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水素透過膜、及びこれを用いた燃料電池 - 住友電気工業株式会社
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発明の名称 水素透過膜、及びこれを用いた燃料電池
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−90132(P2007−90132A)
公開日 平成19年4月12日(2007.4.12)
出願番号 特願2005−279140(P2005−279140)
出願日 平成17年9月27日(2005.9.27)
代理人 【識別番号】100078813
【弁理士】
【氏名又は名称】上代 哲司
発明者 水野 修 / 飯島 昌彦
要約 課題
V又はV合金を用いた水素透過性基材、他の5族元素を含む中間層及びPd膜からなる水素透過膜であって、水素透過性基材、中間層及びPd膜間の相互拡散が抑制され、水素透過性の経時的な低下の問題が解決された水素透過膜、及びこの水素透過膜を用い、経時的な劣化の問題が改善された燃料電池を提供する。

解決手段
VまたはV合金を用いた水素透過性基材、Pdを含む水素透過性のPd膜、並びに、前記水素透過性基材及び前記Pd膜間に設けられた中間層からなり、この中間層が、前記水素透過性基材とは異なる5族元素から選ばれる元素を含む5族層を、前記水素透過性基材に接して有し、かつ8族、9族又は10族から選ばれる元素を含み、厚みが1nm以上、100nm以下の鉄族層を、前記Pd膜に接して有することを特徴とする水素透過膜、及びこの水素透過膜を用いた燃料電池。
特許請求の範囲
【請求項1】
VまたはV合金を用いた水素透過性基材、Pdを含む水素透過性のPd膜、並びに、前記水素透過性基材及び前記Pd膜間に設けられた中間層からなり、この中間層が、前記水素透過性基材とは異なる5族元素から選ばれる元素を含む5族層を、前記水素透過性基材に接して有し、かつ8族、9族又は10族から選ばれる元素を含み、厚みが1nm以上、100nm以下の鉄族層を、前記Pd膜に接して有することを特徴とする水素透過膜。
【請求項2】
前記5族層の厚みが、10nm以上、500nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の水素透過膜。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の水素透過膜の前記Pd膜上に、プロトン導電性膜が設けられていることを特徴とする燃料電池。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い水素透過性及び水素選択性を有し、しかも水素透過性の経時的低下が小さい水素透過膜、及びこの水素透過膜を用いた燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
水素透過膜は、水素と他の気体の混合ガスから、水素のみを選択的に透過する水素透過性及び水素選択性を有する膜であり、水素含有ガスからの水素の抽出や、燃料電池等に広く用いられている。
【0003】
水素透過膜としては、水素透過性に優れるバナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)等の5族元素やパラジウム(Pd)を含む膜が種々提案されている。Pdは、水素透過性はV、Nb、Ta等の5族元素より劣るものの、外気の酸素等に対する耐久性に優れ、又燃料電池に用いられる場合に求められる原子状水素を膜表面で生成する能力も優れる。
【0004】
一方、Pdは非常に高価である。また、5族の中でもTaも埋蔵量が少ないことから高価である。NbはVに比較し水素膨張量が大きく、固く割れやすい。そこで、V又はその合金を主体とする水素透過性基材の表面に、Pdの薄膜(被覆層)を蒸着、スパッタリング、めっき等により形成した水素透過膜が提案されている(特開平7−185277号公報(特許文献1)や特開2004−344731号公報(特許文献2)等、)。
【0005】
VやPdの水素透過性は300℃〜600℃で最も高く、この温度領域での水素透過膜の使用が工業的に有利である。しかし、この温度領域で前記の水素透過膜を使用すると、被覆層のPdと、Vが、相互拡散を起こし水素透過性が経時的に低下するとの問題がある。そこで、被覆層と水素透過性基材間に、中間層を介在させた水素透過膜が提案され、特許文献1等に開示されている。
