米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> スポ−ツ;娯楽 -> ブリヂストンスポーツ株式会社

発明の名称 ゴルフボール用ゴム成型物、その製造方法及びゴルフボール
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−216015(P2007−216015A)
公開日 平成19年8月30日(2007.8.30)
出願番号 特願2007−29140(P2007−29140)
出願日 平成19年2月8日(2007.2.8)
代理人 【識別番号】100079304
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 隆司
発明者 進藤 潤 / 南馬 昌司
要約 課題

解決手段
本発明は、基材ゴム、共架橋剤及び架橋剤を含有したゴム組成物に加硫促進剤を配合し、このゴム組成物を加硫成型することにより得られたゴルフボール用ゴム成型物において、上記基材ゴムが、ASTM D 1646−96に基づく応力緩和時間(T80)の値が5以下であり、かつ希土類元素系触媒により重合されたポリブタジエンであり、上記加硫促進剤がヘキサメチレン・テトラミンであり、更に、上記ゴム組成物に有機硫黄化合物が配合されてなることを特徴とするゴルフボール用ゴム成型物、その製造方法及びゴルフボールを提供する。
特許請求の範囲
【請求項1】
基材ゴム、共架橋剤及び架橋剤を含有したゴム組成物に加硫促進剤を配合し、このゴム組成物を加硫成型することにより得られたゴルフボール用ゴム成型物において、上記基材ゴムが、ASTM D 1646−96に基づく応力緩和時間(T80)の値が5以下であり、かつ希土類元素系触媒により重合されたポリブタジエンであり、上記加硫促進剤がヘキサメチレン・テトラミンであり、更に、上記ゴム組成物に有機硫黄化合物が配合されてなることを特徴とするゴルフボール用ゴム成型物。
【請求項2】
上記ポリブタジエンの基材ゴムに占める質量割合が50%以上である請求項1記載のゴルフボール用ゴム成型物。
【請求項3】
上記希土類元素系触媒がネオジウム系触媒である請求項1又は2記載のゴルフボール用ゴム成型物。
【請求項4】
上記ヘキサメチレン・テトラミンの配合量が基材ゴム100質量部に対して0.01質量部以上である請求項1〜3のいずれか1項記載のゴルフボール用ゴム成型物。
【請求項5】
ゴルフボール用ゴム成型物が球状物であって、該球状物の直径が30〜42.7mmであり、98N(10kgf)荷重を加えた状態から1275N(130kgf)荷重を増加させた時に生じるたわみ変形量が2.0〜7.0mmである請求項1〜4のいずれか1項記載のゴルフボール用ゴム成型物。
【請求項6】
ソリッドコアとこれを包囲する1層又は2層以上からなるカバーとを有するゴルフボールにおいて、このソリッドコアとして上記請求項1〜5のいずれか1項記載のゴム成型物を用いるゴルフボール。
【請求項7】
基材ゴム、共架橋剤及び架橋剤を含有したゴム組成物を加硫成型するに際し、加硫促進剤を配合して上記ゴム組成物からゴム成型物を得るゴム成型物の製造方法において、上記基材ゴムとして、ASTM D 1646−96に基づく応力緩和時間T80の値が5以下であり、かつ希土類元素系触媒により重合されたポリブタジエン、及び上記加硫促進剤としてヘキサメチレンテトラアミンを用いると共に、上記ゴム組成物に有機硫黄化合物を配合することとするゴルフボール用ゴム成型物の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフボールの材料として用いられるゴルフボール用ゴム成型物に関し、特に、ツーピースやスリーピースゴルフボール等のソリッドゴルフボールのコア材料として用いられる球状ゴム成型物に関するものであり、更に詳述すると、高硬度で高品質なゴム成型物を生産性高く得ることができるゴルフボール用ゴム成型物、その製造方法及びゴルフボールに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフボールの芯材であるコアのボール全体に対して占める割合は高く、このためコア材はボールの品質に大きな影響を及ぼすこととなる。そこで、反発性増加の目的でコア硬度向上させたり、所望の硬度分布を狙った高品質なコア材、特に、高反発なゴルフボール用ゴム成型物を得ることが望まれている。
