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燃料電池用触媒の回収方法とその装置 - トヨタ自動車株式会社
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発明の名称 燃料電池用触媒の回収方法とその装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−83173(P2007−83173A)
公開日 平成19年4月5日(2007.4.5)
出願番号 特願2005−275840(P2005−275840)
出願日 平成17年9月22日(2005.9.22)
代理人 【識別番号】100083091
【弁理士】
【氏名又は名称】田渕 経雄
発明者 谷脇 和宏
要約 課題
触媒または触媒担持担体の回収を確実に行うことができる燃料電池用触媒の回収方法とその装置の提供。

解決手段
(1)燃料電池用触媒を回収する燃料電池用触媒の回収方法であって、触媒51または触媒を担持する担体52の少なくとも一方に磁性材料53を含ませておき、該含ませておいた磁性材料を磁力で吸着することにより触媒を収集する収集工程101を含む燃料電池用触媒の回収方法。
特許請求の範囲
【請求項1】
燃料電池用触媒を回収する燃料電池用触媒の回収方法であって、触媒または触媒を担持する担体の少なくとも一方が磁性材料を含み、該磁性材料を磁力で吸着することにより触媒を収集する収集工程を含む燃料電池用触媒の回収方法。
【請求項2】
前記触媒がPtCoである請求項1記載の燃料電池用触媒の回収方法。
【請求項3】
前記収集工程より後に、収集された触媒を新たな燃料電池の触媒層の材料として再利用する工程を含む請求項1または請求項2記載の燃料電池用触媒の回収方法。
【請求項4】
触媒を含む廃液のラインに前記収集工程を設けた請求項1〜請求項3の何れか一項記載の燃料電池用触媒の回収方法。
【請求項5】
前記収集工程の後に、前記収集工程の収集物から遠心分離により触媒を取り出す遠心分離工程を設けた請求項4記載の燃料電池用触媒の回収方法。
【請求項6】
前記収集工程より前に、前記触媒層を含むMEAを粉砕する粉砕工程を設けた請求項1〜請求項3の何れか一項記載の燃料電池用触媒の回収方法。
【請求項7】
前記収集工程より前で前記粉砕工程の後に、前記MEAの粉砕物を溶媒中に分散させる溶媒中分散工程を設けた請求項6記載の燃料電池用触媒の回収方法。
【請求項8】
前記粉砕工程で粉砕されたMEAの粉砕物を乾燥したままで前記収集工程に送って前記触媒を回収する請求項6記載の燃料電池用触媒の回収方法。
【請求項9】
燃料電池用触媒を回収する燃料電池用触媒の回収装置であって、触媒または触媒を担持する担体の少なくとも一方に含まれる磁性材料を磁力で吸着する収集装置を備えた燃料電池用触媒の回収装置。
【請求項10】
前記収集装置が触媒を含む廃液ラインに設けられており、前記収集装置の後に、前記収集装置の収集物から遠心分離により触媒を取り出す遠心分離装置を設けた請求項9記載の燃料電池用触媒の回収装置。
【請求項11】
前記収集装置により磁性材料を吸着する前に、前記触媒層を粉砕する粉砕装置を備えた請求項9記載の燃料電池用触媒の回収装置。
【請求項12】
前記収集装置により磁性材料を吸着する前で前記粉砕装置により触媒層を粉砕する後に、前記触媒層を含むMEAの粉砕物を溶媒中に分散させる溶媒中分散装置を備えた請求項11記載の燃料電池用触媒の回収装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池用触媒の回収方法とその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特開2004−171921号公報は、燃料電池の膜−電極アッセンブリ(MEA)を溶解し、溶解液から不溶物成分を遠心分離やフィルタにて分離し不溶物成分に含まれる触媒または触媒担持担体を回収する技術を開示している。
