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発明の名称 化粧用シート
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−70226(P2007−70226A)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
出願番号 特願2005−255270(P2005−255270)
出願日 平成17年9月2日(2005.9.2)
代理人 【識別番号】100107939
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 由美子
発明者 船橋 美紀 / 今野 絵梨子 / 笠原 剛 / 畑中 宏
要約 課題
皮膚に痛みを与えることなく、かつ、角栓を十分に除去することができる化粧用シートを提供する。

解決手段
化粧用シートは、基材1の一方の面に、水溶性高分子、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、及び、無機充填剤を含有する湿潤粘着性組成物を用いて成る皮膚貼付層2を有し、無機充填剤がシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタンブラック及び薬用炭からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、この皮膚貼付層には、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが皮膚貼付層の基材積層面とは反対側の表面に滲み出している。
特許請求の範囲
【請求項1】
基材の一方の面に、水溶性高分子、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、及び、無機充填剤を含有する湿潤粘着性組成物を用いて成る皮膚貼付層を有し、該無機充填剤がシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタンブラック及び薬用炭からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、該ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが前記皮膚貼付層の前記基材積層面とは反対側の表面に滲み出していることを特徴とする化粧用シート。
【請求項2】
前記無機充填剤が、0.01μm以上、50μm以下の平均粒径を有することを特徴とする請求項1記載の化粧用シート。
【請求項3】
前記水溶性高分子が、ポリビニルピロリドン及びビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2記載の化粧用シート。
【請求項4】
前記水溶性高分子が、重量平均分子量が70万未満の水溶性高分子と重量平均分子量が70万以上の水溶性高分子とを含有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の化粧用シート。
【請求項5】
前記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを形成する脂肪酸が、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、及び、オレイン酸からなる群から選ばれる1つであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の化粧用シート。
【請求項6】
前記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのHLBが12以上であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の化粧用シート。
【請求項7】
前記湿潤粘着性組成物が、更に、保湿成分を含有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の化粧用シート。
【請求項8】
前記保湿成分が、グリセリン及び/又は多価アルコールであることを特徴とする請求項7記載の化粧用シート。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧用シートに関し、特に、角栓除去等に使用される化粧用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、皮膚の角栓除去に適した化粧用シートとして、不織布等からなる基材層の片面に、水溶性高分子を用いて皮膚貼付層を形成したものが知られている。この化粧用シートは、通常、まず、鼻部などの貼付される部位を予め水で濡らした後に貼付される。貼付された化粧用シートは、この状態で約10分間放置され、水分が蒸発した後、ゆっくりと剥離除去される。このような一連の操作を経て、水で溶解若しくは湿潤した皮膚貼付層が、毛穴内に存在する角栓と接触した後、乾燥することによって、角栓と一体化するので、皮膚貼付層を剥がすことによって角栓も除去できるのである。
【0003】
