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発明の名称 樹脂成形品の組付け状態予測方法、樹脂成形品の組付け状態予測装置、及び、樹脂成形品の組付け状態予測プログラム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−38600(P2007−38600A)
公開日 平成19年2月15日(2007.2.15)
出願番号 特願2005−227712(P2005−227712)
出願日 平成17年8月5日(2005.8.5)
代理人 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
発明者 内田 浩司 / 高原 忠良
要約 課題
樹脂成形品の「組付け品質」の向上を図るべく、樹脂成形品の組付け状態を予測する技術を提案する。

解決手段
樹脂成形品を当該樹脂成形品の支持体に組付けた際における、前記樹脂成形品の組付け状態を予測する、樹脂成形品の組付け状態予測方法であって、樹脂成形品(フロントバンパー1)の成形時に前記樹脂成形品に発生する変形量である、成形時変形量を予測する第一ステップ、前記樹脂成形品が成形後に熱の影響を受けることで、前記樹脂成形品に発生し得る変形量である、熱変形量を予測する第二ステップ、前記樹脂成形品を前記支持体に組付ける際に生じる変形量である、組付け時変形量を予測する第三ステップ、前記成形時変形量、前記熱変形量、及び、前記組付け時変形量から、前記樹脂成形品の前記支持体に対する組付け状態を予測する第四ステップ、を実行する。
特許請求の範囲
【請求項1】
樹脂成形品を当該樹脂成形品の支持体に組付けた際における、前記樹脂成形品の組付け状態を予測する、樹脂成形品の組付け状態予測方法であって、
前記樹脂成形品の成形時に前記樹脂成形品に発生する変形量である、成形時変形量を予測する第一ステップ、
前記樹脂成形品が成形後に熱の影響を受けることで、前記樹脂成形品に発生し得る変形量である、熱変形量を予測する第二ステップ、
前記樹脂成形品を前記支持体に組付ける際に生じる変形量である、組付け時変形量を予測する第三ステップ、
前記成形時変形量、前記熱変形量、及び、前記組付け時変形量から、前記樹脂成形品の前記支持体に対する組付け状態を予測する第四ステップ、を実行する、
樹脂成形品の組付け状態予測方法。
【請求項2】
前記第四ステップの後に、前記樹脂成形品に隣接して配置される部品について、当該部品を規定の位置に組付ける際に生じる、当該部品の前記規定の位置からのズレ量を予測する第五ステップ、を実行する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の樹脂成形品の組付け状態予測方法。
【請求項3】
前記第五ステップの後に、前記樹脂成形品の自重によって発生する変形量である、自重変形量を予測する第六ステップ、を実行する、
ことを特徴とする、請求項2に記載の樹脂成形品の組付け状態予測方法。
【請求項4】
前記第六ステップの後に、前記樹脂成形品と、前記部品の相対位置関係を予測する第七ステップ、を実行する、
ことを特徴とする、請求項3に記載の樹脂成形品の組付け状態予測方法。
【請求項5】
前記第六ステップ、又は、前記第七ステップの後に、前記樹脂成形品、及び、前記部品の組付け後の外観を自由曲面データにて再現する第八ステップ、を実行する、
ことを特徴とする、請求項3、又は、請求項4に記載の樹脂成形品の組付け状態予測方法。
【請求項6】
樹脂成形品を当該樹脂成形品の支持体に組付けた際における、前記樹脂成形品の組付け状態を予測する、樹脂成形品の組付け状態予測装置であって、
3次元CADデータを格納する記憶装置と、
前記3次元CADデータの演算処理を行うCAD演算部と、
前記3次元CADデータからメッシュデータを生成するCAE演算部とを具備し、
前記CAE演算部にて、
樹脂成形品の成形時に前記樹脂成形品に発生する変形量である、成形時変形量を予測し、
前記樹脂成形品が成形後に熱の影響を受けることで、前記樹脂成形品に発生し得る変形量である、熱変形量を予測し、
前記樹脂成形品を前記支持体に組付ける際に生じる変形量である、組付け時変形量を予測し、
前記成形時変形量、前記熱変形量、及び、前記組付け時変形量から、前記樹脂成形品の前記支持体に対する組付け状態を予測する構成とする、樹脂成形品の組付け状態予測装置。
【請求項7】
前記CAE演算部にて、
