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鋳造用金型 - トヨタ自動車株式会社
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発明の名称 鋳造用金型
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−98465(P2007−98465A)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
出願番号 特願2005−295424(P2005−295424)
出願日 平成17年10月7日(2005.10.7)
代理人 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
発明者 森岡 泰行
要約 課題
熱膨張に起因する金型の寸法の変化があった場合でも冷却部材による冷却を効果的に行うことが可能な鋳造用金型を提供する。

解決手段
鋳造装置1に、内部にキャビティ15が形成されてキャビティ15に溶融状態または半溶融状態のアルミニウム合金を供給可能な金型本体2と、金型本体2と別体であって金型本体2に当接し、内部に冷却水を流通する冷却水経路9aが形成される冷却部材9と、冷却部材9を金型本体2に当接する方向に付勢する皿バネ11・11と、を具備することにより、金型本体2が熱膨張しても冷却部材9は常に金型本体2に当接された状態を保持する。
特許請求の範囲
【請求項1】
内部にキャビティが形成され、該キャビティに溶融状態または半溶融状態の金属または樹脂を供給可能な金型本体と、
該金型本体と別体であって、前記金型本体に当接し、内部に冷却媒体を流通する冷却媒体経路が形成される冷却部材と、
該冷却部材を前記金型本体に当接する方向に付勢する付勢部材と、
を具備する鋳造用金型。
【請求項2】
前記付勢部材は、
前記冷却部材に形成された貫通孔に摺動可能に貫装された状態で前記金型本体に螺装されるボルトの頭部と前記冷却部材との間に配置された弾性部材である請求項1に記載の鋳造用金型。
【請求項3】
前記冷却部材は、
前記金型本体に当接する当接面と、
該当接面の反対側の面である外表面と、
前記当接面よりも冷却部材の外表面に近く、前記当接面に対して段差状となる締結面と、
を有し、
前記貫通孔は前記冷却部材の外表面から締結面に貫通する請求項2に記載の鋳造用金型。
【請求項4】
前記冷却部材の当接面は前記金型本体の底面に当接し、
前記冷却部材の締結面は前記金型本体の段差面に対向し、
前記冷却部材の当接面から締結面までの高さは前記金型本体の底面から段差面までの高さよりも大きい請求項3に記載の鋳造用金型。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶融状態または半溶融状態(ペースト状を含む)の金属や樹脂等を内部に形成されたキャビティに供給し、これを冷却して所定の形状の成型品(鋳造品)を成型する鋳造用金型の技術に関する。より詳細には、鋳造用金型の寸法精度維持および破損防止を目的とする鋳造用金型の冷却構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、溶融状態または半溶融状態の金属や樹脂等を内部に形成されたキャビティに供給し、これを冷却して所定の形状の成型品(鋳造品)を成型する鋳造用金型の技術は公知となっている。
【0003】
鋳造用金型は、キャビティに供給された溶融状態または半溶融状態の金属や樹脂等から伝わる熱により熱膨張を起こし、鋳造用金型の鋳造時の寸法精度、ひいては鋳造品の寸法精度が低下する。
上記問題を解消する方法の一つとして、鋳造用金型の下型を皿バネを介して構造体に固定することにより熱膨張を起こしている上型に当接するときの下型の位置を微調整可能とし、鋳造品の形状安定性を向上させる方法が検討されている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
しかし、この方法は鋳造品のサイズが大きくなると効果的でないという問題がある。
【0004】