【特許文献1】特開平7−185277号公報
【特許文献2】特開2004−344731号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
中間層の形成により、水素透過性基材と被覆層との相互拡散は抑制される。しかし一方、被覆層のPd膜と中間層との相互拡散が生じる。特に、被覆層のPdの中間層への拡散を防止することは困難であり、水素透過性の経時的に低下するとの問題を、満足される程度まで低減することは困難であった。また、中間層にNiなどを用いると、水素透過性が悪くなる問題もあった。
【0007】
本発明は、V又はその合金を用いた水素透過性基材、他の5族元素を含む中間層及びPd膜(被覆層)からなる水素透過膜であって、水素透過性基材、中間層及びPd膜間の相互拡散が抑制され、水素透過性の経時的な低下の問題が解決された水素透過膜を提供することを課題とする。本発明は、又、この水素透過膜を用い、経時的な劣化の問題が改善された燃料電池を提供することも課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、鋭意検討の結果、中間層のPd膜側に、8族、9族又は10族から選ばれる元素を含む層を設けることにより、前記の問題が解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
本発明は、その請求項1において、VまたはV合金を用いた水素透過性基材、Pdを含む水素透過性のPd膜、並びに、前記水素透過性基材及び前記Pd膜間に設けられた中間層からなり、この中間層が、前記水素透過性基材とは異なる5族元素から選ばれる元素を含む5族層を、前記水素透過性基材に接して有し、かつ8族、9族又は10族から選ばれる元素を含み、厚みが1nm以上、100nm以下の鉄族層を、前記Pd膜に接して有することを特徴とする水素透過膜を提供する。
【0010】
VまたはV合金を用いた水素透過性基材は、長周期表の5族のV単体により構成されてもよいし、Vの合金により構成されてもよい。この合金としては、Vと、Ni、Ti、Co、Cr等との合金が例示される。
【0011】
本発明の水素透過膜の厚みは、通常、10〜500μm程度が好ましい。10μm未満の場合は、膜の強度が不足し膜が破壊する場合がある。一方、500μmを越える場合は、膜の水素透過性が低下する可能性がある。後述のように、水素透過性基材以外の水素透過膜を構成する層の厚みは、水素透過性基材の厚みに比べればはるかに薄いので、水素透過性基材の厚みとしても、通常、10〜500μm程度が好ましい。
【0012】
この水素透過性基材の表面には中間層が形成され、本発明は、この中間層が、水素透過性基材を構成するVとは異なる5族元素から選ばれる元素を含む5族層、及び8族、9族又は10族元素から選ばれる元素を含む鉄族層を有することを特徴とする。この中間層は、これらの層をそれぞれ2層以上有していてもよいが、水素透過性基材に接している層は5族層であり、一方、Pd膜に接している層は8族、9族又は10族元素から選ばれる元素を含む鉄族層であることを特徴とする。
【0013】
5族層を構成する元素は、5族元素から選ばれるが、水素透過性基材を構成するVとは異なる元素である。
【0014】
5族層は、これらの元素の単体により構成されてもよいし、これらの元素の合金により構成されてもよい。この合金としては、Ta又はNbと、Ni、Ti、Co、Cr等との合金が例示される。
【0015】
この5族層は水素透過性の優れるものであり、従って水素透過膜全体の水素透過性を損なうことはない。又この5族層を有することにより、水素透過性基材とPd膜間の相互拡散が抑制される。この水素透過性基材とPd膜間の相互拡散を抑制する効果を、より充分にするためには、5族層の厚み(5族層が複数層からなる場合は、それらの合計の厚み)は10nm以上が好ましい。
【0016】
V又はV合金を用いた水素透過性基材及びこの5族層は、水素透過時に水素化物の生成による水素膨張を生じる場合がある。水素透過性基材及び5族層は、異なった5族元素から形成されているので、水素膨張に差違を生じ、このミスマッチにより膜破損が生じる場合がある。そこで、膜破損をさけるため、5族層の厚み(5族層が片面側で複数層からなる場合は、それらの合計の厚み)は、500nm以下が好ましい。
