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発明の名称 ゴルフボール
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−125376(P2007−125376A)
公開日 平成19年5月24日(2007.5.24)
出願番号 特願2006−276286(P2006−276286)
出願日 平成18年10月10日(2006.10.10)
代理人 【識別番号】100079304
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 隆司
発明者 眞見 俊彦 / 渡辺 英郎
要約 課題

解決手段
本発明は、コアに1層又は複数層からなるカバーが被覆されたゴルフボールにおいて、上記カバーのうち少なくとも1層が、(A)熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーと(B)ポリアセタールとの混合物を主材として形成されることを特徴とするゴルフボールを提供する。
特許請求の範囲
【請求項1】
コアに1層又は複数層からなるカバーが被覆されたゴルフボールにおいて、上記カバーのうち少なくとも1層が、(A)熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーと(B)ポリアセタールとの混合物を主材として形成されることを特徴とするゴルフボール。
【請求項2】
上記の(A)成分がアイオノマー樹脂である請求項1記載のゴルフボール。
【請求項3】
上記の(A)成分と(B)成分との配合割合が質量比で99:1〜80:20である請求項1又は2記載のゴルフボール。
【請求項4】
上記(A)(B)成分からなる混合物を主材としたカバー材を1層又は複数層有するカバーのうち最外層に適用した請求項1〜3のいずれか1項記載のゴルフボール。
【請求項5】
上記(B)成分であるポリアセタールがカバー材の樹脂成分中に1〜20質量%含有する請求項4記載のゴルフボール。
【請求項6】
水銀ランプ24h照射による褪色度合いがΔEで2.00以下である請求項1〜5のいずれか1項記載のゴルフボール。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、コアに1層又は複数層からなるカバーが被覆されたツーピースソリッドゴルフボールやスリーピースソリッドゴルフボール等のゴルフボールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、アイオノマー樹脂を主材とした種々のカバー材料が提案されており、これらのカバー材料は、高反発化、飛距離増大を図ったものが多い。例えば、米国特許第6616552号,同第6613843号,同第6232400号,特開平10−231400号公報及び特開2004−231746号公報など多数の公知文献が存在する。
【0003】
しかしながら、カバー材料であるアイオノマー樹脂を高硬度化すると、ゴルフボールとしては繰り返し打撃耐久性が低下してしまう場合が多く、従来のゴルフボールでは、反発弾性と打撃耐久性が両立することが困難であった。
【0004】
また、繰り返し打撃耐久性の問題のほかに、ボール表面が毛羽立ったり、ささくれが生じることも多く、ボールの耐擦過性が悪かった。更に、ボールを長期に亘り使用すると、ボールが変色する傾向がある。特に、ゴルフボールの表面色としては白色が多く用いられており、ボール表面が少しでも黄色くなったりして変色すると、ボール品質低下や外観不良を生じ、このような課題を解決することが望まれていた。
【0005】
【特許文献1】米国特許第6616552号明細書
【特許文献2】米国特許第6613843号明細書
【特許文献3】米国特許第6232400号明細書
【特許文献4】特開平10−231400号公報
【特許文献5】特開2004−231746号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、繰り返し打撃耐久性に優れていると共に、耐擦過傷性、耐変色性を改善したゴルフボールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、コアに1層又は複数層からなるカバーが被覆されたゴルフボールにおいて、上記カバーのうち少なくとも1層を、(A)熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーと(B)ポリアセタールとの混合物を主材として形成することにより、上記課題を解決するゴルフボールを実現し得ることを知見し、本発明をなすに至った。
【0008】
従って、本発明は、下記のゴルフボールを提供する。
〔1〕コアに1層又は複数層からなるカバーが被覆されたゴルフボールにおいて、上記カバーのうち少なくとも1層が、(A)熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーと(B)ポリアセタールとの混合物を主材として形成されることを特徴とするゴルフボール。
〔2〕上記の(A)成分がアイオノマー樹脂である請求項1記載のゴルフボール。
〔3〕上記の(A)成分と(B)成分との配合割合が質量比で99:1〜80:20である請求項1又は2記載のゴルフボール。
〔4〕上記(A)(B)成分からなる混合物を主材としたカバー材を1層又は複数層有するカバーのうち最外層に適用した請求項1〜3のいずれか1項記載のゴルフボール。
〔5〕上記(B)成分であるポリアセタールがカバー材の樹脂成分中に1〜20質量%含有する請求項4記載のゴルフボール。
