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発明の名称 高分子成型物及びゴルフボール
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−209472(P2007−209472A)
公開日 平成19年8月23日(2007.8.23)
出願番号 特願2006−31498(P2006−31498)
出願日 平成18年2月8日(2006.2.8)
代理人 【識別番号】100079304
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 隆司
発明者 進藤 潤 / 南馬 昌司
要約 課題
高反発性、高硬度、かつ高耐久性な高分子成形物、ゴルフボールを提供する。

解決手段
本発明は、(A)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸を含有する1種又は2種以上の重合体、(B)1種又は2種以上のジエン系ポリマー、(C)1種又は2種以上の金属カチオンを供給する物質、及び(D)1種又は2種以上の有機過酸化物を含有し、(B)成分の存在下、(A)成分中のカルボキシル基の全部または一部が(C)成分と中和反応した化学構造を有する高分子組成物を(D)成分の分解によって発生するラジカルによって架橋成型してなることを特徴とする高分子成型物及びこれを用いたゴルフボールを提供する。
特許請求の範囲
【請求項1】
(A)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸を含有する1種又は2種以上の重合体、
(B)1種又は2種以上のジエン系ポリマー、
(C)1種又は2種以上の金属カチオンを供給する物質、
(D)1種又は2種以上の有機過酸化物
を含有し、(B)成分の存在下、(A)成分中のカルボキシル基の全部または一部が(C)成分と中和反応した化学構造を有する高分子組成物を(D)成分の分解によって発生するラジカルによって架橋成型してなることを特徴とする高分子成型物。
【請求項2】
(A)成分が、α−オレフィンとα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の共重合体である請求項1記載の高分子成型物。
【請求項3】
上記α−オレフィンが、エチレン,プロピレン,ブテン,ペンテン,ヘキセン,ヘプテン,メチルブテン及びメチルペンテンの群から選ばれる請求項2記載の高分子成型物。
【請求項4】
上記α,β−エチレン性不飽和カルボン酸が、アクリル酸,メタクリル酸,エタクリル酸,イタコン酸,マレイン酸及びフマル酸の群から選ばれる請求項1又は2記載の高分子成型物。
【請求項5】
(B)成分が、ブタジエンゴム,イソプレンゴム及びスチレンブタジエンゴムの群から選ばれる請求項1〜4のいずれか1項記載の高分子成型物。
【請求項6】
(C)成分の金属カチオンが、マグネシウム,アルミニウム,カルシウム,マンガン,タングステン,チタン,鉄,コバルト,ニッケル,ハフニウム及び、銅,亜鉛,バリウム,ジルコニウム及びスズの群から選ばれる請求項1〜5のいずれか1項記載の高分子成型物。
【請求項7】
(C)成分の金属カチオンが金属酸化物によって供給される請求項6記載の高分子成型物。
【請求項8】
平均粒径が600nm以下の金属酸化物を1種以上含有した請求項7記載の高分子成型物。
【請求項9】
平均粒径が200nm以下の金属酸化物を1種以上含有した請求項7記載の高分子成型物。
【請求項10】
金属酸化物が、酸化亜鉛,酸化マグネシウム及び酸化カルシウムの群から選ばれる請求項7記載の高分子成型物。
【請求項11】
(D)成分の有機過酸化物において、10時間による半減期温度が80℃以上である請求項1〜10のいずれか1項記載の高分子成型物。
【請求項12】
上記高分子組成物に、(E)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸モノマーの金属塩を含有した請求項1〜11のいずれか1項記載の高分子成型物。
【請求項13】
(E)成分の金属塩が、亜鉛,マグネシウム及びカルシウムの群から選ばれる請求項12記載の高分子成型物。
【請求項14】
(E)成分の不飽和カルボン酸モノマーが、アクリル酸,メタクリル酸,エタクリル酸,イタコン酸,マレイン酸及びフマル酸の群から選ばれる請求項12記載の高分子成型物。
【請求項15】