ところで、このように化粧用シートは既に乾燥して皮膚と接着あるいは粘着している状態で皮膚から引き剥がされるのであるから、剥離の際、皮膚に相当の痛みを与えることになる。特開平5−221843号公報には、皮膚に痛みを与えることなく角栓等を除去することができるものとして、塩生成基を有する高分子化合物と油剤とをパック剤の一成分として用いたシート状パックが開示されているが、油剤を併用するため角栓除去能力が低下する恐れがある。これに対し、パックの角栓除去能力を低下させることなく、皮膚から剥離する際の痛みを緩和することができるパック化粧料が、特開平11−199435号公報に開示されている。このパック化粧料は、鎮痛剤、止痒剤、ポリオキシアルキレン鎖を有する非イオン界面活性剤、アルキレングリコール若しくはポリアルキレングリコールのサリチル酸エステル及び高級脂肪酸とアミノアルコールの縮合物よりなる群から選ばれた1種又は2種以上の成分を含有している。
【0004】
ところが、このパック化粧料も未だ十分な角栓除去能力を有するものではなく、ユーザーの高いニーズに応えることができるものではなかった。
【0005】
【特許文献1】特開平5−221843号公報
【特許文献2】特開平11−199435号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、皮膚に痛みを与えることなく、かつ、角栓を十分に除去することができる化粧用シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の化粧用シートは、基材の一方の面に、水溶性高分子、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、及び、無機充填剤を含有する湿潤粘着性組成物を用いて成る皮膚貼付層を有し、該無機充填剤がシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタンブラック及び薬用炭からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、該ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが前記皮膚貼付層の前記基材積層面とは反対側の表面に滲み出していることを特徴とする。
【0008】
また、前記無機充填剤は、0.01μm以上、50μm以下の平均粒径を有することができる。
【0009】
また、前記水溶性高分子は、ポリビニルピロリドン及びビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種であることができる。
【0010】
また、前記水溶性高分子は、重量平均分子量が70万未満の水溶性高分子と重量平均分子量が70万以上の水溶性高分子とを含有することができる。
【0011】
また、前記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを形成する脂肪酸が、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、及び、オレイン酸からなる群から選ばれる1つであることができる。
【0012】
また、前記ポリオキシソルビタン脂肪酸エステルのHLBが12以上であることができる。
【0013】
また、前記湿潤粘着性組成物は、更に、保湿成分を含有することができる。
ここで、前記保湿成分は、グリセリン及び/又は多価アルコールであることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、皮膚から剥離する際の痛みを緩和することができ、かつ、皮膚からの角栓除去能力に優れている化粧用シートを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の化粧用シートは、基材の片面に皮膚貼付層を有し、この皮膚貼付層が、水溶性高分子、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、及び、無機充填剤を含有する湿潤粘着性組成物を用いて形成されたものである。この化粧用シートの皮膚貼付層にはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが偏在しており、皮膚貼付層の基材積層面とは反対側の表面部分にポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが滲み出している。
【0016】
例えば、図1に示すように、本発明の化粧用シートは、透湿性基材1の一方の面に皮膚貼付層2を有し、この皮膚貼付層2の基材とは反対側表面部分にポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが滲み出しており、その一部が表面上にポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの滲み出し部分3として存在している。図1においてセパレータは図示されていないが、場合によっては、皮膚貼付層2の表面を覆うようにセパレータが設けられていてもよい。
【0017】
