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発明の名称 ロボットハンド、ロボットおよび溶接方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−69333(P2007−69333A)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
出願番号 特願2005−261266(P2005−261266)
出願日 平成17年9月8日(2005.9.8)
代理人 【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
発明者 金原 成勇 / 住井 出 / 吉田 直治
要約 課題
多様な形状のワークを把持可能でかつ予定された位置と姿勢でワークを把持できるロボットハンドを提供する。

解決手段
支持部材104と、支持部材に対して少なくとも一方が可動な第1保持部材106aと第2保持部材106bと、各々が第1保持部材の配置面に直交する方向にスライド可能に案内され第1保持部材の配置面に点在配置されている第1ロッド群302aと、各々が第2保持部材の配置面に直交する方向にスライド可能に案内され第2保持部材の配置面に点在配置されている第2ロッド群302bと、配置面間の距離を調整して固定する保持部材用アクチュエータ114と、各々の第1ロッドのスライド位置を調整して固定する第1アクチュエータ群108aと、各々の第2ロッドを第1ロッド群に向けて送りだす第2アクチュエータ群108bと、保持部材用アクチュエータと第1アクチュエータ群の固定位置を切換える制御装置を備えている。
特許請求の範囲
【請求項1】
形状を異にする複数種類のワーク群の任意種類のワークを種類毎に予め決められている位置と姿勢で把持可能なロボットハンドであって、
ロボットアームに取付けられる支持部材と、
支持部材に対して少なくとも一方が移動可能に支持されている第1保持部材と第2保持部材と、
各々が第1保持部材の配置面に直交する方向にスライド可能に案内されているとともに第1保持部材の配置面に点在配置されている複数の第1ロッドから構成される第1ロッド群と、
各々が第2保持部材の配置面に直交する方向にスライド可能に案内されているとともに第2保持部材の配置面に点在配置されている複数の第2ロッドから構成される第2ロッド群と、
第1保持部材と第2保持部材の配置面同士を平行に維持するとともに配置面間の距離を調整して固定する保持部材用アクチュエータと、
各々の第1ロッドに取付けられており各々の第1ロッドのスライド位置を調整して固定する複数の第1アクチュエータから構成される第1アクチュエータ群と、
各々の第2ロッドに取付けられており第2ロッドを第1ロッド群に向けて送りだす複数の第2アクチュエータから構成される第2アクチュエータ群と、
保持部材用アクチュエータと第1アクチュエータ群の固定位置を、ワーク種別に合わせて切換える制御装置と、
を備えるロボットハンド。
【請求項2】
前記第1保持部材に固定された第1係止部材と、
前記第2保持部材に固定された第2係止部材と
をさらに備える請求項1のロボットハンド。
【請求項3】
ワークを把持するロボットであって、
先端に請求項1のロボットハンドを備える多関節のロボットアーム
を備えるロボット。
【請求項4】
溶接作業領域内に配置されている溶接機器を用いて第1ワークと第2ワークを溶接する方法であって、
第1の請求項3のロボット(第1ロボット)を用いて、第1ワークを溶接作業領域まで搬送する工程と、
第2の請求項3のロボット(第2ロボット)を用いて、第2ワークを溶接作業領域まで搬送する工程と、
第1ロボットで第1ワークを把持し、第2ロボットで第2ワークを把持し、溶接機器に向かい合う位置を溶接線が通過するように第1ロボットと第2ロボットを協調制御して、溶接機器を用いて第1ワークと第2ワークを溶接する工程と、
第1ロボットまたは第2ロボットの一方による把持を解除する工程と、
第1ロボットまたは第2ロボットの他方を用いて、溶接されたワークを溶接作業領域から搬送する工程と、
を備えることを特徴とする方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットハンドに関する。詳しくは、様々な形状のワークを把持することができる汎用のロボットハンドと、そのロボットハンドを利用したロボットと、そのロボットを利用した溶接方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製品の製造を行う工場では、加工処理を実施する加工機器が工場内の所定エリアに据付けられ、加工の対象とされるワークを加工機器が据付けられたエリアへ順次搬送していくことで、製品の製造を行う。
【0003】
このような一連の製造工程においては、加工処理を施されたワークはその形状を変化させながら搬送されていくため、加工処理を行う際のワークの把持には各工程でワークの形状に合わせた専用の治具を用いている。工程間でのワークの搬送も、ワークの形状に合わせた専用の搬送治具を用いて行っている。
