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発明の名称 支持体付水素分離膜およびそれを備えた燃料電池
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−98324(P2007−98324A)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
出願番号 特願2005−293291(P2005−293291)
出願日 平成17年10月6日(2005.10.6)
代理人 【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
発明者 青山 智
要約 課題
水素分離膜基材の水素透過性能の劣化を抑制することができる支持体付水素分離膜およびそれを備える燃料電池を提供する。

解決手段
支持体付水素分離膜(100)は、水素分離膜(30)と、水素分離膜(30)を補強する支持体(10)と、水素分離膜(30)と支持体(10)との間に設けられ、水素分離膜(30)と支持体(10)との間の金属拡散を抑制する拡散抑制層(20)とを備えることを特徴とする。水素分離膜(30)と支持体(10)との間の金属拡散が拡散抑制層(20)によって抑制される。この場合、水素分離膜(30)の水素透過性能の劣化を抑制することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
水素分離膜と、
前記水素分離膜を補強する支持体と、
前記水素分離膜と前記支持体との間に設けられ、前記水素分離膜と前記支持体との間の金属拡散を抑制する拡散抑制層とを備えることを特徴とする支持体付水素分離膜。
【請求項2】
前記水素分離膜を構成する金属と前記拡散抑制層を構成する金属との合金の水素透過性能劣化は、前記水素分離膜を構成する金属と前記支持体を構成する金属との合金の水素透過性能劣化よりも小さいことを特徴とする請求項1記載の支持体付水素分離膜。
【請求項3】
前記水素分離膜の前記拡散抑制層側の面の少なくとも一部はパラジウムから構成され、
前記拡散抑制層は、銀、イットリウムまたはガドリニウムから構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の支持体付水素分離膜。
【請求項4】
前記請求項1〜3のいずれかに記載の支持体付水素分離膜と、
前記支持体付水素分離膜上に形成されたプロトン導電性電解質膜と、
前記プロトン導電性電解質膜上に形成されたカソードとを備えることを特徴とする燃料電池。


