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発明の名称 体幹部脂肪測定方法及び装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−117437(P2007−117437A)
公開日 平成19年5月17日(2007.5.17)
出願番号 特願2005−314098(P2005−314098)
出願日 平成17年10月28日(2005.10.28)
代理人 【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
発明者 増尾 善久
要約 課題
厳格な電極配置の制限を排除して電極の体幹腹部への配置ズレによる影響を軽減する。

解決手段
電流印加電極対と電圧計測電極対を使用して測定した体幹部インピーダンスを利用して体幹部脂肪組織量を求める体幹部脂肪測定方法において、電流印加電極対及び電圧計測電極対の一方の電流印加電極及び電圧計測電極として共用する広い電極面積を有する1つの共通電極を設けることによって、測定に必要な電極の構成を、電流印加電極、電圧計測電極及び共通電極の3つの電極とし、共通電極を体幹部に配置し且つ電流印加電極及び電圧計測電極を四肢に配置して体幹部インピーダンスの測定を行う。
特許請求の範囲
【請求項1】
電流印加電極対と電圧計測電極対を使用して測定した体幹部インピーダンスを利用して体幹部脂肪組織量を求める体幹部脂肪測定方法において、前記電流印加電極対及び前記電圧計測電極対の一方の電流印加電極及び電圧計測電極として共用する広い電極面積を有する1つの共通電極を設けることによって、測定に必要な電極の構成を、電流印加電極、電圧計測電極及び共通電極の3つの電極とし、前記共通電極を体幹部に配置し且つ前記電流印加電極及び前記電圧計測電極を測定に有用な体の部位にそれぞれ配置して体幹部インピーダンスの測定を行うことを特徴とする体幹部脂肪測定方法。
【請求項2】
前記共通電極と前記電流印加電極との間に電流を印加した時の前記共通電極と前記電圧計測電極との間の電位差を測定し、印加した電流と測定した電位差とに基づいて体幹部インピーダンスを測定することを特徴とする請求項1に記載の体幹部脂肪測定方法。
【請求項3】
身体特定化情報に基づいて体幹部骨格筋組織量を求め、該求めた体幹部骨格筋組織量と身体特定化情報とに基づいて体幹部骨格筋組織層のインピーダンスを求め、身体特定化情報に基づいて体幹部の内臓器組織量を求め、該求めた体幹部の内臓器組織量と身体特定化情報とに基づいて体幹部の内臓器組織のインピーダンスを求め、前記測定した体幹部インピーダンスと、前記求めた体幹部骨格筋組織層のインピーダンス及び体幹部の内臓器組織のインピーダンスとに基づいて体幹部内臓脂肪組織のインピーダンスを求め、該求めた体幹部内臓脂肪組織のインピーダンスと身体特定化情報とに基づいて体幹部内臓脂肪組織量を求める各段階を更に含む請求項2に記載の体幹部脂肪測定方法。
【請求項4】
前記測定した体幹部インピーダンスと、前記求めた体幹部骨格筋組織層のインピーダンス及び体幹部の内臓器組織のインピーダンスとに基づいて体幹部内臓脂肪組織のインピーダンスを求める段階は、体幹部の電気的等価回路が、前記体幹部の内臓器組織のインピーダンスと前記体幹部内臓脂肪組織のインピーダンスとの直列回路に対して前記体幹部骨格筋組織層のインピーダンスが並列に接続されたものとしている請求項3に記載の体幹部脂肪測定方法。
【請求項5】
前記測定に有用な体の部位は体幹から突出した部位であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の体幹部脂肪測定方法。
【請求項6】
前記体幹から突出した部位は上肢又は下肢のいずれか一方であることを特徴とする請求項5に記載の体幹部脂肪測定方法。
【請求項7】
前記共通電極を体幹腹部の臍囲周方向に長手形状に配置することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の体幹部脂肪測定方法。
【請求項8】
前記測定に有用な体の部位は体幹腹部であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の体幹部脂肪測定方法。
【請求項9】
電流印加電極対と電圧計測電極対を使用して測定した体幹部インピーダンスを利用して体幹部脂肪組織量を求める体幹部脂肪測定装置において、前記電流印加電極対及び前記電圧計測電極対の一方の電流印加電極及び電圧計測電極として共用する広い電極面積を有する1つの共通電極を設けることによって、測定に必要な電極の構成を、電流印加電極、電圧計測電極及び共通電極の3つの電極とし、前記共通電極が体幹部に配置され且つ前記電流印加電極及び前記電圧計測電極が測定に有用な体の部位にそれぞれ配置されたことを特徴とする体幹部脂肪測定装置。
【請求項10】
前記共通電極と前記電流印加電極との間に電流を印加した時の前記共通電極と前記電圧計測電極との間の電位差に基づいて体幹部インピーダンスを測定する手段を備えることを特徴とする請求項9に記載の体幹部脂肪測定装置。
【請求項11】
身体特定化情報に基づいて体幹部骨格筋組織量を推定し、該推定した体幹部骨格筋組織量と身体特定化情報とに基づいて体幹部骨格筋組織層のインピーダンスを推定する体幹部骨格筋組織層インピーダンス推定手段と、身体特定化情報に基づいて体幹部の内臓器組織量を推定し、該推定した体幹部の内臓器組織量と身体特定化情報とに基づいて体幹部の内臓器組織のインピーダンスを推定する体幹部内臓器組織インピーダンス推定手段と、前記測定手段によって測定した体幹部インピーダンスと、前記推定した体幹部骨格筋組織層のインピーダンス及び体幹部の内臓器組織のインピーダンスとに基づいて体幹部内臓脂肪組織のインピーダンスを推定する体幹部内臓脂肪組織インピーダンス推定手段と、前記推定した体幹部内臓脂肪組織のインピーダンスと身体特定化情報とに基づいて体幹部内臓脂肪組織量を推定する体幹部内臓脂肪組織量推定手段とを更に備えることを特徴とする請求項10に記載の体幹部脂肪測定装置。
【請求項12】
前記体幹部内臓脂肪組織インピーダンス推定手段は、体幹部の電気的等価回路が、前記体幹部の内臓器組織のインピーダンスと前記体幹部内臓脂肪組織のインピーダンスとの直列回路に対して前記体幹部骨格筋組織層のインピーダンスが並列に接続されたものとしている請求項11に記載の体幹部脂肪測定装置。
【請求項13】
前記測定に有用な体の部位は体幹から突出した部位であることを特徴とする請求項9〜12のいずれか1つに記載の体幹部脂肪測定装置。
【請求項14】
前記体幹から突出した部位は上肢又は下肢のいずれか一方であることを特徴とする請求項13に記載の体幹部脂肪測定装置。
【請求項15】
前記共通電極が体幹腹部の臍囲周方向に長手形状に配置されたことを特徴とする請求項9〜14のいずれか1つに記載の体幹部脂肪測定装置。
【請求項16】
前記測定に有用な体の部位は体幹腹部であることを特徴とする請求項9〜12のいずれか1つに記載の体幹部脂肪測定装置。
【請求項17】
前記電流印加電極及び前記電圧計測電極がそれぞれ測定に有用な体の部位に配置された複数の電流印加電極及び複数の電圧計測電極を含み、前記測定手段が、これらの複数の電極のうちから測定に必要な電極を選択する電流印加電極選択部及び電圧計測選択部を備えることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1つに記載の体幹部脂肪測定装置。
【請求項18】
前記複数の電流印加電極及び前記複数の電圧計測電極が、上肢、下肢、体幹腹部及び頭部の少なくとも1つに配置された電極を含むことを特徴とする請求項17に記載の体幹部脂肪測定装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、体幹部脂肪測定方法及び装置に関し、特に、体幹部内臓脂肪量を測定する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生体電気インピーダンスを利用した体脂肪組織の推定技術は、体脂肪組織量及び体脂肪率を計測する技術として世に広がってきたが、実際には、脂肪組織を直接的に測定するものとはなっておらず、脂肪組織以外の水が支配的な除脂肪組織を電気的に計測したものである。特に、全身(Whole Body)計測では、旧来のタイプでは仰臥位姿勢で片手-片足間を一つの円柱でモデル化している(片手-片足間誘導法)し、簡易型としては、立位姿勢で測定する両掌間誘導法や、体重計と一体になった両脚裏間誘導法、上肢と下肢又は、上肢と下肢と体幹、又は、左右上肢、左右下肢、体幹の様に5セグメントに分けて個別に円柱モデルを適用可能としてインピ−ダンスを計測した技術も顕在化してきている。また、インピ−ダンスCT計測技術を簡略して体幹部臍囲に電圧印加・電圧計測電極を配置して腹部のインピ−ダンスを計測し、内臓脂肪組織量を推定する計測技術について、特許出願がなされている(特許文献1及び特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特許第3396677号
【特許文献2】特許第3396674号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、体脂肪組織の情報は、糖尿病や高血圧及び高脂血症などの生活習慣病のスクリ−ニング用としての有用性が特に問われており、中でも内臓器組織近辺に付着、蓄積した内臓脂肪組織に関して、その計測の重要性が日に日に高まってきている。
【0005】
内臓脂肪組織は、体幹の腹部付近に集中的に分布する脂肪組織で、X線CТ やMRI等による腹部横断画像を用いてその脂肪組織の横断面積で判断されてきていた。しかし、装置が大掛かりで、また、X線の場合被曝の問題もあり、費用面もあり、フィールド及び家庭用での計測に適さない。そこで、内臓脂肪組織は、全身脂肪組織との相関又は、全身の除脂肪組織との相関からの推定するのが一般的で、スクリーニング用としても、十分な信頼性を確保するにいたらなかった。