【0004】
例えばワークを溶接する工程においては、工程の前後でワークの形状が大きく変化するため、溶接前のワークを搬送する装置と、溶接時にワークを把持する装置と、溶接後のワークを搬送する装置をそれぞれ別個に用意し、作業者によってワークの着脱を行う必要があった。異なる治具の間でワークの着脱を行う必要があり、生産性を低下させる要因となっていた。
【0005】
また製品のモデルチェンジや生産の合理化のために、製造工程を変更することがある。製造工程に変更が生じると、製造に用いている設備の再設計・再製作が必要となる。変更前と変更後で同じ加工機器を使用する場合であっても、扱うワークの形状が異なる場合、そのワークの形状に合わせた専用の把持治具が必要となり、その都度新たな把持治具を準備しなければならなかった。
【0006】
扱うワークの形状に関わらず把持することが可能な装置を実現できれば、ワークの搬送や加工の際の把持を共通の装置で実施することができる。工程間でのワークの着脱作業が不要となって、生産効率は大きく向上する。また、製造工程に変更があった場合でも、ワークを搬送したり加工の際に把持したりする装置は、そのまま流用することが可能であり、製造工程を変更するためのコストは大きく低減する。
【0007】
そこで、多種多様な形状のワークを把持することが可能な装置に関する技術が開発されている。例えば特許文献1には、多芯ブロックを用いたロボットハンドが開示されている。図9に特許文献1のロボットハンドの概要を示す。
【0008】
図9の(a)に示すように、このロボットハンドは、指910a、910bを備えている。このロボットハンドは、ワーク902を指910a、901bで挟み込んで把持する。指910aは指910bと対向する面に多芯ブロック912aを備えている。多芯ブロック912aは互いに独立して移動可能な複数の芯914aから構成されている。芯914aは付勢手段916aによって初期位置へ復帰するように付勢されている。指910bも同様に、指910aと対向する面に多芯ブロック912bを備えている。多芯ブロック912bを構成する複数の芯914bは互いに独立して移動可能であって、芯914bは初期位置へ復帰するように付勢手段916bによって付勢されている。
【0009】
ワーク902を挟んで対向する指910aと指910bを互いに近づけていくと、芯914a、914bはワーク902と接触し、図9(b)に示すように、ワーク902の外形形状にならって移動する。芯914a、914bは付勢手段916a、916bによって付勢されているから、移動した芯914a、914bはワーク902の表面形状にならった位置で、ワーク902の表面を押圧する。これによって、ワーク902を把持することができる。このロボットハンドによれば、多種多様な形状のワークを挟み込んで把持することができる。
【特許文献1】特開平5−169387号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載の技術はさらなる改善の余地を残している。
特許文献1に記載の技術では、ロボットハンドでワークを把持した際に、ロボットハンドに対するワークの相対的な位置と姿勢を正確に決めることができないという問題があった。上記のロボットハンドでワークを把持すると、芯914aまたは芯914bがどの程度移動した位置でワークを把持するのか、実際に把持した状態で計測してみなければ分からない。またワークがどのような姿勢でロボットハンドに把持されているのか、実際に把持した状態で計測してみなければ分からない。さらに、ワークを把持した状態で、ワークに外力が負荷された場合には、ロボットハンドに対するワークの相対的な位置と姿勢が変動してしまう。従って、特許文献1に記載の技術では、ロボットハンドでワークを把持した際に、ロボットハンドに対するワークの相対的な位置と姿勢を正確に決めることができないという問題があった。
【0011】
種々の形状のワークを把持することができるロボットハンドを用いて、ワークを加工する際にワークの位置と姿勢を調整しようとする場合、予め決められた位置と姿勢でワークを把持できることが要求される。
【0012】
本発明では上記の課題を解決する。本発明では、多種多様な形状のワークを把持することが可能なロボットハンドであって、予め定められた位置と姿勢でワークを把持可能なロボットハンドを提供する。
また本発明では、上記のロボットハンドを利用したロボットと、そのロボットを利用して、ワークの着脱作業を不要とすることができる溶接方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のロボットハンドは、形状を異にする複数種類のワーク群の任意種類のワークを種類毎に予め決められている位置と姿勢で把持可能なロボットハンドである。
