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発明の名称 成形装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−90385(P2007−90385A)
公開日 平成19年4月12日(2007.4.12)
出願番号 特願2005−283079(P2005−283079)
出願日 平成17年9月28日(2005.9.28)
代理人 【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス特許事務所
発明者 上久保 俊孝 / 三宅 秀明 / 山本 智
要約 課題
従来のものに比べて小型で低コストの成形装置を提供すること。

解決手段
一対の成形型2,3の間に挟み込んだワークWをプレスすることによって所定形状に成形するものであって、一方の成形型3が、他方の成形型2に向けて突設され、成形用シリンダ41によって突き出し及び引き込み動作が行われるプレス用ロッド45を有し、他方の成形型2が、ワークWを貫いて挿入されたプレス用ロッド45をロックするロック手段13,12,15,16を有し、両方の成形型2,3は、重ね合わされてプレス用ロッドがロック手段によってロックされた状態で成形用シリンダの引き込み動作が行われた場合、その引き込み動作に連動してワークWをプレスするプレス手段27,38が設けられた成形装置1。
特許請求の範囲
【請求項1】
一対の成形型の間に挟み込んだワークをプレスすることによって所定形状に成形する成形装置において、
一方の成形型が、他方の成形型に向けて突設され、成形用シリンダによって突き出し及び引き込み動作が行われるプレス用ロッドを有し、他方の成形型が、ワークを貫いて挿入された前記プレス用ロッドをロックするロック手段を有し、
両方の成形型は、重ね合わされてプレス用ロッドがロック手段によってロックされた状態で成形用シリンダの引き込み動作が行われた場合、その引き込み動作に連動してワークをプレスするプレス手段が設けられたものであることを特徴とする成形装置。
【請求項2】
上型と下降とによって挟み込んだワークをプレスすることによって所定形状に成形する成形装置において、
前記上型は、成形用シリンダによって突き出し及び引き上げ動作が行われる下方に突設されたプレス用ロッドを有し、前記下型は、ワークを貫いて挿入された前記プレス用ロッドをロックするロック手段を有し、
前記上型及び下型は、重ね合わされてプレス用ロッドがロック手段によってロックされた状態で成形用シリンダの引き上げ動作が行われた場合、その引き上げ動作に連動してワークをプレスするプレス手段が設けられたものであることを特徴とする成形装置。
【請求項3】
請求項2に記載する成形装置において、
前記下型は架台に設置され、前記上型は昇降フレームを備え、その昇降フレームを介して立設された昇降タワーに沿って昇降可能に設けられたものであることを特徴とする成形装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載する成形装置において、
前記上型及び下型は、ワークを直接挟み込む上型本体と下型本体とをそれぞれ有し、
前記下型は、その下型本体の下方に前記ロック手段が設けられ、下型本体内に前記プレス用ロッドを介した引き上げ動作が前記ロック手段を介して伝達され、ワークを下方からプレスする前記プレス手段が設けられたものであり、
前記上型は、その上型本体の上方にあって前記昇降フレームに固定して前記成形用シリンダが設けられ、上型本体内に前記プレス用ロッドを介した引き上げ動作によって前記下型本体を介して当該上型本体が上昇し、相対的にワークを上方からプレスする前記プレス手段が設けられたものであることを特徴とする成形装置。
【請求項5】
請求項4に記載する成形装置において、
前記下型は、その下型本体がロック手段の上方に分離可能な状態で配置され、前記上型は、その上型本体が昇降フレームと分離可能に連結されたものであることを特徴とする成形装置。
【請求項6】
請求項2乃至請求項5のいずれかに記載する成形装置において、
前記上型及び下型は、一方には位置決め突起が形成され、他方には位置決め穴が形成され、その位置決め突起が位置決め穴に嵌合して重ね合わされるようにしたものであることを特徴とする成型装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレス型による成形であって、特に成形物に比して設備が大きくならないようにした成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コイル束線が巻装されたステータコアのコイルエンド部は、コア端面からのコイルエンド部の飛び出し高さを制限するための成形が行われる。例えばハイブリッド車内に収めるためのコンパクトなモータとして構成する必要があるためである。従って、コイル束線が巻装されたステータコアは、次の工程でプレス型を使用した成形によってコイルエンド処理が行われる。図11は、そうしたステータコアの成形に使用される従来の成形装置を概念的に示した図である。
