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発明の名称 作動軸駆動装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−98549(P2007−98549A)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
出願番号 特願2005−294994(P2005−294994)
出願日 平成17年10月7日(2005.10.7)
代理人 【識別番号】100075258
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 研二
発明者 安藤 正雄 / 木村 真樹 / 酒井 浩久
要約 課題
作動軸駆動装置において、作動軸のワークに対する片当たりを防止することである。

解決手段
作動軸駆動装置20は、電動モータ22と、電動モータ22の出力軸に取り付けられて回転駆動される駆動軸30と、駆動軸30に対し回転方向には拘束され、軸方向に移動可能な作動軸40と、円筒状ハウジング60と、ハウジング60の内部に置かれるボール80と、ボール80のハウジング60内の移動を規制するボール止めピン82とを含んで構成され、作動軸40にはボール80に接触する面が、軸方向に対し傾斜している傾斜板50が取り付けられ、コイルバネ36によって軸方向に沿って先端側に突き出すように付勢されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
回転駆動される駆動軸と、
円筒状ハウジングと、
ハウジングの内部に置かれるボールと、
駆動軸に対し回転方向には拘束され、軸方向に移動可能な作動軸であって、ボールに向かい合う面が軸方向に対し傾斜する傾斜板を有する作動軸と、
傾斜板によるボールのハウジング内移動を規制するボール止めピンと、
を含み、駆動軸が回転するとボールに接触する傾斜板が軸方向に上下移動し作動軸を軸方向に上下移動させることを特徴とする作動軸駆動装置。
【請求項2】
回転駆動される駆動軸と、
駆動軸に対し回転方向には拘束され、軸方向に移動可能な作動軸であって、軸方向に対し傾斜する傾斜板を有する作動軸と、
作動軸の軸方向移動について軸方向先端に向かって付勢する付勢手段と、
作動軸を支持するハウジングであって、傾斜板の外周を回転自在及び軸方向移動自在に案内する円筒状案内内壁と、作動軸の先端部を案内する貫通穴を有する先端部とを備える筒状のハウジングと、
ハウジングの内部に配置されるボールであって、ハウジングの円筒状案内内壁と先端部の内部底面と傾斜板の傾斜面と作動軸の外周とで規定される空間内を回転移動できるボールと、
ハウジングの中心軸周りのボールの移動を規制するボール止めピンであって、ハウジングの中心軸から測った配置位置が、円筒状案内内壁にボールが接しているときのボールの中心位置よりもハウジングの中心軸側であってボールに接することができる位置に設定されるボール止めピンと、
を含み、駆動軸が回転するとボールに接触する傾斜板が軸方向に上下移動し作動軸を軸方向に上下移動させることを特徴とする作動軸駆動装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の作動軸駆動装置において、
作動軸には、バリ取り用の工具が取り付けられることを特徴とする作動軸駆動装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、作動軸駆動装置に係り、特に、先端にツールを備える作動軸を駆動して作業を行わせる作動軸駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、鋳造によって製造された部品や製品等には、鋳型の合わせ面に膜状のバリが生じる。従来、このバリを除去するためには、ヤスリ又は砥石等のバリ取りに適した工具軸を先端に有する振動工具が用いられている。図6はバリ取り用振動工具10を示す図である。バリ取り用振動工具10は、電気エネルギにより軸方向に上下動する電動アクチュエータを内蔵し、電動アクチュエータによって工具軸を軸方向に上下動させる電動工具である。このバリ取り用振動工具10を用い、鋳造製品等のワーク6に生じたバリ8に、軸方向に上下動する工具軸12の側面等を押し当てることで、ヤスリ又は砥石の往復動によって、バリを除去することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術のバリ取り用振動工具は、工具が取り付けられる作動軸が軸方向に上下動するのみであるので、バリを有するワークに対しいつも同じ側面で接し、いわゆる片当たりの状態で用いられることになる。したがって、そのままでは作動軸の工具は、片当たりする側面のみに摩耗が進行してしまう。これを防止するためには、作業者等によって、ワークに対する工具の当たり面が変わるように、バリ取り用振動工具の向きを時々変える必要がある。あるいは、特定面のみが摩耗した工具の取り付け方向を変えて付け替える。いずれにせよ、工具の偏った摩耗を防止するには余分な作業が必要である。このように先端に工具等のツールを備える作動軸の駆動は、ワークに作業軸先端のツールが片当たりすることが多い。