(A)成分と(B)成分との合計質量に対して、(B)成分の配合量が10質量%以上99質量%以下の範囲内で調整される請求項1〜14のいずれか1項記載の高分子成型物。
【請求項16】
(A)成分と(B)成分との合計質量に対して、(B)成分の配合量が50質量%以上99質量%以下の範囲内で調整される請求項1〜14のいずれか1項記載の高分子成型物。
【請求項17】
ワンピースゴルフボール、又はコアと該コアを包囲する1層又は2層以上のカバーとを具備した多層構造のゴルフボールにおいて、ワンピースゴルフボール、コア及びカバーの各構成部材のうち少なくとも1つが、
(A)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸を含有する1種又は2種以上の重合体、
(B)1種又は2種以上のジエン系ポリマー、
(C)1種又は2種以上の金属カチオンを供給する物質、
(D)1種又は2種以上の有機過酸化物
を含有し、(B)成分の存在下、(A)成分中のカルボキシル基の全部または一部が(C)成分と中和反応した化学構造を有する高分子組成物を(D)成分の分解によって発生するラジカルによって架橋成型してなる高分子成型物にて形成されたことを特徴とするゴルフボール。
【請求項18】
(A)成分が、α−オレフィンとα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の共重合体である請求項17記載のゴルフボール。
【請求項19】
上記α−オレフィンが、エチレン,プロピレン,ブテン,ペンテン,ヘキセン,ヘプテン,メチルブテン及びメチルペンテンの群から選ばれる請求項18記載のゴルフボール。
【請求項20】
上記α,β−エチレン性不飽和カルボン酸が、アクリル酸,メタクリル酸,エタクリル酸,イタコン酸,マレイン酸及びフマル酸の群から選ばれる請求項17又は18記載のゴルフボール。
【請求項21】
(B)成分が、ブタジエンゴム,イソプレンゴム及びスチレンブタジエンゴムの群から選ばれる請求項17〜20のいずれか1項記載のゴルフボール。
【請求項22】
(C)成分の金属カチオンが、マグネシウム,アルミニウム,カルシウム,マンガン,タングステン,チタン,鉄,コバルト,ニッケル,ハフニウム及び、銅,亜鉛,バリウム,ジルコニウム及びスズの群から選ばれる請求項17〜21のいずれか1項記載のゴルフボール。
【請求項23】
(C)成分の金属カチオンが金属酸化物によって供給される請求項22記載のゴルフボール。
【請求項24】
平均粒径が600nm以下の金属酸化物を1種以上含有した請求項23記載のゴルフボール。
【請求項25】
平均粒径が200nm以下の金属酸化物を1種以上含有した請求項23記載のゴルフボール。
【請求項26】
金属酸化物が、酸化亜鉛,酸化マグネシウム及び酸化カルシウムの群から選ばれる請求項23記載のゴルフボール。
【請求項27】
(D)成分の有機過酸化物において、10時間による半減期温度が80℃以上である請求項17〜26のいずれか1項記載のゴルフボール。
【請求項28】
上記高分子組成物に、(E)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸モノマーの金属塩を含有した請求項17〜27のいずれか1項記載のゴルフボール。
【請求項29】
(E)成分の金属塩が、亜鉛,マグネシウム及びカルシウムの群から選ばれる請求項28記載のゴルフボール。
【請求項30】
(E)成分の不飽和カルボン酸モノマーが、アクリル酸,メタクリル酸,エタクリル酸,イタコン酸,マレイン酸及びフマル酸の群から選ばれる請求項28記載のゴルフボール。
【請求項31】
(A)成分と(B)成分との合計質量に対して、(B)成分の配合量が10質量%以上99質量%以下の範囲内で調整される請求項17〜30のいずれか1項記載のゴルフボール。
【請求項32】
(A)成分と(B)成分との合計質量に対して、(B)成分の配合量が50質量%以上99質量%以下の範囲内で調整される請求項17〜30のいずれか1項記載のゴルフボール。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種スポーツ用品やその他の工業用材料として有用であり、高反発性,高硬度かつ高耐久性な高分子成型物に関するものであり、特に、ワンピースゴルフボールや多層のソリッドゴルフボールの材料として好適に用いられるゴルフボール用高分子成型物、及びゴルフボールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、多くのゴルフボール用材料が提案されている。例えば、米国特許第6930150号明細書(特許文献2)には、擬似架橋構造や半貫入網状構造が形成されたポリマー混合物が提案されている。
