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発明の名称 フォトクロミズムを有するゴルフボール
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−136171(P2007−136171A)
公開日 平成19年6月7日(2007.6.7)
出願番号 特願2006−302336(P2006−302336)
出願日 平成18年11月8日(2006.11.8)
代理人 【識別番号】100079304
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 隆司
発明者 永沢 裕之
要約 課題

解決手段
本発明は、コアと該コア上に成形された1層以上のカバー層を有し、カバー層の最外層に複数個からなるディンプルを有するゴルフボールにおいて、該ゴルフボールの構成要素の少なくとも一つに、一つの希土類元素からなる希土類酸化物を1種または2種以上、あるいは複数個の希土類元素を任意の割合で混合した希土類複合酸化物を基材100質量部に対し、0.5〜30質量部含有することを特徴とするゴルフボールを提供する。
特許請求の範囲
【請求項1】
コアと該コア上に成形された1層以上のカバー層を有し、カバー層の最外層に複数個からなるディンプルを有するゴルフボールにおいて、該ゴルフボールの構成要素の少なくとも一つに、一つの希土類元素からなる希土類酸化物を1種または2種以上、あるいは複数個の希土類元素を任意の割合で混合した希土類複合酸化物を基材樹脂100質量部に対し、0.5〜30質量部含有することを特徴とするゴルフボール。
【請求項2】
希土類酸化物又は希土類複合酸化物の平均粒径が10〜100nmである請求項1記載のゴルフボール。
【請求項3】
前記希土類元素酸化物又は希土類元素複合酸化物が熱可塑性または熱硬化性樹脂からなるカバー層の最外層中に配合されている請求項1又は2記載のゴルフボール。
【請求項4】
上記熱可塑性樹脂のメルトフローインデックスが0.5g/10min以上、かつショアD硬度が40以上であり、かつJIS−K 7311に準拠した反発弾性率が30%以上である請求項3記載のゴルフボール。
【請求項5】
上記熱可塑性樹脂がアイオノマー又は熱可塑性ポリウレタンである請求項3記載のゴルフボール。
【請求項6】
上記熱硬化性樹脂が熱硬化型ポリウレタン樹脂又は熱硬化型ポリ尿素樹脂であり、樹脂材料のショアD硬度が40以上、かつJIS−K 7311に準拠した反発弾性率が30%以上である請求項3記載のゴルフボール。
【請求項7】
上記希土類酸化物又は希土類複合酸化物が可視光領域において有する吸収ピークの少なくとも一つとほぼ同波長にピークを有するスペクトル分布を示す光源下と、それ以外の光源下との間において色変化を示した請求項1〜6のいずれか1項記載のゴルフボール。
【請求項8】
上記希土類酸化物又は希土類複合酸化物が塗料に配合された請求項1〜7のいずれか1項記載のゴルフボール。
【請求項9】
透明又は半透明樹脂の基材に上記希土類酸化物又は希土類複合酸化物を配合した構成要素と、これに隣接し、着色剤を添加した他の構成要素とを具備する請求項1〜8のいずれか1項記載のゴルフボール。
【請求項10】
ボール表面に文字,図柄等のマークを印刷されたゴルフボールにおいて、上記マーク用のインクとして、一つの希土類元素からなる希土類酸化物を1種または2種以上、あるいは複数個の希土類元素を任意の割合で混合した希土類複合酸化物をインク基材100質量部に対し、1〜50質量部含有したインクを使用することを特徴とするゴルフボール。
【請求項11】
コアを形成するゴム組成物又は塗膜を形成する塗料中に希土類酸化物又は希土類複合酸化物を配合してなることを特徴とするワンピースゴルフボール。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトクロミズムを有する無機顔料を用いたゴルフボールに関し、特には、可視光領域において該無機顔料の吸収ピークと同波長域にピークを有するスペクトル分布を示す光源下と、それ以外の光源下との間において、可逆的に色変化を示し、視認性,ファッション性に優れたゴルフボールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来からゴルフボールは白色が主流ではあるが、最近では、ゴルフ競技者の幅が広がり、初心者向けや女性向けのファッション性に優れたゴルフボールが創出されている。