発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持体付水素分離膜およびそれを備えた燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、一般的には水素及び酸素を燃料として電気エネルギーを得る装置である。この燃料電池は、環境面において優れかつ高いエネルギー効率が実現できることから、今後のエネルギー供給システムとして広く開発が進められてきている。
【0003】
燃料電池のうち固体の電解質を用いたものには、固体高分子型燃料電池、固体酸化物型燃料電池、水素分離膜電池等がある。ここで、水素分離膜電池とは、緻密な水素分離膜を備えた燃料電池である。緻密な水素分離膜は水素透過性を有する金属によって形成される層であり、アノードとしても機能する。水素分離膜電池は、この水素分離膜上にプロトン導電性を有する電解質が積層された構造をとっている。水素分離膜に供給された水素はプロトンに変換され、プロトン導電性の電解質中を移動し、カソードにおいて酸素と結合して発電が行われる。
【0004】
この水素分離膜電池に用いられる水素分離膜には、パラジウム等の貴金属が用いられる。そのため、コスト低減のためには水素分離膜をできるだけ薄くする必要がある。この場合、支持体を用いて水素分離膜を補強する必要がある。支持体によって水素分離膜を補強するためには、支持体と水素分離膜とが接合されていることが好ましい。
【0005】
そこで、水素分離膜基材と流路プレートとを積層接合する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この技術によれば、母材の溶融を伴わないため、装置全体を薄型化することができる。
【0006】
【特許文献1】特開2003−95617号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の技術では、流路プレートと水素分離膜基材との間で金属拡散が起こる。それにより、水素分離膜基材の水素透過性能が劣化してしまうおそれがある。
【0008】
本発明は、水素分離膜基材の水素透過性能の劣化を抑制することができる支持体付水素分離膜およびそれを備える燃料電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る支持体付水素分離膜は、水素分離膜と、水素分離膜を補強する支持体と、水素分離膜と支持体との間に設けられ、水素分離膜と支持体との間の金属拡散を抑制する拡散抑制層とを備えることを特徴とするものである。本発明に係る支持体付水素分離膜においては、水素分離膜と支持体との間の金属拡散が拡散抑制層によって抑制される。この場合、水素分離膜の水素透過性能の劣化を抑制することができる。
【0010】
水素分離膜を構成する金属と拡散抑制層を構成する金属との合金の水素透過性能劣化は、水素分離膜を構成する金属と支持体を構成する金属との合金の水素透過性能劣化よりも小さくてもよい。この場合、水素分離膜の水素透過性の劣化を抑制することができる。
【0011】
水素分離膜の拡散抑制層側の面の少なくとも一部はパラジウムから構成され、拡散抑制層は、銀、イットリウムまたはガドリニウムから構成されていてもよい。この場合、水素分離膜と拡散抑制層との間における金属拡散が起こっても水素分離膜の水素透過性能は向上する。また、パラジウム合金中の不純物率がさらに大きくなって水素分離膜の水素透過性能が低下しても、水素分離膜と支持体との間における金属拡散が起こる場合に比較して水素分離膜の水素透過性能の劣化が小さくなる。以上のことから、水素分離膜の水素透過性能の劣化を抑制することができる。
【0012】
本発明に係る燃料電池は、請求項1〜3のいずれかに記載の支持体付水素分離膜と、支持体付水素分離膜上に形成されたプロトン導電性電解質膜と、プロトン導電性電解質膜上に形成されたカソードとを備えることを特徴とするものである。本発明に係る燃料電池においては、水素分離膜と支持体との間の金属拡散が拡散抑制層によって抑制される。したがって、発電反応による熱が発生しても、水素分離膜の水素透過性能の劣化を抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、水素分離膜の水素透過性能の劣化を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の第1実施例に係る支持体付水素分離膜100の模式的断面図である。図1に示すように、支持体付水素分離膜100は、支持体10上に拡散抑制層20および水素分離膜30が順に形成された構造を有する。支持体10は、例えば、ステンレス等の金属から構成される。支持体10の膜厚は、例えば、200μm程度である。拡散抑制層20は、例えば、銀から構成される。拡散抑制層20の膜厚は、例えば、1μm程度である。本実施例においては、支持体10および拡散抑制層20に、水素分離膜30に水素を供給するための複数の貫通孔11が形成されている。水素分離膜30は、例えば、パラジウムから構成される。水素分離膜30の膜厚は、例えば、5μm程度である。
【0016】
本実施例においては、支持体10と水素分離膜30との間に拡散抑制層20が形成されていることから、支持体10と水素分離膜30との間における金属拡散が抑制される。また、拡散抑制層20が銀から構成されていることから、拡散抑制層20と水素分離膜30との間における金属拡散が起こっても水素分離膜30の水素透過性能の劣化が抑制される。以下、水素分離膜30を構成する金属としてパラジウムを用いる場合における水素分離膜30の水素透過性能について詳細を説明する。
【0017】
図2は、パラジウム合金の合金比率とパラジウム合金の水素透過性能との関係を示す図である。図2の縦軸はパラジウム合金の水素透過性能を示し、図2の横軸はパラジウム合金の合金比率を示す。図2の破線に示すように、パラジウム合金の水素透過性能は、パラジウム合金中の鉄比率が増大するにつれて著しく劣化する。一方、図2の実線に示すように、パラジウム合金の水素透過性能は、パラジウム合金中の銀比率が増大するにつれて向上し、所定の銀比率を境界にして劣化する。
【0018】
このように、水素分離膜30としてパラジウムを用いかつ拡散抑制層20として銀を用いた場合、水素分離膜30と拡散抑制層20との間における金属拡散が起こっても水素分離膜30の水素透過性能は向上する。また、パラジウム合金中の銀比率がさらに大きくなって水素分離膜30の水素透過性能が低下しても、水素分離膜30と支持体10との間における金属拡散が起こる場合に比較して水素分離膜30の水素透過性能の劣化が小さくなる。以上のことから、支持体10と水素分離膜30との間に拡散抑制層20を設けることによって、水素分離膜30の水素透過性能の劣化を抑制することができる。
【0019】
なお、水素分離膜30を構成する金属がセリウム、ガドリニウムまたはイットリウムであっても、水素分離膜30の水素透過性能は図2のように変化する。したがって、水素分離膜30としてセリウム、ガドリニウムまたはイットリウムを用いてもよい。一例として、純パラジウムの水素透過性能に対するパラジウム合金の水素透過性能を表1に示す。表1に示すように、パラジウム中にセリウム、ガドリニウムまたはイットリウムが拡散した場合、水素透過性能は向上している。なお、表1においては、純パラジウムの水素透過係数を100とした場合におけるパラジウム合金の水素透過係数の比率を示している。
【0020】
【表1】


