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発明の名称 触媒担体及び排ガス浄化触媒
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−98251(P2007−98251A)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
出願番号 特願2005−290389(P2005−290389)
出願日 平成17年10月3日(2005.10.3)
代理人 【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
発明者 高木 信之
要約 課題
ロジウムを担持して用いるのに好ましい触媒担体、及びロジウム担持排ガス浄化触媒を提供する。

解決手段
本発明の触媒担体は、ジルコニア粒子11、及びこのジルコニア粒子を被覆しており、且つ下記の式(1)によって得られるαの値が0.30以下である金属の酸化物である金属酸化物12を有する:
特許請求の範囲
【請求項1】
ジルコニア粒子、及び前記ジルコニア粒子を被覆している金属酸化物を有する触媒担体であって、
前記金属酸化物を構成する金属Aが3価の酸化数を有し、且つこの金属Aについて下記の式(1)で得られるαの値が0.30以下である、触媒担体:
【数1】


(金属A及びロジウムのイオン半径は、3価イオン及び6配位結合の状態での値)。
【請求項2】
前記金属Aが、鉄、ガリウム、スカンジウム、アルミニウム、インジウム、ルテチウム、イッテルビウム、ツリウム、エルビウム、イットリウム及びホルミウムからなる群より選択される、請求項1に記載の触媒担体。
【請求項3】
前記金属Aが、鉄、ガリウム、スカンジウム、インジウム、イッテルビウム及びイットリウムからなる群より選択される、請求項2に記載の触媒担体。
【請求項4】
前記金属Aが、スカンジウム及びインジウムからなる群より選択される、請求項3に記載の触媒担体。
【請求項5】
前記金属Aが、前記ジルコニア粒子のジルコニウムに対して、1〜20mol%である、請求項1〜4のいずれかに記載の触媒担体。
【請求項6】
前記請求項1〜5のいずれかに記載の触媒担体にロジウムが担持されてなる、排ガス浄化触媒。
【請求項7】
鉄、ガリウム、スカンジウム、インジウム、ルテチウム、イッテルビウム、ツリウム、エルビウム、イットリウム及びホルミウムからなる群より選択される金属の酸化物の粒子にロジウムが担持されてなる、排ガス浄化触媒。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒担体及びロジウム担持排ガス浄化触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車エンジン等の内燃機関からの排ガス中には、窒素酸化物(NO)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等が含まれるが、これらの物質は、CO及びHCを酸化すると同時に、NOを還元できる排ガス浄化触媒によって浄化することができる。このような排ガス浄化触媒の代表的なものとしては、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)等の貴金属をγ−アルミナ等の多孔質金属酸化物担体に担持させた三元触媒などが知られている。
【0003】
この金属酸化物担体は様々な材料で作ることができるが、従来は高表面積を得るためにアルミナ(Al23)を使用することが一般的であった。しかしながら近年では、担体の化学的性質を利用して排ガスの浄化を促進するために、セリア(CeO2)、ジルコニア(ZrO2)、チタン(TiO2)などの様々な他の材料を、アルミナと組み合わせて又は組み合わせないで、使用することも提案されている。
【0004】
例えば貴金属であるロジウムは好ましいNO浄化性能を有することが知られている。しかしながら、従来から使用されているアルミナ担体は一般的に酸素欠陥が多く、従ってこのようなアルミナ担体にロジウムを担持した触媒では、900℃以上の高温酸化雰囲気においてロジウムがアルミナの酸素欠陥に固溶し、ロジウムの排ガス浄化性能が著しく低下するという問題がある。そこで、この問題を解決するために、ロジウムをジルコニアに担持させた触媒粉末を用いることが知られている(特許文献1等)。ここで用いられるジルコニアは、触媒の使用の間にロジウムと固溶しにくく、従ってロジウムを用いた触媒の劣化を抑制することができる。
【0005】
