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発明の名称 滑り検出装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−75925(P2007−75925A)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
出願番号 特願2005−264367(P2005−264367)
出願日 平成17年9月12日(2005.9.12)
代理人 【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
発明者 張 暁友
要約 課題
把持部における滑りを精度良く検出すること。

解決手段
物体を把持する把持部と物体との接触面の圧力に基づいて、接触面の滑りを検出する滑り検出装置1は、接触面の圧力分布を算出する圧力分布算出手段5aと、圧力分布算出手段5aにより算出された圧力分布に基づいて、圧力分布の中心Oを算出する圧力中心算出手段5bと、圧力中心算出手段5bにより算出された圧力分布の中心Oにおける振動パワーを含む滑り判定関数に基づいて、接触面における滑りが発生したか否かを判定する滑り判定手段5cと、を備えている。
特許請求の範囲
【請求項1】
物体を把持する把持部と前記物体との接触面の圧力に基づいて、前記接触面の滑りを検出する滑り検出装置であって、
前記接触面の圧力分布を算出する圧力分布算出手段と、
前記圧力分布算出手段により算出された前記圧力分布に基づいて、該圧力分布の中心を算出する圧力中心算出手段と、
前記圧力中心算出手段により算出された前記圧力分布の中心における振動パワーを含む滑り判定関数に基づいて、前記接触面における滑りが発生したか否かを判定する滑り判定手段と、を備えることを特徴とする滑り検出装置。
【請求項2】
請求項1記載の滑り検出装置であって、
前記滑り判定関数は、多重サンプル平均処理を含むことを特徴とする滑り検出装置。
【請求項3】
請求項1記載の滑り検出装置であって、
前記滑り判定関数は、前記接触面の圧力を変数とする重み関数を含むことを特徴とする滑り検出装置。
【請求項4】
物体を把持する際に、把持部と前記物体との接触面の圧力に基づいて、前記接触面の滑りを検出する滑り検出方法であって、
前記接触面の圧力分布を算出する圧力分布算出ステップと、
前記圧力分布算出ステップにより算出された前記圧力分布に基づいて、該圧力分布の中心を算出する圧力中心算出ステップと、
前記圧力中心算出ステップにより算出された前記圧力分布の中心における振動パワーを含む滑り判定関数に基づいて、前記接触面における滑りが発生したか否かを判定する滑り判定ステップと、を備えることを特徴とする滑り検出方法。
【請求項5】
物体を把持するハンド部材と、
前記ハンド部材の把持力を制御する把持制御手段と、を備えるロボットハンド装置であって、
前記ハンド部材と前記物体との接触面における圧力分布を算出する圧力分布算出手段と、
前記圧力分布算出手段により算出された前記圧力分布に基づいて、該圧力分布の中心を算出する圧力中心算出手段と、
前記圧力中心算出手段により算出された前記圧力分布の中心における振動パワーを含む滑り判定関数に基づいて、前記接触面における滑りが発生したか否かを判定する滑り判定手段と、を備え、
前記滑り判定手段により前記滑りが発生したと判定されたとき、前記把持制御手段は、前記ハンド部材の把持力を増加させることを特徴とするロボットハンド装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば物体を把持する際に把持部と物体との間の滑りを検出する滑り検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、接触子の膨出部と、この膨出部に接触する物体との間に生じるせん断振動が圧力センサに伝達され、そのせん断振動の交流成分を検出する滑り検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特公平7−90486号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の滑り検出装置において、圧力センサにより検出された圧力信号に対し、リアルタイムで高速フーリエ変換を行うことで、上記交流成分の検出が行われている。又は、特定のカットオフ周波数を有する帯域通過フィルタを用いて、上記交流成分の検出が行われている。
【0004】
