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発明の名称 作業補助装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−98524(P2007−98524A)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
出願番号 特願2005−292783(P2005−292783)
出願日 平成17年10月5日(2005.10.5)
代理人 【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
発明者 佐野 明人 / 望山 洋 / 武居 直行 / 菊植 亮 / 藤本 英雄 / 村山 英之 / 満田 建一 / 山岡 正明 / 内原 誠文
要約 課題
回転するワークに対して作業者がツールを使用する作業を行う場合に、ツール位置とワーク回転中心との距離に関わらず作業をし易くする作業補助装置を提供する。

解決手段
コントローラ22aは、塗布器具32(ツール)の位置Pからワーク回転器24の回転軸線Cにおろした垂線Rの長さを算出する。コントローラ22aは垂線Rの長さが長くなるほどフロントガラス30(ワーク)の角速度ωが小さくなるようにモータ28の角速度を制御する。塗布器具32がフロントガラス30の回転軸線Cよりも遠く離れた位置にあっても、塗布器具32とフロントガラス30との相対速度が大きくなることを抑制することができる。塗布器具32と回転軸線Cと距離が変化しても塗布器具32とフロントガラス30との相対速度が大きく変化しないのでフロントガラス30に対して塗布器具32を使用する作業をし易く補助することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
回転するワークに対して作業者がツールを使用する作業を補助する装置であり、
ツールの位置を検出するツール位置検出器と、
回転軸の周りにワークを回転させるワーク回転器と、
ツール位置検出器で検出されたツールの位置から回転軸までの距離が長いほどワーク回転器の角速度を低下させる第1制御部と、
を備えることを特徴とする作業補助装置。
【請求項2】
第1制御部は、ツール位置検出器で検出されたツールの位置を回転軸に沿ってワーク回転面へ投射した位置におけるワークの速度が略一定に維持されるようにワーク回転器の角速度を制御することを特徴とする請求項1に記載の作業補助装置。
【請求項3】
回転するワークに対して作業者がツールを使用する作業を補助する装置であり、
ツールの位置を検出するツール位置検出器と、
ワーク上に設定されているツールの目標軌道を記憶する記憶手段と、
回転軸の周りにワークを回転させるワーク回転器と、
ツール位置検出器で検出されたツールの位置を回転軸に沿ってワーク回転面へ投射した位置における目標軌道の接線方向と前記投射した位置におけるワーク速度の方向とがなす角度を求め、前記投射した位置におけるワーク速度を前記角度の余弦で除した値が略一定となるようにワーク回転器の角速度を制御する第2制御部と、
を備えることを特徴とする作業補助装置。
【請求項4】
前記の投射した位置における目標軌道が所定値より小さい曲率半径であるコーナ部の場合に、ワーク回転器の角速度を第2制御部で制御される角速度よりも減速させる第3制御部が付加されていることを特徴とする請求項3に記載の作業補助装置。
【請求項5】
ツールを支持し、作業者がツールを移動させる作業を補助するツール移動機構が付加されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の作業補助装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転するワークに対して作業者がツールを使用して行う作業を補助する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば自動車のフロントガラスの周囲に接着剤を塗布する作業などでは、フロントガラスを回転させながら接着剤塗布器具で接着剤を塗布する方が効率が良い。塗布器具を移動させる範囲を小さくできるからである。
なお、本明細書ではフロントガラスのように作業の対象となる物体をワークと称する。また塗布器具のようにワークに対して作業者が使用する器具をツールと称する。
特許文献1には、塗布器具(ツール)を固定し、ロボットによってフロントガラス(ワーク)を支持し、ロボットを動作させることによって、フロントガラスの周囲が塗布器具の下を移動するようにフロントガラスを回転させる技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】実開昭63−130389号公報
【0004】
特許文献1の技術は完全自動で行われる。しかしロボットによるワークの支持位置に誤差が生じる場合や、あるいはツールの固定位置に誤差が生じる場合がある。完全自動ではそのような誤差に対応するには多くのセンサが必要になる。
そこでワークを回転させながら作業者がツールを操作して接着剤の塗布作業を行う方がより正確に作業を行える。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ワークを回転させながらそのワークに対して作業者がツールを使用して施す作業を行う場合、ワークを一定の角速度で回転させると、ツールとワーク回転中心との距離によってツールを当てる位置におけるワークの速度が変化する。ツールを当てる位置におけるワークの速度が経時的に変化すると作業者にとっては作業がし難くなる。ツールの位置とワーク回転中心との距離が短ければ、そのツール位置ではワークはゆっくり移動する。作業者にとってはもどかしい作業となる。ツールの位置とワーク回転中心との距離が長ければ、その位置ではワークは高速に移動する。作業者はツールを当てるべきワーク上の目標軌道にツールを追従させることが難しくなる。