【0004】
本発明の目的は、作動軸のワークに対する片当たりを防止できる作動軸駆動装置を提供することである。他の目的は、工具の偏った摩耗を防止できる作動軸駆動装置を提供することである。以下の手段は、上記目的の少なくとも1つに貢献する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る作動軸駆動装置は、回転駆動される駆動軸と、円筒状ハウジングと、ハウジングの内部に置かれるボールと、駆動軸に対し回転方向には拘束され、軸方向に移動可能な作動軸であって、ボールに向かい合う面が軸方向に対し傾斜する傾斜板を有する作動軸と、傾斜板によるボールのハウジング内移動を規制するボール止めピンと、を含み、駆動軸が回転するとボールに接触する傾斜板が軸方向に上下移動し作動軸を軸方向に上下移動させることを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係る作動軸駆動装置は、回転駆動される駆動軸と、駆動軸に対し回転方向には拘束され、軸方向に移動可能な作動軸であって、軸方向に対し傾斜する傾斜板を有する作動軸と、作動軸の軸方向移動について軸方向先端に向かって付勢する付勢手段と、作動軸を支持するハウジングであって、傾斜板の外周を回転自在及び軸方向移動自在に案内する円筒状案内内壁と、作動軸の先端部を案内する貫通穴を有する先端部とを備える筒状のハウジングと、ハウジングの内部に配置されるボールであって、ハウジングの円筒状案内内壁と先端部の内部底面と傾斜板の傾斜面と作動軸の外周とで規定される空間内を回転移動できるボールと、ハウジングの中心軸周りのボールの移動を規制するボール止めピンであって、ハウジングの中心軸から測った配置位置が、円筒状案内内壁にボールが接しているときのボールの中心位置よりもハウジングの中心軸側であってボールに接することができる位置に設定されるボール止めピンと、を含み、駆動軸が回転するとボールに接触する傾斜板が軸方向に上下移動し作動軸を軸方向に上下移動させることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る作動軸駆動装置において、作動軸には、バリ取り用の工具が取り付けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
上記構成により、円筒状ハウジングの内部にボール止めピンによってハウジング内移動が規制されるボールが置かれ、回転駆動される駆動軸に対し回転方向には拘束され、軸方向に移動可能な作動軸はボールに向かい合って傾斜する傾斜板を有する。そして、駆動軸が回転するとボールに接触する傾斜板が軸方向に上下移動し作動軸を軸方向に上下移動させる。したがって、作動軸は上下動のみならず回転するので、作動軸又はそれに取り付けられた工具等をワークに当てるとき、その側面の全部に万遍なく接触することができる。そして、作動軸に工具が取り付けられるとき、工具の偏った摩耗を防止できる。
【0009】
また、上記構成の少なくとも1つにより、作動軸の軸方向移動について軸方向先端に向かって付勢する付勢手段を有するので、作動軸の自重による付勢力が不十分なとき、あるいは働かない姿勢等においても、傾斜板はボールに常時接触し、作動軸はその上下動を的確に行うことができる。また、ボール止めピンは、ハウジングの中心軸から測った配置位置が、円筒状案内内壁にボールが接しているときのボールの中心位置よりもハウジングの中心軸側であってボールに接することができる位置に設定されるので、傾斜板の回転のためにボールが遠心力によりハウジングの円筒状案内内壁に押し付けられたときに、ボールがボール止めピンから外れてハウジングの中心軸周りに移動することがない。
【0010】