【0003】
高反発なゴルフボールを得るためには、ゴム組成物に有機硫黄化合物を適量添加する技術が種々提案されている。この場合、コアの反発性は向上するものの、加硫時間(反応時間)が長くなり、コアの生産性が低下するという欠点がある。
【0004】
そこで、ゴムと加硫剤との架橋反応を促進させる目的で、各種の加硫促進剤を添加することが行われており、例えば、米国特許第6,878,075号明細書、米国特許第6,767,940号明細書及び米国特許第6,695,718号明細書などに記載された技術が提案されている。
【0005】
しかしながら、ゴム組成物に加硫促進剤を添加すると、成型物の反発性が低下してしまう欠点を有する。したがって、コア材の高反発性と加硫生産性とを両立させたコア材を提案することが強く望まれる。
【0006】
【特許文献1】米国特許第6878075号明細書
【特許文献2】米国特許第6767940号明細書
【特許文献3】米国特許第6695718号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、反発性が高く、品質の高いゴム成型物を高効率で生産することができるゴルフボール用ゴム成型物、その製造方法及びゴルフボールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、特定のポリブタジエンと有機硫黄化合物との組み合わせに、特定の加硫促進剤を選択し、添加することにより、高反発性コアを高速で加硫生産することができることを見出した。具体的には、応力緩和時間(T80)の値が5以下の希土類元素系触媒により重合されたポリブタジエンを選択すると共に、加硫促進剤として、ヘキサメチレン・テトラミンを用い、有機硫黄化合物を添加したコア用ゴム組成物は、そうでない有機硫黄化合物を添加したコア用ゴム組成物よりも高速で架橋成型することができ、かつ架橋成型物としてのコアは高い反発性を有するものであることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
【0009】
従って、本発明は、下記のゴルフボール用ゴム成型物、その製造方法及びゴルフボールを提供する。
〔1〕基材ゴム、共架橋剤及び架橋剤を含有したゴム組成物に加硫促進剤を配合し、このゴム組成物を加硫成型することにより得られたゴルフボール用ゴム成型物において、上記基材ゴムが、ASTM D 1646−96に基づく応力緩和時間(T80)の値が5以下であり、かつ希土類元素系触媒により重合されたポリブタジエンであり、上記加硫促進剤がヘキサメチレン・テトラミンであり、更に、上記ゴム組成物に有機硫黄化合物が配合されてなることを特徴とするゴルフボール用ゴム成型物。
〔2〕上記ポリブタジエンの基材ゴムに占める質量割合が50%以上である〔1〕記載のゴルフボール用ゴム成型物。
〔3〕上記希土類元素系触媒がネオジウム系触媒である〔1〕又は〔2〕記載のゴルフボール用ゴム成型物。
〔4〕上記ヘキサメチレン・テトラミンの配合量が基材ゴム100質量部に対して0.01質量部以上である〔1〕〜〔3〕のいずれか1項記載のゴルフボール用ゴム成型物。
〔5〕ゴルフボール用ゴム成型物が球状物であって、該球状物の直径が30〜42.7mmであり、98N(10kgf)荷重を加えた状態から1275N(130kgf)荷重を増加させた時に生じるたわみ変形量が2.0〜7.0mmである〔1〕〜〔4〕のいずれか1項記載のゴルフボール用ゴム成型物。
〔6〕ソリッドコアとこれを包囲する1層又は2層以上からなるカバーとを有するゴルフボールにおいて、このソリッドコアとして〔1〕〜〔5〕のいずれか1項記載のゴム成型物を用いるゴルフボール。
