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発明の名称 ワーク治具装置及びワーク支持方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−38334(P2007−38334A)
公開日 平成19年2月15日(2007.2.15)
出願番号 特願2005−224046(P2005−224046)
出願日 平成17年8月2日(2005.8.2)
代理人 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
発明者 成田 英郎 / 中村 尚範
要約 課題
ワークの搬入・搬出を併せて行うことと、該ワーク治具装置に作業者の作業姿勢を調節する機能を備えるワーク治具装置を提供する。

解決手段
ワークWと相対的に位置固定されるハンド12と、ハンド12を端部に接続したアームとからなる単数又は複数の支持ロボット11で、ワーク治具装置10を構成し、ワーク治具装置10にワークWを装着する装着ポジションから、ツール9にてワークWに加工を施す加工ポジションへワークWを搬入するワーク搬入機能と、加工ポジションから、ワーク治具装置10よりワークWを取り外す解放ポジションへワークWを搬出するワーク搬出機能と、装着ポジションにおいて作業者の体格に応じてワークの高さ位置を変化させる作業高さ調節機能と、加工ポジションにおいてツール9による加工動作に応じてワークを姿勢変更させる姿勢変更機能を備えた。
特許請求の範囲
【請求項1】
ワークにツールで加工を施すために使用するワーク治具装置であって、
前記ワーク治具装置は、ワークの位置決めを行う位置決め基準部と、該位置決め基準部の位置および姿勢を変化させる位置決め基準移動機構とを備えており、
前記位置決め基準移動機構は、加工を施すワークの種類および加工状態に応じて前記位置決め基準部の位置および姿勢を変化させることを特徴とするワーク治具装置。
【請求項2】
前記ワーク治具装置においては、位置決め基準移動機構により位置決め基準部の位置および姿勢を変化させることにより、
前記ワーク治具装置にワークを装着する装着ポジションから前記ツールにてワークに加工を施す加工ポジションへワークを搬入し、
前記加工ポジションから前記ワーク治具装置よりワークを取り外す解放ポジションへワークを搬出し、
前記装着ポジションにおいて、ワークの高さ位置をワークの装着作業を行う作業者に応じて変化させ、
前記加工ポジションにおいて、前記ツールによる加工動作に応じてワークの位置や姿勢を変化させることを特徴とする請求項1に記載のワーク治具装置。
【請求項3】
前記ワーク治具装置を、
位置決め基準部となるハンドと、該ハンドに接続され、前記位置決め基準移動機構となる姿勢変形可能なアームとから成る、単数又は複数のロボットで構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のワーク治具装置。
【請求項4】
ワークの位置決めを行う位置決め基準部と、該位置決め基準部の位置および姿勢を変化させる位置決め基準移動機構とを備え、ワークにツールで加工を施すために使用するワーク治具装置におけるワーク支持方法であって、
位置決め基準移動機構により、加工を施すワークの種類および加工状態に応じて前記位置決め基準部の位置および姿勢を変化させることを特徴とするワーク支持方法。
【請求項5】
前記位置決め基準移動機構により位置決め基準部の位置および姿勢を変化させることにより、
前記ワーク治具装置にワークを装着する装着ポジションから、前記ツールにてワークに加工を施す加工ポジションへ、ワークを搬入する過程と、
前記加工ポジションにおいて、前記ツールによる加工動作に応じてワークの位置や姿勢を変化させる過程と、
前記加工ポジションから、前記ワーク治具装置よりワークを取り外す解放ポジションへ、ワークを搬出する過程とを、
実行することを特徴とする請求項4に記載のワーク支持方法。
【請求項6】
前記搬入過程において、ワークの高さ位置を、ワークの装着ポジションへの装着作業を行う作業者に応じて変化させることを特徴とする請求項5に記載のワーク支持方法。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装手段や溶接手段などの各種ツールにて、ワークに加工を施すために、該ワークを加工ポジションに保持するワーク治具装置及びこれを用いたワーク支持方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ライン生産工場などにおいて、ワークに溶接や塗装などの加工を施す際に、ワークを加工ポジションにて位置姿勢変化可能に保持するワーク治具装置と、溶接ガンや塗装ガンなどのツールを位置姿勢変化可能に保持するツール取扱装置が、使用される。ワーク治具装置と、ツール取扱装置とは、ツールでワークに作業を施す際、ワークの位置姿勢の変化に連動してツールが位置姿勢を変化させるように制御され、ワークの所望の位置にツールにより作業が施される。
