米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 医学 -> 興和株式会社

発明の名称 眼底画像処理方法及び装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−151983(P2007−151983A)
公開日 平成19年6月21日(2007.6.21)
出願番号 特願2005−354280(P2005−354280)
出願日 平成17年12月8日(2005.12.8)
代理人 【識別番号】100075292
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 卓
発明者 鈴木 孝佳
要約 課題
簡単な構成で、眼底を任意の倍率に変倍して立体的に観察できる眼底画像処理方法及び装置を提供する。

解決手段
同一の被検眼の眼底に対して視差をつけた左視差画像82と右視差画像83が撮影、記録され、2つの画像のうち少なくとも一つの画像が表示される。この表示された画像から設定された範囲内にある画像82bが切り出され、他方の画像83から、前記切り出された画像の範囲に対応する範囲内の画像83bが切り出され、これら切り出された2つの画像の拡大画像82c、83cを、ステレオモニタ63に左右に並べて表示する。このような構成では、一方の画像で高倍表示する範囲を指定すれば、他方の画像でも切り出しおよび高倍変換処理が行なわれ、眼底ステレオ画像での高倍での立体観察を容易に行うことができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
同一の被検眼の眼底に対して左右に視差をつけて撮影、記録され2つの画像のうち少なくとも一つの画像を表示し、
該表示された画像から設定された範囲内にある画像を切り出し、
前記記録された他方の画像から、前記切り出された画像の範囲に対応する範囲内の画像を切り出し、
前記切り出された2つの画像を所定の倍率に変換して、左右に並べて表示することを特徴とする眼底画像処理方法。
【請求項2】
同一の被検眼の眼底に対して左右に視差をつけて撮影、記録され2つの画像のうち少なくとも一つの画像を表示し、
該表示された画像から、所定のしきい値を越えた輝度を持つ部分を抽出し、
前記抽出された画像部分に基づいて画像切り出し範囲を定め、
前記記録された一方の画像から、前記定められた範囲内にある画像を切り出し、
前記記録された他方の画像から、前記切り出された画像の範囲に対応する範囲内の画像を切り出し、
前記切り出された2つの画像を所定の倍率に変換して、左右に並べて表示することを特徴とする眼底画像処理方法。
【請求項3】
前記抽出された画像部分の重心を求め、該重心の座標から画像を切り出す基準位置を決め、該基準位置を中心に所定の大きさ範囲を定め、それを切り出し範囲とすることを特徴とする請求項2に記載の眼底画像処理方法。
【請求項4】
前記切り出された2つの画像を、画像間に所定幅の隙間を設けて表示することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の眼底画像処理方法。
【請求項5】
前記切り出された画像の寸法を示すスケールを表示することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の眼底画像処理方法。
【請求項6】
同一の被検眼の眼底に対して左右に視差をつけて撮影、記録され2つの画像のうち少なくとも一つの画像を表示する表示手段と、
該表示された画像から設定された範囲内にある画像を切り出すとともに、前記記録された他方の画像から、前記切り出された画像の範囲に対応する範囲内の画像を切り出す切り出し手段とを有し、
前記切り出された2つの画像を所定の倍率に変換して、左右に並べて表示することを特徴とする眼底画像処理装置。
【請求項7】
同一の被検眼の眼底に対して左右に視差をつけて撮影、記録され2つの画像のうち少なくとも一つの画像を表示する表示手段と、
該表示された画像から、所定のしきい値を越えた輝度を持つ部分を抽出する抽出手段と、
前記抽出された画像部分に基づいて画像切り出し範囲を定め、前記記録された一方の画像から該定められた範囲内にある画像を切り出すとともに、前記記録された他方の画像から、前記切り出された画像の範囲に対応する範囲内の画像を切り出す切り出し手段とを有し、
前記切り出された2つの画像を所定の倍率に変換して、左右に並べて表示することを特徴とする眼底画像処理装置。
【請求項8】
前記抽出された画像部分の重心を求め、該重心の座標から画像を切り出す基準位置を決め、該基準位置を中心に所定の大きさ範囲を定め、それを切り出し範囲とすることを特徴とする請求項7に記載の眼底画像処理装置。
【請求項9】