【0003】
この成形装置100は、自動車のボディやその他の鍛造部品を成形する一般的なプレス型と同様な構成であって、ベース101上に下型102が固定され、その下型102にセットされたワークWを上下する上型103によって挟み込んでプレスするよう構成されてたものである。ベース101には例えば中央の成形部分を囲むようにガイドロッド105が4箇所に立設され、それを上型103が固定されて一体になったスライダ106が摺動可能に設けられている。ガイドロッド105は、ベース101と上プレート108に連結され、その上プレート108にはスライダ106を昇降させる成形用シリンダ109が設けられている。
【0004】
従って、従来の成形装置100を用いてコイル束線が巻装されたステータコアのコイルエンド部を成形する場合には、下型102上にワークW、すなわちコイル束線が巻装されたステータコアWが搭載される。そして、上昇位置にある上型103が成形用シリンダ109の伸長作動によって下降し、下型102との間でステータコアWを挟み込んでプレスする。このとき、成形用シリンダ109の伸縮によってスライダ106がガイドロッド105を摺動する。スライダ106は、複数あるガイドロッド105によって傾くことなく水平な状態が保たれており、そのスライダ106と一体の上型103が垂直に昇降し、下型102との間でステータコアWをプレスすることができる。
【特許文献1】特開2003−181569号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、従来の成形装置100では、上型103を安定した姿勢で昇降させるために、ステータコアWなどのワークの周りにガイドロッド105が複数本配置された構成になっていた。そのため、ワークに比べて成形装置100自身が大型になってしまい、例えばモータ製造ラインにおいて、コイル形成工程に要するその装置が占める空間を広く確保する必要があったり、成形装置自身のコストが高くなってしまうなどの問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、かかる課題を解決すべく、従来のものに比べて小型で低コストの成形装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る成形装置は、一対の成形型の間に挟み込んだワークをプレスすることによって所定形状に成形するものであって、一方の成形型が、他方の成形型に向けて突設され、成形用シリンダによって突き出し及び引き込み動作が行われるプレス用ロッドを有し、他方の成形型が、ワークを貫いて挿入された前記プレス用ロッドをロックするロック手段を有し、両方の成形型は、重ね合わされてプレス用ロッドがロック手段によってロックされた状態で成形用シリンダの引き込み動作が行われた場合、その引き込み動作に連動してワークをプレスするプレス手段が設けられたものであることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る成形装置は、上型と下降とによって挟み込んだワークをプレスすることによって所定形状に成形するものであって、前記上型は、成形用シリンダによって突き出し及び引き上げ動作が行われる下方に突設されたプレス用ロッドを有し、前記下型は、ワークを貫いて挿入された前記プレス用ロッドをロックするロック手段を有し、前記上型及び下型は、重ね合わされてプレス用ロッドがロック手段によってロックされた状態で成形用シリンダの引き上げ動作が行われた場合、その引き上げ動作に連動してワークをプレスするプレス手段が設けられたものであることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る成形装置は、前記下型が架台に設置され、前記上型が昇降フレームを備え、その昇降フレームを介して立設された昇降タワーに沿って昇降可能に設けられたものであることが好ましい。