また、作動軸にはバリ取り用の工具が取り付けられるので、作動軸の回転及び上下動により、バリ取り工具が回転及び上下動し、工具の偏った摩耗を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下では、作動軸駆動装置として先端にヤスリ又は砥石等のバリ取り工具を備えるものを説明するが、作動軸の先端に備えられるものは、軸周りの回転と軸方向の上下動をすることが好ましいものであればバリ取り工具以外のものでもよい。例えば、攪拌用のツール、穴あけツール、あるいは測定ツール等が、作動軸の先端に備えられるものであってもよい。また、作動軸駆動装置としては、作業者が片手で把持できる程度の大きさとして、手作業に適するものとして説明するが、手作業用でなく、例えばロボットの作業軸に取り付けられる装置として構成されてもよい。また、作動軸に備えられるバリ取り工具は、円筒形形状とし、その円周側面をワークに当てるものとして説明するが、もちろんバリ取り工具の底面をワークに当てるものとしてもよく、また、円筒形以外の工具形状であってもよい。例えば、穴の周辺の加工のために円錐形状の工具としてもよい。
【0012】
図1は、作動軸駆動装置20の断面図、図2は、作動軸駆動装置20の分解図である。作動軸駆動装置20は、片手で把持できる程度の大きさで手作業に適したバリ取り用電動装置であり、作動軸40はその先にヤスリ又は砥石等のバリ取り用の工具44を備え、電動モータ22を駆動することで内部の機構の働きにより作動軸が軸周りの回転と軸方向の上下動を行う機能を有する装置である。
【0013】
作動軸駆動装置20は、電動モータ22と、電動モータ22の出力軸に取り付けられて回転駆動される駆動軸30と、駆動軸30に対し回転方向には拘束され、軸方向に移動可能な作動軸40と、円筒状ハウジング60と、ハウジング60の内部に置かれるボール80と、ボール80のハウジング60内の移動を規制するボール止めピン82とを含んで構成され、作動軸40にはボール80に接触する面が、軸方向に対し傾斜している傾斜板50が取り付けられている。
【0014】
電動モータ22は、交流又は直流で駆動される小型モータである。その回転数は簡単な操作で連続的に変化できるものとすることが好ましい。電動モータ22の出力軸24には、駆動軸30を取り付けるための取り付け穴32等が設けられる。取り付け穴32への駆動軸30の取り付けは、駆動力の伝達のためであるので、駆動軸30側を矩形軸、取り付け穴32を矩形穴としてはめ込みによって行うことができる。矩形断面同士のはめ込みのほかに、円形断面の一部を切り欠く異形断面はめ込みを用いてもよい。
【0015】
駆動軸30は、電動モータ22の回転を作動軸40に伝達する機能と、作動軸40を軸方向に移動自在に支持する機能を備え持つ。駆動軸30は、一方端が電動モータ22の出力軸24に取り付けられ、他方端には、作動軸40の一方端を取り付けるための取り付け穴32が設けられる。他方端は、取り付け穴32を設ける分だけ、一方端より太い外形を有する。この他方端の取り付け穴32には、ピン34が穴の中心に向かって突き出すようにして設けられる。これに対応し、作動軸40の一方端には、軸方向に延び、ピン34の直径よりやや大きめの幅を有する長溝46が設けられる。
【0016】
ピン34は、作動軸40の長溝46と協働して、駆動軸30の他方端における取り付け穴32に挿入される作動軸40を、駆動軸に対し回転方向に拘束し、軸方向に移動可能に案内する機能を有する。すなわち、作動軸40が取り付け穴32に挿入するときに、長溝46に合わせ、その先端が長溝46にはまり込むようにピン34が植えられる。もちろんピン34にネジ部を設け、駆動軸30に設けられた突き抜けネジ穴にネジ込まれてその先が取り付け穴32の中に突き出て長溝46に入り込むようにしてもよい。
【0017】
このように、作動軸40の一方端が駆動軸30の他方端の取り付け穴32に挿入されて作動軸40と駆動軸30とが接続されるが、接続の前に、コイルバネ36が作動軸40の一方端側にはめられる態様で設けられる。コイルバネ36は、作動軸40と駆動軸30との間に軸方向の付勢力を付与する機能を有するものである。そのために、駆動軸30の他方端の直径はコイルバネ36の外径より大きく、また、後述の傾斜板50の上面側、つまりコイルバネ36に向かい合う側の直径は、コイルバネ36の外径より大きく設定される。コイルバネ36は、駆動軸30に対し、作動軸40を軸方向に沿って先端側に突き出す方向に付勢力を与える。
【0018】
コイルバネ36は、作動軸40を軸方向に沿ってその先端側に突き出すような付勢力を付与するものであるので、例えば、作動軸駆動装置20を立て姿勢で使用するときのように、作動軸40の自重が十分大きければ、その自重によって同様の効果を得ることができ、コイルバネを省略することが可能である。
【0019】
作動軸40は、駆動軸30の回転を伝達し、先ほどの取り付け穴32に案内されて軸方向に上下動可能な軸で、軸体42と、後述するボール80と協働して作動軸40を軸方向に上下動させる傾斜板と、バリ取り用の工具44とを有するものである。軸体42の一方端には上記の長溝46が設けられ、他方端には工具44がしっかりと取り付けられる。