【0006】
最近では、体幹部の臍囲周辺に電極を配置し、体幹部の内部インピ−ダンスを計測して、内臓脂肪組織情報を推定するといった方法も開発中である。しかしながら、この方法は、骨格筋組織層と皮下脂肪組織層と内臓脂肪組織の間に有意な相関が存在することに基づくものであり、いずれかの組織層の情報が捕捉出来ればおおよその情報の推定が可能であることを前提とするものである。このため、非常に有意な相関が存在し得る自立性の高い健康域の被験者については良好な結果が期待できるが、各組織間の相関が異なる対象者、例えば、内臓脂肪組織が顕著に肥大し、かつ、皮下脂肪組織層や骨格筋組織層との相関性が顕著に低い被験者における計測結果については大きな誤差を含んだものとなり得る。つまり、この開発中の方法にあっても、健康な自立生活が可能な被験者であれば、臍部全周囲のどこに電極を配置しても何とか計測の可能性は考えられるが、麻痺・介護患者等、特にベッド上の寝たきり患者での計測となると課題が大きい。
【0007】
また、この開発中の方法は、測定対象としている組織部位を腹部表面から電流を印加通電させて、内部の組織に関連するインピ−ダンス値を取得している点で高い技術と言えるが、測定部位である体幹部が有する内部構造上の問題から、測定されたインピ−ダンス情報そのものが内臓脂肪組織に対してほとんど有用な感度を有していないのが実情である。即ち、測定部位である体幹部は太短く、多重構造、つまり、測定対象である内臓脂肪組織は内臓器組織や背骨組織とともに非常に良好な導電性を示す骨格筋組織層で覆われ、更に、この骨格筋組織層は導電性が非常に悪い皮下脂肪組織層で覆われているといった構造になっている。特に、測定対象である内臓脂肪組織周辺は、骨格筋組織層より導電性が劣る内臓器組織とこの内臓器組織に付着、蓄積した導電性が悪い内臓脂肪組織が支配的で、かつ、複雑な構成のため、骨格筋組織層より内部の導電性はかなり劣るものとなっている。このため、単純に電流印加電極を腹周囲に配置したとしても、大半は、骨格筋組織層を通じた通電になり、電流密度分布も、骨格筋組織層に支配的な電位分布として表面計測電極から観測されることになる。更に、電流印加電極の表面積又は腹周囲方向への電極幅で印加電流密度の分布が決まり、電極直下の皮下脂肪組織層における電流密度が高い広がり抵抗領域での情報の観測が支配的となってしまう。
【0008】
更に言えば、測定部位である体幹部は太短いため、電流印加電極直下の電流密度集中(広がり抵抗)領域の皮下脂肪組織層における感度が高くなり、更に、骨格筋組織層は脂肪組織に比べて導電性が相当高いことから、皮下脂肪組織層を通過した電流の大半が骨格筋組織層を介して対向する電流印加電極側へ皮下脂肪組織層を通って戻るル−トを取り、結果的に、内部での電位分布はこの骨格筋組織層で大幅に歪められてしまう。よって、従来の方法では、測定される電位の大半は、皮下脂肪組織層の情報となってしまい、測定対象である内臓脂肪組織、即ち、内臓器組織及びその周囲に付着、蓄積する内臓脂肪組織への通電はほとんど期待できず、全インピ−ダンス計測区間の10%以下の極めて計測感度の低い情報しか捕捉出来ていないのである。
【0009】
これらの問題を回避するために、皮下脂肪組織層面積と相関性が高い腹囲長を推定式に組み込むことで、その推定誤差の拡大を防止する方法も考えられてはいるが、この方法はあくまで構成組織間の相関性による間接推定にほかならず、腹部中央に必要な通電感度を確保した計測法とは言いづらい。つまり、統計的相関デザインからずれる個々人の誤差は、保証出来ず、特に病的に皮下や内臓の脂肪組織が多い場合や、中間の骨格筋組織層が多い/少ない場合などは顕著な誤差が生じ得る。尚、皮下脂肪組織層面積が腹囲長と相関性が高いのは、人間の体幹は同心円上の組織配列デザインとなっており、皮下脂肪組織層は、最も外側の配置であるため、外周囲長と皮下脂肪組織厚でその面積が決まることになるからである。
【0010】
体幹に対しての電極配置にも通常は、四電極法が用いられる。この方法は、被験者の体内に電流を印加するとともに、印加電流によって被験者の測定部位区間に生じた電位差を測定して測定部位区間の生体電気インピーダンスを測定するというものである。体幹部のような太短い測定部位区間に四電極法を適用した場合、電流の広がり始めの電流密度集中(即ち、広がり抵抗領域)が、例えば、電流印加電極直下の、皮下脂肪組織層付近で大きな電位差を生じ、この電位差が、電圧計測電極間で計測される電位差の大半を占めることになる。この広がり抵抗による影響を小さくするためには、電流印加電極と電圧計測電極の間の距離を十分確保して配置することが重要である。一般的な測定は、測定区間が長く電圧計測電極間距離が十分確保できる条件での測定であるため、いわゆるS/N感度(Nは広がり抵抗による影響(ノイズ)、Sは電圧計測電極間で計測される信号)は十分確保されるはずである。しかしながら、体幹部のような太短い測定部位の場合は、Nを小さくすべく、電流印加電極からの距離を確保しようとして電圧計測電極を遠ざけると、逆に、電圧計測電極区間距離が小さくなり、この結果、Sが小さくなって、結局、S/Nは悪くなってしまう。更に、電流密度が高い広がり抵抗領域は、皮下脂肪組織層であり、厚味がある肥満傾向の被験者が一般的であるため、かなり大きなNとなってしまい、二重にS/Nが悪くなってしまう。このように、体幹部のような太短い測定部位に対して四電極法を用いる場合には、単に臍囲周上に電極を配置しただけでは、内臓脂肪組織への有用なS/N感度を確保することにかなり無理があると推測される。尚、S/Nに関しては、後述する実施例についての説明において更に詳述する。
【0011】
そこで、測定対象の体幹腹部に四電極をすべて配置する誘導法の場合には、骨格筋組織層を外す腱膜部の様な導電層窓部に電流印加電極を配置したり、骨格筋組織層を導電層として利用するために電極配置上の制限を与えたりすることが考えられている。しかしながら、この場合には、電極配置誤差が、測定精度に厳格に影響を及ぼす要因となってしまう。
【0012】
また、測定対象の体幹腹部以外の四肢等へ可能な限り電極配置をシフトする(四肢のような体幹から突出した部位に電極を配置することで、四肢を体幹からのリード線の代用と考える誘導法)中で、上記制限の軽減化を実現してきたが、反面、体幹から突出する四肢配置構造の制限から、体幹腹部の測定対象部位を全く自由に選択することができなかった。
【0013】
本発明の目的は、これら従来技術における問題点を解消することにあり、厳格な電極配置の制限を排除して電極の体幹腹部への配置ズレによる影響を軽減するとともに、体幹部に蓄積される脂肪組織、特に、内臓器組織周辺に付着、蓄積する内臓脂肪組織の情報を高精度で簡便に測定可能とする体幹部脂肪測定方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一つの観点によれば、電流印加電極対と電圧計測電極対を使用して測定した体幹部インピーダンスを利用して体幹部脂肪組織量を求める体幹部脂肪測定方法において、前記電流印加電極対及び前記電圧計測電極対の一方の電流印加電極及び電圧計測電極として共用する広い電極面積を有する1つの共通電極を設けることによって、測定に必要な電極の構成を、電流印加電極、電圧計測電極及び共通電極の3つの電極とし、前記共通電極を体幹部に配置し且つ前記電流印加電極及び前記電圧計測電極を測定に有用な体の部位にそれぞれ配置して体幹部インピーダンスの測定を行うことを特徴とする体幹部脂肪測定方法が提供される。
【0015】
本発明の一つの実施の形態によれば、前記共通電極と前記電流印加電極との間に電流を印加した時の前記共通電極と前記電圧計測電極との間の電位差を測定し、印加した電流と測定した電位差とに基づいて体幹部インピーダンスを測定する。
【0016】
本発明の別の実施の形態によれば、身体特定化情報に基づいて体幹部骨格筋組織量を求め、該求めた体幹部骨格筋組織量と身体特定化情報とに基づいて体幹部骨格筋組織層のインピーダンスを求め、身体特定化情報に基づいて体幹部の内臓器組織量を求め、該求めた体幹部の内臓器組織量と身体特定化情報とに基づいて体幹部の内臓器組織のインピーダンスを求め、前記測定した体幹部インピーダンスと、前記求めた体幹部骨格筋組織層のインピーダンス及び体幹部の内臓器組織のインピーダンスとに基づいて体幹部内臓脂肪組織のインピーダンスを求め、該求めた体幹部内臓脂肪組織のインピーダンスと身体特定化情報とに基づいて体幹部内臓脂肪組織量を求める各段階を更に含む。
【0017】
本発明の別の実施の形態によれば、前記体幹部内臓脂肪組織インピーダンス推定手段は、体幹部の電気的等価回路が、前記体幹部の内臓器組織のインピーダンスと前記体幹部内臓脂肪組織のインピーダンスとの直列回路に対して前記体幹部骨格筋組織層のインピーダンスが並列に接続されたものとしている。
【0018】
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記体幹部脂肪測定方法において、前記測定に有用な体の部位は体幹から突出した部位であってもよい。
【0019】
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記体幹部脂肪測定方法において、前記体幹から突出した部位は上肢又は下肢のいずれか一方であってもよい。
【0020】
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記体幹部脂肪測定方法において、前記共通電極を体幹腹部の臍囲周方向に長手形状に配置してもよい。
【0021】
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記体幹部脂肪測定方法において、前記測定に有用な体の部位は体幹腹部であってもよい。
【0022】