前記樹脂成形品に隣接して配置される部品について、当該部品を規定の位置に組付ける際に生じる、当該部品の前記規定の位置からのズレ量を予測する、
ことを特徴とする、請求項6に記載の樹脂成形品の組付け状態予測装置。
【請求項8】
前記CAE演算部にて、
前記樹脂成形品の自重によって発生する変形量である、自重変形量を予測する、
ことを特徴とする、請求項7に記載の樹脂成形品の組付け状態予測装置。
【請求項9】
前記CAE演算部にて、
前記樹脂成形品と、前記部品の相対位置関係を予測する、
ことを特徴とする、請求項8に記載の樹脂成形品の組付け状態予測装置。
【請求項10】
前記樹脂成形品の組付け状態予測装置は、
前記メッシュデータから自由曲面データを生成する自由曲面データ演算部を具備し、
前記自由曲面データ演算部にて、
前記樹脂成形品、及び、前記部品の組付け後の外観を自由曲面データにて再現する、
ことを特徴とする、請求項8又は請求項9に記載の樹脂成形品の組付け状態予測装置。
【請求項11】
樹脂成形品を当該樹脂成形品の支持体に組付けた際における、前記樹脂成形品の組付け状態を予測するために、コンピュータを、
樹脂成形品の成形時に前記樹脂成形品に発生する変形量である、成形時変形量を予測する手段、
前記樹脂成形品が成形後に熱の影響を受けることで、前記樹脂成形品に発生し得る変形量である、熱変形量を予測する手段、
前記樹脂成形品を前記支持体に組付ける際に生じる変形量である、組付け時変形量を予測する手段、
前記成形時変形量、前記熱変形量、及び、前記組付け時変形量から、前記樹脂成形品の前記支持体に対する組付け状態を予測する手段、
として機能させるための、樹脂成形品の組付け状態予測プログラム。
【請求項12】
前記コンピュータを、前記樹脂成形品に隣接して配置される部品について、当該部品を規定の位置に組付ける際に生じる、当該部品の前記規定の位置からのズレ量を予測する手段として機能させる、
ことを特徴とする、請求項11に記載の樹脂成形品の組付け状態予測プログラム。
【請求項13】
前記コンピュータを、前記樹脂成形品の自重によって発生する変形量である、自重変形量を予測する手段として機能させる、
ことを特徴とする、請求項12に記載の樹脂成形品の組付け状態予測プログラム。
【請求項14】
前記コンピュータを、前記樹脂成形品と、前記部品の相対位置関係を予測する手段として機能させる、
ことを特徴とする、請求項13に記載の樹脂成形品の組付け状態予測プログラム。
【請求項15】
前記コンピュータを、前記樹脂成形品、及び、前記部品の組付け後の外観を自由曲面データにて再現する手段として機能させる、
ことを特徴とする、請求項13又は請求項14に記載の樹脂成形品の組付け状態予測プログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂成形品を当該樹脂成形品の支持体に組付けた際における、樹脂成形品の組付け状態を予測する、樹脂成形品の組付け状態予測方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、CAE(computer aided engineering)を利用した樹脂成形品の寸法精度等の成形品質を予測する方法が提案されており、樹脂の流動解析により成形品質を予測する技術について開示する文献も存在する(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2005−74786号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述したように、樹脂成形品そのものの成形品質を予測する技術については周知となっているが、この樹脂成形品を、当該樹脂成形品の支持体に組付けた際における樹脂成形品の組付け状態を予測する技術は存在しない。
つまり、例をもって説明すると、図1に示すごとく、自動車の製造において、樹脂成形品であるフロントバンパー1を、該フロントバンパー1の支持体である金属のフレーム2に固定した場合において、前記フロントバンパー1の組付け後の外観、見栄えがどのようになるかを予測する、といった技術である。
この予測が可能となれば、図の例において、フロントバンパー1とヘッドランプ3の間に生じる隙間8や、段差を予測することが可能となり、組付け後の製品の外観、見栄えといった、いわゆる、「組付け品質」をシミュレーションすることができるようになる。
【0004】