〔6〕水銀ランプ24h照射による褪色度合いがΔEで2.00以下である請求項1〜5のいずれか1項記載のゴルフボール。
【発明の効果】
【0009】
本発明のゴルフボールによれば、繰り返し打撃耐久性に優れていると共に、耐擦過傷性、耐変色性を改善したものであり、特に、ヘッドスピードの高くないアマチュアゴルファーにとっては、優れた飛び性能及び良好な打球感を付与し得る競技上有利なゴルフボールである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明は、コアに1層又は複数層からなるカバーが被覆されたゴルフボールであり、上記カバーのうち少なくとも1層が、(A)熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーと(B)ポリアセタールとの混合物を主材として形成されたものである。
【0011】
コアとしては、例えば共架橋剤、有機過酸化物、不活性充填剤、有機硫黄化合物等を含有するゴム組成物を用いて形成することができる。該ゴム組成物の基材ゴムとしては、ポリブタジエンを用いることが好ましい。
【0012】
上記ゴム成分のポリブタジエンは、そのポリマー鎖中に、シス−1,4−結合を60質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、最も好ましくは95質量%以上有することが好適である。分子中の結合に占めるシス−1,4−結合が少なすぎると、反発性が低下する場合がある。
【0013】
また、上記ポリブタジエンに含まれる1,2−ビニル結合の含有量としては、そのポリマー鎖中に通常2%以下、好ましくは1.7%以下、更に好ましくは1.5%以下である。1,2−ビニル結合の含有量が多すぎると、反発性が低下する場合がある。
【0014】
本発明で用いる上記ポリブタジエンとしては、良好な反発性を有するゴム組成物の加硫成形物を得る観点から、希土類元素系触媒又はVIII族金属化合物触媒で合成されたものであることが好ましく、中でも特に希土類元素系触媒で合成されたものであることが好ましい。
【0015】
このような希土類元素系触媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、ランタン系列希土類元素化合物と、有機アルミニウム化合物、アルモキサン、ハロゲン含有化合物、必要に応じルイス塩基とを組み合わせてなる触媒を挙げることができる。
【0016】
上記ランタン系列希土類元素化合物としては、原子番号57〜71の金属ハロゲン化物、カルボン酸塩、アルコラート、チオアルコラート、アミド等を挙げることができる。
【0017】
本発明においては、特に、ランタン系列希土類元素化合物としてネオジウム化合物を用いたネオジウム系触媒を使用することが、1,4−シス結合が高含量、1,2−ビニル結合が低含量のポリブタジエンゴムを優れた重合活性で得られるので好ましく、これらの希土類元素系触媒の具体例は、特開平11−35633号公報、特開平11−164912号公報、特開2002−293996号公報に記載されているものを好適に挙げることができる。
【0018】
ランタン系列希土類元素化合物系触媒を用いて合成されたポリブタジエンは、ゴム成分中に10質量%以上、好ましくは20質量%以上、特に40質量%以上含有することが反発性を向上させるためには好ましい。
【0019】
なお、上記ゴム基材には、上記ポリブタジエン以外にも他のゴム成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合し得る。上記ポリブタジエン以外のゴム成分としては、上記ポリブタジエン以外のポリブタジエン、その他のジエンゴム、例えばスチレンブタジエンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム等を挙げることができる。
【0020】
共架橋剤としては、例えば不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の金属塩等が挙げられる。
【0021】
不飽和カルボン酸として具体的には、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等を挙げることができ、特にアクリル酸、メタクリル酸が好適に用いられる。
【0022】
不飽和カルボン酸の金属塩としては特に限定されるものではないが、例えば上記不飽和カルボン酸を所望の金属イオンで中和したものが挙げられる。具体的にはメタクリル酸、アクリル酸等の亜鉛塩やマグネシウム塩等が挙げられ、特にアクリル酸亜鉛が好適に用いられる。
【0023】
上記不飽和カルボン酸及び/又はその金属塩は、上記基材ゴム100質量部に対し、通常10質量部以上、好ましくは15質量部以上、更に好ましくは20質量部以上、上限として通常60質量部以下、好ましくは50質量部以下、更に好ましくは45質量部以下、最も好ましくは40質量部以下配合する。配合量が多すぎると、硬くなりすぎて耐え難い打感になる場合があり、配合量が少なすぎると、反発性が低下してしまう場合がある。
【0024】
上記有機過酸化物としては市販品を用いることができ、例えば、パークミルD(日本油脂(株)製)、パーヘキサ3M(日本油脂(株)製)、Luperco 231XL(アトケム社製)等を好適に用いることができる。これらは1種を単独であるいは2種以上を併用してもよい。
【0025】