回転するワークに対して作業者がツールを使用して施す作業を行う場合に、ツール位置とワーク回転中心との距離に関わらず作業をし易く補助する技術が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ワークを一定の角速度で回転させると、ワーク上の特定の位置とワークを回転させるワーク回転器の回転軸との距離が長くなるほどその特定の位置でのワーク速度は速くなる。ワークを支持するワーク回転器の角速度(即ちワークの角速度)をωで表し、回転軸と直交する平面内でのツール位置と回転軸との距離をRで表すと、ツール位置でのワークの速度Vはω×Rで表せる。角速度ωが一定ならばツール位置でのワーク速度Vは距離Rに比例して大きくなる。
そこで本発明では、ワークを一定の角速度で回転させるとツールとワーク回転器の回転軸との距離に応じてツール位置でのワーク速度が変化することに着目し、ツールの位置を検出してツールとワーク回転器の回転軸との距離が長くなるほどワークを回転させるワーク回転器の角速度を低下させる。即ち上記の距離Rが大きくなるほどワーク回転器の角速度ωを小さくする。そうすることによって、ツールが回転軸から大きく離れている場所に位置しているときにはそのツール位置でのワーク速度をワークを一定角速度で回転させているときよりも遅くすることができる。逆にツールが回転軸に近い場所に位置しているときにはそのツール位置でのワーク速度をワークを一定角速度で回転させているときよりも速くすることができる。その結果、ツールを移動させることによってツール位置と回転軸との距離が変化してもツール位置でのワーク速度の変化を抑制することができる。回転するワークに対して作業者がツールを使用する作業をやり易く補助することが可能となる。
【0007】
本発明は、作業補助装置に具現化できる。この装置は、回転するワークに対して作業者がツールを使用する作業を補助する装置であり、ツールの位置を検出するツール位置検出器と、回転軸の周りにワークを回転させるワーク回転器と、ツール検出器で検出されたツールの位置から回転軸までの距離が長いほどワーク回転器の角速度を低下させる第1制御部を備える。
なお、ツール位置検出器とは、例えば磁気センサをツールに取り付けてその位置を検出するものでよい。あるいはツールを撮影するカメラを使ってその画像から画像処理によりツールの位置を検出してもよい。なお、ツール位置とはワーク回転器に対する相対位置(相対座標)でよい。あるいは絶対座標系におけるツールの座標でもよい。
また、ワーク回転器はモータやエンジンなどの動力源を用いてワークを回転させるものであればよい。
【0008】
上記構成によって、ツールの位置から回転軸までの距離が長いほどワーク回転器の角速度を低下させることができる。その結果、ツールを回転軸から離れる方向に移動させてもツールの位置と回転軸との距離に比例してツール位置でのワーク速度を増大させることがない。作業者が作業し易くするようにワークの角速度を調整することができる。
【0009】
第1制御部は、ツール位置検出器で検出されたツールの位置を回転軸に沿ってワーク回転面へ投射した位置におけるワークの速度が略一定に維持されるようにワーク回転器の角速度を制御することが好ましい。
ここで、「ワークの速度」とは、換言すれば、回転するワーク上で、回転軸を中心にして回転軸とツール位置との距離を半径とする円の接線方向のワーク速度、と表現することもできる。
【0010】
第1制御部によって、作業者はツール位置でのワーク速度が略一定に維持された状態でツールをワークに当てることができる。ツール位置と回転軸との距離によらずにツール位置におけるワークの速度が一定に維持されるので作業を一層し易くする作業補助装置を実現することができる。
【0011】
本発明はまた、別の作業補助装置としても具現化できる。この装置は、回転するワークに対して作業者がツールを使用する作業を補助する装置であり、ツール位置検出器と、記憶手段と、ワーク回転器と、第2制御部を備える。
ツール位置検出器は、ツールの位置を検出する機能を有する。記憶手段は、ワーク上に設定されたツールの目標軌道を記憶する機能を有する。ワーク回転器は、その回転軸の周りにワークを回転させる機能を有する。第2制御部は、ツール位置検出器で検出されたツールの位置を回転軸に沿ってワーク回転面へ投射した位置における目標軌道の接線方向と前記投射した位置におけるワーク速度の方向とがなす角度を求め、前記投射した位置におけるワーク速度を前記角度の余弦で除した値が略一定となるようにワーク回転器の角速度を制御する機能を有する。
目標軌道とは、ワーク上でツールを移動させるときの軌道であり、予め記憶手段に記憶されている。記憶手段は、コンピュータ内のメモリやハードディスクその他の記憶媒体であればよい。
また、前記角度の余弦とは前記角度をθとしたときのcos(θ)のことをいう。
また、目標軌道の接線方向とは、ツールの位置を回転軸に沿ってワーク回転面へ投射した位置において、目標軌道に沿ってツールを進めるべき方向である。そして目標軌道の接線方向とワーク速度の方向とがなす角度とは、換言すれば、目標軌道にそってツールを進めるべき方向と、前記投射した位置におけるワーク速度の方向とがなす角度と表現することもできる。
【0012】
