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発明の名称 薬剤溶解装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−159770(P2007−159770A)
公開日 平成19年6月28日(2007.6.28)
出願番号 特願2005−358881(P2005−358881)
出願日 平成17年12月13日(2005.12.13)
代理人 【識別番号】100098073
【弁理士】
【氏名又は名称】津久井 照保
発明者 常本 哲也 / 春田 富久 / 米村 裕喜 / 山本 忠志
要約 課題
簡単な構造で薬剤の溶解作業を迅速に実施することができ、薬剤収納袋体を清潔に保ったままでスペース効率良く保管することができる薬剤溶解装置を提供する。

解決手段
投入された薬剤を溶解する溶解槽6を備えた薬剤溶解装置1において、片持ち梁状に水平方向に延出し、複数の薬剤収納袋体を吊り下げた状態で支持する袋体支持部材5と、上下方向及び水平方向に移動可能な保持部27を有し、該保持部により薬剤収納袋体4の上部を保持した状態で袋体支持部材から薬剤収納袋体を取り出し可能であって、取り出した当該薬剤収納袋体を吊り下げた状態で搬送可能な袋体取り出し搬送機構7と、前記溶解槽の内部に通じる薬剤投入口を有し、この薬剤投入口上に、切刃を上向きにして開封カッターを設けた薬剤排出部8と、を備えた。
特許請求の範囲
【請求項1】
投入された薬剤を溶解する溶解槽を備えた薬剤溶解装置において、
水平方向に延在し、複数の薬剤収納袋体を吊り下げた状態で支持する袋体支持部材と、
上下方向及び水平方向に移動可能な保持部を有し、該保持部により薬剤収納袋体の上部を保持した状態で袋体支持部材から薬剤収納袋体を取り出し可能であって、取り出した当該薬剤収納袋体を吊り下げた状態で搬送可能な袋体取り出し搬送機構と、
前記溶解槽の内部に通じる薬剤投入口を有し、この薬剤投入口上に、切刃を上向きにして開封カッターを設けた薬剤排出部と、
を備え、袋体取り出し搬送機構により搬送された薬剤収納袋体を薬剤排出部にセットして開封カッターにより薬剤収納袋体の底部を開封し、開封された底部開口から薬剤収納袋体内の薬剤を薬剤投入口から溶解槽内に投入して溶解することを特徴とする薬剤溶解装置。
【請求項2】
前記袋体支持部材を、高さを異ならせて縦方向に複数段設けたことを特徴とする請求項1に記載の薬剤溶解装置。
【請求項3】
前記袋体支持部材を上下方向に移動する上下移動機構を設けたことを特徴とする請求項2に記載の薬剤溶解装置。
【請求項4】
開閉扉を有する筐体を備え、該筐体の内部に、前記袋体取り出し搬送機構と溶解槽と薬剤排出部とを配設し、開閉扉の内面側に前記袋体支持部材を設け、開閉扉を開いた状態で袋体支持部材に薬剤収納袋体を吊り下げ可能であって、開閉扉を閉じた状態で袋体取り出し搬送機構により薬剤収納袋体を取り出し可能としたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の薬剤溶解装置。
【請求項5】
前記袋体支持部材が、薬剤収納袋体の上部の左右に開設された開口内に挿通する一対の平行な棒体から構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の薬剤溶解装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、人工透析に用いる透析液の調製に使用され、粉末状或いは顆粒状とした固体透析用剤などの薬剤を所定濃度に溶解するための薬剤溶解装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人工透析に使用される透析液は、水に粉末状の透析用薬剤(あるいは、単に薬剤と称す)に水を溶解して複数(例えば2種)の透析用原液を用意し、この透析用原液を混合したものを更に水で希釈して調製されている。そして、透析用薬剤を収納する容器は、ボトル式と袋式があるが、ボトル式薬剤収納容器は、剛性の高い材料で構成されているので、使用後空になっても潰して容量を小さくし難く、ゴミとして処分する際に嵩張るという問題がある。しかしながら、袋式の薬剤収納容器(薬剤収納袋体)は、点滴用液の容器と同様に、可撓性を有するシート材で袋体に構成されているので、使用後の嵩高を減少させることができる利点がある。