上記有機過酸化物は、上記基材ゴム100質量部に対し、通常0.1質量部以上、好ましくは0.3質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上、最も好ましくは0.7質量部以上、上限として通常5質量部以下、好ましくは4質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、最も好ましくは2質量部以下配合する。配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると好適な打感、耐久性及び反発性を得ることができない場合がある。
【0026】
不活性充填剤としては、例えば酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等を好適に用いることができる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0027】
不活性充填剤の配合量は、上記基材ゴム100質量部に対し、通常1質量部以上、好ましくは5質量部以上、上限として通常50質量部以下、好ましくは40質量部以下、更に好ましくは30質量部以下、最も好ましくは20質量部以下とする。配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると適正な質量、及び好適な反発性を得ることができない場合がある。
【0028】
更に、必要に応じて老化防止剤を配合することができ、例えば、市販品としてはノクラックNS−6、同NS−30(大内新興化学工業(株)製)、ヨシノックス425(吉富製薬(株)製)等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0029】
上記老化防止剤の配合量は上記基材ゴム100質量部に対し、通常0質量部以上、好ましくは0.05質量部以上、更に好ましくは0.1質量部以上、最も好ましくは0.2質量部以上、上限として通常3質量部以下、好ましくは2質量部以下、更に好ましくは1質量部以下、最も好ましくは0.5質量部以下とする。配合量が多すぎたり、少なすぎたりすると好適な反発性、耐久性を得ることができない場合がある。
【0030】
上記コアには、ゴルフボールの反発性を向上させ、ゴルフボールの初速度を大きくするため、有機硫黄化合物を配合することが好ましい。
【0031】
有機硫黄化合物としては、ゴルフボールの反発性を向上させ得るものであれば特に制限されないが、例えばチオフェノール類、チオナフトール類、ハロゲン化チオフェノール類又はそれらの金属塩等が挙げられる。より具体的には、ペンタクロロチオフェノール、ペンタフルオロチオフェノール、ペンタブロモチオフェノール、パラクロロチオフェノール、ペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩、ペンタフルオロチオフェノールの亜鉛塩、ペンタブロモチオフェノールの亜鉛塩、パラクロロチオフェノールの亜鉛塩、硫黄数が2〜4のジフェニルポリスルフィド、ジベンジルポリスルフィド、ジベンゾイルポリスルフィド、ジベンゾチアゾイルポリスルフィド、ジチオベンゾイルポリスルフィド等が挙げられ、特に、ペンタクロロチオフェノールの亜鉛塩、ジフェニルジスルフィドが好適に用いられる。
【0032】
上記コアには、ゴルフボールの反発性を向上させ、ゴルフボールの初速度を大きくするため、有機硫黄化合物を配合することが好ましい。
【0033】
このような有機硫黄化合物の配合量は、上記基材ゴム100質量部に対し、通常0.05質量部以上、好ましくは0.1質量部以上、上限として通常5質量部以下、好ましくは4質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、最も好ましくは2.5質量部以下であることが推奨される。配合量が多すぎると効果が頭打ちとなり、それ以上の効果が見られなくなる場合があり、配合量が少なすぎると、その配合効果が十分達成されない場合がある。
【0034】
上記コアの直径は通常36.7mm以上、特に37.0mm以上とすることが好ましく、一方、上限としては通常40.5mm以下、特に38.5mm以下とすることが好ましい。また、重さは通常30〜36g、特に31〜34gであることが好ましい。
【0035】
この場合、本発明のコアは、上記直径範囲において、初期荷重10kgfから終荷重130kgfまで負荷したときの圧縮たわみ量(硬度10−130kgf)が2mm以上、好ましくは3mm以上であり、6mm以下、好ましくは5mm以下の範囲であることがよい。変形量が小さすぎると、打感が硬くなってしまう。また、スピン量が多くなってしまい、ドライバー(W#1)で低ヘッドスピードにより打撃した時やアイアンで打撃した時には飛距離が低下する場合がある。逆に、変形量が大きすぎると、繰り返し打撃による割れ耐久性が悪くなると共に、反発が低くなりすぎてしまい飛距離が十分に得られなくなる。
【0036】
本発明のゴルフボールに使用されるコアの種類については、特に制限はなく、例えば、ツーピースボール用ソリッドコア、複数の加硫ゴム層を持つソリッドコア、複数の樹脂層を持つソリッドコア、糸ゴム層を有する糸巻きコアといった種々のコアが使用可能である。
【0037】
コアを形成する方法としては、上述したゴム基材を主体としたゴム組成物を、公知の方法で加硫・硬化させることにより球状の加硫成形であるコアを得ることができる。加硫条件は、通常、加硫温度100〜200℃、加硫時間10〜40分にて実施することができる。
【0038】
次に、本発明では、コアに被覆する1層又は複数層からなるカバーのうち少なくとも1層が(A)熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーと(B)ポリアセタールとの混合物を主材としたものである。(A)(B)について以下説明する。
【0039】
