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発明の名称 ゴルフクラブヘッド
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−54199(P2007−54199A)
公開日 平成19年3月8日(2007.3.8)
出願番号 特願2005−241753(P2005−241753)
出願日 平成17年8月23日(2005.8.23)
代理人 【識別番号】100081282
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 俊輔
発明者 舘野 充巨 / 松永 英夫
要約 課題
打球の打ち出し角が大きく、飛距離が増大する中空ゴルフクラブヘッドを提供する。

解決手段
ゴルフクラブヘッドのヘッド体積を100〜250cm、ヘッド質量を195〜250gとする。また、クラウン部14の周縁部に全周にわたるクラウン厚肉部14a、14bを形成し、このクラウン厚肉部の内側にクラウン薄肉部14cを設ける。さらに、サイド部16に、ヒール側サイド薄肉部、トウ側サイド薄肉部を形成し、両薄肉部以外の部分にサイド厚肉部を設ける。
特許請求の範囲
【請求項1】
フェース部、クラウン部、ソール部、サイド部およびホゼル部を備えた中空ゴルフクラブヘッドにおいて、ヘッド体積が100〜250cm、ヘッド質量が195〜250gであり、前記クラウン部は、周縁部に全周にわたるクラウン厚肉部を有するとともに、前記クラウン厚肉部の内側に該クラウン厚肉部よりも厚みの薄いクラウン薄肉部を有し、前記サイド部は、ヒール側にヒール側サイド薄肉部、トウ側にトウ側サイド薄肉部を有するとともに、前記ヒール側サイド薄肉部および前記トウ側サイド薄肉部以外の部分にこれら両薄肉部よりも厚みの厚いサイド厚肉部を有することを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記クラウン厚肉部の厚みは0.65〜5.0mm、前記クラウン薄肉部の厚みは0.1〜0.65mmであることを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記ヒール側サイド薄肉部の厚みは0.1〜0.65mm、前記トウ側サイド薄肉部の厚みは0.1〜0.65mm、前記サイド厚肉部の厚みは0.65〜5.0mmであることを特徴とする請求項1または2に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記ソール部は、フェース側にフェース側ソール厚肉部を有し、前記フェース側ソール厚肉部のバック側端部に隣接して該フェース側ソール厚肉部よりも厚みの薄いソール薄肉部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記フェース側ソール厚肉部の厚みは0.7〜10.0mmであることを特徴とする請求項4に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記ソール部は、バック側にバック側ソール厚肉部を有し、前記バック側ソール厚肉部のフェース側端部に隣接して該バック側ソール厚肉部よりも厚みの薄いソール薄肉部を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
前記バック側ソール厚肉部の厚みは0.7〜10.0mmであることを特徴とする請求項6に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
前記サイド部は、前記サイド厚肉部のバック側に厚みが該サイド厚肉部の他の部分よりも厚いサイド加重厚肉部を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
前記サイド加重厚肉部の厚みは0.65〜10.0mmであることを特徴とする請求項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
前記ソール部に、該ソール部の材料とは比重の異なる材料からなる単数または複数のネジが取り付けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