【特許文献1】特開2004−171921号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、MEAを形成する前の段階の触媒のインクからだと触媒(Pt)の分離はかろうじてできるが、いったん燃料電池にしたもの(電極まで組み上げたが不良になったもの、評価が終了し不要になったもの、寿命がきたもの)からの触媒の回収の場合のように、電極にしてからだと触媒(Pt)または触媒を担持した触媒担持担体(Pt担持カーボン)をその他(電解質や拡散層)と分離する方法がない、分離しようとすると費用が大きくなる、等により、触媒または触媒担持担体の回収は不可能に近く、触媒または触媒担持担体の回収の確実性が低いという課題があった。
たとえば、Pt担持カーボンと拡散層形成カーボンの質量、サイズがほとんど同じで、遠心分離やフィルタで両者をわけることが困難である。
【0004】
本発明の目的は、触媒または触媒担持担体の回収を確実に行うことができる燃料電池用触媒の回収方法とその装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する、そして上記目的を達成する、本発明は、つぎのとおりである。
(1) 燃料電池用触媒を回収する燃料電池用触媒の回収方法であって、触媒または触媒を担持する担体の少なくとも一方が磁性材料を含み、該磁性材料を磁力で吸着することにより触媒を収集する収集工程を含む燃料電池用触媒の回収方法。
(2) 前記触媒がPtCoである(1)記載の燃料電池用触媒の回収方法。
(3) 前記収集工程より後に、収集された触媒を新たな燃料電池の触媒層の材料として再利用する工程を含む(1)または(2)記載の燃料電池用触媒の回収方法。
(4) 触媒を含む廃液のラインに前記収集工程を設けた(1)〜(3)の何れかに記載の燃料電池用触媒の回収方法。
(5) 前記収集工程の後に、前記収集工程の収集物から遠心分離により触媒を取り出す遠心分離工程を設けた(4)記載の燃料電池用触媒の回収方法。
(6) 前記収集工程より前に、前記触媒層を含むMEAを粉砕する粉砕工程を設けた(1)〜(3)の何れかに記載の燃料電池用触媒の回収方法。
(7) 前記収集工程より前で前記粉砕工程の後に、前記MEAの粉砕物を溶媒中に分散させる溶媒中分散工程を設けた(6)記載の燃料電池用触媒の回収方法。
(8) 前記粉砕工程で粉砕されたMEAの粉砕物を乾燥したままで前記収集工程に送って前記触媒を回収する(6)記載の燃料電池用触媒の回収方法。
(9) 燃料電池用触媒を回収する燃料電池用触媒の回収装置であって、触媒または触媒を担持する担体の少なくとも一方に含まれる磁性材料を磁力で吸着する収集装置を備えた燃料電池用触媒の回収装置。
(10) 前記収集装置が触媒を含む廃液ラインに設けられており、前記収集装置の後に、前記収集装置の収集物から遠心分離により触媒を取り出す遠心分離装置を設けた(9)記載の燃料電池用触媒の回収装置。
(11) 前記収集装置により磁性材料を吸着する前に、前記触媒層を粉砕する粉砕装置を備えた(9)記載の燃料電池用触媒の回収装置。
(12) 前記収集装置により磁性材料を吸着する前で前記粉砕装置により触媒層を粉砕する後に、前記触媒層を含むMEAの粉砕物を溶媒中に分散させる溶媒中分散装置を備えた(11)記載の燃料電池用触媒の回収装置。
【発明の効果】
【0006】
上記(1)の燃料電池用触媒の回収方法によれば、触媒または触媒を担持する担体の少なくとも一方が磁性材料を含み、収集工程で、この磁性材料を磁力で吸着することにより触媒を収集するので、触媒のみの回収(触媒と拡散層との分離、および、触媒のみの吸着、収集)が容易、かつ、確実となる。
上記(2)の燃料電池用触媒の回収方法によれば、触媒がPtCo(PtとCoの合金)であるので、Coが磁性材料を構成し、磁力による触媒吸着を可能にする。従来のPtのみの触媒の場合は、Ptが非磁性材料のため、磁力による触媒吸着は不可能である。
上記(3)の燃料電池用触媒の回収方法によれば、収集工程より後に、収集された触媒を新たな燃料電池の触媒層の材料として再利用する工程を含むので、回収された触媒をリサイクルすることができる。また、この回収された触媒を再利用した燃料電池用触媒は、上記(3)の方法の実施の範囲に含まれる。