そのロボットハンドは、ロボットアームに取付けられる支持部材と、支持部材に対して少なくとも一方が移動可能に支持されている第1保持部材と第2保持部材と、各々が第1保持部材の配置面に直交する方向にスライド可能に案内されているとともに第1保持部材の配置面に点在配置されている複数の第1ロッドから構成される第1ロッド群と、各々が第2保持部材の配置面に直交する方向にスライド可能に案内されているとともに第2保持部材の配置面に点在配置されている複数の第2ロッドから構成される第2ロッド群と、第1保持部材と第2保持部材の配置面同士を平行に維持するとともに配置面間の距離を調整して固定する保持部材用アクチュエータと、各々の第1ロッドに取付けられており各々の第1ロッドのスライド位置を調整して固定する複数の第1アクチュエータから構成される第1アクチュエータ群と、各々の第2ロッドに取付けられており第2ロッドを第1ロッド群に向けて送りだす複数の第2アクチュエータから構成される第2アクチュエータ群と、保持部材用アクチュエータと第1アクチュエータ群の固定位置をワーク種別に合わせて切換える制御装置を備えている。
【0014】
本発明のロボットハンドでは、第1保持部材と第2保持部材をワークを挟んで対向するように配置したのち、第1ロッド群と第2ロッド群をスライドして、各ロッドの先端をワークの外形形状にならわせる。第1ロッド群はワークの表面形状に合わせてそれぞれの第1ロッドのスライド位置を調整して固定される。反対側の表面に第1ロッド群が接触しているワークに対して、第2ロッド群が送り出されて、ワークの表面が第1ロッド群と第2ロッド群によって押圧される。第1ロッド群と第2ロッド群がワークの表面を押圧することで、ワークを挟み込んで把持することができる。このロボットハンドによれば、どのような形状のワークも把持することができる。
【0015】
上記のロボットハンドでは、第1ロッド群のそれぞれの第1ロッドのスライド位置は調整された位置で固定することができる。ロボットハンドでワークを把持したときのロボットハンドに対するワークの位置と姿勢は、第1ロッド群がワークと接触する位置に応じて変化する。従って、第1ロッド群のスライド位置をワーク種別に合わせて予め調整して固定することによって、予め定められた位置と姿勢でワークを把持することができる。またワークに予期せぬ外力が負荷された場合でも、ロボットハンドとワークの相対的な位置と姿勢を変動させることなく維持することができる。
【0016】
上記のロボットハンドによれば、第1保持部材と第2保持部材の配置面間の距離を、ワークの大きさに合わせて調整することができる。従って、ワークを挟み込むために、第1ロッド群および第2ロッド群のストロークを必要以上に長いものとする必要がない。それゆえ、第1ロッド群および第2ロッド群は、座屈や曲げに対する強度が低くても損傷することがなく、それぞれのロッド径を小さく抑えることができる。従って、それぞれのロッドを小型化することが可能であり、第1ロッド群および第2ロッド群を密に配置して、安定してワークを把持することができる。
【0017】
なお第1保持部材と第2保持部材は、一方が支持部材に固定されて、他方が支持部材に対して移動可能であってもよいし、両方が支持部材に対して移動可能であってもよい。
【0018】
上記したロボットハンドは、前記第1保持部材に固定された第1係止部材と、前記第2保持部材に固定された第2係止部材をさらに備えることが好ましい。
【0019】
ワークを挟み込んで把持していると、ロボットハンドが加工機器と干渉してしまったり、加工しようとする部位を挟みこんでしまったりして、把持したワークの加工に支障をきたす場合がある。このような場合に、上記のロボットハンドによれば、第1保持部材に固定された第1係止部材と第2保持部材に固定された第2係止部材をワークに係止することによって、ワークを把持することができる。
【0020】
第1保持部材と第2保持部材の位置関係は、保持部材用アクチュエータによって調整可能である。上記したロボットハンドによれば、どのような形状のワークについても、第1係止部材と第2係止部材の位置を調整することによって、第1係止部材と第2係止部材を係止して把持することができる。
【0021】
第1係止部材および第2係止部材は、ワークの外縁に係止してもよいし、ワークが他の用途に利用される孔を備える場合にはその孔に係止してもよいし、ワークにハンドリング用の孔を設けてその孔に係止してもよい。
【0022】
上記のロボットハンドを利用して、種々の形状のワークを搬送することが可能なロボットを具現化することもできる。本発明のロボットは、ワークを把持するロボットである。そのロボットは、先端に上記したロボットハンドを備える多関節のロボットアームを備えている。
【0023】
上記のロボットによれば、種々の形状のワークを把持して搬送することができる。また、ワークの加工を行う際に、任意の位置と姿勢でワークの位置決めをすることができる。またワークを挟み込んで把持すると加工が困難となる場合には、ロボットハンドが備えている第1係止部材と第2係止部材を係止することでワークを把持することができる。