前者のように、リアルタイムで高速フーリエ変換を行った場合、演算量が多大となることから遅延が生じ、リアルタイムの把持制御が困難となる。一方、後者のように、特定のカットオフ周波数を有する帯域通過フィルタを用いた場合、演算時間が短縮されるが、滑りに起因する振動成分の周波数が未知となることから、帯域通過フィルタのカットオフ周波数を事前に最適な値に設定することが困難となる。また、滑り発生時に生じる圧力変動の交流成分は、小さい傾向があり、ノイズが混在し、さらに周波数が複数存在するため、圧力変動の交流成分を検出するのは困難となる。したがって、滑りに起因する振動成分の振幅に基づいて、滑り判定が行われた場合、その判定の信頼性は低くなる虞がある。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、把持部における滑りを精度良く検出することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明の一態様は、
物体を把持する把持部と前記物体との接触面の圧力に基づいて、前記接触面の滑りを検出する滑り検出装置であって、
前記接触面の圧力分布を算出する圧力分布算出手段と、
前記圧力分布算出手段により算出された前記圧力分布に基づいて、該圧力分布の中心を算出する圧力中心算出手段と、
前記圧力中心算出手段により算出された前記圧力分布の中心における振動パワーを含む滑り判定関数に基づいて、前記接触面における滑りが発生したか否かを判定する滑り判定手段と、を備えることを特徴とする滑り検出装置である。
【0007】
この一態様によれば、滑り判定手段は、圧力中心算出手段により算出された圧力分布の中心における振動パワーを含む滑り判定関数に基づいて、接触面における滑りが発生したか否かを判定する。これにより、把持部の接触面における滑りを精度よく検出することができる。また、把持部の接触面における滑りを高速に検出できることから、リアルタイムの把持制御が可能となる。
【0008】
また、この一態様において、前記滑り判定関数は、多重サンプル平均処理を含んでいるのが好ましい。これにより、ノイズの影響を低減することができ、把持部の接触面における滑りをより高精度に検出できる。
【0009】
さらに、この一態様において、前記滑り判定関数は、前記接触面の圧力を変数とする重み関数を含むのが好ましい。これにより、異なるハンド把持力において、把持部の接触面における滑りを同様な閾値で検出できる。
【0010】
なお、上記目的を達成するための本発明の一態様は、
物体を把持する把持部と前記物体との接触面の圧力に基づいて、前記接触面の滑りを検出する滑り検出方法であって、
前記接触面の圧力分布を算出する圧力分布算出ステップと、
前記圧力分布算出ステップにより算出された前記圧力分布に基づいて、該圧力分布の中心を算出する圧力中心算出ステップと、
前記圧力中心算出ステップにより算出された前記圧力分布の中心における振動パワーを含む滑り判定関数に基づいて、前記接触面における滑りが発生したか否かを判定する滑り判定ステップと、を備えることを特徴とする滑り検出方法であってもよい。
【0011】
また、上記目的を達成するための本発明の一態様は、
物体を把持するハンド部材と、
前記ハンド部材の把持力を制御する把持制御手段と、を備えるロボットハンド装置であって、
前記ハンド部材と前記物体との接触面における圧力分布を算出する圧力分布算出手段と、
前記圧力分布算出手段により算出された前記圧力分布に基づいて、該圧力分布の中心を算出する圧力中心算出手段と、
前記圧力中心算出手段により算出された前記圧力分布の中心における振動パワーを含む滑り判定関数に基づいて、前記接触面における滑りが発生したか否かを判定する滑り判定手段と、を備え、
前記滑り判定手段により前記滑りが発生したと判定されたとき、前記把持制御手段は、前記ハンド部材の把持力を増加させることを特徴とするロボットハンド装置であってもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、把持部における滑りを精度良く検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。なお、ロボットハンド装置等の基本概念、主要なハードウェア構成、作動原理、及び基本的な制御手法等については当業者には既知であるため、詳しい説明を省略する。
【0014】
図1は、本発明の一実施例に係る滑り検出装置のシステム構成を示すブロック図である。本実施例に係る滑り検出装置1は、例えばロボットハンド等が対象物体を把持する際に、把持部の指先部等と対象物体との接触面における滑りを検出する。
【0015】
把持部の指先部7の接触面7aには、接触面7aに掛かる圧力を検出する複数の圧力センサセル3aを有する圧力センサ3が配設されている(図2(a))。また、圧力センサ3には、圧力センサ3により検出された圧力に基づいて、指先部7の接触面7aの圧力分布を算出する圧力分布算出手段5aが接続されている。
