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発明の名称 溶解装置及びそれによる溶解方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−236532(P2007−236532A)
公開日 平成19年9月20日(2007.9.20)
出願番号 特願2006−61214(P2006−61214)
出願日 平成18年3月7日(2006.3.7)
代理人 【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
発明者 江後 友道
要約 課題
透析用原液の追加生成をすべきか否かの判断を自動的且つ正確に行わせることができるとともに、当該透析用原液が不足する事態を避けつつ透析治療終了時点で大量の透析用原液が余ってしまうという不具合を回避することができる溶解装置及びそれによる溶解方法を提供する。

解決手段
透析用原液を得る溶解槽6と、透析用原液を一時的に収容する貯槽7と、該貯槽内に収容された透析用原液を透析装置4に供給する原液供給ラインL1とを具備した溶解装置において、複数の透析装置4のうち透析治療中のものにおける透析液の使用量に関するデータをリアルタイムで受信する受信手段9と、そのデータに基づき、透析用原液の使用予定量を演算する演算手段10と、当該使用予定量に基づき透析治療が全て終了する時刻までに貯槽7内の供給すべき透析用原液が不足するか否かを判定する判定手段11とを備えたものである。
特許請求の範囲
【請求項1】
所定量の透析用粉末薬剤及び水が投入され、当該透析用粉末薬剤を溶解及び攪拌して透析用原液を得る溶解槽と、
前記溶解槽で得られた透析用原液を一時的に収容する貯槽と、
該貯槽内に収容された透析用原液を、患者に透析治療を施すための複数の透析装置側に供給する原液供給ラインと、
を具備した溶解装置において、
前記複数の透析装置のうち透析治療中のものにおける透析液の使用量に関するデータをリアルタイムで受信する受信手段と、
該受信手段で受信したデータに基づき、当該受信手段によるデータの受信時点からの透析用原液の使用予定量を演算する演算手段と、
該演算手段で演算された透析用原液の使用予定量に基づき、前記透析装置による透析治療が全て終了する時刻までに前記貯槽内の供給すべき透析用原液が不足するか否かを判定する判定手段と、
を備えたことを特徴とする溶解装置。
【請求項2】
前記透析液の使用量に関するデータは、各透析装置と電気的に接続され、それらを一括管理する中央監視装置から送信されることを特徴とする請求項1記載の溶解装置。
【請求項3】
前記透析液の使用量に関するデータは、現在の透析装置の稼働台数、その日の患者の治療予定人数及び各人毎の治療予定時間、透析治療終了時刻、各透析装置の設定透析液流量を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の溶解装置。
【請求項4】
前記透析液の使用量に関するデータは、患者毎の過去のデータであって透析液の使用量に関するものを含むことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の溶解装置。
【請求項5】
前記判定手段により供給すべき透析用原液が不足すると判定されたことを条件として、前記溶解槽に所定量の透析用粉末薬剤及び水を自動的に投入して追加の透析用原液を得ることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1つに記載の溶解装置。
【請求項6】
前記判定手段により供給すべき透析用原液が不足すると判定されたことを条件として、前記溶解槽にて追加の透析用原液が必要である旨の所定の報知を行う報知手段を具備したことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1つに記載の溶解装置。
【請求項7】
前記溶解槽で追加の透析用原液を得るのに必要な時間を勘案したタイミングにて、前記溶解槽に所定量の透析用粉末薬剤及び水を自動的に投入、或いは報知手段による所定の報知を行うことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の溶解装置。
【請求項8】
所定量の透析用粉末薬剤及び水が投入され、当該透析用粉末薬剤を溶解及び攪拌して透析用原液を得る溶解槽と、
前記溶解槽で得られた透析用原液を一時的に収容する貯槽と、
該貯槽内に収容された透析用原液を、患者に透析治療を施すための複数の透析装置側に供給する原液供給ラインと、
を具備した溶解装置による溶解方法において、
前記複数の透析装置のうち透析治療中のものにおける透析液の使用量に関するデータをリアルタイムで受信する受信工程と、
該受信工程で受信したデータに基づき、当該受信手段によるデータの受信時点からの透析用原液の使用予定量を演算する演算工程と、
該演算工程で演算された透析用原液の使用予定量に基づき、前記透析装置による透析治療が全て終了する時刻までに前記貯槽内の供給すべき透析用原液が不足するか否かを判定する判定工程と、
を備えたことを特徴とする溶解装置による溶解方法。
【請求項9】
前記透析液の使用量に関するデータは、各透析装置と電気的に接続され、それらを一括管理する中央監視装置から送信されることを特徴とする請求項8記載の溶解装置による溶解方法。
【請求項10】
前記透析液の使用量に関するデータは、現在の透析装置の稼働台数、その日の患者の治療予定人数及び各人毎の治療予定時間、透析治療終了時刻、各透析装置の設定透析液流量を含むことを特徴とする請求項8又は請求項9記載の溶解装置による溶解方法。
【請求項11】
前記透析液の使用量に関するデータは、患者毎の過去のデータであって透析液の使用量に関するものを含むことを特徴とする請求項8〜請求項10の何れか1つに記載の溶解装置による溶解方法。
【請求項12】
前記判定工程により供給すべき透析用原液が不足すると判定されたことを条件として、前記溶解槽に所定量の透析用粉末薬剤及び水を自動的に投入して追加の透析用原液を得ることを特徴とする請求項8〜請求項11の何れか1つに記載の溶解装置による溶解方法。
【請求項13】
