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発明の名称 樹脂成形金型装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−98740(P2007−98740A)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
出願番号 特願2005−290774(P2005−290774)
出願日 平成17年10月4日(2005.10.4)
代理人 【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス特許事務所
発明者 石田 司
要約 課題
キャビティに封じ込められようとするエアをエジェクタピンを利用して型外部へ排出可能とし、エジェクタピンに設けたエア排出機能部の耐久性と信頼性を高めること。

解決手段
樹脂モールド金型装置1は、上型3と下型5との間に形成されるキャビティ41にワーク6を密閉状態で配置してそのキャビティ41に樹脂42を注入することにより、ワーク6を樹脂42によりモールドすると共に、下型5に設けられたエジェクタピン27及びエアベント31を介してキャビティ41の中のエアを真空引きするようになっている。エジェクタピン27の先端部外周には、同ピン27の軸線方向へ延びる真空引き用の複数の縦溝が形成されると共に、キャビティ41からエアベント31への樹脂42の侵入を防止するために、各縦溝の途中に各縦溝に交差する周溝が形成される。この周溝は、各縦溝よりも深く形成される。
特許請求の範囲
【請求項1】
上型と下型との間に形成されるキャビティに樹脂を注入すると共に、前記下型に設けられたエジェクタピン及びエアベントを介して前記キャビティの中のエアを真空引きするようにした樹脂成形金型装置において、
前記エジェクタピンの先端部外周に、前記エジェクタピンの軸線方向へ延びる真空引き用の縦溝を形成すると共に、前記キャビティから前記エアベントへの樹脂の侵入を防止するために、前記縦溝の途中に前記縦溝を拡大する溝拡大部を形成したことを特徴とする樹脂成形金型装置。
【請求項2】
上型と下型との間に形成されるキャビティにワークを密閉状態で配置して前記キャビティに樹脂を注入することにより前記ワークを樹脂によりモールドすると共に、前記下型に設けられたエジェクタピン及びエアベントを介して前記キャビティの中のエアを真空引きするようにした樹脂成形金型装置において、
前記エジェクタピンの先端部外周に、前記エジェクタピンの軸線方向へ延びる真空引き用の縦溝を形成すると共に、前記キャビティから前記エアベントへの樹脂の侵入を防止するために、前記縦溝の途中に前記縦溝を拡大する溝拡大部を形成したことを特徴とする樹脂成形金型装置。
【請求項3】
前記縦溝及び前記溝拡大部は、樹脂成形品の脱型時に前記エジェクタピンが前記下型から突出することにより、前記下型の外部に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂成形金型装置。
【請求項4】
前記縦溝は複数形成され、前記溝拡大部は前記各縦溝に交差するように形成された周溝であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の樹脂成形金型装置。
【請求項5】
前記周溝は、前記縦溝よりも深く形成されたことを特徴とする請求項4に記載の樹脂成形金型装置。
【請求項6】
前記周溝は、複数並列に形成されたことを特徴とする請求項4又は5に記載の樹脂成形金型装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、樹脂を成形したり、ワークを樹脂によりモールドしたりするために使用される樹脂成形金型装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、樹脂成形に使用される金型装置では、成形時にキャビティ内に封じ込められるエアに起因する成形不良が問題となっていた。
【0003】
ここで、成形時にキャビティに残存するエアを排除するための技術が下記の特許文献1に記載されている。この技術は、成形後に製品を押し出すために射出成形装置に設備されたエジェクタピンを利用することによりキャビティに封じ込められようとするエアを型外部へ排出するようになっている。すなわち、この射出成形装置は、エジェクタピンを中空とし、その中空の先端部に溶融樹脂の侵入を阻止し、かつ、エアの流通を許容する多孔質材を設けられている。従って、樹脂成形時には、キャビティに封じ込められようとするエアが、エジェクタピンの多孔質材と中空孔を経て型外部へ排出されるようになっている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−86193号公報