このようなロジウムをジルコニアに担持した触媒の耐熱性を改良するために、特許文献1では、ジルコニアにランタノイド元素から選ばれる少なくとも一種の元素が添加された担体と、この担体に担持されたロジウムとよりなる排ガス浄化用触媒を提供している。また、引用文献2では、同様にロジウムをジルコニアに担持した触媒において、このジルコニア担体を、アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれる少なくとも一種の添加元素を添加したジルコニアよりなる中空粒子とすることによって、更に耐熱性を改良することを提案している。
【0006】
特許文献3では、ジルコニアを主成分としアルカリ土類金属及び希土類元素の少なくとも一種を含んでなる層を、アルミナのような核粒子に被覆して触媒担体を得て、この触媒担体にNO吸蔵材及び貴金属を担持することによって、排ガス浄化用触媒を得ている。この引用文献3によれば、このような排ガス浄化触媒は、高温排ガス雰囲気中においてアルミナのような担体が、NO吸蔵材であるアルカリ金属等と容易に固相反応すること、及び触媒貴金属とNO吸蔵材がシンタリングすることを防げる。
【0007】
【特許文献1】特開2000−15101号公報
【特許文献2】特開2002−282692号公報
【特許文献3】特開2004−275919号公報
【特許文献4】特開2000−70717号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、排ガス浄化触媒においてロジウムを使用する場合、担体としてジルコニアを使用することによって、ロジウムの担体への固溶という問題を解決している。しかしながら、ロジウムが担体であるジルコニアに固溶しないということは、ロジウムと担体との相互作用が小さく、従ってロジウムが容易に担体表面で移動し、それによって使用の間にロジウムが粒成長する傾向を有するということを意味する。
【0009】
そこで本発明では、これらの問題を解決する触媒担体及びロジウム担持排ガス浄化触媒を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の触媒担体は、ジルコニア粒子、及びジルコニア粒子を被覆している金属酸化物を有する触媒担体であって、この金属酸化物を構成する金属Aが3価の酸化数を有し、且つこの金属Aについて下記の式(1)で得られるαの値が0.30以下である、触媒担体である:
【数1】


(金属A及びロジウムのイオン半径は、3価イオン及び6配位結合の状態での値)。
【0011】
このように、ロジウムと同じ3価の酸化数を有し、且つ式(1)で得られるαの値が小さい、すなわちロジウムイオンとのイオン半径の差が比較的小さい金属の酸化物は、ロジウムに対して比較的大きい親和性を有する。従ってこのような金属酸化物でジルコニア粒子の表面を被覆して得られる本発明の触媒担体は、ロジウムを担持させて排ガス浄化触媒を得たときに、担体と担体上に担持されるロジウムとの間である程度の相互作用を発生させ、それによって触媒の使用の間におけるロジウムのシンタリングを抑制することができる。またこのようにして得られる本発明の排ガス浄化触媒では、この金属酸化物の層が比較的薄いことによって、ロジウムの担体への固溶を抑制すること、及び/又はジルコニア粒子の高い耐熱性を利用することもできる。
【0012】
ここでこの金属としては、鉄、ガリウム、スカンジウム、アルミニウム、インジウム、ルテチウム、イッテルビウム、ツリウム、エルビウム、イットリウム及びホルミウムからなる群より選択される金属、特に鉄、ガリウム、スカンジウム、インジウム、イッテルビウム及びイットリウムからなる群より選択される金属を用いることができる。
【0013】
すなわち、本発明の触媒担体では、ジルコニア粒子の表面に被覆されている金属酸化物によって、ロジウムに対する親和性を提供している。しかしながら、この親和性が大きすぎると、金属酸化物とロジウムとの固溶によって排ガス浄化性能が低下する可能性がある。従って、上記式(1)で得られるαの値が0.06〜0.18である元素、例えばスカンジウム及びインジウムからなる群より選択される金属の酸化物を、ジルコニア粒子の表面に被覆する金属酸化物として選択することがより好ましい。
【0014】
上述のように式(1)においてイオン半径として使用する値は、3価イオン及び6配位結合の状態での値である。参考までに、下記の表1にいくつかの金属について具体的な値を示す。
【0015】
【表1】


尚、ジルコニウムは4価の酸化数を有し、基本的に3価の酸化数を有さない。
【0016】
