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発明の名称 塗布工具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−21415(P2007−21415A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−209071(P2005−209071)
出願日 平成17年7月19日(2005.7.19)
代理人 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
発明者 安竹 睦実 / 高橋 和彦 / 金山 利彦 / 掛橋 典之 / 福田 努
要約 課題
溝状のスロット内を塗布液が流通して塗布ヘッドの先端から吐出される塗布工具において、軽量化と高い制振性を両立することで高い静的精度と動的精度を備え、被塗布部材が大型化しても安定した塗布作業を行なうことができる塗布工具を提供すること。

解決手段
複数のヘッド部材16、18から構成された塗布ヘッド10を有し、前記複数のヘッド部材16、18における互いに対向する側面同士の間に、前記塗布ヘッド10の先端に開口する溝状のスロット14が画成され、塗布液が前記スロット14内を流通して前記塗布ヘッド10の先端から吐出される塗布工具であって、前記スロット14は超硬合金からなる先端部を備え、前記ヘッド部材16、18は、少なくとも一部が炭素繊維で強化された繊維強化プラスチックで形成されるとともに塗布液が接する面に耐摩処理層を備えていることを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
複数のヘッド部材から構成された塗布ヘッドを有し、前記複数のヘッド部材における互いに対向する側面同士の間に、前記塗布ヘッドの先端に開口する溝状のスロットが画成され、塗布液が前記スロット内を流通して前記塗布ヘッドの先端から吐出される塗布工具であって、
前記スロットは超硬合金からなる先端部を備え、
前記ヘッド部材は、少なくとも一部が繊維により強化された繊維強化プラスチックで形成されていることを特徴とする塗布工具。
【請求項2】
請求項1に記載の塗布工具であって、
前記繊維は炭素繊維であることを特徴とする塗布工具。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の塗布工具であって、
前記ヘッド部材は、少なくとも塗布液が接する面に耐摩処理層を備えていることを特徴とする塗布工具。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、シート状部材またはパネル状部材などの被塗布部材の表面に塗布液を塗布する塗布工具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シート状部材の表面に塗布液を薄く均一に塗布して、塗膜層を形成するような塗布作業を行う塗布装置に装着される塗布工具として、塗布液を通過させるスロットを有する塗布工具が用いられている。このような塗布工具として、図7に示すような塗布ヘッド1があり、塗布ヘッド1は、図中に矢線Aで示す走行方向に走行するシート状部材(被塗布部材)Sに対して、このシート状部材Sの幅方向に延びる長尺に形成されており、その先端部を上向きにしてシート状部材Sに摺接可能に、このシート状部材Sの下に配置されている。(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特開昭62−241574号公報(第1図)
【0003】
また、図8に示すように、塗布ヘッド1の先端部を下向きにし、パネル状部材Pの上方に位置させて塗布ヘッド1をパネル状部材Pに近接させ、図中の矢線Bで示す方向に移動させるものも使用されている。
これら塗布ヘッド1は、一対のヘッド部材2,3の側面2a,3aが一定の間隙を有して配設されることでスロット4を画成しており、側面2a,3aの長手方向に向けて形成された凹溝5,6がポケット7を画成している。スロット4は、塗布ヘッド1の先端面に開口しており、塗布液を供給する供給口(図示せず)がポケット7の中央に連通して設けられている。そして、スロット4の間隔を高精度に形成するために、側面2a,3aは研磨加工によって仕上げ加工が施されている。また、図7、8においてはスロット4およびポケット7が塗布ヘッド1の側方に開口しているが、スロット4およびポケット7の端部は封止される構成となっている。塗布作業において供給口から供給された塗布液は、ポケット7に充満することで塗布ヘッド1の長手方向に広がり、スロット4を通過して塗布ヘッド1の先端から吐出される。吐出された塗布液は、塗布ヘッド1に対して相対的に移動するシート状部材Sの表面(下面)または、パネル状部材Pに塗布され、塗膜層が形成される。