鋳造用金型の熱膨張に起因する寸法精度の低下を解消する別の一般的な方法としては、図4に示す如く、鋳造用金型121の内部においてキャビティ115から所定の距離離れた位置に冷却水を流通するための冷却水経路109aを穿設する方法が知られている。
しかし、鋳造用金型121に直接冷却水を流通させるこの方法は、鋳造用金型121に繰り返し大きな熱応力が作用するために、鋳造用金型121の疲労破壊、ひいては冷却水の漏洩の原因となる場合がある。
【0005】
上記問題を解消する方法として、鋳造用金型と別体であって内部に冷却水経路が形成された冷却部材を用意し、これを鋳造用金型の表面、あるいは表面に形成された溝等にボルト締結する方法が検討されている。
【0006】
上記冷却部材を用いて鋳造用金型を冷却する方法としては、より具体的には、図5に示す如く、内部に冷却水経路209aが形成された冷却部材209の外表面209cから当接面209bに貫通する貫通孔209e・209eを設け、貫通孔209e・209eにそれぞれボルト210・210を貫装し、鋳造用金型221の表面221aに形成された溝の底面221cに螺孔を設けてボルト締結することにより冷却部材209の当接面209bと鋳造用金型221の底面221cとを当接する方法が検討されている。
また、図7に示す如く、内部に冷却水経路309aが形成された冷却部材309に当接面309b、当接面309bの反対側となる外表面309c、および当接面309bに対して段差状となる締結面309d・309dを形成し、外表面309cから締結面309d・309dにそれぞれ貫通する貫通孔309e・309eを設け、貫通孔309e・309eにボルト310・310を貫装し、鋳造用金型321の表面321aに段差状に形成された溝の段差面221d・221dに螺孔を設けてボルト締結することにより冷却部材309の当接面309bと鋳造用金型321の底面321cとを当接する方法も検討されている。
【特許文献1】特開2001−239527号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来の鋳造用金型221は、キャビティ215に溶融状態の金属等が供給されると、図6に示す如く鋳造用金型221は温度が上昇して熱膨張するのに対し、冷却部材209は常に冷却水が流通されているため温度がさほど上昇せず、あまり熱膨張しない。
その結果、冷却部材209と鋳造用金型221との伝熱経路となる当接面209bと底面221cとの当接部分に隙間が生じ、鋳造用金型221を十分に冷却して凝固に要する時間を短縮することが難しくなる。また、生じた隙間の大小により、冷却効果にばらつきが生じるため、鋳造品の寸法や品質のばらつきも大きくなってしまう。
【0008】
同様に、従来の鋳造用金型321は、キャビティ315に溶融状態の金属等が供給されると、図8に示す如く鋳造用金型321は温度が上昇して熱膨張するのに対し、冷却部材309は常に冷却水が流通されているため温度がさほど上昇せず、あまり熱膨張しない。
その結果、冷却部材309と鋳造用金型321との伝熱経路となる当接面309bと底面321cとの当接部分に隙間が生じ、鋳造用金型321を十分に冷却して凝固に要する時間を短縮することが難しくなる。また、生じた隙間の大小により、冷却効果にばらつきが生じるため、鋳造品の寸法や品質のばらつきも大きくなってしまう。
【0009】
本発明は以上の如き状況に鑑み、熱膨張に起因する寸法の変化があった場合でも冷却部材による冷却を効果的に行うことが可能な鋳造用金型を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0011】
即ち、請求項1においては、
内部にキャビティが形成され、該キャビティに溶融状態または半溶融状態の金属または樹脂を供給可能な金型本体と、
該金型本体と別体であって、前記金型本体に当接し、内部に冷却媒体を流通する冷却媒体経路が形成される冷却部材と、
該冷却部材を前記金型本体に当接する方向に付勢する付勢部材と、
を具備するものである。
【0012】
請求項2においては、
前記付勢部材は、
前記冷却部材に形成された貫通孔に摺動可能に貫装された状態で前記金型本体に螺装されるボルトの頭部と前記冷却部材との間に配置された弾性部材であるものである。
【0013】
請求項3においては、
前記冷却部材は、