そもそも樹脂成形品は、上述の従来技術によって成形品質を予測したとしても、射出成形時において、金型の熱分布の不均一性が原因で脱型時に変形が生じたり、また、成形後において、その可撓性から外気温の変化による熱の影響を受けて容易に変形したりする。さらに、樹脂成形品は可撓性を有するものであり、前記支持体の固定部分の寸法精度にバラツキが生じた場合には、そのバラツキの影響を受けて、変形した状態で支持体に固定されることになる。このように、樹脂成形品の組付け状態を予測するには、樹脂成形品の特性を考慮する必要がある。
【0005】
そして、組付け状態をシミュレーションすることができるようになれば、その結果を、樹脂成形品や、前記支持体の設計、製造方法にフィードバックするとともに、変更を図ることで、「組付け品質」の向上を図ることが可能となる。
特に、近年では、「組付け品質」の更なる向上が要求されており、このシミュレーションが可能となれば、外観、見栄えの点において、より高品質な製品を提供することが可能となる。
【0006】
そこで、本発明では、以上の問題に鑑み、樹脂成形品の「組付け品質」の向上を図るべく、樹脂成形品の組付け状態を予測する技術を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上のごとくであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1に記載のごとく、
樹脂成形品を当該樹脂成形品の支持体に組付けた際における、前記樹脂成形品の組付け状態を予測する、樹脂成形品の組付け状態予測方法であって、
前記樹脂成形品の成形時に前記樹脂成形品に発生する変形量である、成形時変形量を予測する第一ステップ、
前記樹脂成形品が成形後に熱の影響を受けることで、前記樹脂成形品に発生し得る変形量である、熱変形量を予測する第二ステップ、
前記樹脂成形品を前記支持体に組付ける際に生じる変形量である、組付け時変形量を予測する第三ステップ、
前記成形時変形量、前記熱変形量、及び、前記組付け時変形量から、前記樹脂成形品の前記支持体に対する組付け状態を予測する第四ステップ、を実行することとするものである。
【0009】
また、請求項2に記載のごとく、
前記第四ステップの後に、前記樹脂成形品に隣接して配置される部品について、当該部品を規定の位置に組付ける際に生じる、当該部品の前記規定の位置からのズレ量を予測する第五ステップ、を実行することとするものである。
【0010】
また、請求項3に記載のごとく、
前記第五ステップの後に、前記樹脂成形品の自重によって発生する変形量である、自重変形量を予測する第六ステップ、を実行することとするものである。
【0011】
また、請求項4に記載のごとく、
前記第六ステップの後に、前記樹脂成形品と、前記部品の相対位置関係を予測する第七ステップ、を実行することとするものである。
【0012】
また、請求項5に記載のごとく、
前記第六ステップ、又は、前記第七ステップの後に、前記樹脂成形品、及び、前記部品の組付け後の外観を自由曲面データにて再現する第八ステップ、を実行することとするものである。
【0013】
また、請求項6に記載のごとく、
樹脂成形品を当該樹脂成形品の支持体に組付けた際における、前記樹脂成形品の組付け状態を予測する、樹脂成形品の組付け状態予測装置であって、
3次元CADデータを格納する記憶装置と、
前記3次元CADデータの演算処理を行うCAD演算部と、
前記3次元CADデータからメッシュデータを生成するCAE演算部とを具備し、
前記CAE演算部にて、
樹脂成形品の成形時に前記樹脂成形品に発生する変形量である、成形時変形量を予測し、
前記樹脂成形品が成形後に熱の影響を受けることで、前記樹脂成形品に発生し得る変形量である、熱変形量を予測し、
前記樹脂成形品を前記支持体に組付ける際に生じる変形量である、組付け時変形量を予測し、
前記成形時変形量、前記熱変形量、及び、前記組付け時変形量から、前記樹脂成形品の前記支持体に対する組付け状態を予測する構成とするものである。
【0014】
また、請求項7に記載のごとく、
前記CAE演算部にて、
前記樹脂成形品に隣接して配置される部品について、当該部品を規定の位置に組付ける際に生じる、当該部品の前記規定の位置からのズレ量を予測することとするものである。
【0015】
また、請求項8に記載のごとく、
前記CAE演算部にて、
前記樹脂成形品の自重によって発生する変形量である、自重変形量を予測することとするものである。
【0016】