【0003】
また、透析液の調製作業の効率の向上を図るため、薬剤収納袋体に収納された規定量の透析用薬剤を溶解槽へ自動投入し、溶解槽内で水と混合して規定濃度となるように溶解作業を行うことができる透析用薬剤溶解装置が使用されている。この透析用薬剤溶解装置に関し、特許文献1には、搬送手段により薬剤収納袋体を載置場所から袋保持手段へ搬送し、袋保持手段で保持された薬剤収納袋体を起立するとともに上端部をカッターで開封し、薬剤収納袋体の上端部が開封されたならば、袋保持手段を回動して薬剤収納袋体の開封部分を下方のホッパーに向け、薬剤収納袋体内の薬剤をホッパーから溶解槽へ払い出すように構成された透析用薬剤溶解装置が提案されている。
【特許文献1】特開平7−265393号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した透析用薬剤溶解装置では、薬剤収納袋体を袋保持手段まで搬送したり、上下逆に引っくり返したりして薬剤を溶解槽へ投入しなければならず、透析用薬剤の溶解作業を迅速に行い難い。また、多数の薬剤収納袋体を清潔に保ったままで保管することが困難である。
【0005】
そこで、本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、簡単な構造で薬剤の溶解作業を迅速に実施することができ、薬剤収納袋体を清潔に保ったままでスペース効率良く保管することができる薬剤溶解装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは
、投入された薬剤を溶解する溶解槽を備えた薬剤溶解装置において、
水平方向に延在し、複数の薬剤収納袋体を吊り下げた状態で支持する袋体支持部材と、
上下方向及び水平方向に移動可能な保持部を有し、該保持部により薬剤収納袋体の上部を保持した状態で袋体支持部材から薬剤収納袋体を取り出し可能であって、取り出した当該薬剤収納袋体を吊り下げた状態で搬送可能な袋体取り出し搬送機構と、
前記溶解槽の内部に通じる薬剤投入口を有し、この薬剤投入口上に、切刃を上向きにして開封カッターを設けた薬剤排出部と、
を備え、袋体取り出し搬送機構により搬送された薬剤収納袋体を薬剤排出部にセットして開封カッターにより薬剤収納袋体の底部を開封し、開封された底部開口から薬剤収納袋体内の薬剤を薬剤投入口から溶解槽内に投入して溶解することを特徴とする薬剤溶解装置である。
【0007】
請求項2に記載のものは、前記袋体支持部材を、高さを異ならせて縦方向に複数段設けたことを特徴とする請求項1に記載の薬剤溶解装置である。
【0008】
請求項3に記載のものは、前記袋体支持部材を上下方向に移動する上下移動機構を設けたことを特徴とする請求項2に記載の薬剤溶解装置である。
【0009】
請求項4に記載のものは、開閉扉を有する筐体を備え、該筐体の内部に、前記袋体取り出し搬送機構と溶解槽と薬剤排出部とを配設し、開閉扉の内面側に前記袋体支持部材を設け、開閉扉を開いた状態で袋体支持部材に薬剤収納袋体を吊り下げ可能であって、開閉扉を閉じた状態で袋体取り出し搬送機構により薬剤収納袋体を取り出し可能としたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の薬剤溶解装置である。
【0010】