〔7〕基材ゴム、共架橋剤及び架橋剤を含有したゴム組成物を加硫成型するに際し、加硫促進剤を配合して上記ゴム組成物からゴム成型物を得るゴム成型物の製造方法において、上記基材ゴムとして、ASTM D 1646−96に基づく応力緩和時間(T80)の値が5以下であり、かつ希土類元素系触媒により重合されたポリブタジエン、及び上記加硫促進剤としてヘキサメチレンテトラアミンを用いると共に、上記ゴム組成物に有機硫黄化合物を配合することとするゴルフボール用ゴム成型物の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明のゴルフボール用ゴム成型物は、反発性が高く高品質な成型物である。特に、これをワンピースゴルフボールの材料又は多層ソリッドゴルフボールにおけるソリッドコア材に適用することにより、初速度が大きく飛距離が増大し得る。また、ゴム組成物の加硫成型時の架橋速度が大きくなり、成型物の生産性が高いものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明は、基材ゴム、共架橋剤、架橋剤、加硫促進剤及び有機硫黄化合物を配合してなるゴム組成物を加硫成型して得られた成型物である。ゴム組成物の配合について以下に具体的に説明する。
【0012】
基材ゴム
ここで、基材ゴムとしては、希土類元素系触媒により重合されたポリブタジエンが挙げられ、特に、シス1,4結合が60%以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上有する高シス含有のポリブタジエンゴムを主材とすることが好ましい。
【0013】
上記希土類元素系触媒により重合されたポリブタジエンの配合量は、基材ゴム全量に対して、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、最も好ましくは100質量%である。
【0014】
なお、所望により上記の基材ゴムに、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、シリコーンゴム及びこれらの変性物などを適宜配合しても良い。
【0015】
上記希土類元素系触媒としては、公知のものを使用することができる。例えば、ランタン系列希土類元素化合物、有機アルミニウム化合物、アルモキサン、ハロゲン含有化合物、更に、必要に応じルイス塩基の組合せよりなる触媒を挙げることができる。
【0016】
上記ランタン系列希土類元素化合物としては、原子番号57〜71の金属ハロゲン化物、カルボン酸塩、アルコラート、チオアルコラート、アミド等を挙げることができる。
【0017】
上記有機アルミニウム化合物としては、例えば、AlR123(ここで、R1、R2及びR3は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素又は炭素数1〜8の炭化水素残基を表す)で示されるものを用いることができる。
【0018】
上記アルモキサンは、下記式(I)又は下記式(II)で示される構造を有する化合物を好適に挙げることができる。この場合、ファインケミカル,23, (9), 5 (1994), J. Am. Chem. Soc., 115, 4971 (1993), J. Am. Chem. Soc., 117, 6465 (1995) で示されるアルモキサンの会合体でもよい。
【0019】
【化1】


(式中、R4は、炭素数1〜20の炭素原子を含む炭化水素基、nは2以上の整数である。)
【0020】
ハロゲン含有化合物としては、AlXn3-n(ここで、Xはハロゲンを示し、Rは、炭素数が1〜20の炭化水素残基であり、例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基であり、nは、1、1.5、2又は3を示す)で示されるアルミニウムハライド、Me3SrCl、Me2SrCl2、MeSrHCl2、MeSrCl3などのストロンチウムハライド、その他、四塩化ケイ素、四塩化スズ、四塩化チタンなどの金属ハライド等が用いられる。
【0021】
ルイス塩基は、ランタン系列希土類元素化合物を錯化するのに用いることができ、例えば、アセチルアセトン、ケトンアルコールなどを挙げることができる。
【0022】
本発明においては、特に、ランタン系列希土類元素化合物としてネオジウム化合物を用いたネオジウム系触媒の使用が、1,4−シス結合が高含量、1,2−ビニル結合が低含量のポリブタジエンゴムを優れた重合活性で得られるので好ましく、これらの希土類元素系触媒の具体例は、特開平11−35633号公報に記載されているものを好適に挙げることができる。
【0023】