【0003】
しかしながら、上記提案のポリマー混合物については、ゴルフボールの反発性能のほとんどを担うコアやワンピースゴルフボールとしての使用に耐え得る高反発材料としての性能を有していない。従って、上記提案のポリマー混合物をゴルフボールの材料に用いた場合、既知のゴルフボール用ゴム組成物を用いたものよりも反発の面で劣ってしまう欠点がある。
【0004】
【特許文献1】特開2004−91786号公報
【特許文献2】米国特許第6930150号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、高反発性,高硬度かつ高耐久性な高分子成型物及びこれを用いたゴルフボールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、(A)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸を含有する1種又は2種以上の重合体、(B)1種又は2種以上のジエン系ポリマー、(C)1種又は2種以上の金属カチオンを供給する材料、(D)1種又は2種以上の有機過酸化物を含有したものであり、かつ(B)成分の存在下、(A)成分中のカルボキシル基の全部または一部が(C)成分と中和反応した化学構造を有する高分子組成物を(D)成分の分解によって発生するラジカルによって架橋成型してなる高分子成型物を作成し、この高分子成型物の物性評価を調べたところ、高硬度、高反発性及び高耐久性を示し、ゴルフボール等の各種スポーツ用品や工業用材料に最適な材料であることを見出した。特に、上記の高分子成型物をコアやワンピースゴルフボールの材料として使用することにより、ゴルフボールの飛距離や耐久性の向上に大きく貢献することができたことを見出し、本発明を完成したものである。
【0007】
従って、本発明は、下記の高分子成型物及びゴルフボールを提供する。
〔1〕(A)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸を含有する1種又は2種以上の重合体、
(B)1種又は2種以上のジエン系ポリマー、
(C)1種又は2種以上の金属カチオンを供給する物質、
(D)1種又は2種以上の有機過酸化物
を含有し、(B)成分の存在下、(A)成分中のカルボキシル基の全部または一部が(C)成分と中和反応した化学構造を有する高分子組成物を(D)成分の分解によって発生するラジカルによって架橋成型してなることを特徴とする高分子成型物。
〔2〕(A)成分が、α−オレフィンとα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の共重合体である〔1〕記載の高分子成型物。
〔3〕上記α−オレフィンが、エチレン,プロピレン,ブテン,ペンテン,ヘキセン,ヘプテン,メチルブテン及びメチルペンテンの群から選ばれる〔2〕記載の高分子成型物。
〔4〕上記α,β−エチレン性不飽和カルボン酸が、アクリル酸,メタクリル酸,エタクリル酸,イタコン酸,マレイン酸及びフマル酸の群から選ばれる〔1〕又は〔2〕記載の高分子成型物。
〔5〕(B)成分が、ブタジエンゴム,イソプレンゴム及びスチレンブタジエンゴムの群から選ばれる〔1〕記載の高分子成型物。
〔6〕(C)成分の金属カチオンが、マグネシウム,アルミニウム,カルシウム,マンガン,タングステン,チタン,鉄,コバルト,ニッケル,ハフニウム及び、銅,亜鉛,バリウム,ジルコニウム及びスズの群から選ばれる〔1〕記載の高分子成型物。
〔7〕(C)成分の金属カチオンが金属酸化物によって供給される〔6〕記載の高分子成型物。
〔8〕平均粒径が600nm以下の金属酸化物を1種以上含有した〔7〕記載の高分子成型物。
〔9〕平均粒径が200nm以下の金属酸化物を1種以上含有した〔7〕記載の高分子成型物。
〔10〕金属酸化物が、酸化亜鉛,酸化マグネシウム及び酸化カルシウムの群から選ばれる〔7〕記載の高分子成型物。
〔11〕(D)成分の有機過酸化物において、10時間による半減期温度が80℃以上である〔1〕記載の高分子成型物。
〔12〕上記高分子組成物に、(E)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸モノマーの金属塩を含有した〔1〕記載の高分子成型物。