前記金型本体に当接する当接面と、
該当接面の反対側の面である外表面と、
前記当接面よりも冷却部材の外表面に近く、前記当接面に対して段差状となる締結面と、
を有し、
前記貫通孔は前記冷却部材の外表面から締結面に貫通するものである。
【0014】
請求項4においては、
前記冷却部材の当接面は前記金型本体の底面に当接し、
前記冷却部材の締結面は前記金型本体の段差面に対向し、
前記冷却部材の当接面から締結面までの高さは前記金型本体の底面から段差面までの高さよりも大きいものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0016】
請求項1においては、金型本体が熱膨張に起因して寸法が変化した場合でも、冷却部材による金型本体の冷却を効果的に行うことが可能である。
【0017】
請求項2においては、簡便かつ安価な構成で冷却部材を金型本体に当接する方向に付勢した状態を達成することが可能である。
【0018】
請求項3においては、ボルトを螺装する螺孔を形成した場合の強度を勘案して金型本体の肉厚を大きくする必要が無く、その分冷却部材の当接面をキャビティに近い位置に配置して冷却を効果的に行うことが可能である。
【0019】
請求項4においては、冷却部材の締結面が金型本体の段差面に当接することに起因して冷却部材の当接面が金型本体の底面から離間し、冷却部材による金型本体の冷却効率が低下することを防止することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下では図1を用いて本発明に係る鋳造用金型の実施の一形態である鋳造装置1の全体構成について説明する。
鋳造装置1は溶融状態のアルミニウム合金を所定の形状に鋳造する(溶融状態のアルミニウム合金を所定の形状の鋳造品に成型する)装置である。
【0021】
なお、本実施例の鋳造装置1は溶融状態のアルミニウム合金を所定の形状に鋳造する装置であるが、本発明に係る鋳造用金型はこれに限定されず、溶融状態または半溶融状態の金属または樹脂等を所定の形状に成型する用途に広く適用可能である。
また、本発明に係る「半溶融状態」には、固相と液相の二相混在状態だけでなく、ペースト状も含まれる。
本発明に係る鋳造用金型の金型本体のキャビティに供給される金属は、本実施例の如きアルミニウム合金に限定されず、鋳鉄や銅合金等、一般的な鋳造に用いられる金属を広く含む。
本発明に係る鋳造用金型の金型本体のキャビティに供給される樹脂は、一般的な射出成型等のプラスチック成型に用いられる樹脂を広く含む。
【0022】
鋳造装置1は主として金型本体2、ベース3、スライダ4、堰入れ子5、湯口入れ子6、ストーク7、保持炉8、冷却部材9、ボルト10・10、皿バネ11・11等を具備する。
【0023】
金型本体2は本発明に係る鋳造用金型の金型本体の実施の一形態であり、鋳造装置1の主たる構造体を成す部材である。
金型本体2は主として上型21、横型22、下型23等を具備する。
【0024】
上型21は金型本体2の上部を成す部材であり、スライダ4に着脱可能に固定される。
【0025】
横型22は金型本体2の上下略中央部を成す平面視略リング状の部材であり、下型23の上面23aの周縁部に着脱可能に固定される。
【0026】
下型23は金型本体2の下部を成す部材であり、ベース3に着脱可能に固定される。
【0027】
ベース3は金型本体2の下方に設けられた構造体であり、金型本体2を支持する部材である。スライダ4は金型本体2の上方に設けられた構造体であり、図示せぬ油圧シリンダによりベース3に対して上下方向に移動可能である。
スライダ4が上下に移動することにより、金型本体2は開閉する。金型本体2が閉じた状態では横型22の上面が上型21の下面21bに当接し、上型21の下面21b、横型22の内周面22aおよび下型23の上面23aで囲まれる空間であるキャビティ15は閉塞される。金型本体2が開いた状態では横型22の上面が上型21の下面21bから離間し、キャビティ15は開放される。
【0028】
なお、本実施例の金型本体2は、上型21、横型22、下型23の三つの部材からなり、上型21の下面21b、横型22の内周面22aおよび下型23の上面23aで囲まれる空間をキャビティ15とする構成としたが、本発明に係る金型本体はこれに限定されず、内部にキャビティが形成され、該キャビティに溶融状態または半溶融状態の金属または樹脂を供給可能であれば他の構成でも良い。
