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発明の名称 ゴルフクラブヘッド
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−151826(P2007−151826A)
公開日 平成19年6月21日(2007.6.21)
出願番号 特願2005−351279(P2005−351279)
出願日 平成17年12月5日(2005.12.5)
代理人 【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
発明者 松永 英夫 / 坂 航 / 島崎 秀夫
要約 課題
粘弾性体の装着によりゴルフクラブヘッドの振動を低減するにあたり、より広範囲な周波数の振動を低減するゴルフクラブヘッドを提供する。

解決手段
ゴルフクラブヘッドAに、第1の粘弾性材料からなる第1粘弾性体30と、前記第1の粘弾性材料とは損失係数の温度依存性が異なる第2の粘弾性材料からなる第2粘弾性体40と、を装着する。
特許請求の範囲
【請求項1】
第1の粘弾性材料からなる第1粘弾性体と、前記第1の粘弾性材料とは損失係数の温度依存性が異なる第2の粘弾性材料からなる第2粘弾性体と、が装着されたゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記第1の粘弾性材料と前記第2の粘弾性材料とは損失係数のピーク値温度が異なることを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記第1の粘弾性材料の損失係数のピーク値と、前記第2の粘弾性材料の損失係数のピーク値と、がいずれも0.3以上であることを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記第1の粘弾性材料と前記第2の粘弾性材料とは、その損失係数のピーク値温度が、一方が摂氏−30度未満で、他方が摂氏−30度以上であることを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記第1及び第2粘弾性体が前記ゴルフクラブヘッド内部に配設されていることを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記ゴルフクラブヘッドが、
ヘッド本体と、
前記ヘッド本体の正面側に取り付けられ、フェース面を構成するフェースプレートと、
を備え、
前記第1粘弾性体が前記ゴルフクラブヘッド内部に配設されると共に、前記フェースプレートの背面に密着していることを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
前記第2粘弾性体が前記第1粘弾性体の背部側において前記ゴルフクラブヘッド内部に配設され、
前記第1の粘弾性材料の損失係数のピーク値温度が前記第2の粘弾性材料の損失係数のピーク値温度よりも低いことを特徴とする請求項6に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
前記ゴルフクラブヘッドは、アイアン型のゴルフクラブヘッドであることを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
更に、前記第1及び第2粘弾性体とは別の1又は複数の粘弾性体が装着され、
各々の前記粘弾性体を構成する各々の粘弾性材料は相互に損失係数の温度依存性が異なることを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はゴルフクラブヘッドに関し、特に、粘弾性体の装着によるゴルフクラブヘッドの制振技術に関する。
【背景技術】
【0002】
インパクト時の打感の向上や打音の調整のため、粘弾性体を取り付けたゴルフクラブヘッドが提案されている。粘弾性体を取り付けることでインパクト時の振動が粘弾性体により吸収され、打感が向上されると共にプレイヤーに耳障りとなる打音を低減することができる。特許文献1には比重と弾性が異なる複数種類の弾性錘を装着したゴルフクラブヘッドが開示されている。また、特許文献2には硬度が異なる複数種類の弾性体を装着したゴルフクラブヘッドが開示されている。
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3112038号公報