また、本発明に係る成形装置は、前記上型及び下型がワークを直接挟み込む上型本体と下型本体とをそれぞれ有し、前記下型は、その下型本体の下方に前記ロック手段が設けられ、下型本体内に前記プレス用ロッドを介した引き上げ動作が前記ロック手段を介して伝達され、ワークを下方からプレスする前記プレス手段が設けられたものであり、前記上型は、その上型本体の上方にあって前記昇降フレームに固定して前記成形用シリンダが設けられ、上型本体内に前記プレス用ロッドを介した引き上げ動作によって前記下型本体を介して当該上型本体が上昇し、相対的にワークを上方からプレスする前記プレス手段が設けられたものであることが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る成形装置は、前記下型が、その下型本体がロック手段の上方に分離可能な状態で配置され、前記上型が、その上型本体が昇降フレームと分離可能に連結されたものであることが好ましい。
また、本発明に係る成形装置は、前記上型及び下型が、一方には位置決め突起が形成され、他方には位置決め穴が形成され、その位置決め突起が位置決め穴に嵌合して重ね合わされるようにしたものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の成形装置では、一方の成形型、例えば上型を下降させて他方の成形型、例えば下型と重ね合わせ、その後ワークを貫いて挿入されたプレス用ロッドを介して成形用シリンダによる成形が行われる。
従って、本発明によれば、一方の成形型の昇降動作と一対の成形型によるワークの成形動作との機構を分けて構成しているので、従来の成形装置のように周りにガイドロッドを立てる必要がなくなって装置全体を小型化することができ、その分コストを低下させることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明に係る成形装置について一実施形態を図面を参照しながら以下に説明する。図1は、本実施形態の成形装置を示した図である。本実施形態の成形装置1は、コイル束線が巻装されたステータコアのコイルエンド部の成形をするためのものである。
成形装置1は、下型2と上型3が上下に配置され、下型2は架台4に立てられた支持用ポール51上に載せられるように設置され、上型3はその架台4に立設された昇降タワー5に対して昇降可能な状態で取り付けられている。昇降タワー5にはLMガイド6が上下方向に設けられ、更に昇降タワー5の上にサーボモータ10が設けられ、そのモータ軸に連結されたボールネジ7がLMガイド6と平行になって上下方向に配置されている。
【0013】
上型3は、その昇降フレーム40にLMガイド6に対して摺動可能なスライダ8を有し、LMガイド6に沿って上下方向に移動するように構成されている。更に上型3は、昇降フレーム40にボールネジ7に螺設したボールナット9が一体に形成され、サーボモータ10から受けるボールネジ7の回転によって上下方向の推進力が得られるようになっている。従ってこの成形装置1では、下型2上にワークであるステータコアWがセットされ、その下型2に重ね合うように上型3の昇降が行われるが、こうした昇降機構は上型3の上昇のみに使用され、ステータコアWのコイル成形には上型3に設けられた成形用シリンダ41が使用される。
【0014】
ここで、図2は下型2を示した図であり、図3は上型3を示した図であって、それぞれ一部を断面で示したものである。先ず図2を参照しながら下型2について説明する。下型2は、下方にロック機構が構成され、上方にはプレス機構が構成されている。ロック機構は、架台4に枠体11が固定され、その中に装填されたロックスライダ12が摺動自在に設けられている。ロックスライダ12は、内側に凹部12aが形成され、底板12bに連結されたロック用シリンダ13によって上下方向に移動可能になっている。そしてロック用シリンダ13は、図示するように枠体11の底板11aに空けられた貫通孔に配置されている。
【0015】
ロック用シリンダ13は、枠体11内でストッパ14が固定され、ロックスライダ12を上昇させる際の反力を底板11aを支えとして受ける一方、ロック用シリンダ13が上昇して枠体11内へは進入できるようになっている。
また、枠体11内にはロックスライダ12の中に円筒状のロックガイド15が摺動可能な状態で装填され、そのロックガイド15には、軸方向に直交する横方向に複数の孔が穿設され、そこにロック片16が摺動自在な状態で挿入されている。そして、ロックガイド15には、その上端には成形荷重測定用のロードセル17が一体に設けられ、下方にはロックスライダ12の底板12bを貫通した連結ロッド18によってストッパ14が連結され、ロック用シリンダ13と一体になっている。
【0016】