【特許文献2】特開2001−38776号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1に記載された射出成形装置では、エジェクタピンの先端部に別物の多孔質材を設けたことから、この多孔質材の耐久性や信頼性がエジェクタピンに比べて低いということが問題となった。このため、多孔質材の取付状態を頻繁に確認したり、多孔質材を頻繁に交換したりする必要があった。
【0006】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、キャビティに封じ込められようとするエアをエジェクタピンを利用して型外部へ排出することを可能とし、かつ、エジェクタピンに設けたエア排出機能部の耐久性と信頼性を高めることを可能とした樹脂成形金型装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、上型と下型との間に形成されるキャビティに樹脂を注入すると共に、下型に設けられたエジェクタピン及びエアベントを介してキャビティの中のエアを真空引きするようにした樹脂成形金型装置において、エジェクタピンの先端部外周に、エジェクタピンの軸線方向へ延びる真空引き用の縦溝を形成すると共に、キャビティからエアベントへの樹脂の侵入を防止するために、縦溝の途中に前記縦溝を拡大する溝拡大部を形成したことを趣旨とする。
【0008】
上記発明の構成によれば、樹脂成形に際して、真空引きに伴い縦溝に樹脂が侵入することがあるが、その樹脂が溝拡大部に入り込むと樹脂の流れが規制され、やがて樹脂が硬化することで、樹脂の流れが止められる。また、硬化した樹脂は縦溝及び溝拡大部から弾き出すだけで、縦溝及び溝拡大部が簡単に復元される。
【0009】
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、上型と下型との間に形成されるキャビティにワークを密閉状態で配置してキャビティに樹脂を注入することによりワークを樹脂によりモールドすると共に、下型に設けられたエジェクタピン及びエアベントを介してキャビティの中のエアを真空引きするようにした樹脂成形金型装置において、エジェクタピンの先端部外周に、エジェクタピンの軸線方向へ延びる真空引き用の縦溝を形成すると共に、前記キャビティからエアベントへの樹脂の侵入を防止するために、縦溝の途中に前記縦溝を拡大する溝拡大部を形成したことを趣旨とする。
【0010】
上記発明の構成によれば、ワークを樹脂モールドするに際して、真空引きに伴い縦溝に樹脂が侵入することがあるが、その樹脂が溝拡大部に入り込むと樹脂の流れが規制され、やがて樹脂が硬化することで、樹脂の流れが止められる。また、硬化した樹脂は縦溝及び溝拡大部から弾き出すだけで、縦溝及び溝拡大部が簡単に復元される。
【0011】
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、縦溝及び溝拡大部は、樹脂成形品の脱型時にエジェクタピンが下型から突出することにより、下型の外部に配置されることを趣旨とする。
【0012】
上記構成によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用に加え、樹脂成形品の脱型時に縦溝及び溝拡大部が下型の外部に配置されるので、硬化した樹脂が縦溝及び溝拡大部と共に下型の外部に露出する。
【0013】
上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の発明において、縦溝は複数形成され、溝拡大部は各縦溝に交差するように形成された周溝であることを趣旨とする。
【0014】
上記構成によれば、請求項1乃至3の何れかに記載の発明の作用に加え、周溝は、各縦溝共通の溝拡大部となり、どの縦溝からも樹脂が侵入する。
【0015】
上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、周溝は、縦溝よりも深く形成されたことを趣旨とする。
【0016】
上記発明の構成によれば、請求項4に記載の発明の作用に加え、縦溝に侵入した樹脂が周溝に落とし込まれ、その流れがより確実に規制される。
【0017】
上記目的を達成するために、請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の発明において、周溝は、複数並列に形成されたことを趣旨とする。
【0018】
上記発明の構成によれば、請求項4又は5に記載の発明の作用に加え、縦溝に侵入した樹脂が複数の周溝に対して多段階に入り込むことになり、その流れがより一層確実に規制される。
【発明の効果】
【0019】