本発明の別の観点によれば、電流印加電極対と電圧計測電極対を使用して測定した体幹部インピーダンスを利用して体幹部脂肪組織量を求める体幹部脂肪測定装置において、前記電流印加電極対及び前記電圧計測電極対の一方の電流印加電極及び電圧計測電極として共用する広い電極面積を有する1つの共通電極を設けることによって、測定に必要な電極の構成を、電流印加電極、電圧計測電極及び共通電極の3つの電極とし、前記共通電極が体幹部に配置され且つ前記電流印加電極及び前記電圧計測電極が測定に有用な体の部位にそれぞれ配置されたことを特徴とする体幹部脂肪測定装置が提供される。
【0023】
本発明の一つの実施の形態によれば、前記共通電極と前記電流印加電極との間に電流を印加した時の前記共通電極と前記電圧計測電極との間の電位差に基づいて体幹部インピーダンスを測定する手段を備える。
【0024】
本発明の別の実施の形態によれば、身体特定化情報に基づいて体幹部骨格筋組織量を推定し、該推定した体幹部骨格筋組織量と身体特定化情報とに基づいて体幹部骨格筋組織層のインピーダンスを推定する体幹部骨格筋組織層インピーダンス推定手段と、身体特定化情報に基づいて体幹部の内臓器組織量を推定し、該推定した体幹部の内臓器組織量と身体特定化情報とに基づいて体幹部の内臓器組織のインピーダンスを推定する体幹部内臓器組織インピーダンス推定手段と、前記測定手段によって測定した体幹部インピーダンスと、前記推定した体幹部骨格筋組織層のインピーダンス及び体幹部の内臓器組織のインピーダンスとに基づいて体幹部内臓脂肪組織のインピーダンスを推定する体幹部内臓脂肪組織インピーダンス推定手段と、前記推定した体幹部内臓脂肪組織のインピーダンスと身体特定化情報とに基づいて体幹部内臓脂肪組織量を推定する体幹部内臓脂肪組織量推定手段とを更に備える。
【0025】
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記体幹部内臓脂肪組織インピーダンス推定手段は、体幹部の電気的等価回路が、前記体幹部の内臓器組織のインピーダンスと前記体幹部内臓脂肪組織のインピーダンスとの直列回路に対して前記体幹部骨格筋組織層のインピーダンスが並列に接続されたものとしている。
【0026】
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記体幹部脂肪測定装置において、前記測定に有用な体の部位は体幹から突出した部位であってもよい。
【0027】
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記体幹部脂肪測定装置において、前記体幹から突出した部位は上肢又は下肢のいずれか一方であってもよい。
【0028】
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記体幹部脂肪測定装置において、前記共通電極が体幹腹部の臍囲周方向に長手形状に配置されていてもよい。
【0029】
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記体幹部脂肪測定装置において、前記測定に有用な体の部位は体幹腹部であってもよい。
【0030】
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記電流印加電極及び前記電圧計測電極がそれぞれ測定に有用な体の部位に配置された複数の電流印加電極及び複数の電圧計測電極を含み、前記測定手段が、これらの複数の電極のうちから測定に必要な電極を選択する電流印加電極選択部及び電圧計測選択部を備えることが好ましい。
【0031】
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記複数の電流印加電極及び複数の電圧計測電極が、上肢、下肢、体幹腹部及び頭部の少なくとも1つに配置された電極を含むことが好ましい。
【0032】
よって、本発明によれば、共通電極の電極面積が広いため、体幹腹部への配置ズレによる影響が軽減できる。共通電極側に対する厳格な電極配置制限が排除され、他方の電流印加電極に対する電極配置制限のみとなるので、電極配置ズレの影響を全体として軽減できる。特に、共通電極側以外の電極を体幹から突出した部位例えば四肢に配置した場合には、体幹には共通電極のみを配置するので体幹腹部への配置ズレによる影響を大幅に軽減できる。また、測定部位への意識付けを高めることができる。よって、意識的拘束による精度向上も合わせて期待できる。また、電極面積を広げることで、皮膚との接触抵抗による影響と電流印加電極直下の広がり抵抗の影響を軽減及び無視することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明の実施の形態及び実施例について詳細に説明する前に、本発明による体幹部の内臓脂肪組織測定の原理について説明する。本発明は、基本的には、生体電気インピーダンス情報と身体特定化情報を用いて、体幹部(体幹腹部)の脂肪組織情報(横断面積量、体積量又は重量)、更に言えば、体幹部に蓄積される脂肪組織、特に内臓器組織周辺に付着、蓄積する内臓脂肪組織情報を、高精度で簡便に測定可能とする方法等に関する。
【0034】
本発明は、このため次のような手法を駆使する。
(1)体幹部の生体電気インピーダンス情報に含まれる組織情報を、骨格筋組織層と内臓器組織と内臓脂肪組織で直並列の等価回路モデルを仮定すること。ここでは内臓器組織と内臓脂肪組織を直列に考える(したがって、内臓脂肪組織の大小により通電量の変化を期待できる)。
【0035】
(2)腹囲長が身体特定化情報として確保できる場合は、皮下脂肪組織量も、等価回路モデルに含めた、高精度モデルとして、皮下脂肪組織層と骨格筋組織層と内臓器組織と内臓脂肪組織で直並列の等価回路モデルを仮定すること。
【0036】
(3)皮下脂肪組織量推定は、身体特定化情報のうち腹囲長を主の説明変数とした重回帰式で構成されること。更には、腹囲長の二乗を主体的説明変数と置くこと。
【0037】
(4)内臓器組織情報の確定は、身体特定化情報のうち、身長情報が主体的な説明変数とした重回帰式で構成し、内臓脂肪組織情報推定のための未確定情報の確定に用いる。
【0038】
(5)各組織を定量化するための重回帰分析(検量線作成手法)に用いる組織の基準測定は、臍位でのX線CT断層画像からの組織横断面積(CSA)やMRI法によるCSA及び体幹部全体でのDEXA法、MRI法(長さ方向へ、スライス毎の積分処理)を用いた組織体積量,重量(体積量から重量への変換は、先行研究による組織密度情報より算出可能)で実現できる。DEXA法では、腹部内臓脂肪組織と皮下脂肪組織層の合計の総脂肪組織情報を基準測定できる。
【0039】
(6)上記のような手法を用いて内臓脂肪組織の情報を高精度に捕捉可能とするためには、呼吸等による体幹部の計測インピ−ダンス情報の変動を一定条件値に置き換える手立てが必要となり、インピーダンス計測サンプリング周期を一般的な呼吸周期の1/2以内とし、呼吸変化を時系列的にモニタリングして、呼吸周期及び呼吸周期毎の最大値と最小値を呼吸周期毎に判別し、安静呼吸の中央値を捕捉可能とすること。
【0040】
(7)更に、測定前の飲食及び膀胱尿の貯留などによる悪影響の事前チェックも、計測インピーダンス情報より可能とする。一般に、体幹部のインピーダンス値は、健康な一般的な被験者集団では、骨格筋組織層の情報が支配的に反映される。また、体幹部の骨格筋組織層の情報は、測定値としては非常に小さく個々人毎で大きな違いが認められない。理由は、地球重力下で自重を支えて発達する抗重力筋との相関の高いデザインとなるため、特別に寝たきりで重力の影響を受けない被験者とか、自重の数倍のストレスが加わる種目のアスリートなど、特殊な集団以外ではほぼ身体サイズで決定されてしまうためである。ここで、骨格筋組織層及び前記呼吸変動以外で体幹部のインピーダンスに影響が大きいのは、飲食及び膀胱尿の貯留などによる悪影響である。よって、集団デ−タとして体幹部のインピーダンス値を収集し、平均値[mean]と偏差[SD]で見ると、飲食及び膀胱尿の貯留などによる影響は、2SDを超える範囲にあることがわかった。ただ、ある程度のアスリート等の準一般的集団まで踏まえると、3SDをクライテリアとすることで、本影響のスクリーニングを可能と出来る。
【0041】
次に、前述したような手法に基づく本発明の測定原理につき、更に詳述する。
【0042】
1.体幹部構成組織の電気的等価回路モデル化
(1)体幹部は、主として、皮下脂肪組織層と、骨格筋組織層(腹筋群、背筋群)と、内臓器組織とその隙間に付着する内臓脂肪組織から成ると考えることが出来る。骨組織を構成組織として挙げていないのは、骨組織は骨格筋組織層と量的相関が非常に高く、一体の組織体として考えられるからである。体積抵抗率も、生体内では骨髄組織なども含めることでかなり導電性が良く、骨格筋組織層や内臓器組織に近い特性を有するものと考えられる。よって、この4組織を電気的な等価回路モデルで表すと、内臓器組織と内臓脂肪組織を直列に構成し、その直列の複合組織層に対して、皮下脂肪組織層及び骨格筋組織層がそれぞれ並列に構成される。この等価回路モデルについては、図16〜図18についての説明において詳述する。このモデルによると、体幹部の長さ方向への通電に対しては、骨格筋組織層に支配的に電流が流れる。内臓脂肪組織は、内臓器組織の周辺の隙間に付着することから、内臓脂肪組織が無い時、又は少ない時、内臓器組織が骨格筋組織層に近い導電性を示すことから、内臓器組織側にも電流が通電されることになる。また、内臓脂肪組織が多くなるほど、内臓器組織と内臓脂肪組織の複合体としての複合組織層への通電量が低下してゆくことになる。体幹部の計測インピーダンスと、それを構成する4組織を等価回路モデルで表した時のモデル式は、下記の様に表現できる。
Ztm = ZFS//ZMM//(ZVM+ZFV) ・・・式1
ここで、
体幹部全体のインピーダンス:Ztm