本発明においてジルコニア担体を被覆するために用いる金属酸化物は、担持されるロジウムのシンタリングを防止し、且つこのロジウムが過剰に固溶しないような量で用いることができ、例えばジルコニア担体粒子のジルコニウムに対して、金属元素が1〜20mol%、特に5〜15mol%、より特に8〜12mol%になる量で使用することができる。
【0017】
本発明の排ガス浄化触媒は、本発明の触媒担体にロジウムが担持されてなる。
【0018】
上述のように、この本発明の排ガス浄化触媒では、担持されているロジウムのシンタリング及び担体への固溶を抑制することができる。
【0019】
また本発明の他の排ガス浄化触媒は、鉄、ガリウム、スカンジウム、インジウム、ルテチウム、イッテルビウム、ツリウム、エルビウム、イットリウム及びホルミウムからなる群より選択される金属、特にスカンジウム及びイットリウムからなる群より選択される金属の酸化物の粒子にロジウムが担持されてなる。
【0020】
この本発明の排ガス浄化触媒によれば、これらの金属の酸化物とロジウムとの間の親和性によってロジウムのシンタリングを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の触媒担体及び排ガス浄化触媒について図1及び図2を用いて説明する。ここで図1の(a)及び(b)は、いずれも本発明の排ガス浄化触媒の断面図である。
【0022】
この図1の(a)及び(b)で示されるように、本発明の触媒担体は、ジルコニア粒子11と、このジルコニア粒子を被覆しているスカンジウム、イットリウム又は鉄のような金属の酸化物の層12を有する。また本発明の排ガス浄化触媒は、この触媒担体にロジウム13が担持されてなる。
【0023】
ここでこのジルコニア粒子11とスカンジウムのような金属の酸化物の外側層12との境界は必ずしも明確なものではなく、組成が徐々に変化している部分として現れていてもよい。また、スカンジウムのような金属の酸化物は、図1(a)で示すように連続的な層12としてジルコニア粒子11の全体を被覆していても、図1(b)で示すように不連続な層12′として部分的にのみジルコニア粒子11を被覆していてもよい。
【0024】
図2は、本発明のこの排ガス浄化触媒の拡大の断面図であり、ジルコニア粒子11、このジルコニア粒子11を被覆している金属酸化物の層12、この金属酸化物上に担持されているロジウム粒子13を示している。ここで示されているように、ロジウムに対する親和性が比較的大きい金属酸化物が、ロジウムに対する親和性が小さいジルコニア粒子11上に比較的薄い層12として被覆されている場合、この金属の酸化物に対してロジウムが固溶する場合であっても、この固溶が過剰になることを抑制すると考えられる。ここでこの図2において、ロジウムが固溶している領域は12aとして示している。
【0025】
本発明の触媒担体及び排ガス浄化触媒は、それ自体を成形して用いるだけでなく、アルミナのような他の担体粒子と混合して用いることができ、またモノリス担体、例えばセラミックハニカムにコートして用いることもできる。
【0026】
本発明の触媒担体は任意の方法で製造できるが、例えばジルコニア粒子を提供すること、及びこのジルコニア粒子を、上記式(1)によって得られるαの値が0.30以下である金属の酸化物によって被覆することを含む方法によって製造できる。
【0027】
また、本発明の排ガス浄化触媒は、上記のようにして得られる金属酸化物によって被覆されたジルコニア粒子に、ロジウムを担持させることによって得ることができる。
【0028】
以下では本発明の触媒担体及び触媒の製造方法の各工程についてより具体的に説明する。
【0029】
(a)ジルコニア粒子の提供
本発明の触媒担体のためのジルコニア粒子としては市販のジルコニア粒子を用いることができる。またこのジルコニア粒子は、硝酸ジルコニウムのようなジルコニウム塩を含有するジルコニウム塩溶液を提供し、ジルコニウム塩溶液から、水酸化ジルコニウムを含有する沈殿物を沈殿させ、得られた沈殿物を随意に洗浄し、そして乾燥及び焼成することによって得ることもできる。ここで、このジルコニア粒子がアルカリ金属、アルカリ土類金属又は希土類金属を含有することによって安定化されていることが好ましい場合、ジルコニウム塩を含有するジルコニウム塩溶液に、更に硝酸イットリウムのような他の金属の塩を添加して、このようなジルコニア粒子を得ることができる。
【0030】
ジルコニウム塩溶液からの水酸化物の沈殿のためには、アンモニア水、水酸化ナトリウムのようなアルカリ溶液を用いることができる。また、沈殿物の乾燥及び焼成のためには、金属酸化物の製造のために一般的な条件を用いることができ、例えば400℃〜600℃の温度で焼成を行うことができる。