(A)熱可塑性樹脂組成物および熱可塑性エラストマー
本発明でカバーに用いられる主材としては、熱可塑性ブロック共重合体、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、アイオノマー樹脂から選ばれる1種ないし2種以上が好適に用いられ、特にアイオノマー樹脂を用いることが好ましい。
【0040】
熱可塑性ブロック共重合体としては、ハードセグメントとしてポリエチレン結晶ブロック(C)及び/又はポリスチレン結晶ブロック(S)とからなり、ソフトセグメントとしてポリブタジエンからなるブロック(B)、ポリイソプレンからなるブロック(I)、エチレンとブチレンとの比較的ランダムな共重合構造(EB)からなるブロック、エチレンとプロピレンとの比較的ランダムな共重合構造(EP)からなるブロックが例示されるが、好ましくはエチレンとブチレンとの比較的ランダムな共重合構造(EB)からなるブロック、エチレンとプロピレンとの比較的ランダムな共重合構造(EP)からなるブロック、より好ましくはエチレンとブチレンとの比較的ランダムな共重合構造(EB)からなるエチレンとブチレンとからなる比較的ランダムな共重合構造(EB)からなるもの好適に用いられる。
【0041】
上記熱可塑性ブロック共重合体としては、S−EB−S、S−B−S、S−I−S、S−EB、S−EB−S−EB、S−EP−S、S−EB−C、S−B−C、S−I−C、S−EP−C、C−EB−C、C−B−C、C−I−C、C−EB、C−EB−C−EB、C−EP−C等が例示されるが、ハードセグメントにポリスチレン結晶ブロック(S)を選択した場合、成形性の面で好ましく、ハードセグメントにポリエチレン結晶ブロック(C)を含めた場合には反発性の面で好ましい。
【0042】
熱可塑性ブロック共重合体がC−EB−Cタイプ又はS−EB−Cタイプのブロックコポリマーである場合、ブタジエン、又はスチレン−ブタジエン共重合体を水素添加することにより得ることができる。
【0043】
ここで、水素添加に用いるポリブタジエンやスチレン−ブタジエン共重合体としては、そのブタジエン構造中の結合様式として特に1,4−結合が95質量%以上の1,4−重合部をブロック的に持ち、ブタジエン構造全量中の1,4−結合が50質量%以上、より好ましくは80質量%以上であるポリブタジエンが好適に用いられる。
【0044】
この場合、水素添加物における水素添加量(ポリブタジエンやスチレン−ブタジエン共重合体中の二重結合の飽和結合への転化率)は60〜100%であることが好ましく、より好ましくは90〜100%である。水素添加量が少なすぎると、アイオノマー樹脂等とのブレンド工程でゲル化等の劣化が生じたり、ゴルフボールを形成した際に、カバーの耐候性、打撃耐久性に問題が生じたりする場合がある。
【0045】
熱可塑性ブロック共重合体において、ハードセグメントの含量としては10〜50質量%が好ましく、より好ましくは15〜50質量%である。ハードセグメント量が多すぎると、柔軟性に欠けて本発明の目的を有効に達成し得ない場合があり、ハードセグメント量が少なすぎると、ブレンド物の成形性に問題が生じる場合がある。
【0046】
熱可塑性ブロック共重合体の数平均分子量は3万〜80万であることが好ましい。
【0047】
熱可塑性ブロック共重合体の230℃におけるメルトインデックスは0.5〜15g/10min、より好ましくは1〜7g/10minであることが好ましい。上記範囲を外れると、射出成形時にウェルド、ひけ、ショート等の問題が生じるおそれがある。
【0048】
ポリエステル系エラストマーは、結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体からなるハードセグメントと、脂肪族ポリエーテル単位及び/又は脂肪族ポリエステル単位からなる低融点重合体セグメントからなるソフトセグメントを主たる構成成分とする。
【0049】
高融点結晶性重合体としては、好ましくはテレフタル酸及び/又はジメチルテレフタレートと1,4−ブタンジオールから誘導されるポリブチレンテレフタレートなどであるが、この他に、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸、あるいはこれらのエステル形成性誘導体などのジカルボン酸成分と、分子量300以下のジオール、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコールなどの脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメチロールなどの脂環式ジオール、キシリレングリコール、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2−ヒドロキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシ−p−ターフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−p−クオーターフェニルなどの芳香族ジオールなどから誘導されるポリエステル、あるいはこれらのジカルボン酸成分及びジオール成分を2種以上併用した共重合ポリエステルなどを挙げることができる。また、上記成分に更に3官能以上の多官能カルボン酸成分、多官能オキシ酸成分及び多官能ヒドロキシ成分などを5モル%以下の範囲で共重合させたものを配合することも可能である。
【0050】
一方、低融点重合体は、脂肪族ポリエーテル単位及び/又は脂肪族ポリエステル単位からなる低融点重合体セグメントである。
【0051】