皮下脂肪組織層のインピーダンス:ZFS・・・体積抵抗率は、大きい。
骨格筋組織層のインピーダンス:ZMM・・・体積抵抗率は、小さい。
内臓器組織のインピーダンス:ZVM・・・骨格筋組織層に近い体積抵抗率と考えられている。
内臓脂肪組織のインピーダンス:ZFV・・・体積抵抗率は、皮下脂肪組織層と同等かそれよりも、やや小さ目と考えられる。脂肪組織の合成分解が皮下脂肪組織層に比べて速いことから、組織内血管及び血液量が多いものと考えられる。
【0043】
組織間の電気的特性は、インピーダンスよりはむしろ体積抵抗率ρ[Ωm]で決まる。上の関係から、各組織の電気的特性値は一般に以下の関係で説明される。
ρMM<<ρ(VM+FV)<ρFS
ρVM<<ρFV
ρMM=ρVM、若しくは、ρMM<ρVM
ρFV=ρFS、若しくは、ρFV<ρFS
ここで、
皮下脂肪組織層の体積抵抗率:ρFS
骨格筋組織層の内側の内臓器組織と内臓脂肪組織の複合組織層の体積抵抗率:ρ(VM+FV)
骨格筋組織層の体積抵抗率:ρMM
よって、式1との関連により、各組織間の電気的特性の比較関係は、
ZFS >>(ZVM+ZFV) >> ZMM・・・式2
となる。
【0044】
(2)後述するように、本発明と共に使用する電極配置法によれば、電気的等価回路モデルは、図18に示すように表現できる。すなわち、
Ztm = 2 * ZFS+ZMM//(ZVM+ZFV) ・・・式3
さらに、本発明と共に使用する電極配置法によれば、電流印加電極近辺の広がり抵抗の影響を無視できるまで離して配置しているため皮下脂肪組織層を分離除去することでき、式3は次のように表される。
Ztm = ZMM//(ZVM+ZFV) ・・・式4
【0045】
2.体幹部骨格筋組織横断面積量[AMM]及び体幹部骨格筋組織層インピーダンス[ZMM]の推
(3)骨格筋組織量は、横断面積量と体積量に高い相関が考えられるため、ここでは横断面積量で考える。体幹腹部の骨格筋組織層の横断面積量AMMは、身体特定化情報でおおよそ推定できる。理由は、身体の骨格筋組織層の発達デザインは、地球重力下で自重を支えるための発達・適応でほとんど決まってしまうからである。よって、アスリ−トとか、麻痺患者や介護者などの重力非適応者を除けば、身体特定化情報で推定可能となる。この推定は、身長H、体重W、年齢Ageを以下の式に代入することによって行う。
AMM=a*H+b*W+c*Age+d・・・式5
ここで、a、b、c、dは、男女で別の値を与える定数である。
【0046】
(4)体幹部骨格筋組織層インピーダンス[ZMM]は、体幹部骨格筋組織横断面積量[AMM]を用いて、次の式で表すことができる。
ZMM=a0*H/AMM+b0・・・式6
ここで、a0、b0は、定数である。
【0047】
3.内臓器組織量[AVM]及び内臓器組織インピーダンス[ZVM]の推定
(5)体幹部の内臓器組織量[AVM]は、身長、体重、性別、年齢等の身体(個人)特定化情報から推定することが出来る。説明変数の中で、身長項の影響が大きい。
内臓器組織量[AVM] = a1*身長[H]+ b1*体重[W] + c1*年齢[Age] + d1・・・式7
ここで、a1、b1、c1、d1は、男女で別の値を与える定数である。
【0048】
(6)次に、内臓器組織のインピーダンスZVMを推定する。
内臓器組織のインピーダンスZVMは、身長、体重、性別、年齢等の身体(個人)特定化情報から推定することが出来る。説明変数の中で、身長項の影響が大きい。便宜上、ここでは上で求めた内臓器組織量AVMを利用する。この推定は、以下の式を用いて行うことができる。
ZVM=a2*H/AVM+b2・・・式8
ここで、a2、b2は、定数である。
【0049】
4.内臓脂肪組織インピーダンス[ZFV]及び内臓脂肪組織量[AFV]の推定
(7)次に、内臓脂肪組織のインピーダンスZFVを推定する。
式4を変形すると、
1/Ztm = 1/ZMM + 1/(ZVM+ZFV) ・・・式9
式9からZFVを誘導すると、次のようになり、内臓脂肪組織の情報を有するインピーダンス情報を求めることができる。
ZFV= 1/[ 1/Ztm−1/ZMM] − ZVM・・・式10
本式において、Ztmは実測値である。また、体幹部骨格筋組織層インピーダンスZMMと内臓器組織のインピ−ダンスZVMは、上述したように身体特定化情報により推定できるので、その推定値を代入することで、ZFVが抽出できる。すなわち、式10に、式6及び式8を代入することによって、算出できる。
【0050】
(8)内臓脂肪組織量AFVは、ここでは内臓脂肪組織横断面積として取り扱う。内臓脂肪組織量AFVは、上記インピーダンス情報と身長情報から算出することができ、
AFV=aa*H/ZFV+bb・・・式11
ここで、aa、bbは定数である。
【0051】
5.皮下脂肪組織量[AFS]の推定
(9)体幹部の皮下脂肪組織量[AFS]は、腹囲長の二乗[Lw]2から推定することが出来る。さらに、他の身体特定化情報を説明変数として付加して重回帰式とすることで精度向上が期待できる。
男性用: 皮下脂肪組織量[AFS] = a10*腹囲長[Lw]2+b10*身長[H]+ c10*体重[W]
+ d10*年齢[Age] + e10・・・式12a
女性用: 皮下脂肪組織量[AFS] = a11*腹囲長[Lw]2+b11*身長[H]+ c11*体重[W]
+ d11*年齢[Age] + e11・・・式12b
ここで、a10、a11、b10、b11、c10、c11、d10、d11、e10、e11は、回帰係数で定数である。
なお、本検量線(回帰式)に用いる皮下脂肪組織量AFSの基準量の計測は、MRI法やX線CТ法により得られるスライス毎のCSA(組織横断面積)を長さ方向に積分して求めた組織体積、又は、臍位等の1スライスからのCSAとする。組織体積は、先行研究論文等で公知の組織密度情報から重量へ変換することで組織量とすることが出来る。
【0052】
6.体幹部内臓脂肪/皮下脂肪比[V/S]の推定
(10)内臓脂肪/皮下脂肪比[V/S]は、式12a及び12bからの皮下脂肪組織量[AFS]と式11からの内臓脂肪組織量[AFV]から求めることが出来る。
V/S=AFV/AFS・・・式13
【0053】
7.体幹部のインピーダンスによる内臓器組織異常判定の考え方
(11)内臓脂肪組織量推定に必要な体幹部のインピーダンスZtmは、呼吸及び飲食等により変動が大きな部位でもあることから、安定性及び信頼性の高い情報の計測が必要となる。よって、次の様な処理を加えることで、信頼性の高い体幹部のインピーダンス情報を確保出来る。また、一部体幹の体液分布の乱れに関連する情報としての視点から、体幹部の組織異常の判定も可能と出来る。
【0054】
(12)呼吸による変動の影響除去処理
(a)一般的な呼吸周期時間の1/2より短いサンプリング周期で、体幹部のインピーダンスを測定する。
(b)サンプリング毎の測定デ−タに対して移動平均等によるスムージング処理を施す。
(c)処理後の時系列データより、呼吸の周期性と周期毎の最大値と最小値を検出する。
(d)毎周期毎の最大値と最小値を各々別個に平均処理する。
(e)最大値と最小値の平均処理後の値を平均して、呼吸の中央値を算出する。
(f)呼吸周期毎の呼吸の中央値が規定回数規定以内の安定域に入った時点で、呼吸中央値確定と判断し、確定した中央値のインピ-ダンス値を体幹部のインピーダンス値として登録し、測定を完了とする。
【0055】
(13)飲食及び膀胱等への水分貯留(尿等)による異常値判定処理
(a)体幹部のインピーダンスは、26.7±4.8Ω(mean±SD)が集団の一般的な値となる。
(b)反面、便秘及び膀胱尿の貯留や胃での飲食物の充満時の値は、mean±3SDの範囲を超える。
(c)よって、3SDを超える測定値が得られる場合には、飲食及び膀胱尿等の影響の可能性を被験者へ報知し、最善の環境で測定に望んで貰う様促す。ただし、実際にこれらの影響なしに骨格筋組織層発達及び内臓器組織が標準サイズとは異なる被験者においては、測定を継続出来る様に進める。
(d)さらに、測定感度を上げる方法としては、性別、体重、身長別で規定値を細分化する。又は、体重で割るか、身長で割って単位別の値として規定値を規定する。
【0056】
次に、前述したような本発明の測定原理に基づいて、本発明による体幹部脂肪測定方法及び装置の実施例について説明する。
【0057】
図1は、本発明による体幹部脂肪測定装置の第1実施例の外観を示す概略斜視図であり、図2は、図1の体幹部脂肪測定装置の使用形態を説明するための概略図である。図3〜図5は、図1の本体部11の主要な構成と本発明における電極構成を示すブロック図である。本発明は、図3に示されるように、共通電極C、電流印加電極13及び電圧計測電極14の三電極法を採用する。しかしながら、後述するように、電流印加電極選択部20a及び電圧計測電極選択部20bを設けることにより、図4及び図5のような電極構成を使用することもできる。
【0058】
図4の電極構成では、2つの電流印加電極13a、13bと2つの電圧計測電極14a、14bが設けられている。これらの電極は、図1に示すように、例えば、グリップ電極とし使用されるものである。また、図5の電極構成では、複数の電流印加電極13a〜13nと複数の電圧計測電極14a〜14nが設けられている。これらの電極は、四肢に配置されたグリップ電極及びフット電極、あるいは、体幹腹部に配置された電極として使用されるものであり、使用態様に応じて、これらの複数の電極のうち、適当な電極の組み合わせが選択される。
【0059】
本発明の体幹部脂肪測定装置1は、本体部11と、左右のグリップ部130及び140とから成る。グリップ部130及び140と本体部11とは、体幹腹部に密着可能とするためにフレキシビリティを持つジョイント材を介して接続されている。グリップ部130、140は、図2に示すように、グリップを各手に持って、それらを被験者の測定部位、例えば、腹部に押し当てて使用する。左右のグリップには、それぞれ、グリップ電極が設けられている。左手用グリップ電極は、電流印加電極13aと電圧計測電極14aを含み、右手用グリップ電極は、電流印加電極13bと電圧計測電極14bを含む。
