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発明の名称 貴金属触媒の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−90257(P2007−90257A)
公開日 平成19年4月12日(2007.4.12)
出願番号 特願2005−284283(P2005−284283)
出願日 平成17年9月29日(2005.9.29)
代理人 【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
発明者 平田 裕人
要約 課題
不純物の混入を防ぎ、微細でかつ球形の貴金属クラスターを得ることができる方法を提供する。

解決手段
貴金属含有溶液と、この貴金属と配位することができる高分子化合物の水溶液を均一に混合して前記貴金属と高分子化合物の錯体を形成し、この錯体を含む水溶液を、内部に水素を含むマイクロバブル含有水に滴下し、混合して前記貴金属を還元し、担体に担持させ、次いで焼成することを特徴とする、貴金属触媒の製造方法。
特許請求の範囲
【請求項1】
貴金属含有溶液と、この貴金属と配位することができる高分子化合物の水溶液を均一に混合して前記貴金属と高分子化合物の錯体を形成し、この錯体を含む水溶液を、内部に水素を含むマイクロバブル含有水に滴下し、混合して前記貴金属を還元し、担体に担持させ、次いで焼成することを特徴とする、貴金属触媒の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、貴金属触媒の製造方法に関し、詳細にはクラスターサイズが制御された貴金属触媒の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用エンジン等の内燃機関から排出される排気ガスには、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOX)等が含まれ、これらの有害物質は、一般に、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)等の貴金属を主成分とする触媒成分がアルミナ等の酸化物担体に担持された排気ガス浄化用触媒によって浄化される。
【0003】
触媒成分の貴金属を酸化物担体に担持するのは、一般に、硝酸基やアミン基で修飾された貴金属化合物の溶液を用い、この溶液を酸化物担体に含浸して酸化物担体の表面に貴金属化合物を分散させ、次いで焼成して硝酸基等を除去させることによって行われる。酸化物担体には、排気ガスに触媒成分との高い接触面積を与えるように、一般に、γ-アルミナ等の高い比表面積を有する材料が使用される。
【0004】
こうした排気ガス浄化用触媒は、さらなる環境保護のために、排気ガス浄化性能をさらに向上させることが要請されているが、このアプローチとして、貴金属のクラスターサイズを最適なものに制御することが考えられる。しかしながら、従来の貴金属化合物の溶液を用いる貴金属の担持方法においては、上記の酸化物担体の表面を貴金属化合物を分散させた段階では、貴金属は原子レベルで酸化物担体に吸着しているが、硝酸基等を除去して貴金属を強固に担持させる焼成工程で、貴金属原子が移動して粒子成長が生じるため、所望のクラスターサイズのみの貴金属を酸化物担体に担持させることは極めて困難であった。
【0005】
そこで、貴金属を酸化物担体に直接担持するのではなく、貴金属を所望のサイズのクラスターになるようにカーボンナノホーン、カーボンナノチューブ等の中空の炭素材料の細孔内に導入した上で、炭素材料とともに担体に固定し、次いで焼成することによって、炭素材料を燃焼除去すると同時に、貴金属を酸化物担体上に担持する方法が提案された(特許文献1参照)。
【0006】
かかる方法によれば、炭素材料が燃焼除去されるまでは、貴金属は炭素材料の細孔内に存在し、炭素材料が燃焼除去される条件下では、貴金属は、酸化物担体に迅速に担持されるため、実質的に、炭素材料の細孔内のクラスターサイズで酸化物担体に担持されることができる。しかしながら、この方法では、中空の炭素材料の細孔内に貴金属を導入する必要があり、この工程のゆえに生産性が悪いという問題がある。
【0007】
また、ポリビニルピロリドン等の高分子化合物と貴金属イオンの混合溶液を、H2、NaBH4、C25OH等の還元剤を用いて還元することにより、粒子径数nmの貴金属粒子を製造することが提案されている(非特許文献1参照)。
【0008】
ところが、上記の方法において、還元剤として化合物を用いる場合、その化合物に含まれる元素が不純物として最終貴金属粒子に混入する問題がある。例えば、還元剤としてNaBH4を用いる場合、NaやBが混入し、また還元剤としてアルコールを用いる場合、アルコールのみならず、金属イオンを還元する際にアルコールが還元されて生じたケトン、アルデヒド、カルボン酸等が混入することがある。また、還元剤として水素を用いる場合、得られる貴金属粒子の粒子径が大きくなり、また粒子形状がいびつになるといった問題もある。
【0009】
【特許文献1】特開2003−181288号公報
【非特許文献1】鳥越、江角、化学工業、296−276 (1998)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、このような問題を解消し、クラスターサイズを制御し、かつ不純物を含まない貴金属触媒を合成できる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記問題点を解決するために本発明によれば、貴金属含有溶液と、この貴金属と配位することができる高分子化合物の水溶液を均一に混合して前記貴金属と高分子化合物の錯体を形成し、この錯体を含む水溶液を、内部に水素を含むマイクロバブル含有水に滴下し、混合して前記貴金属を還元し、担体に担持させ、次いで焼成することを特徴とする、貴金属触媒の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、貴金属と高分子化合物の錯体を形成してクラスターを形成することにより貴金属のクラスターサイズを制御することができ、さらに貴金属イオンを還元するための還元剤として、マイクロバブル内に封入された水素を用いることにより、微細なかつ不純物のない貴金属粒子を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の方法において、まず貴金属含有溶液と、この貴金属と配位することができる高分子化合物の水溶液を均一に混合して前記貴金属と高分子化合物の錯体を形成する。