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精密加工装置および精密加工方法 - トヨタ自動車株式会社
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発明の名称 精密加工装置および精密加工方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−38358(P2007−38358A)
公開日 平成19年2月15日(2007.2.15)
出願番号 特願2005−226419(P2005−226419)
出願日 平成17年8月4日(2005.8.4)
代理人 【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
発明者 神谷 純生 / 岩瀬 久雄 / 永池 哲也 / 江田 弘 / 周 立波
要約 課題
粗研削〜精密加工研削に至る全ての段階で、精密加工装置を構成する移動部の移動量制御や姿勢制御装置の姿勢制御に際してフィードバック制御を施すことで、被研削体の厚みと平坦度の双方を高い精度で管理することのできる精密加工装置および精密加工方法を提供する。

解決手段
砥石bを回転させる回転装置6bを支持する第二の基台3は、送りねじ機構4とアクチュエータ5が装着されており、粗研削段階〜超精密研削段階において該第二の基台3の移動量が適宜に調整されながら研削がおこなわれる。被研削体aを回転させる回転装置6aと第一の基台2との間には姿勢制御装置7が介在しており、被研削体aの厚みや平坦度を光プローブ91,92にて測定し、測定結果をコンピュータ94に送り、目標値と測定値との偏差を解消するようにフィードバック指令を姿勢制御装置7に送り、その姿勢制御をおこなう精密加工装置である。
特許請求の範囲
【請求項1】
被研削体を回転させる回転装置および該回転装置を支持する第一の基台と、砥石を回転させる回転装置および該回転装置を支持する第二の基台と、該第一の基台と第二の基台を相対的に近接または離間させる移動手段と、該移動手段による基台の移動量を制御する制御手段と、被研削体の厚みおよび平坦度を測定する測定手段と、からなる精密加工装置であって、
前記移動手段は、送りねじ機構からなる第一の移動部と、圧力制御に基づくアクチュエータからなる第二の移動部とからなり、第一の移動部と第二の移動部とを選択的に使い分けながら第一の基台と第二の基台を相対的に移動させるものであり、前記制御手段では、前記測定手段によって得られた測定結果に基づいて、予め定められた被研削体の厚みおよび平坦度となるように前記移動量を調整できるように構成されていることを特徴とする精密加工装置。
【請求項2】
被研削体を回転させる回転装置および該回転装置を支持する第一の基台と、砥石を回転させる回転装置および該回転装置を支持する第二の基台と、該第一の基台と第二の基台を相対的に近接または離間させる移動手段と、該移動手段による基台の移動量を制御する制御手段と、被研削体の厚みおよび平坦度を測定する測定手段と、からなる精密加工装置であって、
前記移動手段は、送りねじ機構からなる第一の移動部と、圧力制御に基づくアクチュエータからなる第二の移動部とからなり、第一の移動部と第二の移動部とを選択的に使い分けながら第一の基台と第二の基台を相対的に移動させるものであり、
前記回転装置と前記第一の基台との間、または、前記回転装置と前記第二の基台との間には回転装置の姿勢を制御するための姿勢制御装置が介装されており、前記姿勢制御装置は、X軸とY軸からなる平面内に延びる第一の面材と、該第一の面材に間隔を置いて並列する第二の面材と、からなり、2つの面材において対向するそれぞれの面には凹部が穿設されており、第一の面材と第二の面材の間には、球体がその一部を2つの凹部に収容されながら介装されるとともに、X軸とY軸からなる平面に直交するZ軸方向に伸張する第一のアクチュエータが介装されており、第二の面材には、X軸とY軸からなる平面内の適宜の方向に伸張する第二のアクチュエータが接続されており、第二の面材は、載置物を載置した姿勢で第一の面材に対して相対的に移動可能に構成されており、前記球体は、弾性変形が可能な接着剤にて第一の面材および/または第二の面材に接着されており、第一のアクチュエータと第二のアクチュエータには、それぞれ圧電素子と超磁歪素子が備えられており、
前記制御手段では、前記測定手段によって得られた測定結果に基づいて、予め定められた被研削体の厚みおよび平坦度となるように、前記基台の移動量および/または前記姿勢制御装置の姿勢を調整できるように構成されていることを特徴とする精密加工装置。
【請求項3】
前記第二の移動部は、圧力性能の異なる複数の空気圧アクチュエータまたは油圧アクチュエータからなり、第二の移動部による基台および回転装置の移動が、選択的に異なる圧力によって制御可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の精密加工装置。
【請求項4】
前記砥石には、少なくともCMG砥石が含まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の精密加工装置。
【請求項5】
被研削体を回転させる回転装置および該回転装置を支持する第一の基台と、砥石を回転させる回転装置および該回転装置を支持する第二の基台と、該第一の基台と第二の基台を相対的に近接または離間させる移動手段と、該移動手段による基台の移動量を制御する制御手段と、被研削体の厚みおよび平坦度を測定する測定手段と、からなり、移動手段は、送りねじ機構からなる第一の移動部と、圧力制御に基づくアクチュエータからなる第二の移動部と、から構成されている精密加工装置を使用した精密加工方法において、
前記精密加工方法は、被研削体を粗研削することにより中間の被研削体を製作する第一工程と、該中間の被研削体をCMG砥石によって研削することにより最終の被研削体を製作する第二工程と、からなり、第一工程においては、前記第一の移動部によって回転装置および基台の移動調整がおこなわれ、第二工程においては、前記第二の移動部によって回転装置および基台の移動調整がおこなわれ、さらに、第一工程および第二工程において、研削された被研削体の厚みおよび平坦度を測定手段にて測定し、得られた測定結果に基づいて、予め定められた被研削体の厚みおよび平坦度となるように前記移動量を調整することを特徴とする精密加工方法。
【請求項6】
被研削体を回転させる回転装置および該回転装置を支持する第一の基台と、砥石を回転させる回転装置および該回転装置を支持する第二の基台と、該第一の基台と第二の基台を相対的に近接または離間させる移動手段と、該移動手段による基台の移動量を制御する制御手段と、被研削体の厚みおよび平坦度を測定する測定手段と、回転装置と第一の基台との間、または、回転装置と第二の基台との間に介装されて回転装置の姿勢を制御するための姿勢制御装置と、からなり、移動手段は、送りねじ機構からなる第一の移動部と、圧力制御に基づくアクチュエータからなる第二の移動部と、から構成されている精密加工装置を使用した精密加工方法において、
前記精密加工方法は、被研削体を粗研削することにより中間の被研削体を製作する第一工程と、該中間の被研削体をCMG砥石によって研削することにより最終の被研削体を製作する第二工程と、からなり、第一工程においては、前記第一の移動部によって回転装置および基台の移動調整がおこなわれ、第二工程においては、前記第二の移動部によって回転装置および基台の移動調整がおこなわれ、さらに、第一工程および第二工程において、研削された被研削体の厚みおよび平坦度を測定手段にて測定し、得られた測定結果に基づいて、予め定められた被研削体の厚みおよび平坦度となるように、前記基台の移動量および/または前記姿勢制御装置の姿勢を調整することを特徴とする精密加工方法。