【0020】
工具44は、工具鋼等で構成される円筒形状のバリ取り用工具で、その外周及び底面には適当な粗さのヤスリ目が立てられている。工具44を軸体42の他方端に取り付けるには、例えばはめ込みと接着等によることができる。また、作動軸40の回転方向は一方向にのみ限定されるときは、ネジ込みの方法によることもできる。
【0021】
傾斜板50は、軸体42に取り付けられ、軸方向に対し傾斜する面を有する円板である。円板の直径は、作動軸40の軸体42の直径より大きく、ハウジング60の内径よりやや小さめである。例えば、作動軸40の軸体42の直径dを約10mmとし、ハウジング60の内径Dを約30mmとすると、傾斜板の直径を約29mmにすることができる。また、傾斜する面は、図1、図2の例では、作動軸40の先端側、すなわち工具44側である。傾斜角度は、作動軸40の軸方向に対し60度程度、すなわち、作動軸40に垂直な方向を基準として30度程度である。
【0022】
ハウジング60は、電動モータ22から延びる上記の駆動軸30及び作動軸40を内部に収納し、先端側から作動軸40の工具44を含む先端部を突き出させる円筒状の部材で、複数の部品から構成される。すなわち、ハウジング60は、電動モータ22に一方端が固定して取り付けられる第1ケース62、第1ケース62の他方端に固定して取り付けられ、駆動軸30を回転自在に支持する軸受70を有する第1カバー64、第1カバー64に一方端が固定して取り付けられる円筒状の第2ケース66、第2ケース66の他方端に固定して取り付けられ、作動軸40を軸周りに回転自在及び軸方向に上下動自在に支持する軸受72を有する第2カバー68を含んで構成される。各部材間の固定取り付けは、矩形断面はめ込み、接着、ネジ込み、ネジ止め等で行うことができる。また、固定取り付けに際し、回り止めネジを用いることが好ましい。図2の例では、上記のように電動モータ22の出力軸24と駆動軸30との間に矩形断面はめ込みが用いられ、また、電動モータ22と第1ケース62との間に回り止めネジ74が用いられ、第1ケース62と第1カバー64との間の固定取り付けにネジ部76,77が用いられている。
【0023】
第2ケース66の円筒には、その底面側に第2カバー68が固定取り付けられる。そして、傾斜板50が固定され、工具44がまだ取り付けられていない半完成作動軸が用意され、その半完成作動軸の先端側、つまりまだ工具44が取り付けられていない部分が第2カバー68の軸受72に挿入されると、第2ケース66の円筒内壁と、第2カバー68の上面であり、また第2ケース66と第2カバー68とで形成される円筒部の内部底面でもある底面と、傾斜板50の傾斜面と、作動軸40の軸体42の外周とに囲まれる空間が形成される。この空間には予めボール80が置かれる。したがって、この空間をボール移動可能空間と呼ぶことができる。但し、作動軸駆動装置20が組み立てられた状態においては、上記コイルバネ36の機能により傾斜板50は常時先端側に付勢されているので、このボール移動可能空間は、この付勢力のために、常に縮小しようとする傾向にある。
【0024】
ボール80は、その直径が、第2ケース66の内径Dと、作動軸40の軸体42の直径dとの差(D−d)の1/2より小さく設定される。上記の例で、D=30mm、d=10mmとすると、ボール80の直径は(D−d)/2=10mmより小さく設定され、好ましくは約5mmから7mm程度、例えば直径6mmが用いられる。
【0025】
第2カバー68の上面には、ボール止めピン82が突き出すようにして設けられる。ボール止めピン82は、上記ボール移動空間内におけるボール80の自由移動を規制する機能を有する。ボール止めピン82が配置される位置は次のようにして設定される。すなわち、ハウジング60の中心軸でもある第2ケース66の中心軸から配置位置を測り、ボール移動空間内において、ボール80が第2ケース66の円筒状内壁に接しているときのボール80の中心位置よりもハウジング60の中心軸側であってボール80に接することができる位置に設定される。
【0026】
図3は、ボール止めピン82の配置の様子を示す図である。この図は、ハウジング60の底面に近いところの断面図で、傾斜板50を取り除き、第2ケース66と第2カバー68を上方から見た図である。ここで、上記のように第2カバー68の中心には貫通穴が設けられ、作動軸40の軸体42を回転自在及び上下動自在に支持している。この軸体42の外周と、第2ケース66の円筒状内壁67とで囲まれた領域が上記のボール移動空間に対応する。傾斜板50は作動軸40の軸体42に取り付けられており、作動軸40が駆動軸30によって回転駆動されると、それと共に一体として回転するが、ボール80は、その傾斜板50の傾斜面に接している。したがって、ボール80は、傾斜板50の回転につれて遠心力を受けてボール移動空間内を移動し、円筒状内壁67に押し付けられる。
