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発明の名称 物品把持装置、物品の把持不良の検出方法、及び、把持部材
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−90454(P2007−90454A)
公開日 平成19年4月12日(2007.4.12)
出願番号 特願2005−279868(P2005−279868)
出願日 平成17年9月27日(2005.9.27)
代理人 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
発明者 星野 純 / 小田 太
要約 課題
ワークが斜めの状態で把持される等の把持不良を検出するための新規な技術を提案する。

解決手段
物品(ワーク10)を規定の支点2a〜2dで把持するための複数の把持部材(フィンガー2A・2B)を具備し、前記各フィンガー2A・2Bには、前記各支点2a〜2dの温度を検知するためのセンサ3a〜3dが設けられる構成とする。また、前記各センサ3a〜3dにて前記各支点2a〜2dの温度を検知するとともに、図示せぬ制御装置によって、前記各支点2a〜2dにおける温度と規定の閾値とを比較し、前記温度が前記閾値を超えたときに、把持不良を検出するものとする。
特許請求の範囲
【請求項1】
物品を複数方向から挟んで把持するための複数の把持部材を具備し、
前記各把持部材は、前記物品に対し規定の支点にて接触する構成とするとともに、
前記各把持部材には、前記各支点の温度を検知するためのセンサが設けられる構成とする、物品把持装置。
【請求項2】
前記物品把持装置は、
前記各センサにて検知される前記各支点の温度と、前記各支点に対しそれぞれ規定される閾値とを比較し、
少なくとも一つの支点における温度が、その支点に対し規定される閾値を超えたときに、
前記物品の把持不良を検出する制御装置を備える、
ことを特徴とする、請求項1に記載の物品把持装置。
【請求項3】
前記各把持部材において、前記各支点の周囲に断熱材を設けた、
ことを特徴とする、請求項2に記載の物品把持装置。
【請求項4】
複数の把持部材にて物品を複数方向から挟んで把持する場合における、物品の把持不良の検出方法であって、
前記各把持部材における前記物品と接触する規定の支点の温度を検知し、
前記各支点の温度と、前記各支点に対しそれぞれ規定される閾値とを比較し、
少なくとも一つの支点における温度が、その支点に対し規定される閾値を超えたときに、
前記物品の把持不良を検出する、
物品の把持不良の検出方法。
【請求項5】
物品を複数方向から挟んで把持するための把持部材であって、
前記把持部材は、前記物品に対し規定の支点にて接触する構成であり、
前記把持部材には、前記支点の温度を検知するためのセンサが設けられる構成とする、
把持部材。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工対象となるワーク等の物品を把持するための物品把持装置に関するものであり、より詳しくは、物品が斜めの状態で把持される等の把持不良を検出し、前記把持不良に起因する不具合発生を防ぐための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ロボットアーム等の移動装置にワークを把持するためのワーク把持装置を備え、このワーク把持装置にてワークを把持して芯抜き加工(穴あけ加工)等の加工を施す装置構成や、ワークを次の加工工程へ搬送するといった装置構成が知られている。
前記ワーク把持装置に関し、図8に示すごとく、ワーク51が正常な把持状態で保持されない場合、例えば、ワーク51が斜めに傾いた状態で把持されると、芯抜き加工において斜め方向の抜き穴52が形成されてしまうことがある。
【0003】
そこで、このような正常な把持状態でワーク51が把持されないこと、つまりは把持不良を検出するため、前記ワーク51を把持する把持部材としてのフィンガー53・53に、近接センサや光電センサを設け、これらのセンサによって把持不良を検出する構成や、前記フィンガー53・53の掴みトルクから把持不良を検出する構成が周知となっている。