ワークに対して作業者がツールを使用して施す作業を行う場合、ワーク上に設定された目標軌道に沿ってツールを移動させたい場合がある。さらにその際には、ツールを目標軌道に沿って一定の速度で移動させたいことも多い。このとき、上記構成による、ツール位置検出器で検出されたツールの位置を回転軸に沿ってワーク回転面へ投射した位置における目標軌道の接線方向とワーク速度の方向とがなす角度を求め、前記投射した位置におけるワーク速度を前記角度の余弦で除した値が略一定となるようにワーク回転器の角速度を制御することの効果を図4を参照して説明する。
図4は、ワーク30が回転軸Cを中心として角速度ωで回転している様子を示している。ワーク30には目標軌道Lが設定されている。ここで、ツール位置検出器で検出されたツールの位置を回転軸に沿ってワーク回転面へ投射した位置を点S1とする。点S1における目標軌道Lの接線方向を符号LPで示す。また、点S1におけるワーク30の速度はVCとする。また、目標軌道Lの接線方向LPとワーク速度VCの方向がなす角をθSとする。また、回転軸Cと点Pを結ぶ直線をREとする。
今、ツールを目標軌道Lに沿って一定速度VLで移動させたいとする。そのためにはワーク速度VCを、VC=VL・cos(θS)となる速度とし、図4に破線で示すように作業者が直線REの方向へ速度VT=VL・sin(θS)でツールを移動させればよい。即ち、ワーク速度VCを前記角度(θS)の余弦(cos(θS))で除した値が略一定(図4の例ではVL)となるようにワーク回転器の角速度を制御することによって、作業者は図4に示す直線REの方向に速度VT(=VL・sin(θS))でツールを移動させれば、ツールを目標軌道の接線方向に一定の速度VLで移動させることができる。図4の例では、ツール位置である点S1が、回転軸Cから遠ざかって略矩形の目標軌道Lのコーナ部に近づくほど、角度θSは大きくなる。その結果、ワーク速度VCを前記角度(θS)の余弦(cos(θS))で除した値が略一定の値となるようなワーク速度VCも小さくなる。従ってワーク速度をVCとするためのワーク回転角速度ωも小さくなる。
ツール位置検出器で検出されたツールの位置を回転軸に沿ってワーク回転面へ投射した位置における目標軌道の接線方向とワーク速度の方向とがなす角度に対して、ワーク速度を前記角度の余弦で除した値が略一定となるようにワーク回転器の角速度を制御することによって、ツール位置の投射位置からワーク回転軸との距離が大きくなっても、作業者は容易にツールを目標軌道に沿って略一定の速度で移動させ易くすることができる。
【0013】
前記の投射した位置における目標軌道が所定値より小さい曲率半径であるコーナ部の場合に、ワーク回転器の角速度を第2制御部で制御される角速度よりも減速させる第3制御部が付加されていることが好ましい。
ここで、「所定値」とは予め設定された曲率半径の値でよい。また、「所定値より小さい曲率半径であるコーナ部」とは、曲率半径がゼロに収束した極限である屈曲部を含む概念を意味する。
また、目標軌道とはワークの外周でもよいし、ワークの外周より内側に設定された曲線であってもよい。
上記構成によれば、目標軌道の曲率半径が小さくて目標軌道に沿ってツールを移動させ難い場所ではワークの回転角速度をより遅くさせることができる。その結果、曲率半径が小さくて目標軌道に沿ってツールを移動させ難い場所でも目標軌道に沿ってツールを相対移動させ易くすることができる。
【0014】
上述した作業補助装置は、ツールを支持し、作業者がツールを移動させる作業を補助するツール移動機構が付加されていることが好ましい。
移動機構がツールを支持するので、作業者はツールの自重を支える必要がなく、移動機構によって楽にツールを移動させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の作業補助装置によれば、回転するワークに対して作業者がツールを使用する作業を行う場合に、ワークを回転させるワーク回転器の回転軸からツールの位置までの距離が大きくなってもそのツール位置でのワーク速度が上記距離に比例して速くなることを防止することができる。上記距離が大きい位置でも回転するワークに対して作業者がツールを使用する作業を行い易くできるように補助することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(第1形態) 第3制御部によってワーク回転器の角速度を第2制御部で制御される角速度よりも減速させるコーナ部とは、目標軌道の曲率半径が概ね50mm以下である部分をいう。
【実施例】
【0017】
<実施例1>
図1に本発明に係る一実施例の作業補助装置10aの概略図を示す。この実施例における作業補助装置10aは、塗布器具32を用いてフロントガラス30の周囲に接着剤を塗布する作業を補助する装置である。なお、本実施例において塗布器具32がツールの一例に相当する。またフロントガラス30がワークの一例に相当する。
作業補助装置10aは、フロントガラス30を支持して回転させるワーク回転器24と、塗布器具32を支持する移動機構11と、ワーク回転器24と移動機構11を制御するコントローラ22aを備える。
【0018】
接着剤を塗布すべき対象であるフロントガラス30はワーク回転支持軸26を介してワーク回転器24に支持されている。フロントガラス30は例えば吸盤(不図示)や専用のクランプ(不図示)によりワーク回転支持軸26に固定されている。
ワーク回転器24にはモータ28と、ワーク回転支持軸26に支持されたフロントガラス30の回転角を検出するエンコーダ29が備えられている。ワーク回転器24は、モータ28によってワーク回転支持軸26を回転させる。その結果、フロントガラス30を回転軸線Cの周りに角速度ωで回転させることができる。モータ28の角速度ωはコントローラ22aからの指令値により設定される。また、ワーク回転器24に対するフロントガラス30の回転角はエンコーダ29によって検出される。エンコーダ29によって検出された回転角はコントローラ22aへ送られる。コントローラ22aの内部ではエンコーダ29によって検出されたフロントガラスの回転角を微分してフロントガラス30の実際の角速度ωを求める。