ここで、脂肪族ポリエーテルとして、具体的には、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランとの共重合体などが挙げられる。
【0052】
また、脂肪族ポリエステルとして、具体的には、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリエナントラクトン、ポリカプリロラクトン、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペートなどが挙げられる。
【0053】
得られるポリエステルブロック共重合体の弾性特性から、特にポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加重合体、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペートなどが好ましく、特にポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールであることが好ましい。
【0054】
このような低融点重合体セグメントの数平均分子量としては、共重合された状態において300〜6000程度であることが好ましい。
【0055】
本発明のポリエステル系エラストマーは、高融点結晶性重合体成分と低融点重合体成分との合計共重合量を100質量%とした場合、低融点重合体成分を、通常15質量%以上、特に50質量%以上、上限として90質量%以下配合したものであることが好ましい。低融点重合体成分の配合割合が上記範囲より多すぎると、射出成形に適した十分な溶融特性が得られず、溶融ブレンドが困難となり、均一に混合することが困難になる場合があり、少なすぎると、十分な柔軟性・反発性が得られない場合がある。
【0056】
本発明のポリエステル系エラストマーは、上記高融点結晶性重合体成分と低融点重合体成分とを主構成成分とする共重合体であり、製造方法に制限はなく、公知の方法で製造することができる。例えば、下記(i)〜(v)の方法などを挙げることができ、いずれの方法をも好適に採用できる。
【0057】
(i)ジカルボン酸の低級アルコールジエステル、過剰量の低分子量グリコール、及び低融点重合体セグメント成分を、触媒の存在下、エステル交換反応せしめ、得られる反応生成物を重縮合する方法
(ii)ジカルボン酸と過剰量のグリコール及び低融点重合体セグメント成分を、触媒の存在下、エステル化反応せしめ、得られる反応生成物を重縮合する方法
(iii)予め高融点結晶性セグメントを作っておき、これに低融点セグメント成分を添加してエステル交換反応によりランダム化せしめる方法
(iv)高融点結晶性セグメントと低融点重合体セグメントを鎖連結剤でつなぐ方法
(v)ポリ(ε−カプロラクトン)を低融点重合体セグメントに用いる場合は、高融点結晶性セグメントにε−カプロラクトンモノマーを付加反応させる方法
【0058】
本発明のポリエステル系エラストマーは、ASTM D−2240に従って測定した硬度(ショアD硬度)が、通常10以上、好ましくは20以上、上限として50以下、特に40以下であることが推奨される。
【0059】
また、BS規格903に従って測定した反発弾性率は、通常40%以上、好ましくは50%以上、90%以下の高反発弾性率を示すものであることが好ましい。(c)成分の反発弾性率が少なすぎると、本発明の樹脂組成物の成形物自体の反発性が小さくなり、該成形物を具備したゴルフボールの飛び性能が低下する場合がある。
【0060】
更に、JIS規格K−7106に従って測定した曲げ剛性率が、通常5MPa以上、好ましくは10MPa以上、更に好ましくは15MPa以上、上限として250MPa以下、好ましくは200MPa以下、更に好ましくは150MPa以下と比較的低いものであることが好ましい。曲げ剛性率が高すぎると、本発明の樹脂組成物の成形物の剛性が高すぎて、該成形物を具備したゴルフボールの打感・耐久性が悪くなる場合がある。
【0061】
ポリアミド系エラストマーは、分子中にポリアミドからなるハードセグメントとポリエーテルからなるソフトセグメントとを併せ持つ熱可塑性エラストマーである。
【0062】
熱可塑性ポリアミド系エラストマーの具体例としては、たとえばダイセルヒュルス社からダイアミド−PAEの商品名で市販されているものがある。
【0063】
熱可塑性ポリウレタン材料の構造は、高分子ポリオール(ポリメリックグリコール)からなるソフトセグメントと、ハードセグメントを構成する鎖延長剤およびジイソシアネートからなる。ここで、原料となる高分子ポリオールとしては、従来から熱可塑性ポリウレタン材料に関する技術において使用されるものはいずれも使用でき、特に制限されるものではないが、ポリエステル系とポリエーテル系があり、反発弾性率が高く、低温特性に優れた熱可塑性ポリウレタン材料を合成できる点で、ポリエーテル系の方がポリエステル系に比べて好ましい。ポリエーテルポリオールとしてはポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられるが、反発弾性率と低温特性の点でポリテトラメチレングリコールが特に好ましい。また、高分子ポリオールの平均分子量は1000〜5000であることが好ましく、特に反発弾性の高い熱可塑性ポリウレタン材料を合成するためには2000〜4000であることが好ましい。
【0064】
鎖延長剤としては、従来の熱可塑性ポリウレタン材料に関する技術において使用されるものを好適に用いることができ、例えば1,4−ブチレングリコール、1,2−エチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これら鎖延長剤の平均分子量は20〜15000であることが好ましい。