【0003】
例えば、米国特許公開公報US2004/0266553号には、UV照射下において色変化を示したゴルフボールが提案されている。しかしながら、このゴルフボールに用いられる顔料は有機性化合物であり、それによって色変化の可逆性や寿命に問題がある。
【0004】
また、米国特許公開公報US2004/0266554号は、フォトルミネッセント顔料を使用するものであるが、カプセル化することによりコストが上昇してしまう。また、蓄光顔料であるために可視光照射による色調変化の即時応答性に劣ってしまい、更に、温度の発光輝度や発光時間の色調に及ぼす影響も無視できないという問題がある。
【0005】
更に、特許第3363818号明細書には可逆的変色性組成物に関する技術が提案されているが、この技術をゴルフボールに応用する場合、飛び・フィーリング・耐久性等の諸物性を維持しつつファッション性を与えるための具体的な手段が記載されていない。
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0266553号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/0266554号明細書
【特許文献3】特許第3363818号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ある特定波長域にピークを有するスペクトル分布を持つ可視光光源下と、それ以外の光源下との間で可逆的変色性を示したものであり、一般的なゴルフボールと異なり、ディスプレイや屋内での光と、屋外とで視認性が異なり、ファッション性にも優れたゴルフボールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、コアと該コア上に成形された1層以上のカバー層を有し、最外カバー層に複数個からなるディンプルを有するゴルフボールにおいて、該ゴルフボール構成要素の少なくとも一つに、一つの希土類元素からなる希土類酸化物を1種または2種以上、あるいは複数個の希土類元素を任意の割合で混合した希土類複合酸化物を基材100質量部に対して0.5〜30質量部含有することにより、ディスプレイや屋内での光と屋外との間におけるゴルフボールの視認性が異なり、ファッション性に優れたものとなり、ボールの飛び性能を損ねることのないことを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0009】
即ち、多種多様なカラーに表色されたカラーボールのほかに、初心者や女性向けも含めた幅広いプレイヤーの嗜好に合せてファッション性に優れたゴルフボールのニーズに応えるべく鋭意検討を重ねたところ、三波長蛍光灯により色が変化する特殊顔料を用いること、即ち、太陽光と三波長蛍光灯との間で色が変化する無機系の超微粒子顔料を用いてゴルフボールの構成要素に適量で含有させることにより、上記要望に応えることが可能となった。
【0010】
ここで、三波長蛍光灯により色が変化する特殊顔料(例えば、酸化ホルミウム)を用いることの意義について以下に説明する。
【0011】
演色性が発生するメカニズムは、各光源の波長特性と酸化ホルミウムの反射率特性によるものである。太陽光や電灯は光の波長に従い連続的に発光しており、三波長蛍光灯ではある波長のみの光が強く発光し、特に540nmに緑色の発光ピークを持つ。一方、酸化ホルミウムの反射率には540nmに大きな吸収ピークがあり、このため、三波長蛍光灯の緑色が吸収されてしまい、太陽光では黄色に見えた酸化ホルミウムが赤っぽくなって、ピンク色に変色して見えるようになる。
【0012】
従って、本発明は、下記のゴルフボールを提供する。