本発明に係る湿潤粘着性組成物を構成する無機充填剤は、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタンブラック及び薬用炭からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが必要である。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを皮膚貼付層の表面部分に滲出させるためには、上記無機充填剤を含有させなければならない。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが上記表面部分に滲出することにより、化粧用シートを皮膚に貼付した時に、表面部分に滲出しているポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが毛穴内に存在する角栓と接触しやすくなる。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、毛穴に付着したコレステロール、老廃物等の皮脂成分との相溶性が高いので、優れた角栓除去能力を発揮することができる。
【0018】
本発明に使用される充填剤は、通常、粉体状態が好ましく、その形状は特に限定されないが、均一な分散性が得られることを考慮すると球形であることが好ましい。また、その平均粒径は0.01〜50μmであることが好ましく、特に、0.1〜10μmであることが好ましい。
【0019】
また、湿潤粘着性組成物に無機充填剤を含有させることによって、形成された皮膚貼付層の湿潤して乾燥させた後の機械的強度を向上させることができる。また、無機充填剤を含有させることによって、貼付後、乾燥するのに要する乾燥所要時間を短縮させることができる。したがって、無機充填剤を含有させれば貼付層の厚みが厚くても、従来品のような長時間を要することはない。なお、乾燥所要時間が短くなる理由は、無機充填剤と、水溶性高分子及び液状可塑剤との界面が、水分逸散の通路として機能するものと推察される。
【0020】
無機充填剤は、水溶性高分子100重量部に対して10〜200重量部の範囲内で使用することが好ましく、25〜100重量部の範囲内で使用することが更に好ましい。充填剤の使用量が10〜200重量部の範囲内であれば、形成された皮膚貼付層の柔軟性が乏しくなって貼付部位に良好にフィットし難くなるようなことはなく、また、乾燥所要時間が長くなることもなく、かつ、皮膚貼付層を貼り付けて乾燥した後の機械的強度の改善効果が得られる。
【0021】
本発明においては、酸化チタン、チタンブラック等の無機充填剤を顔料として配合することができる。顔料として配合される無機充填剤の配合量は、水溶性高分子100重量部に対して1〜20重量部の範囲内で使用することが好ましく、3〜10重量部の範囲内で使用することが更に好ましい。顔料としての無機充填剤の使用量が1〜20重量部の範囲内であれば、良好な白色若しくは黒色を示す皮膚貼付層を形成することができる。
【0022】
皮膚貼付層を形成するために用いられる、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、水溶性高分子100重量部に対して、3重量部以上、40重量部以下の範囲で配合されることが好ましく、5重量部以上、20重量部以下の範囲で配合されることが更に好ましく、10重量部程度であることが特に好ましい。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの配合量が3重量部以上であれば、皮膚貼付層表面に滲出可能であり、角栓除去能力を十分に発揮することができる。また、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの配合量が40重量部以下であれば、皮膚貼付層と皮膚との界面にポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが貯留して角栓除去を妨害することもない。
【0023】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、ソルビットの高級脂肪酸エステルよりなる非イオン界面活性剤であり、水の中に油を乳化せしめる水中油滴型(o/w 型)であることが好ましい。また、界面活性剤分子中の親水基と親油基との相関関係を示す数値としてHLB(Hydrophile Lipophile Balance)があるが、このHLBが12以上であることが好ましく、さらに上限は20以下とすることが好ましく、14〜17であることが更に好ましく、特に15〜17であることが好ましい。本発明に用いられるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、人体の頭皮や毛穴に付着したコレステロール、老廃物等の皮脂成分との相溶性が高い。
【0024】
本発明に用いられるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルにおける脂肪酸としては、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が好ましいものとして挙げられる。また、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、親水性部分を形成するエチレンオキサイド(EO)の付加モル数が、例えば、4モル〜20モルであることが好ましい。