フロントガラス30の周囲には接着剤を塗布すべき塗布ラインLが設定されている。作業者は、塗布器具32を回転するフロントガラス30上に設定された塗布ラインLに沿って相対移動させる。本実施例では、塗布ラインLが塗布器具32をフロントガラス30に対して相対移動させるべき目標軌道に相当する。以下では塗布ラインLを目標軌道Lと称することにする。
【0019】
移動機構11は、移動機構基部13で床に固定されている。移動機構基部13から移動機構11の先端までは、リンク12a、12b、12cと、隣接するリンク12を揺動可能に連結する関節14a、14b、14cで連結されている。なお、関節14aは移動機構基部13とリンク12aを連結している。関節14a、14b、14cの夫々には、アクチュエータ16a、16b、16cが設置されている。アクチュエータ群16により関節群14が駆動される。以後、アクチュエータ群や関節群などを総称する場合には、添え字a,b,cを省略した符号を用いる。アクチュエータ群16によって、リンク12cの先端に支持した塗布器具32を移動機構11の可動範囲内で任意の位置へ移動させることができる。また、関節14a、14b、14cの夫々には位置センサ15a、15b、15cが備えられている。位置センサ群15はエンコーダ等である。位置センサ群15が出力する値と移動機構11のリンク群12の連結構造から幾何学的な計算により絶対座標系における塗布器具32の位置(座標)を求めることができる。
塗布器具32の先端からは接着剤が吐出する。塗布器具30には接着剤を供給する供給ホース34が接続されている。
移動機構11の先端のリンク12cにはまた、塗布器具32の近くで力センサ20を介して操作子18が配置されている。作業者が操作子18を操作すると、その操作力は力センサ20によって検出される。検出された操作力はコントローラ22aへ送られる。コントローラ22aは送られた操作力に応じて塗布器具32を支持した移動機構11を駆動する。即ち、本実施例の作業補助装置10aは、移動機構11によって塗布器具32を作業者が意図する方向へ移動させることができる。作業者は操作子18を操作することによって、回転するフロントガラス30上に設定された塗布ラインLに沿って移動機構11の先端に支持された塗布器具32を移動させる。
【0020】
コントローラ22aは、位置センサ群15によって検出された塗布器具32の位置とワーク回転器24の回転軸線Cとの距離に応じてモータ28の角速度ω(即ちフロントガラス30の角速度)を制御する。同時にコントローラ22aは、作業者の操作する操作子18に加えられた操作力に基づいて移動機構11を制御する。
ここで、コントローラ22aによるモータ28の角速度ωの制御の概要を説明する。コントローラ22aは、塗布器具32の位置Pからワーク回転器24の回転軸線Cにおろした垂線Rの長さを算出する。なお、図1に示した点Pは塗布器具32の位置を代表する点である。また、図1に示した点Qは垂線Rの足の位置である。コントローラ22aは垂線Rの長さが長くなるほど(即ちツールの位置から回転軸までの距離が長いほど)フロントガラス30の角速度ωが小さくなるようにワーク回転器24に備えられたモータ28の角速度を制御する。この制御によって、塗布器具32がフロントガラス30の回転軸線Cよりも遠く離れた位置にあっても、塗布器具32とフロントガラス30との相対速度が大きくなることを抑制することができる。塗布器具32と回転軸線Cと距離が変化しても塗布器具32とフロントガラス30との相対速度が大きく変化しないのでフロントガラス30に対して塗布器具32を使用する作業をし易く補助することができる。
【0021】
次に図2のブロック図を用いて作業補助装置10aの構成を説明する。作業補助装置10aは、ワーク回転器24と移動機構11とコントローラ22aに大別できる。なお、図2に示す塗布器具32はツールであり作業補助装置10aには含まれない。同様に図2に示すフロントガラス30はワークであり作業補助装置10aには含まれない。
ワーク回転器24は、フロントガラス30を支持して回転させる回転支持軸26と、回転支持軸26を回転させるモータ28と、ワーク回転器24に対するフロントガラス30の回転角を検出するエンコーダ29を備える。
移動機構11には、支持される塗布器具32と、塗布器具32の位置を検出する位置センサ群15と、操作子18と、作業者が操作子18に加えた力を検出する力センサ20と、移動機構11の各リンク群12を揺動させるアクチュエータ群16が含まれる。
コントローラ22aの内部には、位置算出部40と、回転器制御部42と、目標軌道データ記憶部44と、移動機構制御部48を備える。目標軌道データ記憶部44にはフロントガラス30上に設定された目標軌道Lのデータが記憶されている。
【0022】
移動機構11に備えられた位置センサ群15によって検出された各関節14の回転角はコントローラ22a内部の位置検出部40に送られる。位置検出部40では、各関節14の回転角と移動機構11のリンク群12の構造から幾何学的な計算により絶対座標系における塗布器具32の位置(座標)を算出する。算出された塗布器具32の位置は回転器制御部42へ送られる。
