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発明の名称 触媒担体及びその製造方法、並びに排ガス浄化触媒
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−773(P2007−773A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−183744(P2005−183744)
出願日 平成17年6月23日(2005.6.23)
代理人 【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
発明者 松原 宏幸
要約 課題
硫黄化合物などの酸性物質に対する耐被毒性が大きい触媒担体及びその製造方法を提供する。

解決手段
セリアの一次粒子1とアルミナの一次粒子2とが相互に混合されてなる触媒担体10であって、更に酸性金属酸化物を含有する触媒担体とする。また、セリア、アルミナ及び酸性金属酸化物を含有する触媒担体の製造方法であって、セリウム、アルミニウム、及び酸性金属酸化物を構成する金属の塩又は加水分解可能化合物を含有している原料溶液を提供すること、この原料溶液から、セリウム、アルミニウム及び金属を含有する沈殿物を生じさせること、並びに得られた凝集物を乾燥及び焼成することを含む、セリア、アルミナ及び第3の金属の酸化物を含有する触媒担体の製造方法とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
セリアの一次粒子とアルミナの一次粒子とが相互に混合されてなる触媒担体であって、更に酸性金属酸化物を含有する、触媒担体。
【請求項2】
前記酸性金属酸化物が、チタニア及びシリカからなる群より選択される、請求項1に記載の触媒担体。
【請求項3】
前記酸性金属酸化物が、前記セリア又はアルミナの一次粒子に固溶している、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記酸性金属酸化物の一次粒子が、セリアの一次粒子とアルミナの一次粒子と相互に混合されている、請求項1又は2に記載の触媒担体。
【請求項5】
前記セリアの一次粒子にジルコニアが固溶している、請求項1〜5のいずれかに記載の触媒担体。
【請求項6】
前記酸性金属酸化物がチタニアであり、且つ触媒担体において、Al:CeOの質量比が95:5〜75:25、(Al+CeO):TiOの質量比が95:5〜50:50である、請求項1〜5のいずれかに記載の触媒担体。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の触媒担体に、白金、ロジウム及びパラジウムからなる群から選択される貴金属と、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類からなる群より選択されるNO吸蔵材とが担持されてなる、排ガス浄化触媒。
【請求項8】
セリア、アルミナ及び酸性金属酸化物を含有する触媒担体の製造方法であって、
セリウム、アルミニウム、及び前記酸性金属酸化物を構成する金属の塩又は加水分解可能化合物を含有している原料溶液を提供すること、
前記原料溶液から、セリウム、アルミニウム及び前記金属の水酸化物を含有する沈殿物を生じさせること、並びに
得られた前記凝集物を乾燥及び焼成すること、
を含む、セリア、アルミナ及び酸性金属酸化物を含有する触媒担体の製造方法。
【請求項9】
前記原料溶液が、セリウム、アルミニウム、及び前記金属の塩、並びに更に尿素を含有し、この原料溶液を加熱して尿素を分解し、アンモニアを発生させ、前記原料溶液をアルカリ性にすることによって、前記沈殿物を生じさせる、請求項8に記載の方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒担体及びその製造方法、並びにこの触媒担体を有する排ガス浄化触媒に関する。また本発明は特に、硫黄化合物などの酸性物質に対して良好な耐被毒性を有し、被毒した場合であっても比較的再生が容易な触媒担体及びその製造方法、並びにこの触媒担体を有する排ガス浄化触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車エンジン等の内燃機関からの排ガス中には、窒素酸化物(NO)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等が含まれる。従って一般に、CO及びHCを酸化し、またNOを還元する排ガス浄化触媒によって浄化した後で、これらの排ガスを大気中に放出している。この排ガス浄化触媒の代表的なものとしては、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)等の貴金属をγ−アルミナ等の多孔質金属酸化物担体に担持させた三元触媒が知られている。