【0065】
ジイソシアネートとしては、従来の熱可塑性ポリウレタン材料に関する技術において使用されるものを好適に用いることができ、例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ただし、イソシアネート種によっては射出成形中の架橋反応をコントロールすることが困難なものがある。本発明では、後述するイソシアネート混合物(B)との反応性の安定性から、芳香族ジイソシアネートである4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが最も好ましい。
【0066】
本発明において最も好ましい熱可塑性ポリウレタン材料は、ポリエーテルポリオールと芳香族ジイソシアネートを用いて合成される熱可塑性ポリウレタン材料であって、上記ポリエーテルポリオールが平均分子量2000以上のポリテトラメチレングリコール、上記芳香族ジイソシアネートが4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのものである。
【0067】
上述した材料からなる熱可塑性ポリウレタン材料としては、市販品を好適に用いることができ、例えばディーアイシーバイエルポリマー(株)製パンデックスT−8290、T−8295、T−8260や、大日精化工業(株)製レザミン2593、2597などが挙げられる。
【0068】
アイオノマー樹脂としては、ゴルフボールのカバー材として従来から用いられているいずれのものも使用できるが、(1)オレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸2元ランダム共重合体の、金属イオン中和物と、(2)オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元ランダム共重合体の、金属イオン中和物とを含むアイオノマー樹脂であることが好ましい。
【0069】
(1)成分、又は(2)成分におけるオレフィンとしては、α−オレフィンが好適に用いられる。α−オレフィンの具体例としては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテンなどが挙げられ、この中でも、特にエチレンが好ましい。また、これらオレフィンを複数種組み合わせて使用しても良い。
【0070】
(1)成分、又は(2)成分における不飽和カルボン酸としては、炭素原子数3〜8のα,β−不飽和カルボン酸が好適に用いられる。炭素原子数3〜8のα,β−不飽和カルボン酸の具体例としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などが挙げられ、この中でもアクリル酸、メタクリル酸が好ましく使用される。また、これら不飽和カルボン酸を複数種組み合わせて使用しても良い。
【0071】
(2)成分における不飽和カルボン酸エステルとしては、上述した不飽和カルボン酸の低級アルキルエステルが好適であり、例えば、上記不飽和カルボン酸にメタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等の低級アルコールを反応させて得たものが挙げられる。特にアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルが好ましい。
【0072】
(2)成分における不飽和カルボン酸エステルとして、より具体的には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル等を挙げることができ、特にアクリル酸ブチル(n−アクリル酸ブチル、i−アクリル酸ブチル)が好適に用いられる。これら不飽和カルボン酸エステルは、複数種組み合わせて用いることもできる。
【0073】
上記オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体や、オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体を製造する際には、更に任意のモノマーを、本発明の目的を損なわない範囲で共重合させても良い。
【0074】
これら共重合体中の不飽和カルボン酸の含有量としては、上記(1)成分の場合には5〜20質量%、上記(2)成分の場合には1〜10質量%であることが好ましい。不飽和カルボン酸含有量が少なすぎると、剛性・反発性が小さくなり、ゴルフボールの飛び性能が低下する場合がある。不飽和カルボン酸含有量が多すぎると、柔軟性が不十分となる場合がある。
【0075】
また、(2)成分中の不飽和カルボン酸エステルの含有量としては、12〜45質量%であることが好ましい。不飽和カルボン酸エステル含有量が少なすぎると、軟質化の効果が得られない場合があり、不飽和カルボン酸エステル含有量が多すぎると、反発性が低下する場合がある。
【0076】
上記(1)成分と、上記(2)成分とを配合して用いる場合、その配合量は質量比で(1)/(2)=100/0〜25/75であることが好ましく、100/0〜50/50であることがより好ましい。(2)成分の配合量が多すぎると、反発性が不十分となる場合がある。
【0077】
本発明における(C)アイオノマー樹脂は、上記の共重合体を1〜3価の金属イオンの少なくとも1種で中和して得られるものが好ましく用いられる。中和に適した1〜3価の金属イオンとしては、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、第1鉄、第2鉄などのイオンを挙げることができる。
【0078】