回転器制御部42には、ワーク回転器24の絶対座標系での位置が記憶されている。回転器制御部42には位置算出部40で算出された塗布器具32の位置と、エンコーダ29によって検出されたフロントガラス30の回転角が入力される。回転器制御部42は、目標軌道データ記憶部44に記憶された目標軌道Lのデータと、現在のフロントガラス30の回転角から、現在の目標軌道Lの絶対座標系での位置を特定する。特定された目標軌道Lの現在の位置と塗布器具32の位置からワーク回転器24のモータ28が実現すべき角速度ωを算出する。回転器制御部42は、算出された角速度ωを指令値としてモータ28へ出力する。なお、モータ28が実現すべき角速度ωの設定については後述する。
【0023】
一方、移動機構制御部48には、力センサ20によって検出された操作力が入力される。操作力は、作業者によって操作子18に加えられた力である。また移動機構制御部48には、位置センサ15によって検出される移動機構11の各関節14の回転角が入力される。移動機構制御部48では、入力された操作力と、移動機構11の各関節14の回転角から、移動機構11の先端に支持された塗布器具32を操作力が加えられた方向へ移動させるように各関節14のアクチュエータ16への指令値を算出する。算出された指令値は移動機構11のアクチュエータ群16へ出力される。
【0024】
次に図3のフローチャートを用いて本実施例の作業補助装置10aの処理について説明する。
図3に示すように、まずステップS300で塗布器具32の位置を取得する。次にステップS302で塗布器具32の位置からワーク回転器24の回転軸線C(図1参照)へおろした垂線Rを算出する。
次にステップS304で垂線Rをフロントガラス30の回転面に投影した投影線と目標軌道Lとの交点を算出する。交点の算出は以下のように行われる。垂線Rの塗布器具32側の端点を延長した直線をワーク回転器24の回転軸線Cに沿ってフロントガラス30の回転面へ投影する。投影した直線を投影線と称する。フロントガラス30のワーク回転器24に対する各時刻の回転角はエンコーダ29によって検出されている。よって目標軌道データ記憶部44に記憶された目標軌道Lの絶対座標系での位置が特定できる。各時刻における目標軌道Lの絶対座標系での位置と、前述した投影線との位置関係から、目標軌道Lと投影線との交点を算出することができる。なお、ステップS302とステップS304の代わりに検出された塗布器具32の位置を直接回転軸線Cに沿ってフロントガラス30の回転面へ投影し、投影された点から最も近い目標軌道L上の点を交点としてもよい。上記ステップS302とステップS304の処理は、位置センサ群15で検出された塗布器具32の位置を回転軸Cに沿ってフロントガラス30の回転面へ投射した位置を、計算機上で計算しやすい処理にするために、垂線Rを求めている。
次にステップS306では、ステップS304で求めた交点における目標軌道Lの接線方向を特定する。
次にステップS308では、ステップS306で特定した目標軌道Lの接線方向と、交点におけるフロントガラス30の速度方向とのなす角度を算出する。フロントガラス30の速度方向は、ステップS302で算出した垂線に直交する方向となるので、その方向と、ステップS306で特定した接線方向から算出できる。
次にステップS309では交点におけるフロントガラス30の目標速度を算出する。目標速度は、塗布器具30を目標軌道に沿って移動させる際の速度を一定値VLとしたときに、一定値VLをステップS308で算出した角度の余弦で除した値とする。交点におけるフロントガラス30の目標速度を、一定値VLをステップS308で算出した角度の余弦で除した値とすることの効果は後に図4で説明する。
次にステップS310では、ステップS309で求めた、交点におけるフロントガラス30の目標速度を実現するためのワーク回転器24のモータ28の角速度ωを算出する。
次にステップS312では、交点における目標軌道Lの曲率半径が所定値以下であるか否かを判断する。交点における目標軌道Lの曲率半径が所定値以下でない場合(ステップS312:NO)、ステップS314に移行する。ステップS314では、ステップS310で算出された角速度ωをモータ28へ出力する。
【0025】
一方、ステップS312で交点における目標軌道Lの曲率半径が所定値以下の場合(ステップS312:YES)、ステップS316に移行する。ステップS316では、ステップS310で算出した角速度ωを、より小さい値に変更する。具体的には例えば、ステップS310で算出した角速度がω1であったとする。ステップS316では、モータ28への角速度指令値をω1×0.5に変更する。このように、ステップS312で交点における目標軌道Lの曲率半径が所定値以下の場合(ステップS312:YES)、ステップS310で算出した角速度に対して1.0より小さい係数を乗ずる。このステップS316処理によって、交点における目標軌道Lの曲率半径が所定値以下の場合にフロントガラス30の回転速度をより小さくすることができる。作業者が塗布器具32を追従させ難い目標軌道Lの曲率半径の小さい場所でも塗布器具32を目標軌道Lに追従させやすくすることができる。上記の処理を制御周期毎に繰り返す。
【0026】
次に図4を用いて図3に示した処理について具体例を挙げて説明する。なお、説明を簡単にするために図4の紙面がワーク回転器24の回転軸線C(図1参照)に直交する回転面とする。また説明を簡単にするためにワーク回転器24は図示を省略しワーク回転器24の回転軸線Cのみを示してある。さらに塗布器具32も図示を省略して塗布器具32の位置を代表する点Pのみを示してある。
フロントガラス30は回転軸線Cを中心に角速度ωで回転する。フロントガラス30上には塗布器具32(不図示)を沿わせて進めるべき目標軌道Lが設定されている。今、塗布器具32(不図示)が図の点Pの位置にあるとする。図3に示したステップS302では塗布器具の位置Pから回転軸線Cへおろした垂線Rを算出する。