前記サイド部に、該サイド部の材料とは比重の異なる材料からなる単数または複数のネジが取り付けられていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
1つのネジの質量は0.5〜50gであることを特徴とする請求項10または11に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
前記ソール部は前記クラウン部よりも剛性が高いことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
前記クラウン部およびサイド部は鋳造法で作製されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
前記フェース部は、中心部に最大厚みを有する領域を有し、前記最大厚みを有する領域の外側に厚みが漸次薄くなる傾斜部を有することを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
ヘッド本体にフェース部材をプラズマ溶接で固着することにより作製されていることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッド。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、打球の打ち出し角が大きく、飛距離が増大する中空ゴルフクラブヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、打撃時にフェース部のみならずクラウン部にも弾性変形を生じさせることにより、打球の打ち出し角を大きくして、飛距離の増大を図った中空ゴルフクラブヘッドが提案されている。このようなゴルフクラブヘッドとして、例えば特許文献1〜4に記載されたものがある。
【0003】
特許文献1のゴルフクラブヘッドは、 フェース部、ソール部、サイド部、クラウン部およびホゼル部を有する金属製の中空ゴルフクラブヘッドにおいて、クラウン部の少なくとも主要部とフェース部とが一体となった鋳造品よりなるフロントパーツと、このフロントパーツ以外の部分が一体となったバックパーツとからなり、上記フロントパーツとバックパーツとが接合されたものである。
【0004】
特許文献2のゴルフクラブヘッドは、 少なくともフェース部、ソール部、サイド部およびクラウン部を有する金属製の中空ゴルフクラブヘッドにおいて、クラウン部を構成する金属材料が最も縦弾性率が低いものである。
【0005】
特許文献3のゴルフクラブヘッドは、 フェース部、ソール部、トウ側サイド部、ヒール側サイド部、バック側サイド部、クラウン部およびホゼル部を有する金属製の中空ゴルフクラブヘッドにおいて、クラウン部に、トウ側サイド部からヒール側サイド部に向かって複数本の溝が設けられているものである。
【0006】
特許文献4のゴルフクラブヘッドは、ボールを打球するフェース面を有するフェース部と、このフェース部の背面に連なりヘッド後方にのびるヘッド本体部とを有し、かつ、ヘッド本体部は、ヘッド上部、ヘッド底部およびヘッド側部をそれぞれ形成するクラウン部、ソール部およびサイド部を含む中空構造のゴルフクラブヘッドであって、上記クラウン部は、上記背面からクラウン奥行き長さLcの0.15倍の距離を隔てる位置までの前方領域をなすクラウン前部と、上記背面からクラウン奥行き長さLcの0.30倍以上かつ1.0倍の後方領域をなすクラウン後部とを含み、かつ、クラウン前部はクラウン後部よりも小さい剛性を有するものである。
【0007】
【特許文献1】特開2003−52866号公報
【特許文献2】特開2003−79768号公報
【特許文献3】特開2003−88601号公報
【特許文献4】特開2005−137788号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1〜4のゴルフクラブヘッドは、打ち出し角の増大の点でさらなる改良の余地を有するものであった。
【0009】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたもので、特許文献1〜4に記載された従来の中空ゴルフクラブヘッドに比べて打球の打ち出し角が大きく、飛距離がより増大する中空ゴルフクラブヘッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、打球の打ち出し角を大きくして飛距離を増大させるためには、ゴルフクラブヘッドの構成部分の厚みを部分的に薄くしたり厚くしたりすることにより、重心位置を最適な位置に設計するとともに、クラウン部を低剛性、ソール部を高剛性にすること、さらにはサイド部を低剛性にすることが有効であることを見出した。