【0003】
例えば、特許文献1では、ツール取扱装置によるツールの位置・姿勢の変化に対応して、アームとハンドとを備えたロボットであるワーク取扱装置(ワーク治具装置)にて、ワークの位置姿勢を変化させる技術が開示されており、ワーク取扱装置による『ワークの位置姿勢』の変化と、ツール取扱装置による『ツールの位置姿勢』の変化とを連動させて教示する際の教示制御に関する発明が、公開されている。
【0004】
また、従来、作業者の体格や作業姿勢、或いは、作業内容に応じてワークの高さや向き、傾きを調整できる作業台が、機器の組立作業に使用される。このような作業台として、例えば、特許文献2おいて、ワークを直接又は治具を用いて固定できるテーブルと、該テーブルの傾きを変化させる手段と、テーブルを昇降させ旋回させる手段とを備えた作業台に関する発明が、公開されている。
【特許文献1】特開平6−198584号公報
【特許文献2】特開平8−216062号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
生産工場のラインなどにおいては、上記のようにツールによってワークに作業を施す前に、ライン上を搬送されているワークを加工ポジションに搬入する搬入装置と、ワークに作業を施したのち、ワークを再びライン上に搬出する搬出装置とが、備えられる。また、搬入装置からワーク治具装置へのワークの受け渡しや、該ワーク治具装置から搬出装置への受け渡しは、別の専用装置が用いられたり、人手により行われたりすることが、一般的である。つまり、加工ポジションへの搬入、加工、加工ポジションからの搬出の各工程は、それぞれ専用の別体の装置により行われていた。
これは、ワークを姿勢変更や移動させるためには、スライドや、回転等の機構が必要となり、一台の装置で実現しようとすると、装置が複雑・巨大化することが想定されるため、専用装置とすることで各専用装置のコストの低減を図ることができると考えられていたからである。
【0006】
また、作業者がワークに対して作業を行うときのワークの姿勢(位置・高さ・傾き)を適切なものとすることは、作業者の作業環境を整え、作業効率や安全性を高める上で、重要である。上記背景技術に記載のように、組立作業に用いられる作業台においては、長時間連続して作業を行うために、作業者の体格等に合わせて作業位置を調整することが為されているが、例えば、ワーク治具装置にワークを装着する場合などは、連続する一作業時間が短いことや、装置構成や制御が煩雑になるなどの理由から、作業者の体格等に合わせた作業位置の調整は行われていなかった。
【0007】
そこで、本発明では、ツールでワークに加工を施す際に使用するワークの治具として機能するワーク治具装置で、ワークの搬入・搬出など、従来別の装置にて行われていた作業をも併せて行うことを提案し、併せて、このワーク治具装置に作業者の作業姿勢を調節する機能を備えることを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、ワークにツールで加工を施すために使用するワーク治具装置であって、前記ワーク治具装置は、ワークの位置決めを行う位置決め基準部と、該位置決め基準部の位置および姿勢を変化させる位置決め基準移動機構とを備えており、前記位置決め基準移動機構は、加工を施すワークの種類および加工状態に応じて前記位置決め基準部の位置および姿勢を変化させるものである。
【0010】
請求項2においては、前記ワーク治具装置においては、位置決め基準移動機構により位置決め基準部の位置および姿勢を変化させることにより、前記ワーク治具装置にワークを装着する装着ポジションから前記ツールにてワークに加工を施す加工ポジションへワークを搬入し、前記加工ポジションから前記ワーク治具装置よりワークを取り外す解放ポジションへワークを搬出し、前記装着ポジションにおいて、ワークの高さ位置をワークの装着作業を行う作業者に応じて変化させ、前記加工ポジションにおいて、前記ツールによる加工動作に応じてワークの位置や姿勢を変化させるものである。
【0011】