【0060】
本体部11の前面には、操作部51と表示部52を有する操作表示パネル5や報知器ブザー22等が設けられており、その内部には、図3〜図5から明らかなように、例えば、演算兼制御部21や、電源部18、記憶部4、インピーダンス測定部6が設けられている。グリップ部130及び140の後面すなわち腹部に押し付ける面には、図1に示すように、1つの共通電極Cと、複数の体幹腹部用の電流印加電極13e、13f、13g、及び複数の体幹腹部用の電圧計測電極14e、14f、14gが設けられている。電流印加電極13(すなわち13a〜13n)は、被験者の測定部位に電流を印加するための電極であり、電圧計測電極14(すなわち14a〜14n)は、被験者の測定部位における電位差を計測するための電極である。
【0061】
図1に示す実施例では、共通電極Cが左のグリップ部130に設けられているが、右のグリップ部140に設けられてもよい。また、電流印加電極13e、13f、13g及び電圧計測電極14e、14f、14gも、共通電極Cと対向する側に設けられていれば、図示したものとは反対側の左のグリップ部130に設けられてもよい。さらに、電流印加電極及び電圧計測電極は、左右グリップ部130、140だけでなく、図に示すように、その一部が本体部の後面側にも設けられてもよい。また、後面側に電極が設けられていないものであれば、本体部は表・裏反転が可能な可動性を持つものであってもよい。すなわち、表示パネル5が本体部の前面側でなく後面側に配置されていてもよい。
【0062】
操作部51は、身長、体重等を含む身体特定情報の入力等に使用することができ、操作表示パネル5は、各種結果、アドバイス情報等を、表示部52を通じて表示する。この操作表示パネル5は、操作部51と表示部52とが一体となったタッチパネル式の液晶表示器として形成されもよい。
【0063】
演算兼制御部21は、操作部51から入力された身体特定化情報(身長、体重等)と、計測したインピーダンスと、前記式1〜式13とに基づいて、体幹部骨格筋組織横断面積量、体幹部骨格筋組織層インピーダンス、内臓脂肪組織インピーダンス、内臓脂肪組織量、内臓器組織量、内臓器組織インピーダンス、皮下脂肪組織量、体幹部内臓脂肪/皮下脂肪比等を演算したり、呼吸による変動の影響除去処理や、内臓器組織異常判定等の処理を行ったり、その他、各種の入出力、測定、演算等を行う。
【0064】
電源部18は、本装置の電気系統各部に電力を供給する。記憶部4は、身長、体重、体幹長、腹周囲長等の身体特定情報や、前記の式1〜式13等を記憶する他、後述するような健康指針アドバイスのための適当なメッセージ等も記憶する。
【0065】
インピーダンス測定部6には、電流印加電極13に電流を供給する電流源12、電流印加電極13を選択するための電流印加電極選択部20a、電圧計測電極14を選択するための電圧計測電極選択部20b、電圧計測電極14によって測定された電位差を増幅する差動増幅器23、フィルタリングのためのバンドパスフィルタ(BPF)24、検波部25、増幅器26、及び、A/D変換器27等が含まれる。
【0066】
電流印加電極13及び電圧計測電極14は、SUS材及び樹脂材表面を金属めっき処理等して実現されていてもよい。このタイプの電極は、金属電極表面に、保水性高分子膜をコ−ティングすることで、測定前に水分をふきつけるか、水にぬらして使用する。水にぬらすことにより、皮膚との電気的接触の安定性を確保することができる。また、特に図示しないが、粘着性貼り付けタイプの電極を用いることもできる。これは交換可能な粘着パッドを各電極のベ−ス電極面に貼り付けて皮膚との接触安定性を確保するタイプのものである。このタイプは、例えば、低周波治療器や心電図電極等でよく用いられており、測定後に取り外して廃棄するようなディスポ形態と、パッド表面が汚れて密着性が低下したり水分が蒸発したりした場合にのみ廃棄交換し、廃棄するまでの間はカバ−シ−ト等で保管する形態がある。電極部の長期保管や水分補給及び汚れ落し等に対して、脱着可能な構造とすることもできる。脱着構造は、心電図電極等で多用されているホック式や、フレキシブル基板用のコネクタ等が考えられる。
【0067】
図6は、本発明による体幹部脂肪測定装置の第2実施例の外観を示す概略斜視図であり、図7は、図6の装置の使用形態を説明するための概略図である。図6の実施例は、本体部11と左右のグリップ部130、140に、体幹腹部用の電極の代わりに共通電極が設けられている点を除き、図1の実施例と同じ構成を有する。すなわち、図6の実施例は、グリップ部130、本体部11及びグリップ140に、共通電極C1、C2、C3がそれぞれ設けられている。これらの共通電極C1、C2、C3は、いずれか一つだけを単独で使用しても良いし、又は、これらの電極を電気的にショートさせて一体の共通電極として使用しても良い。
【0068】
図8は、本発明による体幹部脂肪測定装置の第3実施例の外観を示す概略斜視図であり、図9は、図8の装置のグリップ部140の拡大図である。図8の実施例は、体重計形本体部11と、この本体部11から引き出し可能なグリップ部130、140とから成る。グリップ部130、140と本体部11とは、それぞれ、電線120L、120Rで接続されている。
【0069】
グリップ部130には、電流印加電極13a及び電圧計測電極14aが設けられ、グリップ部140には、電流印加電極13b及び電圧計測電極14bが設けられている。また、一方のグリップ部140の一端部には、共通電極Cが設けられている。この共通電極Cは、図示するように、測定時に腹部に押し付けて使用される。
【0070】
本体部11の上面には、下肢用のフット電極が設けられており、このフット電極は、左足用の電流印加電極13c及び電圧計測電極14cと、右足用の電流印加電極13d及び電圧計測電極14dとを含む。また、本体部11の上面には、操作表示パネル5も設けられている。
【0071】
図10は、本発明による体幹部脂肪測定装置の第4実施例の外観を示す概略斜視図であり、図11は、図10の装置の使用形態を説明するための概略図である。図10の実施例は、本体部11と、1つのグリップ部135とから成る。グリップ部135は、第1及び第2実施例の左右のグリップ部を一体化したものである。本体部11とグリップ部135とは、電線120で接続されている。
【0072】
グリップ部135の左手で把持するためのグリップには、電流印加電極13a及び電圧計測電極14aが設けられ、グリップ部135の右手で把持するためのグリップには、電流印加電極13b及び電圧計測電極14bが設けられている。また、グリップ部135の体幹部に接触させるための接触面には、共通電極Cが設けられている。この共通電極Cは、図示するように、測定時に腹部に押し付けて使用される。
【0073】
図12及び図13は、本発明による体幹部脂肪測定装置の第5実施例の外観を示す概略斜視図であり、図14は、この第5実施例の使用形態を説明するための概略図である。この第5実施例は、図13に示す体重計形本体部11と、図12に示す1つのグリップ部135とから成る。グリップ部135は、第4実施例と同様に、左右のグリップ部を一体化したものである。本体部11とグリップ部135とは、電線120で接続されている。
【0074】
第5実施例も、第4の実施例と同様に、グリップ部135の左手で把持するためのグリップには、電流印加電極13a及び電圧計測電極14aが設けられ、グリップ部135の右手で把持するためのグリップには、電流印加電極13b及び電圧計測電極14bが設けられている。また、グリップ部135の体幹部に接触させるための接触面には、共通電極Cが設けられている。この共通電極Cは、図示するように、測定時に腹部に押し付けて使用される。
【0075】
図14に示すように、第5実施例では、本体部11の上面に下肢用のフット電極が設けられており、このフット電極は、第3実施例と同様に、左足用の電流印加電極13c及び電圧計測電極14cと、右足用の電流印加電極13d及び電圧計測電極14dとを含む。また、本体部11の上面には、操作表示パネル5も設けられている。
【0076】
上述した本発明の各実施例では、グリップ電極として、左右の各グリップに電流印加電極と電圧計測電極が配置されているが、何れか一方のグリップに電流印加電極を配置し、他方のグリップに電圧計測電極を配置してもよい。また、フィット電極として、左右の足のそれぞれについて電流印加電極と電圧計測電極が配置されているが、何れか一方の足について電流印加電極を配置し、他方の足について電圧計測電極を配置してもよい。
【0077】
本発明の原理を説明するため、電気的な等価回路モデルを導入する。図15は、この等価回路の基になる体幹腹部の構造を模式的に示した図である。電気的特性の観点でみると、体幹部は、皮下脂肪組織層(FS)、骨格筋組織層(MM)、内臓器組織(VM)、その隙間に付着する内臓脂肪組織(FV)の各組織に分けることができる。
【0078】
図16は、図15に示された体幹部の模式図を、臍高さにおける腹囲周横断面にてモデル化した図である。この図に示すように、体幹部断面は、最も外側にある皮下脂肪組織層(FS)と、そのすぐ内側にある骨格筋組織層(MM)と、最も内側にある内臓器組織(VM)とそれに取り巻く内臓脂肪組織(FV)を含む。
【0079】
図17は、図16に示された模式図を更に電気的な等価回路として表したものである。ここでは一例として、臍の前後付近において、電流印加電極13で電流(I)を印加し、その近傍に配置した電圧計測電極14で電位差(V)を測定するものとする。等価回路とした場合、電気抵抗は、主として、臍前後付近の皮下脂肪組織層のインピーダンス(ZFS1、ZFS2)と、腹周囲の皮下脂肪組織層のインピーダンス(ZFS0)と、臍の左右各側の骨格筋組織層のインピーダンス(ZMM1、ZMM2)と、臍前後付近の内臓脂肪組織のインピーダンス(ZFV1、ZFV2)、更に、体幹部中心付近の内臓器組織のインピーダンス(ZVM)として現れる。