【請求項7】
回転装置にチャックされた被研削体を該回転装置からアンチャックすることなく、第一工程から第二工程へ移行することを特徴とする請求項5または6に記載の精密加工方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコンウエハや磁気ディスク基板など、その精密な形状寸法精度や平坦性が要求される被研削体の研削加工をおこなう際に使用される精密加工装置および精密加工方法に係り、特に、粗研削〜精密加工研削に至る全ての段階で、精密加工装置を構成する移動部の移動量制御や姿勢制御装置の姿勢制御に際してフィードバック制御を施すことで、被研削体の厚みと平坦度の双方を高い精度で管理することのできる精密加工装置および精密加工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近時、次世代パワーデバイスは、そのエネルギー損失低減や小型化への要求が高まっており、例えば、エレクトロニクス用半導体の多層化や高密度化などがその一例として挙げられる。これらの要求に対する方策としては、Siウエハを代表とする半導体ウエハの極薄化、加工表面や加工面内部に転位や格子歪のない加工方法、表面粗度(Ra)をサブnm(サブナノメーター)〜nm(ナノメーター)レベル、加工面の平坦度をサブμm(サブマイクロメーター)〜μm(マイクロメーター)、さらにはそれ以下とする加工方法の開発などが考えられる。
【0003】
自動車産業に目を向けると、自動車のパワーデバイスであるIGBT(Integrated Bipolar Transistor)は、インバータシステムの主要なシステムである。今後は、かかるインバータの高性能化や小型化によってハイブリット車の商品性が益々高まることが予想される。そのため、IGBTを構成するSiウエハの厚さを50〜150μm、望ましくは90〜120μm程度まで極薄化し、スイッチング損失や定常損失、熱損失の低減が不可欠となってくる。さらには、直径が200〜400mm程度の円形Siウエハの加工面、もしくは加工表面近傍内部において転位や格子歪などの欠陥をゼロとした完全表面とすること、表面粗度(Ra)をサブナノメーター〜ナノメーターレベル、平坦度をサブマイクロメーター〜マイクロメーターにすることによって、半導体の電極形成工程での歩留まりや、半導体の多層化が向上する。
【0004】
一般に、上記する半導体の加工工程は、ダイヤモンド砥石による粗研削、ラッピング、エッチング、遊離砥粒を用いたWet−CMP(Chemo Mechanical Polishing/湿式化学機械的研削)など、多工程を要しているのが現状である。かかる従来の加工法では、加工表面に酸化層や転位、格子歪が生じてしまい、完全表面を得ることは極めて困難となる。また、ウエハの平坦度も悪く、加工時もしくは電極形成後のウエハの破損によって歩留まりの低減に繋がる。さらには、従来の加工法では、ウエハの直径が200mm、300mm、400mmと大きくなるに従い、その極薄化は困難となり、直径が200mmのウエハの厚さを100μmレベルにするための研究が進められているのが現状である。
【0005】
本発明者等は、上述する従来技術の問題点に鑑み、粗加工から最終の延性モード加工を含む超精密表面加工までを精密ダイヤモンド砥石のみで一貫して効率よくおこなうことのできる精密平面加工機械に関する発明を特許文献1に開示している。
【0006】
かかるダイヤモンド砥石を応用した研削加工は、砥石の回転と、砥石を支持する主軸の送りと、被加工体の位置決めの3つの主要な動きが重要となる。これらの動きを精度よくコントロールすることにより精密加工を可能なものとするのであるが、特に、粗加工〜超精密加工までを1つの装置で一貫しておこなうためには、上述の主要な動きのうち、主軸の送りの制御を幅広い範囲で精度よくおこなうことが必要となる。従来の研削加工における主軸の制御は、例えばサーボモータを応用した方式が多用されているが、低圧領域〜高圧領域までを制度よく制御するには十分とは言えず、特に、超精密加工をおこなう低圧領域での加工に対しては十分なものではなかった。そこで、本発明者等は、特許文献1において、圧力制御をサーボモータと超磁歪アクチュエータの組み合わせによっておこなう精密加工機械を開示している。10gf/cm以上の圧力範囲においてはサーボモータと圧電アクチュエータにておこない、10gf/cm〜0.01gf/cmの圧力範囲においては超磁歪アクチュエータにておこなうことにより、粗加工〜超精密加工までを1つの装置で一貫しておこなうことが可能となる。また、研削用砥石としては、砥粒粒度が3000番よりも細かいダイヤモンドカップ型砥石を使用するものである。
【0007】
ところで、半導体ウエハ表面の研削加工に際しては、最終製品は勿論のこと、研削加工段階においても、所望のウエハ厚を有し、また所望のウエハ表面平坦度を有していることの確認作業が重要である。研削加工装置を既述するような高性能アクチュエータにて制御しても、実際の研削加工面の平坦度などを確認し、その結果を次の研削加工ステップにフィードバックさせることにより、その加工精度の向上を図ることができる。特許文献2には、研磨前後の平板状試料厚の差分から研磨量を算定し、それが許容値を逸脱している場合には研磨パッドを交換したり研磨条件を変更するなどしながら研磨量を許容範囲内に収める研磨方法にかかる発明が開示されている。
【0008】
一般的な半導体ウエハの研磨や研削制御においては、上記特許文献2に記載されているように、研削前後のウエハ厚さの差分から研削量を算定し、研削量が許容範囲に収まっているか否かを判断しながら加工をおこなう方法が一般的である。しかしながら、上記特許文献1のように、研削加工の圧力制御をサーボモータと超磁歪アクチュエータの組み合わせによって粗加工〜超精密加工までの研削加工を一貫しておこなうことを可能とした研削加工装置の場合には、加工前後のウエハの差分などを算定することにより、粗加工〜超精密加工までの一貫した研削加工によって期待できる迅速性が阻害されてしまう。また、粗加工〜超精密加工までの研削工程において、研削量によってウエハの表面加工精度や厚さ、平坦度などを精度よく制御することは極めて困難である。すなわち、粗加工終了時点における研削精度を研削量にて判断しようとすると、ウエハの平坦度(ウエハ全体の平坦性の程度であって、ウエハ全体が波打っていたり、ウエハがその中央部または端部に向かって反っている場合には平坦度が低いこととなる)が所望の平坦度か否かを判断することは不可能であり、したがって、厚みや平坦度の微調整をその主目的とする超精密加工段階において、微調整では対処しきれないような結果が往々にして招来され得る。
【0009】
【特許文献1】特表2000−141207号公報