請求項3においては、前記ワーク治具装置を、位置決め基準部となるハンドと、該ハンドに接続され、前記位置決め基準移動機構となる姿勢変形可能なアームとから成る、単数又は複数のロボットで構成したものである。
【0012】
請求項4においては、ワークの位置決めを行う位置決め基準部と、該位置決め基準部の位置および姿勢を変化させる位置決め基準移動機構とを備え、ワークにツールで加工を施すために使用するワーク治具装置におけるワーク支持方法であって、位置決め基準移動機構により、加工を施すワークの種類および加工状態に応じて前記位置決め基準部の位置および姿勢を変化させるものである。
【0013】
請求項5においては、前記位置決め基準移動機構により位置決め基準部の位置および姿勢を変化させることにより、前記ワーク治具装置にワークを装着する装着ポジションから、前記ツールにてワークに加工を施す加工ポジションへ、ワークを搬入する過程と、前記加工ポジションにおいて、前記ツールによる加工動作に応じてワークの位置や姿勢を変化させる過程と、前記加工ポジションから、前記ワーク治具装置よりワークを取り外す解放ポジションへ、ワークを搬出する過程とを、実行するものである。
【0014】
請求項6においては、前記搬入過程において、ワークの高さ位置を、ワークの装着ポジションへの装着作業を行う作業者に応じて変化させるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0016】
請求項1においては、ワーク治具装置における位置決め基準部の位置・姿勢の変化によって、位置決め基準部にて支持されるワークの支持点(ワークが支持されている点)の位置・姿勢を変化させて、ワークの移動や姿勢を変化させることができる。また、ワークの違いによるワークの支持点の調整を、ワーク治具装置の位置決め基準移動機構の設定を変更することによって実現できる。
【0017】
請求項2においては、ワークの加工ポジションへの搬入、搬出をも併せてワーク治具装置で行うので、ワーク搬入のための別途独立した移送装置や、ワーク搬出のための別途独立した跳ね出し装置や搬送機構等が不要となる。
また、ワークをワーク治具装置に装着する装着ポジションから、加工ポジションまで、ワークを移動させるので、装着ポジションと加工ポジションとを離間することができ、装着ポジションで作業する作業者の安全性の向上を図ることができる。
さらに、ワークをワーク治具装置に装着する際に、作業者の体格に応じて作業位置が変更されるので、作業者の作業環境を整え、作業効率を高めることができる。
【0018】
請求項3においては、支持ロボットは、ワークの位置決め基準部として機能するハンドの位置及び姿勢を変化させることができるので、ワークの基準位置であるワーク基準点を移動させて、ワークを加工ポジションへ搬入したり、該加工ポジションから搬出したりできる。また、加工ポジションにおいて、ツールの動作に併せてワークを姿勢変更させることができる。
【0019】
請求項4においては、ワーク治具装置における位置決め基準部の位置・姿勢の変化によって、位置決め基準部にて支持されるワークの支持点(ワークが支持されている点)の位置・姿勢を変化させて、ワークの移動や姿勢を変化させることができる。また、ワークの違いによるワークの支持点の調整を、ワーク治具装置の位置決め基準移動機構の設定を変更することによって実現できる。
【0020】
請求項5においては、ワークの加工ポジションへの搬入、搬出をも併せてワーク治具装置で行うので、ワーク搬入のための別途独立した移送装置や、ワーク搬出のための別途独立した跳ね出し装置や搬送機構等が不要となる。
また、ワークをワーク治具に装着する装着ポジションから、加工ポジションまで、ワークを移動させるので、装着ポジションと加工ポジションとを離間することができ、作業者の安全性の向上を図ることができる。
【0021】
請求項6においては、ワークをワーク治具装置に装着する際に、作業者の体格に応じて作業位置が変更されるので、作業者の作業環境を整え、作業効率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1はワークが加工ポジションにある場合のワーク治具装置の様子を示す図、図2は支持ロボットの構造を示す図、図3はワーク治具装置の制御ブロック図である。図4はワーク形状に応じてハンドの作業位置を変更するワーク治具装置を説明する図である。
図5はワーク治具装置に保持されたワークの加工の流れを説明する図、図6はワーク治具装置の制御の流れを説明する図である。