【0080】
図18に、図17を更に簡略化した回路を示す。ZFS1とZFS2は略同じ大きさと考えられるため、ここでは、それらを一まとめにしてZFSとして表し、また、ZMM1とZMM2、或いは、ZFV1とZFV2は、それぞれ、ZMM、ZFVとして表した。また、導電性が他の領域に比べて著しく低いと考えられるZFS0は省略した。これを省略できる点は、前項「1.体幹部構成組織の電気的等価回路モデル化」(1)の記載から明らかであろう。
【0081】
次に、図19を参照して、四電極法における電極間距離と広がり抵抗の関係を説明する。この図19は、電極間距離と広がり抵抗の関係を示したものである。図中、丸い点線で囲った部分30は広がり抵抗領域である。電流印加電極からの電流は、印加後に徐々に被験者の体内に広がることになるが、印加直後の領域、即ち、広がり抵抗領域においては、それほど大きく広がっておらず、このため、これらの領域では電流密度が他の領域に比べて非常に高くなってしまう。したがって、電流印加電極13と電圧計測電極14をあまりに接近させて配置した場合には、電圧計測電極14において測定される電位差は広がり抵抗領域における電流の影響を大きく受けてしまう。
【0082】
例えば、前述した式2より明らかなように、臍付近における皮下脂肪組織層のインピーダンス(ZFS)と、骨格筋組織層のインピーダンス(ZMM)、内臓脂肪組織のインピーダンス(ZFV)、及び、体幹部中心付近の内臓器組織のインピーダンス(ZVM)の間には、
ZFS >>(ZVM+ZFV) >> ZMM・・・式2
の関係がある。
したがって、I−V電極間距離がほとんど無く近接して配置されたときの電位差計測インピーダンスΣZ1は、
ΣZ1=2*ZFS+ZMM//(ZVM+ZFV)≒2*ZFS
となる。これにより明らかなように、広がり抵抗の影響でZFSが数倍に増幅されるため、ここでは、ZFSによる情報が支配的となる。
【0083】
広がり抵抗の影響を小さくするには、電流印加電極と電圧計測電極の間の距離を大きくする必要がある。例えば、I−V電極間距離を10cm程度確保して配置した場合の電位差計測インピーダンスΣZ2は、
ΣZ2≒2*ZFS+ZMM//(ZVM+ZFV)
となる。I−V電極間距離を広げることによって、広がり抵抗の影響は多少小さくなっているが、この程度離しただけでは、まだ、ZFSの情報が支配的である。
【0084】
広がり抵抗の影響を更に小さくするため、図20に示すように、I−V電極間及びV−V電極間相互の距離が各々1/3程度になるよう10cm程度確保して配置した場合を考える。この場合の電位差計測インピーダンスΣZ3は、
ΣZ3≒2*ZFS+ZMM//(ZVM+ZFV)である。
このとき電極間で計測される電圧降下の関係は、おおよそ次のようになる。
V1=I*ZMM//(ZVM+ZFV)
V2=V3=I*2*ZFS
V1:(V2+V3)≒1〜2:10〜20=S:N
ここで、Sの1〜2やNの10〜20のバラツキは、皮下脂肪組織層の厚みの個人差と骨格筋組織層の発達具合によるものである。この結果からも分かるように、たとえ電極間距離を調節しても、十分なS/Nが確保できるとは言いがたい。
【0085】
また、ほとんどの電流は骨格筋組織層で支配的に通電されるため、内臓器組織と内臓脂肪組織の複合組織層への通電感度を十分に確保することはできない。即ち、骨格筋組織層に流れる電流をI1、測定対象である内臓器組織と内臓脂肪組織に流れる電流をI2とすれば、
V1=I*ZMM//(ZVM+ZFV)=I1*ZMM=I2*(ZVM+ZFV)
I=I1+I2
となり、よって、
ZMM:(ZVM+ZFV)=I2:I1≒1:2〜5
となる。これより明らかなように、たとえ広がり抵抗の影響を排除できたとしても、骨格筋組織層に流れる電流は内臓器組織と内臓脂肪組織に流れる電流の2〜5倍にも及ぶため、この結果、S/N特性は更に悪くなる。このように、体幹部のような太短い測定部位においては、たとえ電極間距離を調整しても、電流電極間距離で上限が決まってしまうことから、S/N特性の改善には限界がある。
【0086】
本発明は、四電極法における四電極のうち、一端側の電流印加電極と電圧計測電極を、広い電極面積を有する一電極で共用可能とする、三電極法を採用している。なお、この共用可能な電極を上述したように共通電極Cと称する。電極面積を広げることで、皮膚との接触面積抵抗による影響と電流印加電極直下の広がり抵抗の影響を軽減及び無視できる。
【0087】
本発明の一実施例によれば、この共通電極Cに対する電極面積への制限条件は、次の通りである。すなわち、電極面積は、36cm2以上(一般の電極サイズ2.0*2.0=4.0cm2以上の9倍)であり、腹囲周方向の電極幅は、腹囲周の1/10程度からそれ以上であり、体幹長さ方向に対しての電極長さは、3cm以上で体幹長の1/10程度までである。また、共通電極C以外の電流印加電極13及び電圧計測電極14は、一般電極サイズ2.0*2.0=4.0cm2とする。
【0088】
本発明の一実施例によれば、本発明による三電極法を四肢誘導法に適用する。この場合、体幹部に配置する電極は、この共通電極のみとし、他の電極(他端側の電流印加電極と電圧計測電極)は、四肢に配置されるものとする。
【0089】
この実施例では、以下のような構成によってさらに有用な効果が得られる。
(1)このような四肢誘導法は、体幹腹部の内臓脂肪組織計測に適した電極配置となる。
(2)共通電極は、臍囲周方向に長手の形状に配置される。
(3)共通電極は、臍囲周近辺上の左右の外腹斜筋と腹直筋の結合腱膜部の左右何れか一方又は両方をカバーする臍囲周方向に長手の形状の配置とする。
(4)四肢に配置される電極が上肢の場合は、左右何れかを電流印加電極とし、他方を電圧計測電極とする。下肢の場合も、左右に分担配置とする。
(5)本誘導法では、共通電極を体幹腹部に配置し、四肢への配置は、上肢又は下肢の何れか一方とする。
(6)上肢との組み合わせの場合、体幹腹部の共通電極配置は、臍囲周位置又は臍囲周位置よりやや体幹長手方向に下肢側へずらした位置とする。
(7)下肢との組み合わせの場合、体幹腹部の共通電極配置は、臍囲周位置又は臍囲周位置よりやや体幹長手方向に上肢側へずらした位置とする。
(8)共通電極の配置は、臍囲周位置又はその上下近辺位置になるので、臍位を位置決めに用いる。
(9)装置の形態は、上肢との組み合わせの場合、体幹腹部押し当て面に共通電極を配置し、押し当て面以外の例えば表面側に操作表示部を配置し、左右に腹部押し当て用のグリップ部を配置し、左右のグリップ部に前記四肢配置電極を設けたコンポタイプ(ハンディタイプ)、又は、電極以外を別筺体で電線ケーブルで接続されるものでもよい。
(10)装置の形態は、下肢との組み合わせの場合、体幹腹部押し当て面に共通電極を配置し、押し当て面以外の例えば表面側に操作表示部を配置し、左右又は何れか一方に腹部押し当て用のグリップ部を配置し、その左右のグリップ部が、フット電極と電気的に電線ケーブルで接続されたセパレートタイプであって、フット電極が体重計測部と一体で構成されているものが有用性が高い。
(11)装置の形態は、腹部押し当て電極部が、手による押し当て以外に、ベルト固定方式であっても良い。
(12)装置の形態は、従来からの四肢誘導法によるフット電極とグリップ電極を備え、本腹部共通電極を兼ね備えて、本誘導法による体幹腹部内臓脂肪組織計測を新たに可能とする。
【0090】
図21〜図31に、本発明の体幹部脂肪測定方法における電極配置例を示す。この電極配置例では、共通電極が体幹腹部に配置され、電流印加電極及び電圧計測電極が体の他の部位、例えば、四肢又は体幹腹部等に配置される。特に、図21〜図27は、四肢誘導法における電極配置例を示しており、電流印加電極及び電圧計測電極が、上肢又は下肢に配置される。図28〜図31は、体幹腹部における電極配置例を示しており、電流印加電極及び電圧計測電極が、体幹腹部に配置される。
【0091】
図21は、上肢との組み合わせによる電極配置例を示している。この電極配置例では、電流印加電極として右手用電流印加電極13bを使用し、電圧計測電極として左手用電圧計測電極14aを使用し、これらの電極を、体幹腹部に配置された共通電極Cと組み合わせて使用する。共通電極Cと電流印加電極13bとの間に電流Iを印加したときの共通電極Cと電圧計測電極14aの間の電位差Vを測定することによって、体幹部インピーダンスが得られる。
【0092】
図22も、図21と同様に、上肢との組み合わせによる電極配置例を示している。この電極配置例では、電流印加電極として左手用電流印加電極13aを使用し、電圧計測電極として右手用電圧計測電極14bを使用し、これらの電極を、体幹腹部に配置された共通電極Cと組み合わせて使用する。共通電極Cと電流印加電極13aとの間に電流Iを印加したときの共通電極Cと電圧計測電極14bの間の電位差Vを測定することによって、体幹部インピーダンスが得られる。
【0093】
図23は、下肢との組み合わせによる電極配置例を示している。この電極配置例では、電流印加電極として右足用電流印加電極13dを使用し、電圧計測電極として左足用電圧計測電極14cを使用し、これらの電極を、体幹腹部に配置された共通電極Cと組み合わせて使用する。共通電極Cと電流印加電極13dとの間に電流Iを印加したときの共通電極Cと電圧計測電極14cの間の電位差Vを測定することによって、体幹部インピーダンスが得られる。
【0094】
図24も、図23と同様に、下肢との組み合わせによる電極配置例を示している。この電極配置例では、電流印加電極として左足用電流印加電極13cを使用し、電圧計測電極として右足用電圧計測電極14dを使用し、これらの電極を、体幹腹部に配置された共通電極Cと組み合わせて使用する。共通電極Cと電流印加電極13cとの間に電流Iを印加したときの共通電極Cと電圧計測電極14dの間の電位差Vを測定することによって、体幹部インピーダンスが得られる。
