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発明の名称 アイアンソール形状の設計方法とそのためのシステム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−167568(P2007−167568A)
公開日 平成19年7月5日(2007.7.5)
出願番号 特願2005−372959(P2005−372959)
出願日 平成17年12月26日(2005.12.26)
代理人 【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
発明者 坂 航
要約 課題
ソール形状の設計を容易にする。

解決手段
ソール形状以外のパラメータが固定された条件下で、ソール形状に関する異なるパラメータ値を設定するステップ(S1)と、設定されたパラメータ値を有するアイアンクラブを用意するステップ(S2)と、用意されたアイアンクラブを用いて被験者がボールを打ち、カメラによりクラブヘッドの軌跡を測定して、その位置と速度に関するデータを得るステップ(S4,S5)と、得られたデータに基づいてソール形状が好適であるかを判断するステップ(S6)とを備えてなるアイアンソール形状の設計方法を提供する。
特許請求の範囲
【請求項1】
ソール形状以外のパラメータが固定された条件下で、ソール形状に関する異なるパラメータ値を設定するステップと、
設定されたパラメータ値を有するアイアンクラブを用意するステップと、
用意されたアイアンクラブを用いて被験者がボールを打ち、カメラによりクラブヘッドの軌跡を測定するステップと、
測定ステップの結果に基づいてクラブヘッドの位置と速度に関するデータを得るステップと、
設定されたパラメータ値が好適であるかを得られたデータに基づいて判断するステップと
を備えてなるアイアンソール形状の設計方法。
【請求項2】
前記データを統計的に処理して、設定されたパラメータ値が好適であるかを演算手段がさらに判断するステップを備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
被験者が打ったボールの初速と方向を測定するステップと、
測定された初速または方向あるいはその両方のばらつきに基づいてソール形状に関するパラメータ値が好適なものであるか否かを判断するステップと
をさらに備える請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
被験者がアイアンクラブによりボールを打つのを撮影して、アイアンヘッドの軌跡をとらえる高速カメラと、
とらえられた軌跡を画像処理して、アイアンヘッドの位置と速度を画像処理によりデータ化するヘッド用演算手段と、
データ化された位置と速度を表示する表示手段と
を備えたアイアンソール設計システム。
【請求項5】
所定の判断基準に基づいて、少なくともデータ化された速度に基づいてアイアンクラブのソール形状に関するパラメータ値が好適なものであるかを判定して表示する第1判断手段を更に備える請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
打たれたボールの初速と方向を画像処理によりデータ化するボール用演算手段と、
ボールの初速または方向あるいはその両方のばらつきに基づいて前記ソール形状に関するパラメータ値が好適なものであるか否かを判断する第2判断手段と
を更に備える請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
請求項1ないし3のいずれかに記載の方法によって設計されたアイアンクラブ。
【請求項8】
請求項1ないし3のいずれかに記載の方法によって設計されたアイアンクラブセット。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフクラブのアイアンのソール形状の設計方法とそのためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフクラブヘッドの形状には、多くのパラメータがある。クラブヘッドは、一般に、フェース部と、トップライン部(アイアンの場合。ウッドではクラウン部である。)と、サイド部と、ソール部と、トゥ部を備えており、シャフトに結合している。それぞれの部分の大きさのほかにも、例えば、フェース側からクラブヘッドを見たときシャフト軸と地面のなす角度であるライ角、トゥ側からクラブヘッドを見たときにシャフト軸とフェース面のなす角度であるロフト角、クラブヘッドを上から見たときシャフト軸に対してフェース面のなす角度であるフェース角、フェース面の最大撓み位置とフェース面に投影されるヘッド本体の重心の位置との関係などがあり、それぞれによって、ゴルフクラブのパフォーマンスは変化する。また、クラブヘッドの素材、シャフトの設計もクラブのパフォーマンスに影響を与える。