【0011】
本発明は、上述した知見に基づいてなされたもので、フェース部、クラウン部、ソール部、サイド部およびホゼル部を備えた中空ゴルフクラブヘッドにおいて、ヘッド体積が100〜250cm、ヘッド質量が195〜250gであり、前記クラウン部は、周縁部に全周にわたるクラウン厚肉部を有するとともに、前記クラウン厚肉部の内側に該クラウン厚肉部よりも厚みの薄いクラウン薄肉部を有し、前記サイド部は、ヒール側にヒール側サイド薄肉部、トウ側にトウ側サイド薄肉部を有するとともに、前記ヒール側サイド薄肉部および前記トウ側サイド薄肉部以外の部分にこれら両薄肉部よりも厚みの厚いサイド厚肉部を有することを特徴とするゴルフクラブヘッドを提供する。
【0012】
以下、本発明につきさらに詳しく説明する。本発明において、ゴルフクラブヘッドのソール部とは、フェース部の下部から後方に延びてヘッドの底部を形成する部分をいい、ゴルフクラブヘッドのクラウン部とは、フェース部の上部から後方に延びてヘッドの上部を形成する部分をいい、ゴルフクラブヘッドのサイド部とは、フェース部の上部と下部との間から後方に延びてヘッドの側部を形成する部分をいう。上記サイド部には、トウ側サイド部、ヒール側サイド部およびバック側サイド部が含まれる。
【0013】
本発明において、クラウン厚肉部の厚みは0.65〜5.0mm、特に0.7〜2.0mm、クラウン薄肉部の厚みは0.1〜0.65mm、特に0.3〜0.6mm、ヒール側サイド薄肉部の厚みは0.1〜0.65mm、特に0.3〜0.6mm、トウ側サイド薄肉部の厚みは0.1〜0.65mm、特に0.3〜0.6mm、サイド厚肉部の厚みは0.65〜5.0mm、特に0.7〜2.0mmとすることが好ましい。上記各部の厚みが上記範囲を外れる場合は、十分な打球の打ち出し角が得られないことがある。
【0014】
また、クラウン厚肉部のフェース−バック方向距離はクラウン部のフェース−バック方向距離の4〜30%、クラウン薄肉部のフェース−バック方向距離はクラウン部のフェース−バック方向距離の40〜92%、ヒール側サイド薄肉部のフェース−バック方向距離はクラウン部のフェース−バック方向距離の4〜92%、トウ側サイド薄肉部のフェース−バック方向距離はクラウン部のフェース−バック方向距離の4〜92%とすることが適当である。上記各部の距離が上記範囲を外れる場合は、十分な打球の打ち出し角が得られないことがある。
【0015】
本発明のゴルフクラブヘッドにおいて、ソール部は、より大きい打球の打ち出し角を得る点で、フェース側にフェース側ソール厚肉部を有し、このフェース側ソール厚肉部のバック側端部に隣接してフェース側ソール厚肉部よりも厚みの薄いソール薄肉部を有することが好ましい。
【0016】
また、本発明のゴルフクラブヘッドにおいて、ソール部は、より低重心、深重心とし、より大きい打球の打ち出し角を得る点で、バック側にバック側ソール厚肉部を有し、このバック側ソール厚肉部のフェース側端部に隣接してバック側ソール厚肉部よりも厚みの薄いソール薄肉部を有することが好ましい。
【0017】
上記フェース側ソール厚肉部の厚みは0.7〜10.0mm、特に1.0〜5.0mm、上記バック側ソール厚肉部の厚みは0.7〜10.0mm、特に1.0〜5.0mm、上記ソール薄肉部の厚みは0.3〜2.0mm、特に0.5〜1.5mmとすることが好ましい。
【0018】
また、フェース側ソール厚肉部のフェース−バック方向距離はソール部のフェース−バック方向距離の4〜30%、バック側ソール厚肉部のフェース−バック方向距離はソール部のフェース−バック方向距離の4〜66%、ソール薄肉部のフェース−バック方向距離はソール部のフェース−バック方向距離の4〜92%とすることが適当である。
【0019】
本発明のゴルフクラブヘッドにおいて、サイド部は、サイド厚肉部のバック側に厚みがサイド厚肉部の他の部分よりも厚いサイド加重厚肉部を有することが好ましい。これにより、重心位置をさらに最適な位置に設計することができる。
【0020】
上記サイド加重厚肉部の厚みは0.7〜10.0mm、特に1.0〜5.0mmとすることが好ましい。また、サイド加重厚肉部のヒール−トウ方向距離はクラウン部のヒール−トウ方向距離の3〜80%とすることが適当である。