請求項1及び2に記載の発明によれば、キャビティに封じ込められようとするエアをエジェクタピンを利用して型外部へ排出することができると共に、エジェクタピンに設けたエア排出機能部の耐久性と信頼性を向上させることができる。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、硬化した樹脂の縦溝及び溝拡大部からの除去作業を容易にすることができる。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の何れかに記載の発明の効果に加え、各縦溝毎に個別に溝拡大部を形成する場合に比べ、周溝を大きな溝拡大部として機能させることができ、エジェクタピンの加工を簡単にすることができる。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明の効果に加え、エア排出機能部の信頼性をより一層向上させることができる。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、請求項4又は5に記載の発明の効果に加え、エア排出機能部の信頼性をより一層向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明における樹脂成形金型装置を真空引き樹脂モールド金型装置に具体化した一実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
図1に、この実施形態の金型装置1の主要構成を分解して断面図により示す。この金型装置1は、上から下へ順に、プランジャ2、上型3、ウォータジャケット4及び下型5を備える。この金型装置1は、予めコアに巻線を装着してなるモータステータをワーク6として樹脂モールドするために使用される。
【0026】
プランジャ2は、所定のアクチュエータ(図示略)により上下へ往復動可能に設けられる。上型3は、所定のアクチュエータ(図示略)により上下へ往復動可能に設けられる。ここで、アクチュエータとして、例えば、油圧シリンダやエアシリンダ等が使用される。上型3は、厚板状の基枠11と、基枠11に組み付けられた型部材12と、基枠11及び型部材12に組み付けられた円筒状のポット13とを備える。型部材12とポット13は、樹脂42(図5参照)を受け入れるために中空状に形成される。型部材12は、その下面がキャビティ41(図5参照)を構成する型面となっている。型部材12の下端には、キャビティ41に樹脂42(図5参照)を導入するゲート12aが形成される。
【0027】
ウォータジャケット4は、円筒状をなし、その中にワーク6が収容される。このジャケット4は、ワーク6を冷却するための水通路(図示略)を有する。このジャケット4の外周には、複数のフィン4aが設けられる。
【0028】
図2に、下型5を平面図により示す。図1,2に示すように、下型5は、ノックピンやボルトを介して互いに組み付けられた複数の金属ブロック21〜24よりなる基枠25と、基枠25の上面の凹部25aに組み付けられた型部材26と、基枠25に形成された複数のピン孔25bにて上下動可能に装着された複数のエジェクタピン27と、基枠25の中央空間25cにて上下動可能に配置された可動枠28と、その可動枠28を上下へ往復動させるために基枠25に固定された一対のアクチュエータ29とを備える。図1に示すように、可動枠28には、アクチュエータ29のピストンロッド29aが接続される。アクチュエータ29として、例えば、油圧シリンダやエアシリンダ等が使用される。
【0029】
型部材26の上面は、キャビティ41(図5参照)を構成する型面となっている。この型面には、環状溝26aが形成される。環状溝26aの底面には、各ピン孔25bが開口し、それら開口から各エジェクタピン27の先端部が出没可能となっている。図2には、便宜上四つのエジェクタピン27が図示されるが、実際には四つ以上のエジェクタピン27が設けられる。エジェクタピン27の数と配置は、必要に応じて決定される設計事項である。各エジェクタピン27の下側基端部は、可動枠28に固定される。従って、可動枠28がアクチュエータ29により上下動することで、各エジェクタピン27が一斉に上下動して各エジェクタピン27の先端部が環状溝26aから出没可能になっている。
【0030】
型部材26の上面中央には、ウォータジャケット4に収容されたワーク6を貫通する円柱30が設けられる。型部材26の下面には、凹部25aの底面との間に環状のエアベント31が形成される。また、基枠25には、エアベント31に通じるエア通路32が形成される。基枠25の側面には、エア通路32に連通するコネクタ33が設けられる。このコネクタ33には、真空ポンプ34がチューブ35を介して接続される。
【0031】