希土類元素系触媒の存在下でポリブタジエンを重合させる場合、溶媒を使用しても、溶媒を使用せずにバルク重合あるいは気相重合してもよく、重合温度は通常−30℃〜150℃、好ましくは10〜100℃とすることができる。
【0024】
上記のポリブタジエンは、上記の希土類元素系触媒による重合に引き続き、ポリマーの活性末端に末端変性剤を反応させることにより得られるものであってもよい。
【0025】
ここで、末端変性剤は、公知のものを使用でき、例えば下記(i)〜(vi)に記載した化合物を挙げることができる。
【0026】
(i)R5nM’X4-n、M’X4、M’X3、R5nM’(−R6−COOR74-n又はR5nM’(−R6−COR74-n(式中、R5及びR6は、同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜20の炭素原子を含む炭化水素基、R7は炭素数1〜20の炭素原子を含む炭化水素基であり、側鎖にカルボニル基又はエステル基を含んでいてもよく、M’はスズ原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子又はリン原子、Xはハロゲン原子、nは0〜3の整数を示す)に対応するハロゲン化有機金属化合物、ハロゲン化金属化合物又は有機金属化合物
【0027】
(ii)分子中に、Y=C=Z結合(式中、Yは炭素原子、酸素原子、チッ素原子又はイオウ原子、Zは酸素原子、チッ素原子又はイオウ原子を示す)を含有するヘテロクムレン化合物
【0028】
(iii)分子中に下記結合を含有するヘテロ3員環化合物
【0029】
【化2】


(式中、Yは、酸素原子、チッ素原子又はイオウ原子を示す)
【0030】
(iv)ハロゲン化イソシアノ化合物
【0031】
(v)R8−(COOH)m、R9(COX)m、R10−(COO−R11)、R12−OCOO−R13、R14−(COOCO−R15m、又は下記式で示されるカルボン酸、酸ハロゲン化物、エステル化合物、炭酸エステル化合物又は酸無水物
【0032】
【化3】


(式中、R8〜R16は、同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜50の炭素原子を含む炭化水素基、Xはハロゲン原子、mは1〜5の整数を示す)
【0033】
(vi)R17lM”(OCOR184-l、R19lM”(OCO−R20−COOR214-l、又は下記式で示されるカルボン酸の金属塩
【0034】
【化4】


(式中、R17〜R23は、同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜20の炭素原子を含む炭化水素基、M”はスズ原子、ケイ素原子又はゲルマニウム原子、lは0〜3の整数を示す。)等を挙げることができる。
【0035】
以上の(i)〜(vi)に示される末端変性剤の具体例及び反応させる方法は、例えば、特開平11−35633号公報、特開平7−268132号公報等に記載されているもの及び方法を挙げることができる。
【0036】
また、上記ポリブタジエンは、そのムーニー粘度(ML1+4(100℃))が20以上、好ましくは30以上、上限として80以下、好ましくは70以下、更に好ましくは65以下であることが推奨される。
【0037】
なお、本発明にいうムーニー粘度とは、回転可塑度計の一種であるムーニー粘度計で測定される工業的な粘度の指標であり、単位記号としてML1+4(100℃)を用いる。Mはムーニー粘度、Lは大ローター(L型)、1+4は予備加熱時間1分間、ローターの回転時間4分間を示し、100℃の条件下にて測定した値であることを意味し、ASTM D−1646−96に準じて測定される。
【0038】
本発明におけるポリブタジエンについては、下記のように定義される応力緩和時間(T80)が5以下、好ましくは4以下を示すものが用いられる。
【0039】
[応力緩和時間(T80)]
ML1+4(100℃)値(ASTM D−1646−96に準じて測定される、100℃におけるムーニー粘度測定値)測定直後にローター回転を停止させてからML1+4の値が80%低下するまでに要する時間(秒)。
【0040】
この応力緩和時間(T80)の値が5を超えてしまうと、架橋成形物の反発性が低下したり、架橋速度が遅くなるというおそれがある。