請求項5に記載のものは、前記袋体支持部材が、薬剤収納袋体の上部の左右に開設された開口内に挿通する一対の平行な棒体から構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の薬剤溶解装置である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、水平方向に延在する袋体支持部材により複数の薬剤収納袋体を吊り下げた状態で支持するので、袋体支持部材開封の底部に何も接触しない状態で薬剤収納袋体をストックしておくことができ、これにより薬剤収納袋体の清潔を確実に保つことができる。そして、上下方向及び水平方向に移動可能な保持部を有する袋体取り出し搬送機構により、薬剤収納袋体の上部を保持した状態で袋体支持部材から薬剤収納袋体を取り出し、取り出した当該薬剤収納袋体を吊り下げた状態で薬剤排出部に搬送し、薬剤排出部の開封カッターで開封して薬剤を溶解槽に投入するので、薬剤の溶解作業を迅速に実施することができる。
【0012】
また、袋体支持部材を、高さを異ならせて縦方向に複数段設けたり(請求項2)、上下方向に移動する上下移動機構を設けたりすると(請求項3)、多数の薬剤収納袋体を効率良くストックすることができる。
【0013】
開閉扉を有する筐体の内部に、前記袋体取り出し搬送機構と溶解槽と薬剤排出部とを配設し、開閉扉の内面側に前記袋体支持部材を設け、開閉扉を開いた状態で袋体支持部材に薬剤収納袋体を吊り下げ可能であって、開閉扉を閉じた状態で袋体取り出し搬送機構により薬剤収納袋体を取り出し可能とすると(請求項4)、多数の薬剤収納袋体をストックできて、しかも装置全体をコンパクトに収めることができる。
【0014】
そして、薬剤収納袋体の上部の左右に開設された開口内に挿通する一対の平行な棒体により袋体支持部材を構成すると(請求項5)、簡単な構成で所定位置で確実に薬剤収納袋体を支持しておくことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は溶解装置の内部構成を示す概略平面図、図2は概略構成を示す説明図である。
本実施形態に示す溶解装置1は、透析用剤を溶解して透析液とする透析用剤溶解装置1であり、左右に開く観音扉状の開閉扉2a,2bを前面に有する筐体3と、この筐体3の開閉扉2a,2bの内面側に設けられて複数の薬剤収納袋体4を吊り下げた状態で支持する袋体支持部材5と、筐体3の内部に設けられたA剤用とB剤用との2つの溶解槽6、開閉扉2a,2bの袋体支持部材5から薬剤収納袋体4を取り出して所定の位置まで搬送可能な袋体取り出し搬送機構7と、該袋体取り出し搬送機構7により搬送した薬剤収納袋体4を開封して薬剤を排出して前記溶解槽6内に投入する薬剤排出部8とから概略構成されている。
【0016】
まず、薬剤収納袋体4について説明する。
薬剤収納袋体4は、図3及び図4に示すように、可撓性シート材からなる筒状の胴部10と、この胴部10内の下部に設けた可撓性シート材製の底部11とから概略構成され、胴部10の上端部分を封止した上封止部12の左右には袋体支持部材5を挿通するための貫通した孔13を開設し、底部11には、収納した透析用剤の通過を阻止するが空気の通過を許容する大きさの小孔14を開設し、溶解装置1にセットする場合には下封止部15を側縁のノッチ16から切除して底部11を露出できるようにしてある。可撓性シート材としては、例えば、ポリエステルのラミネートフィルム材やポリエチレンフィルムなど可撓性のある合成樹脂シート材(フィルム材)を使用することができ、胴部10には底部11よりも高い強度のものを用い、底部11にはカッターで破断し易いように胴部10よりも弱いものを用いると好適である。なお、図面に示す実施形態では、胴部10には、厚さ10〜50μmのポリエステルフィルムと、厚さ10〜50μmの酸化ケイ素蒸着ポリエステルフィルムと、厚さ50〜100μmのポリエチレンフィルムとを積層したラミネートフィルムを使用し、底部11には、厚さ10〜100μmのポリエチレンフィルムを使用している。