【0021】
本発明では、ソール部の適宜位置に、ソール部の材料とは比重の異なる材料からなる単数または複数のネジを取り付けることができる。また、本発明では、サイド部の適宜位置に、サイド部の材料とは比重の異なる材料からなる単数または複数のネジを取り付けることができる。上記のようにネジを用いると、重心位置をさらに最適な位置に設計することができる。この場合、1つのネジの質量は0.5〜50gとすることが好ましい。
【0022】
本発明のゴルフクラブは、より大きい打球の打ち出し角を得る点で、ソール部の剛性をクラウン部の剛性より高くすることが好ましい。具体的には、ソール部の剛性とクラウン部の剛性との比を1:0.1〜0.8、特に0.2〜0.6とすることが適当である。
【0023】
この場合、剛性とは、下記式(x)により求められる値をいう。
【0024】
剛性(単位:MPa・mm)=E×I …(x)
E:ヤング率(単位:MPa)
I:断面2次モーメント(単位:mm
ヤング率Eはゴルフクラブヘッドの構成部分の材料に依存し、断面2次モーメントIはゴルフクラブヘッドの構成部分の厚みに依存する。構成部分の厚みが同じであれば、剛性の比はヤング率Eの大きさの比で決定される。構成部分の材料が同じであれば、剛性の比は厚みの比の3乗の値で決定される。
【0025】
また、本発明のゴルフクラブは、より大きい打球の打ち出し角を得る点で、ソール部の剛性をサイド部の剛性より高くすることが好ましい。具体的には、ソール部の剛性とサイド部の剛性との比を1:0.1〜0.8、特に0.2〜0.6とすることが適当である。
【0026】
本発明のゴルフクラブヘッドの製造方法に限定はないが、例えば、ヘッド本体のフェース開口部をフェース部材で閉塞することによって製造することができる。この場合、ヘッド本体の材質や成形方法に限定はないが、材質としてはチタン、チタン合金、ステンレス鋼、アモルファス等を使用することができ、成形方法としては鋳造法を用いることができる。本発明では、ヘッド本体のクラウン部およびサイド部は厚肉部および薄肉部を有する複雑な形状であるため、少なくともクラウン部およびサイド部は鋳造法で作製することが好ましい。また、ソール部に厚肉部および薄肉部を設ける場合は、ソール部も鋳造法で作製することが好ましい。フェース部材の材質や成形方法も特に限定されないが、材質としてはチタン、チタン合金、ステンレス鋼、アモルファス等を使用することができ、成形方法としては鍛造法、板材をプレス加工するプレスフォーミング法またはダイキャスト法が適当である。本発明において、フェース部材としては、中心部に最大厚みを有する領域を有し、この最大厚みを有する領域の外側に厚みが漸次薄くなる傾斜部を有するものを好適に用いることができる。
【0027】
また、ヘッド本体とフェース部材との接合方法に限定はないが、接合箇所をきれいに仕上げる点、ゴルフクラブヘッドの重量精度を高める点などで、プラズマ溶接、レーザ溶接または電子ビーム溶接により接合すること、特にプラズマ溶接が好適である。この場合、プラズマ溶接としては、プラズマアークによる高温エネルギーで被溶接材料を溶解して再凝固させ、溶接を行う公知のプラズマ溶接を使用することができる。レーザ溶接としては、COレーザ、COレーザ等の気体レーザや、YAGレーザ等の固体レーザを用いた公知のレーザ溶接を使用することができる。電子ビーム溶接としては、適宜出力の電子ビームを用いた公知の電子ビーム溶接を使用することができる。
【0028】
本発明のゴルフクラブヘッドは、ヘッド体積を100〜250cm、ヘッド質量を195〜250gに形成する。本発明のゴルフクラブヘッドは、主にフェアウエイウッド用のゴルフクラブヘッドとして使用される。
【発明の効果】
【0029】
本発明の中空ゴルフクラブヘッドは、打球の打ち出し角が大きく、飛距離が増大するものである。
【0030】
[実験例]