【特許文献2】特開平8−174417号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、粗加工研削〜超精密加工研削までを一貫しておこなうことができるとともに、高い精度の厚みおよび平坦度にて被研削体を研削加工することのできる精密加工装置および精密加工方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成すべく、本発明による精密加工装置は、被研削体を回転させる回転装置および該回転装置を支持する第一の基台と、砥石を回転させる回転装置および該回転装置を支持する第二の基台と、該第一の基台と第二の基台を相対的に近接または離間させる移動手段と、該移動手段による基台の移動量を制御する制御手段と、被研削体の厚みおよび平坦度を測定する測定手段と、からなる精密加工装置であって、前記移動手段は、送りねじ機構からなる第一の移動部と、圧力制御に基づくアクチュエータからなる第二の移動部とからなり、第一の移動部と第二の移動部とを選択的に使い分けながら第一の基台と第二の基台を相対的に移動させるものであり、前記制御手段では、前記測定手段によって得られた測定結果に基づいて、予め定められた被研削体の厚みおよび平坦度となるように前記移動量を調整できるように構成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明は、1台の精密加工装置により、被研削体の粗研削〜超精密研削までを一貫しておこなうことのできる精密加工装置に関するものであり、各研削段階における被研削体の平坦度や被研削体の厚みを適宜に制御しながら、所望の平坦度および厚みを備えた被研削体完成品を製造するための装置に関する。ここで、平坦度とは、被研削体(例えばウエハ)全体の平坦性の程度のことを意味している。例えば、研削方法や研削の進展状況によっては、ウエハ全体が波打ったり、その中央部が反ったような状態となり得、かかる状態では平坦度が低い(平坦性が悪い)ということになる。
【0013】
被研削体を把持しながら回転させる回転装置、および、砥石を回転させる回転装置は、それぞれの基台上に載置されており、被研削体の加工表面と砥石面とが対向配置されている。被研削体と砥石双方の軸心が一致するように双方が位置決めされており、例えば、被研削体を回転させる回転装置を支持する第一の基台が固定されていて、砥石を回転させる回転装置を支持する第二の基台が、加工段階に応じて第一の移動部や第二の移動部によって移動量を制御されながら、研削加工が実施される。
【0014】
第一の移動部は、基台を物理的に移動させる移動量に基づく制御機構であり、第二の移動部は、基台に一定の圧力を加圧することによって移動させる定圧力制御機構である。効率的な超精密研削を実施するためには、最初の粗研削段階においては研削量や研削効率等の観点から基台を移動量に基づいて制御することが好ましく、最終の仕上げ段階(超精密研削段階)においては、段階的に変化する定圧力制御にて仕上げをおこなうことが好ましい。そのため、本発明は、第一の移動部と第二の移動部を備えた精密加工装置とすることにより、上記するように1台の装置にて一貫した研削加工を実施可能としたものである。
【0015】
砥石を回転させる回転装置を支持する第二の基台が被研削体側へ移動する実施形態においては、該第二の基台には、いわゆる送りねじ機構(第一の移動部)を構成する送りねじとナットが装着され、さらには、適宜の空気圧アクチュエータまたは油圧アクチュエータ(第二の移動部)が装着された構成となっている。この送りねじ機構は、サーボモータの出力軸に取り付けられた送りねじにナットが移動可能に螺合され、このナットが第二の基台に装着されることにより、第二の基台が制御可能な移動をおこなうこととなる。かかる送りねじ機構とアクチュエータは、研削加工段階に応じて適宜選択できるようになっており、例えば初期の粗研削段階においては被研削体表面がある程度の面粗さとなるまでは送りねじ機構が選択され、ナットの適宜の移動量に応じて第二の基台上の回転装置(砥石)が被研削体側へ移動することで被研削体表面の粗研削が実施される。被研削体表面の粗研削が終了すると、移動量に基づく制御から超精密研削段階における定圧制御へと制御態様の切替えがおこなわれる。この制御態様の切替えの際には、使用される砥石が超精密研削用の砥石に交換される。超精密研削段階においては、極めて微小な研削によって被研削体表面の仕上げがおこなわれることから、この研削加工は、一定の圧力で砥石を被研削体表面に加圧していく必要がある。そこで、本発明においては、例えば空気圧アクチュエータまたは油圧アクチュエータを使用することで、この定圧制御を実現しようとするものである。
【0016】
本発明の精密加工装置によれば、送りねじ機構と空気圧または油圧アクチュエータを選択的に使用することができるため、粗研削〜超精密研削までのすべての研削加工を1台の精密加工装置にて一貫しておこなうことが可能となる。また、定圧制御が要求される超精密研削段階においては、公知の空気圧または油圧アクチュエータが使用されるため、かかるアクチュエータ稼動時に発熱などの問題は生じ得ず、さらには安価に装置を製造することが可能となる。
【0017】
ところで、最終の超精密研削段階においては、被研削体の平坦度の精度調整や微細な厚み調整がおこなわれることから、この超精密研削段階に至る粗研削段階においても、被研削体の平坦度や厚みが適宜の平坦度および厚みとなるように研削加工制御がおこなわれる必要がある。本発明では、適宜の測定手段にて各研削加工段階における被研削体の平坦度や厚みを測定し、研削段階に応じて、第一の移動部または第二の移動部に測定結果に基づく移動量指令を適宜の制御手段を介してフィードバックすることで、所望の被研削体完成品を製造することができる。例えば、研削段階の任意時点における被研削体の平坦度や厚みが予め設定されており、粗研削段階〜超精密研削段階までのデータがコンピュータに内臓された制御手段内に収納されている。任意時点での測定手段からの測定結果が制御手段へ送られ、既設定のデータ(目標値)と測定データとの偏差を制御手段にて求め、偏差を解消するように次の研削ステップを実行する第一の移動部または第二の移動部へ移動量指令を送り、かかる指令値に基づいて移動部が移動するような形態とすることができる。
【0018】
また、測定手段は特に限定するものでないが、被研削体表面への損傷や被研削体の破損を防止する観点から、非接触型の測定手段を使用するのが望ましい。特に、本発明の精密加工装置が研削対象としている被研削体は極薄体であることから、測定手段が被研削体表面を走査するなどして表面平坦度を測定する形態は回避する必要がある。そこで、一つの実施例として、近接場光学反射測定を実現するための光プローブを測定手段として使用することができる。この1つまたは複数の光プローブを被研削体に近接した位置に対向配置させ、被研削体の任意位置の表面平坦度の測定や厚さ測定をおこなう。ここで、光プローブからは、電子光またはレーザー光が被研削体に照射される。例えば、被研削体としてシリコンウエハを対象とする場合には、該シリコンウエハは、その内部に紫外線は透過させることができるが、それよりも波長の長い可視光線は透過させずに表面にて反射させる性質がある。そこで、シリコンウエハの厚みを測定する場合には、可視光線と紫外線を別途該シリコンウエハの同一点に照射させ、可視光線と紫外線双方の反射光の差分から高精度な厚み計測をおこなうことができる。一方、シリコンウエハの平坦度を測定する場合には、可視光線のみを照射することで、該可視光線の光速と、照射〜反射〜反射光の受光までの時間からウエハ全体の平坦度を測定することが可能となる。ここで、厚み計測用の光プローブと平坦度計測用の光プローブは同一のプローブを使用してもよいし、それぞれ別個のプローブを使用してもよい。また、被研削体の材質に応じて、照射する光波の種類を適宜に調整する必要がある(可視光線と赤外線とを使用する形態、赤外線とマイクロ波を使用する形態など)。また、被研削体の表面の多数点の計測をおこなう方法の一実施例として、被研削体の半径をrとした場合に、被研削体を1回転させることで該被研削体の任意の半径r1における多数点の測定をおこない、被研削体を回転装置の把持面内にて水平方向にてスライドさせ、半径r1とは異なる半径r2における多数点の測定を同様におこない、かかる操作を半径内で多数回実施することで被研削体表面の多数点の測定が可能となる。