前記判定工程により供給すべき透析用原液が不足すると判定されたことを条件として、前記溶解槽にて追加の透析用原液が必要である旨の所定の報知を行うことを特徴とする請求項8〜請求項12の何れか1つに記載の溶解装置による溶解方法。
【請求項14】
前記溶解槽で追加の透析用原液を得るのに必要な時間を勘案したタイミングにて、前記溶解槽に所定量の透析用粉末薬剤及び水を自動的に投入、或いは所定の報知を行うことを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の溶解装置による溶解方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、透析用粉末薬剤を所定濃度に溶解して透析用原液を得るための溶解装置及びそれによる溶解方法に関する。
【背景技術】
【0002】
病院等で腎不全患者の治療に使用される透析液は、一般に重炭酸塩系と酢酸系とに区分され、このうち重炭酸塩系の透析液は、重炭酸ナトリウムを含まないもの(以下、A剤という。)と重炭酸ナトリウム(以下、B剤という。)の2種類の薬剤に水を混合して調整されるものである。近年、運搬性向上の観点から、これらA剤及びB剤を粉末化したもの(以下、透析用粉末薬剤という。)を透析の前に溶解する試みがなされているが、溶解後の溶液(特にB剤)については経時的に濃度の低下が生じやすく、透析後に翌日の分を作り置きしておくことが難しかった。
【0003】
このため、透析毎に溶解作業が必要となり、従来から溶解のための溶解装置が各種提案されている。例えば特許文献1には、透析用粉末薬剤を溶解する溶解槽(希釈タンク)と、該溶解槽にて生成した透析用原液を一時的に収容する貯槽(貯蔵タンク)とを具備し、当該貯槽で収容された透析用原液を人工透析液供給装置に逐次送液する溶解装置が開示されている。
【特許文献1】特開昭57−159529号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の溶解装置においては、以下の如き問題があった。
病院等医療機関における溶解装置で溶解生成する透析用原液は、極めて多量であるとともに患者数が一定でない故使用量が日毎に変動し、且つ、原液組成の時間的変化を回避する理由から、通常、複数回に分けて生成される。即ち、貯槽内の透析用原液が少なくなった時点で追加の透析用原液を溶解槽で生成し、当該透析用原液が不足する事態を回避しているのである。
【0005】
然るに、通常の病院等医療機関においては、複数の透析装置が設置された透析室と透析用原液を生成する溶解装置(該溶解装置にて生成された透析用原液(A剤及びB剤)を混合して所定濃度の透析液を作製する透析液供給装置など含む)が設置された機械室とは別個とされており、貯槽内の透析用原液が少なくなっているか否かを判断するには、透析技士等医療従事者が透析室と機械室との両方を頻繁に監視しなければならないという問題があった。
【0006】
また、医療従事者が貯槽内の透析用原液の量を目視して、追加の生成を必要とするか否かの判断がなされるのであるが、各患者の透析治療時間が3〜5時間位の範囲で異なるため、これから使用するであろう透析用原液を予測するのは極めて困難である。従って、透析用原液の不足による透析治療の中断を避けるべく、透析治療終了間際において追加生成が不要であろうと思われる場合であっても、念のため追加生成せざるを得ず、大量の透析用原液が余ってしまう可能性が高いという問題もあった。
【0007】
ところで、通常の透析装置には、透析時間(透析終了時間)など透析液の使用量に関するデータ(透析条件)が入力されており、そのようなデータは例えば中央監視装置などにて一括管理されている。本出願人は、当該透析液の使用量に関わるデータを利用すれば、上記の如き貯槽内の透析用原液が不足する事態を回避できると考え、鋭意検討するに至った。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、透析用原液の追加生成をすべきか否かの判断を自動的且つ正確に行わせることができるとともに、当該透析用原液が不足する事態を避けつつ透析治療終了時点で大量の透析用原液が余ってしまうという不具合を回避することができる溶解装置及びそれによる溶解方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明は、所定量の透析用粉末薬剤及び水が投入され、当該透析用粉末薬剤を溶解及び攪拌して透析用原液を得る溶解槽と、前記溶解槽で得られた透析用原液を一時的に収容する貯槽と、該貯槽内に収容された透析用原液を、患者に透析治療を施すための複数の透析装置側に供給する原液供給ラインとを具備した溶解装置において、前記複数の透析装置のうち透析治療中のものにおける透析液の使用量に関するデータをリアルタイムで受信する受信手段と、該受信手段で受信したデータに基づき、当該受信手段によるデータの受信時点からの透析用原液の使用予定量を演算する演算手段と、該演算手段で演算された透析用原液の使用予定量に基づき、前記透析装置による透析治療が全て終了する時刻までに前記貯槽内の供給すべき透析用原液が不足するか否かを判定する判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の溶解装置において、前記透析液の使用量に関するデータは、各透析装置と電気的に接続され、それらを一括管理する中央監視装置から送信されることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の溶解装置において、前記透析液の使用量に関するデータは、現在の透析装置の稼働台数、その日の患者の治療予定人数及び各人毎の治療予定時間、透析治療終了時刻、各透析装置の設定透析液流量を含むことを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の溶解装置において、前記透析液の使用量に関するデータは、患者毎の過去のデータであって透析液の使用量に関するものを含むことを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れか1つに記載の溶解装置において、前記判定手段により供給すべき透析用原液が不足すると判定されたことを条件として、前記溶解槽に所定量の透析用粉末薬剤及び水を自動的に投入して追加の透析用原液を得ることを