上記のロボットによれば、ワークの搬送と、加工時の位置と姿勢の調整を、同じ装置を用いて実施することができる。
【0024】
上記のロボットを利用することで、溶接の前後でワークの着脱が不要な溶接方法を実現することができる。本発明の方法は、溶接作業領域内に配置されている溶接機器を用いて第1ワークと第2ワークを溶接する方法である。その方法は、第1の上記したロボット(第1ロボット)を用いて第1ワークを溶接作業領域まで搬送する工程と、第2の上記したロボット(第2ロボット)を用いて第2ワークを溶接作業領域まで搬送する工程と、第1ロボットで第1ワークを把持し第2ロボットで第2ワークを把持し溶接機器に向かい合う位置を溶接線が通過するように第1ロボットと第2ロボットを協調制御して溶接機器を用いて第1ワークと第2ワークを溶接する工程と、第1ロボットまたは第2ロボットの一方による把持を解除する工程と、第1ロボットまたは第2ロボットの他方を用いて溶接されたワークを溶接作業領域から搬送する工程を備えている。
【0025】
本発明の方法によれば、溶接前のワークを搬送する装置と、溶接時にワークの位置と姿勢を制御する装置と、溶接後のワークを搬送する装置が共通であるから、従来の溶接で必要とされていた、搬送装置へのワークの着脱作業と、溶接時のワーク把持装置へのワークの着脱作業を、省略することができる。ワークの取り付けや取り外しの作業が不要なため、作業者の負担を軽減することができる。また溶接に係る時間を短縮することができる。
また本発明の方法で利用するロボットは、どのような形状のワークについても把持することが可能であるから、製造工程に変更を生じて、扱うワークに変更が生じても、ワークの搬送や把持に用いる装置をそのまま使用することができ、製造工程を変更するために要するコストを低減することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明のロボットハンドによれば、多種多様な形状のワークを把持することができる。このロボットハンドによれば、予め定められた位置と姿勢でワークを把持することができる。
本発明のロボットによれば、多種多様な形状のワークを把持して、搬送したり、位置決めをしたりすることができる。
本発明の溶接方法によれば、ワークの搬送と溶接時の位置決めを、同一の装置を利用して行うため、ワークの着脱作業が不要となり、作業者の負担が軽減する。溶接に要する時間を短縮することができる。製造工程に変更を生じた場合であっても、装置を再製作することなく対応することが可能であり、製造工程を変更するコストが低減する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明を具現化した実施例について図面を参照して説明する。最初に実施例の主要な特徴を列記する。
(形態1) 第1アクチュエータ群は、第1ロッド群のそれぞれのロッドをスライドさせる油圧式シリンダであって、第2アクチュエータ群は、第2ロッド群のそれぞれのロッドをスライドさせる油圧式シリンダである。
【実施例】
【0028】
(第1実施例)
以下、本発明を具現化した実施例について図面を参照しながら説明する。
図1は本実施例のロボットハンド102の構成を模式的に示す縦断面図である。ロボットハンド102は、支持部材104と、ハンドユニット106a、106bと、サーボアクチュエータ114と、シリンダ駆動装置116と、コントローラ120を備えている。
【0029】
ハンドユニット106aは、支持部材104に固定されている。ハンドユニット106aは、ケーシング118aと、ケーシング118aに収容された複数のフィンガーユニット108aを備えている。それぞれのフィンガーユニット108aは、先端に接触部110aを備える伸縮可能なロッド302aを備えている。それぞれのフィンガーユニット108aは、ロッド302aがハンドユニット106bを向く方向へ伸縮するように、ケーシング118aに配置されている。
本実施例のロボットハンド102では、ハンドユニット106aが第1保持部材に相当し、複数のロッド302aが第1ロッド群に相当し、複数のフィンガーユニット108aが第1アクチュエータ群に相当する。
【0030】
またハンドユニット106aは、係止ピン112aを備えている。係止ピン112aは、ハンドユニット106aからハンドユニット106bを向く方向に直交する方向へ突出しており、ハンドユニット106aのケーシング118aに固定されている。係止ピン112aは、先端部近傍に凹部610aを備えている。
本実施例のロボットハンド102では、係止ピン112aが第1係止部材に相当する。
【0031】
ハンドユニット106bは、支持部材104aにスライド可能に支持されている。ハンドユニット106bは、サーボアクチュエータ114によって駆動されて、ハンドユニット106aに対し、位置を調整することができる。ハンドユニット106bは、ケーシング118bと、ケーシング118bに収容された複数のフィンガーユニット108bを備えている。それぞれのフィンガーユニット108bは、先端に接触部110bを備える伸縮可能なロッド302bを備えている。それぞれのフィンガーユニット108bは、ロッド302bがハンドユニット106aを向く方向へ伸縮するように、ケーシング118bに配置されている。