また、前記フィンガー53・53にエアー吐出孔(不図示)を設け、前記エアー吐出孔のワークによる閉塞の有無に基づくエアー圧力を検知し、このエアー圧力の高低に基づいて把持不良を検出する構成について開示する文献も存在する(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】実開昭62−61489号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の従来構成において、フィンガー53・53の広がりを近接センサにて検出し、把持不良を検出する構成では、図9に示すごとく、厚みの大きいワーク54については、正常に把持した場合におけるフィンガー53・53の間の距離Lに関し、ワーク54が斜めに把持されると、その変位W1が大きくなるため、図示せぬ近接センサにて、この変位W1を検知することが可能となる。
ところが、厚みが小さいワーク55については、前記距離Lに関する変位W2が小さいため、近接センサでは、この変位W2による把持不良の検出が不可能となる場合がある。このことは、特許文献1の第3図に示されるような、近接センサをフィンガーに備えた構成でも同様である。
【0005】
また、フィンガーに光電センサを設けた構成の場合、周囲の明るさの影響を受けるため、ワーク把持装置が設置される場所によっては、この構成が適用できない場合がある。
【0006】
また、エアー圧力の高低から把持不良を検出する構成の場合、把持不良の場合には、エアーが吐出されるため、この吐出されたエアーが周囲に悪影響を及ぼす場合があり、ワーク把持装置が設置される場所によっては、この構成が適用できない場合がある。
【0007】
また、エアーが抜けてから圧力の低下が検知されるまでには、圧力損失等によってタイムラグが生じるため、短時間に物品の把持・解除が実施され、瞬時に把持不良の検出が要求される場合には、対応できないこととなる。また、エアーポンプや、切り換え弁等、エアー供給のための回路構成が必要であり、装置構成が複雑となる問題もある。
【0008】
そこで、本発明は、以上の問題点に鑑み、ワークが斜めの状態で把持される等の把持不良を検出するための新規な技術を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は以上のごとくであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0010】
即ち、請求項1に記載のごとく、
物品を複数方向から挟んで把持するための複数の把持部材を具備し、
前記各把持部材は、前記物品に対し規定の支点にて接触する構成とするとともに、
前記各把持部材には、前記各支点の温度を検知するためのセンサが設けられる構成とする、物品把持装置とするものである。
【0011】
また、請求項2に記載のごとく、
前記物品把持装置は、
前記各センサにて検知される前記各支点の温度と、前記各支点に対しそれぞれ規定される閾値とを比較し、
少なくとも一つの支点における温度が、その支点に対し規定される閾値を超えたときに、
前記物品の把持不良を検出する制御装置を備える構成とするものである。
【0012】
また、請求項3に記載のごとく、
前記各把持部材において、前記各支点の周囲に断熱材を設けた、構成とするものである。
【0013】
また、請求項4に記載のごとく、
複数の把持部材にて物品を複数方向から挟んで把持する場合における、物品の把持不良の検出方法であって、
前記各把持部材における前記物品と接触する規定の支点の温度を検知し、
前記各支点の温度と、前記各支点に対しそれぞれ規定される閾値とを比較し、
少なくとも一つの支点における温度が、その支点に対し規定される閾値を超えたときに、
前記物品の把持不良を検出することとするものである。
【0014】
また、請求項5に記載のごとく、物品を複数方向から挟んで把持するための把持部材であって、前記把持部材は、前記物品に対し規定の支点にて接触する構成であり、前記把持部材には、前記支点の温度を検知するためのセンサが設けられる構成とするものである。
【発明の効果】
【0015】
以上の請求項1及び請求項2に記載の発明では、近接センサ、光電センサ、エアー圧力を判断する構成といった、従来構成が適用できない場合でも、本発明に係る構成を適用することで、把持不良を検出することが可能となる。
また、センサにて温度変化を検知し、把持不良を検出する構成とするため、応答性に優れた構成とすることができる。
【0016】