【0031】
上述のように、本発明で用いるジルコニア粒子は、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属からなる群より選択される元素、特にイットリウムを添加することによって、耐熱性を改良されていてもよい。これに関して、ジルコニア粒子に添加されている金属の添加率は、担体のジルコニウム原子のモル数に基づいて、例えば0.1〜20mol%、特に1〜10mol%であってよい。
【0032】
(b)金属酸化物によるジルコニア粒子の被覆
本発明の触媒担体のためのジルコニア粒子の金属酸化物による被覆は、任意の方法で行うことができ、例えば被覆することを意図した金属酸化物を構成する金属の塩の溶液、例えば硝酸塩溶液に、上記のようにして提供されるジルコニア粒子を分散させ、この金属の水酸化物等をジルコニア粒子上に堆積させ、そして乾燥及び焼成することによって達成できる。
【0033】
ここで行う沈殿、並びに沈殿物の乾燥及び焼成は、ジルコニア粒子の提供の場合と同様に行うことができる。
【0034】
(c)金属酸化物によって被覆されたジルコニア粒子へのロジウムの担持
ロジウムの担持は、任意の方法で行うことができ、例えば金属酸化物によって被覆されたジルコニア粒子を、ロジウム塩含有溶液に分散させ、この分散液を撹拌及びろ過し、得られた粒子を乾燥及び焼成して達成することができる。金属酸化物粒子へのロジウムの担持量は、例えば金属酸化物粒子に対して0.01〜5質量%、特に0.1〜2質量%であってよい。
【0035】
本発明の他の排ガス浄化触媒について図3を用いて説明する。ここで図3は、本発明の排ガス浄化触媒の断面図である。
【0036】
この図3で示されるように、本発明の排ガス浄化触媒は、スカンジウム、イットリウム、鉄等の酸化物の粒子32にロジウム33が担持されてなる。
【0037】
本発明のこの排ガス浄化触媒は、それ自体を成形して用いるだけでなく、アルミナのような他の担体粒子と混合して用いることができ、またモノリス担体、例えばセラミックハニカムにコートして用いることもできる。
【0038】
本発明の排ガス浄化触媒は任意の方法で製造できるが、例えばスカンジウム、イットリウム、鉄等の金属の酸化物の粒子を提供し、この金属酸化物の粒子にロジウムを担持させることを含む方法によって得ることができる。
【0039】
以下では本発明のこの排ガス浄化触媒の製造方法の各工程についてより具体的に説明する。
【0040】
(a)スカンジウム、イットリウム、鉄等の金属の酸化物の粒子の提供
本発明の排ガス浄化触媒のためのこれらの粒子としては、市販の金属酸化物粒子を用いることができる。またこれらの粒子は、硝酸スカンジウムのような塩を含有する塩溶液を提供し、この塩溶液から、これらの金属の水酸化物を含有する沈殿物を沈殿させ、得られた沈殿物を随意に洗浄し、そして乾燥及び焼成することによって得ることもできる。
【0041】
塩溶液からの水酸化物の沈殿のためには、アンモニア水、水酸化ナトリウムのようなアルカリ溶液を用いることができる。また、沈殿物の乾燥及び焼成のためには、金属酸化物の製造のために一般的な条件を用いることができ、例えば400℃〜600℃の温度で焼成を行うことができる。
【0042】
(b)スカンジウム、イットリウム、鉄等の金属の酸化物の粒子へのロジウムの担持
ロジウムの担持は、任意の方法で行うことができ、例えばこの金属酸化物粒子を、ロジウム塩含有溶液に分散させ、この分散液を撹拌及びろ過し、得られた粒子を乾燥及び焼成して達成することができる。金属酸化物粒子へのロジウムの担持量は、例えば金属酸化物粒子に対して0.01〜5質量%、特に0.1〜2質量%であってよい。
【0043】
以下、本発明を実施例に基づき更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0044】
〔実施例1〕
イオン交換水250mlに、オキシ硝酸ジルコニウム2水和物100gと、ジルコニア粒子中のジルコニアに対してイットリウムが5mol%となる量の硝酸イットリウム・9水和物を溶かしてジルコニウム−イットリウム塩溶液Aを得た。また、イオン交換水250mlにアンモニア水(28%)150mlを加えて、アンモニア溶液を得た。このようにして得たアンモニア溶液に、上記のジルコニウム−イットリウム塩溶液を加えて、沈殿物を得た。
【0045】
