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発明の名称 アイアンゴルフクラブヘッド
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−130317(P2007−130317A)
公開日 平成19年5月31日(2007.5.31)
出願番号 特願2005−327768(P2005−327768)
出願日 平成17年11月11日(2005.11.11)
代理人 【識別番号】100078824
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 竹夫
発明者 梶田 良太
要約 課題
ヘッド内部の充填物がクラブを手にした時やスイング時にはヘッドの重量を感じさせ、インパクトでは充填物が重量として作用しないアイアンゴルフクラブヘッドを提供する。

解決手段
ヘッド本体1を中空構造に形成し、この中空部2に浮動金属粉体3を充填し、この浮動金属粉体3とヘッド本体1とで番手に見合う重量に設定した。
特許請求の範囲
【請求項1】
ヘッド本体を中空構造に形成し、この中空部に浮動金属粉体を充填し、この浮動金属粉体とヘッド本体とで番手に見合う重量に設定したことを特徴とするアイアンゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記ヘッド本体の重量よりも浮動金属粉体の重量を重くしたことを特徴とする請求項1に記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記浮動金属粉体の中空部内への充填率は、60〜95%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記ヘッドは、ピッチングウェッジのヘッドであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記浮動金属粉体としてタングステン粉体、鉛粉末、スチール粉末から選択されたものを用いることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はアイアンゴルフクラブヘッド、特にショートアイアン(特にPW)のヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴルフクラブの飛びは、クラブ長さとロフト角の組み合わせによってコントロールされてきた。アイアンゴルフクラブのセットの中で、最も飛ばないクラブは、クラブ長さ35インチ±0.5、ロフト角45度±5のピッチングウェッジ(PW)となっている。そして、長さの異なるクラブが同じようにスイングが可能である保証としてスイングウェイトによるセットマッチが採用された。このため、短いクラブのヘッドほどヘッド重量を重くする設計が一般化している。
【0003】
飛びに対するクラブヘッドの重量効果は次の式〔数1〕の通りである。即ち、ヘッド重量が重いほどボールの初速が速くなり、ボールがよく飛ぶ結果となる。一方、ヘッド重量が軽いほどボールの初速が遅くなり、ボールが飛ばない結果となる。
【0004】
【数1】