上記(4)の燃料電池用触媒の回収方法によれば、触媒を含む廃液のラインに収集工程を設けたので、触媒インクの廃液から触媒を回収することができる。
上記(5)の燃料電池用触媒の回収方法によれば、収集工程の収集物から遠心分離により触媒を取り出す遠心分離工程を設けたので、収集物に付着して残っていた廃液を触媒から分離でき、触媒のみを取り出すことができる。
上記(6)の燃料電池用触媒の回収方法によれば、収集工程より前に、触媒層を粉砕する粉砕工程を含むので、粉砕工程で、拡散層や電解質膜も粉砕されて微小片となり、磁性材料を含む触媒または触媒を担持する担体と、磁性材料を含まない拡散層や電解質膜の微小片との、磁力吸着による分離が(粉砕工程を経ない場合に比べて)より一層確実に行われ、触媒または触媒担持担体の回収を(粉砕工程を経ない場合に比べて)より一層確実に行うことができる。
上記(7)の燃料電池用触媒の回収方法によれば、収集工程より前で前記粉砕工程の後に、前記触媒層の粉砕物を溶媒中に分散させる溶媒中分散工程を含むので、粉砕物中の電解質膜の微小片は溶媒に溶け、不溶物である磁性材料を含む触媒または触媒を担持する担体と、磁性材料を含まない電解質膜との、磁力吸着による分離が(溶媒中分散工程を経ない場合に比べて)より一層確実に行われ、触媒または触媒担持担体の回収を(溶媒中分散工程を経ない場合に比べて)より一層確実に行うことができる。
上記(8)の燃料電池用触媒の回収方法によれば、粉砕工程で粉砕されたMEAの粉砕物を乾燥したままで収集工程に送って触媒を回収するので、触媒から溶媒の分離が不要となり、上記(7)に比べて工程数を低減することができる。
上記(9)の燃料電池用触媒の回収装置によれば、触媒または触媒を担持する担体の少なくとも一方が磁性材料を含み、その磁性材料を収集装置の磁力で吸着することにより、触媒のみの回収(触媒と拡散層との分離、および、触媒のみの吸着)が容易、かつ、確実となる。
上記(10)の燃料電池用触媒の回収装置によれば、収集装置が触媒を含む廃液ラインに設けられており、収集装置の後に、収集装置の収集物から遠心分離により触媒を取り出す遠心分離装置を設けたので、収集物に付着して残っていた廃液を触媒から分離でき、触媒のみを取り出すことができる。
上記(11)の燃料電池用触媒の回収装置によれば、収集装置により磁性材料を吸着する前に、触媒層を粉砕する粉砕装置を備えているので、粉砕装置で、拡散層や電解質膜も粉砕されて微小片となり、磁性材料を含む触媒または触媒を担持する担体と、磁性材料を含まない拡散層や電解質膜の微小片との、磁力吸着による分離が(粉砕工程を経ない場合に比べて)より一層確実に行われ、触媒または触媒担持担体の回収を(粉砕工程を経ない場合に比べて)より一層確実に行うことができる。
上記(12)の燃料電池用触媒の回収装置によれば、収集装置により磁性材料を吸着する前で粉砕装置により触媒層を粉砕する後に、触媒層の粉砕物を溶媒中に分散させる溶媒中分散装置を備えているので、粉砕物中の電解質膜の微小片は溶媒に溶け、不溶物である磁性材料を含む触媒または触媒を担持する担体と、磁性材料を含まない電解質膜との、磁力吸着による分離が(溶媒中分散工程を経ない場合に比べて)より一層確実に行われ、触媒または触媒担持担体の回収を(溶媒中分散工程を経ない場合に比べて)より一層確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に、本発明の燃料電池用触媒の回収方法、および本発明の燃料電池用触媒の回収方法により回収された触媒を含む燃料電池、および本発明の燃料電池用触媒の回収装置を、図1〜図5を参照して説明する。
図1は本発明の実施例1を示しており、図2は本発明の実施例2を示している。図3〜図6は何れの実施例にも適用可能である。本発明の実施例1、2に共通な構成部分には、本発明の実施例1、2にわたって同符号を付してある。