【特許文献2】特開2004−313777号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、本発明の発明者がゴルフクラブヘッド単体での共振周波数について検証したところ、概ね4000Hz〜10000Hzの範囲の複数の周波数において共振周波数が確認された。従って、ゴルフクラブヘッドの振動をより効果的に低減するためには、広範な周波数の範囲について振動を低減できる粘弾性体をゴルフクラブヘッドに装着することが望ましい。しかし、一般に粘弾性材料が振動低減に効果的な周波数の範囲にはその材料に応じて限界がある。また、本発明の発明者がゴルフクラブ全体での共振周波数について検証したところ、概ね2000Hz以下の範囲の複数の周波数において共振周波数が確認された。従って、ゴルフクラブ全体としてその振動を低減しようとする場合には更に広範な周波数の範囲について振動を低減する必要がある。
【0005】
従って、本発明の目的は、粘弾性体の装着によりゴルフクラブヘッドの振動を低減するにあたり、より広範囲な周波数の振動を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、第1の粘弾性材料からなる第1粘弾性体と、前記第1の粘弾性材料とは損失係数の温度依存性が異なる第2の粘弾性材料からなる第2粘弾性体と、が装着されたゴルフクラブヘッドが提供される。
【0007】
粘弾性材料の損失係数(tanδ)の温度依存性は、各温度に対するその粘弾性材料の振動減衰効果の程度を示すものであるが、各周波数に対するその粘弾性材料の振動減衰効果の程度に関係する。つまり、相対的に、低温度において損失係数が高い粘弾性材料は高周波数帯に対する振動減衰効果が高い一方、高温度において損失係数が高い粘弾性材料は低周波数帯に対する振動減衰効果が高い。
【0008】
従って、損失係数の温度依存性が異なる複数種類の粘弾性材料を併用することで、より広範囲な周波数の振動を低減することができる。
【発明の効果】
【0009】
以上述べた通り、本発明によれば、粘弾性体の装着によりゴルフクラブヘッドの振動を低減するにあたり、より広範囲な周波数の振動を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は本発明の一実施形態に係るゴルフクラブヘッドAの分解斜視図、図2(A)はゴルフクラブヘッドAが分解状態での図1の線X−Xに沿う断面図、図2(b)はゴルフクラブヘッドAを組み立てた状態での図1の線X−Xに沿う断面図、図3は図2(A)の線Y−Yに沿う断面図である。
【0011】
ゴルフクラブヘッドAはアイアン型のゴルフクラブヘッドであり、ヘッド本体10と、ヘッド本体10の正面側に取り付けられ、フェース面20aを構成するフェースプレート20とを備える。本実施形態ではアイアン型のゴルフクラブヘッドを例示するが、他の形式のゴルフクラブヘッドに対しても本発明は適用可能である。
【0012】
ヘッド本体10はシャフトに連結されるホゼル部10aと、ソール部10bと、バック部10cと、が一体に形成されており、例えば、ステンレス鋼や軟鉄から構成される。ヘッド本体10の上部はその正面側から背面側に貫通する開口部10dが形成され、ヘッド本体10の軽量化及び低重心化が図られている。また、ヘッド本体10の正面にはフェースプレート20の装着空間を画定するリブ10eが形成されていると共にフェースプレート20の背面が当接する当接部10fが形成されている。
【0013】
フェースプレート20は、その正面にフェース面20aが、その周縁に段部20bが形成されており、その背面は平坦な面をなしている。フェースプレート20は例えばステンレス鋼、マルエージング鋼、真鍮、銅合金(例えば、ベリリウム銅、青銅)、チタン、チタン合金、ジュラルミン、アモルファス金属、FRM等から構成される。
【0014】
ヘッド本体10にはフェースプレート20側に開口し、バック部10c側で閉じた空洞部11が形成されている。空洞部11はヘッド本体10に一体的に形成された周壁12乃至14により画定されている。周壁12乃至14のフェースプレート20側の端面のうち、空洞部11の上部の周壁12の端面は当接部10fと面一でフェースプレート20の背面に当接する当接部12aと、当接部12aの内側においてフェースプレート20の背面から離間する離間部12bと、を有する。また、空洞部11の底部の周壁14の端面は当接部10fと面一でフェースプレート20の背面に当接する当接部14aのみから構成されている。更に、空洞部11の両側部の周壁13の端面はフェースプレート20の背面から離間し、離間部12bと面一の離間部13aを有する。離間部13aは離間部12bと異なり、周壁13の厚み方向全域に渡って形成されている。
【0015】
空洞部11の両側には第2の空洞部15がそれぞれ形成されている。空洞部15はヘッド本体10を軽量化するために設けられている。本実施形態では空洞部15を空洞部11の両側に設けているが片側にだけ設けることもできる。また、本実施形態では空洞部15は空洞のままとするが、ここにゴルフクラブヘッドAの重心位置を調整するための錘等を装填することも可能である。
【0016】