得られた沈殿物を、80℃のイオン交換水で、5回にわたって洗浄及び濾過した。洗浄後の沈殿物を120℃で一昼夜乾燥し、500℃で2時間にわたって焼成して、イットリウム安定化ジルコニア粒子を得た。
【0046】
硝酸鉄・9水和物を、鉄がジルコニア粒子のジルコニウムに対して10mol%になる量でイオン交換水200mlに溶解させて硝酸鉄溶液を得、この硝酸鉄溶液に上記で得られたイットリウム安定化ジルコニア粒子20gを加えてジルコニア粒子分散液を得た。また、ここで使用した硝酸鉄・9水和物の硝酸イオンに対してモル比で1.1倍の炭酸ナトリウムを、イオン交換水100mlに溶解させて、炭酸ナトリウム溶液を得た。このようにして得た炭酸ナトリウム溶液を、上記のジルコニア粒子分散液に対して滴下して加えた。
【0047】
その後、炭酸ナトリウム溶液を加えたジルコニア粒子分散液中の沈殿物を、80℃のイオン交換水で、5回にわたって洗浄及び濾過した。洗浄後の沈殿物を120℃で一昼夜乾燥し、500℃で2時間にわたって焼成して、酸化鉄によって被覆されたイットリウム安定化ジルコニア粒子を得た。
【0048】
この酸化鉄によって被覆されたイットリウム安定化ジルコニア粒子を、イオン交換水100mlに分散させ、硝酸ロジウムを、ロジウム担持量が担体に対して0.5質量%になる量で加え、2時間にわたって撹拌し、ろ過及び乾燥し、その後で500℃で2時間にわたって焼成して、実施例1の排ガス浄化触媒を得た。
【0049】
〔実施例2〕
硝酸鉄・9水和物の代わりに硝酸ガリウム・9水和物を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2の排ガス浄化触媒を得た。
【0050】
〔実施例3〕
硝酸鉄・9水和物の代わりに硝酸スカンジウム・9水和物を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3の排ガス浄化触媒を得た。
【0051】
〔実施例4〕
硝酸鉄・9水和物の代わりに硝酸インジウム・3水和物を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例4の排ガス浄化触媒を得た。
【0052】
〔実施例5〕
硝酸鉄・9水和物の代わりに硝酸イッテルビウム・9水和物を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例5の排ガス浄化触媒を得た。
【0053】
〔実施例6〕
硝酸鉄・9水和物の代わりに硝酸イットリウム・6水和物を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例6の排ガス浄化触媒を得た。
【0054】
〔実施例7〕
所定量の硝酸スカンジウム・9水和物をイオン交換水200mlに溶解させてスカンジウム塩溶液を得た。また、ここで使用した硝酸スカンジウム・9水和物の硝酸イオンに対してモル比で1.1倍の炭酸ナトリウムをイオン交換水100mlに溶解させて、炭酸ナトリウム溶液を得た。このようにして得た炭酸ナトリウム溶液を、上記のスカンジウム塩溶液に対して滴下して加えて、沈殿物を得た。
【0055】
得られた沈殿物を、80℃のイオン交換水で、5回にわたって洗浄及び濾過した。洗浄後の沈殿物を120℃で一昼夜乾燥し、500℃で2時間にわたって焼成して、酸化スカンジウム粒子を得た。
【0056】
この酸化スカンジウム粒子を、イオン交換水100mlに分散させ、硝酸ロジウムを、ロジウム担持量が担体に対して0.5質量%になる量で加え、2時間にわたって撹拌し、ろ過及び乾燥し、その後で500℃で2時間にわたって焼成して、実施例7の排ガス浄化触媒を得た。
【0057】
〔実施例8〕
硝酸スカンジウム・9水和物の代わりに硝酸イットリウム・6水和物を用いた以外は実施例7と同様にして、実施例8の排ガス浄化触媒を得た。
【0058】
〔比較例1〕
硝酸鉄・9水和物の代わりに硝酸ネオジム・5水和物を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1の排ガス浄化触媒を得た。
【0059】
〔比較例2〕
硝酸鉄・9水和物の代わりに硝酸ランタン・6水和物を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2の排ガス浄化触媒を得た。
【0060】
〔比較例3〕
イットリウム安定化ジルコニア粒子に酸化鉄を被覆しなかった以外は実施例1と同様にして、比較例3の排ガス浄化触媒を得た。すなわち、実施例1で得たイットリウム安定化ジルコニア粒子に直接にロジウムを担持させることによって、比較例3の排ガス浄化触媒を得た。
【0061】
〔比較例4〕