例えば、金型本体を上型と下型の二つの部材で構成し、上型および下型における互いに当接する面にキャビティを刻設し、該キャビティと下型の外部表面とを連通する貫通孔を穿設して該貫通孔よりキャビティに溶融状態または半溶融状態の金属または樹脂を供給する構成としても良い。
【0029】
堰入れ子5・5はキャビティ15に溶融状態のアルミニウム合金を供給するための経路を形成する略円筒形状の部材であり、キャビティ15から下型23を経てベース3の下面に貫通する貫通孔に嵌装される。
【0030】
湯口入れ子6はキャビティ15に溶融状態のアルミニウム合金を供給するための経路を形成する内部が中空の半球状の部材であり、堰入れ子5・5およびストーク7に連通する。
【0031】
堰入れ子5・5および湯口入れ子6は砂(例えば、セラミックス等を数十ミクロンから数ミリ程度の粒状にしたもの)をレジンバインダで固めて成型したものであり、溶融状態のアルミニウム合金が堰入れ子5・5や湯口入れ子6の内部で凝固した場合でも、これらを破砕して容易に交換可能としている。
【0032】
ストーク7はキャビティ15に溶融状態のアルミニウム合金を供給するための経路を形成する略円筒形状の部材であり、その一端が湯口入れ子6に連通し、他端は保持炉8に挿入される。
【0033】
保持炉8は溶融状態のアルミニウム合金16を、溶融した状態を保持しつつ貯溜する炉である。保持炉8には図示せぬ加熱手段(ヒーター)が設けられる。
【0034】
鋳造装置1はいわゆる差圧鋳造装置であり、予め金型本体2を閉じた状態でキャビティ15を減圧してキャビティ15と保持炉8との間に圧力差を発生させることにより、溶融状態のアルミニウム合金16を保持炉8からストーク7、湯口入れ子6、堰入れ子5・5を経てキャビティ15に供給する。
なお、本実施例の鋳造装置1はいわゆる差圧鋳造装置であるが、本発明に係る鋳造用金型はこれに限定されず、溶融状態または半溶融状態の金属または樹脂等を用いて鋳造品(成型品)を成型する種々の形式の鋳造装置や成形装置に適用可能である。
【0035】
以下では図1、図2および図3を用いて冷却部材9について説明する。
冷却部材9は金型本体2、より厳密には上型21を冷却するための部材であり、金型本体2と別体に構成される(金型本体2と一体成型されない)。冷却部材9の内部には冷却水経路9aが形成され、冷却水経路9aには冷却水が流通される。
冷却水経路9aは本発明に係る冷却媒体経路の実施の一形態である。また、冷却水は本発明に係る冷却媒体の実施の一形態である。
本発明に係る「冷却媒体」は、主として液体または気体からなり、対象物から熱を奪うことにより対象物を冷却するのに用いられる媒体である。なお、本実施例では冷却媒体として水(冷却水)を用いたが、本発明に係る冷却媒体はこれに限定されず、油等の他の液体でも良く、あるいは窒素ガス等の気体でも良い。
本発明に係る「冷却媒体経路」は、冷却媒体を流通するための経路である。
本実施例の場合、上型21を冷却して金型本体2の上下方向に温度勾配を発生させることにより、キャビティ15に供給された溶融状態のアルミニウム合金を上型21から下型23の方向に向かって一方向凝固させて鋳造欠陥(鋳巣等)が発生することを防止する。
【0036】
なお、上記熱勾配が大きい、すなわち冷却能力が高いほどアルミニウム合金が一方向凝固する傾向(指向性)が強まり鋳造欠陥の発生が低減するが、上型21に直接冷却水経路を穿設すると、冷却能力が高いものの繰り返し熱応力により上型21が破損する可能性も高くなる。そのため、本実施例では別体の冷却部材9に冷却水経路9aを形成し、冷却部材9を上型21に当接することにより冷却している。
【0037】
冷却部材9は当接面9b、外表面9c、締結面9d・9dを有する。
当接面9bは冷却部材9の表面を成す面において、上型21の上面21aに形成された段差状の溝の底面21cに当接する平滑な面である。溶融状態のアルミニウム合金がキャビティ15に供給されて温度が上昇した上型21の有する熱は、当接面9bと底面21cとの当接部分から冷却部材9を経て冷却水経路9aを流通する冷却水に伝達される。