【0025】
本発明に用いられる水溶性高分子は、水または親水性媒体の存在により粘着性を発揮するものである。角栓除去に適した水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルピロリドン及びビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましいものとして挙げられる。また、水溶性高分子の分子量が大き過ぎると、湿潤粘着性組成物を用いて形成された皮膚貼付層は、水又は親水性媒体の存在によって粘着力が充分とならないことがあり、分子量が小さ過ぎると、皮膚貼付層の機械的強度が低下することがあって、貼付後、乾燥した化粧用シートを貼付部位から剥離除去する際に皮膚貼付層の一部が残渣として残ることがあるので、これらの水溶性高分子は、重量平均分子量が5,000〜500万であることが好ましく、特に、2万〜120万であることが好ましい。
【0026】
粘着性を発揮させるために用いた水等を蒸発させるための乾燥時間を短縮させ、かつ、剥離時の痛みを更に和らげることを可能にするという観点からは、低分子量の水溶性高分子、すなわち重量平均分子量が70万未満、好ましくは5,000〜30万の水溶性高分子と、高分子量の水溶性高分子、すなわち重量平均分子量が70万以上、好ましくは100万〜500万の水溶性高分子とを混合して使用することが更に好ましい。高分子量の水溶性高分子と低分子量の水溶性高分子とを混合して用いる場合、その配合割合は、用いる水溶性高分子の分子量や使用目的等に応じて適宜決定されることが好ましいが、例えば、高分子量の水溶性高分子と低分子量の水溶性高分子との割合は、重量比で、おおよそ、5:95〜95:5であることが好ましく、さらに好ましくは20:80〜70:30である。角栓の除去効率、剥がす際の皮膚に与える痛みの軽減等の観点からは、低分子量の水溶性高分子の配合割合を多くすることが好ましい。本発明においては、例えば、重量平均分子量が120万のポリビニルピロリドンと重量平均分子量が45万のポリビニルピロリドンを重量比で30:70〜60:40の範囲内で併用することが好ましく、40:60〜50:50で併用することが更に好ましい。
【0027】
本発明に係る湿潤粘着性組成物には保湿成分及び/又は水を配合することができる。本発明に用いられる保湿成分としては、水溶性高分子に対して相溶性を有し、溶解して可塑化効果を示す材料が使用される。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、その他のポリエチレングリコール類、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、その他のポリプロピレングリコール類、グリセリン、ジグリセリン、その他のポリグリセリン類、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール等のブチレングリコール類、ソルビトール、マンニトール等の糖アルコール類、ラノリン、レシチン、オリーブ油等のグリセライド類、などが例示される。これらは1種類のみを使用してもよいし、あるいは、2種類以上を併用してもよい。
【0028】
保湿成分の使用量が過剰であると、形成された皮膚貼付層の湿潤して乾燥させた後の機械的強度が乏しくなり易く、過少であると、柔軟性が乏しくなって貼付部位に良好にフィットさせることが難くなる傾向にある。したがって、保湿成分は、水溶性高分子100重量部に対して、1〜75重量部の範囲で使用することが好ましく、5〜50重量部の範囲で使用することが更に好ましい。
【0029】
本発明に係る湿潤粘着性組成物は、必要に応じて、化粧料、香料、防腐剤、着色剤、アルコール、薬剤、紫外線吸収剤、あるいは、その他の化粧用シートに通常使用される薬剤や添加剤を本発明の効果を阻害しない範囲内で含んでもよい。
【0030】
水溶性高分子と、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルと、無機充填剤と、必要に応じて保湿成分等とを含有する湿潤粘着性組成物は、エチルアルコール、メチルアルコール等の親水性媒体や水等と共に塗布液とした後、剥離処理が施された剥離シート、あるいは、基材上に塗布乾燥されて、シート状の皮膚貼付層が形成される。
【0031】
本発明の化粧用シートは、皮膚貼付層の基材積層面とは反対側の表面部分にポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが滲出しているが、湿潤粘着性組成物を構成する、水溶性高分子の種類や配合量、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの配合量、無機充填剤の種類や配合量を適宜調整することによって、このような構成にすることができる。
【0032】