【0027】
図3はその状態を示している。ボール止めピン82は、その状態でボール80を円周方向に移動しないように、すなわち軸体42の中心軸C周りに移動しないように規制する機能を有する位置に配置される。具体的には、ボール80の中心位置をBとし、ボール止めピン82の中心位置をPとし、中心軸Cから測って、PC間の距離がBC間の距離より短くする。もちろんそのときにボール80はボール止めピン82に接していなければならないので、PC間の距離は、BC間の距離からボール80の半径を引いた値より大きくなければならない。このようにPC間の距離を設定することで、ボール80はボール止めピン82にしっかりと受け止められ、円周方向に移動することがない。
【0028】
ボール止めの手段は、円筒状内壁67に接するボールを円周方向に移動させない機能を有するものであれば、第2カバー68の上面に設けられるピンでなくてもよい。例えば、第2ケース66にボール移動規制手段としてのピンを設けてもよい。
【0029】
このような構成の作動軸駆動装置20は、次のような手順で組み立てられる。最初に、電動モータ22、駆動軸30、第1ケース62、第1カバー64を第1サブアセンブリとして組み立てる。次にこのサブアセンブリにコイルバネ36をはめながら、半完成駆動軸、すなわち工具44がまだ取り付けられていない作動軸を取り付け第2サブアセンブリとする。その後に、第2ケース66、ボール80、第2カバー68、工具44の順に組み付けを行って、作動軸駆動装置20が組み上がる。
【0030】
第1サブアセンブリは次のようにして組み立てられる。まず、駆動軸30の一方端、すなわち電動モータ22に取り付けられる側から、第1カバー64を挿入する。挿入は、第1カバー64の他方端側、すなわち軸受70が配置されている側を駆動軸30の一方端に先に通すようにして行う。このようにして、駆動軸30の他方端の太い外形に第1カバー64の他方端を突き当てると、駆動軸30の他方端の上部の細い軸の外形が軸受70によって回転自在に支持されて、上方に突き出る。そこで、第1カバー64のネジ部76に第1ケース62のネジ部77を合わせてネジ込み、第1ケース62と第1カバー64とを固定する。次に、第1ケース62の中に突き出している駆動軸30と電動モータ22の出力軸24とを矩形断面はめ込みによって接続する。そして、電動モータ22と第1ケース62との間を回り止めネジ74でしっかり固定する。このようにして第1サブアセンブリが組み上がる。
【0031】
第2サブアセンブリは、第1サブアセンブリをもとに次のようにして組み立てられる。まず、傾斜板50が取り付けられ、工具44がまだ取り付けられていない半完成作動軸を用意する。そして、半完成作動軸の一方端、すなわち軸体42に長溝46が設けられている側にコイルバネ36をはめる。はめられたコイルバネ36は傾斜板50の上面で止まる。そこで、第1サブアセンブリの他方端、すなわち駆動軸30の取り付け穴32が設けられる側を、半完成作動軸の一方端と合わせ、コイルバネ36を圧縮しつつ、ピン34を軸体42の長溝46にはまり込むようにして駆動軸30の他方端に取り付ける。このようにして第2サブアセンブリが組み上がる。
【0032】
第2サブアセンブリが組み上がると、第2ケース66を第2サブアセンブリの他方端、すなわち、半完成作動軸の工具44が取り付けられる側から挿入し、第1カバー64と接着等で固定する。そして、第2サブアセンブリの他方端側からボール80を入れる。入れられたボール80は、傾斜板50で止まる。そして、第2ケース66の他方端と第2カバー68とを合わせて接着等で固定する。第2カバー68は、ボール止めピン82が設けられる側を第2ケース66の他方端に合わせるようにする。このようにして、作動軸駆動装置20が組み上がる。
【0033】
上記構成の作動軸駆動装置20の作用を、図4を用いて説明する。図4は、ボール80が、ボール止めピン82によって、作動軸の軸周りの移動が拘束される様子を説明する図である。図5は、作動軸駆動装置20の作動軸40の工具44が軸周りの回転と共に軸方向の上下動を行う様子を示す図である。
【0034】