【0003】
この金属酸化物担体は様々な材料で作ることができるが、従来は高表面積を得るためにアルミナを使用することが一般的であった。しかしながら近年では、担体の化学的性質を利用して排ガスの浄化を促進するために、セリア(CeO)、ジルコニア(TiO)、チタン(TiO)などの様々な他の材料を、アルミナと組み合わせて又は組み合わせないで、使用することも提案されている。
【0004】
例えば、排ガス中の酸素濃度の変動を吸収して三元触媒の排ガス浄化能力を高めるために、排ガス中の酸素濃度が高いときに酸素を吸蔵し、排ガス中の酸素濃度が低いときに酸素を放出する酸素吸蔵能(OSC能)を有する材料を、排ガス浄化触媒に用いることが行われている。OSC能を有する材料として代表的なものはセリアである。
【0005】
三元触媒の作用によってCO及びHCの酸化と、NOの還元とが効率的に進行するためには、内燃機関の空燃比が理論空燃比(ストイキ)であることが必要である。従って、OSC能を有する材料によって、排ガス中の酸素濃度の変動を吸収し、理論空燃比付近の酸素濃度を維持することは、三元触媒が排ガス浄化能力を発揮するために好ましい。
【0006】
このようなOSC能を得る目的でのセリアの使用に関しては様々な研究がなされており、例えば特許文献1では、アルミナ粒子とセリア粒子の混合物を基材にコートし、ここに貴金属等の触媒成分を担持させることを開示している。またこの特許文献1では、従来技術として、硝酸セリウムのようなセリウム塩の溶液を多孔質担体に含浸させ、これを乾燥及び焼成してセリア担持触媒担体を得ることも開示している(段落0017等参照)。
【0007】
またセリアのOSC能は、例えば特許文献2で示すように、白金のような貴金属とバリウムのようなNO吸蔵材とを担持するNO吸蔵還元触媒での使用に関しても研究されている。このNO吸蔵還元触媒は、燃費の向上を意図したリーンバーンエンジンからの排ガスを浄化するための触媒である。
【0008】
特許文献1及び2で示されているように、従来技術ではセリアのOSC能を利用することを意図して様々な研究が行われている。また、近年の研究によれば、セリアはOSC能を有するだけでなく、その上に担持される貴金属、特に白金との親和性が強いために、貴金属の粒成長(シンタリング又は焼結)を抑制できることが見出されている。排ガス浄化触媒の使用の間に白金がシンタリングすると、触媒の活性点が減少し、それによってNOの酸化還元効率が低下する。従って白金のシンタリングを抑制することは非常に重要である。
【0009】
このようにセリアは白金のシンタリング防止に関しても重要である。しかしながら、セリアは比較的シンタリングし易いので、セリア自身がシンタリングし、それによってセリアによる白金のシンタリング防止効果が低下することがある。
【0010】
セリアのシンタリング防止に関して、特許文献3及び4では、アルミニウム塩、セリウム塩及びジルコニウム塩を含有する溶液にアルカリ性溶液を添加して、アルミナ、セリア及びジルコニアが相互に分散している触媒担体を得ることを開示している。
【0011】
また、特許文献5では、アルミナ、セリア及びジルコニアが相互に分散しているこのような触媒担体を、金属アルコキシドから製造することを提案している。この特許文献5によれば、このようにして製造された触媒担体では、アルミナ、セリア及びジルコニアが特に均一に混合されており、それによって高温での耐久後においても安定したOSC能を有するとしている。
【0012】
更に、特許文献6では、セリア及びジルコニアの少なくとも一方の粒子とアルミナの粒子とが高度に均一に分散している触媒担体及びその製造方法について開示している。この特許文献6によれば、セリウム及びジルコニウムの少なくとも一方の塩とアルミニウム塩とを含有する塩溶液を、アルカリ性溶液と短時間で混合することによってこのような触媒担体が得られるとしている。
【0013】
これらの特許文献3〜6では、セリア及び/又はジルコニアとアルミナとが相互に混合されていることによって、セリア及び/又はジルコニアの焼結が、それらの間のアルミナによって抑制されるとしている。
【0014】
尚、特にNO吸蔵材を用いるNO吸蔵還元触媒では、排ガス中の硫黄化合物などの酸性物質による触媒の被毒が問題になることがある。この問題を解決するためには、特許文献7で示されるように、チタニア、シリカなどの酸性金属酸化物を、担体として用いることが行なわれている。