【0021】
また、水素分離膜30を構成する金属と合金化することによって水素分離膜30の水素透過性能を低下させる金属であっても、支持体10を構成する金属に比較して水素透過性能の劣化が小さい金属であれば拡散抑制層20として用いることができる。例えば、拡散抑制層20を構成する金属として、金、銅、白金、バナジウム、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、イリジウム等を用いることができる。以下、拡散抑制層20を構成する金属が銅であると仮定して、水素分離膜30の水素透過性能について詳細を説明する。
【0022】
図3は、パラジウム合金の合金比率とパラジウム合金の水素透過性能との関係を示す図である。図3の縦軸はパラジウム合金の水素透過性能を示し、図3の横軸はパラジウム合金の合金比率を示す。図3の実線に示すように、パラジウム合金の水素透過性能は、パラジウム合金中の銅比率が増大するにつれて低下する。しかしながら、パラジウム−銅合金の水素透過性能の劣化は、パラジウム−鉄合金の水素透過性能の劣化に比較して小さくなっている。
【0023】
以上のことから、水素分離膜30としてパラジウムを用いかつ拡散抑制層20として銅を用いた場合、水素分離膜30と支持体10との間における金属拡散が起こる場合に比較して水素分離膜30の水素透過性能の劣化が小さくなる。水素分離膜30を構成する金属が金、銅、白金、バナジウム、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、イリジウム等であっても、水素分離膜30の水素透過性能は図3のように変化する。一例として、純パラジウムの水素透過性能に対するパラジウム合金の水素透過性能を表2に示す。表2に示すように、パラジウム−鉄合金の水素透過性能の劣化に比較して、上記金属とパラジウムとの合金の水素透過性能の劣化は小さくなっている。なお、表2においては、純パラジウムの水素透過係数を100とした場合におけるパラジウム合金の水素透過係数の比率を示している。
【0024】
【表2】