【0017】
すなわち、5族層の厚みは、10nm以上、500nm以下であることが好ましく、請求項2は、この好ましい態様に該当する水素透過膜を提供するものである。
【0018】
中間層は、前記5族層とともに、8族、9族又は10族元素から選ばれる元素を含む層を有する。この層を、Pd膜側に有することにより、Pd膜と中間層間の相互拡散、特に、膜の好ましい使用温度である300〜600℃の環境下におけるPdの5族層への熱拡散による水素透過性能の経時劣化、及び、5族元素がPd膜の外表面(すなわち、水素透過膜の最表面)へ表出し酸化することによる水素透過性能の経時劣化、を抑制することができる。
【0019】
8族、9族又は10族元素から選ばれる元素としては、Co、Fe、Niが例示される。この層は、これらの元素の単体により構成されてもよいし、これらの元素の合金により構成されてもよい。この合金としては、Fe−Ni、Fe−Coなどが例示される。
【0020】
Pd膜と5族層間の相互拡散を抑制する効果を、充分にするための、8族、9族又は10族元素から選ばれる元素を含む鉄族層の厚み(この層が片面側で複数層からなる場合は、それらの合計の厚み)は1nm以上である。一方、この層の厚み(この層が片面側で複数層からなる場合は、それらの合計の厚み)が100nmを越えると、水素透過性が低下する。すなわち、この層の厚みは、1nm以上、100nm以下である。
【0021】
本発明の水素透過膜を構成するPd膜は、Pdを含み、水素透過性を有する膜である。この膜は、Pd単独からなる膜であってもよいし、Pd−Ag、Pd−PtやPd−Cu等のPd合金の膜であってもよい。
【0022】
Pd膜の厚みは、0.05〜2μm程度が通常好ましい。0.05μm未満の場合は、中間層や水素透過性基材を充分被覆できず、これらを構成する5族元素を含む材質が酸化して劣化する可能性がある。一方、2μmを超えると高価なPd使用量が増えコストアップが問題となる。
【0023】
本発明の水素透過膜は、前記の水素透過性基材上に、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、めっき等により5族層を形成し、5族層上に、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、めっき等により8族、9族又は10族元素から選ばれる元素を含む層を形成し、この層の上に、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、めっき等によりPd膜を形成する方法により製造することができる。
【0024】
後述のように、本発明の水素透過膜を燃料電池に用いる場合、高い起電力を得るためには、Pd膜上にペロブスカイト膜の形成が望まれるが、そのためには、Pd膜がピンホールのない緻密質であることが望まれ、緻密質のPd膜を形成するためには、イオンプレーティングによる形成が好ましい。
【0025】
本発明の水素透過膜は、水素透過性が高く、経時劣化も低いことから、水素含有ガスから水素を抽出する水素抽出器や、水素センサー、燃料電池等に好適に用いることができる。例えば、この水素透過膜のPd膜上にプロトン導電性膜を設けた燃料電池は、優れた起電力を示し、又起電力の経時的な低下もないとの特徴を有する。
【0026】
そこで本発明は、その請求項3において、前記の本発明の水素透過膜のPd膜上にプロトン導電性膜が設けられていることを特徴とする燃料電池を提供する。
【0027】
ここで、プロトン導電性膜とは、その中をプロトン(H、陽子)が伝播する性質を有する固体電解質の膜である。例えば、アルカリ土類金属及びCe、Zr等の金属を含む酸化物からなる膜が挙げられ、特に、化学式A(ここで、Aはアルカリ土類金属、MはCe、Zr等の金属、Lは、3族と13族の元素、xは1〜2程度、y+zは1程度、z/(y+z)は0〜0.8程度)で表わされる酸化物の膜が挙げられる。中でも、ペロブスカイト型の結晶構造を有する酸化物の膜はプロトン導電性が高く、高い起電力が得られるので好ましい。Lで表わされる元素には、ランタノイド系列の元素も含まれ、具体的には、Ga、Al、Y、Yb、In、Nd及びScが例示される。
【0028】