こうした構成のロック機構の上方には分離した状態でプレス機構が設けられており、図1に示すように、下型本体21が架台4に立設された支持用ポール51上に載せられている。下型本体21は、その上にステータコアWが位置決めして載せられるようにしたものであって、下側に突き出しているコイルC1が入り込むプレス穴23が形成されている。下型本体21の下方には、中心に貫通孔があけられた昇降プレート22があって、下型本体21と昇降プレート22は、それぞれ互いに向き合って複数の突起24が突設され、その突設24にスプリング25が嵌め合わされている。
【0017】
コイルC1の位置に合わせて形成されたプレス穴23は、下型本体21が上下方向に貫通して形成された貫通孔に、昇降プレート22に起立して固定されたロッド26が下から挿入され、更にロッド26の先端にはコイルC1を所定形状に成形するフォーマ27が取り付けられている。そして、下型本体21の上面には上型本体31が重ねられた場合に、その上型本体31と下型本体21との位置決めを行うための位置決め穴28が形成されている。位置決め穴28は図面上に一箇所しか示していないが、実際には円周上に複数設けられている。
【0018】
次に図3を参照しながら上型3について説明する。上型3は、下方にプレス機構が構成され、上方には加圧機構が構成されている。上型3のプレス機構は、下型2の下型本体21と同様に形成された上型本体31によって構成されている。その上型本体31は、ステータコアWの中心孔に差し込んで位置決めする嵌合突起32が下方に突設され、その周りには上側に突き出しているコイルC2が入り込むプレス穴33が形成されている。上型本体31の上方には中心に貫通孔があけられたプレート34があって、そのプレート34と上型本体31との間には、それぞれ互いに向き合った突起35が複数突設され、その突起35にスプリング36が嵌め込まれている。
【0019】
コイルC2の位置に合わせて形成されたプレス穴33は、上型本体31を上下方向に貫通して形成された貫通孔が形成され、そこにプレート34に垂設されたロッド37が上から挿入され、更にロッド37の下端にはコイルC2を所定形状に成形するフォーマ38が取り付けられている。そして上型本体31の下面には、下型本体21と重ね合わされた場合の位置決めのため、下型本体21に形成された位置決め穴28に対向して位置決め突起39が形成されている。この位置決め突起39も図面上では一箇所しか示されていないが、実際は位置決め穴28に対応して複数設けられている。
【0020】
上型3は、図1に示すように昇降フレーム40が設けられ、そこにはLMガイド6を摺動可能なスライダ8やボールネジ7に螺設したボールナット9が形成されている。従って、上型3を構成する上型本体31や成形用シリンダ41などは、この昇降フレーム40によって支えられている。そして、上型3は、成形対象であるステータコアWの種類に応じて上型本体31が交換できるようになっている。すなわち、昇降フレーム40の下方には、連結用シリンダ47が横向きに吊設され、そのピストンロッド47aが上型本体31側のプレート34に固定されたロックブロック48に差し込まれている。
【0021】
従って、こうした図示する状態で上型本体31が昇降フレーム40と一体になり、ピストンロッド47aがロックブロック48から引き抜かれると、プレート34から下が昇降プレート40と分離できるようになっている。なお、昇降フレーム40の底面には位置決めピン46が複数突設され、プレート34に対して差し込まれるようになっている。
そして、連結用シリンダ47によって昇降フレーム40と一体に組み付けられた上型本体31は、プレート34に垂設されたロッド37が内部で引っ掛けられ、図示するように吊り下げられた状態になっている。
【0022】
上型3では、昇降フレーム40に成形用シリンダ41が構成されている。筒部40a上には円筒形状のシリンダ本体41aが固定され、更にシリンダ本体41aの上にガイドブロック42が固定されている。筒部40aからシリンダ本体41aおよびガイドブロック42にかけてピストン部材43が装填されている。すなわちシリンダ本体41a内には、その内側面を摺動するピストン43aが装填され、そうしたピストン43aの上方にはガイドロッド43bが一体に固定され、下方にはピストンロッド43cが一体に固定されている。
【0023】
シリンダ本体41aには、ピストン43a下方の加圧室に対する作動油の供給および排出を行うための油圧ポート44aが形成され、ガイドブロック42には、ピストン43a上方の加圧室に対する作動油の供給および排出を行うための油圧ポート44bが形成されている。ガイドロッド43bは、ガイドブロック42の上端部分内側面に設けられたシール部材に摺接し、油圧ポート44bから供給される作動油の油圧がピストン43aに作用するよう加圧室内の気密性が保たれている。一方、ピストンロッド34cは、シリンダ本体41aの下端内側面に設けられたシール部材に摺接し、油圧ポート44aから供給される作動油の油圧がピストン43aに作用するよう加圧室内の気密性が保たれている。
