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発明の名称 医療用粘着テープもしくはシート
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−75132(P2007−75132A)
公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
出願番号 特願2005−262679(P2005−262679)
出願日 平成17年9月9日(2005.9.9)
代理人 【識別番号】100107939
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 由美子
発明者 古森 研二 / 山本 裕子 / 木之下 隆士 / 岡田 勝博 / 濱田 昌志
要約 課題
縦横両方向の手切れ性に優れた医療用粘着テープもしくはシートを提供することを目的とする。

解決手段
医療用粘着テープもしくはシートは、不織布からなる基材の少なくとも片面に粘着剤層を有する医療用粘着テープもしくはシートであって、該不織布の縦横強度比が1:4〜2:1の範囲にあり、該基材と該粘着剤層とを貫通する貫通孔が一定間隔で設けられていて、該貫通孔の面積が0.1mm以上、2.0mm以下である。
特許請求の範囲
【請求項1】
不織布からなる基材の少なくとも片面に粘着剤層を有する医療用粘着テープもしくはシートであって、貫通孔形成後の不織布の縦横強度比が1:4〜2:1の範囲にあり、該基材と該粘着剤層とを貫通する貫通孔が一定間隔で設けられていて、該貫通孔の面積が0.1mm以上、2.0mm以下であることを特徴とする医療用粘着テープもしくはシート。
【請求項2】
前記貫通孔の形状が少なくとも1箇所に90度以下の角度を有する形状であることを特徴とする請求項1記載の医療用粘着テープもしくはシート。
【請求項3】
前記貫通孔の形状が縦方向及び横方向の少なくとも一方向において90度以下の角度を2つ有する形状であることを特徴とする請求項2記載の医療用粘着テープもしくはシート。
【請求項4】
前記貫通孔が縦方向及び横方向の少なくとも一方向において90度以下の角度を有する先端部分が実質的に一直線に並ぶように配置されていることを特徴とする請求項3記載の医療用粘着テープもしくはシート。
【請求項5】
前記貫通孔の形状が四角形であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の医療用粘着テープもしくはシート。
【請求項6】
前記貫通孔の形状が少なくとも横方向に鋭角部分を有する形状であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の医療用粘着テープもしくはシート。
【請求項7】
前記貫通孔同士の間隔が、隣接する貫通孔の中心点間距離で0.5mm以上、3.0mm以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の医療用粘着テープもしくはシート。
【請求項8】
前記基材がアクリル系樹脂を含浸していることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の医療用粘着テープもしくはシート。
【請求項9】
前記基材の前記粘着剤層を設けた面とは反対側の面に、剥離処理が施されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の医療用粘着テープもしくはシート。
【請求項10】
前記医療用粘着テープもしくはシートがロール状形態で巻回保存されることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項記載の医療用粘着テープもしくはシート。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用粘着テープもしくはシートに関し、特に、皮膚刺激が少なく、かつ、手切れ性を有する医療用粘着テープもしくはシートに関する。
【背景技術】
【0002】
医療用の粘着テープもしくはシート(以下、粘着テープということもある。)は、一般に、基材の片面に粘着剤層が形成された構造を有しており、この基材として不織布が使用されている粘着テープもしくはシートは数多く存在する。このように基材が不織布からなる粘着テープは、経済的に安価であり、機械的強度や粘着性等の特性に優れたものも存在する。しかしながら、医療用粘着テープには、手で切断できるハンドカット性が要求される場合も多い。ハンドカット性を改善した粘着テープについて従来から種々の報告がなされている。