〔1〕コアと該コア上に成形された1層以上のカバー層を有し、カバー層の最外層に複数個からなるディンプルを有するゴルフボールにおいて、該ゴルフボールの構成要素の少なくとも一つに、一つの希土類元素からなる希土類酸化物を1種または2種以上、あるいは複数個の希土類元素を任意の割合で混合した希土類複合酸化物を基材樹脂100質量部に対し、0.5〜30質量部含有することを特徴とするゴルフボール。
〔2〕希土類酸化物又は希土類複合酸化物の平均粒径が10〜100nmである〔1〕記載のゴルフボール。
〔3〕前記希土類元素酸化物又は希土類元素複合酸化物が熱可塑性または熱硬化性樹脂からなるカバー層の最外層中に配合されている〔1〕又は〔2〕記載のゴルフボール。
〔4〕上記熱可塑性樹脂のメルトフローインデックスが0.5g/10min以上、かつショアD硬度が40以上であり、かつJIS−K 7311に準拠した反発弾性率が30%以上である〔3〕記載のゴルフボール。
〔5〕上記熱可塑性樹脂がアイオノマー又は熱可塑性ポリウレタンである〔3〕記載のゴルフボール。
〔6〕上記熱硬化性樹脂が熱硬化型ポリウレタン樹脂又は熱硬化型ポリ尿素樹脂であり、樹脂材料のショアD硬度が40以上、かつJIS−K 7311に準拠した反発弾性率が30%以上である〔3〕記載のゴルフボール。
〔7〕上記希土類酸化物又は希土類複合酸化物が可視光領域において有する吸収ピークの少なくとも一つとほぼ同波長にピークを有するスペクトル分布を示す光源下と、それ以外の光源下との間において色変化を示した〔1〕〜〔6〕のいずれか1項記載のゴルフボール。
〔8〕上記希土類酸化物又は希土類複合酸化物が塗料に配合された〔1〕〜〔7〕のいずれか1項記載のゴルフボール。
〔9〕透明又は半透明樹脂の基材に上記希土類酸化物又は希土類複合酸化物を配合した構成要素と、これに隣接し、着色剤を添加した他の構成要素とを具備する〔1〕〜〔8〕のいずれか1項記載のゴルフボール。
〔10〕ボール表面に文字,図柄等のマークが印刷されたゴルフボールにおいて、上記マーク用のインクとして、一つの希土類元素からなる希土類酸化物を1種または2種以上、あるいは複数個の希土類元素を任意の割合で混合した希土類複合酸化物をインク基材100質量部に対し、1〜50質量部含有したインクを使用することを特徴とするゴルフボール。
〔11〕コアを形成するゴム組成物又は塗膜を形成する塗料中に希土類酸化物又は希土類複合酸化物を配合してなることを特徴とするワンピースゴルフボール。
【発明の効果】
【0013】
本発明のゴルフボールは、フォトクロミズムを有する無機顔料を用いたゴルフボールであり、可視光領域において上記無機顔料の吸収ピークと同波長域にピークを有するスペクトル分布を示す光源下と、それ以外の光源下との間において、可逆的に色変化を示すと共に、視認性,ファッション性に優れたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明について更に詳しく説明すると、本発明のゴルフボールは、第1発明として、ソリッドコアに1層以上のカバー層を被覆した2層構造以上のゴルフボール(マルチピースゴルフボール)である。
【0015】
ここで、上記ソリッドコアは、公知のゴム組成物を使用して形成することができ、基材ゴムとしては、ポリブタジエンを挙げることができ、特に、シス構造を少なくとも40%以上有するシス−1,4−ポリブタジエンを主材として使用することが推奨される。なお、この基材ゴム中には、更に天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンブタジエンゴムなどを併用配合することもできる。
【0016】
上記ゴム組成物中には、共架橋剤としてメタクリル酸、アクリル酸等の不飽和脂肪酸の金属塩、例えば、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などやトリメチロールプロパントリメタクリレート等のエステル化合物を配合し得るが、特に反発性の高さからアクリル酸亜鉛を好適に使用し得る。これら共架橋剤の配合量は、上記基材ゴム100質量部に対し、通常10質量部以上、特に15質量部以上、上限として50質量部以下、特に40質量部以下配合することができる。
【0017】