【0025】
続いて、支持体付水素分離膜100の製造方法について説明する。図4は、支持体付水素分離膜100の製造方法を説明するための製造フロー図である。図4(a)に示すように、まず、支持体10を準備する。次に、図4(b)に示すように、支持体10上に拡散抑制層20を成膜する。この場合、スパッタリング、PVD法、CVD法等により拡散抑制層20を成膜することができる。次いで、図4(c)に示すように、拡散抑制層20上に水素分離膜30をクラッド法等の冷間接合法により接合する。このように、冷間接合法を用いて水素分離膜30を接合することから、水素分離膜30と拡散抑制層20との間の熱拡散を抑制することができる。
【実施例2】
【0026】
続いて、本発明の第2実施例に係る燃料電池200について説明する。図5は、燃料電池200について説明するための図である。図5(a)は燃料電池200の模式的断面図であり、図5(b)は燃料電池200の製造方法を説明するための図である。なお、前述した第1実施例と同一符号を付した構成要素は、第1実施例の材料と同様の材料から構成される。
【0027】
図5(a)に示すように、第1実施例に係る支持体付水素分離膜100の水素分離膜30上にプロトン導電性電解質膜40およびカソード50が順に形成されている。図5(b)に示すように、水素分離膜30上に、スパッタリング等によりプロトン導電性電解質膜40およびカソード50を順に形成することによって、燃料電池200を製造することができる。
【0028】
続いて、燃料電池200の動作について説明する。まず、水素を含有する燃料ガスが支持体10および拡散抑制層20の複数の貫通孔11を介して水素分離膜30に供給される。燃料ガス中の水素は、水素分離膜30を透過してプロトン導電性電解質膜40に到達する。プロトン導電性電解質膜40に到達した水素は、プロトンと電子とに分離する。プロトンは、プロトン導電性電解質膜40を伝導し、カソード50に到達する。
【0029】
一方、カソード50には酸素を含有する酸化剤ガスが供給される。カソード50においては、酸化剤ガス中の酸素とカソード50に到達したプロトンとから水が発生するとともに電力が発生する。発生した電力は、図示しないセパレータを介して回収される。以上の動作により、燃料電池200による発電が行われる。
【0030】
発電反応が起こる際には熱が発生する。しかしながら、水素分離膜30と支持体10との間には拡散抑制層20が形成されている。したがって、燃料電池200においては水素分離膜30の水素透過性能の劣化が抑制される。その結果、燃料電池200の発電性能低下を抑制することができる。
【実施例3】
【0031】
続いて、本発明の第3実施例に係る水素分離装置300について説明する。図6は、水素分離装置300について説明するための図である。図6(a)は水素分離装置300の模式的断面図であり、図6(b)は水素分離装置300の製造方法を説明するための図である。なお、前述した第1実施例と同一符号を付した構成要素は、第1実施例の材料と同様の材料から構成される。
【0032】
図6(a)に示すように、第1実施例に係る支持体付水素分離膜100の支持体10側に流路プレート60が形成され、支持体付水素分離膜100の水素分離膜30側に流路プレート70が形成されている。流路プレート60は、支持体付水素分離膜100に水素含有ガスを供給するための流路が形成されたプレートである。流路プレート70は、支持体付水素分離膜100によって分離された水素を回収するための流路が形成されたプレートである。図6(b)に示すように、支持体10の水素分離膜30と反対側の面に流路プレート60を接合し、水素分離膜30の支持体10と反対側の面に流路プレート70を接合することによって水素分離装置300を製造することができる。
【0033】
続いて、水素分離装置300の動作について説明する。まず、水素を含有する燃料ガスが流路プレート60内の流路から支持体10および拡散抑制層20の複数の貫通孔11を介して水素分離膜30に供給される。燃料ガス中の水素は、水素分離膜30を透過して流路プレート70に到達する。流路プレート70に到達した水素は、流路プレート70の流路から回収される。以上の動作により、燃料ガス中の水素を分離することができる。
【0034】
本実施例に係る水素分離装置300においては、水素分離膜30と支持体10との間には拡散抑制層20が形成されている。したがって、水素分離装置300を長時間使用しても、水素分離膜30の水素透過性能の劣化が抑制される。その結果、水素分離装置300の水素透過性能低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1実施例に係る支持体付水素分離膜の模式的断面図である。
【図2】パラジウム合金の合金比率とパラジウム合金の水素透過性能との関係を示す図である。
【図3】パラジウム合金の合金比率とパラジウム合金の水素透過性能との関係を示す図である。
【図4】支持体付水素分離膜の製造方法を説明するための製造フロー図である。
【図5】本発明の第2実施例に係る燃料電池について説明するための図である。
【図6】本発明の第3実施例に係る水素分離装置について説明するための図である。
【符号の説明】
【0036】
10 支持体
11 貫通孔
20 拡散抑制層
30 水素分離膜
40 プロトン導電性電解質膜
50 カソード
100 支持体付水素分離膜
200 燃料電池
300 水素分離装置




 

 


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