硝酸スカンジウム・9水和物の代わりに硝酸アルミニウム・9水和物を用いた以外は実施例7と同様にして、比較例4の排ガス浄化触媒を得た。
【0062】
〔評価方法〕
実施例及び比較例の触媒の評価のためには、これらの触媒を1mmのペレット状に成形して用いた。
【0063】
耐久条件
800℃で5時間にわたって下記の表2の組成のリッチガス及びリーンガスを交互に1分間づつ切り替えて供給して、実施例及び比較例の触媒4gについてそれぞれ耐久を行った。ここではリッチガス及びリーンガスは、6リットル/分の流量で供給した。
【0064】
【表2】


【0065】
ロジウム粒子径
耐久を行った実施例及び比較例の触媒のロジウム粒子径を測定した。この測定は、COパルス法にて実施した。COパルス法による測定の前処理として、400℃にて15分間酸化処理後400℃にて15分間還元処理を行った。ここでCO/Rh吸着比は1とした。結果は図4に示している。
【0066】
この図4から理解されるように、比較例1〜3、特に金属酸化物による被覆を有さないロジウム粒子を用いる比較例3と比較して、実施例1〜8及び比較例4では比較的小さいロジウム粒子径を維持している。特に、3価イオン及び6配位結合でのイオン半径がロジウムに近い(式(1)のαの値が小さい)鉄(α=0.025)、ガリウム(α=0.056)、スカンジウム(α=0.099)、インジウム(α=0.168)、及びアルミニウム(α=0.161)を用いた実施例1〜4及び比較例4では、有意に比較的小さいロジウム粒子径を維持している。これは、3価イオン及び6配位結合でのイオン半径がロジウムに近い(式(1)のαの値が小さい)ことが、ロジウムのシンタリング防止に関して好ましいことを示している。特にアルミナ粒子を用いた比較例4では、アルミナに対するロジウムの部分的な固溶によって、ロジウムの移動、及びそれによるシンタリングが防止されていることが示されている。
【0067】
また、安定化ジルコニアにそれぞれ酸化スカンジウム及び酸化イットリウムを被覆した担体粒子を用いている実施例3及び6は、それぞれ酸化スカンジウム及び酸化イットリウムのみからなる担体粒子を用いている実施例7及び8と比較しても、ジルコニアの耐熱性によって比較的小さいロジウム粒子径を維持している。
【0068】
触媒低温活性
耐久を行った実施例及び比較例の触媒1.5gについてそれぞれ評価を行った。この評価においては、下記の表3の組成の評価用ガスを、6リットル/分の流量で供給しつつ、触媒温度を500℃から100℃に徐々に低下させ、炭化水素成分の浄化率が50%まで低下したときの温度(HC−T50)を得た。この比較的温度が低いことは、比較的低温においても排ガス浄化が達成されていること、すなわち触媒が比較的良好な低温活性を有することを意味している。結果は図5に示している。
【0069】
【表3】


【0070】
図5から理解されるように、比較例1〜4と比較して、実施例1〜8では比較的低いHC−T50温度、すなわち比較的良好な触媒低温活性を示している。特に、式(1)のαの値が0.06〜0.18の範囲内であるスカンジウム(α=0.099)及びインジウム(α=0.168)を用いた実施例3及び4では、有意に比較的小さいHC−T50を示している。ここで比較例4では、ロジウム粒子径が小さいにもかかわらず、比較的大きいHC−T50温度を示している。これは、アルミナの酸素欠陥部分へのロジウムの固溶によってロジウムの触媒活性が低下していることを示唆している。
【0071】
また、安定化ジルコニアにそれぞれ酸化スカンジウム及び酸化イットリウムを被覆した担体粒子を用いている実施例3及び6は、それぞれ酸化スカンジウム及び酸化イットリウムのみからなる担体粒子を用いている実施例7及び8と比較しても、比較的低いHC−T50温度を有している。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の排ガス浄化触媒を表す断面図である。
【図2】図1の本発明の排ガス浄化触媒の一部を表す断面図である。
【図3】本発明の他の排ガス浄化触媒を表す断面図である。
【図4】実施例及び比較例の触媒についてのロジウム粒子径の評価結果を示す図である。
【図5】実施例及び比較例の触媒についての排ガス浄化性能の評価結果を示す図である。
【符号の説明】
【0073】
11 ジルコニウム粒子
12、12′ スカンジウム等の酸化物の被覆
13 ロジウム粒子
32 スカンジウム等の酸化物の粒子




 

 


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