まず、本発明の全実施例に共通な構成部分とその作用、効果を図1、図3〜図5を参照して説明する。
【0008】
本発明の燃料電池用触媒の回収方法とその装置が適用される燃料電池10は、たとえば固体高分子電解質型燃料電池である。燃料電池10は、たとえば家庭用などの定置型の燃料電池、または燃料電池自動車に搭載される移動型の燃料電池である。
固体高分子電解質型燃料電池(セル)10は、図4〜図6に示すように、膜−電極アッセンブリ(MEA:Membrane-Electrode Assembly )19とセパレータ18との積層体からなる。
膜−電極アッセンブリは、イオン交換膜からなる電解質膜11とこの電解質膜の一面に配置された触媒層からなる電極(アノード、燃料極)14および電解質膜の他面に配置された触媒層からなる電極(カソード、空気極)17とからなる。膜−電極アッセンブリとセパレータ18との間には、アノード側、カソード側にそれぞれガス拡散用の拡散層13、16が設けられる。
電極14、17を構成する触媒層は、触媒51と触媒51を担持する担体(通常、カーボン粒子、カーボン繊維)52と、電解質(電解質膜11を構成する材料と同種の材料)と、を含む。電極材料の電解質膜11への塗布時には、有機溶媒(たとえば、エタノール)や水に混ぜて塗布するので、液の状態にある。
膜−電極アッセンブリとセパレータ18を重ねてセルモジュール(1セルモジュールの場合は、セル10はセルモジュールと同じになる)を構成し、セルモジュールを積層してセル積層体とし、セル積層体のセル積層方向両端に、ターミナル20、インシュレータ21、エンドプレート22を配置し、両端のエンドプレート22をセル積層体の外側でセル積層方向に延びる締結部材(たとえば、テンションプレート24)にボルト・ナット25にて固定し、燃料電池スタック23を構成する。一端のエンドプレートに設けた調整ネジにてその内側に設けたバネを介してセル積層体にセル積層方向の締結荷重をかける。
【0009】
セパレータ18は、カーボンセパレータ、メタルセパレータ、導電性樹脂セパレータ、メタルセパレータと樹脂フレームとの組合せ、等の何れかからなる。
セパレータ18には、発電領域において、アノード14に燃料ガス(水素)を供給するための燃料ガス流路27が形成され、カソード17に酸化ガス(酸素、通常は空気)を供給するための酸化ガス流路28が形成されている。また、セパレータ18には冷媒(通常、冷却水)を流すための冷媒流路26も形成されている。セパレータ18には、非発電領域において、燃料ガスマニホールド30、酸化ガスマニホールド31、冷媒マニホールド29が形成されている。燃料ガスマニホールド30は燃料ガス流路27と連通しており、酸化ガスマニホールド31は酸化ガス流路28と連通しており、冷媒マニホールド29は冷媒流路26と連通している。
燃料ガス、酸化ガス、冷媒は、セル内において互いにシールされている。各セルモジュールのMEA19を挟む2つのセパレータ18間は、第1のシール部材(たとえば、接着剤)33によってシールされており、隣接するセルモジュール同士の間は、第2のシール部材(たとえば、ガスケット)32によってシールされている。ただし、第1のシール部材33がガスケットで形成されてもよいし、第2のシール部材32が接着剤で形成されてもよい。
【0010】
各セル10の、アノード14側では、水素を水素イオン(プロトン)と電子に変換する電離反応が行われ、水素イオンは電解質膜11中をカソード17側に移動し、カソード17側では酸素と水素イオンおよび電子(隣りのMEAのアノードで生成した電子がセパレータを通してくる、またはセル積層方向一端のセルのアノードで生成した電子が外部回路を通して他端のセルのカソードにくる)から水が生成され、次式にしたがって発電が行われる。
アノード側:H2 →2H+ +2e-
カソード側:2H+ +2e- +(1/2)O2 →H2
【0011】
燃料電池の電極14、17を構成する触媒層は、触媒51を含み、触媒51は通常、貴金属(たとえば、Ptを含む)で高価なため、
(イ)触媒インク塗布時に塗布装置の配管中に存在して廃液とされる中に含まれる触媒51や、