〔13〕(E)成分の金属塩が、亜鉛,マグネシウム及びカルシウムの群から選ばれる〔12〕記載の高分子成型物。
〔14〕(E)成分の不飽和カルボン酸モノマーが、アクリル酸,メタクリル酸,エタクリル酸,イタコン酸,マレイン酸及びフマル酸の群から選ばれる〔12〕記載の高分子成型物。
〔15〕(A)成分と(B)成分との合計質量に対して、(B)成分の配合量が10質量%以上99質量%以下の範囲内で調整される〔1〕記載の高分子成型物。
〔16〕(A)成分と(B)成分との合計質量に対して、(B)成分の配合量が50質量%以上99質量%以下の範囲内で調整される〔1〕記載の高分子成型物。
【0008】
〔17〕ワンピースゴルフボール、又はコアと該コアを包囲する1層又は2層以上のカバーとを具備した多層構造のゴルフボールにおいて、ワンピースゴルフボール、コア及びカバーの各構成部材のうち少なくとも1つが、
(A)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸を含有する1種又は2種以上の重合体、
(B)1種又は2種以上のジエン系ポリマー、
(C)1種又は2種以上の金属カチオンを供給する物質、
(D)1種又は2種以上の有機過酸化物
を含有し、(B)成分の存在下、(A)成分中のカルボキシル基の全部または一部が(C)成分と中和反応した化学構造を有する高分子組成物を(D)成分の分解によって発生するラジカルによって架橋成型してなる高分子成型物にて形成されたことを特徴とするゴルフボール。
〔18〕(A)成分が、α−オレフィンとα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の共重合体である〔17〕記載のゴルフボール。
〔19〕上記α−オレフィンが、エチレン,プロピレン,ブテン,ペンテン,ヘキセン,ヘプテン,メチルブテン及びメチルペンテンの群から選ばれる〔18〕記載のゴルフボール。
〔20〕上記α,β−エチレン性不飽和カルボン酸が、アクリル酸,メタクリル酸,エタクリル酸,イタコン酸,マレイン酸及びフマル酸の群から選ばれる〔17〕又は〔18〕記載のゴルフボール。
〔21〕(B)成分が、ブタジエンゴム,イソプレンゴム及びスチレンブタジエンゴムの群から選ばれる〔17〕記載のゴルフボール。
〔22〕(C)成分の金属カチオンが、マグネシウム,アルミニウム,カルシウム,マンガン,タングステン,チタン,鉄,コバルト,ニッケル,ハフニウム及び、銅,亜鉛,バリウム,ジルコニウム及びスズの群から選ばれる〔17〕記載のゴルフボール。
〔23〕(C)成分の金属カチオンが金属酸化物によって供給される〔22〕記載のゴルフボール。
〔24〕平均粒径が600nm以下の金属酸化物を1種以上含有した〔23〕記載のゴルフボール。
〔25〕平均粒径が200nm以下の金属酸化物を1種以上含有した〔23〕記載のゴルフボール。
〔26〕金属酸化物が、酸化亜鉛,酸化マグネシウム及び酸化カルシウムの群から選ばれる〔23〕記載のゴルフボール。
〔27〕(D)成分の有機過酸化物において、10時間による半減期温度が80℃以上である〔17〕記載のゴルフボール。
〔28〕上記高分子組成物に、(E)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸モノマーの金属塩を含有した〔17〕記載のゴルフボール。
〔29〕(E)成分の金属塩が、亜鉛,マグネシウム及びカルシウムの群から選ばれる〔28〕記載のゴルフボール。
〔30〕(E)成分の不飽和カルボン酸モノマーが、アクリル酸,メタクリル酸,エタクリル酸,イタコン酸,マレイン酸及びフマル酸の群から選ばれる〔28〕記載のゴルフボール。
〔31〕(A)成分と(B)成分との合計質量に対して、(B)成分の配合量が10質量%以上99質量%以下の範囲内で調整される〔17〕記載のゴルフボール。
〔32〕(A)成分と(B)成分との合計質量に対して、(B)成分の配合量が50質量%以上99質量%以下の範囲内で調整される〔17〕記載のゴルフボール。
【発明の効果】
【0009】