【0024】
そして、こうしたピストン部材43の下端には、プレス用ロッド45が同軸に連結されている。そのプレス用ロッド45は、プレート34や上型本体31および嵌合突起32を貫いて下方に突き出し、ピストン43aの動作に連動して軸方向に伸縮操作が行われるようになっている。プレス用ロッド45の先端部分には円周上に径の細くなったロック溝45aが形成されている。これは、下型2のロック片16が嵌り込むようにしたものであり、ロック溝45aとロック片16には嵌合し易いように、またプレス用ロッド45が上昇する際にロック片16を外側に押し出せるように上下にテーパ面が形成されている。
【0025】
本実施形態の成形装置1では、図11に示す従来の成形装置100のように成形型の周りにガイドロッド105が無いため、図1に示すように上型3が上昇した状態では上型3と下型2との間に開放された空間ができる。そのため成形装置1には、下型2に対してステータコアWの出し入れを行う旋回式の搬送装置60が隣接して設けられている。搬送装置60は、先端にステータコアWを着脱できるチャック機構62を備えたアーム61を有し、そうしたアーム61の昇降動作と旋回動作とが行えるように構成されている。
【0026】
次に、こうして構成された本実施形態の成形装置1の作用について説明する。ここで図4乃至図9は、成形装置1によってステータコアWに対するコイル成形を行う各工程を示した図であり、図2および図3に示した下型2と上型3の部分を抜き出して示している。なお、各図に示した下型2と上型3は、図2及び図3と同様に一部断面が表されているが、図面を簡素化して見やすくするためハッチングを省略している。
【0027】
先ず、成形開始の段階では、図1に示すように上型3が上昇した位置にあって下型2との間に空間ができている。そのため、搬送装置60は、成形装置1の外側にあるステータコアWをチャックして持ち上げ、旋回して下型2の所定位置にセットする。成形装置1では、こうしたステータコアWのセットを検出し、以下の成形加工が自動で行われる。
先ずサーボモータ10が駆動し、その回転がボールネジ7に伝えられる。そのため、ボールネジ7に螺設されたボールナット9に推進力が働き、上型3は、昇降フレーム40のスライダ8がLMガイド6を摺動して姿勢を保ったまま真っ直ぐ下降することになる。
【0028】
上型3は、下型2に当接する位置まで下降し、図4に示すように下型本体21に上型本体31が重ね合わされる。このとき、上型本体3の位置決め突起39が下型本体21の位置決め穴28に嵌め合わされて正しい位置合わせが行われる。また、下型本体21に上型本体31が重ね合わされる場合、上型本体31の嵌合突起32がステータコアWの中心孔に差し込まれ、そのステータコアWが中心位置に保持される。そして、この保持状態でステータコアWから上下に飛び出しているコイルC1,C2がそれぞれプレス穴23,33に入り込んでいる。
【0029】
また、下型本体21に上型本体31が重ね合わされる場合、上型本体31から下方に突設されたプレス用ロッド45が下型2内に挿入される。すなわち、プレス用ロッド45は、先ず下型本体21にセットされたステータコアWの中心孔を貫通する。そしてプレス用ロッド45は、下型本体21、昇降プレート22、ロードセル17を貫通し、その先端部がロックガイド15内に挿入される。このときロック用シリンダ13は収縮状態であって、ロックスライダ12の凹部12aにロック片16が入っているためロック解除状態になっている。一方、上型3では、油圧ポート44bから供給された作動油によってピストン43aが下降した位置にあって、プレス用ロッド45は上型本体31から下方への延び(突出量)が最大の状態になっている。
【0030】
続いて、図5に示すように、下型2のロック用シリンダ13が伸張作動してロックスライダ12が枠体11内を上昇する。このときロック用シリンダ13は、ストッパ14が底板11aに当たって最も下がった高さに配置されている。ロックスライダ12が上昇すると、ロック片16が凹部12aのテーパ面を滑って内側に移動し、ロックガイド15の内側に突き出る。そのため、同じ高さにあるプレス用ロッド45のロック溝45a内にロック片16が入り込んでロックされ、上型3の成形用シリンダ41と下型2の可動部とが連結される。
【0031】