なお、後述するA剤用とB剤用の容器とは、大きさが異なるので、左右の孔13の間隔も差があるが、両孔13,13の間に袋体取り出し機構7の保持部材が入って挟持し得るスペースは確保してある。
【0017】
そして、薬剤収納袋体4の内部に収納する薬剤、例えば本実施形態に示す透析用剤は、溶解時における化学反応を防止するためにA剤とB剤との2種類に分けて提供される。A剤はブドウ糖、塩化ナトリウム、塩化マグネシウムなどの成分を含んだ薬剤であり、B剤は炭酸水素ナトリウムを主成分とする薬剤である。そして、透析液を調製するには、例えばA剤を2682.0g、B剤を661.6g使用する。そこで、本実施例に示す実施形態では、透析用剤収納容器(薬剤収納袋体4)を、透析液の調整に必要な使用量を収納可能な容量に設定している。例えば、A剤用の透析用剤収納容器4aの容量を約3リットル(幅約23cm、高さ約40cm)、B剤用の透析用剤収納容器4bの容量を約1リットル(幅約23cm、高さ約13cm)に設定し、透析用剤収納容器を見ただけで識別できるようにしてある。そして、容量の大きなA剤用の透析用剤収納容器4aを右側の大きな開閉扉2aの裏側に、容量の少ないB剤用の透析用剤収納容器4bを右側よりも小さな左側の開閉扉2bの裏側に貯留(ストック)するようにしてある。
【0018】
次に、薬剤収納袋体4を支持する袋体支持部材5について説明する。
袋体支持部材5は、複数の薬剤収納袋体4を吊り下げた状態で支持するための部材であり、本実施形態では、基端が開閉扉2a,2bの裏面側に固定された片持ち梁状に水平方向に延出した一対の平行な棒体から構成されている。そして、本実施形態においては、平行な棒体からなる袋体支持部材5を、上下方向移動機構20に高さを異ならせて縦方向に複数段設けるとともに横方向に複数列設けることにより各棒体が共に上下方向に移動するように構成してある。上下方向移動機構20は、開閉扉2a,2bの裏面の上下に駆動ホイール21aと遊転ホイール21bを設け、両ホイール21a,21bに無端ベルト(乃至無端チェーン)22を掛け渡し、その表面に棒体の基端を固定し、駆動ホイール21aにはパルスモータ等の駆動源(図示せず)を接続して構成されている。したがって、制御装置(図示せず)からの駆動信号により駆動源を作動すると、各棒体が上下方向に移動し、これに棒体、即ち薬剤収納袋体4を所定の高さに調整することができる。なお、A剤用の右側とB剤用の左側の上下方向移動機構20は、大きさが異なり、また、棒体の間隔が孔の間隔に合わせて異なるだけであり、基本的な構成は同じである。
【0019】
この様な構成からなる袋体支持部材5にストック(貯留)した複数の薬剤収納袋体4から1つを取り出す袋体取り出し搬送機構7は、A剤用もB剤用も共通であり、その概略は、筐体3の内部の奥に架設されて左右方向に長尺なガイドレール25を架設し、このガイドレール25に案内されて移動する取り出しアーム26を前方の開閉扉2a,2bに向けて延設し、取り出しアーム26に、薬剤収納袋体4の上部(上封止部12)を保持した状態で薬剤収納袋体4を吊り下げた状態で保持する保持部27を前後方向及び上下方向に移動可能に設け、保持部27により保持した薬剤収納袋体4を前後左右方向(水平方向)及び上下方向に自由に移動(搬送)できるように構成してある。
【0020】
なお、保持部27を前後方向に移動したり、取り出しアーム26をガイドレール25に沿って左右方向に移動するなどの駆動機構は、公知の駆動構造を採用することができ、例えば、雄ねじを形成した雄ねじ杆に雌ねじ部材を螺合して雄ねじ杆を回転することにより雌ねじ部材を移動するボールスプラインなどを使用した構成でもよい。また、保持部27により薬剤収納袋体4の上部(上封止部12)を保持するための構造は、チャック部を電磁ソレノイドとスプリングにより開閉する機構でもよいし、あるいは、前記した雄ねじ杆と雌ねじ部材とからなる駆動機構でもよい。