上記ゴム組成物中には、有機過酸化物を配合することができ、例えば、1,1−ビス−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジクミルパーオキサイド、ジ(t−ブチルパーオキシ)−メタ−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン等が挙げられる。このような市販品としては、パークミルD(日本油脂製)、トリゴノックス29−40(化薬アクゾ(株)製)等を挙げることができる。これら、有機過酸化物の配合量は、上記基材ゴム100質量部に対し、通常0.1質量部以上、特に0.5質量部以上、上限として5質量部以下、特に2質量部以下配合することができる。
【0018】
上記組成物中には、更に、必要に応じて各種添加剤を配合することができ、例えば、硫黄、老化防止剤、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ペンタクロロチオフェノール亜鉛塩、ステアリン酸亜鉛等を配合することができる。これら添加剤の配合量は、特に制限されるものではない。
【0019】
上記コアの直径は、特に32.0mm以上とすることが好ましく、更に好ましくは33.0mm以上であり、上限としては、特に40.5mm以下とすることが好ましく、更に好ましくは39.5mm以下である。
【0020】
また、上記ソリッドコアは、たわみ硬度[初期荷重98N(10kgf)から1275N(130kgf)荷重負荷時のたわみ(変形)量]が、2.5〜5.0mmであり、好ましくは3.0〜4.5mm、更に好ましくは3.5〜4.0mmである。たわみ硬度が小さすぎると、ドライバー打撃時の打感が硬くなり、耐擦過傷性が悪くなることがある。たわみ硬度が大きすぎると、ドライバー打撃時のフィーリングが軟らかくなり過ぎるとともに、飛距離が大きく低下することがある。
【0021】
上記ソリッドコアは、公知の方法で製造することができ、コア用ゴム組成物からソリッドコアを得るには、通常の混練機(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー及びロール等)を用いて混練し、得られたコンパウンドをコア用金型で成形するコンプレッション成形等を好適に採用することができる。
【0022】
次に、本発明においては、ソリッドコアに被覆するカバー層が1層又は2層以上に構成されるものである。上記カバー層の基材としては熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーが好ましく用いられる。熱可塑性樹脂の一例としては、アイオノマー樹脂などが挙げられ、市販品として、ハイミラン(三井・デュポンポリケミカル社製)、サーリン(米国デュポン社製)、アイオテック(エクソン社製)などを使用することができる。また、熱可塑性エラストマーとしては、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマーなどを挙げることができ、市販品としては、ハイトレル(東レ・デュポン社製)、ペルプレン(東洋紡社製)、ペバックス(東レ社製)、パンデックス(大日本インキ化学工業社製)、サントプレーン(モンサント社製)、タフテック(旭化成工業社製)、ダイナロン(JSR社製)などを使用することができる。上記熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーとしては、アイオノマー樹脂又は熱可塑性ポリウレタンエラストマーを採用することが好適である。
【0023】
カバー基材として熱可塑性樹脂を採用する場合、熱可塑性樹脂のメルトフローインデックスとしては0.5g/10min以上であることが好適である。また、上記熱可塑性樹脂のショアD硬度が少なくとも40以上であることが好適である。更に、JIS−K 7311に準拠した反発弾性率が30%以上であることが好適である。
【0024】
一方、カバー基材として熱硬化性樹脂を採用する場合、熱硬化性樹脂が熱硬化型ポリウレタン樹脂又は熱硬化型ポリ尿素樹脂であることが好ましい。この場合、その樹脂材料のショアD硬度が40以上であり、かつJIS−K 7311に準拠した反発弾性率が30%以上であることが好適である。