本発明の化粧用シートは、基材の片面に皮膚貼付層を有する。ここで、基材としては、皮膚貼付層の乾燥速度の観点から透湿性のある透湿性基材を用いる。その構造としては、織布、不織布、編布、紙等の繊維の集合体類、および、多孔性フィルム、透気性フィルム等のフィルム類などが例示される。これらのうち、貼付部位の曲面になじみやすい適度の伸縮性を有するものが特に好ましい。また、材料に関しては、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、セルロース等の、合成あるいは天然の有機高分子類が例示される。
【0033】
本発明において、皮膚貼付層の厚みは、10μm以上、500μm以下であることが好ましく、50μm以上、250μm以下であることが更に好ましい。
また、基材の厚みは、10μm〜200μmであることが好ましい。
【0034】
本発明の化粧用シートは、皮膚貼付層の上にセパレータを有することができる。本発明に用いられるセパレータとしては、粘着シート等に通常使用されるセパレータを用いることができ、例えば、シリコン等のポリマーで表面処理されたプラスチックシートやフィルム、剥離処理された紙、離型性のあるフィルム等を用いることができる。
【0035】
また、かかるプラスチックシートを形成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等が挙げられるが、ポリエチレンが好ましく用いられる。本発明においては、2種類以上材料を併用してプラスチックシートを形成してもよいし、また、プラスチックシートは2層以上の積層体でもよいし、あるいは、紙とプラスチックシートとの積層体でもよい。
【0036】
本発明の化粧用シートは、例えば、剥離処理されたシート(セパレータ)の片面に、湿潤粘着性組成物を水等に分散させた塗布液を塗布し、その上に基材を重ねて乾燥させることにより形成することができる。この化粧用シートは、基材/皮膚貼付層/セパレータの構成を有し、任意の形状に裁断される。セパレータは、使用時に剥がされるまで、皮膚貼付層を衛生面から、あるいは貼着力の面から保護することができる。また、セパレータを有することによって、化粧用シートを枚葉状に積み重ねて保存することもできるという利点もある。
【0037】
本発明の化粧用シートは、化粧用シート中の水分の揮散を防止するために不透湿性基材等の包装材料で包装されていてもよい。例えば、不透湿性基材からなる袋等の内部に収納されて密封保存されていてもよい。
【0038】
本発明に用いられる不透湿性基材としては、例えば、アルミニウム等の金属箔等が好ましく使用される。また、プラスチックフィルムと金属箔との積層体でもよく、例えば、アルミニウムとポリエステルフィルムとの積層体等が好ましく使用される。
【0039】
本発明の化粧用シートは、予め水や親水性媒体を含浸させた状態で保存されてもよい。この場合には、貼付部位を水等で濡らさなくてもそのまま化粧用シートを貼り付けることができる。
【0040】
本発明の化粧用シートは、非イオン界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを皮膚貼付層に含有させているので、皮膚から剥離する際の痛みを緩和させることができ、かつ、角栓を十分に除去することができる。
【0041】
また、本発明の化粧用シートは皮膚貼付層の表面部分にポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが滲出しているので、化粧用シートが皮膚に貼着されると、皮膚貼付層と皮膚との界面に親油性を示すポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが滲み出して貯留した状態を形成しやすい。そのため、油性を示す皮膚面に短時間で濡れていくことができ、結果として角栓の除去性能を向上させることができる。また、無機充填剤を含んでいるので、機械的強度にも優れた化粧用シートを実現することができる。
【0042】
本発明の化粧用シートは、ピールオフ型のパック等に代表されるような角栓除去シート、にきびシート等に有用であり、特に鼻部のように複雑に湾曲した肌にぴったりと貼付でき、鼻部の角栓除去シートとして有効に利用できる。
【実施例】
【0043】
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。
【0044】
(実施例1)
水溶性高分子として重量平均分子量が120万のポリビニルピロリドンを56重量%、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしてソルビタンオレイン酸モノエステル(エチレンオキサイド20モル付加物、HLB 15.0)を6重量%、シリカ34重量%、チタンブラック1重量%、及び、薬用炭3重量%を用い、これらを適量の精製水を用いて攪拌、混合して塗布液を作製した。この塗布液を、片面にシリコーン剥離処理が施されているポリエチレンフィルム(厚み50μm)の剥離処理面に、塗布量が110g/mで均一な厚さとなるように塗布して皮膚貼付層を形成し、この皮膚粘着層の上に、ポリエステル繊維からなるスパンレース不織布(坪量:40g/m)を重ね、105℃で3分間乾燥させて、3層構造の化粧用シートを作製した。得られた化粧用シートの含水率は、15〜20重量%であった。ただし含水率は、温度30℃、湿度90%の環境下で約15分間調湿した後の重量変化より算出した。なお、得られた化粧用シートは、シート中の水分の揮散を防止するために、アルミニウムとポリエステルフィルムが積層された保存袋に密閉保存された。