次に図3に示したステップS304では、垂線Rの塗布器具32側(点P側)を延長した直線を回転面(図4の紙面上)へ投影した投影線REを算出する。そして投影線REと目標軌道Lとの交点S1を算出する。なお、塗布器具32は目標軌道Lに沿って進めるために、作業中は塗布器具32の位置Pが上記交点S1と一致することになる。
なお、垂線Rの塗布器具32側の端点(点P)を延長した直線REを回転面(図4の紙面上)へ投影するのは、図4に示すように、塗布器具の位置Pが目標軌道Lよりも回転軸線C側に近い場合であっても、回転軸線Cと塗布器具の位置Pを結ぶ直線と目標軌道Lとの交点を算出できるようにするためである。これは、塗布器具32は目標軌道Lに沿って進めるために、作業中は塗布器具32の位置をフロントガラス30の回転面に投影した位置は目標軌道L上に位置することになるが、塗布器具32を移動中は、塗布器具32の位置をフロントガラス30の回転面に投影した位置が必ずしも目標軌道L上に位置しない場合があるからである。そのような場合でも、塗布器具32の位置を回転軸線Cに沿ってフロントガラス30の回転面へ投射した位置に相当する目標軌道の位置を特定できるようにするためである。即ち、本実施例では、塗布器具32の位置を回転軸線Cに沿ってフロントガラス30の回転面へ投射した位置Pが目標軌道L上にない場合でも、「塗布器具32の位置を回転軸線Cに沿ってフロントガラス30の回転面へ投射した位置における目標軌道」の位置を点Pの近傍で特定できるようにしている。
次に図3に示すステップS306では、交点S1における目標軌道Lの接線方向を算出する。図4では交点S1における目標軌道Lの接線方向を破線LPで示してある。
次に図3のステップS308では、交点S1における目標軌道Lの接線方向と、交点S1におけるフロントガラス30の速度の方向とのなす角度θSを算出する。交点S1におけるフロントガラス30の速度の方向は、垂線Rを延長した直線REと直交することになる。点S1を通り直線REと直交する直線をLCとする。角度θSは、目標軌道Lの接線方向を示す直線LPと、フロントガラス30の速度の方向を示す直線LCとのなす角度として算出できる。
次にステップS309では、交点S1におけるフロントガラス30の目標速度VCを算出する。目標速度VCは、VC=VL・cos(θS)の式により求める。ここでVLは、塗布器具32を目標軌道Lに沿って移動させる際に一定としたい速度である。そのためにはワーク速度VCを、VC=VL・cos(θS)となる速度とし、図4に破線で示すように作業者が直線REの方向へ速度VT=VL・sin(θS)でツールを移動させればよい。即ち、ワーク速度VCを前記角度(θS)の余弦(cos(θS))で除した値が一定値VLと略一致するようにワーク回転器の角速度を制御することによって、作業者は直線REの方向に速度VT(=VL・sin(θS))でツールを移動させれば、ツールを目標軌道の接線方向に一定の速度VLで移動させることができることになる。
図4に示す交点S1では、目標軌道Lの曲率半径が所定値より大きいとする。即ち、図3のステップS312の判断はNOとなる。従って図3のフローチャートでは次にステップS314に処理が移り、ステップS310で算出した角速度ωがモータ28へ出力される。
【0027】
塗布器具32の位置Pの近傍の点である交点S1が、回転軸Cから遠ざかって略矩形の目標軌道Lのコーナ部に近づくと角度θSが大きくなる。
また、フロントガラス30の回転角速度を一定とした場合、交点S1が回転軸Cから遠ざかるほど、交点S1におけるフロントガラス30の速度は増大する。
上記の処理では、位置センサ群15で検出された塗布器具32の位置を回転軸に沿ってフロントガラス30の回転面へ投射した位置における目標軌道Lの接線方向と、その位置におけるフロントガラス30の速度の方向とがなす角度θSに対して、前記投射した位置におけるフロントガラス30の速度VCを前記角度θSの余弦(cos(θS))で除した値が略一定値VLとなるようにワーク回転器24のモータ28角速度を制御する。そうすることによって、塗布器具32の位置の投射位置からフロントガラス30の回転軸Cとの距離が大きくなっても、作業者は容易に塗布器具32を目標軌道Lに沿って略一定の速度VLで移動させ易くすることができる。
なお、回転軸線Cと交点S1の距離R1と、フロントガラス30の角速度ωと、交点S1におけるフロントガラス30の速度VCとの間には、VC=R1・ωの関係がある。従って前記角度θSの値が同じであっても、即ち、図3のステップS309で算出されるフロントガラスの目標速度VCが同じであっても、回転軸線Cと交点S1の距離R1が大きくなるほど、フロントガラス30の目標速度VCを実現するための角速度ωは小さくなる。
【0028】
本実施例の機能は、図3のフローチャートの処理により正確に対応させると次のように表現することもできる。即ち、本実施例は、回転するフロントガラス(ワーク)に対して作業者が塗布器具(ツール)を使用する作業を補助する装置であり、ツールの位置を検出するツール位置検出器と、ワーク上に設定されたツールの目標軌道を記憶する記憶手段と、回転軸の周りにワークを回転させるワーク回転器と、ツールの位置から回転軸線におろした垂線をツール側に延長した直線を回転軸線に沿ってワーク上に投影した投影線と目標軌道との交点における目標軌道の接線方向とワーク速度の方向とがなす角度に対して、ワーク速度を前記角度の余弦で除した値が略一定となるようにワーク回転器の角速度を制御する第2制御部と、を備える作業補助装置である。
【0029】