【0025】
上記カバー材としては、透明樹脂又は半透明樹脂を使用することが好ましい。また、ボールのカラーバリエーションを与える観点から、各種の顔料等の添加により透明樹脂又は半透明樹脂が着色されていても良い。例えば、パール顔料等の光輝性顔料を使用することができる。また、本発明の効果を損なわない限り、酸化チタン等の無機充填材を適量含有することができる。具体的には、無機充填材を基材樹脂100質量部に対して0.01〜2質量部含有することができる。
【0026】
本発明においては、ゴルフボール構成要素の少なくとも一つに、一つの希土類元素からなる希土類酸化物を1種または2種以上、あるいは複数個の希土類元素を任意の割合で混合した希土類複合酸化物を含有するものである。ここで「構成要素」とは、コア、カバー(内側、外側など)、塗膜、マークなどを意味する。
【0027】
上記の一つの希土類元素からなる希土類酸化物としては、例えば、酸化ホルミウム,酸化プラセオジウム,酸化ネオジウム,酸化エルビウム,酸化ランタン,酸化セリウム等が挙げられ、好ましく採用されるのは、酸化ホルミウムである。
【0028】
上記希土類酸化物又は上記希土類複合酸化物の含有量は、基材樹脂100質量部に対して0.5〜30質量部、好ましくは0.7〜20質量部、特に0.8〜10質量部が好ましい。添加量が少なすぎると十分な演色性が得られず、また、添加量が多すぎると演色性は優れるものの反発性や耐久性等のゴルフボールに要求される性能が悪化するおそれがある。
【0029】
上記の希土類酸化物又は希土類複合酸化物の平均粒径は10〜100nmであることが好ましく、特に15〜60nmであることが好ましい。その理由は、粒径が小さすぎると、樹脂混練時に凝集が発生する等の作業性が悪化するからである。また、粒径が大きすぎると比表面積の関係から要求する物性を実現させるためには粒径が小さいものよりも多量に配合する必要が生じるからである。
【0030】
上記カバーの硬度については、ショアD硬度で40以上、特に43以上、上限として62以下、特に60以下であることが推奨され、高すぎるとアプローチショット時の適度なスピンが得られ難くなりコントロール性に劣ってしまうおそれがある。一方、ショアD硬度が小さ過ぎるとボール反発性に劣ってしまい飛距離が低下するおそれがある。
【0031】
上記カバーの厚さは、各単層あたり、0.5mm以上、特に0.8mm以上、上限として3.0mm以下、特に2.2mm以下になるように形成されることが望ましい。カバーが薄いとスピン性能が十分に得られなくなったり、繰り返し打撃による割れ耐久性が悪くなったりする場合がある。
【0032】
ここで、本発明のゴルフボールにおいては、カバー層を2層以上に形成することもできる。この場合、カバー層のうち最外層に隣接するカバー層(以下「内層カバー」と略す。)について説明する。
【0033】
内層カバーの基材は熱可塑性樹脂であり、該熱可塑性樹脂としては、上述した最外層(カバー層)で挙げたものを好適に使用できる。
【0034】
内層カバーの硬度については、ショアD硬度で45以上、特に48以上、上限としては55以下、特に53以下であることが推奨される。内層カバーのショアD硬度が小さ過ぎるとボール反発性に劣ってしまい飛距離が低下するおそれがあり、ショアD硬度が大き過ぎると打感が悪くなったり、耐擦過傷性に劣るおそれがある。
【0035】
内層カバーの厚さとしては0.8mm以上、特に1.2mm以上、上限として2.2mm以下、特に1.8mm以下になるように形成することが望ましい。カバーが薄いと繰り返し打撃による割れ耐久性が悪くなることがあり、カバーが厚いとボール反発性が低下して飛距離が低下するおそれがある。
【0036】
本発明では、最外層(カバー層)の材料には、透明又は半透明樹脂の基材に上記希土類酸化物又は希土類複合酸化物を配合したものを用いると共に、これに隣接した内層カバーの樹脂基材に各種の着色剤を添加することが、より一層、カラーバリエーションを与えると共に、ファッション性に優れたゴルフボールを提供することができる点から好適に採用される。
【0037】