また、請求項9に記載のごとく、
前記CAE演算部にて、
前記樹脂成形品と、前記部品の相対位置関係を予測することとするものである。
【0017】
また、請求項10に記載のごとく、
前記樹脂成形品の組付け状態予測装置は、
前記メッシュデータから自由曲面データを生成する自由曲面データ演算部を具備し、
前記自由曲面データ演算部にて、
前記樹脂成形品、及び、前記部品の組付け後の外観を自由曲面データにて再現することとするものである。
【0018】
また、請求項11に記載のごとく、
樹脂成形品を当該樹脂成形品の支持体に組付けた際における、前記樹脂成形品の組付け状態を予測するために、コンピュータを、
樹脂成形品の成形時に前記樹脂成形品に発生する変形量である、成形時変形量を予測する手段、
前記樹脂成形品が成形後に熱の影響を受けることで、前記樹脂成形品に発生し得る変形量である、熱変形量を予測する手段、
前記樹脂成形品を前記支持体に組付ける際に生じる変形量である、組付け時変形量を予測する手段、
前記成形時変形量、前記熱変形量、及び、前記組付け時変形量から、前記樹脂成形品の前記支持体に対する組付け状態を予測する手段、
として機能させるための樹脂成形品の組付け状態予測プログラムとするものである。
【0019】
また、請求項12に記載のごとく、
前記コンピュータを、前記樹脂成形品に隣接して配置される部品について、当該部品を規定の位置に組付ける際に生じる、当該部品の前記規定の位置からのズレ量を予測する手段として機能させるプログラムとするものである。
【0020】
また、請求項13に記載のごとく、
前記コンピュータを、前記樹脂成形品の自重によって発生する変形量である、自重変形量を予測する手段として機能させるプログラムとするものである。
【0021】
また、請求項14に記載のごとく、
前記コンピュータを、前記樹脂成形品と、前記部品の相対位置関係を予測する手段として機能させるプログラムとするものである。
【0022】
また、請求項15に記載のごとく、
前記コンピュータを、前記樹脂成形品、及び、前記部品の組付け後の外観を自由曲面データにて再現する手段として機能させるプログラムとするものである。
【発明の効果】
【0023】
以上の請求項1、6、11に記載の発明では、
樹脂成形品の組付け状態を予測することができ、この結果をもとに、前記成形時変形量、前記熱変形量、及び、前記組付け時変形量の調整を図ることにより、樹脂成形品の組付け状態を調整し、組付け後の製品の外観、見栄えといった、いわゆる、「組付け品質」の向上を図ることができる。
【0024】
また、請求項2、7、12に記載の発明では、
予測した部品のズレ量を反映したメッシュデータを、CAE解析によって出力し、この出力結果を参考にして、前記部品等の製作誤差の調整の検討を図ることができ、前記部品に関する組付け後の製品の外観、見栄えといった、いわゆる、「組付け品質」の向上を図ることができる。
【0025】
また、請求項3、8、13に記載の発明では、
自重変形量を反映したメッシュデータを、CAE解析によって出力するとともに、この出力結果を参考にして、前記樹脂成形品の形状や重量等の設計変更を図ることができ、前記樹脂成形品の自重に関連して影響を受ける組付け後の製品の外観、見栄えといった、いわゆる、「組付け品質」の向上を図ることができる。
【0026】
また、請求項4、9、14に記載の発明では、
予測結果を参考にしつつ、前記樹脂成形品の前記成形時変形量、前記熱変形量、及び、前記組付け時変形量の各パラメータの調整や、前記部品の製作誤差の調整を図ることで、前記樹脂成形品と部品の相対位置関係を調整する調整する、即ち、組付け状態を調整することが可能となり、組付け後の製品の外観、見栄えといった、いわゆる、「組付け品質」の向上を図ることができる。
【0027】
また、請求項5、10、15に記載の発明では、
より滑らかな曲面により外観・見栄えを再現することができ、これにより、組付け状態の外観・見栄えをより現実に近い形でシミュレーションすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明は、樹脂成形品を当該樹脂成形品の支持体に組付けた際における、前記樹脂成形品の組付け状態を予測するための技術であり、以下では、図1に示すごとく、前記樹脂成形品をフロントバンパー1、前記支持体をフレーム2、として、フロントバンパー1の組付け状態を予測する例を用いて説明する。また、フロントバンパー1と、このフロントバンパー1に隣接して設けられるヘッドランプ3との相対位置関係を予測することにより、これらの組付け状態を予測する例を用いて説明する。