また、図4(b)に示すように、保持部27のチャック部27a,27bの対向する面の一方に凸部27cを、他方に凸部27cが嵌合可能な凹部27dを形成し、両チャック部27a,27bを閉じた状態で各チャック部の対向面が薬剤収納袋体4の上封止部12を両側から挟みつけて挟持すると同時に、凸部27cが上封止部12の貫通開口28内を貫通して凹部27d内に先端が嵌合するように構成しても良い。この様に、保持部27の一部(凸部27c)が薬剤収納袋体4の一部分を貫通すると、薬剤収納袋体4を吊り上げた時に、落下するトラブルを未然に防止することができ、確実性が高まる。
【0021】
この様な構成からなる袋体取り出し搬送機構7により袋体支持部材5から薬剤収納袋体4を取り出すには、制御装置(図示せず)がどの段の何列目のから取り出すかを管理・制御しているので、この制御装置からの信号に基づいて取り出しアーム26が指示通りの段と列に合った位置に停止し、保持部27を開閉扉2a,2b側に向けて前進させる。保持部27には、センサー(図示せず)が装備されているので、このセンサーが薬剤収納袋体4を検出すると制御装置からの信号に基づいて目標とする薬剤収納袋体4の取り出しに適した位置で停止する。そして、図4(b)に示すように、保持部27のチャック部27a,27bが開いた状態で下降して両チャック部27a,27bの間に薬剤収納袋体4の上封止部12を位置させ、次にチャック部27a,27bを閉じて薬剤収納袋体4の上封止部12を挟持し、この挟持状態で保持部27を後退させることにより当該薬剤収納袋体4を袋体支持部材5から取り出す。なお、袋体支持部材5の上端には、位置決め溝29が形成してあるので、薬剤収納袋体4を袋体支持部材5に順次突き刺してストックする場合には、上記した位置決め溝29内に孔13の縁を嵌合して位置決めした状態にすることが望ましい。
【0022】
上記した様にして薬剤収納袋体4を1つ取り出したならば、取り出しアーム26がガイドレール25に沿って移動し、取り出した薬剤収納袋体4をA剤用の溶解槽6a上に搬送する。なお、制御装置は、取り出す順序を予め記憶しておき、この順序で取り出すように制御し、上下方向移動機構20を作動して、薬剤収納袋体4が掛かっている袋体支持部材5が保持部27の取り出し高さに合致するようにパルスモータ等の駆動源を作動する。
【0023】
次に、溶解槽6を始めとする溶解機構と薬剤収納袋体4を開封する開封機構について図5,6を用いて説明する。なお、A剤用とB剤用とは、薬剤収納袋体4の大きさに合わせて寸法が多少異なる部分もあるが、基本的な構造は同じである。
溶解機構は、溶解槽6と、該溶解槽6の底部11の排出口31に上端を接続した吸入側配管32と、この吸入側配管32の下端を吸入ポートに接続したポンプ33と、このポンプ33の吐出ポートに一端を接続して他端を溶解槽6の攪拌管34に接続した吐出側配管35と、溶解槽6の内部に斜めに差し込まれた攪拌管34とから概略構成されており、本実施形態では溶解槽6の上面に蓋36を被せ、この蓋36に開設した薬剤投入口37に、薬剤排出部8の開封機構が設けてある。
【0024】
開封機構は、薬剤投入口37を横断するようにして架設した梁状のホルダ40に切刃41を上向きにして開封カッター42を取り付け、ホルダ40の左右に開口した薬剤投入口37の外側に、三角錐形状の底当接部43を設けて構成されている。したがって、保持部27により吊り下げた状態で保持した薬剤収納袋体4をA剤用溶解槽6の開封機構上に搬送してからこれを下降すると、薬剤収納袋体4の底部11が開封カッター42の切刃41に当たり、さらに下降すると切刃41が底部11を切り裂いて開封(貫通)し、左右の底当接部43が薬剤収納袋体4の底の凹部にそれぞれ嵌合するとともに底当接面44が底部11に当接する。このようにして、本実施形態に示す開封機構は、簡単な構成で、薬剤収納袋体4の底部11を開封することができる。また、底部11が開封された薬剤収納袋体4を薬剤排出部8上で安定させることができ、薬剤投入口37からずれたりして薬剤が薬剤排出部8上に飛び散ることを抑えることができる。これにより、溶解槽6への投入時の発塵により透析用薬剤溶解装置1の内部や周辺が汚染する不具合を抑制することができる。しかも、底当接部43は、薬剤収納袋体4の底の凹部内に嵌合して位置決め可能な大きさと形状に設定されているので、薬剤収納袋体4を一層安定させることができる。