(ロ)いったん燃料電池にしたもの(電極まで組み上げたが不良になったもの、評価が終了し不要になったもの、寿命がきたもの)に含まれている触媒51は、
回収されて、新たに製造される燃料電池用触媒に再利用(リサイクル)することが望まれる。
【0012】
触媒51を回収するために、本発明の燃料電池用触媒51を回収する燃料電池用触媒の回収方法は、触媒51または触媒を担持する担体52の少なくとも一方が磁性材料53を含み、該磁性材料53を磁力で吸着することにより触媒を収集する収集工程101を含む。
また、本発明は、本発明の燃料電池用触媒の回収方法により回収した触媒51を含む燃料電池10を含む。
【0013】
触媒51は、たとえば、PtCo(白金コバルト合金)である。Pt(白金)は非磁性材料であるが、Co(コバルト)は磁性材料53である。Coは、Ptの活性を高めて、必要なPt量を低減するとともに、PtCo合金を磁力で吸着可能とする。Coが磁石に吸着するため、Coと一体のPtもCoとともに収集される。
従来は、通常、触媒はPtのみのため、磁石による吸着では、Ptが磁石に吸着しないので、Ptを回収することができない。
収集工程101より後に、収集工程で収集された触媒を新たな燃料電池の触媒層の材料として再利用する工程103を含む。PtCo合金の形態で再利用するために、収集した後にPtとCoとを分離する必要はない。
【0014】
上記の燃料電池用触媒の回収方法の実施に直接使用する本発明の燃料電池用触媒を回収する燃料電池用触媒の回収装置は、触媒51または触媒51を担持する担体52の少なくとも一方が含む磁性材料53を磁力で吸着する収集装置54を備えている。収集装置54は、たとえば、磁石(電磁石である場合を含む)である。
【0015】
上記の燃料電池用触媒の回収方法の作用・効果については、触媒51または触媒51を担持する担体52の少なくとも一方が磁性材料53を含み、収集工程101で、この磁性材料53を磁力で吸着することにより触媒51を収集するので、触媒51と拡散層との分離、および、触媒51のみの吸着、収集が容易、かつ、確実となる。
また、触媒51がPtCo(PtとCoの合金)である場合は、Coが磁性材料53を構成し、磁力による触媒吸着を可能にする。従来のようなPtのみの触媒の場合は、Ptが非磁性材料のため、磁力による触媒吸着は不可能である。
また、触媒51の収集工程より後に、収集された触媒51(磁性材料53を含む)を新たな燃料電池の触媒層の材料として再利用する工程103を含む場合は、回収された触媒51をリサイクルすることができる。また、この回収された触媒51を再利用した燃料電池用触媒は、本発明の方法の実施の範囲に含まれる。
【0016】
上記の燃料電池用触媒の回収装置の作用・効果については、触媒51または触媒51を担持する担体52の少なくとも一方が磁性材料53を含み、その磁性材料53を収集装置(たとえば、磁石)54の磁力で吸着することにより、触媒51のみの回収(触媒51と拡散層との分離、および、触媒51のみの吸着)が容易、かつ、確実となる。
【0017】
つぎに、本発明の各実施例の燃料電池用触媒の回収方法とその装置に特有な構成、作用・効果を説明する。
〔実施例1〕−−−図1、図3
本発明の実施例1の燃料電池用触媒の回収方法は、触媒インクをMEAに塗布する燃料電池製造ラインからのインク含有廃液から触媒51を回収する方法に係る。
本発明の実施例1の燃料電池用触媒の回収方法では、触媒51を含む廃液のライン55(触媒塗布ラインと廃液を一時貯蔵するタンク56とを接続するライン)に触媒51が含んでいる磁性材料53を磁力により吸着して触媒51を収集する収集工程101が設けられている。この廃液ライン55には、MEA製造工程の触媒塗布ラインの触媒インク(余剰分または塗布停止時の配管内の残存液)がそのまま流され、触媒インク中の触媒51を含む。
【0018】
また、収集工程101の後に、かつ、リサイクル工程103の前に、収集工程の収集物(触媒51やそれに付着している廃液を含む)から遠心分離により触媒51を選択的に取り出す遠心分離工程102が設けられている。取り出された触媒51はリサイクル工程103に送られる。
