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発明の名称 井桁形状の鋳造品の鋳造方法、井桁形状の鋳造品の鋳造金型、及び、井桁形状の鋳造品
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−29986(P2007−29986A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−215855(P2005−215855)
出願日 平成17年7月26日(2005.7.26)
代理人 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
発明者 岡田 裕二
要約 課題
サスペンションメンバ等の井桁形状鋳造品の鋳造方法に関し、製品品質の向上を可能とし、かつ、ダイカストマシンの設備仕様のダウンサイズにより、コストダウンを可能とする技術を提案する。

解決手段
井桁形状のキャビティ3の上下方向の二つの縦辺を形成する縦辺構成部3L・3Rのうち、いずれか一方の縦辺構成部3の略中央部に位置する湯道12の出口箇所15から溶湯4を注ぎ込み、該溶湯4を、井桁形状のキャビティ3内で一側方向に巡回させ、再び前記出口箇所15に到達させ、前記出口箇所15から注がれる溶湯4と合流させることとする、井桁形状の鋳造品の鋳造方法とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
井桁形状のキャビティの上下方向の二つの縦辺を形成する縦辺構成部のうち、
いずれか一方の縦辺構成部に位置する湯道の出口箇所から溶湯を注ぎ込み、
該溶湯を、前記キャビティ内で一側方向に巡回させ、再び前記出口箇所に到達させ、
前記出口箇所から注がれる溶湯と合流させることとする、
井桁形状の鋳造品の鋳造方法。
【請求項2】
上下方向の合わせ面を構成する固定型と可動型とを具備し、
前記固定型と前記可動型にて井桁形状のキャビティが構成され、
前記キャビティは、プランジャにより溶湯が射出されるスリーブの湯口と湯道を介して連通され、
前記湯口は、前記キャビティの井桁形状に囲まれる範囲内に配置され、
前記湯道は、
前記湯口から上方へ向って形成される、第一の湯道を有する、
井桁形状の鋳造品の鋳造金型。
【請求項3】
前記湯道は、
前記第一の湯道から、前記キャビティの井桁形状の上下方向の二つの縦辺を形成する縦辺構成部のうち、いずれか一方の縦辺構成部と通じる、第二の湯道を有する、
ことを特徴とする、請求項2に記載の井桁形状の鋳造品の鋳造金型。
【請求項4】
前記第二の湯道は、
前記溶湯が、前記第一の湯道から前記縦辺構成部に向けて斜め下方に流れるように構成され、
前記縦辺構成部へ注がれる溶湯は、
前記縦辺構成部に注がれた後、随時供給される溶湯の圧力によって下側へと回され、井桁形状のキャビティ内で、一側方向に巡回される構成とする、
ことを特徴とする、請求項3に記載の井桁形状の鋳造品の鋳造金型。
【請求項5】
請求項3、又は、請求項4に記載の鋳造金型を用いて鋳造される井桁形状の鋳造品。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、井桁形状の鋳造品の鋳造技術に関するものであり、溶湯の湯回り、溶湯の合流の形態に起因して生じる製品不具合に着目し、この製品不具合を解消し、製品品質の向上を図ることとする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、井桁形状の鋳造品の鋳造技術に関する技術は周知となっており、自動車部品において主要な構造物となる井桁形状のサスペンションメンバの品質向上を図る技術について開示する文献も存在する(例えば、特許文献1、2参照。)。
特許文献1、2で開示される技術においては、図6に示すごとく、井桁で囲まれる空間の略中央部に、図示せぬプランジャの動作によって溶湯が射出される、スリーブの湯口51を配置するとともに、該湯口51から井桁の四隅方向に向って湯道52a〜52dを形成することにより、湯道52a〜52dの出口付近の部位を緻密に構成することを可能としている。この構成では、金型のキャビティは、前記湯道52a〜52dによってX字状に構成されることとなっている。