プロトン導電性膜の厚みが20μmを越えると、プロトンの透過性能が低下し電池の出力が低下する等の問題が生じる。一方、膜の厚みは薄いほどプロトン導電性は高いが、厚みが0.1μm未満では、膜欠陥(ピンホール)が多く、水素がイオン化(プロトン化)することなく透過しやすくなり、固体電解質として充分機能しない場合がある。従って、これらの観点から、プロトン導電性膜の厚みとしては、0.1μm〜20μmの範囲が好ましい。さらに、この範囲内で、水素透過膜とのより高い密着力が達成される。
【0029】
本発明の燃料電池は、本発明の水素透過膜上に、前記のようなプロトン導電性膜を形成(成膜)する方法により得ることができる。酸化物プロトン導電性膜を形成する方法としては、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法、レーザーアブレーション法、CVD法等が挙げられ、又ゾルゲル法等ウェットプロセスによる方法(湿式法)も採用可能である。
【0030】
成膜は、400℃以上の温度、酸化性雰囲気で行うことが好ましい。又は、400℃以下で成膜し、その後400℃以上の温度、非酸化性雰囲気での焼成を行う方法が好ましい。このような条件で成膜すると、ペロブスカイト構造となる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の水素透過膜は、V又はV合金を用いた水素透過性基材、他の5族元素を含む中間層及びPd膜からなるが、従来問題であった、水素透過性基材、中間層及びPd膜間の相互拡散が抑制され、300℃〜600℃で使用した場合であっても、水素透過性の経時的低下は小さい。そして、水素透過性が高く、経時的劣化も小さいことから、水素含有ガスから水素を抽出する水素抽出器(水素分離膜)や、水素センサー、燃料電池等に好適に用いることができる。又、この水素透過膜のPd膜上にプロトン導電性膜を設けた本発明の燃料電池は、優れた起電力を示し、又起電力の経時的な低下も小さいとの特徴を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
次に本発明を実施するための形態を、実施例により図を用いて具体的に説明するが、本発明の範囲はこの形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲において、変更も可能である。
【実施例】
【0033】
実施例1
[水素透過膜の形成]
厚さ0.1mmの市販V箔(水素透過性基材)の表面に、真空度2×10−3Pa以下、基板加熱なしの条件で、蒸着法によりTaを被覆し、厚さ0.03μm(30nm)のTa層(5族層)を形成した。引き続いて同様にしてCoを被覆し、厚さ0.03μm(30nm)のCo層(8族、9族又は10族元素から選ばれる元素を含む層、以下Pd側中間層と言う。)を形成し、更に同様にしてPdを被覆し、厚さ0.1μmのPd膜を形成して、水素透過膜を得た。
【0034】
図1は、この水素透過膜の断面を模式的に示した模式断面図である。図に示されるように、Vからなる層の両表面上に、Ta層(5族層)が形成され、両側のTa層のそれぞれの表面上に、Co層(Pd側中間層)が形成され、両側のCo層のそれぞれの表面上に、Pd膜が形成されている。
【0035】
[水素透過性の経時変化の測定]
温度600℃、両側の水素差圧Δが0.4気圧の条件で、得られた水素透過膜のφ10mmの円板を、単位時間当り透過する水素透過量を経時的に測定した。この測定を継続的に行ったところ、膜の劣化により水素透過量は低下していくが、初期の水素透過量より30%低下したのは、開始より1500分後であった。
【0036】
実施例2
Coの代りにNiを用いた以外は、実施例1と同様にして、水素透過膜を製造し、初期の水素透過量より水素透過量が30%低下する迄の時間を求めた。この時間は、開始より1200分後であった。
【0037】
比較例1
実施例1で用いたV箔と同じV箔の表面に、真空度2×10−3Pa以下、基板加熱なしの条件で、蒸着法により、Pdを被覆し厚さ0.1μmのPd膜を形成して、水素透過膜を得た。Ta層及びCo層形成はいずれも行わなかった。得られた水素透過膜を用い、実施例1と同様にして、初期の水素透過量より水素透過量が30%低下する迄の時間を求めた。この時間は、開始より240分後であった。
【0038】
比較例2