図4は、図3と同様な図で、第2ケース66の図示を省略したものである。図3と同時要素には同一の符号を付してある。図4(a)は任意の初期状態で、ボール80の上面側は図示されていない傾斜板50の傾斜面に接触している。図4(b),(c)は、軸体42が図4上における時計方向に回転したときのボール80の移動の様子を示し、図4(d),(e)は、反時計方向に軸体42が回転したときのボール80の移動の様子を示す図である。軸体42がいずれの方向に回転しても、これらの図に示されるように、ボール80は傾斜板50の傾斜面に接触しながら、その回転による遠心力を受けて、円筒状内壁67に接するまで、ボール移動空間内を外周側に移動する。その後は、場合によってさらに円筒状内壁67に沿って円周方向に移動、すなわち軸体42の中心軸周りに移動するが、ボール止めピン82に接触すると、そこで止まる。そして、図3で説明したように、軸体42の中心軸から測って、ボール止めピン82の位置は、ボール80の中心位置よりも軸体42の中心軸側である。したがって、ボール80を円周方向に移動させる力が傾斜板50から与えられても、その力はボール80の中心から円周方向に沿った接線方向であるので、ボール止めピン82と円筒状内壁67との間を目指し、ボール80がボール止めピン82から外れることがない。
【0035】
図5は、作動軸駆動装置20の工具44をワーク6のバリ8に押し当て、電動モータ22を駆動させたときの様子を示す図である。電動モータ22を駆動させると、駆動軸30が回転し、それに伴い作動軸40が回転し、したがって傾斜板50がハウジング60に対し相対的に回転する。そのとき図4で説明したように、ボール80はボール移動空間内を移動して、最終的にボール止めピン82で止められ、それ以後は傾斜板50の回転に関わらずその位置をハウジング60に対し変化させない。図5はその状態の作動軸駆動装置20の一部断面図を示している。
【0036】
図5(a)は、傾斜板50が最も下方側、すなわち軸体42の軸方向でいえば工具44側に最も近い高さにある状態を示している。このときコイルバネ36は最も伸びた状態である。この状態で、工具44はバリ8に対し、軸方向において最も上方側で接触している。図5(b)は、電動モータ22の駆動によってさらに作動軸40の軸体42が回転した後の様子を示すもので、ここでは、傾斜板50がボール80に対し相対的に回転して、最も上方側、すなわち工具44側から最も遠い高さにある状態を示している。図5(a)との軸方向に沿った高さの差はΔSで示されている。このときコイルバネ36は最も圧縮された状態である。この状態で、工具44はバリ8に対し、軸方向において最も下方側で接触している。
【0037】
したがって、作動軸駆動装置20において電動モータ22を駆動すると、作動軸40の工具44は、軸周りの回転と共に、軸方向に上下動する。上下動の大きさはΔSで、これは傾斜板50の傾斜面の軸方向に沿った高さの差に対応する。作動軸40が半回転すると、ΔSだけ軸方向に上方又は下方に移動し、さらに次の半回転で先程の半回転のときと軸方向に沿って逆方向にΔSだけ下方又は上方に移動する。つまり、作動軸40は、一回転するごとに、振幅ΔSで軸方向に一周期移動する。工具44とバリ8との接触状態を見ると、作動軸40の一回転によって、工具44は、その外周面に沿って、概略らせん状にバリ8に接触し、一周期の間ではバリ8に同じ場所で接触することがない。換言すれば、工具44はバリ8に対し、片当たりをすることなく、その外周側面で万遍なく接触する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係る実施の形態の作動軸駆動装置の断面図である。
【図2】本発明に係る実施の形態の作動軸駆動装置の分解図である。
【図3】本発明に係る実施の形態においてボール止めピンの配置の様子を示す図である。
【図4】本発明に係る実施の形態において、ボールが、ボール止めピンによって、作動軸の軸周りの移動が拘束される様子を説明する図である。
【図5】本発明に係る実施の形態において、作動軸駆動装置の作動軸の工具が軸周りの回転と共に軸方向の上下動を行う様子を示す図である。
【図6】従来技術のバリ取り用振動工具を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
6 ワーク、8 バリ、10 バリ取り用振動工具、12 工具軸、20 作動軸駆動装置、22 電動モータ、24 出力軸、30 駆動軸、32 取り付け穴、34 ピン、36 コイルバネ、40 作動軸、42 軸体、44 工具、46 長溝、50 傾斜板、60 ハウジング、62 第1ケース、64 第1カバー、66 第2ケース、67 円筒状内壁、68 第2カバー、70,72 軸受、74 ネジ、76,77 ネジ部、80 ボール、82 ボール止めピン。




 

 


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