【0015】
【特許文献1】特開2001−9280号公報
【特許文献2】特開2001−276622号公報
【特許文献3】特開平10−202101号公報
【特許文献4】特開平11−267501号公報
【特許文献5】特許3379369号公報
【特許文献6】特許3262044号公報
【特許文献7】特開平8−57314号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
特許文献3〜6で示される触媒担体では、セリア及び/又はジルコニアとアルミナとが相互に均一に混合されていることによって、セリア/又はジルコニアの焼結という問題を少なくとも部分的に解決している。また特許文献7ではチタニア等の酸性金属酸化物を担体として用いることによって、硫黄化合物等による被毒の問題を少なくとも部分的に解決している。
【0017】
従って本発明では、セリア及び/又はジルコニアの焼結を良好に達成し、且つ硫黄化合物などの酸性物質に対する耐被毒性が大きく、被毒した場合であっても再生が容易な触媒担体及びその製造方法を提供する。また本発明では、このような触媒担体を用いる排ガス浄化触媒を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の触媒担体は、セリアの一次粒子とアルミナの一次粒子とが相互に混合されてなる触媒担体であって、更に酸性金属酸化物を含有する。
【0019】
セリアとアルミナとは実質的に固溶体を作らないので、本発明の触媒担体によれば、高温における使用においても、セリアとアルミナとが互いに反応障壁となってそれぞれのシンタリングを抑制する。尚、セリアの一次粒子にジルコニアを固溶させて、耐熱性及びOSC能を改良することもできる。
【0020】
また本発明の触媒担体は、酸性金属酸化物を含有することによって、比較的酸性の性質を有する。この塩基性は、硫黄化合物などの酸性物質に対する耐被毒性を改良し、被毒した場合であっても比較的良好な再生を可能にする。尚、本明細書及び特許請求の範囲の記載において、「酸性金属酸化物」は、セリアの一次粒子とアルミナの一次粒子とが相互に混合されてなる触媒担体に含有させたときに、アルミナよりも標準電極電位が大きい金属酸化物を意味する。従って、酸性金属酸化物としては、チタン、シリカ、酸化亜鉛、酸化マンガン等を挙げることができる。
【0021】
この酸性金属酸化物は、これらのセリア及びアルミナのいずれかに固溶しているか、又は単独で一次粒子を形成して、セリアの一次粒子及びアルミナの一次粒子と相互に混合されてよい。このように酸性金属酸化物が一次粒子レベルでセリア及びアルミナと均一に混合されて触媒担体全体に存在することによって、セリアによるOSC能、白金のシンタリング等の効果を維持しつつ、酸性金属酸化物による効果、すなわち酸性物質に対する耐被毒性を改良する効果を、担体全体に提供することができる。
【0022】
酸性金属酸化物としては特に、チタニア及びシリカを挙げることができる。ここで、シリカは、アルミナと固溶して酸性の性質を提供し、またチタニアは、単独で一次粒子を形成して酸性の性質を提供する。
【0023】
本発明の触媒担体は好ましくは、酸性金属酸化物がチタニアであり、且つ触媒担体において、Al:CeOの質量比が95:5〜75:25、(Al+CeO):TiOの質量比が95:5〜50:50、特に80:20〜60:40である。
【0024】
本発明の排ガス浄化触媒は、本発明の触媒担体に、白金、ロジウム及びパラジウムからなる群から選択される貴金属と、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類からなる群より選択されるNO吸蔵材とが担持されてなる。
【0025】
セリア、アルミナ及び酸性金属酸化物を含有する触媒担体を製造する本発明の方法は、セリウム、アルミニウム、及び酸性金属酸化物を構成する金属の塩又は加水分解可能化合物を含有している原料溶液を提供すること、原料溶液から、セリウム、アルミニウム及び上記金属の水酸化物を含有する沈殿物を生じさせること、並びに得られた凝集物を乾燥及び焼成することを含む。
【0026】
本発明の方法の1つの態様では、原料溶液が、セリウム、アルミニウム及び上記金属の塩、並びに更に尿素を含有し、この原料溶液を加熱して尿素を分解し、アンモニアを発生させ、上記原料溶液をアルカリ性にすることによって、沈殿物を生じさせる。
【0027】