実施例1で用いたV箔と同じV箔の表面に、真空度2×10−3Pa以下、基板加熱なしの条件で、蒸着法により、Taを被覆して厚さ0.03μm(30nm)のTa層を得、更にPdを被覆して厚さ0.1μmのPd膜を形成して、水素透過膜を得た。Co層の形成は行わなかった。得られた水素透過膜を用い、実施例1と同様にして、初期の水素透過量より水素透過量が30%低下する迄の時間を求めた。この時間は、開始より900分後であった。
【0039】
以上の、実施例1、2及び比較例1、2の条件及び結果を表1に示す。
【0040】
【表1】


【0041】
中間層を形成しない比較例1の水素透過膜では、水素透過量が、開始時より30%低下する迄の時間は240分であり、水素透過性の経時的な低下が大きい。中間層として5族層(Ta層)のみを有する比較例2の水素透過膜では、この経時的な低下は比較例1よりは低減されているものの、水素透過量が、開始時より30%低下する迄の時間は900分で、未だ不十分であることが、表1の結果より示されている。
【0042】
一方、中間層として5族層、及び8族、9族又は10族元素から選ばれる元素を含む層を、ともに有する本発明例(実施例1、2)では、水素透過量が、開始時より30%低下する迄の時間は1200〜1500分であり、比較例と比べはるかに長く、5族層、及び8族、9族又は10族元素から選ばれる元素を含む層を設けることにより、水素透過性の経時的な低下が大きく抑制されることが示されている。
【0043】
図1の水素透過膜は、V層(水素透過性基材)の両表面に5族層、Pd側中間層及びPd膜を有しているが、水素透過性基材の一方の表面のみに5族層、Pd側中間層及びPd膜を有するものも、本発明の水素透過膜に含まれる。図2は、このような水素透過膜を用いて形成された本発明の燃料電池を表わす模式断面図である。
【0044】
図2に示されるように、V層(水素透過性基材)、Ta層(5族層)、Co層(Pd側中間層)及びPd膜からなる水素透過膜の、Pd膜上に前記説明したようなペロブスカイト構造を有する酸化物からなるプロトン導電性膜が設けられている。さらにプロトン導電性膜の上には酸素電極が設けられている。
【0045】
酸素電極としては、Pd、Pt、Ni、Ruやそれらの合金からなる薄膜電極や、貴金属や酸化物導電体からなる塗布電極や多孔質電極が好ましく例示される。
【0046】
薄膜電極は、Pd、Pt、Ni、Ruやそれらの合金を、酸化物プロトン導電性膜の最上層の上に、スパッタ法、電子ビーム蒸着法、レーザーアブレーション法等により成膜して得ることができる。通常厚みは、0.01〜10μm程度である。
【0047】
塗布電極は、例えばPtペースト、Pdペーストや酸化物導電体ペーストを酸化物プロトン導電性膜の上に塗布し、焼付けることにより形成することができる。塗布厚は通常5〜500μm程度である。
【0048】
図2の例では、水素透過性基材は、金属多孔体基材上に設けられている。金属多孔体基材とは、導電性の金属であって水素の透過が可能な孔を有するものであり、SUS等からなる多孔体基材が例示される。
【0049】
金属多孔体基材の表面に水素透過性基材を設ける方法としては、金属多孔体基材の表面上に、水素透過性基材を構成する5族元素を含む材料を、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法、レーザーアブレーション法により積層する方法が挙げられる。メッキ法等ウェットプロセスによる方法も採用可能である。
【0050】
図2の燃料電池の使用時においては、金属多孔体基材側に接する水素が、金属多孔体基材、水素透過性基材、中間層、Pd膜を透過して、プロトン導電性膜に達し、そこで電子を放出してプロトンになる。このプロトンは、プロトン導電性膜中を透過して酸素電極側に達し、そこで電子を得るとともに酸素電極側にある酸素と結合して水を生成し系外に放出される。金属多孔体基材側及び酸素電極側での電子の授受により起電力を生じ、電池として機能する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の水素透過膜の一例を示す模式断面図である。
【図2】本発明の燃料電池の一例を示す模式断面図である。




 

 


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