図7はワークが装着ポジションにある場合のワーク治具装置の様子を示す図、図8はワーク治具装置の作業高さ位置調節機構を説明する図、図9はツールでの加工に応じてワークの姿勢を変化させるワーク治具装置を説明する図、図10はワークが解放ポジションにある場合のワーク治具装置の様子を示す図である。
【0023】
まず、本発明の実施例に係るワーク治具装置10について説明する。
図1に示すように、ワーク治具装置10は、ツール9でワークWに加工を施す際に、該ワークWを加工ポジションTで保持しながら、ツール9の動作に応じてワークWを姿勢変化させる、ワークWの加工用治具として機能する装置である。
なお、前記『加工ポジションT』とは、ツール9がワークWに加工を行う位置のことである。
【0024】
ワーク治具装置10は、単数又は複数の支持ロボット11・11・・・で構成される。本実施例に係るワーク治具装置10には、加工ポジションTを取り囲むように配置された4体の支持ロボット11・・・11が備えられる。ワーク治具装置10に具備される各支持ロボット11の構成は略同一であって、それぞれ独立して動作することができる。
【0025】
但し、前記ワーク治具装置10に備える支持ロボット11の数は、4体に限定されるものではなく、該ワーク治具装置10の大きさや重量等に応じて扱うワークWを支持するために適した数とすることができる。
【0026】
前記支持ロボット11は、図2にも示すように、7つの関節131・132・・・137を有し姿勢変化可能なアーム13の端部に、ワークWを固定することのできるハンド12を接続して成るものであり、7自由度のマニプレータである。
但し、前記支持ロボット11は7自由度のマニプレータに限定されるものではなく、ワークWを固定するとともに該ワークWの姿勢・位置を変化させることのできるロボットであれば、例えば、6自由度のマニプレータとしたり、3自由度以下のポジショナとしたりすることもできる。
【0027】
前記支持ロボット11のハンド12は、ワークWを支持すると共に、ワーク治具装置10における該ワークWの位置・姿勢を決定する『位置決め基準部』として機能し、当該ハンド12が接続されたアーム13は、前記位置決め基準部の位置および姿勢を変化させる『位置決め基準移動機構』として機能する。
【0028】
前記ワーク治具装置10に具備される各支持ロボット11・・・11のハンド12・・・12は各々独立して位置・姿勢の変化が可能であるので、該ハンド12・・・12に固定されたワークWの各支持点(ワークWがハンド12に支持されている点)は、独立して位置・姿勢の変化が可能である。そして、ワークWの各支持点は、位置決め基準部として機能するハンド12によって位置決めされ、これらの支持点の位置及び姿勢によってワーク治具装置10に保持されるワークWが位置決めされることとなる。
【0029】
ハンド12の位置・姿勢の変化により、例えば、各支持点の相対位置を変化させることによってワーク治具装置10に保持されるワークWの姿勢を自在に変化させたり、各支持点の相対位置を保持した状態で各支持点を移動させることによってワークWを搬送したりすることができる。
また、ハンド12の位置・姿勢の変化により、位置の支持点と他の支持点の位置・姿勢を相対的に変化させることにより、図4a及び図4bに示すように、様々な形状のワークWをワーク治具装置10にて保持可能であり、形状の異なるワークに対して柔軟に対応することができる。
【0030】
なお、ワークWの各支持点のうち、いずれか一つの支持点を、該ワーク治具装置10にて保持されるワークWの位置基準である『ワーク基準点』とすることができる。この場合、ワーク基準点を支持するハンド12の作業位置によりワーク基準点を定めることができるので、制御構成が簡易となる。
【0031】
以下に、前記支持ロボット11の概略構造について説明する。但し、該支持ロボット11の構造や教示の方法などは公知であるので、これに関する詳細な説明は省略する。
【0032】
支持ロボット11の動きは制御装置15によって制御される。本実施例に係るワーク治具装置10では、4体の支持ロボット11・・・11を備えるが、単一の制御装置15にて全ての支持ロボット11・・・11を制御することも、或いは、それぞれに制御装置15・・・15を備えて、これらが連動するように制御することもできる。
【0033】
図3に示すように、前記アーム13の各々の関節131・132・・・137には、制御装置15により制御を受けるサーボモータ101・102・・・107が備えられる。該サーボモータ101・102・・・107が動作することによって、各関節131・132・・・137が独立して所定時に所定角度だけ回転駆動されて、アーム13が姿勢変化する。