【0029】
図2は、本発明に係る樹脂成形品の組付け状態予測装置10の装置構成例について示すものであり、前記フロントバンパー1、フレーム2、ヘッドランプ3等の3次元CADデータの演算処理を行うCAD演算部12、前記3次元CADデータからメッシュデータを生成するCAE演算部13、及び、前記メッシュデータから自由曲面データを生成する自由曲面データ演算部14を具備する演算装置11を備えている。また、前記演算装置11には、前記3次元CADデータを格納する記憶装置15が接続されている。また、前記演算装置11には、前記3次元CADデータからなる図形モデルや、前記メッシュデータからなる図形モデル等を表示等するための出力装置16が接続されている。また、前記演算装置11には、前記演算装置11に対してオペレータが命令を入力するための入力装置17が接続されている。
以上の構成は、パーソナルコンピュータや、ワークステーションの構成で実現することができるものであり、例えば、前記CAD演算部12、前記CAE演算部13、及び、自由曲面データ演算部14については、市販のソフトウェアと周知のハードウエアの構成にて実現することができる。
【0030】
そして、図3に示すごとくのステップにより、組付け状態の予測を行うものである。
即ち、図3に示すごとく、
樹脂成形品を当該樹脂成形品の支持体に組付けた際における、前記樹脂成形品の組付け状態を予測する、樹脂成形品の組付け状態予測方法であって、
樹脂成形品であるフロントバンパー1の成形時に前記フロントバンパー1に発生する変形量である、成形時変形量を予測する第一ステップ、
前記フロントバンパー1が成形後に熱の影響を受けることで、前記フロントバンパー1に発生し得る変形量である、熱変形量を予測する第二ステップ、
前記フロントバンパー1を前記フレーム2に組付ける際に生じる変形量である、組付け時変形量を予測する第三ステップ、
前記成形時変形量、前記熱変形量、及び、前記組付け時変形量から、前記フロントバンパー1の前記フレーム2に対する組付け状態を予測する第四ステップ、を実行することとするものである。
【0031】
以上の第一〜第四のステップを実行することにより、樹脂成形品の組付け状態を予測することができ、この結果をもとに、前記成形時変形量、前記熱変形量、及び、前記組付け時変形量の調整を図ることにより、樹脂成形品の組付け状態を調整し、組付け後の製品の外観、見栄えといった、いわゆる、「組付け品質」の向上を図ることができる。
【0032】
前記各ステップについて説明すると、
まず、第一ステップにおいては、樹脂成形品の射出成形時に発生する変形を、成形時変形量として定義し、この成形時変形量をCAE解析により予測するものである。換言すれば、成形時変形量が、組付け状態に影響を与えるパラメータとして設定され、このパラメータの値を予測しようとするものである。
【0033】
この成形時における変形は、例えば、成形金型において、フロントバンパー1の外側を形成するキャビティ面の冷却時表面温度が、内側を形成するキャビティ面の冷却時表面温度よりも低い場合において、このキャビティ面の冷却時表面温度の違いによって、フロントバンパー1が脱型時に内側から外側へ広がる方向へと変形する(いわゆる「そり変形」)、といった現象である。
この現象に着目し、この第一ステップにおいて、成形時変形量を予測するものである。
【0034】
また、この成形時変形量の予測は、フロントバンパー1の形状、厚み、キャビティ面の温度等をパラメータとして、周知のCAE解析技術・解析方法(パラメータの範囲の設定等)を適用することにより可能である。
【0035】
次に、第二ステップにおいては、前記フロントバンパー1が成形後に熱の影響を受けて、該フロントバンパー1に発生し得る変形を、熱変形量として定義し、この熱変形量をCAE解析により予測するものである。換言すれば、熱変形量が、組付け状態に影響を与えるパラメータとして設定され、このパラメータの値を予測しようとするものである。
【0036】
この熱の影響を受けて発生し得る変形は、本実施例のような自動車部品への適用の場合では、例えば、組付けた状態において、季節の変化による外気温度の変化により、フロントバンパー1が、夏場は伸び、冬場は縮む、といった現象である。
この現象に着目し、この第二ステップにおいて、熱変形量を予測するものである。