本実施例のロボットハンド102では、ハンドユニット106bが第2保持部材に相当し、複数のロッド302bが第2ロッド群に相当し、複数のフィンガーユニット108bが第2アクチュエータ群に相当する。
【0032】
またハンドユニット106bは、係止ピン112bを備えている。係止ピン112bは、ハンドユニット106bから見てハンドユニット106aを向く方向に直交する方向に突出しており、ハンドユニット106bのケーシング118bに固定されている。係止ピン112bは、先端部近傍に凹部610bを備えている。
本実施例のロボットハンド102では、係止ピン112bが第2係止部材に相当する。
【0033】
ハンドユニット106aとハンドユニット106bは、フィンガーユニット108aの接触部110aとフィンガーユニット108bの接触部110bが互いに対向する関係で配置されている。係止ピン112aと係止ピン112bは、互いに平行となるように、ハンドユニット106a、106bに配置されている。
【0034】
サーボアクチュエータ114は、支持部材104の内部に収容されている。サーボアクチュエータ114は、コントローラ120によって制御されており、ハンドユニット106bを駆動して、ハンドユニット106aと106bの間の距離を調整する。
【0035】
シリンダ駆動装置116は、支持部材104の内部に収容されている。シリンダ駆動装置116は、ハンドユニット106aのフィンガーユニット108aおよびハンドユニット106bのフィンガーユニット108bと接続しており、フィンガーユニット108a、108bの作動油を制御する。シリンダ駆動装置116はコントローラ120によって制御されており、ロッド302aの伸縮位置を調整して固定する。またシリンダ駆動装置116はロッド302bをロッド302aに向けて送り出す。
【0036】
コントローラ120は、汎用のコンピュータであって、サーボアクチュエータ114とシリンダ駆動装置116を制御する。コントローラ120は、サーボアクチュエータ114が調整するハンドユニット106aと106bの間の距離を、把持するワークの種別に合わせて切り替えることができる。またコントローラ120は、シリンダ駆動装置116が調整して固定するロッド302aの伸縮位置を、把持するワークの種別に合わせて切り替えることができる。
【0037】
図2は図1のハンドユニット106aを視点Aから見た図である。図2によく示すように、ハンドユニット106aには、ハンドユニット106bと対向する面の縦方向と横方向に、フィンガーユニット108aがそれぞれ4列ずつ配置されている。
【0038】
図2ではハンドユニット106aを示しているが、ハンドユニット106bについても同様に、ハンドユニット106aと対向する面の縦方向と横方向に、フィンガーユニット108bがそれぞれ4列ずつ配置されている。
【0039】
以下ではフィンガーユニット108aと108bの構成について説明する。フィンガーユニット108aと108bは同様の構成を備えているため、以下では符号を省略してフィンガーユニット108と呼んで説明する。
図3はフィンガーユニット108の構成を模式的に示す縦断面図である。フィンガーユニット108は、ロッド302と収容部304を備えている。
ロッド302は、一方の端部が収容部304内に収容された棒状の部材であって、他方の端部には先端が卵形に形成された接触部110を備えている。
収容部304は、ロッド駆動室306を備えている。ロッド駆動室306は、ロッド302を油圧によって駆動する。ロッド駆動室306の作動油出入り口308、310は、図1のシリンダ駆動装置116と接続しており、シリンダ駆動装置116によって油圧が制御され、ロッド302に荷重が付与される。作動油出入り口308への加圧によってロッド302は収容部304から外部へ(図3の右方向へ)押し出される。作動油出入り口310への加圧によってロッド302は収容部304の内部へ(図3の左方向へ)引き戻される。上述のように、フィンガーユニット108は油圧によってロッド302を伸縮する油圧式シリンダを構成している。
【0040】
シリンダ駆動装置116は、フィンガーユニット108aとフィンガーユニット108bを異なる方式で駆動する。
フィンガーユニット108aに関して、シリンダ駆動装置116は、フィンガーユニット108aの作動油出入り口308および310を通じた作動油の流量を調整して、ロッド302aの位置を調整する。ロッド302aが所望の位置まで移動すると、シリンダ駆動装置116はフィンガーユニット108aの作動油出入り口308および310を通じた作動油の移動を禁止する。これによって、フィンガーユニット108aはロッド302aが所望の位置に移動したところでその位置を固定することができる。