【0034】
前記制御装置15には、複数の作業位置が教示されており、支持ロボット11は教示された作業位置にハンド12を位置決めする。
そして、制御装置15では、ハンド12を作業位置に移動させるために、アーム13の各々の関節131・132・・・137の回転位相を決定し、前記関節131・132・・・137が決定された回転位相となるように、サーボモータ101・102・・・107を駆動する。
【0035】
なお、本実施例に係るワーク治具装置10では、上記作業位置において、ハンド12にワークWが支持されるため、該作業位置によって、ワークWのワーク基準点や支持点が位置決めされることとなる。
【0036】
また、本実施例に係る支持ロボット11では、ハンド12とワークWとを相対的に位置固定(連結)するための部材として、連結ピン121とピン座122がハンド12に備えられる。
【0037】
図2及び図3に示すように、前記連結ピン121は、制御装置15により制御を受けるアクチュエータ123によって駆動され、該連結ピン121をピン座122に対して離接させることができる。また、前記ピン座122には、例えば、接触センサ等の、ワークWが載置されたことを検出するセンサ109が備えられる。
【0038】
ワークWが固定されてない待機状態のハンド12では、連結ピン121とピン座122との間が、少なくともワークWの周縁部の厚みより大きい距離だけ離間するように、制御装置15にてアクチュエータ123が駆動制御される。
そして、この待機状態にあるハンド12のピン座122に、ワークWが載置されたことがセンサ109にて検出されると、連結ピン121をピン座122に近接させるように、制御装置15にてアクチュエータ123が駆動制御される。これにより、ワークWの所定位置に設けられた孔に連結ピン121が挿通され、連結ピン121とピン座122にて、ハンド12とワークWの一点とが相対的に位置固定される。
【0039】
但し、上記ハンド12の構成は本実施例に限定されるものではない。例えば、ハンド12を、ワークWを把持する構造ものとしたり、ワークWを吸着する構造のものとしたり、その他、ワークWとハンド12とを相対的に位置固定することのできる構造を採用することができる。
【0040】
上述のように構成されるワーク治具装置10は、以下の機能を備える。
【0041】
ワーク治具装置10は、装着ポジションPにおいて、各支持ロボット11のハンド12にワークWを固定させたのち、ツール9にて加工を施すための加工ポジションTまで搬入する『ワーク搬入機能』を備える。すなわち、ワーク治具装置10は、ワークWのワーク基準点を含め各支持点を装着ポジションPから加工ポジションTまで移動させることができる。
なお、前記『装着ポジションP』とは、ワーク治具装置10に作業者がワークWを装着させる位置のことである。
【0042】
そして、ワーク治具装置10は、前記装着ポジションPにおいて、該ワーク治具装置10にワークWを装着する際の作業者の体格等に応じてワークWの高さ方向位置を調整する『作業高さ調節機能』を備える。すなわち、ワーク治具装置10は、装着ポジションPにおけるワークWのワーク基準点を含め各支持点の高さ方向位置を、作業者の体格等に応じて変化させることができる。
【0043】
また、ワーク治具装置10は、前記加工ポジションTにおいて、ツール9によるワークWの加工部位に応じて、ワークWの姿勢を変化させる『ワーク姿勢変更機能』を備える。すなわち、ワーク治具装置10は加工ポジションTにおけるワークの各支持点の位置・姿勢を別個独立に変化させることができる。
【0044】
さらに、ワーク治具装置10は、ワークWを加工ポジションTから、解放ポジションQへ搬出する『ワーク搬出機能』を備える。すなわち、ワーク治具装置10は、ワークWのワーク基準点を含め各支持点を加工ポジションTから解放ポジションQまで移動させることができる。
なお、前記『解放ポジションQ』とは、ワークWをワーク治具装置10より取り外す位置のことである。
【0045】
上記各機能を発揮するための制御装置15の制御を、図6を用いてワーク加工の流れに沿って説明する。
【0046】
一連のワーク加工は、大概して、図5に示すように、加工前のワークWを加工ポジションTに搬入する搬入過程S11と、ワークWにツール9にて加工を施す加工過程S12と、加工を終えたワークを加工ポジションTより搬出する搬出過程S13とから成る。
【0047】