次に目標軌道の曲率半径が所定値より小さい場合(図3のフローチャートにおけるステップS312:YES)の場合を説明する。図4で示した目標軌道Lの点S2では目標軌道Lは曲率半径rでカーブしている。この曲率半径rは所定の曲率半径rthより小さい。換言すれば、目標軌道Lは点S2の近傍で所定の曲率半径rthより小さいコーナ部を有する。前述した投影線と目標軌道Lとの交点がS2の位置となった場合、図3のステップS312の判断がYESとなり次にステップS316に処理が移る。ステップS316では、ステップS310で求めた角速度ωに対して1.0より小さい係数を乗ずる。この処理によって、目標軌道Lの曲率半径が所定値より小さいコーナ部では、目標軌道Lの曲率半径が所定値より大きいとした場合のフロントガラス30の回転角速度よりも小さい角速度でフロントガラス30を回転させることができる。目標軌道Lの曲率半径が小さいコーナ部においては塗布器具32とフロントガラス30との相対速度をそれまでの速度よりも小さくできる。従って作業者は塗布器具32を目標軌道Lに沿って移動させ易くなる。なお、所定の曲率半径rthは約50mm以下が好ましい。また曲率半径が所定値以下であるとは、曲率半径がゼロに収束した場合、即ち目標軌道が屈曲部を有する場合を含むものである。
【0030】
なお、塗布器具32が目標軌道Lに沿っている場合には図4の交点S1と塗布器具の位置Pは一致する。しかし何らかの原因で塗布器具32が目標軌道L上から外れることもある。本実施例では、塗布器具32の位置を回転軸Cに沿ってフロントガラス30の回転面へ投射した位置(図4の点Pに相当)の近傍の目標軌道の位置S1も「塗布器具32の位置を回転軸Cに沿ってフロントガラス30の回転面へ投射した位置における目標軌道」との表現に含まれるものである。
【0031】
上記実施例では、移動機構11に備えられた位置センサ群15と、コントローラ22a内の位置算出部40が請求項の「ツール位置検出器」の一態様に相当する。またコントローラ22a内の目標軌道データ記憶部44が請求項の「記憶手段」の一態様に相当する。さらに塗布器具32の位置と目標軌道Lのデータに基づいて、フロントガラス30の回転面へ投射した塗布器具32の位置における目標軌道Lの接線方向とフロントガラス30の速度の方向とがなす角度に対して、フロントガラス30の速度を前記角度の余弦で除した値が略一定となるようにワーク回転器24のモータ28の角速度ωを制御するとき(図3に示したステップS302乃至ステップS314の処理を行うとき)の回転器制御部42が請求項の「第2制御部」の一態様に相当する。また、塗布器具の位置のフロントガラス30に投射した位置における目標軌道Lが所定値より小さい曲率半径であるコーナ部の場合に、フロントガラス30の回転角速度を前記第2制御部で制御される角速度よりも小さくなるようにワーク回転器24の角速度を減速させる処理(図3に示したステップS312の判断がYESとなった場合に実行されるステップS316の処理)を行う場合の回転器制御部42が請求項の「第3制御部」の一態様に相当する。
【0032】
次に図3で示したモータ28の角速度指令値を算出する処理の変形例を説明する。図5に変形例におけるモータ28の角速度指令値の設定の処理のフローチャート図を示す。この変形例では、ステップS300、ステップS302およびステップS314は図3に示した同じ符号の処理と同様の処理を行う。この変形例では、ステップS302で塗布器具32の位置Pからモータ回転器24の回転軸線Cにおろした垂線Rを算出した後、ステップS500で垂線Rの長さに応じたモータ28の角速度ωを設定する。ここで角速度ωは垂線Rの長さが長くなるほど小さくなるように設定される。以上の処理を制御周期毎に繰り返す。本変形例では、フロントガラス30に設定された目標軌道Lのデータを必要としない。従って回転器24のモータ28の角速度ωを設定する処理を簡単にすることができる。
【0033】
角速度ωの設定の具体例を図6と図7に模式的に示す。図6と図7のグラフの横軸は垂線Rの長さを示す。また縦軸はモータ28の角速度指令値ωと、回転軸線Cに直交する平面内における塗布器具32の位置P(図4参照)での垂線Rに直交する方向のフロントガラス30の速度Vをとってある。速度Vは換言すれば、塗布器具32の位置Pにおけるフロントガラス30の回転方向の速度である。
図6の例は、フロントガラス30の速度Vが垂線Rの長さに依存せずに速度V1で一定となるようにωを設定する例である。垂線Rの長さを記号Rで表すとモータ28への角速度指令値ωは、ω=V1/Rとなる。即ち角速度指令値ωは垂線Rの距離に対して反比例する曲線を描く。
また図7の例は、垂線の長さRがRthまではフロントガラス30の速度Vが速度V1で一定となるようにωを設定し、垂線の長さRがRth以上の場合はフロントガラス30の速度Vが垂線の長さRに対して所定の一次関数で減少するようにωを設定する例である。図7では垂線の長さRがRth以下ではモータ28への角速度指令値はω1で示す曲線を描き、垂線の長さRがRthより大きい領域ではモータ28への角速度指令値はω2で示す曲線を描く。垂線の距離Rの増加に対するω2の減少率はω1の減少率より大きく設定される。フロントガラス30の面積が大きい場合には、回転軸線Cからの距離が大きいほど、フロントガラス30は回転面に交差する方向に揺れる可能性がある。垂線の距離R、即ち回転器24の回転軸線Cと塗布器具32との距離が大きい領域でフロントガラス30の回転方向の速度Vを小さくすることによって、フロントガラス30が揺れ易い場所での作業をし易くすることができる。