空洞部11とフェースプレート20とにより形成される空間内には第1粘弾性体30と第2粘弾性体40とが圧縮状態で装填されている。第1粘弾性体30はその正面30aがフェースプレート20の背面に密着している。第2粘弾性体40は第1粘弾性体30の背部側に配置され、その正面40aが第1粘弾性体30の背面30bに密着している。
【0017】
第1粘弾性体30と第2粘弾性体40とは損失係数(tanδ)の温度依存性が異なる粘弾性材料から構成される。粘弾性材料の損失係数の温度依存性は、各温度に対するその粘弾性材料の振動減衰効果の程度を示すものであるが、各周波数に対するその粘弾性材料の振動減衰効果の程度に関係する。つまり、相対的に、低温度において損失係数が高い粘弾性材料は高周波数帯に対する振動減衰効果が高い一方、高温度において損失係数が高い粘弾性材料は低周波数帯に対する振動減衰効果が高い。本実施形態では、互いに損失係数の温度依存性が異なる粘弾性材料からなる第1粘弾性体30と第2粘弾性体40とを併用することで、より広範囲な周波数の振動を低減することができる。
【0018】
第1粘弾性体30及び第2粘弾性体40を構成する粘弾性材料としては、例えば、IIR(臭化ブチル組成物)、NBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)、天然ゴム、シリコンゴム、スチレン系ゴム等が挙げられる。第1粘弾性体30及び第2粘弾性体40は、上記粘弾性材料に例えば金属粉末等を混入して形成し、その比重を調整することもできる。
【0019】
ここで、第1粘弾性体30及び第2粘弾性体40は、互いに損失係数のピーク値温度が異なる粘弾性材料から構成されることが望ましい。一般に粘弾性材料の損失係数はピーク値温度を境にして各温度に対する損失係数が徐々に下がる。従って、損失係数のピーク値温度が異なる粘弾性材料を併用することにより、より広範囲な周波数の振動を低減できる。
【0020】
また、第1粘弾性体30及び第2粘弾性体40は、損失係数のピーク値がいずれも0.3以上の粘弾性材料から構成されることが望ましい。損失係数が0.3以上であると、より高い振動減衰効果が得られる。
【0021】
また、第1粘弾性体30を構成する粘弾性材料と第2粘弾性体40を構成する粘弾性材料とは、その損失係数のピーク値温度が、一方が摂氏−30度未満で、他方が摂氏−30度以上であることが望ましい。損失係数のピーク値温度が摂氏−30度未満の粘弾性材料は相対的に高周波数帯に対する振動減衰効果が高く、摂氏−30度以上の粘弾性材料は相対的に低周波数体に対する振動減衰効果が高い。従って、より広範囲な周波数の振動を低減できる。
【0022】
また、第1粘弾性体30を構成する粘弾性材料のピーク値温度は第2粘弾性体40の粘弾性材料の損失係数のピーク値温度よりも低いことことが望ましい。インパクト時のゴルフクラブヘッドAの振動は、フェースプレート20において最も振動の周波数が高くなり、フェースプレート20から離れるに従って振動の周波数が低くなると考えられる。そこで、フェースプレート20に密着している第1粘弾性体30を構成する粘弾性材料として、損失係数のピーク値温度が相対的に低い粘弾性材料を用いることで、フェースプレート20において生じる高周波数の振動をより効果的に低減する一方、フェースプレート20から離れている第2粘弾性体30を構成する粘弾性材料として、損失係数のピーク値温度が相対的に高い粘弾性材料を用いることで、フェースプレート20から離れた部位において生じる低周波数の振動をより効果的に低減することができる。
【0023】
係る構成からなるゴルフクラブヘッドAでは、その組立に際し、まず、ヘッド本体10の空洞部11に第1粘弾性体30と第2粘弾性体40とが挿入される。次に、図2(B)に示すように、フェースプレート20の背面がヘッド本体10の当接部10fにぴったりと当接するようにフェースプレート20がリブ10eに画定されるヘッド本体10の装着空間内に挿入される。その後、リブ10eがフェースプレート20の段部20bへカシメられ、フェースプレート20がヘッド本体10に固定される。第1粘弾性体30と第2粘弾性体40とは空洞部11内部にてこれらが圧縮されるようにその大きさが設計される。
【0024】
しかして、本実施形態のゴルフクラブヘッドAでは互いに損失係数の温度依存性が異なる粘弾性材料からなる第1粘弾性体30と第2粘弾性体40とを併用することで、より広範囲な周波数の振動を低減することができる。第1粘弾性体30と第2粘弾性体40とはゴルフクラブヘッドAの内部に配設されているので外部に露出せず、本体部10及びフェースプレート20により保護されるので、その損傷の発生を防止できる。また、第1粘弾性体30と第2粘弾性体40とは圧縮状態で空洞部11及びフェースプレート20により画定される空間内に装填されているので、第1粘弾性体30及び第2粘弾性体40がゴルフクラブヘッドAに密着し、振動低減効果を高めることができる。