また、請求項3に記載の発明では、前記断熱材によって、前記支点の外側から内側へ向う熱の伝達が防止される。これにより、温度検知の対象となる、閉じられた範囲が確立され、この範囲におけるワークの接触の有無を確実に検出できる。
【0017】
また、請求項4に記載の発明では、近接センサ、光電センサ、エアー圧力を判断する構成といった、従来構成が適用できない場合でも、本発明の検出方法により、把持不良を検出することが可能となる。
また、センサにて温度変化を検知し、把持不良を検出するため、応答性に優れた把持不良の検出方法とすることができる。
【0018】
また、請求項5に記載の発明では、近接センサ、光電センサ、エアー圧力を判断する構成といった、従来構成が適用できない場合でも、本発明に係る構成の把持部材を利用することで、把持不良を検出することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、本発明に係る物品把持装置の一構成例であるワーク把持装置1について示すものであり、該ワーク把持装置1は、前記ワーク10を複数方向から挟んで把持するための複数の把持部材であるフィンガー2A・2Bを具備し、前記各フィンガー2A・2Bは、前記ワーク10に対し規定の支点2a〜2dにて接触する構成とするとともに、前記各フィンガー2A・2Bには、前記各支点2a〜2dの温度を検知するためのセンサ3a〜3dが設けられる構成としている。
【0020】
また、図1及び図6に示すごとく、前記ワーク把持装置1は、前記各センサ3a〜3dにて検知される前記各支点2a〜2dの温度と、前記各支点2a〜2dに対しそれぞれ規定される閾値とを比較し、少なくとも一つの支点2a〜2dにおける温度が、その支点2a〜2dに対し規定される閾値を超えたときに、前記物品の把持不良を検出する制御装置(不図示)を備える構成とするものである。
換言すれば、ワーク10から伝達される熱によって変動する前記支点各2a〜2dの温度の値から、前記各支点2a〜2dとワーク10の接触の状態を検出するものであり、接触不良である場合には、把持不良と判断するものである。
【0021】
以上の構成により、近接センサ、光電センサ、エアー圧力を判断する構成といった、従来構成が適用できない場合でも、本発明に係る構成を適用することで、把持不良を検出することが可能である。
また、センサにて温度変化を検知し、把持不良を検出する構成とするため、応答性に優れた構成とすることができる。
【0022】
以下、詳細について説明する。
図1に示すごとく、ワーク把持装置1は、把持部材として機能する複数本(本実施例では二本)のフィンガー2A・2Bを備え、両フィンガー2A・2Bの間にワーク10を挟むようにして、ワーク10が把持される構成としている。図1の例では、前記フィンガー2A・2Bは、略「く」字状のアーム部材に構成されており、円形部材のワーク10が四つの支点2a〜2dにて支えられる構成としている。
尚、図2に示すワーク把持装置1aごとく、前記把持部材については、それぞれ二つの支持部5a・5b、5c・5dを有する逆ハ字状のフィンガー2Aa・2Bbにて構成してもよく、特に、その形状については限定されるものではない。また、支点の数についても、四つに限られるものではなく、二点、三点支持、又は、その他の多点支持の構成についても、本発明は適用可能である。
【0023】
また、図1に示すごとく、前記各フィンガー2A・2Bは、図示せぬ駆動装置により、図において左右方向に移動される構成としており、ワーク10の把持、又は、把持解除が行われるようになっている。また、ワーク把持装置1全体としては、図示せぬロボットアーム等の搬送装置に取り付けられており、ワーク10を把持した状態において、ワーク把持装置1全体が搬送装置によって移動される構成としている。
【0024】
また、図3は、このワーク把持装置1を用い、鍛造成形される高温のワーク10を把持する場合の例について示すものである。
ダイ20の型20aにセットされた高温のワーク10は、パンチ21にてプレスされて鍛造成形され、その成形後に、ノックアウトピン22とホールドピン23にて支持されて、前記ダイ20から取り出される。
そして、取り出されたワーク10は、ワーク把持装置1のフィンガー2B(2A)にて把持され、次の工程へと搬送されるようにしている。
【0025】
また、図4(a)は、ワーク10を把持した状態における図1のA−A視を示すものであり、正常に把持された状態を示している。