前記切り出された2つの画像を、画像間に所定幅の隙間を設けて表示することを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の眼底画像処理装置。
【請求項10】
前記切り出された画像の寸法を示すスケールを表示することを特徴とする請求項6から9のいずれか1項に記載の眼底画像処理装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼底画像処理方法及び装置、更に詳細には、眼底を拡大して立体的に観察できるように眼底画像を表示させる眼底画像処理方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、眼底診断のために眼底の立体形状を把握することが求められており、左右視差を設けた2孔撮影絞りのある眼底カメラを用いて、各々撮影絞りで眼底を撮影した後、撮影画像を横に並べてモニタ表示し、ステレオスコープを使って観察することにより眼底の乳頭陥凹などを立体視する方法が提案されている。
【0003】
その場合、立体視用の2つの眼底画像の相対位置を合わせてモニタに表示することが行われており(特許文献1)、また、撮影した左右眼などの撮影条件情報を撮影画像と関連させて記録保存することも行われている(特許文献2)。
【0004】
また、眼底を電子画像としてメモリに格納し、操作者により設定された変倍率に従いメモリに格納された眼底像を、拡大あるいは縮小し、モニタに可視像として表示し、変倍された眼底像を観察することが行われている(特許文献3)。
【特許文献1】特許2844458号公報
【特許文献2】特開2002−17681号公報
【特許文献3】特開平11−28189号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、眼底カメラで撮影した画像は画角が広い(45度か20度)ので、視神経乳頭の陥凹が十分に見えないという問題がある。こういう要求を満たすには、画角が10度ぐらいで撮影された画像が好ましく、そのために画角10度の高倍撮影レンズを眼底カメラに新たに併設することが考えられる。この高倍撮影レンズを新たに付加して併設する方法は理論的には可能であるが、装置のコストが高くなることや、所望の撮影部位の撮影には患者の固視をうまく誘導しなければならないので、撮影操作に熟練が必要とされるという問題があり、また高倍の撮影のため、撮影時の眼底に照射する光量が多くなってしまう点などの問題点があり現実的ではない。
【0006】
そこで、これらの問題点を解決するためには、特許文献3に記載されているように、眼底撮影を電子画像で行い、光学的ではなく画像処理で画像の倍率を上げる、いわゆるデジタル変倍を行なえばよいことになる。しかしながら、眼底ステレオ画像を撮影後に倍率を変える操作を行なうには、眼底ステレオ画像が、左右2枚で一組なので、それぞれに対して倍率を変える操作を行なわなければならず、またモニタの大きさは決まっているので、拡大する中心を左右の画像で同じ場所に設定して表示しなければ立体視が行なえなくなるという問題がある。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、眼底を任意の倍率に変倍して立体的に観察できる眼底画像処理方法及び装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題を解決する本発明は、
同一の被検眼の眼底に対して左右に視差をつけて撮影、記録され2つの画像のうち少なくとも一つの画像を表示すること、
該表示された画像から設定された範囲内にある画像を切り出すこと、
前記記録された他方の画像から、前記切り出された画像の範囲に対応する範囲内の画像を切り出すこと、並びに
前記切り出された2つの画像を所定の倍率に変換して、左右に並べて表示することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、
同一の被検眼の眼底に対して左右に視差をつけて撮影、記録され2つの画像のうち少なくとも一つの画像を表示すること、
該表示された画像から、所定のしきい値を越えた輝度を持つ部分を抽出すること、
前記抽出された画像部分に基づいて画像切り出し範囲を定めること、
前記記録された一方の画像から、前記定められた範囲内にある画像を切り出すこと、
前記記録された他方の画像から、前記切り出された画像の範囲に対応する範囲内の画像を切り出すこと、並びに
前記切り出された2つの画像を所定の倍率に変換して、左右に並べて表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、ステレオ画像の片方の画像で高倍表示する範囲を指定すれば、指定した画像のみならず、もう片方の画像でも切り出しおよび高倍変換処理が行なわれ、高倍変換処理された2枚の画像が自動的に並べられ1枚の画像として表示されるので、眼底ステレオ画像での高倍での立体観察を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【実施例】