このような金属イオンの導入は、例えば上記の共重合体と、上記1〜3価の金属の水酸化物、メトキシド、エトキシド、炭酸塩、硝酸塩、ギ酸塩、酢酸塩及び酸化物等とを反応させることによって達成される。
【0079】
上記共重合体中に含まれるカルボン酸の中和量としては、共重合体中のカルボン酸基の少なくとも10モル%以上、特に30モル%以上で、100モル%以下、特に90モル%以下が金属イオンによって中和されていることが好ましい。中和量が少ないと、低反発性となる場合がある。
【0080】
反発性を向上させる観点から、一価金属のアイオノマーと二価金属のアイオノマーとを混合して用いることも好適に行われる。この際の前者と後者との質量比は20/80〜80/20となるように混合して用いることが好ましい。
【0081】
また、1価、2価、又は3価の異なる金属イオン種を含むアイオノマー樹脂をそれぞれ適当量ブレンドすることにより、アイオノマー樹脂を主成分として形成される層の反発性と耐久性のバランスが取れることは公知であり、本発明においてもその様な配合にてブレンドすることが好ましい。
【0082】
本発明に使用するアイオノマー樹脂としては、市販品を用いてもよく、例えば、米国デュポン社製「サーリン(Surlyn)」や、三井・デュポンポリケミカル社製「ハイミラン(HIMILAN)」等が挙げられる。
【0083】
本発明において、(A)成分としてアイオノマー樹脂が好ましく用いられる。また、アイオノマー樹脂と前述した熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーを混合して用いることもできる。
【0084】
(B)ポリアセタール
添加するポリアセタールとしては、(1)ホモポリマー、(2)コポリマーが使用できるが、中でも熱安定性に優れるコポリマータイプが好ましい。ホモポリマーはホルマリン(ホルムアルデヒド水溶液)、無水ホルムアルデヒドガス、トリオキサンなどのモノマーが使用されることが知られており、コポリマーはトリオキサンとコモノマー(エチレンオキサイド、1,3−ジオキソラン、1,4−ブタンジオールホルマール、ジエチレングリコールホルマールなど)が使用されることが知られている。
【0085】
(1)ホモポリマーとしては
α−O−(CH2O)n−ω
のような構造で表され、α末端ω末端はCH3CO−またはCH3−である。
(2)コポリマーとしては
α−O−[(CH2O)−ran−(CH2CH2O)]−ω
α−O−[(CH2O)−ran−(CH2CH2CH2CH2O)]−ω
α−O−[(CH2O)−ran−(CH2CH2OCH2CH2O)]−ω
のような構造で表されα末端、ω末端はCH3−,CH3CH2CH2CH2−,HCO−,HOCH2CH2−,HOCH2CH2CH2CH2−などである。
【0086】
上述した材料からなるポリアセタール材料としては、市販品を好適に用いることができ、ポリアセタールホモポリマーとしては、例えばテナック5050,テナック7010(いずれも旭化成ケミカルズ社製),デルリン500P(デュポン社製),ポリアセタールコポリマーとしては,例えば、アミラスS731,アミラスS761(いずれも東レ社製),ジュラコンM140S(ポリプラスチック社製),テナック7520(旭化成ケミカルズ社製)等が挙げられる。
【0087】
上記の(A)成分と(B)成分との配合割合については、質量比で99:1〜50:50であることが好ましく、更に好ましくは99:1〜80:20、特に95:5〜85:15であることが好適である。(B)成分が少な過ぎると、本発明の効果が十分に発現されないおそれがある。逆に、(B)成分が多過ぎると、混練またはゴルフボールカバーへの成型が困難になるおそれがある。また、上記(A)成分,(B)成分以外のポリマー成分が配合された場合、(B)成分は、樹脂全量に対して1〜20質量%の範囲に調整されることが好ましい。
【0088】
カバーは、上記(A)(B)成分を主成分とするものであり、通常カバー樹脂材料に対して50質量%以上、好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上である。上記カバー材中には、必要に応じて、染料、二酸化チタン・酸化亜鉛・硫酸バリウム等の顔料、UV吸収剤、酸化防止剤、分散助剤等を配合することができる。分散助剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、金属せっけん、脂肪酸エステル、脂肪酸アミドなどが挙げられ、カバー材組成物全体の0.2質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、上限として10.0質量%以下、好ましくは5質量%以下とすることができる。
【0089】
カバーの形成方法については、公知の射出成形法等の常法により行なうことができる。例えば、コアを所定の射出成形用金型内に配備し、カバー材を射出成形することによりゴルフボールを得ることができ、カバーが中間層・最外層を有する2層以上の場合は、上記の射出成形と同様な方法を2回以上行うことによりコアに2層以上のカバーを形成することができる。また、上記に代えて、予め半殻球状に成形した2枚のハーフカップでコアや中間層を包み加熱加圧成形することによりカバーを被覆することができる。
【0090】
また、本発明において、水銀ランプを24時間照射した場合のボールの色差ΔEが2.00以下であることが好適であり、より好ましくは1.85以下である。この色差ΔEは、ボールに照射する前と24時間照射した後の色差であり、値小さいほど変色が少ないことを示すものである。逆に言えば、ボールの色差ΔEが2.00を超えると、ボール表面が褐色になる度合いが大きくなり、即ち、変色度合いが大きくなり、外観が損なうこととなる。なお、上記に言う「水銀ランプ」としては、例えば、株式会社東芝製の褪色試験用水銀ランプ「H400−F」を用いることができる。ボールの色差ΔEの測定については、公知の色差計を用い、JIS Z 8701の基準に基づいて行うことができる。