【0019】
また、本発明による精密加工装置の他の実施形態は、被研削体を回転させる回転装置および該回転装置を支持する第一の基台と、砥石を回転させる回転装置および該回転装置を支持する第二の基台と、該第一の基台と第二の基台を相対的に近接または離間させる移動手段と、該移動手段による基台の移動量を制御する制御手段と、被研削体の厚みおよび平坦度を測定する測定手段と、からなる精密加工装置であって、前記移動手段は、送りねじ機構からなる第一の移動部と、圧力制御に基づくアクチュエータからなる第二の移動部とからなり、第一の移動部と第二の移動部とを選択的に使い分けながら第一の基台と第二の基台を相対的に移動させるものであり、前記回転装置と前記第一の基台との間、または、前記回転装置と前記第二の基台との間には回転装置の姿勢を制御するための姿勢制御装置が介装されており、前記姿勢制御装置は、X軸とY軸からなる平面内に延びる第一の面材と、該第一の面材に間隔を置いて並列する第二の面材と、からなり、2つの面材において対向するそれぞれの面には凹部が穿設されており、第一の面材と第二の面材の間には、球体がその一部を2つの凹部に収容されながら介装されるとともに、X軸とY軸からなる平面に直交するZ軸方向に伸張する第一のアクチュエータが介装されており、第二の面材には、X軸とY軸からなる平面内の適宜の方向に伸張する第二のアクチュエータが接続されており、第二の面材は、載置物を載置した姿勢で第一の面材に対して相対的に移動可能に構成されており、前記球体は、弾性変形が可能な接着剤にて第一の面材および/または第二の面材に接着されており、第一のアクチュエータと第二のアクチュエータには、それぞれ圧電素子と超磁歪素子が備えられており、前記制御手段では、前記測定手段によって得られた測定結果に基づいて、予め定められた被研削体の厚みおよび平坦度となるように、前記基台の移動量および/または前記姿勢制御装置の姿勢を調整できるように構成されていることを特徴とする。
【0020】
第一の面材、第二の面材ともに、第二の面材上に載置される載置物の重量を支持し得る強度を備えた材料から成形されるとともに、非磁性材料から成形されることが好ましい。かかる材料としては、特に限定するものではないが、オーステナイト系ステンレス鋼(SUS)が使用できる。一方、第一の面材と第二の面材の間に介装される球体も同様に、少なくとも第二の面材上に載置される載置物の重量を支持し得る強度を備えた材料からなることを要する。したがって、載置物の設定重量に応じて球体を形成する材料も適宜選定できるが、一例として、金属が挙げられる。第一の面材と第二の面材のうち、球体と当接する箇所には球体の形状に応じた凹部が穿設されており、双方の凹部に球体の一部が収容された姿勢で面材間に球体が介装設置される。この凹部の寸法(穿設深さや開口径など)は、面材や球体の大きさ、要求される姿勢制御精度などによって適宜調整される。尤も、双方の凹部に球体の一部が収容された姿勢で、少なくとも第一の面材と第二の面材との間に所定の間隔が保持されていることが要求される。この間隔は、例えば第二の面材が第二のアクチュエータの作動によって傾斜した場合でも、第二の面材が第一の面材に当接しないような適宜の離隔である。
【0021】
2つの面材の対向する箇所に穿設された凹部表面と球体は、接着剤にて接続できる。かかる接着剤は、常温にて弾性性能を有する材質を備えた適宜の接着剤が使用でき、一例を挙げれば、弾性エポキシ系接着剤や、弾性接着剤などが使用できる。例えば、引張りせん断接着強さが10〜15Mpa、減衰係数が2〜7Mpa・secで好ましくは4.5Mpa・sec、接着材のばね定数が、80〜130GN/mで好ましくは100GN/mの接着剤を使用することができ、接着剤の厚みを0.2mm程度に設定することができる。なお、双方の面材に凹部が穿設される実施形態のほかに、第一の面材、第二の面材いずれか一方のみに凹部が穿設されていて、この凹部に球体の一部が収容され、凹部表面と球体を接着剤にて接着する実施形態であってもよい。
【0022】
姿勢制御装置の一実施形態としては、第一の面材と第二の面材との間に球体と2つの第一のアクチュエータが平面的には任意の3角形の各頂点に位置するように介装配置されていて、第二の面材における四方の端辺のうちの少なくとも1辺には第二のアクチュエータが装着された実施形態がある。かかる少なくとも3つのアクチュエータにより、第二の面材は、載置物を直接載置した姿勢で、第一の面材に対して相対的に3次元的な変位を実現することができる。この第二の面材の変位に際しては、その下方で該第二の面材を支持する球体表面の接着剤が弾性変形することにより、第二の面材の変位がほぼ無拘束状態の自由変位を実現できる。
【0023】
第一のアクチュエータ、第二のアクチュエータともに、少なくとも超磁歪素子を備えたアクチュエータであることが好ましい。ここで、超磁歪素子とは、ジスプロニウムやテルビウムなどの希土類金属と鉄やニッケルの合金のことであり、棒状の超磁歪素子の周りのコイルに電流が印加されることによって生じる磁界により、該素子が1μm〜2μm程度伸びることができる。また、この超磁歪素子の性質としては、2kHz以下の周波数領域において使用でき、ピコ秒(10−12秒)の応答速度を備えている。さらに、その出力性能は、15〜25kJ/cm程度であり、例えば、後述する圧電素子の約20〜50倍の出力性能を有する。一方、圧電素子は、チタン酸ジルコン酸塩(Pb(Zr,Ti)O)やチタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸鉛(PbTiO)などからなる。圧電素子の性質としては、10kHz以上の周波数領域にて使用でき、ナノ秒(10秒)の応答速度を備えている。出力パワーは超磁歪素子に比して小さく、比較的軽荷重領域での高精度な位置決め制御(姿勢制御)に好適である。なお、ここでいう圧電素子には電歪素子も含まれている。また、上記する姿勢制御装置に対する移動量指令とは、超磁歪素子や圧電素子の伸張量のこととなる。
【0024】
球体の表面には上記する接着剤による被膜が形成されていて、該球体と該接着剤による被膜は、双方が相対的に可動できるように縁切りされた実施形態であってもよい。接着剤は、既述する弾性変形が可能な材料からなり、例えば金属球体の表面にこの接着剤からなる被膜が形成できる。ここで、第二の面材の動きに対する拘束度をより緩和するために、本発明では、球体とその外周の接着剤とを縁切りする構成とする。例えば、球体の表面にグラファイト被膜を形成しておき、このグラファイト被膜の外周に接着剤からなる被膜を形成させる。接着剤とグラファイト被膜とは接着せず、実質的には縁切りされた構造となるため、第二の面材が変位する際には、球体は無拘束状態で定位置で回転する一方で、その表層の接着剤は、該球体からの拘束を受けることなく第二の面材の変位に呼応した弾性変形をすることになる。本発明においては、第一の面材および第一の面材と接着する接着剤、および、接着剤と接着しない球体(または球体表面被膜)を実現できる適宜の面材、接着剤、球体(の表面被膜)から構成される。第二の面材の動きに対する拘束度がさらに緩和されることになり、姿勢制御装置に要求される極めて微小でかつリアルタイムな動きを実現することが可能となる。さらには、第二の面材の拘束度が無拘束に近いため、第二の面材を変位させる際に第二のアクチュエータに要求されるエネルギーも従来に比べて低減させることが可能となる。