【0012】
図1には、被検眼眼底を撮影する眼底カメラ10、撮影された眼底画像を記録する記録装置(記録手段)61、64、撮影、記録された眼底画像を画像処理する画像処理部60、眼底画像を表示するモニタ62、ステレオモニタ63などが図示されている。一点鎖線で囲まれて図示された眼底カメラ10には、赤外光並びに可視光の照明光を発光する観察ランプ11が球面ミラー12の曲率中心に配置され、観察ランプ11並びに球面ミラー12からの光は、光路に挿脱可能な可視光カット赤外光透過フィルタ13、コンデンサーレンズ14、ストロボ15、コンデンサーレンズ16を経て、全反射ミラー17に入射する。
【0013】
全反射ミラー17で反射した照明光は、移動遮光板19と固定絞り20からなる照明絞りとしてのリングスリット21を経てリレーレンズ22を通過し、穴あき全反射ミラー23で反射され、対物レンズ24を経て被検眼Eの前眼部(瞳)Epに入射する。リングスリット21は、照明光学系内に被検眼の前眼部Ep(瞳)とほぼ共役な位置に配置され、遮光板19の位置に応じた種々の照明光パターンが得られるようになる。
【0014】
なお、照明光学系の光路には、蛍光撮影時エキサイタフィルタ18が挿脱される。
【0015】
また、前眼部でアライメントを行うときのために、前眼部Epを赤外光で照明する赤外LED(発光ダイオード)からなる光源27と、前眼部を撮影するために、前眼部を微弱白色光で照明するLEDからなる光源28が配置される。
【0016】
リングスリット21を通過した照明光で照明された眼底Erからの反射光は、対物レンズ24、穴あき全反射ミラー23、固定絞り31、移動絞りユニット32、合焦レンズ35、結像レンズ36、ハーフミラー37、変倍レンズ38aを通過してリターンミラー39に入射する。リターンミラー39が図示の位置では、眼底からの反射光が赤外光に感度を有する眼底と共役な位置にあるCCD(撮像手段)40に入射し、眼底がCCD40により撮像され、またリターンミラー39が光路から離脱すると、眼底からの反射光が可視光に感度を有する眼底と共役なCCD(撮像手段)41に入射し、眼底がCCD41により撮影される。
【0017】
穴あき全反射ミラー23は、図2(C)に示すように、横長楕円形状の開口23aを中心部に設けた円形の全反射ミラーであり、固定絞り31は、図2(B)に示すように、中心部に単眼撮影用撮影絞り31aと、その両側にフォーカス指標投影用並びにステレオ撮影用の撮影絞り(2孔絞り)31b、31cを設けた絞りである。各撮影絞り31a、31b、31cは、光量確保の点並びに収差を少なくする上で、図示したように、縦長の四角形状に形成される。
【0018】
固定絞り31は、穴あき全反射ミラー23とほぼ同じ大きさの円形形状であり、穴あき全反射ミラー23と中心を合わせて穴あき全反射ミラー23に密着させて固定される。各撮影絞り31a、31b、31cは、被検眼前眼部(瞳)とほぼ共役な位置に配置される。その場合、撮影絞り31aは、その中心が対物レンズ24の光軸(撮影光学系の光軸)26と一致する位置に配置され、撮影絞り31bは、立体視用の左右の画像を得るために撮影光路を瞳共役位置で左右に分割したときの左側光路位置に、また撮影絞り31cは、その右側光路位置にそれぞれ配置される。穴あき全反射ミラー23の開口23aの大きさは、穴あき全反射ミラー23と固定絞り31の中心を合わせた状態では、撮影絞り31a、31b、31cの開口をその開口23a内に包含できる大きさとなっている。
【0019】
また、移動絞りユニット32は、図2(A)に示すように、単眼撮影時の撮影光用切り欠け部32aと、ステレオ撮影時の左側光路用の切り欠け部32bと、ステレオ撮影時の右側光路用の切り欠け部32cを有し、切り欠け部32aの両側には、フォーカス指標を眼底に向けて反射させる反射プリズム32d、32eが設けられる。
【0020】
移動絞りユニット32は、後述するように、制御部65により撮影モードに応じて固定絞り31上を上下方向に移動される。移動絞りユニット32が、図3(A)に示した位置に移動すると、切り欠け部32aが撮影絞り31aの開口を開放し、撮影絞り31aが選択される。また、図3(B)、図3(C)に示した位置に移動すると、切り欠け部32b、32cが撮影絞り31b、31bの開口をそれぞれ開放し、撮影絞り31bあるいは31cが選択される。このように、制御部65は、移動絞りユニット32を順次移動させることにより、撮影絞りを切り替え、撮影絞り31a、撮影絞り31b、撮影絞り31cのいずれか1つを選択する。例えば、単眼撮影のように、1枚の画像を取得する場合には、撮影絞り31aが選択され、また、ステレオ撮影のように、左右2枚の画像を取得する場合には、撮影絞り31bと31cが選択され、3枚連続撮影の場合には、撮影絞り31a、31b、31cが選択される。