【0003】
アイアンの場合をとると、そのソール部は地面に激しく接触する。ヘッドスピードを減少させることなく、またはヘッドのぶれを最小限にするためにソールの形状も重要な要素である。ソールの形状には、図6に示すように、バンスソール、スクープソール、ラウンドソール、フラットソ−ルがあり、それぞれ球を上げやすくする、振り抜けを良くする、インパクト時のヘッドの安定を高めるなど、各クラブに求められる機能に合わせて設計される。また、ソール部に溝または何らかのパターンを設けることもある。トゥ側から見て、シャフト軸を地面に垂直に置いたときに、ソールがクラブの正面に向かって開いているのがバンスソールであり、背面に向かって開いているのがスクープソールである。バンスソールまたはスクープソールの全体的な形状は、地面とソールのなす角度であるバンス角(a)あるいはスクープ角(b)により規定される。ラウンドソールは、ソール面が湾曲しており、バンス角あるいはスクープ角が定義できないものをいう。フラットソールは地面に対してソール面が平行になり、バンス角あるいはスクープ角がゼロであるものをいう。さらに、アイアンヘッド内の重量分布、ソール面の幅、ラウンドソールの場合は、ソール面の曲率半径も重要なパラメータとなる。
【0004】
このようにソールの形状も多種多様であり、その形状の設計において、ソール形状の効果をより定量的に検証することが求められている。さらに、ゴルフスイングの軌跡を見ると個人差が大きく、そのプレーヤのくせに合わせたソールの設計が望まれているが、現在は勘に頼っているに過ぎない。システマチックに最適なソールの形状あるいはパラメータ値を決定することができれば、個々のプレーヤに合わせて異なるソール形状を有するアイアンのセットを提供することができるようになる。
【0005】
なお、ゴルフクラブヘッドを試作して、それを評価する方法としては、特許文献1に記載の方法が知られている。
【特許文献1】特開2005−6763号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ソール形状を決定するためのシステマチックな方法とその方法を実施するためのシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ソール形状以外のパラメータが固定された条件下で、ソール形状に関する異なるパラメータ値を設定するステップと、設定されたパラメータ値を有するアイアンクラブを用意するステップと、用意されたアイアンクラブを用いて被験者がボールを打ち、カメラによりクラブヘッドの軌跡を測定するステップと、クラブヘッドの位置と速度に関するデータを得るステップと、得られたデータに基づいて設定されたパラメータ値が好適であるかを判断するステップとを備えてなるアイアンソール形状の設計方法を提供する。
【0008】
また、本発明方法には、前記データを統計的に処理して、設定されたパラメータ値が好適であるかを演算手段が判断するステップを更に設けることができる。また、個々のソール形状の「抜け」を評価するステップを更に設けることも好ましい。この「抜け」の評価には、被験者のコメントをショット毎に得て、クラブヘッドの少なくとも速度を考慮することが好ましい。
【0009】
さらに、本発明方法には、被験者が打ったボールの初速と方向を測定するステップと、測定された初速または方向あるいはその両方のばらつきに基づいてソール形状に関するパラメータ値が好適なものであるか否かを判断するステップとをさらに備えることが好ましい。
【0010】
なお本発明は、上記の本発明方法によって設計されたアイアンクラブおよびアイアンクラブセットをも包含する。アイアンクラブは、通常、6本から10本がセットになって販売される。アイアンクラブは、通常3番から9番までの異なる飛距離用のクラブと、ウェッジと呼ばれる、ピッチングウェッジ(PW)、アプローチウェッジ(AW)、サンドウェッジ(SW)の3本のクラブとを通常含む。
【0011】
そして、本発明は、被験者がボールをアイアンクラブにより打つのを撮影して、アイアンヘッドの軌跡をとらえるための高速カメラと、とらえられた軌跡を画像処理して、アイアンヘッドの位置と速度を画像処理によりデータ化するヘッド用演算手段と、データ化された位置と速度を表示する表示手段と、所定の判断基準に基づいて、少なくともデータ化された速度に基づいてアイアンクラブのソール形状に関するパラメータ値が好適なものであるかを判定して表示する第1判断手段とを備えたアイアンソール設計システムをも提供する。