【0004】
被塗布部材に安定した塗布層を形成させるためには、塗布作業において塗布液を安定して形成させることが必要であり、そのために、塗布工具の静的精度を向上させるとともに、塗布工具を塗布装置に安定して装着せるために、塗布ヘッド1の軽量化による段取替え容易化と段取替え時の取付精度の向上が行なわれてきた。
具体的には、塗布工具を構成する塗布ヘッドをAlやTi等の密度が小さい材質とすることで塗布ヘッドを軽量化し、その結果、塗布作業時の撓み低減による静的精度の向上や、取付け精度を向上して、塗布作業の安定化が図られてきた。
【0005】
しかしながら、塗布作業において被塗布部材に安定した塗布層を形成させるためには、塗布ヘッドに高い静的精度を持たせることに加え、塗布作業における振動等の外的影響を抑制することによる動的精度の向上が必要であり、特に、近年の被塗布部材の大型化にともなう塗布ヘッドの大型化にしたがい、温度変化の影響や塗布ヘッドの重量増大による撓み等に起因する静的精度の低下や、塗布作業時の振動による動的精度の低下が、塗布層の品質に大きく影響するようになり、静的精度と動的精度を従前以上に向上する必要性がでてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、軽量化と高い制振性を両立することで高い静的精度と動的精度を備え、被塗布部材が大型化しても安定した塗布作業を行なうことができる塗布工具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1記載の発明は、複数のヘッド部材から構成された塗布ヘッドを有し、前記複数のヘッド部材における互いに対向する側面同士の間に、前記塗布ヘッドの先端に開口する溝状のスロットが画成され、塗布液が前記スロット内を流通して前記塗布ヘッドの先端から吐出される塗布工具であって、前記スロットは超硬合金からなる先端部を備え、前記ヘッド部材は、少なくとも一部が繊維により強化された繊維強化プラスチックで形成されていることを特徴とする。
【0008】
この発明に係る塗布工具によれば、塗布ヘッドを構成するヘッド部材の一部が繊維により強化された繊維強化プラスチック(以下、FRPという)によって形成されているので、機械的強度が高く軽量であるため静的精度を高くすることができ、撓み等の変形が生じにくい。また、熱膨張率が小さく温度変化に対する寸法変化が抑制される。
また、少なくとも塗布液が流通する範囲に超硬合金からなるスロットの先端部が長手方向に延在しているため、先端部が塗布ヘッドの長手方向に延在していることで超硬合金が有する高い剛性とFRPの軽量性によって、塗布ヘッドの撓みが充分に抑制されるので、段取替え等の取扱い作業が容易となり、被塗布部材がシート状の場合、被塗布部材と接触する先端部の硬度が高く、形状変化が抑制される。
【0009】
また、FRPは制振性が良好であるため、塗布作業で生じる振動が短時間で制振され安定した塗布膜を形成することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の塗布工具であって、前記繊維は炭素繊維であることを特徴とする。
【0011】
この発明に係る塗布工具は、ヘッド部材の一部が炭素繊維で強化された炭素繊維強化プラスチック(以下、CFRPという)で形成されているので、炭素繊維以外の繊維で強化されたFRPに比較して機械的強度とクリープ性が良好であり、長期間の使用による塗布ヘッドが経時的な変形が抑制される。
また、CFRPは、線膨張係数が、−1.0から1.0μm/m・Kと小さく、また、炭素繊維を直交配置させることによって熱膨張率を略ゼロμm/m・Kとすることができ、温度変化や塗布ヘッドに局所的な温度バラツキが生じた場合であっても寸法的な変形がほとんど生じることがないため、高い静的精度を維持することができる。
また、制振性が極めて良好であるため、塗布作業時の塗布ヘッドの走査や急制動で振動が生じても短時間にて抑えられ良好な動的精度が維持される。
その結果、塗布開始直後から塗布終了位置に亙って安定した塗布層を形成することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の塗布工具であって、前記ヘッド部材は、少なくとも塗布液が接する面に耐摩処理層を備えていることを特徴とする。
【0013】
この発明に係る塗布工具は、塗布液が接する面に耐摩処理層を備えているので、塗布液中の含有物が塗布液が接する面に突き刺さるのが抑制され、洗浄作業や塗布ヘッドの精度が維持し易く、生産性と工具寿命が向上する。