【0025】
また、空洞部11を画定する周壁12及び13の端面に離間部12b及び13aを設けることで、周壁12及び13の端面に空洞部11と連通した空隙が形成される。このため、圧縮状態の粘弾性体30の一部が当該空隙内へはみ出すことが許容される。
【0026】
図2(B)は第1粘弾性体30の一部が離間部12bとフェースプレート20との間の空隙にはみ出している状態を示している。従って、第1粘弾性体30及び第2粘弾性体40の圧縮代を大きくしても、ヘッド本体10にフェースプレート20を取り付ける際に、ヘッド本体10とフェースプレート20とが第1粘弾性体30を噛んでしまう場合を防止することができる。特に、本実施形態の場合、離間部13aにより形成される空隙は空洞部11のみならず、空洞部15とも連通しているので、第1粘弾性体30がはみ出すことが許容される量が多くなり、一層ヘッド本体10とフェースプレート20とが第1粘弾性体30を噛んでしまう場合を防止することができる。また、第1粘弾性体30の一部が離間部12b及び13aとフェースプレート20との間の空隙にはみ出すことにより、第1粘弾性体30とフェースプレート20との密着面積もより大きくなる。
【0027】
また、本実施形態では第1粘弾性体30の正面30aと背面30bとが平行に形成されて板状をなしており、周縁を除いてその厚みが均一に形成されている。第2粘弾性体40はその正面40aが第1粘弾性体30の背面に当接する平坦面を構成している。第1粘弾性体30と第2粘弾性体40とは、正面30a、30b並びに正面40aがフェースプレート20の背面と平行になるように、それらの形状並びに空洞部11の形状が設計される。この構成により、第1粘弾性体30の正面30aが略均一な圧力でフェースプレート20の背面に密着し、密着性を向上できる。
【0028】
また、本実施形態では、空洞部11はヘッド本体10の下部側に形成されており、空洞部11に装填される粘弾性体30はヘッド本体10の下部側に位置している。この構成により、ゴルフクラブヘッドAの重心位置を下げることができ、低重心化を図ることができる。また、アイアン型のゴルフクラブではゴルフボールの打点位置がフェース面20aの下部寄りとなるので、ゴルフボールの打点位置の略背後に第1粘弾性体30及び第2粘弾性体40が位置することになり、第1粘弾性体30及び第2粘弾性体40による制振効果を向上できる。
【0029】
また、本実施形態では第1粘弾性体30はフェースプレート20に沿う方向の幅(図1のd)が、その上部から下方へ向かうに従い幅広となっており、空洞部11もこれに対応した形状となっている。このため、第1粘弾性体30の重心位置は下部寄りになっており、これによりゴルフクラブヘッドAの重心位置を下げることができ、更に低重心化を図ることができる。
【0030】
なお、本実施形態では粘弾性体をフェースプレート20の背後の位置に配設しているが、粘弾性体の配設位置はこれに限られず、種々の部位に装着することができる。また、第1粘弾性体30と第2弾性体40とは接している必要はなく、分離して配設されていてもよい。
【0031】
次に、本実施形態ではゴルフクラブヘッドに装着する粘弾性体を2つとしたが、これに限られず、3以上の粘弾性体をゴルフクラブヘッドに装着してもよい。この場合、各粘弾性体を構成する各々の粘弾性材料は相互に損失係数の温度依存性が異なるものであることが望ましい。図4(A)乃至(D)はその例を示す図である。ゴルフクラブヘッドの振動はゴルフボールの打点位置によりその共振周波数が異なるものとなる。図4(A)乃至(D)の例はゴルフボールの打点位置に応じて粘弾性体を配設することで、各種の共振周波数の振動の低減に効果を発揮し、広範囲な周波数の振動に対応する。
【0032】
図4(A)の例は第1粘弾性体30に代わる粘弾性体300を左右に分割した構成とし、損失係数の温度依存性が異なる粘弾性材料からなる粘弾性体300aと粘弾性体300bとから構成したものである。従って、本例では3つの粘弾性体がゴルフクラブヘッドに装着され、かつ、それぞれ損失係数の温度依存性が異なる例である。この構成は、ゴルフボールの打点位置がヒール寄りの場合とトウ寄りの場合とで、ゴルフクラブヘッドが異なる周波数の振動を発生する場合に対応するものである。
【0033】
図4(B)の例は第1粘弾性体30に代わる粘弾性体301を上下に分割した構成とし、損失係数の温度依存性が異なる粘弾性材料からなる粘弾性体301aと粘弾性体301bとから構成したものである。従って、本例も3つの粘弾性体がゴルフクラブヘッドに装着され、かつ、それぞれ損失係数の温度依存性が異なる例である。この構成は、ゴルフボールの打点位置が上側の場合と下側の場合とで、ゴルフクラブヘッド異なる周波数の振動を発生する場合に対応するものである。