ここで、本出願における「正常に把持された状態」とは、ワーク10のワーク把持装置1に対する配置が規定通りとなるように把持された状態をいうものであり、図4(a)の例では、円形部材に構成されるワーク10の中心線CLが、フィンガー2A・2Bの移動方向(図において上下方向)と直交する関係となる場合に、正常に把持された状態とされることとなる。
【0026】
また、図1及び図4(a)に示すごとく、ワーク10が正常に把持された場合において、前記フィンガー2A・2Bの内側であって、前記ワーク10に接触する箇所が、それぞれ支点2a〜2dとして定義される。図1の例では、四つの支点2a〜2dが構成されるようになっている。
また、図4(a)においては、二つの支点2b・2cが示されており、この支点2b・2cが構成される範囲が網掛けにて表示されている。
【0027】
また、図4(a)に示すごとく、前記支点2b・2cは、ある範囲を持つものであり、ワーク10がこの範囲(各支点2b・2cの設定範囲)に接触し、把持されている限りでは、後述するように、ワーク10の温度がセンサ3b・3cに検知され、正常に把持された状態として捉えられるようになっている。
逆に、ワーク10が、図1における四つの各支点2a〜2dから一つでも接触しないような場合には、把持不良が生じたものと捉えられるようになっている。
【0028】
また、図1及び図4(a)に示すごとく、ワーク10が正常に把持された状態において、前記各フィンガー2A・2Bにつき、前記支点2a〜2dには、センサ3a〜3dが設けられている。
また、図4(a)の構成では、二つの支点2b・2cにつき、この各支点2b・2cに対応する位置であって、フィンガー2A・2Bの内部に、それぞれセンサ3b・3cを設けた構成としている。
【0029】
また、図1及び図4(a)に示すごとく、前記各センサ3a〜3dは、前記各支点2a〜2dの温度を検知するための温度センサであり、前記ワーク10から伝達される熱の変化を検知するものである。
また、前記各センサ3a〜3dによって温度検知が行なわれる範囲は、前記各フィンガー2A・2Bの内側面であって、前記各支点2a〜2dが構成される範囲とされる。
【0030】
また、このセンサ3a〜3dを構成する技術は周知のものであるが、その仕様については、把持されるワーク10の温度に対応したものが採用される。
即ち、図3に示すごとく、ワーク把持装置1が、鍛造成形されたワーク10を保持する工程で使用される場合には、ワーク10の温度がおよそ数百℃〜千数百℃になるため、この範囲での温度検知をカバーする仕様が必要となる。
また、このセンサ3a〜3dは、図4(a)に示す構成のように、フィンガー2A・2Bに埋設される構成とする他、フィンガー2A・2Bの内側表面に設けて、ワーク10に対し直接接触させる構成とするものであってもよく、特に限定されるものではない。
【0031】
次に、上記装置構成によるワーク10の把持不良の検出について説明する。
図4(b)、及び、図5(a)に示すごとく、ワーク10が斜めの状態で把持される把持不良が発生すると、前記支点2bとワーク10の間に隙間25が形成されることになる。
このため、ワーク10からフィンガー2Bへ伝達される熱の量が減少することになり、センサ3bにおいて検知される温度、即ち、支点2bの温度が低下することになる。
そして、このような支点2bにおける温度の低下(異常な挙動)を検出することで、把持不良を検出するものである。
【0032】
図6は、このような温度変化に基づいて把持不良の検出を行う場合の例について示すものであり、この例では、繰り返し行う把持/把持解除のサイクルにおいて、各センサ3a〜3d(図1参照)の検出温度をモニターし、その温度変化の幅R(図6参照)等の規則性を把握するとともに、閾値T(℃)を定義して、この閾値T(℃)を超えたときに(下回ったときに)、異常と判断することにより、把持不良と判定することとしている。
【0033】
また、図6のような把持不良の検出を行う場合、前記各センサ3a〜3dにて検知される温度データを制御装置に入力し、該制御装置にて、予め設定された閾値と、前記温度データを比較し、前記温度が前記閾値を超えたときに、把持不良を検出する構成とすることが考えられる。
また、この閾値は、前記各支点2a〜2dに対しそれぞれ個別に規定されるものであり、少なくとも一つの支点における温度が、その支点に対し規定される閾値を超えたときに、前記ワーク10の把持不良が検出されるものとしている。例えば、ワーク10を正常時では四点支持する場合において、一つの支点における温度が閾値を超えた場合には、三点支持となるので、このことをもって把持不良とするものである。