【0005】
PWのコントロールショットの距離をフルショットで攻めることができるアイアンゴルフクラブヘッドを提供するには、PWのヘッド重量を軽くすればよいと考えられている。そこで、通常290gのスチール製ピッチングウェッジの鋳型を使って、これを高力アルミニウムに置き換え、約100gのピッチングウェッジを作成し、試打に供したところ、290gのピッチングウェッジでは100m程度の飛距離に対し、100gでは、60mも飛ばなかったという大きな差を確認しているが、クラブが軽すぎるためにスイングが不安定となり、実用上、好ましいクラブとは言えなかった。
【0006】
このように、ヘッド重量低減は、ボール初速低下の効果が期待できる一方、ゴルファーにとっては軽すぎるために最も敏感に違和感を感じ取り、敬遠される懸念がある。なぜなら、ヘッド重量は、クラブを手にした瞬間からゴルファーに不安を抱かせ、更に、スイングバランスに大きな影響を与え、軽すぎるスイングウェイトはスイングが不安定になり、実用上問題があると考えられる。
【0007】
一方、クラブおよびクラブヘッドの物理的な特性として、静的特性と動的特性がある。静的特性とは、クラブ総重量、クラブ長さ、スイングウェイトが挙げられ、主に、スイング面や振り易さなどのスイングに関係する特性が多い。過去において、スイングは動的であるとしてクラブ慣性能率が提案されたが、ゴルファーの納得が得られなかったという経緯がある。即ち、スイング(0.3〜0.6秒)の間に生じる現象は、動的というには遅過ぎるということであろう。前記動的特性とは、ヘッド慣性能率等が挙げられ、主に10000分の5秒といわれるインパクトに関係するヘッドの特性が多い。
【0008】
この静的なスイング挙動と、10000分の5秒といわれるインパクトの超高速の挙動に注目し、クラブを手で持った時やスイングなどの遅い動きに対しては重量を感じ、高速のインパクトでは重量として作用しない構成をもったヘッドを実現するため、ヘッド内部に浮動重量体を充填することを試みた。このような重量体を備えたヘッドとしては、ウッドゴルフクラブのヘッドの内部に鋼球などの小球体からなる錘を充填したもの(特許文献1参照)や、1ヶの重錘を充填したもの(特許文献2参照)が知られている。
【特許文献1】実用新案登録第3083905号公報(第5頁、図1)
【特許文献2】実用新案登録第3043570号公報(第7頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載の従来例では、ヘッド内部に充填された剛球が、インパクトで重量として作用し、慣性力を増大させるというものであり、特許文献2に記載の従来例では、テイクバック時に重錘が後部衝突壁面にぶつかることでテイクバックが十分になされたことを感知することができるというものであり、ともにウッドゴルフクラブによる飛距離の増大を図ったものである。これらとは逆に、スイング時には重さを感じながら、インパクトでは飛ばないようにしたものは見当らなかった。
【0010】
本発明は、ヘッド内部への充填物が、クラブを手で持った時やスイング時にはヘッドの重量を感じ、インパクトではその充填物が重量として作用しないようにし、コントロールショットの距離をフルショットで攻めることができるようにしたアイアンゴルフクラブヘッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の目的を達成するため、この発明は、ヘッド本体を中空構造に形成し、この中空部に浮動金属粉体を充填し、この浮動金属粉体とヘッド本体とで番手に見合う重量に設定したものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ヘッド本体を中空構造に形成し、この中空部に浮動金属粉体を充填し、この浮動金属粉体とヘッド本体とで番手に見合う重量に設定したので、スイング時には番手通りの重さを感じながらスイングすることができ、インパクト直前では浮動金属粉体は、ヘッドのトウ側とトウ寄りのソール側に押し付けられ、インパクト時にヘッドは大きなマイナスの加速度を受けて減速し、浮動金属粉体はフェース面に向かって移動しようとし、慣性重量として働かないので、飛距離は低下する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照にして説明する。
【0014】
図1は、インパクト直前のスイング中のフェース7を除いた正面図であり、高力アルミ合金で形成された中空構造のヘッド本体1の中空部2内に浮動金属粉体3を充填してあり、この粉体3がスイングによる遠心力によって遠心力の方向に直角な境界面を形成するように中空部2内のトウ4側とトウ4寄りのヒール5側に押し付けられる。図中符号6は、シャフト(図示せず)が装着されるホーゼルである。
【0015】
図2は、図1のA−A線断面を示し、フェース7の背後に中空部2が形成されている。また、符号8はバックフェースを示す。この実施形態のヘッド本体1の重量は、104gとし、充填する浮動金属粉体3としてはタングステン粉体を用い、これを186gとして、ヘッド全体の重量を290gとして、PWのヘッドとした。粉体3は、ヘッド本体1の破損時の拡散を防止するために、ゴムや高分子の袋(図示せず)に入っていることが好ましい。
【0016】
総重量を290gとした上記実施形態のヘッドを有するゴルフクラブでは、これを手にとった時、ゴルファーは、ヘッド本体1が104g、浮動金属粉体(タングステン)3が186gの全ての重量を感じるので、クラブ総重量に対する違和感はないと考えられる。また、ワッグルやテイクバックおよびダウンスイング時にも、ゴルファーは、ヘッド本体1の104g、浮動金属粉体(タングステン)3の186gの全ての重量を感じるので、スイングへの影響はないと考えられる。