フィンガーユニット108bに関して、シリンダ駆動装置116は、フィンガーユニット108bの作動油出入り口308および310の油圧を調整して、ロッド302bに所望の荷重が付与されるように駆動する。
【0041】
図4は本実施例のロボットハンド102を用いてワーク602を挟み込んで把持する様子を示している。
ワーク602を挟み込んで把持する場合、ワーク602がハンドユニット106aおよび106bの間に位置するように、ロボットハンド102を移動する。このとき、ロッド302aを所定の長さだけ伸ばした状態で、ワーク602がハンドユニット106aのロッド302aの接触部110aの一部と接触するように、ロボットハンド102の位置を調整する。また、ワーク602とロボットハンド102の相対的な姿勢を、支持部材104を基準として予め決めておく。その後、ハンドユニット106bを駆動して、ワーク602の大きさに応じて、ハンドユニット106aと106bの間の距離を調整する。ハンドユニット106aと106bの間の距離は、ロッド302bがフィンガーユニット108b内に完全に収容された状態で、ワーク602の表面に接触部110bが接触しない限りにおいて、最も短い距離となるように調整される。
【0042】
ハンドユニット106bの位置が決まると、フィンガーユニット108aを駆動して、ロッド302aの位置を調整する。ロッド302aのうちでワーク602に接触していないものは、ワーク602の形状に応じて、ワーク602の表面に接触する位置まで伸びる。ワーク602の表面に接触したところで、ロッド302aは位置を固定される。
その後フィンガーユニット108bを駆動して、ロッド302bをワーク602に向けて送り出す。それぞれのロッド302bは、接触部110bがワーク602に接触するまで伸び、ワーク602に接触したところで停止する。ワーク602に接触したロッド302bは、シリンダ駆動装置116によって負荷される油圧に応じて、ワーク602の表面を押圧する。
【0043】
フィンガーユニット108a、108bは、ハンドユニット106a、106bの互いに対向する面の縦横に配置されており、各ロッド302a、302bは、ワーク602の表面を押圧する。押圧による摩擦と、接触部110a、110bとワーク602との引っ掛かりによって、ワーク602は把持される。
【0044】
上記のように、本実施例のロボットハンド102によれば、ワーク602の外形形状に応じてロッド302a、302bが伸びて、ワーク602を把持する。同一のロボットハンド102を用いて、種々の形状のワークを把持することができる。
ワーク602を把持した状態でロボットハンド102を移動することによって、ワーク602を搬送することができる。またワーク602を加工する際に、ワーク602を把持したロボットハンド102の位置と姿勢を固定することで、ワーク602の位置と姿勢を固定することができる。
【0045】
本実施例のロボットハンド102によれば、ハンドユニット106aは支持部材104に対して固定されており、ワーク602を把持した状態で、ロッド302aの一部はハンドユニット106aから所定の長さだけ伸びた状態でワーク602と接触している。従って、支持部材104に対して予め決められた位置でワーク602を把持することができる。またワーク602と支持部材104との相対的な姿勢は、予め決めておくことができる。本実施例のロボットハンド102によれば、予め決められた位置と姿勢でワーク602を把持することができる。
【0046】
本実施例のロボットハンド102によれば、対向するハンドユニット106a、106bの間の距離をワーク602の大きさに合わせて調整することができる。従って、ワークを挟み込むために、ロッド302a、302bのストロークを必要以上に長いものとする必要がない。ロッド302a、302bの座屈や曲げに対する強度が低くてもロッド302a、302bが損傷することがないため、ロッド径を小さく抑えることができる。これによって、フィンガーユニット108a、108bは小型化される。フィンガーユニット108a、108bを密に配置することができる。
【0047】
本実施例のロボットハンド102によれば、ロッド302a、302bからワーク602へ作用する負荷を、シリンダ駆動装置116によるフィンガーユニット108bの油圧の制御によって調整することができる。必要以上に大きな負荷をかけることなくワーク602を把持することが可能であり、ワーク602の損傷を防ぐことができる。
【0048】
上記したように、本実施例のロボットハンド102によれば、種々の形状のワーク602を、予め決められた位置と姿勢で挟み込んで把持し、搬送することができる。また本実施例のロボットハンド102は、ワーク602に対して加工を行う際にワーク602の位置および姿勢を固定しておくための治具として使用することもできる。
しかしながら、ワークを固定しておくための治具として使用する場合、加工の内容によっては、上記のように挟み込んで把持すると不便な場合がある。例えばワーク602を溶接する場合、ロボットハンド102と溶接トーチが干渉する場合がある。またワーク602の溶接線上を把持してしまう場合がある。