【0034】
また、この閾値については、図6に示されるようなモニター結果から規則性を把握して、閾値T(℃)が自動的に定義される構成や、ワークが正常に把持された状態を目視で確認し、そのときの温度の検知結果を閾値として定義する構成としてもよく、特に限定されるものではない。
【0035】
また、図5(a)に示す状況では、前記ワーク10が斜めになっており、前記支点2bに対し前記ワーク10が接触しない場合には、前記センサ3bにて検知される温度が前記閾値を超える温度変化の挙動が呈される必要がある。図6の例の場合では、閾値T(℃)を下回るような温度変化の挙動が呈される必要がある。
そこで、図5(a)に示すごとく、前記フィンガー2Bにおいて、前記支点2bの周囲に断熱材4を設け、前記フィンガー2Bにおける、前記支点2bの外側から内側へ向う熱の伝達を防止する構成としている。
【0036】
ここで、図5(b)に示すごとく、仮に、断熱材4を設けないこととすると、ワーク10の角部10aからフィンガー2Bへと熱が伝達され、センサ3bによってこの熱が検知されてしまうことになる。そして、前記閾値を超える温度変化(閾値T(℃)を下回ること)が生じないこととなって、把持不良を検出できないこととなってしまう。
このことから、前記支点2bの周囲に断熱材4を設けることとし、支点2bの外部の温度変化(外乱)の影響を受けないようにするものである。
換言すれば、前記断熱材4によって、温度検知の対象となる、閉じられた範囲(支点2b)が確立され、この範囲(支点2b)におけるワーク10の接触の有無を確実に検出できるようにするものである。
【0037】
また、図5(a)に示すごとく、円筒状に構成した断熱材4をフィンガー2Bに埋設するとともに、該断熱材4の円筒内にセンサ3bが埋設される構成としている。
また、前記断熱材4は、鍛造成形といった高温環境下での使用となる場合には、セラミックや、グラスウール等の高耐熱性の部材で構成されるのが好適である。
また、前記断熱材4の断熱性能は、少なくとも、フィンガー2A・2Bよりも、熱伝導率の低いことが要求される。
【0038】
また、図7に、具体的な実施例を示す。
この実施例では、フィンガー2B及び断熱材4に一連の連通孔35・36を設け、フィンガー2Bの連通孔35には、前記センサとして機能する熱電対30を挿入し、前記断熱材4の連通孔36には、熱伝導率の高い金属ペースト31が充填され、凝結された構成としている。
また、前記連通孔36は、前記ワーク10に対して開口され、その開口が前記金属ペースト31によって埋められており、その金属ペースト31の外部表面にて支点2bが形成される構成としている。
また、前記熱電対30の先端は、連通孔35内において、前記金属ペースト31に接触されており、金属ペースト31を介して支点2bの温度が検出される構成としている。
【0039】
そして、この実施例では、ワーク10が金属ペースト31の表面(ワーク10に対する対向面)、つまり、支点2bに接触すると、ワーク10の熱が金属ペースト31を伝達し、熱電対30の先端の検知部に到達することになり、これによって、ワーク10の温度が熱電対30によって検知できるようになっている。
そして、ワーク10と前記支点2bの間に隙間25が生じた場合には、金属ペースト31を介した熱電対30への熱伝達がなくなり、熱電対30で検知される温度が低下するため、このことをもって、把持不良を検出することとするものである。
【0040】
また、前述のごとく、この構成例では、前記金属ペースト31の外部表面が、ワーク10に対する支点2bとして機能することになり、この支点2b(金属ペースト31)にワーク10の接触しない場合には、把持不良として判定される構成となっている。
【0041】
また、前記連通孔36の直径寸法は、例えば、略0.5mmとされ、これにより、ワーク10に対向する前記金属ペースト31の表面の直径寸法が略0.5mmに設定される構成としている。
また、このように、金属ペースト31を介して熱電対30にて温度を検知する構成とすることによれば、ワーク10に対する温度検知面(支点2b)の面積を自由に設定でき、また、採用する熱電対30の自由度を広げることができる。