【0041】
これらのポリブタジエンゴムの具体例としては、ファイアストンポリマー社製の商品名「EC140」や日本合成ゴム社(JSR社)製の商品名「BR700」などが挙げられる。
【0042】
共架橋剤
共架橋剤としては、不飽和カルボン酸、及び/又はそれらの金属塩を採用することができる。
【0043】
ここで、不飽和カルボン酸として、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等を挙げることができ、特にアクリル酸、メタクリル酸であることが好ましい。
【0044】
また、不飽和カルボン酸の金属塩としては、メタクリル酸亜鉛、アクリル酸亜鉛等の不飽和脂肪酸の亜鉛塩、マグネシウム塩等を配合し得るが、特にアクリル酸亜鉛を好適に使用し得る。
【0045】
上記不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩は、上記基材ゴム100質量部に対し、10質量部以上、好ましくは15質量部以上、更に好ましくは20質量部以上、上限として60質量部以下、好ましくは50質量部以下、更に好ましくは45質量部以下、最も好ましくは40質量部以下配合する。配合量が多すぎると硬くなりすぎてしまい、配合量が少なすぎると反発性が低下してしまう。
【0046】
架橋剤(橋かけ剤)
架橋剤としては、有機過酸化物,硫黄,金属酸化物,有機多価アミン化合物,変性フェノール樹脂などを挙げることができ、好ましくは、有機過酸化物を採用することができる。なお、有機過酸化物は重合開始剤としての役割も果たす。
【0047】
上記有機過酸化物としては、市販品を挙げることができ、例えば、パークミルD(日本油脂社製)、パーヘキサC(日本油脂社製)、Luperco 231XL(アトケム社製)等が挙げられる。必要に応じて2種以上の異なる有機過酸化物を混合して用いてもよい。
【0048】
有機過酸化物は、上記基材ゴム100質量部に対し、0.1質量部以上、好ましくは0.3質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上、最も好ましくは0.7質量部以上、上限として10質量部以下、好ましくは5質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、最も好ましくは2質量部以下配合する。配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると好適な硬度、良好な打感、良好な耐久性及び良好な反発性を得ることができない。
【0049】
加硫促進剤
一般に、加硫促進剤としては、グァニジン系、アルデヒド−アミン系、チアゾール系等の酸性・塩基性促進剤が挙げられるが、本発明では、塩基性促進剤であるアルデヒド−アンモニア系の群に属するヘキサメチレン・テトラミン(hexamethylene tetramine)を採用する。
【0050】
上記ヘキサメチレン・テトラミンの配合量は、基材ゴム100質量部に対して0.01質量部以上であり、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上である。この配合量が0.01質量部より少ないと、加硫が促進されず、加硫時間が長くなり、生産性が悪くなるおそれがある。
【0051】
上記の成分として具体的には、商品名「ノクセラーH」(大内新興化学社製)や「サンセラーH」(三新化学社製)等を挙げることができる。
【0052】
有機硫黄化合物
本発明では有機硫黄化合物を更に配合する。有機硫黄化合物は、優れた反発性を付与するための必須成分で、具体的には、チオフェノール類、チオナフトール類、ハロゲン化チオフェノール類又はそれらの金属塩を配合することが推奨され、より具体的には、ペンタクロロチオフェノール、ペンタフルオロチオフェノール、ペンタブロモチオフェノール、パラクロロチオフェノール、ペンタクロロチオフェノール等の亜鉛塩、硫黄数が2〜4のジフェニルポリスルフィド、ジベンジルポリスルフィド、ジベンゾイルポリスルフィド、ジベンゾチアゾイルポリスルフィド、ジチオベンゾイルポリスルフィド等が挙げられるが、特に、ペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩、ジフェニルジスルフィドを好適に用いることができる。