【0016】
圧力分布算出手段5aには、圧力分布算出手段5aにより算出された指先部7の圧力分布に基づいて、指先部7の圧力分布の中心Oを算出する圧力中心算出手段5bが接続されている。圧力中心算出手段5bには、対象物体と指先部7との接触面7aにおいて滑りが発生したか否かの判定を行う滑り判定手段5cが接続されている。
【0017】
滑り判定手段5cは、圧力中心算出手段5bにより算出された指先部7の圧力分布の中心Oにおける振動パワー〔O(j)〕を含む滑り判定関数に基づいて、対象物体と指先部7との接触面7aにおいて滑りが発生したか否かの判定を行う。
【0018】
なお、上記圧力分布算出手段5a、圧力中心算出手段5b、および滑り判定手段5cは、滑り検出ECU(Electronic Control Unit、電子制御装置)5のROM(Read Only Memory)に格納され、CPU(Central Processing Unit)によって実行されるプログラムによって、実現されている。
【0019】
また、滑り検出ECU5は、マイクロコンピュータから構成されており、制御、演算プログラムに従って各種処理を実行するとともに、当該装置の各部を制御する上記CPU、このCPUの実行プログラムを格納する上記ROM、演算結果等を格納する読書き可能なRAM(Random Access Memory)、タイマ、カウンタ、入出力インターフェイス等を有している。また、タイマ、およびカウンタはROMに格納され、CPUによって実行されるプログラムによって実現されている。
【0020】
把持部の指先部7の接触面7aには、複数の圧力センサセル3aを有する圧力センサ3が配設されている。圧力センサセル3aは、例えば縦4mm、横4mmの大きさで矩形に形成されたセルが指先部7の曲面(図2(a))に沿って、27個、配設されている(図2(b))。また、圧力センサセル3aは、コンデンサ型、圧電素子型(ピエゾ素子)等のセンサが用いられている。
【0021】
なお、コンデンサ型の圧力センサセル3aは一対の電極を有し、センサに加わった圧力に応じて、この電極間の隙間が縮められ、静電容量が変化する。コンデンサ型の圧力センサセル3aは、この静電容量の変化に応じて、電圧値を出力するものである。このように、複数の圧力センサセル3aは、圧力に応じた電圧値を滑り検出ECU5の圧力分布算出手段5aに送信する。
【0022】
圧力分布算出手段5aは、各圧力センサセル3aから送信された電圧値に基づいて、指先部7の接触面7aにおける圧力分布を算出する。例えば、図3(a)に示す如く、指先部が対象物体に接触しているときの圧力分布は、図3(b)のようになる。
【0023】
なお、図3(b)は、圧力分布の概念図であり、X軸およびY軸は各圧力センサセル3aの位置を示し、図3(a)の位置と対応している。また、図3(b)において、Z軸は各圧力センサセル3が出力する電圧値(圧力値)を示している。圧力分布算出手段5aは、算出した指先部7の接触面7aにおける圧力分布を圧力中心算出手段5bに送信する。
【0024】
圧力中心算出手段5bは、圧力分布算出手段5aにより算出された指先部7の接触面7aおける圧力分布に基づいて、当該圧力分布の中心Oを算出する(図3(b))。
【0025】
まず、圧力中心算出手段5bは、下記(1)式によりXc及びYcを算出する。次に、圧力中心算出手段5bは、下記(1)式により算出されたXc及びYcを下記(2)式に代入して、圧力分布の中心Oを算出する。
【0026】
【数1】


なお、上記(1)式において、i及びjは任意の自然数を示しており、v(i、j)は、X方向がi、Y方向がjに対応する位置の電圧値の大きさを示している。
【0027】
【数2】


圧力中心算出手段5bは、上記(1)式及び(2)式により算出した圧力分布の中心Oを、滑り判定手段5cに送信する。
【0028】
滑り判定手段5cは、圧力中心算出手段5bにより算出された圧力分布の中心Oにおける振動パワー〔O(j)〕と、予め設定された重み関数Gと、を含む下記(3)式に示す滑り判定関数により後述する滑り判定を行う。
【0029】
【数3】


上記(3)式において、i及びjは任意の自然数を示し、kは予め設定された定数である。また、上記(3)式の重み関数において、vは、各圧力センサセル3aから出力された出力値(電圧値)の総和を示している。なお、上記(3)式は、複数の振動パワーを加算し、平均化処理等を行う多重サンプリング平均処理を含んでいる。これにより、上記(3)式におけるノイズの影響を低減することができる。
【0030】