また、図7は、従来の一般的な鋳造金型のキャビティ構造について示すものであり、井桁形状のキャビティの下方にスリーブの湯口61を配置し、該湯口61から金型上方に向って複数の湯道62a・62b・・・を形成し、キャビティの下側から上側へ向って溶湯が流される構成となっている。
【特許文献1】特開2002−137758号公報
【特許文献2】特開2002−137759号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
図6に示される構成では、スリーブの湯口51が井桁形状の内側に配置されるため、図7に示す構成と比較して金型の断面積を狭く構成することができる、つまり、この例では、図6の金型55の縦方向の寸法T1を図7の金型65の縦方向の寸法T2よりも短く構成することができ、これにより、ダイカストマシンの設備仕様のダウンサイズが図れるといったメリットが得られる。このダイカストマシンの設備仕様のダウンサイズにより、金型材料費の低減や、型締め力の出力の小さい設備にて対応が可能となる等、大幅なコストダウンが可能となる。
【0004】
しかし、前記湯道52a〜52dの構成では、まず、湯口51から下方へ向う湯道52a・52bについては、プランジャによる溶湯の射出動作が開始される前に、溶湯が重力により自由に流れてしまうため(落下してしまうため)、この先に流れ落ちた溶湯が先に凝固することが懸念される。そして、この先に凝固した溶湯が後に射出された溶湯中に混在し、溶湯の乱流状態を引き起こすこととなって、割れ等の製品不良を生じさせることが懸念される。
【0005】
また、図の矢印53a〜53dに示される合計四箇所においては、各湯道52a〜52dから注がれた溶湯が合流することになるが、この合流箇所において溶湯が乱流状態となり、空気の巻き込みや、湯境、湯ジワ等の鋳造欠陥が発生する可能性があり、安定した製品品質の確保が困難であると懸念される。
【0006】
他方、図7に示す構成によれば、上述した溶湯の自由流れの問題がなく、さらには、合流箇所が矢印63aに示される一箇所のみであるため、図6に示す構成による製品と比較して、良好な製品品質を得られることが期待できる。
しかし、図7に示す構成では、前述したように、ダイカストマシンの設備の仕様が大型のものとなり、コストダウンが図れないという背反事項が存在するのである。
【0007】
そこで、本発明は、以上の問題に鑑み、サスペンションメンバ等の井桁形状鋳造品の鋳造方法に関し、製品品質の向上を可能とし、かつ、ダイカストマシンの設備仕様のダウンサイズにより、コストダウンを可能とする技術を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上のごとくであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1に記載のごとく、
井桁形状のキャビティの上下方向の二つの縦辺を形成する縦辺構成部のうち、
いずれか一方の縦辺構成部に位置する湯道の出口箇所から溶湯を注ぎ込み、
該溶湯を、前記キャビティ内で一側方向に巡回させ、再び前記出口箇所に到達させ、
前記出口箇所から注がれる溶湯と合流させることとする、
井桁形状の鋳造品の鋳造方法とするものである。
【0010】
また、請求項2に記載のごとく、
上下方向の合わせ面を構成する固定型と可動型とを具備し、
前記固定型と前記可動型にて井桁形状のキャビティが構成され、
前記キャビティは、プランジャにより溶湯が射出されるスリーブの湯口と湯道を介して連通され、
前記湯口は、前記キャビティの井桁形状に囲まれる範囲内に配置され、
前記湯道は、前記湯口から上方へ向って形成される、第一の湯道を有する、
井桁形状の鋳造品の鋳造金型とするものである。
【0011】
また、請求項3に記載のごとく、
前記湯道は、
前記第一の湯道から、前記キャビティの井桁形状の上下方向の二つの縦辺を形成する縦辺構成部のうち、いずれか一方の縦辺構成部と通じる、第二の湯道を有する、
井桁形状の鋳造品の鋳造金型とするものである。
【0012】
また、請求項4に記載のごとく、
前記第二の湯道は、前記溶湯が、前記第一の湯道から前記縦辺構成部に向けて斜め下方に流れるように構成され、
前記縦辺構成部へ注がれる溶湯が、前記縦辺構成部に注がれた後、随時供給される溶湯の圧力によって下側へと回され、井桁形状のキャビティ内で、一側方向に巡回される構成とするものである。
【0013】
また、請求項5に記載のごとく、請求項2、又は、請求項3に記載の鋳造金型を用いて鋳造される井桁形状の鋳造品とするものである。