【発明の効果】
【0014】
この発明に係る塗布工具によれば、大型化にともなう撓みや温度変化による影響と、塗布作業時の振動が抑制されることで、塗布工具の静的精度と動的精度が向上し、被塗布部材の大型化に対応した安定した塗布作業を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。
図1は、塗布工具に使用される第1の実施形態の塗布ヘッド10を長手方向から見た図で、図2は図1の左側面図、図3は図2のC−C断面図であり、図4は、第1の実施形態を示す斜視図である。
【0016】
この塗布ヘッド10は、一対のヘッド部材16,18の対向する側面(以下、スロット面という)17、19が一定の間隙を有して配設されることでスロット14を画成し、スロット14は、塗布ヘッド10の先端で開口している。ヘッド部材16、18のスロット14が開口する部分には、超硬合金からなる先端部17a、19aが突出して設けられるとともに、先端部17a、19aの端面に形成された先端面17e、19eで塗布液を塗布するようになっている。
【0017】
ヘッド部材16、18は、図3に示すように凹溝11より基端側に位置する内側面である合わせ面16s、18sが互いに密着するように、結合ボルト12によって結合され、ヘッド部材16のスロット面17に長手方向に形成された半円形状の凹溝11がポケット15を形成するようになっている。
また、ポケット15には、塗布液を供給する供給口(図示せず)が連通して設けられており、図1においてはスロット14およびポケット15が塗布ヘッド10の側方に開口しているが、スロット14およびポケット15の端部は封止される構成となっている。
【0018】
ヘッド部材16,18は、ステンレス鋼で形成された第1の構造体16a、18aと、炭素繊維強化プラスチックで形成された第2の構造体16b、18bとを備えており、第2の構造体16b、18bは、第1の構造体16a、18aの背面(スロット面17、19が形成されている面の反対側の面)に形成された凹部に接着又はネジ等の図示しない固定手段によって固定されている。
この実施形態におけるCFRPは、カーボンファイバーの長繊維を切らずに並べたいわゆるUD材の炭素繊維で強化されたエポキシ樹脂で構成されており、密度1.53〜1.73g/cm、線膨張係数−1.0〜1.0μm/m・Kとされている。
【0019】
上述の塗布ヘッド10を備えた塗布工具の使用方法について説明する。
塗布ヘッド10を備えた塗布工具は、塗布装置に装着されて塗布作業に用いられる。
塗布作業において、塗布装置から塗布液が供給され、塗布液はポケット15に充満することで塗布ヘッド10の長手方向に広がり、スロット14を通過して塗布ヘッド10の先端、つまりスロット14の開口端から吐出され、この塗布ヘッド10のスロット先端面17e、19eに対して相対的に移動するシート状部材S(図7参照)または、パネル状部材P(図8参照)に塗布される。
【0020】
この実施形態の塗布ヘッド10は、ヘッド部材16、18の背面側がCFRPからなる第2の構造体16b、18bとされているので、軽量で機械的強度が高いため、塗布ヘッド10に重量に起因した撓み等の変形が生じにくく、また、熱膨張率が小さいので温度変化による寸法変化や局所的な温度バラツキが生じても寸法精度の低下が抑制される。
【0021】
また、CFRPは、機械的強度に加えてクリープ性が良好であるため、塗布ヘッドの経時的な変形が抑制される。
以上のように、高い静的精度を確保することができ、軽量化により段取替え等の取扱い作業が容易となる。
また、先端部17a、19aが超硬合金で形成されているので、先端部17e、19eが塗布液の含有物によって損傷するのを抑制することができる。
また、CFRPは、制振性が良好であるため、塗布作業時の走査や急制動によって生じた振動が短時間にて抑えられて良好な動的精度が維持され、適切な塗布作業を行なうことができる。
【0022】
図5は、本発明の第2の実施形態に係る塗布ヘッド10を示す図である。この第2の実施形態において、第1の実施形態と同様の部分については、同一の符合を用いてその説明を省略する。
第2の実施形態は、ヘッド部材16、18が、例えばステンレス鋼により形成された第1の構造体16a、18aと、第3の構造体16c、18cと、CFRPにより形成された第2の構造体16b、18bとを備えており、図5のように、第2の構造体16b、18bが第1の構造体16a、18a及び第3の構造体16c、18cに挟まれるように、配置、固定されている。
第2の実施形態の塗布ヘッド10によれば、構造が簡単で、充分な軽量化と機械的強度(剛性)を備えることができる。