滑り判定手段5cは、上記(3)式により算出されたPow(i)値が所定閾値以上となったときに、対象物体と指先部7との接触面7aにおいて滑りが発生したと判定する。なお、所定閾値は、予め実験的に求められた最適値が滑り検出ECU5のROMに設定されている。
【0031】
ところで、上記(3)式において、ロボットハンドの把持力の増減に起因して発生するPow(i)′(重み関数Gを含まない滑り判定関数)値の変動を補正する為に、上述の如く、重み関数Gが設定されている。以下に、重み関数Gの設定方法について、説明する。
【0032】
図4に示す滑り実験装置50によって、ロボットハンドの把持力とPow(i)′値との関係と求めると、図5に示すような関係となる。なお、Pow(i)′値は、上記したように、重み関数Gを含まない滑り判定関数であり、下記(4)式によって算出される。
【0033】
【数4】


また、図4に示す滑り実験装置50は、水平方向へスライド可能なスライド機構51と、スライド機構51をスライドさせるモータ等の駆動部53とを備えている。モータ53には、モータ53の駆動を制御するパーソナルコンピュータ(PC)55がモータドライバ57を介して接続されている。
【0034】
パーソナルコンピュータ55によって、モータ53の駆動を制御することで、スライド機構51のスライド速度を任意に設定することができる。スライド機構51の上面には、電子秤等の荷重計測器59が配置され、この電子秤59の上には、試験物体が載せられている。
【0035】
試験物体には、上述の圧力センサ3が配設された指先部7が当接されている。指先部7の圧力センサ3は、滑り検出ECU5に接続されている。指先部7は、指先部7を任意の位置に固定できる、回転機構、スタンド等からなり固定部材61によって固定されている。電子秤59により、指先部7の接触面7aに掛かる荷重が計測される。
【0036】
図5において、点線は指先部7の接触面7aに掛る荷重(g)と、重み関数Gを含まない滑り判定関数により算出されたPow(i)′値との関係を示している。また、実線は指先部7の接触面7aに掛る荷重(g)と、各圧力センサセル3aから出力された電圧値の総和vとの関係を示している。
【0037】
図5に示す如く、指先部7の接触面7aに掛る荷重が増加すると、各圧力センサセル3aから出力された電圧値の総和vは増加し、一方、重み関数Gを含まない滑り判定関数により算出されたPow(i)′値は減少する。
【0038】
すなわち、指先部7の接触面7aに掛る荷重が増加に伴う、Pow(i)′値の減少を打ち消すようにして重み関数Gを設定するのが好ましい。これにより、ロボットハンドの把持力の増加に起因して発生するPow(i)′値の減少を、重み関数Gにより補正することができ、滑りの判定を同様な閾値で行うことができる。
【0039】
上述のように設定された重み関数Gに基づいて、滑り判定関数Pow(i)が構成されている。この滑り判定関数を用いて、図4に示す滑り実験装置50により実験を行うと、例えば、把持力(電子秤の値)が150gのとき、図6(a)に示す状態Pow(i)′から図6(b)に示す状態Pow(i)となる。また、把持力(電子秤の値)が300gのとき、図7(a)に示す状態Pow(i)′から図7(b)に示す状態Pow(i)となる。さらに、把持力(電子秤の値)が500gのとき、図8(a)に示す状態Pow(i)′から図8(b)に示す状態Pow(i)となる。
【0040】
なお、図6(a)及び(b)乃至図8(a)及び(b)において、計測開始30秒後に、スライド機構51を0.167mm/sの速度でスライドさせている。
【0041】
図6(a)、図7(a)、及び図8(a)に示す如く、把持力が増加するに従って、重み関数Gを含まない滑り判定関数Pow(i)′の値は、減少傾向が見られる。一方、図6(b)、図7(b)、及び図8(b)に示す如く、把持力が増加するに従って、重み関数Gを含む滑り判定関数Pow(i)の値は、あまり変化が見られない。
【0042】
したがって、重み関数Gを含む滑り判定関数Pow(i)の値は、把持力により変動が少ない。すなわち、重み関数Gを含む滑り判定関数Pow(i)の値に基づいて、指先部7の接触面7aの滑り判定を同様な閾値で行うことができる。
【0043】
次に、本実施例に係る滑り検出装置1がロボットハンド装置100に搭載された場合について説明する。
【0044】
図9は、本実施例に係る滑り検出装置1が搭載されたロボットハンド装置100のシステム構成を示す概略のブロック図である。
【0045】