【0003】
特許公報第3431628号には、伸張性非破壊ステープル繊維及びバインダー繊維を不規則に織編した繊維状ウェブにパターンエンボス加工を行い、化学結合剤により全体的に均一に内部結合させることにより、湿潤、乾燥強度、及び、優れたハンド測定値を示し、ウェブ方向に直角な方向に容易に指で引裂くことができる不織シート材料が開示されている。特表平9−502111号公報は、バインダー含有不織ウェブを支持体とする粘着剤テープに約0.1〜1mmの連結セグメントにより分けられた一連の約0.2〜5mmのミシン目を設けることによって容易に手で引裂くことができることが開示されている。また、特表2002−526667号公報では、不織繊維と、縦横に延伸されたフィラメントと接したスクリムと、バインダーとを組み合わせた積層複合材料が提案されている。特開2002−360625号公報には、支持体がポリオレフィン不織布であり、貫通または非貫通の多数の微小孔が形成されていて、各微小孔の周辺部の不織布繊維が溶融してフィルム状になっている皮膚貼付用粘着テープが開示されている。
【0004】
一般的には不織布粘着シートは手で切断し難く、たとえ切断できたとしてもその切断面は不規則な状態で切れることが多い。上述のように手切れ性が付与された粘着テープの提案は多数あるものの、手で切断した際の切断面の状態を厳密に評価している例はなかった。理想的には、プラスチックフィルムに穿孔処理を施したものが切断されたときのように、直線状に切断され、かつ、切断面がきれいであることであるが、未だこのような要求を満たす粘着テープは存在しないのである。また、医療用途として使用されるためには、皮膚刺激が少ない粘着シートであることも必要である。
【0005】
【特許文献1】特許公報第3431628号
【特許文献2】特表平9−502111号公報
【特許文献3】特表2002−526667号公報
【特許文献4】特開2002−360625号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記問題点を解決すべくなされたものであり、本発明は縦横両方向の手切れ性に優れた医療用粘着テープもしくはシートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の医療用粘着テープもしくはシートは、不織布からなる基材の少なくとも片面に粘着剤層を有する医療用粘着テープもしくはシートであって、貫通孔形成後の不織布の縦横強度比が1:4〜2:1の範囲にあり、該基材と該粘着剤層とを貫通する貫通孔が一定間隔で設けられていて、該貫通孔の面積が0.1mm以上、2.0mm以下であることを特徴とする。
【0008】
ここで、前記貫通孔の形状は少なくとも1箇所に90度以下の角度を有する形状であることが好ましい。
また、前記貫通孔の形状は縦方向及び横方向の少なくとも一方向において90度以下の角度を2つ有する形状であることが好ましい。
【0009】
本発明において、前記貫通孔は縦方向及び横方向の少なくとも一方向において90度以下の角度を有する先端部分が実質的に一直線に並ぶように配置されていることが好ましい。
【0010】
本発明において、前記貫通孔の形状は四角形であることができる。
【0011】
本発明において、前記貫通孔の形状は少なくとも横方向に鋭角部分を有する形状であることが好ましい。
【0012】
また、前記貫通孔同士の間隔は、隣接する貫通孔の中心点間距離で0.5mm以上、3.0mm以下であることが好ましい。
【0013】
本発明においては、前記基材がアクリル系樹脂を含浸していることが好ましい。
また、前記基材の前記粘着剤層を設けた面とは反対側の面に、剥離処理が施されていることが好ましい。
【0014】
本発明において、前記医療用粘着テープもしくはシートはロール状形態で巻回保存されることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、縦及び横の両方向における手切れ性に優れている医療用粘着シートを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の医療用粘着テープもしくはシートは、基材の少なくとも一方の面に粘着剤層を有する。この基材は不織布からなる。本発明に用いられる不織布は、化学系合成繊維であっても、それ以外の繊維であってもよく、また、繊維長、繊維径など特に限定されるものではない。不織布として、例えば、木綿、麻、羊毛等の天然繊維、レーヨン、キュプラ等の再生繊維、アセテート、プロミックス等の半合成繊維、ナイロン、ポリエステル、アクリル系、ビニロン、ポリ塩化ビニル、ビニリデン、ポリオレフィン系、ポリウレタンクラール、フルオロカーボン系、ノボロイド系等の合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、シリコンカーバイド繊維、スラグ繊維、金属繊維等の無機繊維、木材パルプ等が用いられる。調達のしやすさ、安定性等の観点からは、パルプ繊維、ポリエステル系繊維等を用いることが好ましい。