【0012】
本発明システムは、好ましくは、打たれたボールの初速と方向を画像処理によりデータ化するボール用演算手段と、ボールの初速または方向あるいはその両方のばらつきに基づいてソール形状に関するパラメータ値が好適なものであるか否かを判断する第2判断手段とを更に備える。
【0013】
本発明によれば、好ましくは、アイアンヘッドのトゥ部に白地に黒または黒地に白のマークを付ける。このマークをカメラにより捕らえて、アイアンヘッドの軌跡を分析することができる。また、このマークは一つでもいいが、二つ以上設けることも可能である。例えば二値化処理などの画像処理により、このマークを識別して、アイアンヘッドの軌跡を記録することができる。この画像処理は一般的なパーソナルコンピュータを用いて実施することができる。
【0014】
また、カメラは、高速ビデオカメラでもいいし、それ以外の形式のカメラであっても、高速でクラブのスウィング中の各瞬間におけるアイアンヘッドの位置を把握できるものであれば、特に限定されない。高速ビデオの撮影は3000fps以上、例えば4000fpsの速度で行うことが好ましい。
【0015】
さらに、ソール形状に関する特定のパラメータ値が好適なものであるかを判定するためには、アイアンヘッドの「抜け」の善し悪しを考慮することができる。アイアンヘッドの「抜け」がいいとは、クラブでボールを打ったときの振り抜きの感触がいいことを意味し、一般的に、打ったボールの飛距離が一定になる傾向になることを意味するものと考えられている。「抜け」が悪いヘッドでは、アイアンショットを行ったときの地面へのあたりが強くなり、地面へのあたり方によってアイアンヘッドの速度が変動したり、アイアンヘッドがあたった地面の性状のばらつきよって、ボールへのインパクト速度や伝わる力の大きさが変動して、ボールのキャリーも一定しないこととなって、ミスショットが生じ易くなる。
【0016】
また、この「抜け」の良さを判断するための判断基準としては、被験者のコメントのほかに、アイアンヘッドの軌跡をとらえるのと同様にして、打ったボールの初速と方向を算出して、初速と方向が一定範囲に収まるか、そのばらつきが少ないと、「抜け」が良いと判定し、初速と方向のばらつきが一定の範囲に収まらないか、そのばらつきが大きいと、「抜け」が悪いと判定することもできる。
【発明の効果】
【0017】
上述のようにゴルフクラブのアイアンのソールの形状は、多種多様であるが、本発明によれば、その形状の設計において、ソール形状の効果をより定量的に検証することが可能になる。さらに、ゴルフクラブのスイングの軌跡を見ると個人差が大きいが、本発明によれば、個々のプレーヤのくせに合わせたソールの設計が。よりシステマチックにできるようになる。つまり、最適なソールの形状あるいはパラメータ値を決定することができるので、個々のプレーヤに合わせてソール形状をそれぞれ決めたアイアンからなるセットをより容易に提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の方法とシステムは、次に説明する実施例のようにして、実施することができる。
【0019】
本発明方法の一実施例を図1を参照して説明する。ソール形状としては、大きく分けると、バンスソール、スクープソール、ラウンドソール、フラットソ−ルがある。例えば、バンスソールを選ぶと、その形状を規定するパラメータの主要なものとしては、バンス角がある。このバンス角を、例えば、0度(フラットソール)、5度、10度に選んで試行を行うことにする(S1)。異なるソールタイプと関連するパラメータ値を有するアイアンヘッドを数多く用意しておいて、試行に用いることができる(S2)。あるいは、試し打ち用の特殊なヘッド付きクラブを用意しておいて、バンス角といったパラメータを変更できるようにしておくこともできる。
【0020】
次いで、プレーヤ(被験者)が、そのようなアイアンヘッドが付いたクラブにより、ボールを実際に打ってみる。このとき、高速ビデオカメラにより、クラブヘッドの軌跡を撮影する(S3)。クラブヘッドのトゥ部には、黒地に丸あるいは白地に丸と言ったマーカを付けておくと、高速ビデオカメラの出力に対して画像解析を行うのが容易になる。マーカの大きさは特に限定されるものではないが、例えば、1.5cm角の地に5mmの直径の丸または5mm角の方形を描くことができる。高速ビデオカメラとボールの位置は、70cmから100cm程度が一般的である。カメラは、プレーヤのスイングを、地面に近い低い位置から、横から捕らえることになる。この高速ビデオカメラの出力は、一般的なパーソナルコンピュータに入力されて、そのコンピュータ上で動く動画解析ソフトにより画像解析が行われる。画像解析の結果、クラブヘッドの各瞬間の位置と速度を求めることができる(S4)。