この態様によれば、尿素を含有する原料溶液を加熱して尿素を分解し、アンモニアを発生させることによって、原料溶液を均一且つ迅速に塩基性に変化させることができる。このようにして均一且つ迅速に原料溶液を塩基性にすることは、ジルコニウム及びアルミニウムが均一に分散した沈殿物を得ることを可能にする。また、尿素の使用は、加熱等により除去が容易な点でも好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
[触媒担体]
本発明について図1を用いて説明する。ここで図1は本発明の触媒担体の概念図である。
【0029】
本発明の触媒担体10は、セリア、アルミナ及び酸性金属酸化物を含有する微細な一次粒子から構成されており、例えばこの図1で示されるように、酸性金属酸化物−アルミナ固溶体の一次粒子1とセリアの一次粒子2とが相互に混合されてなる。また、本発明の触媒担体では、酸性金属酸化物−セリア固溶体の一次粒子とアルミナの一次粒子とが相互に混合されてなっていてもよい。このように酸性金属酸化物は、その性質に応じてセリアかアルミナのいずれかに固溶させることができる。
【0030】
また更に、本発明の触媒担体では、セリア、アルミナ及び酸性金属酸化物がそれぞれ独立に一次粒子を構成して、セリアの一次粒子、アルミナの一次粒子及び酸性金属酸化物の一次粒子が相互に混合されていてもよい。
【0031】
従って例えば酸性金属酸化物がシリカである場合、シリカはアルミナに固溶するので、本発明の触媒担体は、シリカ−アルミナ固溶体の一次粒子とセリアの一次粒子とが相互に混合されてなる。また、酸性金属酸化物がチタニアである場合、チタニアはアルミナともセリアとも固溶しないので、本発明の触媒担体は、アルミナの一次粒子、セリアの一次粒子及びチタニアの一次粒子が相互に混合されてなる。
【0032】
本発明の触媒担体は、任意の方法で製造でき、特に本発明の方法によって製造できる。
【0033】
[触媒担体の製造方法]
(原料溶液の提供)
触媒担体を製造する本発明の方法では始めに、セリウム、アルミニウム、及び酸性金属酸化物を構成する金属の塩又はアルコキシドを含有している原料溶液を提供する。
【0034】
ここで用いることができる金属塩としては、水のような媒体に溶解させて、金属イオンを発生させることができる任意の塩を用いることができる。従ってこれらの塩は同じ基を有していても、異なる基を有していてもよい。例えばここで用いることができる金属塩は、塩化物塩、硝酸塩、オキシ硝酸塩又は酢酸塩、特に硝酸塩である。
【0035】
またここで用いることができる加水分解可能化合物としては、アルコキシド、β−ケト酸塩を挙げることができる。
【0036】
(沈殿物の生成)
触媒担体を製造する本発明の方法では次に、原料溶液から、セリウム、アルミニウム及び酸性金属酸化物を構成する金属の水酸化物を含有する沈殿物を生じさせる。
【0037】
原料溶液が、セリウム、アルミニウム、及び酸性金属酸化物を構成する金属の塩を含有している場合、原料溶液をアルカリ性にすることによって、沈殿物を生じさせる。ここで原料溶液をアルカリ性にするためには、水酸化ナトリウム、アンモニア等の塩基性化合物を原料溶液に添加することができる。
【0038】
また、原料溶液が更に尿素を含有するようにし、この溶液を加熱して尿素を分解し、アンモニアを発生させ、溶液をアルカリ性にすることによって、沈殿物を生じさせることもできる。
【0039】
原料溶液が、セリウム、アルミニウム、及び酸性金属酸化物を構成する金属の加水分解可能化合物を含有している場合、原料溶液に水を添加し、加水分解することによって、沈殿物を生じさせる。
【0040】
(沈殿物の乾燥及び焼成)
触媒担体を製造する本発明の方法では最後に、得られた凝集物を乾燥及び焼成することによって、セリア、アルミナ及び酸性金属酸化物を含有する触媒担体を製造をする。
【0041】
凝集物からの溶媒成分の除去及び乾燥は、任意の方法及び任意の温度で行うことができ、例えば凝集物を120℃のオーブンに入れて達成できる。このようにして凝集物から溶媒成分を除去及び乾燥して得られた原料を焼成して、触媒担体を得ることができる。焼成は、金属酸化物合成において一般的に用いられる温度、例えば250〜600℃で行うことができる。
【0042】
尚、凝集物の乾燥の前には洗浄を行うことが好ましく、この洗浄は例えば水、炭素原子数1〜5の低級アルコール等で行うことができる。
【0043】
本発明の触媒担体の使用においては、チタニア、ジルコニア、アルミナ、シリカ等の他の担体材料と混合して使用することもできる。
【0044】
[排ガス浄化触媒の製造]