ロボットハンド装置100は、上述の圧力センサ3が配設された指先部7を有し、任意の形状の対象物体を把持することが可能なハンド部材101を備えている(図10)。なお、図10に示すハンド部材101は、上側に1つおよび下側に1つの指部103を有しているが、指部103の数は任意でよく、人間の手と略同一の構成であってもよい。例えば、ハンド部材101の上側の指部103は、指先部7に連結されたリンク部103aと、これらリンク部103aを連結し、任意の方向に可動する指関節部103bとを有している。また、下側の指部103は、指先部7に連結されたリンク部103aと、これらリンク部103aを連結し、任意の方向に可動する指関節部103bとを有している。
【0046】
ハンド部材101の各指関節部103bには、この指関節部103bを可動させるモータ等のアクチュエータ105が設けられている。モータ105には、モータ105を駆動するモータドライバ107を介して、制御ECU109が接続されている。制御ECU109は、例えば、指関節部103bの角度指令信号をモータドライバ107に送信することで、モータ105を制御して、指関節部103bを目標の指関節角度に制御する。
【0047】
また、ハンド部材101の指関節部103bには、当該指関節部103bの位置(関節角度等)を検出するエンコーダ・ポテンショメータ等の関節位置検出センサ111が配設されている。エンコーダ・ポテンショメータ111には制御ECU109が接続され、制御ECU109はエンコーダ・ポテンショメータ111により検出された指関節部103bの位置(指関節角度)等に基づいて、モータ105の制御を行う。
【0048】
制御ECU109には、対象物体の画像を認識する画像認識装置113が接続されている。画像認識装置113は、対象物体の画像を撮影する為のCCD(Charge Coupleed Device)等からなるカメラ113aと、カメラ113aにより撮影された画像に対し所定処理を施す画像処理部113bと、を有している。画像認識装置113は、画像処理部113bにより処理された対象物体の処理画像に基づいて、対象物体の位置、形状、大きさ等の画像情報を認識する。画像認識装置113は、認識した対象物体の画像情報を制御ECU109に送信する。
【0049】
制御ECU109は、画像認識装置113から送信された対象物体の画像情報に基づいて、対象物体を把持する為に好適なハンド部材101の把持姿勢位置(例えば、目標の指関節角度、把持力)を算出する把持姿勢算出部109aを有している。
【0050】
制御ECU109には、上述した滑り検出ECU5が接続されている。制御ECU109は、エンコーダ・ポテンショメータ111により検出された指関節部103bの指関節角度と、把持姿勢算出部109aにより算出された目標の指関節角度と、上述した滑り検出ECU5の滑り判定手段5cによる判定と、に基づいて、モータ105のフィードバック制御を行っている。
【0051】
なお、ハンド部材101には、ハンド部材101を任意の方向へ移動させるアームハンド等の移動機構115が連結され、アームハンド115には、アームハンド115を駆動するモータ等の駆動部117が連結されている。モータ117には、モータドライバ107を介して制御ECU109が接続されている。モータ117は、制御ECU109からの制御信号に基づいて、駆動、制御される。上述の構成により、対象物体は、ロボットハンド装置100により把持され、任意の位置に移動可能となる。
【0052】
次に、本実施例に係る滑り検出装置1を搭載したロボットハンド装置100の制御処理について説明する。図11は、本実施例に係る滑り検出装置1を搭載したロボットハンド装置100の制御処理のフローの一例を示すフローチャートである。なお、図11に示す制御処理ルーチンは所定の微小時間毎に繰返し実行される。
【0053】
画像認識装置113は対象物体を認識し、その画像情報を制御ECU109に送信する。制御ECU109の把持姿勢算出部109aは、送信された対象物体の画像情報に基づいて、対象物体を把持する為に好適なハンド部材101の把持姿勢位置を算出する。制御ECU109は、算出された把持姿勢位置に基づいて、モータ105を制御して、ハンド部材101により対象物体を把持させる(S200)。
【0054】
次に、制御ECU109はモータ117を介してアームハンド115を制御することで、ハンド部材101によって把持された対象物体を、指示された方向に移動させる(S210)。
【0055】
例えば、このアームハンド115による移動の際、滑り検出ECU5の圧力分布算出手段5aは、圧力センサ3から送信された電圧値に基づいて、指先部7の接触面7aにおける圧力分布を算出する(S220)。
【0056】
その後、圧力中心算出手段5bは、圧力分布算出手段5aにより算出された指先部7の接触面7aおける圧力分布に基づいて、上記(1)式及び(2)式により、圧力分布の中心Oを算出する(S230)
さらに、滑り判定手段5cは、圧力中心算出手段5bにより算出された圧力分布の中心Oにおける振動パワー〔O(j)〕および予め設定された重み関数Gを含み、多重サンプリング平均を用いた上記(3)式に示す滑り判定関数によりPow(i)値を算出する(S240)。