【0019】
本発明の実施例1の燃料電池用触媒の回収装置では、収集装置54が触媒を含む廃液ライン55に設けられており、収集装置54の後に、収集装置54が収集した収集物(触媒51やそれに付着している廃液を含む)から遠心分離により触媒51を取り出す遠心分離装置57が設けられている。
図1は遠心分離装置57により試験管58を回転すると、触媒51を含む質量が大の部分が遠心力が大きい、回転半径が大きい部分59に集まり、つぎに質量が大きい液の部分が部分59より回転半径が小さい部分60に集まり、空気の部分が回転半径が最も小さい部分61に集まる状態を概念的に示している。
【0020】
本発明の実施例1の燃料電池用触媒の回収方法の作用・効果については、触媒51を含む廃液のライン55に収集工程101を設けたので、MEA製造に使用する触媒インクの廃液から触媒51を回収することができる。
また、本発明の実施例1の燃料電池用触媒の回収方法において、収集工程の収集物(触媒51やそれに付着している廃液を含む)から遠心分離により触媒51を取り出す遠心分離工程102を設けたので、収集物に付着して残っていた廃液を触媒51から分離でき、磁性材料53が一体の触媒51を選択的に取り出すことができる。
【0021】
本発明の実施例1の燃料電池用触媒の回収装置の作用・効果については、収集装置(たとえば、磁石)54が触媒51を含む廃液ライン55に設けられており、収集装置54の後に、収集装置54の収集物から遠心分離により触媒を取り出す遠心分離装置57を設けたので、収集物に付着して残っていた廃液を触媒51から分離でき、触媒51のみを取り出すことができる。
【0022】
〔実施例2〕−−−図2、図3
本発明の実施例2の燃料電池用触媒の回収方法は、いったん燃料電池にしたもの(電極まで組み上げたが不良になったもの、評価が終了し不要になったもの、寿命がきたもの)に含まれている触媒51を回収する方法に係る。図2の工程200では、いったん燃料電池にしたものが触媒回収材料として供給される。
本発明の実施例2の燃料電池用触媒の回収方法では、収集工程101より前に、触媒層を含むMEA19を粉砕する粉砕工程201が設けられている。
本発明の実施例2の燃料電池用触媒の回収方法では、
(イ)収集工程101より前で粉砕工程201の後に、MEAの粉砕物を溶媒62中に分散させる溶媒中分散工程202が設けられるか、または、
(ロ)粉砕工程201で粉砕されたMEAの粉砕物を乾燥したままで収集工程101に送って触媒51を回収する。
上記(イ)の場合には、収集工程101の後に、実施例1と同様に、遠心分離工程102、リサイクル工程103が順に設けられてもよい。
上記(ロ)の場合には、収集工程101の後に、リサイクル工程103が設けられてもよい。
【0023】
本発明の実施例2の上記(イ)、(ロ)の方法を実施する燃料電池用触媒の回収装置は、収集装置54により磁性材料53を吸着する前に、触媒層を含むMEA19を粉砕する粉砕装置63を備えている。
また、本発明の実施例2の上記(イ)の方法を実施する燃料電池用触媒の回収装置は、収集装置54により磁性材料53を吸着する前で粉砕装置63により触媒層を含むMEAを粉砕する後に、触媒層を含むMEAの粉砕物を溶媒62中に分散させる溶媒中分散装置64を備えている。
【0024】
本発明の実施例2の上記(イ)、(ロ)の燃料電池用触媒の回収方法の作用・効果については、収集工程101より前に、触媒層を粉砕する粉砕工程201を含むので、粉砕工程201で、拡散層13、16や電解質膜11も粉砕されて微小片となり、磁性材料53を含む触媒51または触媒を担持する担体52と、磁性材料を含まない拡散層13、16や電解質膜11の微小片との、磁力吸着による分離が(粉砕工程を経ない場合に比べて)より一層確実に行われ、触媒51または触媒担持担体52の回収を(粉砕工程を経ない場合に比べて)より一層確実に行うことができる。
【0025】