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項1〜請求項5の何れか1つに記載の溶解装置において、前記判定手段により供給すべき透析用原液が不足すると判定されたことを条件として、前記溶解槽にて追加の透析用原液が必要である旨の所定の報知を行う報知手段を具備したことを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項5又は請求項6に記載の溶解装置において、前記溶解槽で追加の透析用原液を得るのに必要な時間を勘案したタイミングにて、前記溶解槽に所定量の透析用粉末薬剤及び水を自動的に投入、或いは報知手段による所定の報知を行うことを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の発明は、所定量の透析用粉末薬剤及び水が投入され、当該透析用粉末薬剤を溶解及び攪拌して透析用原液を得る溶解槽と、前記溶解槽で得られた透析用原液を一時的に収容する貯槽と、該貯槽内に収容された透析用原液を、患者に透析治療を施すための複数の透析装置側に供給する原液供給ラインとを具備した溶解装置による溶解方法において、前記複数の透析装置のうち透析治療中のものにおける透析液の使用量に関するデータをリアルタイムで受信する受信工程と、該受信工程で受信したデータに基づき、当該受信手段によるデータの受信時点からの透析用原液の使用予定量を演算する演算工程と、該演算工程で演算された透析用原液の使用予定量に基づき、前記透析装置による透析治療が全て終了する時刻までに前記貯槽内の供給すべき透析用原液が不足するか否かを判定する判定工程とを備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の溶解装置による溶解方法において、前記透析液の使用量に関するデータは、各透析装置と電気的に接続され、それらを一括管理する中央監視装置から送信されることを特徴とする。
【0018】
請求項10記載の発明は、請求項8又は請求項9記載の溶解装置による溶解方法において、前記透析液の使用量に関するデータは、現在の透析装置の稼働台数、その日の患者の治療予定人数及び各人毎の治療予定時間、透析治療終了時刻、各透析装置の設定透析液流量を含むことを特徴とする。
【0019】
請求項11記載の発明は、請求項8〜請求項10の何れか1つに記載の溶解装置による溶解方法において、前記透析液の使用量に関するデータは、患者毎の過去のデータであって透析液の使用量に関するものを含むことを特徴とする。
【0020】
請求項12記載の発明は、請求項8〜請求項11の何れか1つに記載の溶解装置による溶解方法において、前記判定工程により供給すべき透析用原液が不足すると判定されたことを条件として、前記溶解槽に所定量の透析用粉末薬剤及び水を自動的に投入して追加の透析用原液を得ることを特徴とする。
【0021】
請求項13記載の発明は、請求項8〜請求項12の何れか1つに記載の溶解装置による溶解方法において、前記判定工程により供給すべき透析用原液が不足すると判定されたことを条件として、前記溶解槽にて追加の透析用原液が必要である旨の所定の報知を行うことを特徴とする。
【0022】
請求項14記載の発明は、請求項12又は請求項13に記載の溶解装置による溶解方法において、前記溶解槽で追加の透析用原液を得るのに必要な時間を勘案したタイミングにて、前記溶解槽に所定量の透析用粉末薬剤及び水を自動的に投入、或いは所定の報知を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
請求項1又は請求項8の発明によれば、複数の透析装置のうち透析治療中のものにおける透析液の使用量に関するデータを受信し、その受信したデータに基づき、透析用原液の使用予定量を演算するとともに、演算された透析用原液の使用予定量に基づき、透析装置による透析治療が全て終了する時刻までに貯槽内の供給すべき透析用原液が不足するか否かを判定するので、透析用原液の追加生成をすべきか否かの判断を自動的且つ正確に行わせることができるとともに、当該透析用原液が不足する事態を避けつつ透析治療終了時点で大量の透析用原液が余ってしまうという不具合を回避することができる。
【0024】
請求項2又は請求項9の発明によれば、透析液の使用量に関するデータは、各透析装置と電気的に接続され、それらを一括管理する中央監視装置から送信されるので、効率的且つ高精度に透析用原液の追加生成をすべきか否かの判断を行わせることができる。
【0025】
請求項3又は請求項10の発明によれば、透析液の使用量に関するデータは、現在の透析装置の稼働台数、その日の患者の治療予定人数及び各人毎の治療予定時間、透析治療終了時刻、各透析装置の設定透析液流量を含むので、透析用原液の追加生成をすべきか否かの判断を自動的且つより正確に行わせることができる。
【0026】
請求項4又は請求項11の発明によれば、透析液の使用量に関するデータは、患者毎の過去のデータであって透析液の使用量に関するものを含むので、患者固有の透析液の使用量に関するデータにも基づいて、透析用原液の追加生成をすべきか否かの判断を自動的且つ正確に行わせることができる。
【0027】
請求項5又は請求項12の発明によれば、判定手段又は判定工程により供給すべき透析用原液が不足すると判定されたことを条件として、溶解槽に所定量の透析用粉末薬剤及び水を自動的に投入して追加の透析用原液を得るので、透析技士等医療従事者の負担を軽減し、作業性をより向上させることができる。
【0028】
請求項6又は請求項13の発明によれば、判定手段又は判定工程により供給すべき透析用原液が不足すると判定されたことを条件として、溶解槽にて追加の透析用原液が必要である旨の所定の報知を行うので、水や透析用粉末薬剤の自動供給手段を具備しない溶解装置であっても、透析用原液の追加生成をすべきか否かの判断を自動的に行わせることができる。
【0029】
請求項7又は請求項14の発明によれば、溶解槽で追加の透析用原液を得るのに必要な時間を勘案したタイミングにて、溶解槽に所定量の透析用粉末薬剤及び水を自動的に投入、或いは報知手段による所定の報知を行うので、透析用原液が不足してしまう事態をより確実に回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