この場合、着色剤としては、公知の各種材料を用いることができ、例えば、青色顔料であれば、紺青,フタロシアニンブルー,コバルトブルー等が採用される。また、黄色顔料であれば、黄鉛,亜鉛黄,カドミウムイエロー,黄色酸化鉄,ニッケルチタンイエロー等が採用される。
【0038】
上記カバーの基材樹脂には、UV吸収剤、酸化防止剤、金属石鹸、上記以外の顔料、無機充填剤等の各種添加剤を適宜量配合することができる。
【0039】
上記カバーをソリッドコアに被覆してゴルフボールを得るには、射出成形、コンプレッション成形等の公知の方法を採用できる。例えば、射出成形を行なう場合には、予め作成したソリッドコアを金型内にセットし、常法に従い、該金型内にカバー材を導入して製造することができる。
【0040】
なお、本発明のゴルフボールでは、1層以上のカバーから構成されるものであり、上述した最外層カバー及び内層カバーの他にも、1又は2層以上の中間層を上記ソリッドコアと上記内層カバーとの間に構成することもできる。この中間層の基材樹脂は上述した内層カバーで挙げたものを好適に使用できる。
【0041】
以上のようにして形成される本発明のゴルフボールは、ボール自体のたわみ硬度、即ち、初期荷重98N(10kgf)から1275N(130kgf)荷重負荷時のたわみ変形量が、通常2.0mm以上、好ましくは2.3mm以上、より好ましくは2.5mm以上、上限として4.0mm以下、好ましくは3.5mm以下、より好ましくは3.2mm以下であることが推奨される。ボールのたわみ硬度が所定量よりも小さくなると、打感が悪くなったり、特にアイアンショット時のスピン量が増え過ぎてしまい飛距離が大きく低下する場合がある。逆に、ボールのたわみ硬度が所定量より大きくなると、ボール反発性に劣ってしまい、特にドライバーでの打撃時の飛距離が低下する場合がある。
【0042】
次に、本発明の第2発明としては、ボール表面に文字,図柄等のマークが印刷されたゴルフボールにおいて、上記マーク用のインクとして、一つの希土類元素からなる希土類酸化物を1種または2種以上、あるいは複数個の希土類元素を任意の割合で混合した希土類複合酸化物を所定量含有するものである。
【0043】
なお、上記のゴルフボールのコア及び1層又は2層以上のカバー層の構成は、上記第1発明と同様である。
【0044】
上記インクに使用されるビヒクルや各種着色剤については公知の各種材料を用いることができる。インク100質量部に対する希土類酸化物又は希土類複合酸化物の配合量は1〜50質量部、好ましくは3〜40質量部である。この範囲を逸脱すると、十分な演色性が得られず、また、インクの耐久性に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0045】
またゴルフボールのマーキング方法については、通常用いられている方法を採用することができる。例えばパッド印刷工程を含んだ直接印刷法、所謂全ベタの転写フィルムを用いて刻印で押す転写方法、インクをボール本体表面にある凹凸(刻印部等)に流し込む方法、熱転写で印刷する熱転写印刷法などの間接印刷法が挙げられる。なお、マーキングされるマーク類の種類、マーキング位置、マーク類の数などについては、特に制限はなく、文字、数字、商品名、ロゴマークなどのマーク類を任意のマーキング位置に施すことができる。なお、より密着性を高めるために、ボール表面にブラスト処理,プライマー処理,プラズマ処理,コロナ放電処理等の前処理を施すことができる。
【0046】
また、本発明は、第3発明として、コアを形成するゴム組成物又は塗膜を形成する塗料中に希土類酸化物又は希土類複合酸化物を配合してなることを特徴とするワンピースゴルフボールを提供する。コアを構成するゴム組成物については第1,2発明と同様に公知の材料を用いることができる。希土類酸化物又は希土類複合酸化物の詳細は、上記第1,2発明と同様である。また、塗膜については、特に制限はないが、通常ウレタン塗料を採用することが好適である。塗料に対する希土類酸化物又は希土類複合酸化物の配合量は、0.1〜50質量部、特に0.5〜30質量部の範囲内であることが好ましい。
【0047】