【0057】
次に、滑り判定手段5cは、構成された滑り判定関数により算出されたPow(i)値が所定閾値以上となるか否かを判定する(S250)。
【0058】
滑り判定手段5cは、滑り判定関数により算出されたPow(i)値が所定閾値以上となり、対象物体と指先部7との接触面7aにおいて滑りが発生したと判定すると(S250においてYes)、制御ECU109に対して滑り判定信号を送信する。制御ECU109は、滑り検出ECU5の滑り判定手段5cから滑り判定信号を受信すると、ハンド部材101が対象物体を把持する際の把持力が増加するように、モータ105を制御する(S260)。
【0059】
一方、滑り判定手段5cは、滑り判定関数により算出されたPow(i)値が所定閾値より小さく、対象物体と指先部7との接触面7aにおいて滑りが発生していないと判定すると(S250においてNo)、制御ECU109に対して滑り判定信号を送信すること無く、本制御ルーチンよる処理を終了する。
【0060】
以上、本実施例に係る滑り検出装置1において、圧力分布算出手段5aは、指先部7と対象物体との接触面7aの圧力分布を算出し、圧力中心算出手段5bはこの圧力分布に基づいて、圧力分布の中心Oを算出する。さらに、滑り判定手段5cは、算出された圧力分布の中心Oにおける振動パワーを含む滑り判定関数により、接触面7aにおける滑りが発生したか否かを判定する。これにより、指先部7と対象物体との接触面7aにおける滑りを高精度に検出することができる。さらに、指先部7と対象物体との接触面7aにおける滑りを高速に検出できることから、リアルタイムの把持制御が可能となる。
【0061】
なお、滑り判定関数において、重み関数G及び多重サンプリング平均が用いられていることから、指先部7と対象物体との接触面7aにおける滑りをより高精度に検出することができる。
【0062】
以上、本発明を実施するための最良の形態について一実施例を用いて説明したが、本発明はこうした一実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、上述した一実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、例えば、対象物体を把持するロボットハンド装置に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施例に係る滑り検出装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図2】(a)指先部の接触面に圧力センサが配設された状態の一例を示す図である。(b)指先部の接触面に複数の圧力センサセルを有する圧力センサが平面的に配置された状態の一例を示す図である。
【図3】(a)指先部が対象物体に接触している状態の一例を示す図である。(b)指先部が対象物体に接触しているときの圧力分布を示す概念図の一例である。
【図4】重み関数Gを設定する為の滑り実験装置の一例を示す概略図である。
【図5】重み関数Gを含まない滑り判定関数により算出されたPow(i)′値、および各圧力センサセルから出力された電圧値の総和vと、指先部の接触面に掛る荷重との関係を示す図である。
【図6】(a)把持力が150gのときの、Pow(i)′の変化状態の一例を示す図である。(b)把持力が150gのときの、Pow(i)の変化状態の一例を示す図である。
【図7】(a)把持力が300gのときの、Pow(i)′の変化状態の一例を示す図である。(b)把持力が300gのときの、Pow(i)の変化状態の一例を示す図である。
【図8】(a)把持力が500gのときの、Pow(i)′の変化状態の一例を示す図である。(b)把持力が500gのときの、Pow(i)の変化状態の一例を示す図である。
【図9】本実施例に係る滑り検出装置が搭載されたロボットハンド装置のシステム構成を示す概略のブロック図である。
【図10】本実施例に係るロボットハンド装置のハンド部材の一例を示す図である。
【図11】本実施例に係るロボットハンド装置の制御処理のフローの一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
1 滑り検出装置
3 圧力センサ
3a 圧力センサセル
5 滑り検出ECU
5a 圧力分布算出手段
5b 圧力中心算出手段
5c 滑り判定手段
7 指先部
7a 接触面
100 ロボットハンド装置
101 ハンド部材
109 制御ECU




 

 


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