【0021】
本実施例においては、高速ビデオカメラとしては、(株)フォトロン製FASTCAM-MAX、撮影ソフトとしては、(株)フォトロン製FASTCAM VIEWERを用いた。動画解析ソフトとしては、(株)フォトロン製TEMA(Track Eye Motion Analysis)ソフトウェアを用いた。レンズは、ニコン製AF-S NIKKOR 17-35mm 1:2.8Dを、撮影時は17mmの焦点距離に設定して用いた。秒間こま数は、4000fpsとし、シャッター速度は、1/30000秒とした。解像度としては、1024×512ピクセルを用いた。レンズの先端からボールまでの距離は70cmとした。
【0022】
このとき、必要であれば、あるいは好ましければ、クラブヘッドの軌跡に対してのみ画像解析を行うのではなく、ボールの軌跡についても画像解析を行うことができる(S5)。そのとき、一つのやり方としては、ボールの初速と飛翔の方向をデータ化する。このようなボールの初速と方向は、ステップS4において求めた、クラブヘッドの軌跡や速度とともに、最適のソール形状を見つけだす際の基準とすることができる。一般的に、ボールの初速と方向のばらつきが少ない方が、いわゆる「抜け」の良いアイアンであるということができるであろう。
【0023】
このようなデータとプレーヤのコメントとを合わせて判断して、いわゆる「抜け」の良いアイアンソールの形状が決定できたと判断される場合(S6)には、試行を終了し、例えば、次の番号のアイアンについて、同様な試行を行うことができる。「抜け」が良いアイアンソールの形状が決定できないと考えられる場合には、ソールの形状あるいはそれをより特定するパラメータ値を変更して、試行を繰り返す。
【0024】
図2から図5に、具体的な試行の結果を三名のプレーヤ(被験者A、B,C)について示す。上述のように、本実施例においては、ソールのバンス角を0度、5度、10度に変えて、試行を行った。表1にその結果をまとめる。
【0025】
【表1】


表1において、「HS」は、ヘッドスピードの略で、ボールに当たる直前のアイアンヘッドのスピードを示す。「入射角」とは、インパクト時のアイアンヘッドの軌跡の地面に対する角度を言う。入射角が大きければ、上から地面に向かってアイアンヘッドを打ち込むようになり、これが小さければ、アイアンヘッドで地面を払うようになる。これらのHSと入射角は、各被験者に固有の傾向を示すことが多いが、被験者間の相違もかなりある点に留意するべきである。速度低下は、ボールを打つ前と打った後でのクラブヘッドの速度の低下を表すものである。このHSと、軌道と、速度低下は、アイアンヘッドの各瞬間における位置と速度に関するデータを表示することにより、あるいは、数値的な処理を行って判断することにより決定することができる。
【0026】
このような数値的に客観性のあるデータに加えて、被験者のコメントを採取して、いわゆる「抜け」がいいか悪いかを評価の基準にすることができる。表1における×は「抜け」が「悪い」、○は「良い」を、◎は「最も良い」をそれぞれ表す。被験者Bは、10度のバンス角を好み、被験者Cは、5度のバンス角を好む傾向があることが分かる。バンス角が5度の場合には、どの被験者もそれ相応の良い評価を与え、速度の低下も小さい傾向が明らかである。バンス角が0度の場合には、被験者のコメントは悪く、インパクト後の速度低下が大きい。バンス角が10度の場合には、HSが遅い被験者には不評であった一方、HSが早い被験者には好評であった。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、本発明方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【図2】図2は、本発明の実施例における各被験者(被験者A,B,C)のヘッドの軌跡を示すグラフである。
【図3】図3は、被験者Aが3種類のバンス角を有するアイアンによりボールを打った場合のヘッド速度の変化を示すグラフである。
【図4】図4は、同様にして、被験者Bが3種類のバンス角を有するアイアンによりボールを打った場合のヘッド速度の変化を示すグラフである。
【図5】図5は、被験者Cが3種類のバンス角を有するアイアンによりボールを打った場合のヘッド速度の変化を示すグラフである。
【図6】図6は、アイアンヘッドのソール形状のバリエーションを示すクラブヘッドをトゥ側から見た側面図である。




 

 


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