第1の実施形態に係る溶解装置は、透析用粉末薬剤を所定濃度に溶解して透析用原液を得るためのもので、図1に示すように、透析液供給装置2と共に機械室に設置されたものである。機械室とは隔離された透析室には、複数の透析装置4(透析監視装置)及び中央監視装置3が設置されている。
【0031】
また、溶解装置1で生成された透析用原液(A剤、B剤の各濃厚液)は、原液供給ラインL1(図3におけるL1a、L1b)を介して透析液供給装置2に至り、そこで所定濃度の透析液が作製されるとともに、かかる透析液は、透析液供給ラインL2〜L4を介して各透析装置4(透析監視装置)に供給される。
【0032】
中央監視装置3は、各透析装置4と配線D1〜D2にて電気的に接続され、それらの透析条件等を一括管理するものである。かかる中央監視装置3には、各透析装置4にて行わせる透析治療時の制御データ等が予め記憶されており、当該制御データが各透析装置4に送信される。そして、各透析装置4は、制御データに従い患者に対して透析治療を施すとともに、患者の状態などを中央監視装置3に送信し得るようになっている
【0033】
すなわち、中央監視装置3には、上記制御データや透析治療時の患者の状態などが常時データとして把握されており、各透析装置4が適切且つ安全に透析治療を行うべく監視し得るよう構成されている。然るに、中央監視装置3が有するデータには、透析液の使用量に関するデータ(以下、透析液データという。)も含まれている。この透析液データには、現在の透析装置4の稼働台数、その日の患者の治療予定人数及び各人毎の治療予定時間、透析治療終了時刻、各透析装置の設定透析液流量が含まれるとともに、患者毎の過去のデータであって透析液の使用量(経過時間における透析液の使用推移等も含む)に関するものも含まれる。
【0034】
本実施形態においては、中央監視装置3と溶解装置1(具体的には、図2で示す受信手段9)とが配線D4にて電気的に接続されており、当該中央監視装置3の透析液データが受信手段9にリアルタイムで送信され得るよう構成されている。これにより、透析液データに関して、中央監視装置3と溶解装置1の両者が共有した状態とされる。
【0035】
溶解装置1は、図2に示すように、定量粉体フィーダ5と、溶解槽6と、貯槽7と、受信手段9と、演算手段10と、判定手段11とから主に構成されている。尚、図示はしないが、同図と同様な構成の溶解装置が別個に配設されており、それぞれが透析用粉末薬剤としてのA剤、B剤を溶解撹拌して、各透析用原液を生成し得るようになっている。
【0036】
定量粉体フィーダ5は、所定量の透析用粉体薬剤(A剤又はB剤)を溶解槽6内に投入するためのもので、その駆動源が判定手段11と電気的に接続され、当該判定手段11からの制御信号に基づき、所定量の透析用粉体薬剤を溶解槽6内に投入し得るよう構成されている。また、溶解槽6は、水供給源Aと水供給ラインL5を介して接続されており、当該水供給ラインL5に配設された電磁バルブVwを開放することにより、溶解槽6内に溶解用の水が供給されるよう構成されている。
【0037】
溶解槽6は、上述の定量粉体フィーダ5及び水供給源Aから所定量の透析用粉体薬剤及び水が投入され、当該透析用粉末薬剤を溶解及び撹拌して透析用原液(各薬剤の濃厚液)を得るためのもので、内部の収容空間における所定位置にフロートスイッチ8が配設されている。即ち、溶解槽6内に溶解用の水が供給され、その水位がフロートスイッチ8に達した時点で当該水の供給を停止することにより、一定量の水が当該溶解槽6内に収容され得るようになっているのである。尚、図示しない撹拌手段等により、供給された水と透析用粉末薬剤とを撹拌して略均等な濃度の透析用原液を得るようにする。
【0038】
また、溶解槽6の下底からは移送ラインL6が延設されており、その途中に移送ポンプP1が配設されるとともに、当該移送ラインL6の先端が貯槽7に接続されている。これにより、移送ポンプP1を駆動させれば、溶解槽6にて得られた透析用原液が貯槽7内に至るようになっている。
【0039】
貯槽7は、溶解槽6で得られた透析用原液を一時的に収容するためのもので、ここから透析用原液が後述する透析液供給装置2(複数の透析装置4側)に必要量だけ順次供給されるよう構成されている。この貯槽7の下底からは、原液供給ラインL1(厳密には、2つの貯槽から延びる原液供給ラインL1a、L1b)が延設されており、その先端が透析液供給装置2に接続されている。即ち、貯槽7内の透析用原液は、透析液供給装置2に送られて所定濃度の透析液とされた後、各透析装置4に供給されるよう構成されているのである。
【0040】
一方、受信手段9は、既述のように、中央監視装置3から送信された、複数の透析装置4のうち透析治療中のものにおける透析液の使用量に関するデータ(透析液データ)をリアルタイムで受信するものである。尚、本実施形態においては、透析液データが中央監視装置3と受信手段9とを結ぶ配線D4にて送信されるよう構成されているが、例えば光ファイバなどでデータを光信号として送信し得るもの、或いは無線等にてデータを送信し得るもの等であってもよい。
【0041】
演算手段10は、受信手段9と電気的に接続され、当該受信手段9で受信した透析液データに基づき、透析用原液の使用予定量を演算するためのものである。即ち、リアルタイムで受信する透析液データにより、その時点(受信手段9によるデータの受信時点)からの透析液の使用予定量を求めることができるので、これを透析用原液に換算した場合の透析用原液の使用予定量を求めることができるのである。ここで、リアルタイムとは、データ受信時点からの透析用原液の使用予定量を求めることができる程度の頻度をいい、微小時間間隔であってもよい。
【0042】
判定手段11は、演算手段10と電気的に接続され、当該演算手段10で演算された透析用原液の使用予定量に基づき、透析装置4による透析治療が全て終了する時刻までに貯槽7内の供給すべき透析用原液が不足するか否かを判定するものである。具体的には、演算手段10で演算された透析用原液の使用予定量と、その時点における貯槽7内の残液の量とを比較し、貯槽7内の透析用原液が空(残液が略0)となるまでの時間を演算して推定する。
【0043】