図7に示すように、前記搬入過程S11において、先ず、ワーク治具装置10の各支持ロボット11・・・11のハンド12・・・12を、装着位置P・・・Pに移動させる。なお、前記装着位置Pとは、装着ポジションPでのハンド12の作業位置のことである。
【0048】
前記各ハンド12の装着位置P(x,y,z)は、ワーク情報(ワークの形状や加工位置などのワークWに関する情報)と作業者情報(作業者の体格など作業者に関する情報)とに応じて決定される。なお、装着位置P(x,y,z)を定める各要素のうち、略水平方向要素をx、y、略垂直方向要素をzとする。
【0049】
前記作業者は、装着ポジションPにてワーク治具装置10にワークWを装着する作業を行う者である。制御装置15では、装着位置PHの値を決定するにあたって、作業者の体格に応じて該作業者に適した作業高さを与えるための、作業高さ調節機能が実現される。
【0050】
前記装着位置P(x,y,z)の、略水平方向要素であるx及びyは、ワーク情報に応じて定められる値である。
一方、装着位置P(x,y,z)の略垂直方向要素であるzは、ワーク情報と作業者情報に応じて定められる値であって、ワークWが同一であったとしても、作業者に応じて異なる値である。
【0051】
装着位置P(x,y,z)は、例えば、以下に示すように決定することができる。
【0052】
予め、装着ポジションPにおける装着位置P(x,y,z)の標準位置PH0(Xp,Yp,Zp)が、支持ロボット11に教示される。教示された情報は、ワーク情報に関連づけて制御装置15のメモリに格納され、ワーク情報に基づいて参照可能とされる。
一方、作業者情報に対応して、一つのZ補正値αを与えるZ補正値テーブルが制御装置15のメモリに格納され、予め制御装置15に入力された作業者情報に基づいてZ補正値テーブルが参照され、Z補正値αが決定される。なお、作業者情報は、例えば、作業者の身長などの体格を定める情報であって、Z補正値αは身長に固有の値とできる。また、例えば、作業者情報のID情報であって、Z補正値αはID情報に固有の値とできる。
【0053】
制御装置15は、標準位置PH0の略垂直方向要素(Zp)に、Z補正値テーブルにて定められたZ補正値αを加味して、装着位置P(x,y,z)=(Xp,Yp,Zp+α)を決定する(S31)。
【0054】
なお、制御装置15は、各ハンド12・・・12における装着位置P・・・Pを上述のようにしてそれぞれに決定することも、或いは、ワーク基準点を支持するハンド12の装着位置Pを上述のようにして決定したうえで、該装着位置Pを基準として他の支持点を支持するハンド12・・12の装着位置P・・P決定することもできる。
【0055】
上記のように決定される装着位置P(x,y,z)の略垂直方向要素zの値は、は、作業者の体格(特に身長)に応じて、背の高い人は大きく、背の低い人は小さくなる。従って、背の高い作業者の作業高さ(図8aに示す1)と比較して、背の低い作業者の作業高さ(図8bに示す2)は、低い位置となる。よって、作業者に適した作業高さで、作業者はワークWに対して作業をすることができるので、作業者にとって良好な作業環境を形成し、作業効率の向上を図ることができる。
【0056】
そして、制御装置15は、決定された装着位置P・・・Pへ、各ハンド12・・・12を、移動させるために、各支持ロボット11・・・11のサーボモータ101・102・・・107を駆動してアームを動作させる(S32)。
【0057】
続いて、装着位置Pに移動したハンド12には、作業者によりワークWが固定され、ワーク治具装置10にワークWが装着される。
ハンド12へのワークWの固定方法は前述の通りであり、制御装置15は、ワークWの載置をセンサ109で検出したのち、連結ピン121とピン座122とを近接させるためにアクチュエータ123を駆動させる(S33)。
【0058】
そして、搬入過程S11の後期段階では、ワーク治具装置10にてワークWを装着ポジションPから加工ポジションTへ移動させる。
なお、装着ポジションP(図7)と、加工ポジションT(図1)とは、離れた位置にある。従って、装着ポジションPにて作業する作業者と、加工ポジションTにてワークWに加工を施すツール9とが離れることとなり、作業者の安全を確保することができる。
【0059】
制御装置15は、加工ポジションTにおける各ハンド12・・・12の作業位置である加工位置Tへ、各ハンド12・・・12を移動させるために、各支持ロボット11・・・11のサーボモータ101・102・・・107を駆動してアームを動作させる(S34)。前記加工位置Tは、予め教示されて制御装置15に設定登録されている。