【0017】
不織布の形成方法としては特に限定されることなく一般的な不織布製造方法を採用することができる。例えば、乾式製法で言えば、接着剤型の浸漬法、プリント法、スプレー法、粉末法、サーマルボンド法等、機械結合型のフェルト法、ステッチ法、ニードルパンチ法、水流絡合型のスパンレース法、紡糸型のスパンボンド法、網状法、メルトブロー法、フィルム法等が挙げられ、湿式製法で言えば、水流絡合型のスパンレース法、紡糸法のスパンボンド法、フラッシュ法、抄紙法の熱融着繊維法、熱圧着法、接着剤法等が挙げられる。
【0018】
不織布を形成する材料としては、いずれの素材でも使用することができるが、融点が高く吸湿性を有するパルプ繊維や、風合いが良く強度が高いポリエステル繊維等が好ましく使用される。
【0019】
本発明において不織布全体の坪量は、10g/m〜80g/mであることが好ましく、風合い及び機械的強度を考慮すると、坪量は12g/m〜60g/mであることが更に好ましい。
【0020】
本発明に係る貫通孔形成後の不織布は、縦横強度比が1:4〜2:1の範囲にあることが必要であり、好ましくは1:2〜1:1の範囲である。ここで強度とは破断強度を指し、例えば、島津製作所製のオートグラフAG−ISIKNにて、10mm幅のサンプルをチャック間距離100mmにセットし、300mm/分の速度で引張った時の破断するまでの応力を測定することにより得ることができる。
また、縦横強度比の縦とは、不織布の流れ方向(長尺の場合は長手方向)を指し、横とは流れ方向とは直角な方向であり、すなわち不織布の幅方向を指すものとする。
【0021】
不織布は化学バインダーで処理されることが好ましい。化学バインダーとしては一般的な化学バインダーを使用することができ、化学的な皮膚刺激が少なく、皮膚に対して違和感を与えないような柔軟性を実現することができ、かつ、透湿性を有するものであれば、特に限定されることなく使用することができる。
【0022】
使用される化学バインダーとしては、例えば、アクリル樹脂、ビニルアクリル樹脂、アセテート/エチレン、ポリ酢酸ビニル等が挙げられる。また、アクリル樹脂と接合するラテックス類、スチレン/ブタジエンゴム、酢酸ビニル/エチレン、酢酸ビニル/アクリレート類、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール類、ポリウレタン類、酢酸ビニル類、アクリル/酢酸ビニル、及び、それに類似するものを含む水ベースの化学バインダーとしてアクリルラテックスバインダー、スチレン/ブタジエンゴムラテックス、アクリル/酢酸ビニルコポリマーラテックス等が挙げられる。
【0023】
例えば、水ベースの化学バインダーを、線巻きロッド、キスロール、リバースロール、グラビアロール、エアーナイフ、スプレー等を用いて不織布に塗工することができる。
化学バインダーの使用量は、所望の特性に応じて、例えば、機械的強度(乾燥温度、湿潤強度)や引裂き特性等に応じて、適宜決定されることが好ましいが、一般的には、約3g/m〜約50g/mの範囲であることが好ましく、約5g/m〜35g/mの範囲であることが更に好ましい。
【0024】
本発明においては、不織布に化学バインダーを塗布した上に、背面処理を行うことが好ましい。背面処理を行うことによって、本発明の医療用粘着シートを巻回した状態、すなわち巻物の形態で保存した場合でもスムーズに巻き戻すことができる。例えば、シリコーン系、フッ素系、ワックス等の背面処理剤を塗布等することによって背面処理を行うことが好ましい。背面処理剤の使用量は、粘着剤の種類等を考慮し適宜決定されることが好ましい。
【0025】
上記不織布からなる基材は一定間隔で貫通孔を有する。なお、この貫通孔は粘着剤層をも貫通していることが必要であり、貫通孔を有する基材に貫通孔を避けるように粘着剤層が部分的に設けられているものでもよいし、あるいは、粘着剤層が設けられた後に貫通孔が形成されてもよい。かかる貫通孔については後述する。
【0026】