また、上記(イ)の方法のように、収集工程101より前で粉砕工程201の後に、触媒層の粉砕物を溶媒中に分散させる溶媒中分散工程202を設けた場合は、粉砕物中の電解質膜11の微小片は溶媒62に溶け、不溶物である磁性材料53を含む触媒51または触媒を担持する担体52と、磁性材料を含まない電解質膜11との、磁力吸着による分離が(溶媒中分散工程を経ない場合に比べて)より一層確実に行われ、触媒51または触媒を担持する担体52の回収を(溶媒中分散工程を経ない場合に比べて)より一層確実に行うことができる。
【0026】
また、上記(ロ)の方法のように、粉砕工程201で粉砕されたMEAの粉砕物を乾燥したままで収集工程101に送って触媒51を回収する場合は、触媒51から溶媒の分離が不要となり、溶媒中分散工程202を経る場合に比べて工程数を低減することができる。
【0027】
本発明の実施例2の上記(イ)、(ロ)の方法を実施する燃料電池用触媒の回収装置の作用・効果については、収集装置54により磁性材料を吸着する前に、触媒層を含むMEA19を粉砕する粉砕装置63を備えているので、粉砕装置63で、拡散層13、16や電解質膜11も粉砕されて微小片となり、磁性材料53を含む触媒51または触媒を担持する担体52と、磁性材料を含まない拡散層や電解質膜の微小片との、磁力吸着による分離が(粉砕工程を経ない場合に比べて)より一層確実に行われ、触媒51または触媒を担持する担体52の回収を(粉砕工程を経ない場合に比べて)より一層確実に行うことができる。
【0028】
また、上記(イ)の方法を実施する回収装置のように、収集装置54により磁性材料53を吸着する前で粉砕装置63により触媒層を粉砕する後に、触媒層の粉砕物を溶媒中に分散させる溶媒中分散装置64を設けた場合は、粉砕物中の電解質膜11の微小片は溶媒62に溶け、不溶物である磁性材料53を含む触媒51または触媒を担持する担体52と、磁性材料を含まない電解質膜との、磁力吸着による分離が(溶媒中分散工程を経ない場合に比べて)より一層確実に行われ、触媒51または触媒担持担体52の回収を(溶媒中分散工程64を経ない場合に比べて)より一層確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施例1の燃料電池用触媒の回収方法とその装置の工程図である。
【図2】本発明の実施例2の燃料電池用触媒の回収方法とその装置の工程図である。
【図3】触媒と触媒を担持する担体とからなる、1個の触媒担持粒子の拡大断面図である。
【図4】本発明の燃料電池用触媒の回収方法により、またはその方法を直接実施する装置により、回収された触媒が再利用されて製造された燃料電池の側面図である。
【図5】図4の燃料電池の一部の拡大断面図である。
【図6】図4の燃料電池のセルの正面図である。
【符号の説明】
【0030】
10 (固体高分子電解質型)燃料電池
11 電解質膜
13、16 拡散層
14 アノード
17 カソード
18 セパレータ
19 MEA(膜−電極アッセンブリ)
20 ターミナル
21 インシュレータ
22 エンドプレート
23 燃料電池スタック
24 締結部材(テンションプレート)
25 ボルト・ナット
26 冷媒流路(流体流路)
27 燃料ガス流路(流体流路)
28 酸化ガス流路(流体流路)
29 冷媒マニホールド(流体マニホールド)
30 燃料ガスマニホールド(流体マニホールド)
31 酸化ガスマニホールド(流体マニホールド)
32 ガスケット
33 接着剤
51 触媒
52 担体
53 磁性材料
54 収集装置
55 廃液のライン
56 廃液貯留タンク
57 遠心分離装置
58 試験管
59 回転半径が大きい部分
60 部分59より回転半径が小さい部分
61 回転半径が最も小さい部分
62 溶媒
63 粉砕装置
64 溶媒中分散装置
101 収集工程
102 遠心分離工程
103 リサイクル工程
200 触媒回収材料供給工程
201 粉砕工程
202 溶媒中分散工程




 

 


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