【0060】
図1に示すように、ワークWが加工ポジションTに搬入されれば、加工過程S12に移行する。
この加工過程S12では、ツール9により、ワークWに加工が施される。ツール9は、ワークWの所定点に加工を施すが、ツール9によりワークWに加工が施しやすい姿勢をワークWがとるように、ワークWの姿勢を、ツール9の加工に準じて変化させる。ツール9と、ワークWとを共に姿勢変化させることによって、双方の移動を抑制することができ、加工設備に係る占有空間を低減させることができる。
【0061】
例えば、図9aに示すように、ワークWの加工場所がツール9の届きにくい位置であったり、ツール9とワークWとが加工に適さない相対角度であったりする場合に、図9bに示すように、ワーク治具装置10にてワークWの姿勢を変化させて、ワークWとツール9との相対位置や相対角度を適したものとすることができる。
【0062】
制御装置15は、ツール9の動きに応じてワークWの姿勢を変化させるために、時間の経過とともに、各支持ロボット11・・・11のサーボモータ101・102・・・107を駆動してアーム13を動作させて(S35)、予め教示された加工位置T・・・Tにハンド12・・・12を移動させる。
【0063】
ワークWの加工が終われば、搬出過程S13に移行する。
この搬出過程S13では、加工ポジションT(図1)にあるワークWを、解放ポジションQ(図10)に移動したのち、該ワークWをワーク治具装置10より取り外す作業を行う。ワークWの搬出をワーク治具装置10で行うことによって、従来備えられていた、ワークの跳ね出し装置や、搬送装置や、搬送作業などが不要となる。
【0064】
制御装置15は、各ハンド12・・・12を解放位置Q・・・Qへ移動させるために、各支持ロボット11・・・11のサーボモータ101・102・・・107を駆動してアームを動作させる(S36)。なお、前記解放位置Qとは、解放ポジションQでのハンド12の作業位置のことであり、該解放位置Qは、予め教示されて制御装置15に設定登録されている。
【0065】
各支持ロボット11のハンド12が解放位置Qに移動すれば、制御装置15は、ハンド12の連結ピン121をピン座122より離れる方向へ移動させるために、アクチュエータ123を駆動する。これにより、ワーク治具装置10よりワークWを解放させることができる。
【0066】
前記解放ポジションQは、次工程へ搬送するためのベルトコンベヤ等の搬送手段の上方として、該搬送手段の上方にてワークWをワーク治具装置10より解放して、該ワークWを搬送手段に直接載せることができる。
また、前記解放ポジションQでは、作業者がワーク治具装置10よりワークWを解放させて他の搬送手段へ移動させることもでき、この場合、前述のハンド12・・・12の装着位置Pと同様に、ハンド12・・・12の解放位置Qにも、作業高さ調節機構を備えることもできる。
【0067】
上述のように、本発明にかかるワーク治具装置10では、ツール9加工のための治具という機能を備えながら、加工ポジションTへの搬入機能や、加工ポジションTからの搬出機能を備え、従来は別途構成される複数台の装置で行われていたこれらの作業を、単一のワーク治具装置10一台で実行する。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】ワークが加工ポジションにある場合のワーク治具装置の様子を示す図。
【図2】支持ロボットの構造を示す図。
【図3】ワーク治具装置の制御ブロック図。
【図4】ワーク形状に応じてハンドの作業位置を変更するワーク治具装置を説明する図。
【図5】ワーク治具装置に保持されたワークの加工の流れを説明する図。
【図6】ワーク治具装置の制御の流れを説明する図。
【図7】ワークが装着ポジションにある場合のワーク治具装置の様子を示す図。
【図8】ワーク治具装置の作業高さ位置調節機構を説明する図。
【図9】ツールでの加工に応じてワークの姿勢を変化させるワーク治具装置を説明する図。
【図10】ワークが解放ポジションにある場合のワーク治具装置の様子を示す図。
【符号の説明】
【0069】
W ワーク
P 装着ポジション
T 加工ポジション
Q 解放ポジション
9 ツール
10 ワーク治具装置
11 支持ロボット
12 ハンド
13 アーム
101・102・・・107 サーボモータ
131・132・・・137 関節
121 連結ピン
122 ピン座
123 アクチュエータ




 

 


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