【0091】
本発明のゴルフボールは、ゴルフ規則に従った直径および重量に形成されることが好ましく、通常、直径42.67mm以上、重量45.93g以下に形成されるが、直径は42.67〜42.9mmであることが好ましい。また、980N(100kg)荷重時のボールの変形量としては2.0〜4.0mm、好ましくは2.2〜3.8mm、特に好ましくは2.5〜3.5mmであることが適当である。
【実施例】
【0092】
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0093】
[実施例1,比較例1]
下記表1に示したコア材料をそれぞれ混練した後、155℃で15分間加硫成形することにより、直径35.3mmのソリッドコアを得た。
【0094】
【表1】


【0095】
なお、表1中のコア材料の詳細は下記のとおりである。
BR01 ※1
ブタジエンゴム JSR社製、商品名BR01
BR51 ※2
ブタジエンゴム JSR社製、商品名BR51
IR ※3
イソプレンゴム JSR社製、商品名IR2200
過酸化物(1) ※4
ジクミルパーオキサイド 商品名パークミルD(日本油脂製)
過酸化物(2) ※5
1,1ビス(t−ブチルパーキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
商品名パーヘキサ3M−40(日本油脂製)
老化防止剤 ※6
2,2−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)
商品名 ノクラックNS−6(大内新興化学工業社製)
【0096】
次に、下表2に示した各原料(単位:質量部)をスクリュー式二軸押出機により混練温度190℃〜220℃で混練りし、中間層材、カバー材を得た。射出成形用金型内に上記コアを配し、このコアの周囲に上記中間層材を射出成形した。更に、得られた球体の周囲にカバー材を射出成形することにより、外表面に多数のディンプルが形成されたカバーを形成し、その後、カバー表面に無黄変ウレタン樹脂系塗料を塗布し乾燥させて実施例1、比較例1のスリーピースソリッドゴルフボールを得た。
【0097】
【表2】


【0098】
表2中の材料は下記のとおりである。
「ハイトレル4047」東レ・デュポン社製 熱可塑性ポリエステルエラストマー
「ハイミラン1605」三井デュポンポリケミカル社製 Naイオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂
「ハイミラン1706」三井デュポンポリケミカル社製 Znイオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂
「AM7317」三井デュポンポリケミカル社製 Znイオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂
「AM7318」三井デュポンポリケミカル社製 Naイオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂
「アラミスS731」東レ社製、コポリマータイプのポリアセタール樹脂
ステアリン酸マグネシウム・・・日本油脂社製
酸化チタン・・・「タイペークR550」石原産業社製
【0099】
表2中に記載されたゴルフボールの評価試験の詳細は以下のとおりである。
【0100】
たわみ量(mm)
球状物体に対して初期荷重98N(10kgf)を負荷した状態から終荷重1275N(130kgf)を負荷したときまでの変形量(mm)
【0101】
カバー樹脂硬度
ASTM D−2240に準じて測定したショアD硬度
【0102】
繰り返し打撃耐久性
打撃ロボットにW#1をつけてヘッドスピード45m/sにて繰り返し打撃した。クラブはブリヂストン社製「Tour Stage X-Drive Type 350」(ロフト10°)を使用した。ボールに割れが生じ始めた回数を表示した。実打初速をモニターし、初期10回平均の実打初速より3%以上初速が低下した回数を割れが発生した回数とした。ボールを6個用いてその平均値を表示した。
【0103】
耐擦過傷性
ブリヂストン社製「X-WEDGE 03」(ロフト52°)ノンメッキを打撃ロボットにセットし、フェイスをスクエアから約30°開き、HS33m/sにて打撃し、その表面状態を目視による次の評価基準で評価した。
ハンディーキャップ10以内の3名のゴルファーによる評価平均点数を使用した。
5点 ボール表面が全く変化しないか、又はクラブフェース跡がわずかに残る程度
4点 クラブフェース跡がかなり残るが、カバー表面の毛羽立ちはない。
3点 表面が毛羽立ち、ささくれが目立つ。
2点 表面が毛羽立ち、亀裂がある。
1点 ディンプルが削り取られている。
【0104】
水銀灯の詳細
株式会社東芝製の褪色試験用水銀ランプ「H400−F」を用いて、光源とボールの距離30cm、ドラム回転数1rpmの条件で試験した。ボール表面を水銀ランプで24時間照射した。照射前後でのボール表面の色の変化をスガ試験機株式会社製の色差計(形式MSC−IS−2DH:)を用いて測定し、JIS Z 8701のLab表色に基づき、照射前と照射後のボールの色差ΔEを求めた。なお、色差ΔEが小さいほど変色が少ないことを示す。




 

 


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