本発明の高分子成型物は、高硬度で反発性が高い上、高い耐久性指数を示すものであり、特に、各種スポーツシューズのスパイクやスキー靴等のスキー用品、ゴルフボール、テニスラケット等の耐久性や強靭性が要求されるあらゆるスポーツ用品の材料として好適である。また、自動車用部品等の工業用材料として有用である。特に、本発明の高分子成型物を用いたゴルフボールによれば、高反発で、初速度が大きく飛距離を向上させることができ、打感(フィーリング)の面も良好であり、かつ繰り返し打撃を行なってもひび割れやがなく、高い耐久性を付与することができる。それ故、本発明のゴルフボールは、高い品質を有し、競技上有利なものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明は、下記(A)〜(D)成分を有する高分子組成物を架橋してなる高分子成型物である。
(A)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸を含有する1種又は2種以上の重合体、
(B)1種又は2種以上のジエン系ポリマー、
(C)1種又は2種以上の金属カチオンを供給する材料、
(D)1種又は2種以上の有機過酸化物
【0011】
また、本発明では、上記ゴム組成物に、(E)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸モノマーの金属塩を含有することも好適な実施態様の一つである。
【0012】
(A)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸を含有する重合体
上記(A)成分としては、(i)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸重合体または(ii)α−オレフィンとα,β−エチレン性不飽和カルボン酸との共重合体が好適に用いられる。
【0013】
上記α−オレフィンは、エチレン,プロピレン,ブテン,ペンテン,ヘキセン,ヘプテン,メチルブテン及びメチルペンテンの群から選ばれることが好ましい。
【0014】
一方、上記α,β−エチレン性不飽和カルボン酸は、アクリル酸,メタクリル酸,エタクリル酸,イタコン酸,マレイン酸及びフマル酸の群から選ばれることが好ましい。
【0015】
なお、この重合体としては、市販品として、三井・デュポンポリケミカル社製)の商品名「ニュクレル」(N2050H)などが採用される。
【0016】
(B)ジエン系ポリマー
上記(B)成分としては、特にポリブタジエンであることが好ましい。このポリブタジエンとしては、シス1,4結合を60%以上有すると共に、1,2ビニル結合を4%以下有し、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))35〜65、重量平均分子量(Mw)450,000〜850,000、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比が5以下の関係を満足するものを用いることが好適である。例えば、ニッケル触媒系ポリブタジエンやランタノイド系ポリブタジエンなどが挙げられ、好ましくは後者である。市販品としては、例えば、JSR社製の商品名「BR700」等がある。
【0017】
また、上記(B)成分の配合量については、特に制限はないが、(A)成分と(B)成分との合計質量に対して、好ましくは10質量%以上、より好ましくは50質量%以上であり、上限として、好ましくは99質量%以下、より好ましくは95質量%以下の範囲内である。上記(B)成分の配合量が少なすぎると、成型物の反発性能が低下することがあり、逆に、多すぎると、成型物の耐久性を高める効果が小さくなる場合がある。
【0018】
(C)金属カチオンを供給する物質
(C)成分の金属カチオンについて、特に制限はないが、具体的には、マグネシウム,アルミニウム,カルシウム,マンガン,タングステン,チタン,鉄,コバルト,ニッケル,ハフニウム及び、銅,亜鉛,バリウム,ジルコニウム及びスズから好適に選択することができる。
【0019】
また、(C)成分については金属カチオンが金属酸化物によって供給されることが好適である。この場合、使用される金属酸化物のうち少なくとも1種類の金属酸化物の平均粒径については600nm以下であることが好適であり、より好適には200nm以下である。金属酸化物の具体例としては、酸化亜鉛,酸化マグネシウム及び酸化カルシウムが挙げられる。
【0020】
(C)成分は、(A)成分と(B)成分との合計量100質量部に対して1〜50質量部が好ましく、特に好ましくは2〜30質量部である。配合量が少なすぎると、中和反応が十分でない場合があり、一方、配合量が多すぎると、成型物の質量が増加し過ぎてしまい好ましくない場合がある。
【0021】
(D)有機過酸化物