貴金属としては、白金、ロジウム、パラジウム、金、銀、イリジウム、及びルテニウムを挙げることができる。貴金属含有溶液は、この貴金属の水溶性及び/又は有機溶媒可溶性の塩及び/又は錯体を水もしくは有機溶媒に溶解することにより得られる。貴金属の水溶性及び/又は有機溶媒可溶性の塩及び/又は錯体としては、酢酸塩、塩化物、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、あるいはこれらの錯体を挙げることができ、有機溶媒としてはアセトニトリル、アセトン等を用いることができる。この貴金属溶液中の貴金属の濃度は1×10-4mol/L〜1×10-3mol/Lであることが好ましい。
【0014】
この貴金属と配位することができる高分子化合物としては、分子内にN、OH、COOH又はNH2を有する化合物、例えばポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルグリコール、ポリアミン等を用いることができる。この高分子化合物の水溶液中における高分子化合物の濃度はモノマーユニット換算で1×10-4mol/L〜1×10-3mol/Lであることが好ましい。
【0015】
貴金属含有溶液と高分子化合物の水溶液を混合するに際して、貴金属と高分子化合物とがモル比で1:5となるように混合することが好ましい。
【0016】
こうして貴金属と高分子化合物の錯体を形成した後、この錯体を含む水溶液を、内部に水素を含むマイクロバブル含有水に滴下する。マイクロバブル含有水とは、水中に存在する気泡の数の50%以上が50μm以下の径であるものをいう。このマイクロバブル含有水は、一般的なマイクロバブル発生器を用いて調製することができる。そして本発明においては、気泡中に水素を含むマイクロバブル含有水を用いることを特徴とする。
【0017】
こうして水素を含むマイクロバブル含有水に貴金属と高分子化合物の錯体を滴下すると、マイクロバブルは水中を浮遊する過程でナノレベルまで自然収縮し、最終的には内部の気体を完全溶解させて消滅するという性質を有するため、貴金属イオンと十分に接触・反応し、微細な貴金属粒子を合成することが可能になる。
【0018】
こうして得られた貴金属と高分子化合物の錯体を担体上に、例えば通常の蒸発乾固法等を用いて担持させる。担体としてはアルミナ、シリカ、ジルコニア等の酸化物、及びシリカ−アルミナ、ジルコニア−セリア、アルミナ−セリア−ジルコニア等の複合酸化物を用いることができる。
【0019】
最後に、この貴金属と高分子化合物の錯体が担持された担体を焼成することにより高分子化合物は焼失し、貴金属を担持させた触媒を得ることができる。この焼成は、例えば大気雰囲気において400〜800℃で、1〜5時間行うことが好ましい。
【0020】
本発明においては、貴金属を高分子化合物との錯体として担体上に担持させ、貴金属を還元することにより貴金属の凝集を防ぎ、微細な貴金属のクラスターを得ることができ、さらにこの還元をマイクロバブル中の水素によって行うことにより、不純物の混入を防ぎ、微細でかつ球形の貴金属クラスターを得ることができる。
【実施例】
【0021】
実施例1
塩化白金Pt(IV)酸(H2[PtCl6])溶液をイオン交換水で希釈し、濃度1.0×10-3mol/Lの溶液を調製した。この溶液に、モノマーユニット換算で5.0×10-3mol/Lのポリビニルピロリドン水溶液を等量混合し、均一な溶液を調製した。ここで、この混合溶液中のPt濃度は5.0×10-4mol/L、ポリビニルピロリドン濃度は2.5×10-3mol/Lとなった。
【0022】
次に、イオン交換水にマイクロバブル発生器を用いて水素を供給し、水素のマイクロバブルを含む溶液を準備した。このマイクロバブル含有水に、先に調製したPtとポリビニルピロリドンの混合溶液をゆっくり滴下し、Ptを還元した。最終的な混合溶液の滴下量は、マイクロバブル含有水の量の1/4であった。
【0023】
比較例1
塩化白金Pt(IV)酸(H2[PtCl6])溶液をイオン交換水で希釈し、濃度1.0×10-3mol/Lの溶液を調製した。この溶液に、モノマーユニット換算で5.0×10-3mol/Lのポリビニルピロリドン水溶液を等量混合し、均一な溶液を調製した。ここで、この混合溶液中のPt濃度は5.0×10-4mol/L、ポリビニルピロリドン濃度は2.5×10-3mol/Lとなった。
【0024】
次に、この混合溶液に、混合溶液の4倍量のイオン交換水を混合し、希釈して実施例1と同じPt濃度、ポリビニルピロリドン濃度の溶液を調製した。この溶液にバブラー(ケラミフィルター)を用いてH2ガスをバブリングし、Ptを還元した。
【0025】
以上の実施例1及び比較例1において得られた白金粒子のTEM写真を図1及び図2に示す。また、図3及び図4に実施例1及び比較例1における粒子1個の拡大写真を示す。このTEM写真より明らかなように、実施例1で得られたPt粒子は比較例1で得られたPt粒子よりも粒子径が小さく、またこの粒子の形状も球体に近いものであった。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の方法により得られた白金粒子の大きさを示す、図面に代わるTEM写真である。
【図2】従来の方法により得られた白金粒子の大きさを示す、図面に代わるTEM写真である。
【図3】本発明の方法により得られた白金粒子の形状を示す、図面に代わるTEM写真である。
【図4】従来の方法により得られた白金粒子の形状を示す、図面に代わるTEM写真である。




 

 


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