【0095】
図21〜図24に示すように、共通電極Cは、臍囲周方向に長手方向の形状に配置されている。具体的には、共通電極は、臍囲周近辺上の左右の外腹斜筋と腹直筋の結合腱膜部Sの両方をカバーする臍囲周方向に長手形状の配置とされている。すなわち、臍Aを挟んで左右の腱膜部Sの両方をカバーするように配置されている。
【0096】
共通電極Cは、図25〜図27の電極配置例に示されているように、左右の腱膜部Sの両方をカバーするように配置するだけでなく、左右の腱膜部の何れか一方をカバーするように配置してもよい。
【0097】
図21〜図24に示すように、上肢との組み合わせの場合には、体幹腹部の共通電極Cは臍囲周位置よりやや下肢側へずらした位置に配置されている。他方、下肢との組み合わせの場合には、体幹腹部の共通電極配置は臍囲周位置よりやや上肢側へずらした位置に配置されている。このように配置することによって、体幹部上の仮想電極位置Pと共通電極Cとの間を測定対象区間とした体内組織の情報を収集することができる。また、共通電極Cは、臍囲周位置又はその上下近辺位置に配置されているので、臍位(臍Aの位置)を位置決めに用いることができる。すなわち、臍囲位置に共通電極Cの上縁か又は下縁を合わせることによって共通電極Cを容易に位置決めできる。
【0098】
図28〜図31は、体幹腹部の横断面であって、臍位腹囲周部での横断通電の場合の体幹腹部配置の電極との組み合わせによる電極配置例を示している。図28〜図31において、電流印加電極13e及び13gはそれぞれ臍横部及び肩甲骨下部に配置されており、電圧計測電極14e、14f及び14gは、これらの電流印加電極による広がり抵抗の影響を回避できる距離を確保した位置に配置されている。
【0099】
図28の電極配置例では、共通電極Cと電流印加電極13eとの間に電流I1を印加したときの共通電極Cと電圧計測電極14fの間の電位差V2を測定することによって、内臓脂肪組織量を求めるための体幹部インピーダンスが得られる。
【0100】
同様に、図29の電極配置例では、共通電極Cと電流印加電極13eとの間に電流I1を印加したときの共通電極Cと電圧計測電極14gの間の電位差V3を測定することによって、内臓脂肪組織量を求めるための体幹部インピーダンスが得られる。
【0101】
同様に、図30の電極配置例では、共通電極Cと電流印加電極13gとの間に電流I3を印加したときの共通電極Cと電圧計測電極14fの間の電位差V2を測定することによって、内臓脂肪組織量を求めるための体幹部インピーダンスが得られる。
【0102】
同様に、図31の電極配置例では、共通電極Cと電流印加電極13gとの間に電流I3を印加したときの共通電極Cと電圧計測電極14eの間の電位差V1を測定することによって、内臓脂肪組織量を求めるための体幹部インピーダンスが得られる。
【0103】
次に、図32に示す基本フローチャートと図33〜図38に示すサブルーチンフローチャートを参照して、図1〜図14及び図21〜図31に示す本発明の実施例での体幹内臓脂肪測定装置の操作及び動作について説明する。
【0104】
図32に示す基本フローチャートにおいては、先ず、操作部51における電源スイッチ(図示していない)がオンされると、電源部18から電気系統各部に電力を供給し、表示部52により身長等を含む身体特定化情報(身長、体重、性別、年齢等)を入力するための画面が表示される(ステップS1)。
【0105】
続いて、この画面にしたがって、ユーザは、操作部51から身長、体重、性別、年齢等を入力する(ステップS2)。この場合において、体重については、操作部51から入力してもよいが、本体部11に接続された体重測定装置(図示されていない)により測定したデータを自動的に入力して、演算兼制御部21により身体目方特定情報(体重)を演算するようにしてもよい。これら入力値は、記憶部4に記憶される。
【0106】
次に、ステップS3にて、体幹長、腹囲長等の形態計測実測値を入力するか否かの判断を行い、それら形態計測実測値を入力する場合には、ステップS4にて、形態計測を実施して、体幹長、腹囲長等の実測値を操作部51から入力し、ステップS6へ移行する。ステップS3において、形態計測実測値を入力しないと判断する場合には、ステップS5に移行する。これら入力値も、記憶部4に記憶される。同様に、以下の処理において得られる数値情報等は、記憶部4に記憶される。
【0107】
ステップS5において、演算兼制御部21は、記憶部4に記憶された身長、体重、性別、年齢等の身体特定化情報から、体幹長、腹囲長等を推定する形態計測情報推定処理(例えば、人間身体情報データベースから作成する検量線使用)を行う。
【0108】
続いて、ステップS6において、インピーダンス測定部6により、体幹部インピーダンス(Zx)計測処理を行う。この体幹部インピーダンス計測処理については、図36等に示すサブルーチンフローチャートを参照して後述する。
【0109】
次に、ステップS7において、演算兼制御部21により、体幹部骨格筋組織横断面積量(AMM)の推定処理を行う。この演算処理は、例えば、記憶部4に記憶された身長H、体重W、年齢Ageを用いて、前述の式5に基づいて行われる。
【0110】
次に、ステップS8において、演算兼制御部21により、体幹部骨格筋組織層インピーダンス(ZMM)の推定処理を行う。このZMMは、記憶部4に記憶された身長Hと、ステップS7で求めたAMMとを用いて、前述の式6に基づいて行われる。
【0111】
次に、ステップS9は、演算兼制御部21により、皮下脂肪組織量(AFS)の推定処理を行うものである。このステップS9については、図33に示すサブルーチンフローチャートを参照して後で詳述する。
【0112】
ステップS10は、演算兼制御部21により、内臓器組織量(AVM)及び内臓器組織インピーダンス(ZVM)の推定処理を行うものである。このステップS10については、図34に示すサブルーチンフローチャートを参照して後で詳述する。
【0113】
ステップS11は、演算兼制御部21により、内臓脂肪組織インピーダンス(ZFV)及び内臓脂肪組織量(AFV)の推定処理を行うものである。このステップS11については、図35に示すサブルーチンフローチャートを参照して後で詳述する。
【0114】
次に、ステップS12において、演算兼制御部21により、内臓脂肪/皮下脂肪比(V/S)の演算処理を行う。この処理は、記憶部4に記憶された前述した式13に従って行われる。
【0115】
次に、ステップS13において、演算兼制御部21により、体格指数(BMI)の演算処理を行う。この演算処理は、記憶部4に記憶された体重Wと身長Hから次の式にて算出され得る。
BMI=W/H2
【0116】
更に、ステップS14において、演算兼制御部21により、体幹部体脂肪率(%Fatt)の演算処理を行う。この演算処理は、記憶部4に記憶された皮下脂肪組織量(AFS)、内臓脂肪組織量(AFV)、体幹部骨格筋組織横断面積量(AMM)、及び、内臓器組織量(AVM)から次の式にて算出されるものである。
%Fatt=(AFS+AFV)/[(AFS+AFV)+AMM+AVM]*100
【0117】
次に、ステップS15において、演算兼制御部21により、内臓脂肪率(%VFat)の演算処理が行われる。この処理は、前述の演算処理により算出され記憶部4に記憶された体幹部体脂肪率(%Fatt)、内臓脂肪/皮下脂肪比(V/S)から次の式にて行われる。
%VFat=%Fatt*(V/S)/[(V/S)+1]
【0118】
最後に、ステップS16において、演算兼制御部21は、前述したような演算処理にて求められた内臓脂肪組織情報(AFV、%VFat)、体組成情報(%Fatt、AMM、AFS、AVM)、体格指数(BMI)や、後述する処理によって得られるアドバイス指針等を、表示部52に表示させるような表示処理を行う。これにより、一連の処理を終了する(ステップS17)。
【0119】
次に、前述のステップS9の皮下脂肪組織量(AFS)の推定処理について、図33のサブルーチンフローチャートを参照して詳述する。この推定処理は、ステップS18にて、記憶部4に記憶された諸数値等及び前述の式12a、12bを用いて行われる。
【0120】
次に、前述のステップS10の内臓器組織量(AVM)及び内臓器組織インピーダンス(ZVM)の推定処理について、図34のサブルーチンフローチャートを参照して詳述する。この推定処理は、ステップS19において、記憶部4に記憶された諸数値及び前述の式7を用いて内臓器組織量(AVM)を算出し、ステップS20において、記憶部4に記憶された諸数値及び前述の式8を用いて実行される。
【0121】
次に、前述のステップS11の内臓脂肪組織インピーダンス(ZFV)及び内臓脂肪組織量(AFV)の推定処理について、図35のサブルーチンフローチャートを参照して詳述する。この推定処理は、ステップS21において、記憶部4に記憶された諸数値及び前述の式10を用いて内臓脂肪組織インピーダンス(ZFV)を算出し、ステップS22において、記憶部4に記憶された身長H及び算出した内臓脂肪組織インピーダンス(ZFV)及び前述の式11を用いて内臓脂肪組織量(AFV)を算出するものである。
【0122】
次に、ステップS6の体幹部インピーダンス(Zx)計測処理について、第1の実施形態を示す図36のサブルーチンフローチャートを参照して、詳述する。この第1形態においては、前項7.(12)及び(13)において説明したような「呼吸による変動の影響除去処理」及び「飲食及び膀胱等への水分貯留(尿等)による異常値判定処理」を行うものである。先ず、ステップS23において、演算兼制御部21は、操作部51等からの指示に基づいて、カウンター等の初期設定、例えば、体幹部のインピーダンスZtmの測定データのサンプル数の初期設定を行う。
【0123】