【発明の効果】
【0014】
以上の請求項1に記載の発明では、溶湯の合流箇所が一箇所となることから、溶湯の乱流状態が発生し得る状況を最小限に抑えることができる。また、この溶湯の乱流に起因する空気の巻き込み、湯境、湯ジワ等の鋳造欠陥の発生を極力抑えることが可能となり、製品品質の向上を図ることができる。
【0015】
また、請求項2に記載の発明では、湯口から上方へ向う第一の湯道が形成されるため、プランジャの射出動作開始前において、溶湯がキャビティ内に自由に流れ落ち、先に凝固してしまうことがなく、溶湯の乱流発生を防止することができ、これにより、製品品質の向上を図ることができる。
また、前記湯口、及び、湯道がキャビティの井桁形状に囲まれる範囲内に配置されるため、これら湯口、湯道がキャビティの井桁形状の外側に配置される構成と比較して、金型の断面積を狭く構成することができ、ダイカストマシンの設備仕様のダウンサイズ、そして、設備費のコストダウンを図ることができる。
【0016】
また、請求項3に記載の発明では、溶湯の合流箇所が一箇所となることから、溶湯の乱流状態が発生し得る状況を最小限に抑えることができる。また、この溶湯の乱流に起因する空気の巻き込み、湯境、湯ジワ等の鋳造欠陥の発生を極力抑えることが可能となり、製品品質の向上を図ることができる。
【0017】
また、請求項4に記載の発明では、溶湯を一側方向に巡回させることができ、溶湯の合流箇所が一箇所となることから、溶湯の乱流状態が発生し得る状況を最小限に抑えることができる。また、この溶湯の乱流に起因する空気の巻き込み、湯境、湯ジワ等の鋳造欠陥の発生を極力抑えることが可能となり、製品品質の向上を図ることができる。
【0018】
また、請求項5に記載の発明では、鋳造欠陥が抑制され、高い製品品質を有するものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1及び図2は、本発明に係る鋳造方法の実施に適用する鋳造金型について示すものであり、上下方向の合わせ面を構成する固定型1と可動型2とを具備し、前記固定型1と前記可動型2にて井桁形状のキャビティ3が構成され、前記キャビティ3は、プランジャ6により溶湯4が射出されるスリーブ10の湯口11と湯道12を介して連通され、前記湯口11は、前記キャビティ3の井桁形状に囲まれる範囲内に配置され、前記湯道12は、前記湯口11から上方へ向って形成される、第一の湯道12bと、前記第一の湯道12bから、前記キャビティ3の井桁形状の上下方向の二つの縦辺を形成する縦辺構成部3L・3Rのうち、いずれか一方の縦辺構成部3Rと通じる、第二の湯道12cとから構成されるものとしている。
【0020】
以上の構成では、湯口11から上方へ向う第一の湯道12bが形成されるため、プランジャ6の射出動作開始前において、溶湯4がキャビティ3内に自由に流れ落ち、先に凝固してしまうことがなく、溶湯4の乱流発生を防止することができ、これにより、製品品質の向上を図ることができる。
また、前記湯口11、及び、湯道12がキャビティ3の井桁形状に囲まれる範囲内に配置されるため、これら湯口、湯道がキャビティ3の井桁形状の外側に配置される構成と比較して、金型の断面積を狭く構成することができ、ダイカストマシンの設備仕様のダウンサイズ、そして、設備費のコストダウンを図ることができる。
また、型締め力の出力の小さい設備にて対応が可能となるため、汎用的な横型ダイカストマシンにて高品質な製品を提供することが可能となる。
【0021】
以下、上記構成の詳細について説明すると、図1及び図2に示すごとく、前記固定型1には、前記スリーブ10の先端部が嵌入されており、その先端の開口が湯口11として構成され、該湯口11から湯道入口部12aに溶湯4が注ぎ込まれる構成となっている。また、前記スリーブ10においては、プランジャ6が摺動され、溶湯4が湯道入口部12aに向けて射出されるようになっている。
【0022】
また、前記固定型1と可動型2の間には、井桁形状のキャビティ3が構成される。図に示す構成では、サスペンションメンバを鋳造する場合のキャビティ3が構成される例を示している。また、このキャビティ3は、上下方向の二つの縦辺構成部3L・3Rと、左右方向の二つの横辺構成部3U・3Dから、井桁形状に構成されている。