本発明のゴルフボールは、第1〜第3発明のいずれについても、その直径、重さはゴルフ規則に従い、直径42.67mm以上、重量は45.93g以下に形成することができる。
【実施例】
【0048】
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0049】
〔実施例1〜5、比較例1〜3〕
表1に示すゴム組成物を用い、157℃で15分間の加硫により、ソリッドコアを作成した。
【0050】
次に、表2に示す組成の内層カバー材を200〜220℃で混練型二軸押出機にてミキシングし、ペレット状の内層カバー材を得た後、上記ソリッドコアを配備した金型内に射出し、内層カバー材で被覆されたソリッドコアを製造した。
【0051】
さらに、表2に示す組成の外層カバー材を200℃で混練型二軸押出機にてミキシングし、ペレット状のカバー材を得た後、上記内層カバー材で被覆されたソリッドコアを配備した金型内に射出し、スリーピースソリッドゴルフボールを製造した。
【0052】
得られた各ゴルフボールの諸特性を表3に示した。なお、各ボール外観及び特性の評価は以下の方法に基づくものである。
ボール硬度及びソリッドコアの硬度
得られたボール及びソリッドコアを初期荷重10kgf(98.07N)から終荷重130kgf(1274.91N)に負荷した時の圧縮変形量(mm)をそれぞれ測定した。
外層カバー材料のメルトインデックス(MI)
JIS−K 7210(試験温度190℃、試験荷重21N(2.16kgf))に従い測定した材料のメルトインデックス(MI)である。なお、実施例5,比較例3については試験温度220℃における値である。
内層カバー及び外層カバーの硬度
カバー材料を厚さ1mmのシート状に成形し、その硬度をASTM D−2240に準じて測定したショアD硬度。
ボール初速
USGA(R&A)の測定法に準じて測定した。
ボール外観
(i)太陽光下での色調
目視により観察した。
(ii)三波長蛍光下での色調
目視により観察した。
(iii)色相変化の有無
三波長蛍光下と太陽光下との間での色相の変化を目視により観察した。
【0053】
【表1】


【0054】
なお、表1中のコア材料の詳細は下記のとおりである。
ポリブタジエン
商品名 BR01(JSR社製)
老化防止剤
2,2−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)
商品名 ノクラックNS−6(大内新興化学工業社製)
過酸化物(1)
ジクミルパーオキサイド 商品名 パークミルD(日本油脂製)
過酸化物(2)
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
商品名 パーヘキサ3M−40(日本油脂製)
【0055】
【表2】


【0056】
上記の商品名又は顔料等の詳細は下記のとおりである。
ハイミラン1557,ハイミラン1601,AM7311
三井・デュポンポリケミカル株式会社製 アイオノマー樹脂
パンデックスT8295,T8260
ディーアイシーバイエルポリマー株式会社製 MDI-PTMGタイプ熱可塑性ポリウレタン
サーリン7930
米国デュポン社製 アイオノマー樹脂
ニュクレルAN4318
三井・デュポンポリケミカル株式会社製 エチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステルの3元共重合体
ダイナロンE6100P
JSR株式会社製 オレフィン結晶ブロックを有するブロックコポリマー
ポリエチレンワックス
三洋化成工業株式会社製 商品名「サンワックス161P」
パール顔料
メルク・ジャパン株式会社製 パール顔料 商品名「Iriodin 211」
青色顔料
レジノカラー工業株式会社製 商品名「Resino Blue RT-K」
黄色顔料
レジノカラー工業株式会社製 商品名「Resino Yellow 3GR #55」
酸化ホルミウム
シーアイ化成株式会社製 酸化ホルミウムパウダー 商品名「NanoTek」
【0057】
【表3】






 

 


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