この熱電対30の自由度につき、仮に、熱電対30を直接ワーク10に接触させる構成とする場合では、熱電対30の直径寸法を0.5mmで構成しなければならず、直径寸法を細くした特殊な設計を採用する必要も生じ得るが、金属ペースト31を介して検出する構成とすれば、一般的な構成の熱電対30を採用することができることとなる。
【0042】
以上に説明したように、本発明では、複数の把持部材にて物品を複数方向から挟んで把持する場合における、物品の把持不良の検出方法であって、図1に示すごとく、前記各把持部材(フィンガー2A・2B)における前記物品(ワーク10)と接触する規定の支点2a〜2dの温度を検知し、前記各支点2a〜2dの温度と、前記各支点2a〜2dに対しそれぞれ規定される閾値とを比較し、少なくとも一つの支点における温度が、その支点に対し規定される閾値を超えたときに、前記物品の把持不良を検出することとするものである。
そして、この検出方法は、前述の高温のワーク10を把持する場合だけでなく、低温の物品を把持する場合等、特に物品の種類によらず、広い範囲で適用可能である。
【0043】
また、本発明の構成では、図1に示すごとく、前記支点2a〜2dに対するワーク10の接触が無い場合に把持不良を検出することができるため、ワーク10が僅かに傾いただけあっても、接触の有無を検知して把持不良を検出することができ、把持不良の検出精度の高い構成とすることができる。これにより、例えば、ワーク10の厚みが小さい場合でも、確実に把持不良を検出することができる。
【0044】
また、このように、把持不良の検出精度を高くできることで、ワーク把持装置1においては、各加工工程において、確実に規定の位置にワーク10を搬送、セットすることができるため、加工精度、製品品質の向上を図ることができる。
例えば、図3に示す鍛造成形においては、ワーク10の中心が型20aの中心と一致するように、ワーク10をセットすることができ、プレス時における偏肉の発生を防止することができる。また、この鍛造成形の次の工程にて、芯抜き加工(穴あけ加工)を行うような場合では、把持不良を検出することで、斜め方向に芯抜きをしてしまう不具合を防ぐことができる。
【0045】
また、仮に、図1の構成において、フィンガー2A・2Bに歪が生じた場合には、ワーク10に傾きが無くても、本来四点支持となるところが、三点支持となっている場合がある。この場合では、支点2a〜2dのいずれかにおいて接触不良が検出されることになるため、これにより、フィンガー2A・2Bの歪を検出することが可能となる。
このように、フィンガー2A・2B側に生じる不具合も検出することができ、これにより、ワーク把持装置1のメンテナンス等を実施することができる。
【0046】
また、前記支点2a〜2d(図1参照)における温度変化をもってして把持不良を検出するものであるから、把持部材(フィンガー2A・2B)と、物品(ワーク10)の温度差が大きい場合について、本発明を適用することによれば、特に良い効果(確実な把持不良の検出)を得ることができる。
【0047】
また、前記センサ3a〜3dによる温度検知、ワーク10の接触の有無の検知の形態によれば、把持不良を瞬時に検知することができ、短時間に物品の把持・解除が実施され、瞬時に把持不良の検出が要求される場合にも対応することができる。つまり、把持不良の検出の応答性に優れた構成とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る物品把持装置の実施例について示す正面図。
【図2】把持部材の別構成例について示す正面図。
【図3】鋳造成形後に物品把持装置にてワークを把持する例について示す側面断面図。
【図4】(a)は、図1のA−A視断面における把持状態が正常の場合について示す図。(b)は、把持不良が生じた場合について示す図。
【図5】(a)は、支点の周囲に断熱材を設けた構成について示す断面図。(b)は、断熱材を設けない構成について示す断面図。
【図6】センサにより検知する温度変化の例について示す図。
【図7】本発明の具体的な実施例の構成について示す図。
【図8】把持不良と、それに伴う芯抜き工程における不具合の発生について示す図。
【図9】ワークの厚みに違いによるフィンガーの距離の変位の大小について示す図。
【符号の説明】
【0049】
1 ワーク把持装置
2A・2B フィンガー
2a 支点
3a センサ
10 ワーク




 

 


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