【0037】
また、この熱変形量の予測は、フロントバンパー1の形状、厚み等をパラメータとして、周知のCAE解析技術・解析方法(パラメータの範囲の設定等)を適用することにより可能である。
【0038】
次に、第三ステップにおいては、前記フロントバンパー1を前記フレーム2に組付ける際に生じる変形を、組付け時変形量として定義し、この組付け時変形量をCAE解析により予測するものである。換言すれば、組付け時変形量が、組付け状態に影響を与えるパラメータとして設定され、このパラメータの値を予測しようとするものである。
【0039】
この組付ける際に生じる変形は、前述の第一・第二ステップで予測した変形を反映することで、規定の形状でなくなったフロントバンパー1を、組付けの相手方となるフレーム2に対して固定するために、荷重7を加えることで生じる変形である。
この現象に着目し、この第三ステップにおいて、組付け時変形量を予測するものである。
尚、この組付け時変形量は、樹脂成形品が可撓性を有することに起因するものである。
【0040】
また、この組付け時変形量の予測は、フロントバンパー1の形状、厚み等をパラメータとして、周知のCAE解析技術・解析方法(パラメータの範囲の設定等)を適用することにより可能であるが、このCAE解析の際には、前記第一・第二ステップで予測したフロントバンパー1の変形を反映した上で行われるものであり、また、組付けの相手方となるフレーム2の製作誤差(バラツキ)も考慮した上で行われる。
【0041】
次に、第四ステップにおいては、前記各ステップで予測した前記成形時変形量、前記熱変形量、及び、前記組付け時変形量から、前記フロントバンパー1の前記フレーム2に対する組付け状態を予測するものであり、例えば、この予測結果をCAE解析によって図1に示すごとく、メッシュデータの出力形式にて表現するものである。
そして、この出力結果を参考にしつつ、前記成形時変形量、前記熱変形量、及び、前記組付け時変形量の各パラメータの調整することで、フロントバンパー1の組付け状態を調整することが可能となり、組付け後の製品の外観、見栄えといった、いわゆる、「組付け品質」の向上を図ることができる。尚、実際の評価においては、組付け品質が最も悪いケースが参酌されることとなる。
【0042】
また、以上の第四ステップまでにおいては、樹脂成形品とその支持体との関係における組付け状態の予測・評価を行うものであったが、これに加え、樹脂成形品に隣接して配置される部品についても、組付け状態の予測を行うこともできる。
即ち、図3に示すごとく、前記第四ステップの後に、前記フロントバンパー1に隣接して配置される部品であるヘッドランプ3について、当該ヘッドランプ3を規定の位置に組付ける際に生じる、当該ヘッドランプ3の前記規定の位置からのズレ量を予測する第五ステップ、を実行することとするものである。
【0043】
この第五ステップにおいては、ヘッドランプ3の製作誤差(バラツキ)、及び、ヘッドランプ3の組付けの相手方となるフレーム4の製作誤差(バラツキ)を考慮して、CAE解析により、当該ヘッドランプ3の規定の位置からのズレ量、即ち、本来設置されるべき設計上の座標位置からのズレ量を予測するものである。
この第五ステップにおいて対象とする部品(ヘッドランプ3)は、前記第一〜第四ステップにおいて対象とする可撓性の有る樹脂成形品とは異なり、大きな成形時変形量、熱変形量、組付け時変形量が発生しないものであるため、製作誤差(バラツキ)に着目してズレ量を予測することとするものである。
【0044】
このようにして予測した部品のズレ量を反映したメッシュデータを、CAE解析によって出力することが可能となる。尚、この第五ステップにおけるCAE解析では、部品(ヘッドランプ3)が変形しないため、部品の回転操作をすること等によって、組付け状態が再現されることになる。
そして、この出力結果を参考にして、前記部品やフレームの製作誤差の調整の検討を図ることができ、前記部品に関する組付け後の製品の外観、見栄えといった、いわゆる、「組付け品質」の向上を図ることができる。尚、実際の評価においては、組付け品質が最も悪いケースが参酌されることとなる。
【0045】
また、以上の第五ステップまでにおいては、樹脂成形品の自重を考慮したものでなかったが、この自重の影響を考慮して、組付け状態の予測を行うこともできる。
即ち、図3に示すごとく、前記第五ステップの後に、前記樹脂成形品の自重によって発生する変形量である、自重変形量を予測する第六ステップ、を実行することとするものである。