【0017】
次に、ヘッドとボールのインパクトの瞬間には、ヘッドは大きなマイナスの加速度を受けて減速し、浮動金属粉体3はフェース7に向かって移動しようとする。例えば、ある女性上級者の場合、ピッチングウェッジのヘッドスピードは、30m/s、ボールの飛び出しスピードは、31m/sであり、インパクト前後の運動量保存の法則に従えば、
Mh×Vh1=Mh×Vh2+Mb×Vb2
Mh:ヘッド重量(290g) Mb:ボール重量(45.5g)
Vh1:衝突前ヘッド速度(30m/s)
Vh2:衝突後ヘッド速度 Vb2:衝突後ボール速度(31m/s)
Vh2:衝突後ヘッド速度は、25m/sとなる。
【0018】
このマイナス加速度に対し、ヘッド内の浮動金属粉体3は、衝突直前のヘッド進行方向に向かって飛び出そうとするグループ(A)と前方に障害として存在する粉体3を押すグループ(B)に分かれる(図3参照)。まずヘッドに対する粉体3の相対速度は、先の例から、ヘッドの衝突前後の内部での相対速度(30−25m/s)は、5m/sとなり、インパクトの10000分の5秒の間に、粉体3は2.5mmだけ移動可能であるが、例えば、中空部2内のバックフェース8側にあってフェース7より2.5mm以上離れた場所にあるAグループのタングステン粉体3は、インパクト中にフェース7に辿り着くことさえできない。一方、10000分の5秒の間にヘッド本体1に辿り着いたAグループの粉体3も、大半の粉体3が粉体3の上に粉体3が重なるBグループと同様の状態になる。そこでBグループの状態を検討する。このBグループの状態は、粉体3が粉体3を次々と押して、それが力や質量と感じられるには、弾性波が伝達されていく必要がある。粉体3の場合は、粉体3間に空気を介在するため、弾性波は分散と反射を繰り返し、大部分のタングステン粉体3は、インパクトに関与することはできない。このことは、砂袋をバットで打つような現象を考えると、砂袋が飛ぶのは、衝突ではなく、バットに投げられるためであって、砂は衝突には関与しないのと同じである。ヘッドとボールの衝突は、粉体3が働く前に完結する。
【0019】
有効ヘッド重量とボール初速の効果については、先の〔数1〕で示される式の通りである。通常のPWのヘッド重量290gを基準に、ヘッド重量が減少することによるボールスピードの変化率を計算した結果が図4のグラフである。
【0020】
図4より、総ヘッド重量のうちで、120gを金属粉体3で置き換えられれば、最大10%のボール初速の低下が見込まれ、200gを金属粉体3で置き換えられれば、最大20%のボール初速の低下が期待できる。このボールの初速の変化率が実際にどの程度の効果になるかを女性上級者の3番アイアンからPWまでのボール初速と比較したものが図5及び図6である。
【0021】
上述の10%のボール速度の変化率は、3番アイアンを6番または7番アイアンのクラブ長さに持ち替えた場合に相当することがわかる。また20%のボール速度の変化率は、3番アイアンを9番アイアンのクラブ長さに持ち替えた場合に相当することがわかる。この検討により、ヘッド重量の効果が、長さ効果として捉えれば、クラブ長さを2〜3インチ短くするくらいの効果が期待できる。従って、本発明を利用すれば、スイングウェイト変更等をすることなく、ボール速度を低下することが可能であり、目的を達成できる可能性を窺わせている。
【0022】
ヘッド本体1の中空部2に挿入する粉体3について、粒度、かさ比重を検討した。粒度については、ガラ鳴りしない程度の大きさが好ましく、材質については、中空のピッチングウェッジの中空部2を出来るだけ小さく出来るように、タングステン粉末と鉛粉末およびスチール粉末とした。工業用に市販されている商品としては、粒度0.45〜20ミクロンのファインケミカル素材やショットピーニング材が好ましい。一方、今回供したタングステン粉末と鉛粉末のかさ比重は以下の〔表1〕の通りである。
【0023】
【表1】


【0024】
粉体3を186g受け入れるには、21〜30ccの中空部2が必要であり、一般のウェッジの体積が40ccであることを考えれば、体積が50〜75%に相当することになる。従って、軽すぎるかさ比重の粉体は、扱いにくいことがわかる。
【0025】
また、中空部2内への粉体3の充填率(体積比)は、中空部2内を浮動するためにも60〜95%が好ましい。60%を下限にしたのは、充填率が低いと充分な効果が発揮されないためで、95%を上限としたのは、空隙がないと金属粉体が動かなくなり、効果が発揮されないためである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】スイング中のヘッドの一部断面の正面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】インパクトの側断面図。
【図4】ヘッド重量とボール初速変化率との関係を示すグラフ。
【図5】番手とボールスピードとの関係を示すグラフ。
【図6】番手とボール初速変化率との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
【0027】
1 ヘッド本体
2 中空部
3 浮動金属粉体




 

 


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