また、塗布ヘッド10が軽量化されることで、塗布ヘッド10を装着する塗布装置の剛性を低く設計することができ、塗布ヘッド10を駆動させるための駆動手段としても小型のモータを使用することができる。つまり、塗布ヘッド10を大型化しても塗布装置の大型化を抑制することができ、コストダウンを図ることができる。
【0023】
図6は、本発明の第3の実施形態に係る塗布ヘッド10を示す図である。この第3の実施形態において、第1の実施形態と同様の部分については、同一の符合を用いてその説明を省略する。
第3の実施形態において、ヘッド部材16は、ステンレス鋼により形成された第1の構造体16aと、CFRPにより形成された第2の構造体16bとを備えており、第1の構造体16aはスロット面17と凹溝11とを備えるとともに、接着又はネジ等の図示しない固定手段により第2の構造体16bに形成された凹部に装着、固定されている。また、ヘッド部材18は、先端部19a以外の主要部がCFRPにより形成されている。
ヘッド部材16は、第2の構造体16bのヘッド部材18側に位置する合わせ面16sに、例えば硬質クロムメッキ(耐摩処理層)20を備えており、ヘッド部材18は、塗布液が接する面(ヘッド部材18のヘッド部材16側に位置する面で、合わせ面18s及び先端部19aで構成される面を除く面)18f、及び合わせ面18sに、例えば硬質クロムメッキ20を備えている。
【0024】
この実施形態においては、凹溝11が第1の構造体16aに形成されているため、加工が容易であるとともに、合わせ面16s及び18s、さらに塗布液が接する面18fに硬質クロムメッキ20が備えられていることにより、これらの面を鏡面加工することができ、塗布液の流下をスムースにし、よって耐摩耗性を向上できる。
【0025】
なお、上記実施の形態においては、ヘッド部材16、18を構成するCFRPが、UD材の炭素繊維で強化されたエポキシ樹脂を用いる場合について説明したが、炭素繊維については、クロス材又はUD材とクロス材の複合体によって構成してもよく、また、FRP又はCFRPを構成するプラスチックとしては、エポキシ樹脂に限られず、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を用いてもよい。
【0026】
また、ヘッド部材16、18の全部又は一部を構成する構造体としては、炭素繊維以外の繊維で構成されたFRPを用いてもよく、その場合の繊維の形態、及び熱硬化性樹脂についてはCFRPの場合同様、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で自由に選択することができる。
【0027】
また、上記実施の形態においては、塗布液が接する面18f及び合わせ面16s、18sに硬質クロムメッキ20を設ける場合について説明したが、塗布液が接する面18fのみに硬質クロムメッキ層20を設けてもよい。
また、耐摩処理層20の材質は硬質クロムメッキ以外の材質を使用することができ、又処理方法については、メッキのみならず溶射等の他の手段を用いることができる。
【0028】
上記実施の形態では、ヘッド部材が2つの場合について説明したが、3つ以上のヘッド部材を用いて2つ以上のスロットを有した塗布ヘッドを構成してもよい。
また、被塗布部材はシート状部材Sに限られずに、たとえば電子基板などのパネル状部材に塗布液を塗布する塗布工具に本発明を用いてもよく、また、固定された状態のシート状部材やパネル状部材に対して塗布工具が移動する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1の実施形態における塗布工具を構成する塗布ヘッドの側面図である。
【図2】図1に示す塗布ヘッドの左側面図である。
【図3】図2に示した塗布ヘッドのC−C断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における塗布工具を構成する塗布ヘッドの斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施形態における塗布工具を構成する塗布ヘッドの斜視図である。
【図6】本発明の第3の実施形態における塗布工具を構成する塗布ヘッドの斜視図である。
【図7】従来の塗布工具を構成する塗布ヘッドの斜視図である。
【図8】従来の塗布工具を構成する塗布ヘッドの斜視図である。
【符号の説明】
【0030】
10 塗布ヘッド
11 凹溝
14 スロット
15 ポケット
16、18 ヘッド部材
18f 塗布液が接する面
17、19 スロット面
17a、19a 先端部
20 硬質クロムメッキ(耐摩処理層)





 

 


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