こうしてプレス用ロッド45がロックされると、続いて成形加工が実行される。成形加工では、図6に示すように成形用シリンダ41のピストン43aが押し上げられるが、そのためには油圧ポート44aから作動油が供給され、ピストン43aが下方から加圧されて上昇する。逆に油圧ポート44bからはピストン43aに押された作動油が排出される。
ピストン43aが上昇すれば、ピストンロッド43cに連結されたプレス用ロッド45が上昇する。すると、プレス用ロッド45にロックして連結されたロックガイド15と、そのロックガイド15に対して連結ロッド18によって連結されたストッパ14およびロック用シリンダ13が一体になって引き上げられる。また、ロック用シリンダ13は伸張状態のままであるためロックスライダ12も同時に上昇し、プレス用ロッド45のロック状態は保たれている。
【0032】
ロックガイド15が上昇すると、ロードセル17を介して昇降プレート22が押し上げられる。このときスプリング25が押し縮められ、上下の突起24が図示するように近接する所定位置まで移動する。この時点で下型本体21は支持用ポール51(図1参照)の搭載部52に載せられたまま上下方向への移動はない。
下型2では、こうした昇降プレート22の所定量の上昇により、下型本体21内に挿入されたロッド26先端のフォーマ27が設定された位置まで上昇し、プレス穴23が所定の大きさに変形する。これにより、プレス穴23内に入れられたコイルC1がフォーマ27によってプレスされ、所定の形状に成形される。
【0033】
そして、更に成形用シリンダ41のピストン43aが押し上げられ、図7に示すようにガイドブロック42に当接する位置まで上昇する。このとき下型2では、昇降プレート22と下型本体21との間がそれ以上縮まらないため、更にプレス用ロッド45が引き上げられれば、下型本体21が持ち上げられて上型本体31も一体になって持ち上げられる。従って、下型本体21は、支持用ポール51(図1参照)の搭載部52から離間して浮いた状態になる。
【0034】
上型本体31の上昇に対し、その上の昇降フレーム40側ではプレート34が固定状態であるため、その間のスプリング36が押し縮められ、上下の突起35が図示するように近接する所定位置まで移動する。従って、上型本体31の所定量の上昇により、そこに挿入されたロッド37先端のフォーマ38が設定された位置まで相対的に下降し、プレス穴33が所定の大きさに変形する。これにより、プレス穴33内に入れられたコイルC2がフォーマ38によってプレスされ、所定の形状に成形される。
なお、本実施形態ではこうしてコイルC1の成形に引き続いてコイルC2が成形されるようになっているが、スプリング25,36の設定次第では順序を逆転させてコイルC2の成形の後にコイルC1の成形が行われるようにすることも可能である。
【0035】
以上にように成形用シリンダ41によってプレス用ロッド45を引き上げ、ステータコアWのコイルC1,C2が上下からプレスして成形された後は、図8に示すようにシリンダ41のピストン43aが押し下げられる。それには油圧ポート44bから作動油が供給され、ピストン43aが上方から加圧されて下降する。逆に油圧ポート44aからはピストン43aに押された作動油が排出される。
【0036】
シリンダ41によってプレス用ロッド45が下降すると、それまでプレス用ロッド45に引っ張り上げられていた上型本体31や下型本体21が降ろされ、下型本体21が支持用ポール51(図1参照)の搭載部52に載せられる。そして、更にスプリング25が伸びて昇降プレート22以下の各部材も下降して元の位置に戻される。そして、ロック用シリンダ13が収縮作動してロックスライダ12が下降し、その凹部12aがロック片16の高さに合わせられる。しかし、この状態ではまだロック片16は、プレス用ロッド45のロック溝45aに入っている。
【0037】
そして、その後サーボモータ10が駆動し、逆回転がボールネジ7に伝えられると螺設されたボールナット9に上昇方向の推進力が発生する。そのため、上型3は、昇降フレーム40のスライダ8がLMガイド6を摺動し、姿勢を保ったまま真っ直ぐ上昇し、図9に示すように下型2内からプレス用ロッド45が引き抜かれる。このとき、そのロック溝45aのテーパ面によってロック片16が外側に押し出され、ロックスライダ12の凹部12aに入り込んで同時にロック解除が行われる。
【0038】
本実施形態の成形装置1では、以上のような一連の動作によってステータコアWのコイル成形が完了する。そして、ステータコアWのコイル成形が終了すると、搬送装置60によって下型2から取り出され、次のステータコアWがセットされ、同様にコイル成形が行われる。
【0039】