【0025】
そして、開封カッター42には切刃41よりも低い位置に薬剤流下空部45が形成されているので、薬剤収納袋体4を十分に下降して開封すると、図9(b)に示すように、薬剤流下空部45を底部11の内側に到達させることができる。したがって、底部11の近くに収納されていた薬剤が先ず薬剤流下空部45に流れ込んで流下が開始され、薬剤が薬剤収納袋体4の内部で滞留することを防ぐことができる。このことから、薬剤収納袋体4を開封しても中の薬剤が流下しないという不具合の発生を抑えることができ、薬剤の投入作業を迅速に行うことができる。
【0026】
薬剤収納袋体4を下死点まで下降し、切刃41によって底部11に開口(底部開口)46を開設したならば、その後に保持部27により薬剤収納袋体4を僅かに上昇させて停止する。詳しくは、切刃41が薬剤収納袋体4の開封された底部開口46から抜けない範囲で上昇して停止する。すると、開封カッター42が底部11から僅かに引き抜かれ、この開封カッター42の引き抜き動作により、底部開口46の縁が下方へ向きを変える(図9(c))。したがって、薬剤収納袋体4を開封して底部開口46の縁が開封カッター42の側部に密着したとしても、底部開口46の縁が薬剤の落下を阻止する状態を回避することができる。
【0027】
そして、薬剤収納袋体4内の薬剤が底部開口46から排出され、下方に開口している薬剤投入口37内を通って流下し、溶解槽6内に投入される。したがって、薬剤収納袋体4を上下移動させるだけで薬剤収納袋体4の開封作業を行うことができるとともに、薬剤を溶解槽6へ確実に投入することができる。このことから、簡単な構造で開封作業を行える透析用薬剤溶解装置1を実現することができる。しかも、薬剤の投入作業を迅速に行うことができ、薬剤の溶解作業、ひいては透析液の調製作業の効率向上を図ることができる。
【0028】
そして、薬剤収納袋体4が薬剤を排出し始めたならば、薬剤排出部8の側方に配置した排出補助機構47を作動し、叩き部48により薬剤収納袋体4の胴部10を叩いて振動を与え、薬剤の排出を促進させるようにしてもよい。このようにすると、薬剤を薬剤収納袋体4内に残さずに溶解槽6へ投入することができ、薬剤を確実に規定の濃度で溶解させることができる。なお、排出補助機構47は、薬剤収納袋体4が開封された後であれば、薬剤が排出し始める前に胴部10を叩いて振動を与えて、塊を崩したり、薬剤の排出開始を促すようにしてもよい。
【0029】
薬剤収納袋体4から薬剤を投入し終わったならば、保持部27を上昇して空になった薬剤収納袋体4を持ち上げ、取り出しアーム26をガイドレール25に沿って排出シュート50まで移動し、ここで保持部27のチャック部を開いて薬剤収納袋体4を排出シュート50に落下させ、この排出シュート50を介して空容器回収箱51へ回収する。なお、この様にして回収した薬剤収納袋体4は、押し潰して簡単に減容できる。
【0030】
また、上記した操作により薬剤を投入したならば、溶解ポンプ33を作動し、水および薬剤を溶解槽6と溶解ポンプ33との間に循環して攪拌する。そして、薬剤が十分に溶解したならば、溶解ポンプ33を一旦停止し、排出切替弁(図示せず)を切り替えて排出配管と溶解ポンプ33の吐出口とを連通状態に変換するとともに、溶解槽6の供給口と溶解ポンプ33の吐出口とを遮断状態に変換し、再び溶解ポンプ33を作動する。すると、溶解水が溶解槽6から排出配管へ送出され、排出配管の下流側に設けた溶解水回収容器(図示せず)へ回収される。
【0031】