本発明の医療用粘着テープもしくはシートは、基材の一方の面に粘着剤層を有する。例えば、不織布の化学バインダーを塗布した面とは反対側の面に粘着剤層を有する。粘着剤層は、皮膚に追従できる柔軟性を有し、皮膚に対する刺激(化学的刺激、物理的刺激)が少なく、かつ、透湿性を有することが好ましく、このような要求を満たす粘着剤を用いて形成されることが好ましい。粘着剤としては、皮膚貼付用粘着テープ等に一般的に使用される粘着剤を特に限定されることなく使用することができる。例えば、スチレン−イソブチレン−スチレン共重合体を主成分とする合成ゴム系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤、ポリシロキサン系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、ポリエーテル系粘着剤、アクリル系粘着剤等の1種または2種以上を混合して用いることができる。なお粘着剤層は不織布に貫通孔を形成する前に設けてもよいし、貫通孔を形成した後に設けてもよい。かかる貫通孔については後述する。
【0027】
粘着剤には、必要に応じて、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の多価アルコールに代表される可塑剤、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸架橋体、ポリビニルピロリドン等の水溶性又は吸水性の樹脂、ロジン系、テルペン系、石油系等の粘着付与剤、各種軟化剤、充填剤、顔料等の各種添加剤を配合することができる。
【0028】
粘着剤層の厚みは、10〜100μmであることが好ましく、20〜70μmであることが好ましい。粘着剤層の厚みが10μm以上であれば、皮膚に貼着している間、十分な接着性が発揮される。また、厚みが100μm以下であれば、皮膚貼付用粘着テープ等に要求されるレベルの水蒸気透過性が得られるので、耐汗性を付与することができ、また、長期間の貼付によって皮膚刺激性を発現することもない。
【0029】
粘着剤層は基材の一方の面、例えば、不織布の化学バインダーを適用した面とは反対側の面上に直接設けられていても良いし、間接的に設けられていてもよい。ここで、「間接的」とは、粘着剤層を基材に直接接触させるのではなく、例えば、粘着剤層との投錨性を向上させるために、基材表面に下塗り剤を塗布した後、粘着剤層を形成することなどをいう。
【0030】
また、粘着剤層は、基材の一方の面の全面に設けられていてもよいし、部分的に設けられていてもよい。部分的に粘着剤層を設ける場合には、一定幅の筋状に設けてもよいし、波型の筋状に設けてもよい。また、粘着剤層を2層以上の積層体としてもよい。この場合には、例えば、粘着力の異なる粘着剤層を一方は全面に設け、その表面に、もう一方の粘着剤を部分的に設けることができる。
なお、粘着剤層は、粘着剤を溶液塗布して形成してもよいし、エマルジョン塗布しても、ホットメルト塗布してもよい。
【0031】
本発明の医療用粘着テープもしくはシートは、基材と粘着剤層とを貫通する孔を有し、この孔は縦方向においても横方向においても一定間隔で設けられていることが好ましい。この孔(貫通孔)の形状は少なくとも1箇所に90度以下の角度を有する形状であることが好ましい。また、90度以下の角度の2箇所は、不織布の縦方向及び横方向の少なくとも一方向に存在することが好ましく、少なくとも横方向に存在することが更に好ましい。また、この2箇所の先端部分は実質的に一直線に並ぶように配置されていることが好ましい。例えば、貫通孔の形状としては、正方向、長方形、菱形、平行四辺形等の四角形や、十字手裏剣のような形状、算盤玉の如き多角形状等が挙げられる。四角形の縦横の対角線の長さ比率や、十字手裏剣の縦横の長さ比率等は適宜設計することができる。
【0032】
貫通孔の大きさは適宜設計することが好ましいが、貫通孔の面積が0.1mm〜2.0mmの範囲であることが好ましい。孔の面積が0.1mm未満では、通気性の向上を十分に図れないことがあり、また、十分な手切れ性が得られないことがある。一方、孔の面積が2.0mmより大きいと、得られるシートの強度が低下したり、十分な接着性が得られないことがある。
【0033】
貫通孔が配置される間隔については、隣接する貫通孔同士の孔の中心点間距離(ピッチ)が、0.5mm以上、3.0mm以下であることが好ましく、0.75mm以上、2.5mm以下であることが更に好ましい。隣接する孔の中央点間距離が0.5mm未満では得られるシートに十分な強度を与えることができない場合があり、一方、3.0mmを超えると通気性の向上が十分に図れないことがあったり、十分な手切れ性が実現できないことがある。なお、縦方向と横方向のピッチは同一にする必要はなく、例えば、不織布に横方向の手切れ性を確実に付与場合には、縦方向のピッチを横方向のピッチよりも大きくすればよい。