【0046】
この第六ステップにおいては、組付け状態において、その自重によって樹脂成形品が変形する現象に着目したものである。
この自重による変形を考慮することによって、実際の組付け状態をより正確にシミュレーション(予測・再現)することができる。
【0047】
この自重変形量は、樹脂成形品であるフロントバンパー1の形状、重量等をパラメータとして、周知のCAE解析技術・解析方法(パラメータの範囲の設定等)を適用することにより可能である。
そして、この第六ステップにより予測した自重変形量を反映したメッシュデータを、CAE解析によって出力するとともに、この出力結果を参考にして、前記樹脂成形品の形状や重量等の設計変更を図ることができ、前記樹脂成形品の自重に関連して影響を受ける組付け後の製品の外観、見栄えといった、いわゆる、「組付け品質」の向上を図ることができる。尚、実際の評価においては、組付け品質が最も悪いケースが参酌されることとなる。
【0048】
また、以上の第六ステップまでにおいては、樹脂成形品、部品のそれぞれの変形やズレ量を評価するものであったが、樹脂成形品と部品の相対位置関係の評価を視野に入れて組付け状態の予測を行うこともできる。
即ち、図3に示すごとく、前記第六ステップの後に、前記樹脂成形品と、前記部品の相対位置関係を予測する第七ステップ、を実行することとするものである。
【0049】
この第七ステップにおいては、図3に示すごとく、フロントバンパー1とヘッドランプ3の相対位置関係、即ち、両部品間に生じる隙間8、段差9といったように、フロントバンパー1とヘッドランプ3によって構成される外観に関連するパラメータを用いて、「組付け品質」を評価しようとするものである。つまり、この隙間8や、段差9が少なければ、前記「組付け品質」が良好であると評価できるものであり、このことをもって、「組付け品質」を予測しようとするものである。尚、実際の評価においては、組付け品質が最も悪いケースが参酌されることとなる。
【0050】
そして、この予測結果を参考にしつつ、前記樹脂成形品(フロントバンパー1)の前記成形時変形量、前記熱変形量、及び、前記組付け時変形量の各パラメータの調整や、前記部品(ヘッドランプ3)の製作誤差の調整を図ることで、前記樹脂成形品と部品の相対位置関係を調整する、即ち、組付け状態を調整することが可能となり、組付け後の製品の外観、見栄えといった、いわゆる、「組付け品質」の向上を図ることができる。
【0051】
また、この第七ステップの予測は、隣接する二つの部品の相対位置関係を評価するものであり、各部品の変形やズレ量を単独で評価するものではない。
このため、組付け状態を総合的に評価することができるものとなる。
【0052】
また、このことからすれば、仮に、例えば、前記第四ステップまでの評価において、フロントバンパー1の各変形量(成形時変形量、熱変形量、組付け時変形量)が大きいと判断された場合であっても、当該第七ステップにおける評価が良好である場合には、当該第七ステップの評価をもってして、「組付け品質」が良好であるものと判断することも可能である。尚、実際の評価においては、組付け品質が最も悪いケースが参酌されることとなる。
【0053】
また、以上の第七ステップまでにおいては、CAE解析によるメッシュデータでの外観の表現を行うものであったが、より実物に近い外観、見栄えを再現すべく、メッシュデータを自由曲面データの形式にて出力することとしてもよい。
即ち、前記第六ステップ、又は、前記第七ステップの後に、前記樹脂成形品、及び、前記部品の組付け後の外観を自由曲面データにて再現する第八ステップ、を実行することとするものである。
【0054】
これにより、より滑らかな曲面により外観・見栄えを再現することができ、これにより、組付け状態の外観・見栄えをより現実に近い形でシミュレーションすることが可能となる。
【0055】
また、以上の第一〜第八ステップを実施する装置構成として、次の装置構成を適用することができる。
即ち、樹脂成形品を当該樹脂成形品の支持体に組付けた際における、前記樹脂成形品の組付け状態を予測する、樹脂成形品の組付け状態予測装置であって、
図2及び図3に示すごとく、
3次元CADデータを格納する記憶装置15と、
前記3次元CADデータの演算処理を行うCAD演算部12と、
前記3次元CADデータからメッシュデータを生成するCAE演算部13とを具備し、
前記CAE演算部13にて、