尚、図1及び図2に示す例では、金型の上下方向の幅が、左右方向の幅よりも広く構成され、鋳造時に井桁形状の上下寸法が長く構成されるものとしたが、この逆の構成であってもよく、特に限定されるものではない。
【0023】
また、以上のように井桁形状に形成されたキャビティ3の内側、つまり、前記縦辺構成部3L・3Rと、前記横辺構成部3U・3Dで囲まれる範囲内に、前記湯道入口部12a、及び、スリーブ10の湯口11が配置されるようになっている。
【0024】
また、前記湯道入口部12aからは、上方に向って第一の湯道12bが構成されている。
尚、第一の湯道12bの最下部は、湯口11の最上部よりも上方に配置されることとし、湯口11の最上部まで溶湯4で満たされた上で、前記湯道12bに溶湯4が注がれるようになっている。
【0025】
また、前記第一の湯道12bから、前記二つの縦辺構成部3L・3Rのいずれか一方、即ち、図1の構成では、図において右側に配される縦辺構成部3Rに向って、第二の湯道12cが構成されている。
尚、第一の湯道12bから第二の湯道12cへの分岐点12mは、前記湯道入口部12aの最上部よりも上方に配置されることとし、湯道入口部12a内の溶湯4は、第一の湯道12bを通って上方へ移動した上で、前記第二の湯道12cへ注がれるようになっている。
【0026】
また、前記第二の湯道12cは、前記溶湯4が、前記第一の湯道12bから前記縦辺構成部3Rに向けて斜め下方に流れるように構成され、前記縦辺構成部3Rへ注がれる溶湯4は、前記縦辺構成部3に注がれた後、随時供給される溶湯の圧力によって下側へと回され、井桁形状のキャビティ3内で、一側方向に巡回される(図において時計方向に回される)構成としている(図3参照)。
図1に示される構成では、前記第二の湯道12cは、溶湯4の流れ方向に対して幅方向に広く構成され、その上側壁面12u、下側壁面12dが縦辺構成部3に近づくにつれて下がるように傾斜をつけることにより、溶湯4が斜め下方に向けて流れるように構成している。
【0027】
また、図4に示すごとく、前記第二の湯道12cにおいて、前記第一の湯道12bから前記縦辺構成部3Rに向って斜め下方に伸びるガイド部14・14・・・を設け、各ガイド部14・14・・・により前記第二の湯道12cが、前記第一の湯道12bから前記縦辺構成部3Rに向って下方向に傾斜する複数の湯道12d〜12fに分割される構成としてもよい。
【0028】
以上に述べた構成において、プランジャ6により溶湯4が射出されると、図3に示すごとくの湯回りによって、サスペンションメンバ5が鋳造成形されることになる。
図3に示す第一の段階31は、図2に示す状態、即ち、スリーブ10に溶湯4が注がれ、プランジャ6による射出動作が開始される前の状態を示すものであり、この段階では、溶湯4の湯面4aが、湯口11の最上部に到達しないことから、前記湯道入口部12aを介して前記湯道12b・12cへと溶湯4が注ぎ込まれることがない。
このことから、プランジャ6による溶湯4の射出動作が開始される前に、溶湯4がキャビティ3内に自由に流れて込んでしまうことがなく、この溶湯4の自由な流れ込みによって生じる溶湯の凝固、さらにはこの凝固物の混入による品質悪化、といった不具合が発生することがない。
【0029】
次に、プランジャ6による溶湯4の射出動作が開始されると、図3の第二の段階32に示すごとく、湯道入口部12aに注がれた溶湯4は、まず第一の湯道12bへ流れ込んで上方へ移動した後、第二の湯道12cへと流れ込み、キャビティ3の縦辺構成部3Rへと流れ込まれる。
キャビティ3の縦辺構成部3Rへと流れ込んだ溶湯4は、前記第二の湯道12bの傾斜から下方向へと流れ、キャビティ3の下側の横辺構成部3Dへと流れ込む。
【0030】
そして、図3の第三の段階33、第四の段階34に示すごとく、溶湯4は、縦辺構成部3L、上側の横辺構成部3Tへと回り、再び、縦辺構成部3Rへと到達する。そして、縦辺構成部3Rにおいて、前記第二の湯道12cと縦辺構成部3Rの接続箇所、つまり、前記第二の湯道12cの出口箇所15において、溶湯4が合流されることになる。尚、ここにいう出口箇所15とは、縦辺構成部3Rのうち、前記第二の湯道12cの縦辺構成部3Rに対する開口部分に対向する箇所のことをいう。
【0031】
そして、このように、第二の湯道12cの出口箇所15において溶湯4を合流させることによれば、合流時に、空気の巻き込みが生じた場合でも、第二の湯道12cから溶湯4が注がれるため、合流した溶湯4は合流直後に昇圧状態となるため、巻き込んだ空気を押し潰し、鋳巣の発生を防止することが可能となる。
