し、乾燥した後、100MPa の圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を6Paの真空中、温度:1400℃に1時間保持の条件で焼結し、焼結後、切刃部分にR:0.07のホーニング加工を施してISO規格・CNMG120408のチップ形状をもったWC基超硬合金製の超硬基体A1〜A10を形成した。
【0014】
また、原料粉末として、いずれも0.5〜2μmの平均粒径を有するTiCN(質量比で、TiC/TiN=50/50)粉末、Mo2 C粉末、ZrC粉末、NbC粉末、TaC粉末、WC粉末、Co粉末、およびNi粉末を用意し、これら原料粉末を、表2に示される配合組成に配合し、ボールミルで24時間湿式混合し、乾燥した後、100MPaの圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を2kPaの窒素雰囲気中、温度:1500℃に1時間保持の条件で焼結し、焼結後、切刃部分にR:0.07のホーニング加工を施してISO規格・CNMG120408のチップ形状をもったTiCN系サーメット製の超硬基体B1〜B6を形成した。
【0015】
つぎに、上記の超硬基体A1〜A10およびB1〜B6のそれぞれを、アセトン中で超音波洗浄し、乾燥した後、図1に示される化学蒸着装置内に、第2図に示される超硬基体支持パレットの位置決め穴に載置した状態で装入し、まず、表3(表3中のl−TiCNは特開平6−8010号公報に記載される縦長成長結晶組織をもつTiCN層の形成条件を示すものであり、これ以外は通常の粒状結晶組織の形成条件を示すものである)に示される通常の条件にて、表6に示される組み合わせおよび目標層厚のTi化合物層を硬質被覆層の下部層として蒸着形成し、ついで、表4に示される条件で、かつ同じく表6に示される目標層厚の(Al,Cr)−ZrO層を硬質被覆層の上部層として蒸着形成することにより、本発明被覆超硬工具である本発明表面被覆超硬合金製スローアウエイチップ(以下、本発明被覆超硬チップと云う)1〜16をそれぞれ製造した。
【0016】
また、比較の目的で、これら超硬基体A1〜A10およびB1〜B6を、アセトン中で超音波洗浄し、乾燥した後、同じくそれぞれ図1,2に示される通常の化学蒸着装置に装入し、それぞれ表5に示される条件で、表7に示される目標層厚の(Al,Cr)層を硬質被覆層の上部層として蒸着形成する以外は同一の条件で、従来被覆超硬工具としての従来表面被覆超硬合金製スローアウエイチップ(以下、従来被覆超硬チップと云う)1〜16をそれぞれ製造した。
【0017】
つぎに、上記本発明被覆超硬チップ1〜16および従来被覆超硬チップ1〜16について、これを工具鋼製バイトの先端部に固定治具にてネジ止めした状態で、
被削材:JIS・SCM440の丸棒、
切削速度:300m/min.、
切り込み:6.5mm、
送り:0.3mm/rev.、
切削時間:5分、
の条件(切削条件Aという)で合金鋼の乾式連続高切り込み切削加工試験(通常の切り込み量は2mm)、
被削材:JIS・S35Cの長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度:280m/min.、
切り込み:6mm、
送り:0.3mm/rev.、
切削時間:5分、
の条件(切削条件Bという)で炭素鋼の乾式断続高切り込み切削加工試験(通常の切り込み量は2mm)、さらに、
被削材:JIS・FC250の丸棒、
切削速度:350m/min.、
切り込み:2mm、
送り:0.8mm/rev.、
切削時間:5分、
の条件(切削条件Cという)で鋳鉄の乾式連続高送り切削加工試験(通常の送りは0.3mm/rev.)を行い、いずれの切削加工試験でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。この測定結果を表8に示した。
【0018】
【表1】


【0019】
【表2】


【0020】
【表3】


【0021】
【表4】


【0022】
【表5】


【0023】
【表6】


【0024】
【表7】


【0025】
【表8】


【0026】
この結果得られた本発明被覆超硬チップ1〜16および従来被覆超硬チップ1〜16を構成する硬質被覆層の上部層および下部層について、その組成を、オージェ分光分析装置を用いて測定したところ、いずれも目標組成と実質的に同じ組成を示し、さらに、硬質被覆層を構成する上部層および下部層の平均層厚も目標層厚と実質的に同じ値を示した。
【0027】
表6〜8に示される結果から、硬質被覆層の上部層が(Al,Cr)−ZrO層からなる本発明被覆超硬チップ1〜16は、いずれも各種の鋼や鋳鉄などの切削加工を、切刃部への機械的負荷が大きなものとなる高切り込みや高送りなどの重切削条件で行なった場合にも、硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮し、すぐれた耐摩耗性を長期に亘って発揮するのに対して、硬質被覆層の上部層が、(Al−Cr)層からなる従来被覆超硬チップ1〜16においては、特に前記上部層の高温強度不足が原因して、チッピングが発生し易く、比較的短時間で使用寿命に至ることが明らかである。
【0028】
上述のように、この発明の被覆超硬工具は、通常の条件での切削加工は勿論のこと、特に各種の鋼や鋳鉄などの切削加工を、高切り込みや高送りなどの重切削条件で行なった場合にも、すぐれた耐チッピング性を発揮し、長期に亘ってすぐれた耐摩耗性を示すものであるから、切削装置のFA化、並びに切削加工の省力化および省エネ化、さらに低コスト化に十分満足に対応できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】被覆超硬工具を構成する硬質被覆層を形成するのに用いた化学蒸着装置を示す概略縦断面図である。
【図2】化学蒸着装置の構造部材である超硬基体支持パレットを示し、(a)が概略斜視図、(b)が概略平面図である。




 

 


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