ここで、上述した本発明の効果を実証する実験例を示す。図1はゴルフクラブヘッド全体の剛性(ボディ剛性)、クラウン部の剛性(クラウン剛性)、ソール部の剛性(ソール剛性)をそれぞれ変化させた場合における打球の打ち出し角およびバックスピン量の変化を示すグラフである。図1において、試料記号1aはボディ剛性をノーマルの10倍にしたもの、1bはボディ剛性をノーマル(1倍)にしたもの、1cはボディ剛性をノーマルの0.5倍にしたもの、1dはボディ剛性をノーマルの0.1倍にしたもの、2aはクラウン剛性をノーマルの10倍にしたもの、2bはクラウン剛性をノーマル(1倍)にしたもの、2cはクラウン剛性をノーマルの0.5倍にしたもの、2dはクラウン剛性をノーマルの0.1倍にしたもの、3aはソール剛性をノーマルの10倍にしたもの、3bはソール剛性をノーマル(1倍)にしたもの、3cはソール剛性をノーマルの0.5倍にしたもの、3dはソール剛性をノーマルの0.1倍にしたもの、4はクラウン剛性をノーマルの0.5倍にし、ソール剛性をノーマルの10倍にしたもの、5はクラウン剛性をノーマルの10倍にし、ソール剛性をノーマルの0.5倍にしたものを示す。図1の結果より、クラウン部の剛性を低くし、ソール部の剛性を高くした場合は、打球の打ち出し角が大きくなることがわかる。
【0031】
図2はボディ剛性、クラウン剛性、ソール剛性をそれぞれ変化させた場合における打球の初速度の変化を示すグラフであリ、打球の打ち出し角を大きくする本発明との比較のためのグラフである。図2において、試料記号1a〜1d、2a〜2d、3a〜3d、4、5はそれぞれ前記と同じものを示す。図2の結果より、クラウン部およびソール部の両方の剛性を低くした場合は、ボール初速度が大きくなることがわかる。
【0032】
図3はゴルフクラブヘッドのクラウン部の剛性を部分的に変化させるとともに、サイド部の剛性を小さくした場合における打球の打ち出し角の変化を示すグラフである。図3における試料記号は、下記表1に記載した試料を示す。これらの試料は、図4に示すクラウン部の各領域(1)、(2)、(3)およびサイド部の剛性を表1のように設定したものである。図3の結果より、サイド部の剛性をある程度小さくした場合には、打球の打ち出し角を大きくする効果が得られること、一方、サイド部の剛性を小さくしすぎた場合には、打球の打ち出し角を大きくする効果は得られないことがわかる。
【0033】
【表1】


【0034】
図5はゴルフクラブヘッドのクラウン部の剛性を部分的に変化させるとともに、サイド部の剛性を小さくした場合における打球の初速度の変化を示すグラフである。図5における試料記号は、前記表1に記載した試料を示す。図5の結果より、上述した打ち出し角と同様に、サイド部の剛性をある程度小さくした場合には、打球の初速度を大きくする効果が得られること、一方、サイド部の剛性を小さくしすぎた場合には、打球の初速度を大きくする効果は得られないことがわかる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明するが、本発明は下記例に限定されるものではない。図6は本発明に係るゴルフクラブヘッドの一実施形態を示す縦断面図、図7は同ゴルフクラブヘッドの横断面図、図8は同ゴルフクラブヘッドのフェース部材の横断面図である。
【0036】
本例のゴルフクラブヘッド10は、ソール部12、クラウン部14、サイド部16およびホゼル部18を有するヘッド本体20のフェース開口部にフェース部材22をプラズマ溶接により固着したもので、ヘッド本体20の材質は6−4Ti(Ti−6Al−4V)、フェース部材22の材質は15−5ステンレススチール(15Cr−5Ni−3Cu−Nb−Fe)である。また、本例のゴルフクラブヘッド10は、ヘッド体積が140〜170cm程度、ヘッド質量が205〜225g程度のフェアウエイウッド用ゴルフクラブヘッドに形成されている。
【0037】
本例のゴルフクラブヘッド10において、クラウン部14は、周縁部に全周にわたるリング状のクラウン厚肉部14a、14bを有するとともに、上記クラウン厚肉部14a、14bの内側にクラウン厚肉部14a、14bよりも厚みの薄いクラウン薄肉部14cを有する。本例では、フェース側に存在するクラウン厚肉部をフェース側クラウン厚肉部14aといい、バック側に存在するクラウン厚肉部をバック側クラウン厚肉部14bという。
【0038】
サイド部16は、ヒール側にヒール側サイド薄肉部16a、トウ側にトウ側サイド薄肉部16b、上記ヒール側サイド薄肉部16aおよびトウ側サイド薄肉部16b以外の部分にこれら両薄肉部16a、16bよりも厚みの厚いサイド厚肉部16cを有する。また、サイド厚肉部16cのバック側には、厚みがサイド厚肉部16cの他の部分よりも厚いサイド加重厚肉部16dを有する。
【0039】