【0025】
さらに本発明は、研削加工段階において、第一の移動部および第二の移動部のみならず、姿勢制御装置を適宜に制御することのできる精密加工装置、或いは、姿勢制御装置のみを適宜に制御することのできる精密加工装置に関するものである。特に姿勢制御装置のみを制御する場合には、測定手段による測定結果に基づいて、第一のアクチュエータおよび/または第二のアクチュエータに移動量指令(超磁歪素子などの伸張量指令)を送ることにより、姿勢制御装置を構成する第二の面材を適宜の位置に移動させたり、適宜の傾角を備えた姿勢とすることができる(姿勢制御)。移動部へはフィードバック指令を送ることなく、姿勢制御装置のみにフィードバック指令を送る構成とすることで、移動部と姿勢制御装置双方の間を連動させるインターフェイス回路の必要性もなくなるため、制御の回路構成を簡易なものとすることができる。
【0026】
本発明によれば、載置物の重量や、研削加工段階に応じて、各アクチュエータにおける超磁歪素子と圧電素子とを適宜使い分けることができ、したがって、超磁歪素子のみの場合の発熱の影響を格段に緩和しながら、極めて精度のよい回転装置の姿勢制御をおこないながら研削加工をおこなうことが可能となる。対向する回転装置双方の軸心のずれは、姿勢制御装置にて適宜修正しながら研削加工がおこなわれる。超磁歪素子、圧電素子ともにその応答速度が速いことから、本発明では、原則として圧電素子を使用しながら、必要に応じて超磁歪素子を使用するといった双方の使い分けを適宜おこなうものである。なお、かかる軸心の微小なずれは常時検知されるようになっており、検知された微小なずれは、コンピュータによって数値処理され、超磁歪素子(超磁歪アクチュエータ)や圧電素子(圧電アクチュエータ)の必要伸縮量として各アクチュエータに入力される。
【0027】
また、本発明による精密加工装置の他の実施形態において、前記第二の移動部は、圧力性能の異なる複数の空気圧アクチュエータまたは油圧アクチュエータからなり、第二の移動部による基台および回転装置の移動が、選択的に異なる圧力によって制御可能であることを特徴とする。
【0028】
超精密研削段階においては、最終仕上げ段階までの間で、被研削体表面が延性モードに入るように調整しつつ、徐々に圧力を落としながら、多段階の定圧研削を実施する必要がある。
【0029】
本発明においては、上記する多段階の定圧研削を、それぞれの定圧研削段階に応じた圧力性能を有するアクチュエータによって実施しようとするものである。例えば一例として10mgf/cm〜5000gf/cmの圧力制御が要求される場合においては、10mgf/cm〜300gf/cmまでを低圧領域、300gf/cm〜5000gf/cmまでを高圧領域とする2段階に分け、それぞれの圧力領域にて使用される2種類のアクチュエータを選択可能に装着した構成とすることができる。
【0030】
また、本発明による精密加工装置の他の実施形態において、前記砥石には、少なくともCMG砥石が含まれていることを特徴とする。
【0031】
CMG砥石(固定砥粒)とは、最終研削をCMG法(Chemo Mechanical Grinding)でおこなう際に使用される砥石のことであり、かかる方法は、従来のエッチングやラッピング、ポリッシングなどの多工程をCMG砥石を使用した研削工程のみでおこなうものであり、現在その開発が進められている技術である。研削加工に際しては、粗研削段階ではダイヤモンド砥石を使用し、超精密研削段階ではCMG砥石を使用するといった砥石の使い分けがおこなわれる。
【0032】
また、本発明による精密加工方法は、被研削体を回転させる回転装置および該回転装置を支持する第一の基台と、砥石を回転させる回転装置および該回転装置を支持する第二の基台と、該第一の基台と第二の基台を相対的に近接または離間させる移動手段と、該移動手段による基台の移動量を制御する制御手段と、被研削体の厚みおよび平坦度を測定する測定手段と、からなり、移動手段は、送りねじ機構からなる第一の移動部と、圧力制御に基づくアクチュエータからなる第二の移動部と、から構成されている精密加工装置を使用した精密加工方法において、前記精密加工方法は、被研削体を粗研削することにより中間の被研削体を製作する第一工程と、該中間の被研削体をCMG砥石によって研削することにより最終の被研削体を製作する第二工程と、からなり、第一工程においては、前記第一の移動部によって回転装置および基台の移動調整がおこなわれ、第二工程においては、前記第二の移動部によって回転装置および基台の移動調整がおこなわれ、さらに、第一工程および第二工程において、研削された被研削体の厚みおよび平坦度を測定手段にて測定し、得られた測定結果に基づいて、予め定められた被研削体の厚みおよび平坦度となるように前記移動量を調整することを特徴とする。
【0033】
例えば、第一工程においてはダイヤモンド砥石による粗研削がおこなわれ、第二工程においてはCMG砥石による超精密研削がおこなわれる。
【0034】
第一工程を実施する第一の移動部とは、既述するように、例えば、送りねじ機構などにより、第二の基台を第一の基台側へ物理的に一定量移動させることによって粗研削をおこなう制御機構である。
【0035】
第二工程を実施する第二の移動部とは、既述するように定圧力制御を段階的に実施する機構であり、これは、各圧力段階ごとに適宜の空気圧アクチュエータまたは油圧アクチュエータが選択されることによって実現できる。既述するように、適宜の測定手段にて各研削加工段階(第一工程〜第二工程)における被研削体表面の平坦度や厚みを測定し、研削段階に応じて、第一の移動部または第二の移動部に測定結果に基づく調整部移動量指令を適宜の制御手段を介してフィードバックすることで、所望の被研削体完成品を製造することができる。
【0036】
また、本発明による精密加工方法の他の実施形態は、被研削体を回転させる回転装置および該回転装置を支持する第一の基台と、砥石を回転させる回転装置および該回転装置を支持する第二の基台と、該第一の基台と第二の基台を相対的に近接または離間させる移動手段と、該移動手段による基台の移動量を制御する制御手段と、被研削体の厚みおよび平坦度を測定する測定手段と、回転装置と第一の基台との間、または、回転装置と第二の基台との間に介装されて回転装置の姿勢を制御するための姿勢制御装置と、からなり、移動手段は、送りねじ機構からなる第一の移動部と、圧力制御に基づくアクチュエータからなる第二の移動部と、から構成されている精密加工装置を使用した精密加工方法において、前記精密加工方法は、被研削体を粗研削することにより中間の被研削体を製作する第一工程と、該中間の被研削体をCMG砥石によって研削することにより最終の被研削体を製作する第二工程と、からなり、第一工程においては、前記第一の移動部によって回転装置および基台の移動調整がおこなわれ、第二工程においては、前記第二の移動部によって回転装置および基台の移動調整がおこなわれ、さらに、第一工程および第二工程において、研削された被研削体の厚みおよび平坦度を測定手段にて測定し、得られた測定結果に基づいて、予め定められた被研削体の厚みおよび平坦度となるように、前記基台の移動量および/または前記姿勢制御装置の姿勢を調整することを特徴とする。
【0037】