【0053】
上記有機硫黄化合物は、上記基材ゴム100質量部に対し、0.05質量部以上、好ましくは0.1質量部以上、更に好ましくは0.2質量部以上、上限として5質量部以下、好ましくは4質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、最も好ましくは2質量部以下配合する。配合量が多すぎると硬さが軟らかくなりすぎてしまい、少なすぎると、反発性の向上が見込めない。
【0054】
その他
その他、本発明におけるゴム組成物には無機充填剤を配合することができ、この無機充填剤としては、例えば、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等を挙げることができ、その配合量は、上記基材ゴム100質量部に対し、5質量部以上、好ましくは7質量部以上、更に好ましくは10質量部以上、最も好ましくは13質量部以上、上限として80質量部以下、好ましくは50質量部以下、更に好ましくは45質量部以下、最も好ましくは40質量部以下とする。配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると適正な重量、および好適な反発性を得ることができない。
【0055】
なお、反発性を上げるという点から無機充填剤中に酸化亜鉛が50質量%以上含有されているものが好ましく、更に好ましくは75質量%以上含有されているもの、特に100質量%(無機充填剤として酸化亜鉛が100%)であるものが好ましい。
【0056】
また、酸化亜鉛の平均粒径(空気透過法による)は、好ましくは0.01μm以上、更に好ましくは0.05μm以上、特に0.1μm以上、上限として好ましくは2μm以下、更に1μm以下が好ましく用いられる。
【0057】
また、老化防止剤としては市販品として2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)(商品名「ノクラックNS−6」、大内新興化学工業社製)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(商品名「ノクラックNS−5」、大内新興化学工業社製)等が挙げられる。その配合量は、前記基材ゴム100質量部に対し0質量部以上、好ましくは0.05質量部以上、更に好ましくは0.1質量部以上、最も好ましくは0.2質量部以上、上限として3質量部以下、好ましくは2質量部以下、更に好ましくは1質量部以下、最も好ましくは0.5質量部以下とすることが、好適な反発性、耐久性を得る観点から推奨される。
【0058】
上記ゴム組成物からゴム成型物を製造方法については、公知のゴルフボール用ゴム組成物と同様の方法で加硫・硬化させることによって得ることができる。加硫条件は、例えば、加硫温度100〜200℃、加硫時間10〜40分にて実施することができる。
【0059】
上記ゴム成型物は、加熱成型物表面のJIS−C硬度から加熱成形物中心のJIS−C硬度を引いた硬度差が10より大きいことを要し、特に15以上、好ましくは18以上、上限として50以下、特に45以下、好ましくは40以下にする必要があり、このように硬度が調整されることにより、上記材料の適正化と相俟って良好な反発性を兼ね備えたゴルフボールを確実に得ることができる。
【0060】
本発明のゴルフボールは、上記成型物を構成要素として具備するもので、ボールの態様は特に制限されるものではなく、上記成型物がゴルフボールに直接適用されるワンピースゴルフボール、ゴム成型物をソリッドコアとしかつその表面にカバーが形成されたツーピースソリッドゴルフボール、ゴム成型物をソリッドコアとしかつその外側に2層以上のカバーが形成された3ピース以上のマルチピースソリッドゴルフボール、上記ゴム成型物がセンターコアとして適用された糸巻きゴルフボール等の種々の態様を採ることができるが、特に、ソリッドコアとして使用するツーピースソリッドゴルフボール、マルチピースソリッドゴルフボールであることが、ゴム成型物の特性を有効に活かすことができる。
【0061】