また、最初にキャビティ3に注がれ、キャビティ3内を巡回してきた溶湯4の温度が低下して凝固しかけるようなことがあっても、合流した溶湯4は合流直後に昇圧状態となり、互いに浸透し合うことにより、湯境や湯ジワ等の鋳造欠陥の発生を防止することが可能となる。
【0032】
そして、以上のように、本発明においては、井桁形状のキャビティ3の上下方向の二つの縦辺を形成する縦辺構成部3L・3Rのうち、いずれか一方の縦辺構成部3の略中央部に位置する湯道12(第二の湯道12c)の出口箇所15から溶湯4を注ぎ込み、該溶湯4を、井桁形状のキャビティ3内で一側方向に巡回させ、再び前記出口箇所15に到達させ、前記出口箇所15から注がれる溶湯4と合流させる鋳造方法とするものである。
そして、この鋳造方法により、溶湯4の合流箇所が一箇所となることから、溶湯4の乱流状態が発生し得る状況を最小限に抑えることができる。また、この溶湯4の乱流に起因する空気の巻き込み、湯境、湯ジワ等の鋳造欠陥の発生を極力抑えることが可能となり、製品品質の向上を図ることができる。
【0033】
また、以上の実施例においては、サスペンションメンバを成形する場合を例にあげて述べたが、サスペンションメンバに限らず、井桁形状の鋳造品の鋳造において、本発明は適用可能である。
そして、本発明により成形される鋳造品は、鋳造欠陥が抑制され、高い製品品質を有するものとなり、サスペンションメンバの例でいえば、剛性の高い高品質なサスペンションメンバを実現することができる。
【0034】
また、ダイカストマシンの設備仕様のダウンサイズに関し、本発明に係る鋳造金型を用い、従来の約三分の一の大きさの設備仕様(型締め力の出力が約三分の一であること)にて鋳造を実施し、鋳造品から試験片を切り出し引張試験を実施して比較したところ、従来の設備仕様によるのものでは、引張強度195Mpa、0.2%耐力130Mpa、伸び8%という結果であったところ、従来の約三分の一の大きさの設備仕様によるのものでは、引張強度188Mpa、0.2%耐力135Mpa、伸び9.5%という結果が得られ、その品質において同等の結果を得ることが確認された。
【0035】
さらに、以上の実施例においては、図1に示すごとく、前記第一の湯道12bから、前記二つの縦辺構成部3L・3Rのいずれか一方、即ち、図1の構成では、図において右側に配される縦辺構成部3Rに向って、第二の湯道12cが構成されるものとしたが、図5に示すごとく、前記二つの縦辺構成部3L・3Rの両方に向って第二の湯道12r・12sが構成されるものとしてもよい。
【0036】
この図5の構成においても、前記第一の湯道12bの存在により、プランジャ6の射出動作開始前において、溶湯4がキャビティ3内に自由に流れ落ち、先に凝固してしまうことがなく、溶湯4の乱流発生を防止することができ、これにより、製品品質の向上を図ることができる。
また、前記湯口11、及び、湯道12がキャビティ3の井桁形状に囲まれる範囲内に配置されるため、これら湯口、湯道がキャビティ3の井桁形状の外側に配置される構成と比較して、金型の断面積を狭く構成することができ、ダイカストマシンの設備仕様のダウンサイズ、そして、設備費のコストダウンを図ることができる。
また、型締め力の出力の小さい設備にて対応が可能となるため、汎用的な横型ダイカストマシンにて高品質な製品を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る鋳造金型の構成について示す正面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】溶湯の湯回りについて説明する図。
【図4】第二の湯道の他の構成例について示す図。
【図5】第二の湯道が二つの縦辺構成部に接続される構成例について示す図。
【図6】従来の井桁形状の鋳造品の鋳造金型の構成例について示す図。
【図7】同じく従来の井桁形状の鋳造品の鋳造金型の他の構成例について示す図。
【符号の説明】
【0038】
1 固定型
2 可動型
3 キャビティ
3L・3R 縦辺構成部
4 溶湯
12 湯道
12a 湯道入口部
12b 第一の湯道
12c 第二の湯道
15 出口箇所




 

 


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