ところで、図示した成形装置1は、下型本体21と上型本体31とによって成形対象となるステータコアWが決まってしまう。そのため、異なるステータコアについてコイル成形を行う場合には、下型本体21と上型本体31との交換が行われる。図10は、その交換作業の一形態を示した図である。
下型本体21と上型本体31との交換を行うには、先ず図8に示すように下型2に上型3が重ねられ、プレス用ロッド45のロックが外れ、或いは解除可能な状態に置かれる。そして、連結用シリンダ47のピストンロッド47aがロックブロック48から外され、図10に示すように昇降フレーム40が上げられる。従って、上型本体31は下型本体21に載せられたまま、昇降フレーム40と一体の成形用シリンダ41及びそこから突き出したプレス用ロッド45だけが上昇する。
【0040】
下型本体21と上型本体31は、架台4に立設された支持用ポール51(搭載部52)に搭載されているため、取り外しが可能な状態になっている。従って、図10に示した状態で、異なるステータコアに対応した組み合わせの下型本体と上型本体が載せ替えられる。このとき、下型2側では、架台4に固定された枠体11内に設けられたロックスライダ12やロックガイド15、その他ロードセル17以下のロック用シリンダ13などは残され、成形用シリンダ41やプレス用ロッド45などとともに共通部品となる。
【0041】
本実施形態の成形装置1では、上型3を下降させて下型2と重ね合わせ、その後ステータコアWを貫いて下型2に挿入したプレス用ロッド45を介して成形用シリンダ41によるコイル成形を行うようにし、上型3の昇降とコイル成形との機構を分けて構成した。
そのため、図11に示す従来の成形装置100では、下型102と上型103の周りにガイドロッド105が複数本立っているが、本実施形態の成形装置1では、昇降タワー5を一方に設ける他は周りになにもない構成とすることができ、従来よりも装置全体が小型化された。また、成形装置1は、ベース部分や昇降部分の構成を従来のような強固ものとする必要がなくなり、その点でコストを抑えたものとすることができた。
更に、上型3が上昇した退避状態では、その上型3と下型2との間には邪魔するものがなくなるため、旋回式の搬送装置60を設けることでワークのセットや取り外しを容易に行うことが可能になった。
【0042】
以上、本発明の成形装置について一実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されることなくその趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
前記実施形態では上型3を昇降させが、例えば、枠体11を昇降フレームに固定し、下型本体21をその昇降フレームから上昇可能に支持するようにすれば、逆に下型2を昇降させて同じように成形することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】成形装置の一実施形態を示した全体図である。
【図2】成形装置の一実施形態についてその下型を示した図である。
【図3】成形装置の一実施形態についてその上型を示した図である。
【図4】一実施形態の成形装置におけるコイル成形の一工程(下型と上型との重ね合わせ)を示した図である。
【図5】一実施形態の成形装置におけるコイル成形の一工程(プレス用ロッドのロック)を示した図である。
【図6】一実施形態の成形装置におけるコイル成形の一工程(プレスによる下型側コイルの成形)を示した図である。
【図7】一実施形態の成形装置におけるコイル成形の一工程(プレスによる上型側コイルの成形)を示した図である。
【図8】一実施形態の成形装置におけるコイル成形の一工程(プレス解除)を示した図である。
【図9】一実施形態の成形装置におけるコイル成形の一工程(下型と上型との分離)を示した図である。
【図10】下型本体と上型本体との交換作業の一形態を示した図である。
【図11】ステータコアの成形に使用される従来の成形装置を概念的に示した図である。
【符号の説明】
【0044】
1 成形装置
2 下型
3 上型
4 架台
5 昇降タワー
10 サーボモータ
12 ロックスライダ
13 ロック用シリンダ
15 ロックガイド
16 ロック片
21 下型本体
23 プレス穴
27 フォーマ
28 位置決め穴
31 上型本体
33 プレス穴
38 フォーマ
39 位置決め突起
40 昇降フレーム
41 成形用シリンダ
43a ピストン
47 連結用シリンダ




 

 


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