このような場合、本実施例のロボットハンド102は、ワーク602を挟み込んで把持するのではなく、ワーク602に係止ピン112a、112bを係止して、ワーク602を把持することもできる。
【0049】
図5は本実施例のロボットハンド102を用いてワーク602に係止ピン112a、112bを係止することで把持する場合を示す。
ワーク602は孔502a、502bを備えている。ワーク602の孔502a、502bは、位置決め等の他の用途を目的として予め設けられている孔を利用してもよいし、ロボットハンド102で把持するための孔を設けてもよい。
ワーク602の孔502a、502bに対して、ロボットハンド102の一方の係止ピン112aが一方の孔502aに挿入可能なように、ロボットハンド102を移動する。その後、ハンドユニット106bを駆動して、他方の係止ピン112bが他方の孔502bに挿入可能となるように、ハンドユニット106bを移動する。
係止ピン112a、112bと孔502a、502bの位置が揃うと、ロボットハンド102を移動して、係止ピン112a、112bを孔502a、502bへ挿入する。
【0050】
図6は係止ピン112a、112bをワーク602の孔502a、502bに係止する状況を模式的に示している。
【0051】
図6の(a)に示すように、係止ピン112a、112bを孔502a、502bへ挿入した後、ハンドユニット106bをハンドユニット106aから離す方向へ移動する。係止ピン112bは係止ピン112aから離れる方向へ移動する。係止ピン112aの凹部610aの外側と孔502aの外側604aが接触し、係止ピン112bの凹部610bの外側と孔502bの外側604bが接触する。これによって、係止ピン112a、112bがワーク602に係止する。
【0052】
また上記とは異なり、図6の(b)に示すように、ハンドユニット106bをハンドユニット106aへ近づける方向へ移動してもよい。この場合、係止ピン112bは係止ピン112aに近づく。これによって、係止ピン112aの凹部610aの内側と孔502aの内側606aが接触し、係止ピン112bの凹部610bの内側と孔502bの内側606bが接触する。これによって、係止ピン112a、112bがワーク620に係止する。
【0053】
係止ピン112a、112bがワーク602に係止すると、ロボットハンド102はワーク602を把持することができる。ワーク602を把持した状態でロボットハンド102を移動することで、ワーク602を搬送することができる。またワーク602を加工する際に、ワーク602を把持したロボットハンド102の位置と姿勢を固定しておくことで、ワーク602の位置と姿勢を固定しておくことができる。
【0054】
上記のように、本実施例のロボットハンド102によれば、種々の形状のワークを挟み込んで把持することもできるし、係止ピン112a、112bをワークに係止して把持することもできる。このロボットハンド102は、ワークの搬送に利用することもできるし、加工の際の位置と姿勢の固定に利用することができる。このロボットハンド102によれば、工程を経る度に形状が変化していくワークを同一の装置によって把持することができる。ワーク把持治具を共通化することによって、ワークの着脱作業を省略して、作業者の負担を軽減することができる。
【0055】
以下ではロボットハンド102を利用する一例として、図7を参照しながら、本実施例のロボットハンド102を利用した溶接方法について説明する。
ロボット720a、720bは、工場内での一連の加工工程において、ワークを搬送し、加工時のワークの位置と姿勢を固定する。
【0056】
ロボット720aはロボットハンド102aと、多関節リンク706aと、架台722aを備えている。ロボットハンド102aは図1のロボットハンド102と同様の構成を備えており、支持部材104aを多関節リンク706aの一端に固定されている。
多関節リンク706aは、一方の端部をロボットハンド102aに接続され、他方の端部を架台722aに接続されている。多関節リンク706aは、2軸について回転可能な複数の関節を備えている。それぞれの関節は図示されないアクチュエータによって回転駆動され、これらの関節を回転させることによって、ロボットハンド102aの位置と姿勢を制御することができる。架台722aは工場内の所定位置に固定されている。
【0057】
ロボット720bも、ロボット720aと同様に、ロボットハンド102bと、多関節リンク706bと、架台722bを備えている。ロボット720bの構成は、ロボット720aの構成と同様であるから、詳細な説明は省略する。
【0058】
溶接機器702は、溶接作業エリアに据付けられており、位置が固定された溶接トーチ704によってワークを溶接する。
【0059】