【0034】
図4(C)の例は第1粘弾性体30に代わる粘弾性体302を左右に3分割した構成とし、粘弾性体302aと粘弾性体302bと粘弾性体302cとから構成したものである。従って、本例は4つの粘弾性体がゴルフクラブヘッドに装着され、かつ、それぞれ損失係数の温度依存性が異なる例である。この構成は、ゴルフボールの打点位置が、いわゆるスイートスポット近傍の場合とヒール寄りの場合とトウ寄りの場合とで、ゴルフクラブヘッドが異なる周波数の振動を発生する場合に対応するものである。
【0035】
図4(D)の例は第1粘弾性体30に代わる粘弾性体303をその厚み方向に分割した構成とし、粘弾性体303bが粘弾性体303aの周縁及び背部を覆うように構成したものである。従って、本例も3つの粘弾性体がゴルフクラブヘッドに装着され、かつ、それぞれ損失係数の温度依存性が異なる例である。この構成は、ゴルフボールの打点位置が、いわゆるスイートスポット近傍の場合と、その他の場合とで、ゴルフクラブヘッドが異なる周波数の振動を発生する場合に対応するものである。
【0036】
図4(E)の例は2つの粘弾性体をゴルフクラブヘッドに装着した例であるが、図4(D)の例について粘弾性体303bと第2粘弾性体40とを一体化した粘弾性体40'としたものである。
【実施例】
【0037】
図1に示したゴルフクラブヘッドAについて比較試験を行なった。本発明の実施例と比較例とにおいて使用した第1粘弾性体30及び第2粘弾性体40の粘弾性材料は以下の通りである。
・実施例:
臭化ブチル組成物(第1粘弾性体30及び第2粘弾性体40とで損失係数の温度依存性が異なる。)
・比較例1:
スチレン系熱可塑性エラストマ(第1粘弾性体30及び第2粘弾性体40とで損失係数の温度依存性は同じ。)
・比較例2:
アクリロニトリルブタジエンゴム(第1粘弾性体30及び第2粘弾性体40とで損失係数の温度依存性は同じ。)
・比較例3:
第1粘弾性体30及び第2粘弾性体40を装填しない。
【0038】
図4(A)は実験に用いた各粘弾性材料の損失係数の温度依存性を示す図であり、1Hzの振動に対する温度依存性を示す図である。同図において、線aは実施例の第1粘弾性体30に用いた粘弾性材料(臭化ブチル組成物)の損失係数の温度依存性、線bは実施例の第2粘弾性体40に用いた粘弾性材料(臭化ブチル組成物)の損失係数の温度依存性、線cは比較例1の第1粘弾性体30及び第2粘弾性体40に用いた粘弾性材料(スチレン系熱可塑性エラストマ)の損失係数の温度依存性、線dは比較例2の第1粘弾性体30及び第2粘弾性体40に用いた粘弾性材料(アクリロニトリルブタジエンゴム)の損失係数の温度依存性を示す。
【0039】
なお、実施例の第1粘弾性体30、第2粘弾性体40に用いた各粘弾性材料は、その損失係数のピーク値温度が異なっている。また、その損失係数のピーク値はいずれも0.3以上である。また、第1粘弾性体30の粘弾性材料の損失係数のピーク値温度は摂氏−30度未満である。第2粘弾性体40の粘弾性材料の損失係数のピーク値温度は摂氏−30度以上である。
【0040】
図4(B)は実施例及び比較例1乃至3の各ゴルフクラブヘッドに対する振動計測実験の結果を示す図であり、モーダル解析により減衰比を算出したものである。図中のプロットは各ゴルフクラブヘッドの共振周波数における減衰比を示しており、四角のプロットは実施例、黒丸のプロットは比較例1、白丸のプロットは比較例2、三角のプロットは比較例3を示す。実施例では広範囲の周波数において高い減衰比が得られていることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態に係るゴルフクラブヘッドAの分解斜視図である。
【図2】(A)はゴルフクラブヘッドAが分解状態での図1の線X−Xに沿う断面図、(B)はゴルフクラブヘッドAを組み立てた状態での図1の線X−Xに沿う断面図である。
【図3】図2(A)の線Y−Yに沿う断面図である。
【図4】(A)乃至(E)はゴルフクラブヘッドAに装填される粘弾性体の例を示す図である。
【図5】(A)は比較実験に用いた各粘弾性材料の損失係数の温度依存性を示す図、(B)は実施例及び比較例1乃至3の各ゴルフクラブヘッドに対する振動計測実験の結果を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
A ゴルフクラブヘッド
10 本体部
11 空洞部
12〜14 周壁
10f、12a、14a 当接部
12b、13a 離間部
15 空洞部
20 フェースプレート
30 第1粘弾性体
40 第2粘弾性体




 

 


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