本発明は、第一の移動部および第二の移動部を制御することに加えて、姿勢制御装置をも制御する方法、または、姿勢制御装置のみを制御する方法に関するものであり、特に姿勢制御装置のみを制御する場合には、既述するように、第一および第二の移動部と姿勢制御装置間のインターフェイス回路を不要とでき、姿勢制御装置の姿勢制御のみを管理することによって高品質な被研削体完成品を製造できるという利点がある。
【0038】
さらに、本発明による精密加工方法の他の実施形態は、前記精密加工方法において、回転装置にチャックされた被研削体を該回転装置からアンチャックすることなく、第一工程から第二工程へ移行することを特徴とする。
【0039】
被研削体のチャックは、真空吸引などの適宜の方法によっておこなわれるが、発明者等の検証によれば、ダイヤモンド砥石による研削(第一工程)からCMG砥石による研削(第二工程)への移行の際に被研削体をアンチャックすると、第一工程において製造された中間の被研削体表面にはまだら模様が残ってしまう一方で、アンチャックしない場合にはかかるまだら模様が残らないという検証結果が得られている。これは、ダイヤモンド研削段階に発生した残留応力により、アンチャック時に被研削体が撓んでしまい、かかる撓みが表面のまだら模様を生じさせているものと判断できる。
【発明の効果】
【0040】
以上の説明から理解できるように、本発明の精密加工装置および精密加工方法によれば、送りねじ機構などの第一の移動部による移動量に基づく制御と、空気圧アクチュエータまたは油圧アクチュエータなどの第二の移動部による多段階的な定圧制御とを選択的に選定しながら粗研削〜超精密研削までを一貫しておこなうことができるため、効率的かつ精度のよい研削加工を実現することができる。また、本発明の精密加工装置によれば、球体が2枚の面材間に介装されてなる姿勢制御装置が研削加工途中の回転装置の姿勢を適宜修正するため、研削精度を一層高めることができる。ここで、本発明の精密加工装置は、超精密研削段階における圧力制御を超磁歪アクチュエータにておこなう構成となっていないため、研削加工段階における発熱の問題を勘案する必要はない。さらに、本発明の精密加工装置および精密加工方法によれば、粗研削段階〜超精密研削段階にわたって、被研削体の平坦度や被研削体の厚さを適宜測定/管理し、必要に応じてフィードバック制御をおこないながら研削を進めていくことにより、高精度な被研削体の完成品を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の精密加工装置の一実施形態を示した側面図を、図2は、光プローブから被研削体へ光線が照射されている状況を説明した模式図を、図3は、被研削体の平坦度の測定と厚みの測定状況を説明した模式図をそれぞれ示している。図4は、姿勢制御装置のフィードバック制御を示すフローである。図5は、移動手段を示した斜視図を、図6は、図5のVI−VI矢視図を、図7は、図5のVII−VII矢視図をそれぞれ示している。図8は、姿勢制御装置の一実施形態を示した平面図を、図9は、図8のIX−IX矢視図を、図10は、図8のX−X矢視図をそれぞれ示している。図11は、回転装置および被研削体の実際の座標系とコンピュータによるA/D変換後の座標系光を模式的に示した図を、図12は、被研削体表面の各座標における厚みの計測結果を示した図を、図13aは、被研削体完成品の表面平坦度(凹凸)の許容最大値を、図13bは、被研削体完成品の直径方向の平坦度の偏差を示した実験結果を示す図をそれぞれ示している。なお、図示する実施形態においては、空気圧アクチュエータを使用しているが、これは油圧アクチュエータであってもよく、また圧力制御に応じて3基以上のアクチュエータを備えた構成であってもよい。さらに、図示する実施形態では、姿勢制御装置をフィードバック制御する形態となっているが、送りねじ機構をフィードバック制御する形態や、姿勢制御装置および送りねじ機構の双方をインターフェイス回路を介して制御する形態などであってもよいことは勿論のことである。
【0042】
図1は、精密加工装置1の一実施形態を示したものである。精密加工装置1は、被研削体aを真空吸引した姿勢で回転させる回転装置6aと該回転装置6aを支持する第一の基台2と、砥石bを回転させる回転装置6bを支持する第二の基台3と、この第二の基台3を水平方向に移動させる移動手段、およびかかる第一の基台2と第二の基台3を下方から支持する台座9とから大略構成される。なお、砥石bは、粗研削段階では、ダイヤモンド砥石を使用し、超精密研削段階ではCMG砥石を使用するのが好ましい。
【0043】
第一の基台2と回転装置6aとの間には、姿勢制御装置7が介在している。また、移動手段は、第二の基台3を移動量に基づいて制御するための送りねじ機構4と、第二の基台3を圧力制御するための空気圧アクチュエータ5とから構成されている。この送りねじ機構4と空気圧アクチュエータ5は、それぞれコントローラ8に接続されており、研削加工段階に応じて、適宜切替え可能な構成となっている。
【0044】
送りねじ機構4は、サーボモータ43の出力軸に装着された送りねじ41にナット42が回転可能に螺合しており、このナット42が第二の基台3に取り付けられている。なお、ナット42と第二の基台3は、着脱可能な構成となっている。
回転装置6bのうち、回転装置6aに装着された被研削体aに対向する面には、砥石bの回転に干渉しない位置に、被研削体の厚み計測用光プローブ91と被研削体の平坦度計測用光プローブ92が装着されている。光プローブ91,92は、被研削体aに非接触の姿勢で該被研削体aの厚みや平坦度を測定できるため、極薄のウエハなどを対象とする本発明の精密加工装置には好適である。回転装置6aの後方にはエンコーダ(ロータリーエンコーダ6a1)が固設されており、エンコーダにて読取られた被研削体aが360度回転する際の各角度(θ)および径方向の任意位置(r)において、光プローブ91,92にて測定された該被研削体aの厚みや平坦度が逐次記録される構成となっている(後述)。光プローブ91,92にて測定された測定結果(被研削体の厚みや平坦度)は、A/D変換機93を介してコンピュータ94へ送られる。コンピュータ94には、例えば、粗研削〜超精密研削までの回転装置6bの移動量および各研削段階における被研削体の厚みや平坦度が予め設定/記憶されており、別途内臓された制御手段にて、光プローブ91,92による測定結果と設定値との間の偏差を精査し、該偏差が許容偏差内か否かを判断する。許容偏差を外れた場合には姿勢制御装置7にフィードバック指令を出し(フィードバック指令は、コンピュータ94からD/A変換機95を介して姿勢制御装置7の第一のアクチュエータや第二のアクチュエータに送られる)の姿勢を制御するように構成されている。
【0045】
図2は、光プローブから被研削体へ光線が照射されている模式図である。被研削体aとしてシリコンウエハを使用する場合には、厚み測定用光プローブ91からは2つの波長の異なる光波(紫外線Z1と可視光線Z2)を照射し、双方の反射光に基づいて厚みの測定をおこなう(後述)。一方、平坦度測定用光プローブ92からは可視光線Z3を照射し、その反射光に基づいて平坦度の測定をおこなう(後述)。また、厚み測定用光プローブ91や平坦度測定用光プローブ92は、被研削体aの半径内の任意点の値を測定している。被研削体aは回転装置6aにて回転されるため(X方向)、この任意の半径における円周方向に多数の測定を実施することで、該任意半径における多数測定結果を得ることができる。ここで、回転装置6aの側面にて、被研削体aを水平方向に可動させることにより(Y方向)、別途の半径における円周方向の多数点の測定を実施することができる。被研削体aの中心点から外周端まで該被研削体aを回転させながら徐々にスライドさせていくことで、被研削体aの全面の多数点の測定が可能となる。