図3に、エジェクタピン27を正面図により示す。図4に、エジェクタピン27の頂部を拡大して平面図により示す。エジェクタピン27の先端部外周には、同ピン27の軸線方向へ延びる真空引き用の複数の縦溝27aが形成される。この実施形態では、四つの縦溝27aが等角度間隔により互いに平行にエジェクタピン27の先端部外周に配置される。この実施形態では、図4に示すように、エジェクタピン27の先端部外周の表面を軸線方向に沿って極薄くカットするかたちで各縦溝27aが形成される。この他、エジェクタピン27の先端部外周を軸線方向に沿って彫り削るかたちで縦溝を形成することもできる。エジェクタピン27の先端部には、キャビティ41(図5参照)からエアベント31への樹脂42(図5参照)の侵入を防止するために、各縦溝27aの途中に各縦溝27aを拡大する本発明の溝拡大部としての一つの周溝27bが形成される。この周溝27bは各縦溝27aに交差するように形成される。この実施形態で、周溝27bは、各縦溝27aよりも深く形成される。各縦溝27aの幅や深さ、並びに、周溝27bの幅や深さは、キャビティ41に注入される樹脂42(図5参照)の組成や粘度に応じて決定される設計事項である。エジェクタピン27の基端部には、フランジ27cが設けられる。
【0032】
また、この実施形態では、各エジェクタピン27の各縦溝27a及び周溝27bは、樹脂成形品の脱型時に、各エジェクタピン27が下型5から上方へ突出することにより(図9参照)、下型5の外部に配置されるようになっている。脱型時以外には、各縦溝27a及び周溝27bは、下型5の内部(型部材26の内部)に配置される(図1,5〜8参照)。
【0033】
以上説明したこの実施形態の金型装置1を使用してワーク6を樹脂モールドするには、先ず、図5に示すように、上型3と下型5をウォータジャケット4を介して型閉じすることにより、上型3、ウォータジャケット4及び下型5の間に形成されるキャビティ41の中にワーク6を密閉状態で配置する。その後、上型3のポット13の中に溶融した樹脂42を供給する。この実施形態では、樹脂42として、熱硬化タイプのものが使用される。溶融した樹脂42は30〜40℃の温度に加熱され、金型は120〜130℃の温度に加熱されている。この型閉じ状態におけるエジェクタピン27の先端部の状態、すなわち、図5に鎖線円S1で示す部分を、図6に拡大して断面図により示す。図6から分かるように、環状溝26aのキャビティ41とエアベント31との間は、エジェクタピン27の各縦溝27a及び周溝27bを介して連通している。
【0034】
その後、図7に示すように、プランジャ2をポット13の中へ押し入れて、下型5の円柱30とプランジャ2との間で樹脂42を圧縮する。これにより、各ゲート12aを通じてキャビティ41の中に樹脂42を注入することで、ワーク6を樹脂42によりモールドする。これと同時に、真空ポンプ34を作動させてエア通路32及びエアベント31に負圧をかけることにより、エジェクタピン27の各縦溝27a及び周溝27b、並びにエアベント31を介してキャビティ41の中のエアを真空引きする。これにより、キャビティ41の中に封じ込められようとするエアをキャビティ41から型外部へ排除する。この樹脂注入状態におけるエジェクタピン27の先端部の状態、すなわち、図7に鎖線円S2で示す部分を、図8に拡大して断面図により示す。図8から分かるように、樹脂モールドに際し、真空引きに伴って各縦溝27aに樹脂41が侵入することがあるが、その樹脂41が周溝27bに入り込むと樹脂42の流れが規制され、やがて樹脂42が硬化することで樹脂42の流れが止められる。従って、エアベント31には、真空引きによるエアが流通するだけで樹脂42が流れ込むことはない。このようにして、キャビティ41に封じ込められようとするエアをエジェクタピン27を利用して簡単に型外部へ排出することができる。
【0035】
その後、樹脂モールドを完了したワーク6を下型5から離脱(脱型)させるには、図9に示すように、上型3とプランジャ2を上動させて型開きすると共に、下型5の可動枠28を各アクチュエータ29により上動させて各エジェクタピン27を一斉に上動させる。これにより、ワーク6とウォータジャケット4を各エジェクタピン27により押し上げて下型5から突き出す。その後、ウォータジャケット4からワーク6を取り外すことにより、樹脂モールドを完了したワーク6が得られる。このとき、各エジェクタピン27の先端部の各縦溝27a及び周溝27bには、図10に示すように、硬化した樹脂42aが残ることがある。この硬化した樹脂42aは、金型装置1を分解することもなく、刷毛などを使用して各縦溝27a及び周溝27bから弾き出すなどして容易に除去することができる。