有機過酸化物は、遊離基開始剤としてゴム組成物に配合されるものであり、例えば、ジクミルパーオキサイド、1,1−(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等を使用することができる。この場合、これら有機過酸化物は市販品を用いることができ、例えば、パークミルD(日本油脂社製)、パーヘキサ3M(日本油脂社製)、パーヘキサC(日本油脂社製)、Luperco 231XL(アトケム社製)等が挙げられる。必要に応じて2種以上の異なる有機過酸化物を混合して用いてもよい。
【0022】
(D)成分の有機過酸化物においては、10時間による半減期温度が80℃以上であることが好ましい。
【0023】
上記(D)成分の添加量は、(A)成分と(B)成分との合計質量100質量部としたとき、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、さらに好ましくは0.3質量部以上である。一方、上限として、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。添加量が少なすぎると、成型物の必要な硬度が得られず、多すぎると、成型物が硬くなりすぎてしまうおそれがある。
【0024】
(E)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸モノマーの金属塩
上記(E)成分については、金属塩が、亜鉛,マグネシウム及びカルシウムの群から選ばれることが好ましい。
【0025】
また、上記(E)成分の不飽和カルボン酸モノマーが、アクリル酸,メタクリル酸,エタクリル酸,イタコン酸,マレイン酸及びフマル酸の群から選ばれることが好ましい。
【0026】
上記(E)成分の配合量は、(A)成分と(B)成分との合計質量100質量部としたとき、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上である。一方、上限として、好ましくは60質量部以下、より好ましくは50質量部以下である。配合量が少なすぎると、必要な硬度が得られず、反発性や耐久性が低下する場合がある。配合量が多すぎると、成型物が硬くなりすぎてしまうおそれがある。
【0027】
上記(E)成分の市販品としては、例えば、日本触媒社製のアクリル酸亜鉛を用いることができる。
【0028】
なお、上記組成物中には、更に、必要に応じて各種添加剤を配合することができ、例えば、硫黄、老化防止剤、硫酸バリウム、ペンタクロロチオフェノール亜鉛塩等の有機硫黄化合物、ステアリン酸亜鉛などの各種添加剤などを配合することができる。これら添加剤の配合量は、種々の目的に応じて適宜調整されるものであり、特に制限されるものではない。
【0029】
以上の(A)〜(D)又は必要により(E)成分を含有したゴム組成物においては、少なくとも、(B)成分の存在下、(A)成分中のカルボキシル基の全部または一部が(C)成分と中和反応した化学構造を有するものである。そして、このゴム組成物を成型して架橋成型物を得るものであるが、これらの成分の混合方法については、特に制限はないが、その一例としては次のような一連の混合方法が挙げられる。ゴム用の加圧ニーダーにて(A)成分と(B)成分とを十分に混合した後、ゴム温度を100℃以上、好ましくは120℃で(C)成分を添加し、ローター回転数20rpm〜40rpm、3分〜20分間で混合する。そして、この混合物を一度冷却した後に、更に(D)成分を添加し、ゴム温度100℃以下、好ましくは80℃以下で混合するものであり、その後、加熱加圧成形を行なうものである。
【0030】
本発明では、上記ゴム組成物をロール,ニーダー,バンバリーミキサーなどの適宜な混練機で混練し、金型を用いて加熱加圧成型することにより、高分子成型物を得ることができる。例えば、ワンピースゴルフボール又は多層構造ソリッドゴルフボールのソリッドコアやカバーの部材(中間層や最外層等を含む)などに好適に用いられる。
【0031】
この場合、その加硫成型条件は通常の条件を採用することができる。例えば、加硫温度100〜200℃、加硫時間10〜40分にて実施することができる。なお、ツーピースボール等の多層構造ソリッドゴルフボールとする場合は、上記ゴム組成物で形成したソリッドコアに直接又は中間層を介してカバーを被覆するが、中間層及びカバー材料としては、アイオノマー樹脂,ポリエステル,ポリウレタン,ナイロン等の通常のカバー材料を好適に使用し得る。また、糸巻きコアについては、従来から公知のものを用いることができ、通常用いられる方法によって糸巻きコアを得ることができる。また、既知のコア組成物で作成した内芯の外周面に、本発明の成型物を包囲してゴルフボールとすることもできる。