外表面9cは冷却部材9の表面を成す面において、当接面9bの反対側の平滑な面である。
締結面9d・9dは冷却部材9の表面を成す面において、当接面9bよりも外表面9cに近く、当接面9bに対して段差状となる平滑な面である。締結面9d・9dは上型21に形成された段差状の溝の段差面21d・21dにそれぞれ対向する。
冷却部材9には外表面9cから締結面9d・9dに貫通する貫通孔9e・9eがそれぞれ形成される。
【0038】
以下では図1、図2および図3を用いてボルト10・10について説明する。
ボルト10・10は本発明に係るボルトの実施の一形態であり、冷却部材9を金型本体2、より厳密には上型21に固定するためのものである。
ボルト10・10は冷却部材9の貫通孔9e・9eにそれぞれ貫装され、上型21の段差面21d・21dに形成された螺孔に螺装される。
なお、貫通孔9e・9eの内周面にはボルト10・10と螺合するネジが形成されておらず、ボルト10・10は貫通孔9e・9eに摺動可能に貫装されている。
【0039】
以下では図1、図2および図3を用いて皿バネ11・11について説明する。
皿バネ11・11は本発明に係る付勢部材の実施の一形態であり、冷却部材9を金型本体2、より厳密には上型21に当接する方向に付勢するものである。
皿バネ11・11は中心に形成された孔と外周端との間に切り込みが形成された略円盤形状の部材からなり、外力が作用していない状態では当該切り込みが盤面に略垂直な方向にずれた状態にねじれた形状を呈する。皿バネ11・11は耐熱性に優れたバネ鋼等の弾性変形し得る材料で構成される。特に、温度上昇によるバネ特性の低下が少ない材料が好ましく、本実施例では皿バネ11・11を構成する材料としてインコネルを用いている。
皿バネ11・11はボルト10・10に貫装され、ボルト10・10の頭部と冷却部材9の外表面9cとの間に配置される。この状態でボルト10・10を上型21の段差面21d・21dに形成された螺孔に螺装していくと、皿バネ11・11は弾性変形し、冷却部材9の当接面9bが上型21の底面21cに当接する方向に付勢する。
【0040】
なお、本実施例の鋳造装置1は皿バネ11・11により冷却部材9を金型本体2に当接する方向に付勢する構成であるが、巻きバネや板バネにより冷却部材を金型本体に当接する方向に付勢する構成としても略同様の効果を奏する。また、金型本体やその周囲の温度上昇による材質の劣化の問題を解消可能である場合には、付勢部材を弾性変形し得るゴム、エラストマー、樹脂等を用いることも可能である。
すなわち、本発明に係る付勢部材は本実施例の皿バネ11・11に限定されず、巻きバネや板バネ、ゴム、エラストマー、樹脂等の弾性部材(弾性変形し得る材料からなる部材)を付勢部材として用いても略同様の効果を奏する。
【0041】
キャビティ15に溶融状態のアルミニウム合金が供給される前の状態では、上型21の段差面21d・21dと冷却部材9の締結面9d・9dとの間には所定の隙間Gが設けられており、皿バネ11・11の付勢力により上型21の底面21cに冷却部材9の当接面9bが当接している。
すなわち、冷却部材9の当接面9bから締結面9dまでの高さは、金型本体2(より厳密には、上型21)の底面21cから段差面21dまでの高さよりも大きい。
【0042】
キャビティ15に溶融状態のアルミニウム合金が供給された状態では、上型21は溶融状態のアルミニウム合金から伝達された熱により温度上昇し、熱膨張する。一方、冷却部材9は冷却水経路9aを流通する冷却水により常に抜熱されているため、温度はさほど上昇せず、ほとんど熱膨張しない。その結果、上型21の段差面21d・21dと冷却部材9の締結面9d・9dとの間に設けられた所定の隙間Gは少し狭くなるが、段差面21d・21dと冷却部材9の締結面9d・9dとは当接せず、皿バネ11・11の付勢力により上型21の底面21cに冷却部材9の当接面9bが当接している状態が保持される。
【0043】
上型21が温度上昇して熱膨張した場合でも皿バネ11・11の付勢力により冷却部材9の当接面9bを上型21の底面21cに当接した状態を保持するためには、冷却部材9および上型21を構成する材質(ひいては線膨張係数)、形状、大きさ、温度分布等を勘案し、隙間Gの大きさを、上型21が熱膨張した状態であっても段差面21d・21dと冷却部材9の締結面9d・9dとが当接しない大きさに設定することが望ましい。