【0034】
本発明の医療用粘着テープもしくはシートは、基材と粘着剤層とを貫通する貫通孔を有し、この貫通孔は、例えば、刃によるダイロールカット、レーザー照射によるカット、金属ロールによる穿孔形成等によって形成される。例えば金属ロールを用いて貫通孔を形成する場合には、貫通孔の形状の突起を有する金属ロール(穿孔ロール)と、加圧ロール(表面が滑らかな金属ロール)とを対抗して配置し、両ロールの接触面の間に不織布あるいは粘着剤層を有する不織布等を挟んで通過させることによって、不織布等に貫通孔を形成することができる。金属ロールには、孔を形成するための突起が一定間隔で配置されており、突起の先端部は尖っていてもよく(例えば底面が正方形、菱形等の四角錘など)、あるいは突起先端部が平坦な形状でもよい。また、金属ロールは好ましくは約120℃〜約400℃に、更に好ましくは約150℃〜約350℃に加熱されていることが好ましく、加圧ロールは約50℃〜約150℃に加熱されていることが好ましい。
【0035】
金属ロールと加圧ロールとの間にかかる圧力(圧着力)、および、不織布等を通す速度(流れ速度)は、突起の形状、突起の温度、不織布等の厚み等を考慮に入れて、不織布等に適当な貫通孔が形成されるように設定することが好ましいが、一般的には、圧着力が、線圧で約10kg/cm〜約200kg/cmであることが好ましく、不織布等を通す速度が約1m/分〜約50m/分であることが好ましい。
加圧ロールとしては、表面が平滑なステンレスロール、芯金上にシリコーンゴムを被覆した表面が平滑なゴムロール等を用いることができる。
【0036】
本発明においては、基材に粘着剤層を形成した後に貫通孔を形成してもよいし、あるいは、基材に貫通孔を形成してから粘着剤層を設けてもよい。前者の場合には、粘着剤層を有する基材を用いて、上記方法によって、例えば金属ロールを用いて基材と粘着剤層とを貫通する貫通孔を形成することができる。後者の場合には、必要により化学バインダーで処理された基材に上記方法によって貫通孔を形成した後、この貫通孔を塞がないように粘着剤層を設ける。例えば、貫通孔を避けて縞状に粘着剤層を基材上に形成したり、部分的に粘着剤層を形成することができる。
【0037】
本発明の医療用粘着テープもしくはシートの貫通孔パターンを図面を用いて具体的に説明する。図1の(a)は、貫通孔パターンの第1の態様を示す図であり、ここでは正方形が縦横に列をなして配置されており、角が縦と横に位置するように配置されている。図1の(b)は、貫通孔パターンの第2の態様を示す図であり、ここでは十字手裏剣形状の孔が縦横に列をなして配置されており、十字の先端が縦と横に位置するように配置されている。図1の(c)は、貫通孔パターンの第3の態様を示す図であり、ここでは横長四角形が縦横に列をなして配置されており、角が縦と横に位置するように配置されている。なお、図2の(a)は、本発明外の貫通孔パターンを例示したものであり、図1の(a)に示す貫通孔の一部が埋まっている状態、すなわち、一部分の正方形が欠けた状態であり、縦横に列をなして配置された正方形の間隔が一定間隔ではない状態を示したものである。
【0038】
なお、図1の(a)〜図1の(c)においては、貫通孔と貫通孔との間が近接した状態で配置されている態様を示したが、貫通孔と貫通孔との間がもっと離れた状態で配置されていてもよいし、貫通孔と貫通孔とがもっと近接した状態で配置されていてもよい。
【0039】
貫通孔は粘着テープ上に一定間隔で形成されており、例えば、縦列(不織布の流れ方向、長手方向)及び横列(流れ方向と直角の方向、幅方向)の少なくとも一方の列において、貫通孔と貫通孔との間隔が一定であることを言う。手切れ性が要求される列の貫通孔と貫通孔との非切断部の間隔は、貫通孔の形状、大きさ等によって適宜決定されることが好ましいが、例えば図1の(a)から図1の(c)に示すように貫通孔が配置されている場合には、非切断部の間隔(C、D)は約0.25mm〜1.25mmの範囲内であることが好ましい。
【0040】
本発明の医療用粘着テープもしくはシートは、粘着剤層を保護するために、粘着剤層の上に剥離シートを有していてもよい。剥離シートとしては、粘着剤層と接する側にシリコーンなどで剥離処理されているものを使用することができる。あるいは、医療用粘着テープもしくはシートを巻物状態とすることもできる。この場合には、上述したように化学バインダーを適用した面に表面処理を施しておくことが好ましい。