このようにして、A剤を収納した薬剤収納袋体4をセットしてA剤用の溶解槽6aで9L(リットル)のA原液を調製し、B剤を収納した薬剤収納袋体4をセットしてB剤用の溶解槽6bで11.34LのB原液を調製する。そして、A原液:B原液:水=1:1.26:32.74の比率で混合すれば、315Lの透析液を調製することができる。
【0032】
なお、薬剤流下空部45は、前記実施形態では開封カッター42の厚さ方向に貫通させて開設した貫通開口部により構成したが、これに限定されない。例えば、図10に示すように、開封カッター42の表裏両面部に縦長な複数の流下案内溝を横に並べて形成し、この流下案内溝を薬剤流下空部45´として構成してもよく、縦長な流下案内溝に入り込んだ薬剤が下方へ案内されて薬剤投入口37へ流下し易くなるので好適である。
【0033】
なお、前記した実施形態においては透析用剤を溶解する溶解装置1として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の薬剤を溶解するためのものであってもよい。したがって、溶解槽6や開封機構などは1つでもよい。
【0034】
また、袋体支持部材5は、前記実施形態で示したようなヒンジにより回動して左右に開く開閉扉2a,2bの裏側に設けるものに限定されない。例えば、棒体の基端を支柱に複数段固定し、支柱の下端をキャスター付台車に取り付けて移動できるように構成してもよい。この様に構成すると、作業者が多数の薬剤収納袋体4を袋体支持部材5に吊り下げる作業を広い場所で容易に行うことができ、操作性に優れる。
また、袋体支持部材5は、水平方向に延在して複数の薬剤収納袋体を吊り下げた状態で支持できれば、前記実施形態における片持ち梁状のものに限定されず、両端を固定した両持ち構造とし、薬剤収納袋体を吊り上げて取り出すように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】透析用剤溶解装置の概略構成を説明する正面視の説明図である。
【図2】透析用剤溶解装置の概略構成を説明する平面視の説明図である。
【図3】(a)は薬剤収納袋体の正面図、(b)はその側面図である。
【図4】(a)は薬剤収納袋体の下封止部を切除する状態を示す正面図、(b)はその側面図である。
【図5】薬剤排出部の開封機構により底部を開封した状態を示す正面視の説明図である。
【図6】薬剤排出部の開封機構により底部を開封した状態を示す側面視の説明図である。
【図7】薬剤排出部の開封機構の平面図である。
【図8】(a)は開封カッターの正面図、(b)はその断面図である。
【図9】(a)は開封カッターにより薬剤収納袋体の底部を開封する直前の状態を示す説明図、(b)は開封カッターにより薬剤収納袋体の底部を開封した直後の状態を示す説明図、(c)は薬剤収納袋体を少し持ち上げた状態を示す説明図である。
【図10】(a)は開封カッターの他の実施形態の正面図、(b)はその断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 溶解装置
2 開閉扉
3 筐体
4 薬剤収納袋体
5 袋体支持部材
6 溶解槽
7 袋体取り出し機構
8 薬剤排出部
10 薬剤収納袋体の胴部
11 薬剤収納袋体の底部
12 薬剤収納袋体の上封止部
13 袋体支持部材を通す孔
14 底部の小孔
15 下封止部
16 ノッチ
20 上下方向移動機構
21a 駆動ホイール
21b 遊転ホイール
22 無端ベルト
25 ガイドレール
26 取り出しアーム
27 保持部
37 薬剤投入口
40 ホルダ
41 切刃
42 開封カッター
43 底当接部
44 底当接面
45 薬剤流下空部
46 底部開口
47 排出補助機構
48 叩き部
50 排出シュート
51 空容器回収箱




 

 


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