その後、その貯槽7内の透析用原液が空となる推定された時間(不足時間)と透析装置4による透析治療が全て終了する時刻とを比較し、不足時間が経過した時刻が透析終了時刻を経過しているか否かを判定するのである。そして、不足時間経過後の時刻が透析終了時刻を超えていなければ、追加の透析用原液は不要とされる一方、超えていれば不足すると判定されて追加の透析用原液が必要と判断される。
【0044】
然るに、使用速度が求められた時点の貯槽7内の残液の量は、その時点までに作製された透析用原液の量と、その時点までに消費された透析液データとから把握されるが、計算値と実際の残液の量とには誤差があり、何れかのタイミングで誤差の確認が必要であるため、例えば貯槽7の下面に圧力ゲージ等から成るレベルセンサ(不図示)を配設して当該残液の量における誤差の確認を行うようにしてもよい。レベルセンサとしての圧力ゲージは、貯槽7底面に付与される圧力から換算して当該貯槽7内における透析用原液の液圧を検出し得るものであり、その検出された液圧に基づき透析用原液の量(残液の量)を検出することができる。
【0045】
ここで、透析治療が全て終了する時刻は、複数の患者のうち最終の者の透析終了時間とされ、中央監視装置3から送信される透析液データに含まれる。また、何れかの透析装置4における透析治療時間が延長された場合、その延長に伴って変更される透析終了時間が受信手段9に送信され、判定手段11による判定の基準とし得るようになっている。尚、透析治療が全て終了する時刻を、予め医療機関が定めたその日の全患者の透析治療が終了する予定時刻としてもよく、或いは図示しない別個の入力手段にて個別に入力するようにしてもよい。
【0046】
判定手段11と定量粉体フィーダ5及び電磁バルブVwとは電気的に接続されており、当該判定手段11により供給すべき透析用原液が不足すると判定されると、所定の制御信号が定量粉体フィーダ5及び電磁バルブVwの駆動源に送信されるよう構成されている。これにより、前記判定手段により供給すべき透析用原液が不足すると判定されたことを条件として、溶解槽6に所定量の透析用粉末薬剤及び水を自動的に投入して追加の透析用原液を得ることができる。
【0047】
ここで、溶解槽6で追加の透析用原液を得るためには、水及び透析用粉末薬剤の投入、及び溶解、撹拌動作のために所定時間を要する。そのため、本実施形態においては、溶解槽6で追加の透析用原液を得るのに必要な時間を予め測定しておき、その必要な時間を勘案したタイミングにて溶解槽6に所定量の透析用粉末薬剤及び水を自動的に投入するよう制御されることとなる。
【0048】
透析液供給装置2は、図3に示すように、水が流動するとともにその水量を計測する水計量手段12が配設された水供給ラインLwと、定量ポンプPa(ピストンポンプ)が接続されるとともにA剤を溶解して得られた透析用原液を流動させる原液ラインL1aと、定量ポンプPb(ピストンポンプ)が接続されるとともにB剤を溶解して得られた透析用原液を流動させる原液ラインL1bと、透析液貯槽13と、送液ポンプP2とを主に有して構成されている。尚、原液ラインL1a及びL1bは、図2における原液供給ラインL1と連通したものである。また、図3において作製した透析液の濃度を測定する濃度測定部や透析液を加温する加温部などは省略してある。
【0049】
水供給ラインLwにおける水は、水計量手段12を経た後、原液ラインL1a及びL1bからの透析用原液を混合し、所定濃度の透析液を作製した後、その透析液が透析液貯槽13内に至ることとなる。かかる透析液貯槽13には、フロートスイッチSH、及びフロートスイッチSLが配設されており、当該透析液貯槽13内の透析液の液位が上限又は下限に達したことを検出することが可能とされている。然るに、透析液が透析液貯槽13を経由することにより、透析液から発生したガス等を分離除去し得るよう構成されており、ガス等が分離除去された透析液は、送液ポンプP2の駆動により透析液供給ラインL2〜L4を介して各透析装置4に供給される。
【0050】
然るに、各透析装置4に供給された透析液により、患者に対して透析治療が施されることとなる。また、各透析装置4と中央監視装置3との間では、既述のように、透析治療に関わるデータ(治療条件や治療時間等)が送受信されており、最適且つ安全な治療が行われるよう構成されている。
【0051】
次に、本実施形態に係る溶解装置における作用について説明する。
まず、透析治療開始前において、電磁バルブVwを開放して、フロートスイッチ8が液位を検知するまで溶解槽6内に水を投入するとともに、定量粉体フィーダ5から所定量の透析用粉末薬剤を投入し、当該透析用粉体薬剤を溶解及び撹拌して透析用原液を得る。通常、本実施形態の如き溶解装置においては、溶解可能な容量はフロートスイッチ8で決まる水量に相当する量だけであり、1袋分の透析用粉体薬剤から生成される透析用原液量(例えばB原液の場合は、11.34L、A原液の場合は、9L)が得られるよう設定されている。
【0052】
その後、移送ポンプP1を駆動させて、溶解槽6内の透析用原液の全量を貯槽7に移送させておく。しかして、透析治療が開始されると、原液供給ラインL1を介して透析液供給装置2に透析用原液が供給され、そこで所定濃度の透析液が作製されるとともに、当該作製された透析液が各透析装置4に供給されて患者に対する透析治療が施されることとなる。
【0053】
上記の如き溶解装置1による透析用原液の供給の過程において、受信手段9は、複数の透析装置4のうち透析治療中のものにおける透析液の使用量に関するデータ(透析液データ)を中央監視装置3からリアルタイムで受信し(受信工程)、受信工程で受信した透析液データに基づき、透析用原液の使用予定量を演算する(演算工程)。そして、演算工程で演算された透析用原液の使用予定量に基づき、透析装置4による透析治療が全て終了する時刻までに貯槽7内の供給すべき透析用原液が不足するか否かを判定する(判定工程)。
【0054】
かかる判定工程による追加の要否判定は、本実施形態においては、追加の透析用原液を得るのに必要な時間を予め測定しておき、その必要な時間間際まで溶解作業を行うのを待ち、その後、溶解作業を行わせるよう構成されている。判定工程にて透析用原液が不足すると判定された場合、制御信号が定量粉体フィーダ5及び電磁バルブVwの駆動源に送信され、溶解槽6に所定量の透析用粉末薬剤及び水を自動的に投入して追加の透析用原液を得る。但し、上述したように、当該制御信号は、追加の透析用原液を得るのに必要な時間間際まで待ち、その後送信されることとなる。