【0045】
(比較例1)
水溶性高分子として重量平均分子量が120万のポリビニルピロリドンを57重量%、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしてソルビタンオレイン酸モノエステル(エチレンオキサイド20モル付加物、HLB 15.0)を6重量%、シリカ34重量%、四三酸化鉄3重量%を用い、これらを適量の精製水を用いて攪拌、混合して塗布液を作製した。この塗布液を、片面にシリコーン剥離処理が施されているポリエチレンフィルム(厚み50μm)の剥離処理面に、塗布量が110g/mで均一な厚さとなるように塗布して皮膚貼付層を形成し、この皮膚粘着層の上に、ポリエステル繊維からなるスパンレース不織布(坪量:40g/m)を重ね、105℃で3分間乾燥させて、3層構造の化粧用シートを作製した。得られた化粧用シートの含水率は、15〜20重量%であった。ただし含水率は、温度30℃、湿度90%の環境下で約15分間調湿した後の重量変化より算出した。なお、得られた化粧用シートは、シート中の水分の揮散を防止するために、アルミニウムとポリエステルフィルムが積層された保存袋に密閉保存された。
【0046】
上記実施例1及び比較例1において得られた化粧用シートについて、下記に示す皮膚貼付層における偏在の有無の確認、及び、角栓除去性の評価を行った。
【0047】
[皮膚貼付層における偏在の有無の確認試験]
試験用サンプルとして、化粧用シートから適当な大きさ(1.0cm×7.0cm)に切り出して試験片を作製した。得られた試験片を、(株)島津製作所製のフーリエ変換赤外分光光度計のセレン化亜鉛よりなる専用セルに貼付し、1分間保持してから剥離した。この専用セルをフーリエ変換赤外分光光度計により、波長400〜400cm−1の範囲内で測定して、ソルビタンオレイン酸モノエステルのピークが存在するか否かの確認を行った。
【0048】
実施例1の化粧用シートでは、ソルビタンオレイン酸モノエステルのピークを確認することができた。一方、比較例1の化粧用シートでは、ソルビタンオレイン酸モノエステルのピークを確認することができなかった。すなわち、実施例1の化粧用シートでは、皮膚貼付層の表面部分にソルビタンオレイン酸モノエステルが偏在しており、比較例1の化粧用シートでは、皮膚貼付層の表面部分にソルビタンオレイン酸モノエステルが偏在していないことが分かった。
【0049】
[角栓除去性の評価]
試験用サンプルとして、化粧シートから適当な大きさ(2.5cm×3.0cm)に切り出して化粧用シート試験片を作製した。この化粧用シート試験片を、健常な成人ボランティア60名の鼻部の片方に水を適量塗布した後、貼付した。このように貼付した状態で約10分間放置し、化粧用シートが乾燥した後、剥離した。各ボランティアごとに剥離した化粧用シートの皮膚貼付層に付着した角栓の数を数えた。
なお、試験は、小鼻の片方半分に実施例1の化粧用シート試験片を、他方の半分に比較例1の化粧用シート試験片を貼付して行った。

各ボランティアごとに、実施例1の化粧用シートを用いて除去された角栓数と、比較例1の化粧用シートを用いて除去された角栓数とを用い、下記判断基準に基づいて評価を行った。その結果を図2に示す。

実施例1の角栓数/比較例1の角栓数≧1.2の場合には、実施例1が優れている
実施例1の角栓数/比較例1の角栓数≦0.8の場合には、比較例1が優れている
0.8<実施例1の角栓数/比較例1の角栓数<1.2の場合には、同等
【0050】
図2から明らかなように、実施例1の化粧用シートが優れていると判断されたものは50%であり、比較例1の化粧用シートが優れていると判断されたものが18%であり、同等であると判断されたものが32%であった。したがって、実施例1の化粧用シート、即ち皮膚貼付層表面部分にソルビタンオレイン酸モノエステルが偏在している化粧用シートは、表面部分に偏在していない比較例1の化粧用シートよりも、角栓の取れ性に優れていると判断されることが分かった。
【0051】
また、実施例1の化粧用シートは、皮膚貼付層にポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含有させているので、皮膚から剥離する際の痛みを緩和させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は本発明の第一の実施形態に係る化粧用シートの層構成を模式的に示す図である。
【図2】図2は、実施例1及び比較例1の化粧用シートの角栓取れ性の評価結果を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
1 基材
2 皮膚貼付層
3 ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの滲み出し部分




 

 


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