ロボット720aは、ワーク710を把持し、溶接機器702が設置されている溶接作業領域に搬送する。図7に示す例では、ワーク710は凸部を備えており、ロボット720aはワーク710の凸部をロボットハンド102aで挟み込んで把持している。ワーク710を把持したロボット720aは、関節を駆動して溶接作業領域までワーク710を搬送する。
【0060】
ロボット720bは、ワーク708を把持し、溶接機器702が設置されている溶接作業領域に搬送する。図7に示す例では、ワーク708は一対の孔を備えており、ロボット720bはワーク708に係止ピンを係止することで把持している。ワーク708を把持したロボット720bは、関節を駆動して溶接作業領域までワーク708を搬送する。
【0061】
ワーク708、710が溶接作業領域へ搬送されると、溶接機器702を用いた溶接作業を実施するため、ロボット720a、720bはワーク708、710の位置決めを行う。
ワーク708、710が位置決めされると、溶接機器702によって仮止め溶接がなされる。仮止め溶接を行っている間、ロボット720a、720bは、溶接線が溶接トーチ704と向かい合う位置を通過するように、それぞれの関節を協調制御される。
【0062】
溶接機器702による仮止め溶接が完了すると、ロボット720bはワーク708の把持を解除する。ワーク708とワーク710は仮止め溶接がされているため、図8に示すように、これらのワークはロボット720aによって一体的に扱うことができる。
【0063】
その後、溶接機器702を用いてワーク708と710の増し付け溶接を行う。ロボット720aは、溶接線が溶接トーチ704と向かい合う位置を通過するように関節を駆動して、ワーク708と710の位置と姿勢を調整する。ワーク708と710の増し付け溶接が完了すると、ロボット720aは溶接後のワークを溶接作業領域から次の工程へ搬送する。
【0064】
本実施例の溶接方法によれば、溶接機器702へのワーク708、710の搬送と、溶接作業時のワーク708、710の把持と、溶接後のワークの搬送を、ロボット720a、720bによって行うことができる。従来のように、溶接前のワークの搬送、溶接時のワークの把持、溶接後のワークの搬送に、別個の装置を用意する必要がない。ワークの着脱作業を行う必要がないため、作業に係る工数が低減され、製造コストの低減がはかられる。また溶接工程を実施するための時間を短縮することができる。
【0065】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】図1はロボットハンド102の構成を模式的に示す縦断面図である。
【図2】図2はハンドユニット106aの外観を示す図である。
【図3】図3はフィンガーユニット108の構成を模式的に示す縦断面図である。
【図4】図4はロボットハンド102を用いてワーク602を挟み込んで把持した状態を示す図である。
【図5】図5はロボットハンド102を用いてワーク602に係止ピン112a、112bを係止して把持した状態を示す図である。
【図6】図6の(a)は、係止ピン112a、112bを互いに離れる方向へ動かしてワーク602を把持した状態を示す図である。図6の(b)は、係止ピン112a、112bを互いに近付ける方向へ動かしてワーク602を把持した状態を示す図である。
【図7】図7はロボットハンド102を利用した溶接方法における、仮止め溶接の様子を模式的に示す図である。
【図8】図8はロボットハンド102を利用した溶接方法における、増し付け溶接の様子を模式的に示す図である。
【図9】図9の(a)は従来技術のロボットハンドがワーク902を把持する前の状態を模式的に示す図である。図9の(b)は従来のロボットハンドがワーク902を把持した状態を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0067】
102・・・ロボットハンド
104・・・支持部材
106a、106b・・・ハンドユニット
108a、108b・・・フィンガーユニット
110a、110b・・・接触部
112a、112b・・・係止ピン
114・・・サーボアクチュエータ
116・・・シリンダ駆動装置
118a、118b・・・ケーシング
120・・・コントローラ
302a、302b・・・ロッド
304・・・収容部
306・・・シリンダ駆動室
308、310・・・作動油出入り口
502a、502b・・・孔
602・・・ワーク
604a、604b・・・孔の外側
606a、606b・・・孔の内側
610a、610b・・・凹部
702・・・溶接機器
704・・・溶接トーチ
706a、706b・・・多関節リンク
708、710・・・ワーク
720a、720b・・・ロボット
722a、722b・・・移動装置
902・・・ワーク
910a、910b・・・指
912a、912b・・・多芯ブロック
914a、914b・・・芯
916a、916b・・・付勢手段




 

 


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