【0055】
然るに、透析治療終了に近づくに伴い、透析治療が施される患者数が順次減るので、透析液の使用予定量が低下し、透析用原液の使用予定量も低下することとなる。従って、透析治療が行われる時間帯の遅い段階(最終段階)で判定手段11による追加の要否の判定を行うようにするのが好ましい。即ち、既述の如く1回の溶解で得られる透析用原液量は、A原液の場合において9Lであるので、1日に実際に使用されるA原液量が仮に200Lだとすると、198Lの透析用原液が作製される22回の溶解動作まで(所定時間経過まで)は判定手段11による判定を行わず、透析終了時刻間際となった時点で当該時刻を基準として追加の要否の判定するようにしてもよい。尚、実施に使用される透析用原液量(200L)を正確に把握するのは困難であるが、例えばおおまかに15袋(9L×15袋=135L)の原液を作製するまでは溶解動作を続け、それ以降は透析終了時刻を基準として追加の要否判定を行いながら溶解を続行させるようにしてもよい。
【0056】
また、溶解槽6内に透析用原液が残存している場合、追加の透析用原液を更に生成する必要がないため、判定手段11による追加の要否の判定は、当該溶解槽6内に透析用原液が残存していない場合に限るのが好ましい。
【0057】
本実施形態によれば、複数の透析装置4のうち透析治療中のものにおける透析液の使用量に関するデータ(透析液データ)を受信し、その受信した透析液データに基づき、透析用原液の使用予定量を演算するとともに、演算された透析用原液の使用予定量に基づき、透析装置による透析治療が全て終了する時刻までに貯槽7内の供給すべき透析用原液が不足するか否かを判定するので、透析用原液の追加生成をすべきか否かの判断を自動的且つ正確に行わせることができるとともに、当該透析用原液が不足する事態を避けつつ透析治療終了時点で大量の透析用原液が余ってしまうという不具合を回避することができる。
【0058】
また、判定手段11又は判定工程により供給すべき透析用原液が不足すると判定されたことを条件として、溶解槽6に所定量の透析用粉末薬剤及び水を自動的に投入して追加の透析用原液を得るので、透析技士等医療従事者の負担を軽減し、作業性をより向上させることができる。更に、判定手段11又は判定工程が、貯槽7内の透析用原液が空となる推定された時間と透析装置4による透析治療が全て終了する時刻とを比較し、透析用原液が不足するか否かを判定するので、より精度よく、透析用原液の追加生成をすべきか否かの判断を自動的に行わせることができる。
【0059】
また、既存の中央監視装置において、上記の如き透析液データを有しているものが多いので、当該透析液データを収集するための新たな構成が不要であり、既存の装置構成を流用することができる。同時に、溶解槽6で追加の透析用原液を得るのに必要な時間を勘案したタイミングにて、溶解槽6に所定量の透析用粉末薬剤及び水を自動的に投入するので、透析用原液が不足してしまう事態をより確実に回避することができる。尚、本実施形態によれば、透析用原液の使用量を正確に求めなくても、予想される使用量より少なめに溶解するよう動作させ、不足が生じた際に自動的に追加溶解できる。
【0060】
次に、本発明に係る第2の実施形態について説明する。
本実施形態に係る溶解装置は、第1の実施形態と同様、透析用粉末薬剤を所定濃度に溶解して透析用原液を得るべく機械室に設置されたもので(図1参照)、図4に示すように、溶解槽6と、貯槽7と、受信手段9と、演算手段10と、判定手段11と、報知手段15とから主に構成されている。
【0061】
尚、第1の実施形態と同様の構成要素には、同一の符号を付すこととし、その詳細な説明を省略することとする。また、第1の実施形態と同様、図4と同様な構成の溶解装置が別個に配設されており、それぞれが透析用粉末薬剤としてのA剤、B剤を溶解撹拌して、各透析用原液を生成し得るようになっているとともに、図1で示すように、各溶解装置から透析液供給装置2に透析用原液が供給されるようになっている。
【0062】
溶解槽6は、内部の収容空間の一部にフロートシャフトとフロートから成るフロート式センサ14が配設されており、電磁バルブVwを開放することにより供給される水の水位を検出し得るようになっている。また、本実施形態に係る溶解槽6は、第1の実施形態の定量粉体フィーダの如き自動的に透析用粉末薬剤を投入する手段を具備しておらず、ボトルや袋などに収容された透析用粉末薬剤を手作業で投入するものである。
【0063】
報知手段15は、判定手段11により供給すべき透析用原液が不足すると判定されたことを条件として、溶解槽6にて追加の透析用原液が必要である旨の報知を行うものである。報知手段15は、例えば画面などの表示手段にて追加の透析用原液が必要である旨のメッセージを表示したり、或いはLED等による点灯又は点滅を行って報知を行うものであってもよい。また、別個にスピーカ等を設け、当該スピーカから警告音を発するよう構成してもよい。尚、報知手段15は、機械室或いは透析室の何れに設置してもよいが、透析室に設置すれば、通常透析室にいる透析技士等医療従事者に対して確実に注意を促すことができる。
【0064】
次に、本実施形態に係る溶解装置における作用について説明する。
まず、手動操作で電磁バルブVwを開放して、フロートスイッチ14が所望の液位を検知するまで溶解槽6内に水を投入するとともに、手作業にて所定量の透析用粉末薬剤を投入し、当該透析用粉体薬剤を溶解及び撹拌して透析用原液を得る。通常、本実施形態の如き溶解装置においては、透析技士等医療従事者が頻繁に機械室に行かなければならなくなるのを回避すべく溶解槽6の容量は比較的大きく(通常、100〜200L)設定される一方、装置全体の大型化を避けるべく貯層7は比較的小さく(通常、50L程度)設定されている。
【0065】
その後、貯槽7の透析用原液量によって随時移送ポンプP1を駆動させて、溶解槽6内の透析用原液を貯槽7に移送させておく。しかして、透析治療が開始されると、原液供給ラインL1を介して透析液供給装置2に透析用原液が供給され、そこで所定濃度の透析液が作製されるとともに、当該作製された透析液が各透析装置4に供給されて患者に対する透析治療が施されることとなる。
【0066】