図6、図7いずれの場合でもワーク回転器24のモータ28の角速度ωは、塗布器具32から回転軸線Cにおろした垂線の長さが長くなるほどを低下するように制御される。この変形例では図2に示すブロック図のうち、コントローラ22a内の目標軌道データ記憶部44と、ワーク回転器24内のエンコーダ29は不要となる。またコントローラ22a内の回転器制御部42は図5で示したフローチャート図のステップS302、ステップS500、ステップS314の処理を行う。このときの回転器制御部42が請求項の「第1制御部」の一態様に相当する。
【0034】
<実施例2>
次に本発明の実施例2について図8を用いて説明する。この実施例における作業補助装置10bも、塗布器具32を用いてフロントガラス30の周囲に接着剤を塗布する作業を補助する装置である。しかし本実施例では、塗布器具32は作業者が直接手に持って作業する。塗布器具32が軽量である場合には塗布器具32を作業者が直接持って作業する場合がある。本実施例ではそのような場合でも塗布器具32の位置とフロントガラス30の回転軸線Cとの距離に応じてフロントガラス30の角速度を制御することができる。
本実施例の作業補助装置10bは、フロントガラス30を支持して回転させるワーク回転器24と、塗布器具32の位置を画像処理により検出する位置計測器54と、ワーク回転器24を制御するコントローラ22bを備える。なお、図8に示した符号と図1に示した符号が同じ部品は同一の部品を表す。
塗布器具32の位置は、2つのカメラ54Lと54Rを有する位置計測器54により求めることができる。位置計測器54では2つのカメラ54Lと54Rの画像から、ステレオ立体視による位置算出法を用いて塗布器具32の位置を求める。求められた塗布器具32の位置はコントローラ22bへ送られる。コントローラ22bは、塗布器具32からフロントガラス30の回転軸線Cへおろした垂線Rの距離(即ち、位置計測器54で検出された塗布器具32の位置から回転軸Cまでの距離)に応じてフロントガラス30を回転させるモータ28の角速度指令値ωをモータ28に出力する。なお、角速度指令値ωの算出処理は図3または図5に示したフローチャートの処理を利用することができる。なお、本実施例の位置計測器54が請求項の「ツール位置検出器」の一態様に相当する。また、実施例1で説明した図3に示した処理を行う場合のコントローラ22bが請求項の「第2制御部」の一態様に相当する。一方、実施例1の変形例で説明した図5に示した処理を行う場合のコントローラ22bが請求項の「第1制御部」の一態様に相当する。
【0035】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば実施例2では塗布器具32(ツール)の位置を検出するのに画像処理を利用した位置計測器54を用いた。本発明では、ツールの位置を必ずしも厳密に計測する必要はない。従って画像処理のように誤差を含む位置計測器を用いても差し支えない。また、「ツールの位置」とは、ツールに固定された基準点の位置でもよいし、ツールの概ねの位置であってもよい。ツールの概ねの位置とは例えば前述した画像処理により求められる、画像処理の誤差を含んだツールの位置などでよい。
また、例えば実施例1の移動機構11はアクチュエータによって塗布器具32を移動させたが移動機構11はアクチュエータによって能動的に塗布器具32を移動させるものの他に、塗布器具32を支持し、その重さをキャンセルするいわゆるバランサタイプの移動機構であってもよい。そのバランサタイプの移動機構は、塗布器具32に作業者が力を加えると受動的に塗布器具32が移動する機構であればよい。
また上記実施例では、フロントガラスへの接着剤の塗布作業を例示したが、作業は塗布作業に限定されるものではない。回転するワークへの溶接作業など、本発明は回転するワークに対してツールを使用して作業者が行う作業であればあらゆる作業に適用可能である。
さらに実施例1の変形として、第2制御部は、ツールの位置から回転軸線におろした垂線をツール側に延長した直線を回転軸線方向へワーク上に投影した投影線と目標軌道との交点におけるワーク速度が略一定となるようにワークの角速度を制御してもよい。即ち、図4における交点S1におけるフロントガラス30(ワーク)の速度VCが略一定となるようにモータの角速度を制御する。これによりモータの角速度の算出処理が簡略化できる。
【0036】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る実施例の作業補助装置の概略図である。
【図2】作業補助装置のブロック図である。
【図3】作業補助装置の処理を示すフローチャート図である。
【図4】モータに対する角速度の設定処理を説明する模式図である。
【図5】モータ角速度の設定処理の変形例を示すフローチャート図である。
【図6】モータ角速度設定の一例を示すグラフである。
【図7】モータ角速度設定の他の例を示すグラフである。
【図8】本発明に係る他の実施例の作業補助装置の概略図である。
【符号の説明】
【0038】
10a、10b:作業補助装置
11:移動機構
12a、12b、12c:リンク
13:移動機構基部
14a、14b、14c:関節
15a、15b、15c:位置センサ
16a、16b、16c:アクチュエータ
18:操作子
20:力センサ
22a、22b:コントローラ
24:ワーク回転器
26:ワーク回転支持軸
28:モータ
29:エンコーダ
30:フロントガラス(ワーク)
32:塗布器具(ツール)
40:位置算出部
42:回転器制御部(第1制御部、第2制御部、第3制御部)
44:目標軌道データ記憶部
48:移動機構制御部
54:位置計測器
C:回転軸線
L:塗布ライン(目標軌道)
P:塗布器具(ツール)の位置




 

 


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