ソール部12は、フェース側にフェース側ソール厚肉部12a、バック側にバック側ソール厚肉部12b、上記フェース側ソール厚肉部12aおよびバック側ソール厚肉部12b以外の部分にこれら両厚肉部12a、12bよりも厚みの薄いソール薄肉部12cを有する。
【0040】
本例のゴルフクラブヘッド10において、フェース側クラウン厚肉部14aの厚みは0.8mm、バック側クラウン厚肉部14bの厚みは0.8mm、クラウン薄肉部14cの厚みは0.55mm、ヒール側サイド薄肉部16aの厚みは0.55mm、トウ側サイド薄肉部16bの厚みは0.55mm、サイド厚肉部16cの厚みは0.7mm、サイド加重厚肉部16dの厚みは2.0mm、フェース側ソール厚肉部12aの厚みは1.2mm、バック側ソール厚肉部12bの厚みは2.0mm、ソール薄肉部12cの厚みは1.0mmである。
【0041】
また、フェース側クラウン厚肉部14aのフェース−バック方向距離Aはクラウン部14のフェース−バック方向距離Bの10%、バック側クラウン厚肉部14bのフェース−バック方向距離Cはクラウン部14のフェース−バック方向距離Bの8%、クラウン薄肉部14cのフェース−バック方向距離Dはクラウン部14のフェース−バック方向距離Bの82%、ヒール側サイド薄肉部16aのフェース−バック方向距離Eはクラウン部のフェース−バック方向距離Bの28%、トウ側サイド薄肉部16bのフェース−バック方向距離Fはクラウン部14のフェース−バック方向距離Bの48%、サイド加重厚肉部16dのヒール−トウ方向距離Gはクラウン部14のヒール−トウ方向距離Hの70%、フェース側ソール厚肉部12aのフェース−バック方向距離Iはソール部12のフェース−バック方向距離Jの18%、バック側ソール厚肉部12bのフェース−バック方向距離Kはソール部12のフェース−バック方向距離Jの45%、ソール薄肉部12cのフェース−バック方向距離Lはソール部のフェース−バック方向距離Jの27〜37%である。
【0042】
また、本例のゴルフクラブヘッド10のフェース部材22は、図8に示すように、中心部に最大厚み(2.7mm)を有する正面視楕円形の領域22aが存在し、この領域22aの外側に厚みが漸次薄くなる正面視楕円形の傾斜部22bが存在し、この傾斜部22bの外側に最小厚さ(約1.9mm)を有する領域22cが存在するものである。
【0043】
本例のゴルフクラブヘッド10において、ソール部12の剛性とクラウン部14の剛性との比は1:0.4、ソール部12の剛性とサイド部16の剛性との比は1:0.4である。
【0044】
なお、本例のゴルフクラブヘッド10は、ソール部12あるいはサイド部16の適宜位置に、ソール部12あるいはサイド部16の材料とは比重の異なる材料(例えばタングステン)からなる単数または複数のネジを取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】ゴルフクラブヘッドのボディ剛性、クラウン剛性、ソール剛性をそれぞれ変化させた場合における打球の打ち出し角およびバックスピン量の変化を示すグラフである。
【図2】ゴルフクラブヘッドのボディ剛性、クラウン剛性、ソール剛性をそれぞれ変化させた場合における打球の初速度の変化を示すグラフである。
【図3】ゴルフクラブヘッドのクラウン部の剛性を部分的に変化させるとともに、サイド部の剛性を小さくした場合における打球の打ち出し角の変化を示すグラフである。
【図4】クラウン部の各領域を示す図である。
【図5】ゴルフクラブヘッドのクラウン部の剛性を部分的に変化させるとともに、サイド部の剛性を小さくした場合における打球の初速度の変化を示すグラフである。
【図6】本発明に係るゴルフクラブヘッドの一実施形態を示す縦断面図である。
【図7】同ゴルフクラブヘッドの横断面図である。
【図8】同ゴルフクラブヘッドのフェース部材の横断面図である。
【符号の説明】
【0046】
10 ゴルフクラブヘッド
12 ソール部
12a フェース側ソール厚肉部
12b バック側ソール厚肉部
12c ソール薄肉部
14 クラウン部
14a フェース側クラウン厚肉部
14b バック側クラウン厚肉部
14c クラウン薄肉部
16 サイド部
16a ヒール側サイド薄肉部
16b トウ側サイド薄肉部
16c サイド厚肉部
16d サイド加重厚肉部
18 ホゼル部
20 ヘッド本体
22 フェース部材




 

 


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