上記の如き溶解装置1による透析用原液の供給の過程において、受信手段9は、複数の透析装置4のうち透析治療中のものにおける透析液の使用量に関するデータ(透析液データ)を中央監視装置3からリアルタイムで受信し(受信工程)、受信工程で受信した透析液データに基づき、透析用原液の使用予定量を演算する(演算工程)。そして、演算工程で演算された透析用原液の使用予定量に基づき、透析装置4による透析治療が全て終了する時刻までに貯槽7内の供給すべき透析用原液が不足するか否かを判定する(判定工程)。
【0067】
判定工程にて透析用原液が不足すると判定された場合、報知手段15により所定の報知がなされ、これに従い、透析技士等医療従事者が手動操作で電磁バルブVwを開放させ、所望量の水を供給するとともに、手作業にて溶解槽6に所定量の透析用粉末薬剤を投入して追加の透析用原液を得る。ここで、溶解槽6で追加の透析用原液を得るのに必要な時間を予め測定しておき、その必要な時間を勘案したタイミングにて報知手段15による所定の報知を行うように構成されていること等は、第1の実施形態と同様である。
【0068】
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様、複数の透析装置4のうち透析治療中のものにおける透析液の使用量に関するデータ(透析液データ)を受信し、その受信した透析液データに基づき、透析用原液の使用予定量を演算するとともに、演算された透析用原液の使用予定量に基づき、透析装置による透析治療が全て終了する時刻までに貯槽7内の供給すべき透析用原液が不足するか否かを判定するので、透析用原液の追加生成をすべきか否かの判断を自動的且つ正確に行わせることができるとともに、当該透析用原液が不足する事態を避けつつ透析治療終了時点で大量の透析用原液が余ってしまうという不具合を回避することができる。
【0069】
また、判定手段11又は判定工程により供給すべき透析用原液が不足すると判定されたことを条件として、溶解槽6にて追加の透析用原液が必要である旨の所定の報知を行うので、水や透析用粉末薬剤の自動供給手段を具備しない溶解装置6であっても、透析用原液の追加生成をすべきか否かの判断を自動的に行わせることができる。更に、判定手段11又は判定工程が、貯槽7内の透析用原液が空となる推定された時間と透析装置4による透析治療が全て終了する時刻とを比較し、透析用原液が不足するか否かを判定するので、より精度よく、透析用原液の追加生成をすべきか否かの判断を自動的に行わせることができる。
【0070】
また、既存の中央監視装置において、上記の如き透析液データを有しているものが多いので、当該透析液データを収集するための新たな構成が不要であり、既存の装置構成を流用することができる。同時に、溶解槽6で追加の透析用原液を得るのに必要な時間を勘案したタイミングにて、報知手段16による所定の報知を行うので、透析用原液が不足してしまう事態をより確実に回避することができる。
【0071】
尚、溶解槽6には、連続した液位の測定を可能としたフロートシャフトとフロートから成るフロート式センサ14が設けられているため、水量を任意に選択することができ、溶解して作製する透析用原液の量を任意変えることができる。従って、比較的大きな容量とされた溶解槽6にて少ない量の溶解を行わせることができるので、追加の透析用原液を得るのに必要な時間を勘案したタイミングを遅らせることができ、判定精度をより向上させることができるとともに、1回の溶解量が少ない故、透析用原液の無駄を更に減らすことができる。
【0072】
また、本実施形態における溶解槽6は、透析技士等医療従事者が機械室に行って透析用粉末薬剤を投入するので、目視による不足の判断が容易とされ、必ずしも透析終了時刻を入力しておく必要がない。但し、当該透析終了時刻を入力する場合、追加溶解で必要な溶解量を表示するようにすれば、溶解量を決める参考となり便利である。尚、本実施形態によれば、透析用原液の使用量を正確に求めなくても、予想される使用量より少なめに溶解するよう動作させ、不足が生じた際に報知手段15による報知を行わせることができる。
【0073】
次に、本発明に係る第3の実施形態について説明する。
本実施形態に係る溶解装置は、先の実施形態と同様、透析用粉末薬剤を所定濃度に溶解して透析用原液を得るべく機械室に設置されたもので(図1参照)、図5に示すように、溶解槽16と、貯槽17と、受信手段9と、演算手段10と、判定手段11とから主に構成されている。
【0074】
尚、先の実施形態と同様の構成要素には、同一の符号を付すこととし、その詳細な説明を省略することとする。また、先の実施形態と同様、図5と同様な構成の溶解装置が別個に配設されており、それぞれが透析用粉末薬剤としてのA剤、B剤を溶解撹拌して、各透析用原液を生成し得るようになっているとともに、図1で示すように、各溶解装置から透析液供給装置2に透析用原液が供給されるようになっている。
【0075】
溶解槽16は、内部の収容空間の一部にフロートスイッチSH(上限検知用)、SL(下限検知用)を有しており、電磁バルブVwを開放することにより供給される水の水位を所定とするよう構成されている。溶解槽16と貯槽17とは上下に併設されており、両者は電磁バルブVが接続された移送ラインL8にて連結されている。即ち、電磁バルブVを開放すれば、溶解槽16内の透析用原液が重力にて貯槽17内に送液されるようになっている。
【0076】
また、移送ラインL8の途中と溶解槽16の上部とは循環ラインL7にて接続されており、該循環ラインL7の途中に循環ポンプP3が接続されるとともに、透析用粉末薬剤を収容したボトルBが接続され得るようになっている。これにより、電磁バルブVを閉塞した状態にて循環ポンプP3を駆動させれば、溶解槽16内の水が循環ラインL7及びボトルB内を循環することとなり、溶解及び攪拌がなされて均一濃度の透析用原液を得ることができる。尚、ボルトBは、追加の溶解が必要とされると、空のものから新たな透析用粉末薬剤を収容したものに自動的に交換されるよう構成されている。
【0077】
また、本実施形態に係る判定手段11は、電磁バルブVw及び循環ポンプP3の駆動源と電気的に接続されており、当該判定手段11により供給すべき透析用原液が不足すると判定されると、電磁バルブVwを開放して溶解槽16内に水を自動的に供給するとともに、循環ポンプP3を駆動させて水を循環ラインL7及びボトルB内で循環させ、当該ボトルB内の透析用粉末薬剤を攪拌しつつ溶解し得るよう構成されている。