【0041】
本発明の医療用粘着テープもしくはシートは上記したような構成を有するので、はさみ等の切断具を使用することなく手で裂くことができ、しかも、皮膚に対して刺激が少なく、ムレが生じることもない。したがって、医療用途に有効である。
【0042】
本発明においては、この医療用粘着テープを用いて、絆創膏等の医療用テープやシートを形成することができる。例えば、医療用粘着シートを適当な大きさに切断して絆創膏、テーピング用テープなどを形成したり、あるいは創傷部分を被覆する被覆材、外科手術後の当て材、カテーテルの針入部やガーゼ等のカバー材などの医療用テープ又はシートを形成したり、医療用粘着テープに他の支持体などを組み合わせて固定用テープ、入浴用パウチ固定用テープ、器具保持テープなどの医療用製品を形成することができる。なお、本発明の皮膚貼付用粘着テープもしくはシートは、皮膚に貼付する用途であれば、上記医療用途以外にも使用できることは言うまでもない。
【実施例】
【0043】
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。なお、以下の実施例において、「部」とあるのは「重量部」を意味し、「%」とあるのは「重量%」を意味する。また、以下の実施例において使用された評価方法を下記に示す。
【0044】
(手切れ性の評価方法)
医療用粘着テープを、流れ方向、及び、これに直角な方向(幅方向)に25mmの長さに指で引裂いた。引裂いた方向を理想切断線と想定し、この切断面の切断縁が、理想切断線から最も離れているところの距離を求めた。すなわち、例えば流れ方向に引裂いた場合には、流れ方向と直角な方向に延びた粘着テープの切断縁までの長さのうち最大の長さを測定した。この長さが短いほど、手切れ性が良好である。上記操作を5回行い、その平均値を求めた。
【0045】
(実施例1)
パルプ繊維とポリエステル繊維とを重量比で40:60の割合で混合して混合繊維を得た。この混合繊維を湿式法によって製紙して不織布を作製した。ただし、強度を付加するために、アクリル系樹脂を30g/m含有させた。得られた不織布は坪量が50g/mであった。また、この不織布の縦横強度比は1.30:1.00であった。
【0046】
一方、窒素ガス雰囲気下で、2−エチルヘキシルアクリレート95部、及び、アクリル酸5部からなる単量体混合物を、酢酸エチル80部に、均一になるように溶解混合した。これに、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド(BPO)0.2部を添加して共重合反応を行い、アクリル系共重合体を得た。
【0047】
このアクリル系共重合100部に対して、トリオレイン酸ソルビタン67部、及び、架橋剤として三官能性イソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業株式会社製、コロネートHL)0.14部を酢酸エチル溶媒に入れて混合溶解した。得られた溶液を、片面にシリコーン処理が施されている剥離紙のシリコーン処理面に、乾燥後の厚みが50μmとなるように塗布し、100℃で3分間乾燥させて、架橋された粘着剤層を形成した。
【0048】
次に、形成した不織布に、形成された粘着剤層を貼り合せ、圧着した後、さらに、60℃で72時間熟成(エージング)して、基材上に粘着剤層を有する積層体を作製した。
【0049】
作製した粘着剤層を有する積層体に孔を形成した。すなわち、図1の(a)に示すような縦および横に90度の角度を有する四角形を形成するような四角錘状の突起を備えた金属ロール(対角線の長さが1.0mm×1.0mm、ピッチ(中心点間距離)(縦方向B=1.5mm、横方向A=1.5mm)を150℃に設定し、平滑面を有する金属平面ロールを100℃に設定して、この金属ロールと金属平面ロールとの間に不織布を、線圧が180kg/cm、速度が0.5m/minで圧着通過させた。これによって、径がX=0.8mm、Y=0.8mmの貫通孔を有する粘着テープを作製した。
得られた粘着テープについて、手切れ性の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0050】
(実施例2)
実施例1において、金属ロールを、図1の(b)に示すような十字手裏剣形状を形成することができる突起を備えた金属ロール(十字の縦の長さ1.0mm、横の長さ1.0mm、ピッチ(A=1.5mm、B=1.5mm))に変更した以外は実施例1と同様にして、貫通孔(X=0.8mm、Y=0.8mm)を有する粘着テープを作製した。