樹脂成形品であるフロントバンパー1の成形時に前記フロントバンパー1に発生する変形量である、成形時変形量を予測し、
前記フロントバンパー1が成形後に熱の影響を受けることで、前記フロントバンパー1に発生し得る変形量である、熱変形量を予測し、
前記フロントバンパー1を前記フレーム2に組付ける際に生じる変形量である、組付け時変形量を予測し、
前記成形時変形量、前記熱変形量、及び、前記組付け時変形量から、前記フロントバンパー1の前記フレーム2に対する組付け状態を予測する構成とするものである。
【0056】
また、図2及び図3に示すごとく、
前記CAE演算部13にて、
前記樹脂成形品であるフロントバンパー1に隣接して配置される部品であるヘッドランプ3について、当該ヘッドランプ3を規定の位置に組付ける際に生じる、当該ヘッドランプ3の前記規定の位置からのズレ量を予測することとするものである。
【0057】
また、図2及び図3に示すごとく、
前記CAE演算部13にて、
前記樹脂成形品の自重によって発生する変形量である、自重変形量を予測することとするものである。
【0058】
また、図2及び図3に示すごとく、
前記CAE演算部13にて、
前記樹脂成形品と、前記部品の相対位置関係を予測することとするものである。
【0059】
また、図2及び図3に示すごとく、
前記樹脂成形品の組付け状態予測装置は、
前記メッシュデータから自由曲面データを生成する自由曲面データ演算部14を具備し、
前記自由曲面データ演算部14にて、
前記樹脂成形品、及び、前記部品の組付け後の外観を自由曲面データにて再現することとするものである。
【0060】
また、本発明は、プログラムとして構成することができる。
即ち、樹脂成形品を当該樹脂成形品の支持体に組付けた際における、前記樹脂成形品の組付け状態を予測するために、コンピュータを、
図2及び図3に示すごとく、
樹脂成形品であるフロントバンパー1の成形時に前記フロントバンパー1に発生する変形量である、成形時変形量を予測する手段、
前記フロントバンパー1が成形後に熱の影響を受けることで、前記フロントバンパー1に発生し得る変形量である、熱変形量を予測する手段、
前記フロントバンパー1を前記フレーム2に組付ける際に生じる変形量である、組付け時変形量を予測する手段、
前記成形時変形量、前記熱変形量、及び、前記組付け時変形量から、前記フロントバンパー1の前記フレーム2に対する組付け状態を予測する手段、
として機能させるための樹脂成形品の組付け状態予測プログラムとするものである。
【0061】
また、図2及び図3に示すごとく、
前記コンピュータを、前記樹脂成形品であるフロントバンパー1に隣接して配置される部品であるヘッドランプ3について、当該ヘッドランプ3を規定の位置に組付ける際に生じる、当該ヘッドランプ3の前記規定の位置からのズレ量を予測する手段として機能させるプログラムとするものである。
【0062】
また、図2及び図3に示すごとく、
前記コンピュータを、前記樹脂成形品の自重によって発生する変形量である、自重変形量を予測する手段として機能させるプログラムとするものである。
【0063】
また、図2及び図3に示すごとく、
前記コンピュータを、前記樹脂成形品と、前記部品の相対位置関係を予測する手段として機能させるプログラムとするものである。
【0064】
また、図2及び図3に示すごとく、
前記コンピュータを、前記樹脂成形品、及び、前記部品の組付け後の外観を自由曲面データにて再現する手段として機能させるプログラムとするものである。
【0065】
また、以上の実施例では、フロントバンパー1とヘッドランプ3を用いて自動車の組付けへの適用について述べたが、この例に限るものではなく、樹脂成形品の組付け状態を予測・評価するために、本発明は幅広い製造分野に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】樹脂成形品であるフロントバンパーの組付け状態を予測した場合の出力結果について示す図。
【図2】本発明に係る樹脂成形品の組付け状態予測装置の装置構成例について示す図。
【図3】本発明に係る樹脂成形品の組付け状態予測方法を実施する場合のステップについて示す図。
【符号の説明】
【0067】
1 フロントバンパー
2 フレーム
3 ヘッドランプ
4 フレーム
8 隙間
9 段差




 

 


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