【0046】
図3は、厚み測定用光プローブ91と平坦度測定用光プローブ92による被研削体a(ここではシリコンウエハ)の厚みおよび平坦度の測定状況を示したものである。厚み測定用光プローブ91からは、シリコンウエハを透過する波長の紫外線Z1と、透過せずに表面で反射する可視光線Z2が照射される。双方の光線の反射光を厚み測定用光プローブ91にて読取ることにより、シリコンウエハの厚みを高精度に測定することが可能となる。
【0047】
一方、平坦度測定用光プローブ92からは、可視光線Z3のみを照射している。かかる照射を例えばシリコンウエハの任意の直径にわたって実施することで、該直径にわたる平坦度を高精度に測定することが可能となる。すなわち、ウエハの平坦度は、可視光線の光速と、照射〜反射〜反射光の受光までの時間からウエハ全体の平坦度が測定できる。なお、図示する実施形態では、厚み測定用光プローブと平坦度測定用光プローブとが別体の実施形態であるが、一つの光プローブにて厚みと平坦度の双方を測定する実施形態であってもよい。
【0048】
図4は、姿勢制御装置のフィードバック制御を示すフローを示している。粗研削〜超精密研削までの各段階および任意時点において、予め設定された被研削体の厚みおよび平坦度の目標値となるように、送りねじ機構4を駆動させながら被研削体aの研削をおこなう(ステップS1)。この研削段階では、被研削体aの表面平坦度や被研削体aの厚みを測定手段(光プローブ)にて測定している(ステップS2)。
【0049】
この測定手段による測定結果が、平坦度および厚みに関する目標値の許容範囲内か否かを判断し(ステップS3)、許容範囲内であれば引き続き研削加工を続行するし(ステップS4)、許容範囲外の場合には、測定結果と目標値との偏差を解消するフィードバック指令信号を姿勢制御装置7に送る(ステップS5)。かかるステップS1〜ステップS5までを粗研削〜超精密研削までの全ての段階で連続的に実施し、所定の平坦度および厚みを有する完成品が製造された時点でフローは終了する(ステップS6)。
【0050】
図5は、移動手段を詳細に示した図である。第二の基台3は、側面視がL型形状に成形されており、その一側は回転装置6bを載置する側面であり、他側は送りねじ機構4を構成するナット42が直接取り付けられる板材44とピン部材45を介して接合される側面である。
【0051】
第二の基台3を構成する前記他側32には、送りねじ41が遊嵌する貫通孔が穿設されており、遊嵌する送りねじ41の左右には、それぞれ空気圧アクチュエータ5a,5bが固着されている。この空気圧アクチュエータ5a,5bは、圧力性能の異なるアクチュエータであり、例えば、空気圧アクチュエータ5aが相対的に低圧領域を分担するアクチュエータであり、空気圧アクチュエータ5bが相対的に高圧領域を分担するアクチュエータである。例えば、空気圧アクチュエータ5aにおいては、シリンダ5a1の内部にピストンロッド5a2が摺動可能に内臓されている。
【0052】
研削加工の初期の粗研削段階においては、ナット42と接続された板材44と第一の基台3がピン部材45にて接続されており、したがって、サーボモータ43の駆動に応じてナット42が一定量移動され、このナット42の移動に応じて第二の基台3(に載置する回転装置6b)も一定量移動することができる。
【0053】
一方、粗研削の後の超精密研削段階に際しては、ピン部材45が取り外されることによって板材44と第二の基台3の接続が解除される。この状態で、今度は高圧領域を分担する空気圧アクチュエータ5bを駆動させる。空気圧アクチュエータ5bを構成するピストンロッド5b2の一端が板材44を押圧しながら、すなわち、板材44に反力を取りながら、第二の基台3は第一の基台2側へ押出されることになる。この板材44はナット42と固着しており、ナット42は送りねじ41に螺合した構成となっているため、第二の基台3を押出すに十分な反力受けとなり得る。超精密研削加工においては、高圧領域における段階的な定圧研削をおこなった後に、使用するアクチュエータを低圧領域を分担する空気圧アクチュエータ5aに切替え、高圧領域の場合と同様に、低圧領域における段階的な定圧研削をおこなっていく。
【0054】
図6は図5のVI−VI矢視図であるが、空気圧アクチュエータ5a,5bそれぞれのピストンロッド5a2,5b2が、板材44に反力を取りながら第二の基台3が前方へ押出されることが理解できる。
【0055】
一方、図7は図5のVII−VII矢視図であり、第二の基台3(の他側32)とナット42と固着する板材44とがピン部材45,45によって着脱可能となっていることが理解できる。
【0056】
図8は姿勢制御装置7の一実施形態を、図9は図8のIX−IX矢視図をそれぞれ示している。姿勢制御装置7は、上方が開放された筐体からなり、該筐体は、第一の面材71と側壁711とから構成される。かかる筐体は、例えばSUS材から成形することができる。対向する側壁711,711の間には第二の面材72が第二のアクチュエータ75、75を介して装着されている。ここで、第一の面材71と第二の面材72との間には、第二の面材72が傾斜した場合でも双方が干渉しない程度の適宜の間隔Lが確保されている。図示する実施形態では、第二のアクチュエータ75のほかに、第二の面材72をX−Y平面内に保持するために、複数のバネ77,77,…が側壁711と第二の面材72の間に介装されている。
【0057】
第二のアクチュエータ75は、適宜の剛性を有する軸部材75cと、超磁歪素子75aおよび圧電素子75bから構成されている。なお、超磁歪素子75aは、素子のまわりに図示しないコイルが装着されており、コイルに電流が流れることにより生じる磁界によって伸張可能に構成されている。また、圧電素子75bも、電圧が作用することによって該素子が伸張可能となっている。なお、超磁歪素子75aと圧電素子75bの作動の選択は、第二の面材72を比較的大きく動かす必要があるか否か等、加工段階に応じて適宜選択できるように構成されている。ここで、超磁歪素子75aとしては、従来と同様にジスプロニウムやテルビウムなどの希土類金属と鉄やニッケルの合金から成形することができ、圧電素子75bとしては、チタン酸ジルコン酸塩(Pb(Zr,Ti)O)やチタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸鉛(PbTiO)などから成形できる。
【0058】
例えば、姿勢制御装置7を第一の基台2上に載置した場合には、X−Y平面(水平方向)に第二の面材72を変位させる際には第二のアクチュエータ75、75を作動させ、Z方向(鉛直方向)に変位させる際には、第一のアクチュエータ76,76を作動させる。ここで、第一のアクチュエータ76も第二のアクチュエータ75と同様に、適宜の剛性を有する軸部材76cと、超磁歪素子76aおよび圧電素子76bから構成されている。被研削体aの厚みや平坦度に関する測定結果がフィードバックされ、フィードバック指令が超磁歪素子や圧電素子に送られることで、第二の面材72が適宜の姿勢に制御され、被研削体aの厚みおよび平坦度の研削調整がおこなわれることとなる。
【0059】
第一の面材71と第二の面材72との間には、第一のアクチュエータ76,76のほかに、球体73が介装されている。かかる球体73を詳細に説明した断面図が図10である。