得られた粘着テープについて、手切れ性の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0051】
(比較例1)
実施例1において、積層体に孔を形成する際に、線圧50kg/cm、速度0.5m/minで圧着した以外は実施例1と同様にして、未貫通孔を有する粘着テープを作製した。
得られた粘着テープについて、手切れ性の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0052】
(比較例2)
実施例1において、金属ロールを、図2の(a)に示すような四角形を形成することができる四角錘状の突起を備えた金属ロール(対角線の縦の長さ0.5mm、横の長さ0.5mm、ピッチ(B=1.0mm、B=2.0mm、A=1.0mm、A=2.0mm))に変更した以外は実施例1と同様にして、貫通孔(X=0.4mm、Y=0.4mm)を有する粘着テープを作製した。
得られた粘着テープについて、手切れ性の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0053】
(比較例3)
実施例1において、パルプ繊維/ポリエステル繊維からなる不織布の替わりに、パルプ繊維とビニロンとを重量比で70:30の割合で混合した混合繊維を用いた以外は実施例1と同様にしてアクリル樹脂を含有する不織布を作製した。得られた不織布の縦横強度比は4.00:1.00であった。
また、実施例1と同様にして粘着剤層を有する積層体を形成し、実施例1と同様にして貫通孔を有する粘着テープを作製した。得られた粘着テープについて手切れ性の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0054】
(比較例4)
実施例1において、金属ロールを、図2(b)に示すような四角形を形成することができるような四角錘状の突起を備えた金属ロール(対角線の縦の長さ1.0mm、横の長さ1.0mm、ピッチ(A=1.00mm、B=1.00mm))に変更し、この金属ロール(150℃)とゴムロール(室温)との間に上記積層体を、線圧50kg/cm、速度12m/minで圧着した以外は実施例1と同様にして、貫通孔(径 X=0.2mm、Y=0.2mm)を有する粘着テープを作製した。
得られた粘着テープについて、手切れ性の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0055】
【表1】


【0056】
表1から明らかなように、実施例1〜2の粘着テープは、縦および横の両方向とも優れた手切れ性を示すことが分かった。
一方、比較例1,4の粘着テープは、縦方向及び横方向の手切れ性が共に2.0以上であり、手切れ性に劣ったものであることが分かった。また、貫通孔の配置が一定間隔でない比較例2の粘着テープ、及び、不織布の縦横強度比が本発明の条件外である比較例3の粘着テープは、縦又は横のいずれかの手切れ性が2.0以上であることが分かった。
すなわち、本発明によれば、縦及び横のいずれの方向においても手切れ性に優れた粘着テープを実現することができることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の医療用粘着テープもしくはシートは、種々の大きさのシート状、テープ状等の形態で使用することがで、また、ロール状形態で保存することもできる。これらの医療用粘着テープもしくはシートは、皮膚貼付用途、例えば医療衛生分野、外用用途等の分野で使用することができ、具体的には、絆創膏、粘着包帯、ドレッシング材、テーピング用テープ等に好適に使用される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】(a)は本発明の医療用粘着テープもしくはシートの貫通孔パターンの第1の態様を示す図であり、(b)は本発明の医療用粘着テープもしくはシートの貫通孔パターンの第2の態様を示す図であり、(c)は本発明の医療用粘着テープもしくはシートの貫通孔パターンの第3の態様を示す図である。
【図2】(a)は比較例2の粘着テープの貫通孔パターンを示す図であり、(b)は比較例4の粘着テープの貫通孔パターンを示す図である。
【符号の説明】
【0059】
X 貫通孔の縦方向の長さ
Y 貫通孔の横方向の長さ
A、A 横方向の貫通孔の中心点間距離(ピッチ)
B、B 縦方向の貫通孔の中心点間距離(ピッチ)




 

 


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