本発明において、ゴム成型物を上記ソリッドコアとする場合、ソリッドコアの直径は30.0mm以上、好ましくは32.0mm以上、更に好ましくは35.0mm以上、最も好ましくは37.0mm以上、上限として41.0mm以下、好ましくは40.5mm以下、更に好ましくは40.0mm以下、最も好ましくは39.5mm以下とすることが推奨され、特に、ツーピースソリッドゴルフボールのソリッドコアは、直径は37.0mm以上、好ましくは37.5mm以上、更に好ましくは38.0mm以上であり、最も好ましくは38.5mm以上、上限として41.0mm以下、好ましくは40.5mm以下、更に好ましくは40.0mm以下、スリーピースソリッドゴルフボールのソリッドコアは、直径は30.0mm以上、好ましくは32.0mm以上、更に好ましくは34.0mm以上、最も好ましくは35.0mm以上であり、上限として40.0mm以下、好ましくは39.5mm以下、更に好ましくは39.0mm以下とすることが推奨される。
【0062】
上記ソリッドコアの初期荷重10kgfから終荷重130kgfまで負荷したときの変形量については、特に制限はないが、好ましくは2.0mm以上、より好ましくは2.5mm以上であり、上限として、好ましくは7.0mm以下、より好ましくは5.0mm以下である。このソリッドコアの変形量が少なすぎると、大変形が生じるロングショット時にスピンが増えすぎて飛ばなくなるおそれがある。また、変形量が多すぎると、反発が十分でなくなり飛ばなくなるおそれがある。なお、たわみ変形量と硬度とは同じ指標であるが、たわみ変形量が大きくなると硬度は小さくなり、たわみ変形量が小さくなると硬度は大きくなると言える。
【0063】
上記ソリッドコアの比重は、通常0.9以上、好ましくは1.0以上、更に好ましくは1.1以上、上限として1.4以下、好ましくは1.3以下、更に好ましくは1.2以下であることが推奨される。
【0064】
本発明のゴルフボールをツーピースソリッドゴルフボール、マルチピースソリッドゴルフボールとする場合、公知のカバー材、中間層材を使用することができ、これら主材として、具体的には、熱可塑性又は熱硬化性のポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、アイオノマー樹脂、ポリオレフィン系エラストマー又はこれらの混合物等を挙げることができる。これらは、1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができ、特に、熱可塑性ポリウレタン系エラストマー、アイオノマー樹脂を好適に挙げることができる。
【0065】
上記熱可塑性ポリウレタン系エラストマーとしては、市販品を用いることができ、例えばパンデックスT7298,同T7295,同T7890、同TR3080、同T8295、同T8290(DIC・バイエルポリマー社製)などのジイソシアネートが脂肪族又は芳香族であるもの等が挙げられる。また、アイオノマー樹脂の市販品としては、サーリン6320、同8120(米国デュポン社製)、ハイミラン1706、同1605、同1855、同1601、同1557(三井・デュポンポリケミカル社製)等を例示できる。
【0066】
更に、上記カバーの主材に対しては、任意成分として、上記以外の熱可塑性エラストマー等のポリマーを配合することができる。任意成分のポリマーとして、具体的には、ポリアミド系エラストマー、スチレン系ブロックエラストマー、水添ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル(EVA)共重合体等を配合し得る。
【0067】
なお、本発明のツーピースソリッドゴルフボール、マルチピースソリッドゴルフボールは、公知の方法で製造することができ、特に制限されるものではないが、ツーピースやマルチピースソリッドゴルフボールとする場合には、上記加熱成型物をソリッドコアとして所定の射出成形用金型内に配備し、ツーピースソリッドゴルフボールの場合には上記カバー材を、マルチピースソリッドゴルフボールの場合には、順に上記中間層材、カバー材を所定の方法に従って射出する公知の方法を好適に採用できる。場合によっては、上記カバー材を加圧成形によって製造することもできる。
【0068】