【0060】
球体73は、例えば金属からなる球状のコア部73aと、該コア部73aの外周に設けられ、例えばグラファイトからなる被膜73bとから構成できる。さらに、被膜73bの外周には常温で弾性変形が可能な接着剤74からなる被膜が形成されている。ここで、接着剤74は、例えば、引張りせん断接着強さが10〜15Mpa、減衰係数が2〜7Mpa・secで好ましくは4.5Mpa・sec、接着材のばね定数が、80〜130GN/mで好ましくは100GN/mの接着剤(弾性エポキシ系接着剤)を使用することができ、接着剤の厚みを0.2mm程度に設定することができる。
【0061】
第一の面材71および第二の面材72の球体73と当接する箇所には、それぞれ凹部71a,72aが刻設されており、球体73は、それぞれの凹部71a,72a内にその一部が収容されることで位置決めされる。また、球体73の外周を被覆する接着剤74は、凹部71a,72aと接着している一方で、球体73(を構成する被膜73b)と縁切りされており、球体73は接着剤74の被膜内で自由に回転することができる。
【0062】
第二の面材72上に回転装置6aが載置された姿勢で、第一のアクチュエータ76および第二のアクチュエータ75が作動しながら回転装置6aの姿勢制御をおこなう際には、接着剤74からなる被膜が弾性変形することにより、第二の面材72の3次元的な自由変位を許容することが可能となる。この際、球体73を構成するコア部材73aは回転装置6aの重量を支持しながらも、その外周の接着剤74からなる被膜を拘束することなく、定位置で回転しているのみである。したがって、球体73は実質的には回転装置6aの重量を支持するに過ぎず、球体73と接着剤74は相互に接着していないことから、第二の面材72の変位に応じて、接着剤74は球体73に何らの拘束も受けることなく自由に弾性変形することができる。したがって、第二の面材72は、接着剤74の弾性変形による反作用力程度の極めて微小な拘束しか受けないことになる。
【0063】
図11は、回転装置および被研削体の実際の座標系とコンピュータによるA/D変換後の座標系光を模式的に示した図である。回転装置6aの後方に固設されたエンコーダ6a1にて被研削体aの回転を読取ることができる。ここで、回転装置6aの座標系を図示するx−y−z軸に設定し(z軸は回転装置6bと回転装置6aの双方の軸心方向の軸)、回転装置6b側において既述する光プローブ91,92からの光波の照射がおこなわれる。被研削体aの測定点は、コンピュータ94内において、任意の(θ、r)座標における厚みが記憶される。例えば、エンコーダ6a1(ロータリーエンコーダ)の分解能が1024(pulse/rev)の場合であって、半径方向が38分割の場合の各測定点における記憶データの実施例を図12に示す。かかる計測データと、該データ座標に対応する任意時点における被研削体の設定厚みとの偏差が許容範囲内か否かが判断され、許容範囲外の場合にはフィードバック指令が姿勢制御装置に送られて許容範囲内となるように調整される。上記する精密加工装置1を使用した被研削体の精密加工方法についてその概略を以下に説明する。
【0064】
本発明の被研削体の研削方法(精密加工方法)は、精密加工装置1のみを使用して粗研削〜最終の超精密研削までを一貫しておこなうものである。まず、砥石bとしてダイヤモンド砥石を使用し、送りねじ機構4により、第二の基台3(回転装置6b)を所定量移動しながら被研削体aの粗研削をおこない、中間の被研削体を製作する(第一工程)。ここで、ダイヤモンド砥石は、粗さの異なる複数種類の砥石を順次使用しながら研削をおこなうこともできる。なお、この粗研削段階においては、砥石bと被研削体aの位置が検知されており、双方の軸心がずれた際には姿勢制御装置7にて位置の修正がおこなわれる。
【0065】
次に、砥石bをダイヤモンド砥石からCMG砥石に変更し、今度は、空気圧アクチュエータ5bを稼動させ、比較的高圧領域内の一定圧力を段階的に変化させながら被研削体aにCMG砥石を押圧していく(第二工程)。研削の最終段階においては、空気圧アクチュエータ5aに切替え、低圧領域内の一定圧力を同様に段階的に変化させながら被研削体aの最終研削をおこなう。なお、この超精密研削段階においても、砥石bと被研削体aの位置が常時検知されており、双方の軸心がずれた際には姿勢制御装置7にて位置の修正がおこなわれる。
【0066】
上記第一工程〜第二工程の間においては、既述するように被研削体aの厚みや平坦度が随時光プローブ91,92にて測定されており、この測定結果に基づいて、厚みや平坦度の目標値と同一または許容範囲内に近似できるように姿勢制御装置7にフィードバック指令を送り、姿勢制御装置7の姿勢制御をおこないながら研削がおこなわれる。
【0067】
また、第一工程〜第二工程の間においては、被研削体aを回転装置6aからアンチャックしないことが望ましい。被研削体表面にまだら模様が残らないようにするためである。
【実施例】
【0068】
表1に発明者等がおこなった研削実験の設定条件を示す。
【表1】


【0069】
砥石は自身で自転しながら被研削体の外周にそって公転しながら被研削体表面の研削加工をおこなう。したがって、被研削体表面の研削断面は、その中央部分が円周部分に比して突出した形状になり易い。図13aは、被研削体の中央部分の突起の許容偏差を1.24μm、φ300mmのシリコンウエハの直径端部間の高低差を±6μm/300mmと設定したことを示す模式図である。図13bは、この被研削体(シリコンウエハ)完成品の任意の直径を選定し、その直径に沿う偏差を測定した結果である。図13bからも明らかなように、実験による偏差は十分に許容値内に収まっていることが確認できる。フィードバック制御によって姿勢制御装置の姿勢の制御をおこなう精密加工装置とすることで、被研削体完成品の厚みや平坦度を高精度に管理することが可能となる。
【0070】
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の精密加工装置の一実施形態を示した側面図。
【図2】光プローブから被研削体へ光線が照射されている状況を説明した模式図。
【図3】被研削体の平坦度の測定と厚みの測定状況を説明した模式図。
【図4】姿勢制御装置のフィードバック制御を示すフロー。
【図5】移動手段を示した斜視図。
【図6】図5のVI−VI矢視図。
【図7】図5のVII−VII矢視図。
【図8】姿勢制御装置の一実施形態を示した平面図。
【図9】図8のIX−IX矢視図。
【図10】図8のX−X矢視図。
【図11】回転装置および被研削体の実際の座標系とコンピュータによるA/D変換後の座標系光を模式的に示した図。
【図12】被研削体表面の各座標における厚みの測定結果を示した図。
【図13】(a)は、被研削体完成品の表面平坦度(凹凸)の許容最大値であり、(b)は、被研削体完成品の直径方向の平坦度の偏差を示した実験結果を示す図。
【符号の説明】
【0072】
1…精密加工装置、2…第一の基台、3…第二の基台、4…送りねじ機構(第一の移動部)、41…送りねじ、42…ナット、43…サーボモータ、5,5a,5b…空気圧アクチュエータ(第二の移動部)、6a,6b…回転装置,6a1…エンコーダ、7…姿勢制御装置、8…コントローラ、91…厚み測定用光プローブ、92…平坦度測定用光プローブ、94…コンピュータ、a…被研削体、b…砥石




 

 


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