本発明の排ガス浄化触媒は、本発明の触媒担体に白金等の貴金属とバリウム等のNO吸蔵材とを担持させることによって達成できる。貴金属の担持は任意の方法によって達成でき、例えば白金を担持する場合、ジニトロジアンミン白金硝酸水溶液を触媒担体に含浸させ、これを乾燥及び焼成して、0.5〜2重量%の白金を担持した本発明の排ガス浄化触媒を製造することができる。またバリウム等のNO吸蔵材の担持は、これらの金属の塩を含有する溶液、例えば酢酸バリウム溶液を触媒担体に含浸させ、これを乾燥及び焼成して達成できる。
【実施例】
【0045】
以下に本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0046】
〔参考例〕
硝酸セリウム6水和物16.3g及び硝酸アルミニウム9水和物234.5gをイオン交換水1000ccに溶解させ、1時間にわたって撹拌して、原料溶液を得た。この原料溶液をアンモニア水に対して滴下し、pHを9に維持しつつ、複合水酸化物沈物を得た。
【0047】
このようにして得られた複合水酸化物沈殿物を含有する溶液から水分を濾過し、洗浄し、120℃で2時間にわたって乾燥し、300℃で2時間にわたって焼成して、参考例の触媒担体粉末を得た。この参考例の担体粉末では、Al:CeOの質量比が84:16であった。
【0048】
その後、白金2g分のジニトロジアンミン白金硝酸水溶液とロジウム0.5g分の硝酸ロジウム水溶液をイオン交換水500cc中に投入した水溶液に、参考例の担体粉末150gを浸し、2時間にわたって撹拌した。更にこの水溶液を120℃で2時間にわたって乾燥し、300℃で1時間にわたって焼成して、貴金属担持粉末を得た。その後、酢酸バリウム38.3gをイオン交換水500ccに投入した溶液に、この貴金属担持粉末を浸漬し、撹拌した後で、120℃で2時間にわたって乾燥し、480℃で5時間にわたって焼成して、参考例の触媒を得た。
【0049】
〔実施例1〕
硝酸セリウム6水和物16.3g、硝酸アルミニウム9水和物234.5g、及び塩化チタン(IV)7.6gをイオン交換水1000ccに溶解させ、1時間にわたって撹拌して、原料溶液を得たことを除いて参考例と同様にして、実施例1の触媒を得た。この実施例1の担体粉末では、Al:CeOの質量比が84:16であり、(Al+CeO):TiOの質量比が95:5であった。
【0050】
〔実施例2〜4〕
原料溶液に含有させる塩化チタン(IV)の量を変化させて、担体粉末の(Al+CeO):TiO比がそれぞれ70:30、50:50及び30:70になるようにしたことを除いて実施例1と同様にして、実施例2〜4の触媒を得た。尚、これら実施例2〜4の担体粉末では、Al:CeOの質量比が84:16であった。
【0051】
〔比較例1〕
高比表面積アルミナ粉末124.5gとセリア粉末25.5gとを混合して担体粉末を得たことを除いて参考例と同様にして、比較例1の触媒を得た。この比較例1の担体粉末では、Al:CeOの質量比が83:17であった。
【0052】
〔比較例2〕
高比表面積アルミナ粉末124.5gとセリア粉末25.5gとチタニア粉末64.3gを混合して担体粉末を得たことを除いて参考例と同様にして、比較例2の触媒を得た。この比較例2の担体粉末では、Al:CeOの質量比が83:17であり、(Al+CeO):TiO比が70:30であった。すなわち、この比較例2の担体粉末は、実施例2の担体粉末とほぼ同じ組成を有していた。
【0053】
〔比較例3〕
参考例と同様にして、セリアの一次粒子とアルミナの一次粒子とが相互に混合されてなる担体粉末を得た。この担体粉末のAl:CeOの質量比は84:16であった。
【0054】
このようにして得た担体粉末70g、及び塩化チタニア(IV)7.6gを、順次、撹拌されているイオン交換水1000ccに添加して混合した。1時間にわたって撹拌した後で、120℃で一昼夜乾燥させ、300℃で2時間焼成して、比較例3の担体粉末を得た。このようにして得た比較例3の触媒担体に、参考例と同様にして、白金、ロジウム及びバリウムを担持して、比較例3の触媒を得た。
【0055】
この比較例3の担体粉末では、Al:CeOの質量比が84:16であり、(Al+CeO):TiOの質量比が70:30であった。すなわち、この比較例3の担体粉末(相互に混合されているセリアとアルミナの一次粒子に対して、含浸によってチタニアを更に担持)は、実施例2の担体粉末(セリアとアルミナとチタニアの一次粒子が交互に混合されている)と構成が異なるものの、同じ組成を有していた。
【0056】
参考例、実施例及び比較例の触媒の評価では、これらの触媒を1mm角のペレット状に成形して用いた。
【0057】
〔評価〕
(酸量)