マルチピースソリッドゴルフボールの中間層の厚さは、0.5mm以上、好ましくは1.0mm以上、上限として3.0mm以下、好ましくは2.5mm以下、更に好ましくは2.0mm以下、最も好ましくは1.6mm以下であることが推奨される。
【0069】
また、カバーの厚さは、ツーピースソリッドゴルフボール、マルチピースソリッドゴルフボールのいずれであっても0.7mm以上、好ましくは1.0mm以上、上限として3.0mm以下、好ましくは2.5mm以下、更に好ましくは2.0mm以下、最も好ましくは1.6mm以下であることが推奨される。
【0070】
本発明のマルチピースソリッドゴルフボールは、競技用としてゴルフ規則に従うものとすることができ、直径42.67mm以上、重量45.93g以下に形成することができる。直径の上限として好ましくは44.0mm以下、更に好ましくは43.5mm以下、最も好ましくは43.0mm以下、重量の下限として好ましくは44.5g以上、特に好ましくは45.0g以上、更に好ましくは45.1g以上、最も好ましくは45.2g以上であることが推奨される。
【実施例】
【0071】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
【0072】
〔実施例1〜5,比較例1〜3〕
下記表1の物性を示すゴム組成物を調製し、ニーダー又はロールにて混練りした後、球状金型内で160℃、20分間の加硫条件にてゴム組成物を加熱成形して球状のゴム架橋成型物を得た。
【0073】
【表1】


註)表中の数字は質量部
【0074】
なお、表中に記載した主な材料の商品名「 」は以下の通りである。
・ポリブタジエンA:商品名「EC140」ファイアストンポリマー社製、Nd重合触媒で合成されたポリブタジエンゴム(応力緩和時間T80=2.3)
・ポリブタジエンB:商品名「BR01」JSR社製、Ni重合触媒で合成されたポリブタジエンゴム(応力緩和時間T80=8.4)
・アクリル酸亜鉛:日本触媒社製
・酸化亜鉛:堺化学社製、平均粒径0.6μm(空気透過法)、比表面積3.5m2/g(BET法)
・老化防止剤:2,2'−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)商品名「ノクラックNS−6」大内新興化学(株)製
・有機過酸化物(1):ジクミルパーオキサイド、商品名「パークミルD」(日本油脂社製)
ヘキサメチレン・テトラミン(加硫促進剤):商品名「ノクセラーH」大内新興化学工業(株)社製
【0075】
得られた球状ゴム成型物の硬度(たわみの変形量)を下記の通り調べた。また、初速指数及び架橋速度指数について下記の基準に従って評価した。その結果を表2に示した。
【0076】
たわみ変形量
ソリッドコアに対し、初期荷重98N(10kgf)を負荷した状態から終荷重1275N(130kgf)を負荷したときまでの変形量(mm)を計測した。
【0077】
初速試験(初速指数)
公認機関USGAと同タイプの初速度計にて初速度を測定し、比較例1の初速の値を“1”とした時の比の値を表した。
【0078】
160℃における架橋速度指数
コア硬度が安定するのに必要な時間を基準として調べた。この架橋速度指数とは、架橋反応が、比較例1の組成物が安定した硬度を得るのに必要な時間を“1”とした時の相対値である。この数値が小さいほど、安定した硬度を得るのに必要な時間が短くなり、架橋反応が速いことを示す。
【0079】
【表2】


【0080】
表2の結果から、本発明(実施例1〜5)のゴム成型物では、比較例1〜3と比べて架橋速度が速く、かつ良好な初速度が得られることが分かる。
【0081】
〔実施例6、比較例4〕
下記表3の物性を示すゴム組成物を調製し、ニーダー又はロールにて混練りした後、球状金型内で160℃、20分間の加硫条件にてゴム組成物を加熱成形して球状のゴム架橋成型物を得た。得られた球状ゴム成型物の硬度(たわみの変形量)、初速度及び架橋速度については上記の基準に従って評価した。その結果を表4に記した。
【0082】
【表3】


註)表中の数字は質量部
【0083】
【表4】


【0084】
表4の結果から、本発明(実施例6)のゴム成型物は、良好な初速度を維持しながら、比較例4と比べて架橋速度が速いことが分かる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013