特に、この実施形態では、図9に示すように、樹脂成形品(樹脂モールドを完了したワーク6)の脱型時に、各エジェクタピン27が下型5から突出することにより、各縦溝27a及び周溝27bが下型5の外部に配置されるので、硬化した樹脂42aが各縦溝27a及び周溝27bと共に下型5の外部に露出することになる。このため、硬化した樹脂42aに刷毛などを容易に当てることができ、その樹脂42aの各縦溝27a及び周溝27bからの除去作業を容易にすることができる。このように硬化した樹脂42aを除去するだけで、各縦溝27a及び周溝27bが簡単に復元される。この結果、エジェクタピン27に設けたエア排出機能部、すなわち、各縦溝27a及び周溝27bの耐久性と信頼性を確保することができ、従来例のエア排出機能部に比べてその耐久性及び信頼性を向上させることができる。また、各縦溝27a及び周溝27bの復元が簡単であることから、メンテナンスに要する時間を短縮することができ、金型装置1による生産性が阻害されることを防止することができる。
【0036】
また、この実施形態では、縦溝27aが複数形成され、各縦溝27aに交差するように周溝27bが形成されることから、周溝27bが各縦溝27aに共通の溝拡大部となり、周溝27bにはどの縦溝27aからも樹脂が侵入するようになる。このため、各縦溝毎に個別に溝拡大部を形成した場合に比べ、周溝27bを大きな溝拡大部として機能させることができ、エジェクタピン27の加工を簡単にすることができる。
【0037】
また、この実施形態では、周溝27bが各縦溝27aよりも深く形成されるので、各縦溝27aに侵入した樹脂42が周溝27bに落とし込まれ、その樹脂42の流れがより確実に規制されることになる。この意味から、真空引きに際して、樹脂42がエアベント31へ流れ込むことをより確実に阻止することができ、エジェクタピン27におけるエア排出機能部の信頼性を、従来例に比べてより一層高めることができる。
【0038】
尚、この発明は前記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で以下のように実施することもできる。
【0039】
(1)前記実施形態では、図3に示すように、エジェクタピン27の先端部外周に複数の縦溝27aを形成すると共に、各縦溝27aの途中に各縦溝27aに交差する周溝27bを一つ形成したが、図11に示すように、エジェクタピン27の先端部外周に複数の縦溝27aを形成すると共に、図3よりも幅狭な周溝27bを、複数並列に形成するようにしてもよい。この場合、各縦溝27aに侵入した樹脂が複数の周溝27bに対して多段階に入り込むことになり、その流れがより一層確実に規制されることになる。このため、真空引きに際して、樹脂がエアベントへ流れ込むことをより確実に阻止することができ、エジェクタピン27のエア排出機能部の信頼性を、従来例に比べてより一層高めることができる。
【0040】
(2)前記実施形態では、各エジェクタピン27の先端部外周に複数の縦溝27aを形成すると共に、各縦溝27aの途中に各縦溝27aに交差する周溝27bを一つ形成したが、縦溝を一つ形成し、その縦溝の途中に溝拡大部又は周溝を形成したり、縦溝を複数形成し、各縦溝毎に個別に溝拡大部を形成したりしてもよい。
【0041】
(3)前記実施形態では、本発明の樹脂成形金型装置を真空引き樹脂モールド金型装置1に具体化したが、これに限られるものではなく、本発明の樹脂成形金型装置を、単に樹脂を射出成形するために使用される真空引き射出成形金型装置にも具体化することができる。すなわち、上型と下型との間に形成されるキャビティに樹脂を注入すると共に、下型に設けられたエジェクタピン及びエアベントを介してキャビティの中のエアを真空引きするようにした射出成型金型装置にも具体化することもできる。この場合も、基本的には、前記実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】金型装置の主要構成を分解して示す断面図。
【図2】下型を示す平面図。
【図3】エジェクタピンを示す正面図。
【図4】エジェクタピンの頂部を拡大して示す平面図。
【図5】金型装置の型閉じ状態を示す断面図。
【図6】図5の鎖線円部分を拡大して示す断面図。
【図7】金型装置のキャビティに樹脂を注入した状態を示す断面図。
【図8】図7の鎖線円部分を拡大して示す断面図。
【図9】金型装置の型開き状態を示す断面図。
【図10】使用後のエジェクタピンの先端部を示す正面図。
【図11】別の実施形態に係り、エジェクタピンの先端部を示す正面図。
【符号の説明】
【0043】
1 金型装置
3 上型
5 下型
6 ワーク
27 エジェクタピン
27a 縦溝
27b 周溝(溝拡大部)
31 エアベント
41 キャビティ
42 樹脂
42a 硬化した樹脂




 

 


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