実施例及び比較例の担体粉末の酸量を図2に示す。ここで酸量とは、触媒に吸着させたNHを温度上昇によって脱離させる昇温脱離法(TPD)で測定されるNHの脱離量を意味する。
【0058】
(耐久)
参考例、実施例及び比較例の触媒の耐久後のNO浄化性能を評価するために、これらの触媒を空気中において800℃で5時間にわたって焼成し、その後で4時間にわたって、表1で示すリーンガス及びリッチガス(ガス流量:5.0L/分)を400℃でそれぞれ4分間及び1分間ずつ交互に流通させて耐久を行った。この耐久による硫黄被毒量を図3に示す。尚、硫黄被毒量の評価のためには炭素・硫黄分析装置(C・S分析装置、HORIBA製)を用いた。
【0059】
【表1】


【0060】
(硫黄脱離評価)
耐久を行った触媒ペレット1gを固定床流通式反応器に充填し、下記の表2の組成のリッチガス(ガス流量:6.6L/分)を600℃において10分間流通させて再生処理を行い、その後で硫黄被毒量の評価を行った。結果を図3及び4に示す。また耐久後(再生処理前)の硫黄被毒量及びリッチガスによる再生処理後の硫黄被毒量から、脱離した硫黄の割合(=再生処理によって脱離した硫黄の量(g)/再生処理前の硫黄被毒量(g)×100)を求めた。結果を図5に示す。
【0061】
【表2】


【0062】
(NO浄化率評価)
耐久を行った触媒ペレット1gを固定床流通式反応器に充填し、下記の表3の組成のリッチガス(ガス流量:6.6L/分)を600℃において10分間流通させて再生処理を行い、その後でリーンガス及びリッチガスをそれぞれ2分間づつ交互に流通させた。このリーン/リッチのサイクルの間の入口側NO濃度(ppm)と出口側NO濃度(ppm)とから、NO浄化率を評価した。結果は図6に示している。
【0063】
【表3】


【0064】
〔結果〕
(酸量)
図2で示されているように、本発明の実施例、参考例及び比較例の触媒担体では、チタニア含有量の増加に伴って酸量が増加している。
【0065】
(硫黄脱離)
図3に示されているように、本発明の実施例の触媒担体では、チタニア含有量の増加による酸量の増加に伴って、硫黄による被毒の程度が低下している。ここでは、チタニア含有率が共に30wt%である実施例2並びに比較例2及び3の触媒は、ほぼ同程度に硫黄によって被毒されている。しかしながら、図4及び5より理解されるように、比較例2及び3の触媒と比較すると、本発明の実施例2の触媒は、リッチガスによる再生処理によって比較的良好に硫黄被毒から再生されている。これは、本発明の実施例2の触媒では、担体において微細なアルミナ、セリア及びチタニアの粒子が相互に混合されていることによって、酸性金属酸化物であるチタニアによる硫黄被毒からの再生効果が、担体全体に良好に作用していることによると考えられる。
【0066】
(NO浄化率)
図6で示されているように、触媒担体の酸量を調節することによって、NO浄化能を変化させることができる。これは、担体の酸性度が、硫黄被毒からの再生に影響を与えていることによると考えられる。特に担体粉末の(Al+CeO):TiOの質量比が95:5〜50:50であるときに、優れたNO浄化が提供されている。
【0067】
また特にこの図6から理解されるように、実施例2の触媒(セリアとアルミナとチタニアの一次粒子が交互に混合されている担体粉末を使用)と、比較例3の触媒(セリアとアルミナ一次粒子が交互に混合されており、ここに含浸によってチタニアが担持されている担体粉末を使用)とでは、NO浄化率に有意の差が生じている。これは、実施例2の担体粉末では、チタニアが一次粒子レベルでセリア及びアルミナと混合されていることによって、セリアによるOSC能等の効果と、チタニアによる耐硫黄被毒性の効果とが共に良好に提供されていることによると考えられる。
【0068】
尚、参考例と比較例1との差は、参考例の担体では比較的大きい表面積が得られていることによると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の触媒担体の概念図である。
【図2】触媒担体の酸性度を示す図である。
【図3】触媒の耐久後の硫黄被毒の程度を示す図である。
【図4】再生処理後の触媒の硫黄被毒の程度を示す図である。
【図5】再生処理によって触媒から除去される硫黄の割合を示す図である。
【図6】実施例、参考例及び比較例の触媒のNO浄化能を示す図である。
【符号の説明】
【0070】
1 酸性金属酸化物−セリア固溶体(又はセリア)の一次粒子
2 アルミナ(酸性金属酸化物−アルミナ固溶体)の一次粒子
10 本発明の触媒担体




 

 


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