続いて、ステップS24において、演算兼制御部21は、測定タイミングか否かの判定を行う。そして、測定タイミングと判定された場合には、ステップS25において、演算兼制御部21は、体幹部インピーダンス(Ztm)測定電極配置設定処理を行い、体幹部インピーダンス(Ztmx)計測処理を行う。
【0124】
一方、ステップS24において測定タイミングでないと判定された場合には、ステップS26に移行して、体幹部インピーダンス(Ztmx)に対して、計測インピーダンス(Zx)データスムージング処理(移動平均処理等)、即ち、Zx=(Zx-1+Zx)/2を行う。それから、ステップS27において、体幹部インピーダンス計測データ呼吸変動補正処理を行う。この補正処理については、図37のサブルーチンフローチャートを参照して後述する。
【0125】
続いて、ステップS28にて、演算兼制御部21は、各部位毎の計測インピーダンスの時系列安定性確認処理を行う。これは、ステップS27の体幹部インピーダンス計測データ呼吸変動補正処理後の各値が所定回数所定変動以内の値に収束したかどうかを判定することによって行われる。
【0126】
ステップS29において、演算兼制御部21は、測定したZtmxが安定条件を満足するか否かの判定を行う。この判定は、呼吸周期毎の呼吸の中央値が規定回数規定以内の安定域に入った時点で、呼吸中央値確定と判断するようなものである。このステップS29にて、安定条件が満足されたと判定される場合には、ステップS30に移行して、確定した中央値のインピーダンス値を体幹部インピーダンス値や皮下脂肪組織層インピーダンスとして、最終安定条件判定値を測定結果値として記憶部4に登録する。すなわち、安定条件を満足したZtmxをZtmとして登録する。一方、ステップS29において、安定条件が満足されないと判定される場合には、ステップS24に戻って同様の処理が繰り返される。
【0127】
ステップS30に続いて、ステップS31において、演算兼制御部21は、飲食及び膀胱尿貯留等による異常値判定処理を行い、更に、ステップS32において、測定の完了を報知器ブザー22(図3参照)等を用いてブザー等で報知し、測定を完了する。尚、ステップS31の異常値判定処理については、図38のサブルーチンフローチャートを参照して後述する。
【0128】
次に、ステップS27の体幹部インピーダンス計測データ呼吸変動補正処理について、図37のサブルーチンフローチャートを参照して、詳述する。先ず、ステップS33において、演算兼制御部21は、ステップS27にて処理後の時系列データから変極点検知処理を行う。ステップS34において、変極点か否かの判定を行う。これは、前後の微係数又は差分値の極性変化位置のデータを検知することにより行われる。ステップS34において変極点でないと判定された場合には、この呼吸変動補正処理は終了する。一方、ステップS34にて変極点であると判定される場合には、ステップS35に進み、最大値か否かの判定がなされる。これは、最大値と最小値の振り分けを行うステップである。最大値でない場合には、ステップS36にて、記憶部4に記憶された次の式にて最小値判定データ移動平均化処理が行われる。
[Ztm]minx←([Ztm]minx-1+[Ztm]minx)/2
【0129】
ステップS35において最大値と判定される場合には、ステップS37において、記憶部4に記憶された次の式にて最大値判定データ移動平均化処理が行われる。
[Ztm]maxx←([Ztm]maxx-1+[Ztm]maxx)/2
【0130】
続いて、ステップS38において、一呼吸周期分の最大値と最小値データが確保されたかの判定がなされる。ステップS38において、そのデータが確保されたと判定された場合には、ステップS39にて、記憶部4に記憶された次の式にて呼吸変動中央値演算処理(最大値と最小値データの平均値演算)がなされる。
Ztmx←([Ztm]maxx+[Ztm]minx)/2
【0131】
次に、ステップS31の飲食及び膀胱尿貯留等による異常値判定処理について、図38のサブルーチンフローチャートを参照して、詳述する。先ず、ステップS40において、演算兼制御部21は、記憶部4に記憶された次の式にて、体幹部インピーダンス(Ztm)が正常許容範囲内かのチェックを行う。
Mean−3SD≦Ztm≦Mean+3SD
ここで、許容値例としては、26.7±4.8(Mean±SD)に対して、±3SDが考えられる。
【0132】
ステップS41において、体幹部インピーダンスが許容範囲内かの判定がなされる。許容範囲内でないと判定される場合には、ステップS42に移行して、演算兼制御部21にて、体幹部(腹部)コンディション異常に関するメッセージ報知処理がなされ、表示部52に適切なアドバイスの表示等がなされる。このアドバイスとしては、例えば、「体幹コンディション異常につき、排便、排尿等の準備処理を実施」等の報知が考えられる。また、準備処理後も同様の判定結果となる場合は、異常値を用いて測定を完了させ、測定の中止はしないようにすることもできる。
【0133】
ステップS41において許容範囲内で判定される場合には、ステップS43において、演算兼制御部21は、体幹部(腹部)コンディション正常に関するメッセージ報知処理がなされ、表示部52に適切なアドバイスの表示等がなされる。このアドバイスとしては、例えば、「体幹コンディション正常」等の報知が考えられる。
【0134】
このような操作及び動作にて、本発明によれば、体幹部(体幹腹部)の内臓脂肪組織情報を求めることができ、しかも、呼吸による変動の影響除去処理や飲食及び膀胱等への水分貯留(尿等)による異常判定処理を行い、それに応じたアドバイス情報も提供できる。なお、前述の実施例では、体幹部内臓脂肪組織情報として脂肪率として求めるものとしたが、本発明は、これに限らず、適当な変換式等を用いることにより、横断面積量や、体積量や重量等として求めることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明による体幹内臓脂肪測定装置の第1実施例の外観を示す概略斜視図である。
【図2】図1の装置の使用態様を説明するための概略図である。
【図3】図1の装置の基本的な構成を示すブロック図である。
【図4】図1の装置の別の構成を示すブロック図である。
【図5】図1の装置の更に別の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明による体幹内臓脂肪測定装置の第2実施例の外観を示す概略斜視図である。
【図7】図6の装置の使用態様を説明するための概略図である。
【図8】本発明による体幹内臓脂肪測定装置の第3実施例の外観及びその使用態様を説明するための概略図である。
【図9】図8の装置の一部を示す拡大図である。
【図10】本発明による体幹内臓脂肪測定装置の第4実施例の外観を示す概略斜視図である。
【図11】図10の装置の使用態様を説明するための概略図である。
【図12】本発明による体幹内臓脂肪測定装置の第5実施例の一部を示す概略斜視図である。
【図13】図12の装置の他の部分を示す概略斜視図である。
【図14】図12の装置の使用態様を説明するための概略図である。
【図15】体幹腹部の構造を模式的に示す図である。
【図16】図15に示された体幹腹部の模式図を、臍高さにおける腹囲周横断面にてモデル化した図である。
【図17】図16のモデル図を電気的等価回路として表した図である。
【図18】図17の回路を簡略化して示した図である。
【図19】電極間距離と広がり抵抗の関係を説明する図である。
【図20】電極間距離と広がり抵抗の関係を説明する図である。
【図21】上肢との組み合わせによる電極配置例を示す図である。
【図22】上肢との組み合わせによる電極配置例を示す図である。
【図23】下肢との組み合わせによる電極配置例を示す図である。
【図24】下肢との組み合わせによる電極配置例を示す図である。
【図25】共通電極の電極配置例を示す図である。
【図26】共通電極の電極配置例を示す図である。
【図27】共通電極の電極配置例を示す図である。
【図28】体幹腹部配置電極との組み合わせによる電極配置例を示す図である。
【図29】体幹腹部配置電極との組み合わせによる電極配置例を示す図である。
【図30】体幹腹部配置電極との組み合わせによる電極配置例を示す図である。
【図31】体幹腹部配置電極との組み合わせによる電極配置例を示す図である。
【図32】本発明の一実施例による体幹部脂肪測定用の基本フローチャートを示す図である。
【図33】図32の基本フローのサブルーチンとしての皮下脂肪組織量の推定処理フローを示す図である。
【図34】図32の基本フローのサブルーチンとしての内臓器組織量及び内臓器組織インピーダンスの推定処理フローを示す図である。
【図35】図32の基本フローのサブルーチンとしての内臓脂肪組織インピーダンス及び内臓脂肪組織量の推定処理フローを示す図である。
【図36】図32の基本フローのサブルーチンとしての体幹部インピーダンス計測処理フローを示す図である。
【図37】図36の体幹部インピーダンス計測処理フローのサブルーチンとしての体幹部インピーダンス計測データ呼吸変動補正処理フローを示す図である。
【図38】図36の体幹部インピーダンス計測処理フローのサブルーチンとしての飲食及び膀胱尿貯留等による異常値判定処理フローを示す図である。
【符号の説明】
【0136】
4 記憶部
5 操作表示パネル
6 インピーダンス測定部
11 本体部
12 電流源
13、13a〜13n 電流印加電極
14、14a〜14n 電圧計測電極
20a 電流印加電極選択部
20b 電圧計測電極選択部
21 演算兼制御部
23 差動増幅器
24 バンドパスフィルタ
25 検波部
26 増幅器
27 A/D変換器
30 広がり抵抗領域
51 操作部
52 表示部
120、120R、120L 電線
130、135、140 グリップ部
C 共通電極
A 臍
S 腱膜部
P 仮想電極位置




 

 


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