【0032】
また、上記の高分子成型物の表面硬度については、特に制限はないが、JIS−C硬度で35以上であることが好適である。
【0033】
本発明のゴルフボールは、上述した高分子成型物を構成部材として具備するものであり、ボールの態様は特に制限されるものではなく、上記高分子成型物が直接適用されるワンピースソリッドゴルフボール、高分子成型物をソリッドコアとし、かつその表面にカバーが形成されたツーピースソリッドゴルフボール、高分子成型物をソリッドコアとし、かつその外側に2層以上のカバーが形成された3ピース以上のマルチピースソリッドゴルフボール等の種々の態様を採ることができる。
【0034】
本発明のゴルフボールは、競技用としてゴルフ規則に従うものとすることができ、直径42.67mm以上、質量(重量)45.93g以下に形成することができる。
【実施例】
【0035】
以下、実施例と比較例とを示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0036】
[実施例1、比較例1]
下記表1に示す各成分を配合してゴム組成物を作成した。
【0037】
【表1】


【0038】
高分子組成物の混合方法・成型方法
最初に、上記のポリブタジエンゴムとエチレン−メタクリル酸共重合体とを東洋精機社製のプラストミルにより30rpm,10分間混合し、その時の到達温度を95〜100℃とした。
【0039】
第2段階として、上記混合物に対して酸化亜鉛を投入し、設定温度を85℃、プラストミルにより30rpm,5分間混合した。次いで、設定温度を150℃に上げてプラストミルにて30rpm,5分間混合し、その後、混合物を排出し冷却した。
【0040】
第3段階として、アクリル酸亜鉛と老化防止剤とを投入し、設定温度を100℃、プラストミルにより40rpm,5分間混合した。その後、混合物を排出し冷却した。
最後に、有機過酸化物を投入し、ロールで混合した。
【0041】
上記のステップにより得られた高分子組成物(正確には高分子混練物)を170℃、15分間の条件にて加硫(加圧成型)し、1mm圧のシート状の高分子成型物Aを作成した。この高分子成型物Aの硬度及び破断応力については下記表2の通りである。
【0042】
【表2】


【0043】
※JIS−C硬度は、JIS K-6301の「加硫ゴム物理試験方法(試験項目(3)の硬さ試験)」に基づく。
※引張破断応力(MPa)は、JIS K-6301の加硫ゴム物理試験方法(試験項目(1)引張試験)に基づく。
【0044】
また、上記のステップにより得られた高分子組成物(正確には高分子混練物)を170℃、30分間の条件にて加硫(加圧成型)し、ワンピース高分子成型物用のゴム球状成型物Bを作成した。この成型物B(ワンピースゴルフボール)のボール物性は下記表3の通りである。
【0045】
【表3】


【0046】
たわみ量
ボール成型物を硬板の上に置き、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)に負荷したときのたわみ量(mm)。
【0047】
反発係数(C.O.R)
空気砲弾によりボールをスチール板に向けて45m/sで発射させたとき、その跳ね返り速度を計測する。反発係数(C.O.R)は、ボール初速と跳ね返り速度との比率である。
【0048】
打撃耐久指数
米国AUTOMATED DESIGN CORPORATION製のADC BALL COR DURABILITY TESTERによりゴルフボールの耐久性(Durability)を評価した。この試験機は、ゴルフボールを空気圧で発射させた後、平行に設置した2枚の金属板に連続的に衝突させる機能を有する。ボールが割れるまでに要した発射回数の平均値を耐久性とした。金属板への入射速度は45m/sであった。この場合、比較例1の耐久性の数値を「100」として実施例の値を指数で表わす。
【0049】
上記表3の結果から、本実施例(本発明)は、比較例と同等の反発性と硬度を維持しながら、非常に高い耐久性を持つ高分子成型物であることが分かる。




 

 


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