また、少なくとも上型21が温度上昇して熱膨張した状態において、より好ましくは上型21が温度上昇する前の状態および温度上昇して熱膨張した状態の両方において冷却部材9を上型21に向かって付勢可能な位置に皿バネ11・11を配置することが望ましい。
【0044】
以上の如く、鋳造装置1は、
内部にキャビティ15が形成され、キャビティ15に溶融状態または半溶融状態のアルミニウム合金を供給可能な金型本体2と、
金型本体2と別体であって、金型本体2に当接し、内部に冷却水を流通する冷却水経路9aが形成される冷却部材9と、
冷却部材9を金型本体2に当接する方向に付勢する皿バネ11・11と、
を具備するものである。
このように構成することにより、金型本体2、より厳密には上型21が熱膨張に起因して寸法が変化した場合でも、冷却部材9が金型本体2に当接した状態を保持し、冷却部材9による金型本体2の冷却を効果的に行うことが可能である。
【0045】
また、鋳造装置1の皿バネ11・11は、
冷却部材9に形成された貫通孔9e・9eに摺動可能に貫装された状態で金型本体2に螺装されるボルト10・10の頭部と冷却部材9との間に配置された皿バネ11・11であるものである。
このように構成することにより、簡便かつ安価な構成で冷却部材9を金型本体2に当接する方向に付勢した状態を達成することが可能である。
【0046】
また、鋳造装置1の冷却部材9は、
金型本体2(より厳密には、上型21の上面21aに形成された段差状の溝の底面21c)に当接する当接面9bと、
当接面9bの反対側の面である外表面9cと、
当接面9bよりも冷却部材9の外表面9cに近く、当接面9bに対して段差状となる締結面9d・9dと、
を有し、
貫通孔9e・9eは冷却部材9の外表面9cから締結面9d・9dに貫通するものである。
このように構成することにより、ボルト10・10を螺装する螺孔を形成した場合の強度を勘案して金型本体2の肉厚(より厳密には、底面21cと下面21bとの間の距離)を大きくする必要が無く、その分冷却部材9の当接面9bをキャビティ15(下面21b)に近い位置に配置して冷却を効果的に行うことが可能である。
【0047】
また、鋳造装置1は、
冷却部材9の当接面9bは金型本体2(より厳密には、上型21)の底面21cに当接し、
冷却部材9の締結面9dは金型本体2(より厳密には、上型21)の段差面21dに対向し、
冷却部材9の当接面9bから締結面9dまでの高さは、金型本体2(より厳密には、上型21)の底面21cから段差面21dまでの高さよりも大きい。
このように構成することにより、冷却部材6の締結面9dが金型本体2の段差面21dに当接することに起因して冷却部材9の当接面9bが金型本体2の底面21cから離間し、冷却部材9による金型本体2の冷却効率が低下することを防止することが可能である。
【0048】
なお、本実施例の鋳造装置1は、冷却部材9を上型21に当接する構成であるが、本発明に係る鋳造用金型はこれに限定されず、下型や横型、可動中子等、金型本体を構成する部材の冷却したい部位に冷却部材を当接することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係る鋳造用金型の実施の一形態を示す側面断面模式図。
【図2】本発明に係る冷却部材の側面断面図。
【図3】本発明に係る冷却部材が金型本体に取り付けられた状態を示す側面断面図。
【図4】従来の鋳造用金型の第一実施例の要部側面断面図。
【図5】従来の鋳造用金型の第二実施例の要部側面断面図。
【図6】金型本体が昇温された従来の鋳造用金型の第二実施例の要部側面断面図。
【図7】従来の鋳造用金型の第三実施例の要部側面断面図。
【図8】金型本体が昇温された従来の鋳造用金型の第三実施例の要部側面断面図。
【符号の説明】
【0050】
1 鋳造装置(鋳造用金型)
2 金型本体
9 冷却部材
9a 冷却水経路(冷却媒体経路)
11 皿バネ(付勢部材)
15 キャビティ




 

 


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