【0078】
尚、第2の実施形態の如く、判定手段11により供給すべき透析用原液が不足すると判定されると、追加の透析用原液が必要である旨の報知を行う報知手段を当該判定手段11に接続するよう構成してもよい。然るに、図5中、符号L9は、溶解槽16及び貯槽17の上部から延設された通気ラインを示しており、電磁バルブVを開放して溶解槽16内の透析用原液が貯槽17内に移送される過程で、貯槽17内に存在していた空気を排出するとともに、溶解槽16で透析用原液が減少した分だけ当該溶解槽16内に空気を導入し得るようになっている。
【0079】
本実施形態によっても、先の実施形態と同様、複数の透析装置4のうち透析治療中のものにおける透析液の使用量に関するデータ(透析液データ)を受信し、その受信した透析液データに基づき、透析用原液の使用予定量を演算するとともに、演算された透析用原液の使用予定量に基づき、透析装置による透析治療が全て終了する時刻までに貯槽17内の供給すべき透析用原液が不足するか否かを判定するので、透析用原液の追加生成をすべきか否かの判断を自動的且つ正確に行わせることができるとともに、当該透析用原液が不足する事態を避けつつ透析治療終了時点で大量の透析用原液が余ってしまうという不具合を回避することができる。
【0080】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されず、例えば透析室に個人用透析装置(透析装置毎に透析液供給装置の如き透析液を作製する手段を具備したもの)を併設したものに適用してもよい。この場合であっても、複数の透析装置のうち透析治療中のものにおける透析液の使用量に関するデータ(透析液データ)を受信し、その受信した透析液データに基づき、透析用原液の使用予定量を演算するとともに、演算された透析用原液の使用予定量に基づき、透析装置による透析治療が全て終了する時刻までに貯槽内の供給すべき透析用原液が不足するか否かを判定することができる。
【0081】
特に、第1の実施形態におけるフロートスイッチ8に代えて、第2の実施形態におけるフロート式センサ14とすれば、比較的小さな溶解槽6を用いつつ定量粉体フィーダ5により自動で溶解動作を行わせることができる。即ち、フロート式センサ14を用いることにより、透析終了時刻間際における最終溶解段階では、溶解槽の容量に拘わらず少量の追加溶解も可能となる。従って、少量の追加溶解を可能とし、透析用原液の無駄を少なくすることができる。
【0082】
また、本実施形態においては、中央監視装置3から透析液の使用量に関するデータを受信手段9に送信しているが、特に中央監視装置3を使用しなくてもよく、例えば透析液供給装置2と各透析装置4との間で通信機能を持たせ、当該透析液供給装置2により透析液データを把握するとともに、その透析液データを溶解装置1の受信手段9に送信するようにしてもよい。更に、各透析装置4と溶解装置1との間で通信機能を持たせ、各透析装置4が把握する透析液データを直接溶解装置1の受信手段9へ送信するようにしてもよい。
【0083】
また更に、報知手段により溶解槽にて追加の透析用原液が必要である旨の所定の報知を行うものの場合、その報知を見逃す可能性がある。そこで、追加の透析用原液が必要であると報知した際、各透析装置や中央監視装置に信号を送り、透析装置における透析液使用量を強制的に減少させることによって貯槽内の透析用原液が空となるまでの時間を延ばすことができる。そのとき、更に報知手段による報知を行うのが好ましい。
【0084】
演算手段10及び判定手段11は、中央監視装置3に配設されていても、或いは溶解装置1側に配設されていてもよい。勿論、演算手段10を中央監視装置3側に配設するとともに判定手段11を溶解装置1側に配設し、これらの間で通信を行って、透析用原液の使用予定量の演算、及び不足の判定を行うようにしてもよい。また、演算手段10にて透析用原液の使用速度(データの受信時における使用速度)を演算し、かかる使用速度に基づいて、その時点からの透析用原液の使用予定量を演算するようにしてもよい。更に、透析治療途中で予定変更があり、透析液の使用量に関するデータ(透析液データ)が変更されたときは、随時更新されたデータを利用して演算手段による演算及び判定手段による判定が行われるようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0085】
複数の透析装置のうち透析治療中のものにおける透析液の使用量に関するデータを受信し、その受信した透析液データに基づき、当該受信手段によるデータの受信時点からの透析用原液の使用予定量を演算するとともに、演算された透析用原液の使用予定量に基づき、透析装置による透析治療が全て終了する時刻までに貯槽内の供給すべき透析用原液が不足するか否かを判定する溶解装置及びそれによる溶解方法であれば、他の機能が付加された如き形態によるもの等にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の実施形態(第1〜第3の実施形態に共通)における溶解装置と他の構成要素との接続状態を示す模式図
【図2】本発明の第1の実施形態における溶解装置の構成を示す模式図
【図3】本発明の実施形態(第1〜第3の実施形態に共通)における透析液供給装置の構成を示す模式図
【図4】本発明の第2の実施形態における溶解装置の構成を示す模式図
【図5】本発明の第3の実施形態における溶解装置の構成を示す模式図
【符号の説明】
【0087】
1 溶解装置
2 透析液供給装置
3 中央監視装置
4 透析装置(透析監視装置)
5 定量粉体フィーダ
6 溶解槽
7 貯槽
8 フロートスイッチ
9 受信手段
10 演算手段
11 判定手段
10 演算手段
11 判定手段
12 水計量手段
13 透析液貯槽
14 フロート式センサ
15 報知手段
16 溶解槽
17 貯槽
L1(L1a、L1b) 原液供給ライン
L2〜L4 透析液供給ライン
L5 水供給ライン
L6 移送ライン
L7 循環ライン
L8 移送ライン
L9 通気ライン




 

 


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