【0021】
また、移動絞りユニット32が図3(A)、(B)、(C)の位置に移動すると、制御部65は、それと連動してリングスリット21の移動遮光板19を移動させ、各撮影に応じた照明パターンを生成する。
【0022】
図1において、対物レンズ24と穴あき全反射ミラー23間の光路には、前眼部レンズ30が挿脱可能に配置され、前眼部レンズ30が該光路に挿入されると、照明用光源27で照明された前眼部Epの像がCCD40に結像され、前眼部Epの像によりアライメントが行われるようになっている。
【0023】
また、眼底カメラには、眼底にピントを合わせるのを容易にするためにフォーカス指標投影光学系が設けられる。この投影光学系において、赤外LEDからなるフォーカス指標用光源50からの指標光は、レンズ51、ミラー52、レンズ53を通過し、移動絞りユニット32に固定された反射プリズム32dと32eにより光路が2分されて、眼底Erに投影される。検者は、反射プリズム32d、32eで反射したフォーカス指標の像が一致するかどうかで眼底にピントに合っているかどうかを判定することができる。
【0024】
なお、合焦レンズ35の被検眼側には、蛍光撮影時にバリアフィルタ34が挿入される。
【0025】
また、被検眼を眼底カメラに対して固視させるために、複数の固視灯55a〜55dからなる内部固視灯55が設けられる。撮影する被検眼が左眼か右眼かにより、また眼底の撮影位置(乳頭付近か、離れた位置かなど)により固視灯55a〜55dのうちいずれか1つが点灯される。
【0026】
点灯された固視灯からの光は、レンズ56を通過してハーフミラー37により反射されて撮影レンズ36、合焦レンズ35、撮影絞り31a(31b、31c)、穴あきミラー23、対物レンズ24を通過して眼底Erに投影されるので、患者はこの内部固視灯を固視することにより、眼底カメラに対して被検眼を所定の位置に保持させることができる。なお、図面では、固視灯55a〜55dは、紙面に並置されて図示されているが、実際には、紙面に垂直に並置される。
【0027】
CCD40は、可視光カット赤外光透過フィルタ13を通過した赤外光で照明された眼底、あるいは光源27からの赤外光で照明された前眼部を撮像し、その像は、CPUなどで構成される画像処理部60に入力され、その画像がモニタ62に動画像として表示される。検者は、モニタ62に表示される画像を見て、アライメントやフォーカス調整を行うことができる。また、立体視専用ディスプレイとしてステレオモニタ63が設けられ、検者は、このステレオモニタ63を介して左右の画像を観察することにより眼底を立体視することができる。
【0028】
また、CCD41は、シャッタスイッチ66を操作したときストロボ15で照明された眼底を静止画として撮影する。この眼底像は、一旦高速なメモリ61に格納され、画像処理部60を介して外部記録装置としての低速なハードディスク(HDD)64に記録(ファイリング)されたり、あるいはモニタ62、ステレオモニタ63に表示される。
【0029】
また、キーボード67、マウス68などの入力手段が設けられ、これらの入力手段を介して、種々のデータを入力したり、メモリ61、ハードディスク64などの記録装置に記録された眼底画像の処理を指示することができる。
【0030】
また、眼底カメラには、CPUなどからなる制御部65が設けられ、この制御部65は、画像処理部60と接続されて互いに信号を交換するとともに、シャッタスイッチ66が操作されたときに、リターンミラー39を光路から離脱させるとともに、ストロボ15を適量な光量で発光させる。また、制御部65は、可視光カット赤外光透過フィルタ13、エキサイタフィルタ18、バリアフィルタ34、前眼部レンズ30、変倍レンズ38a、38bの光路への挿脱を制御し、移動絞りユニット32の移動、移動遮光板19の移動を制御する。
【0031】
また、眼底カメラには、操作部(操作パネル)69が設けられ、この操作部69には、単眼撮影、ステレオ撮影、3枚連続撮影の撮影モードを選択する撮影モード選択スイッチ、前眼部レンズ挿脱スイッチ、撮影位置選択スイッチなどが配置され、操作部69で選択された各スイッチ情報が制御部65に入力される。
【0032】
更に、撮影する被検眼が左眼か右眼かを検知する左右眼検知部70が設けられ、検知された左眼か右眼かの情報が制御部65に入力される。
【0033】
次に、このような構成における眼底カメラにおいて、眼底の立体視用のステレオ画像を撮影、記録する流れ、並びに表示する流れを、図4に基づいて説明する。
【0034】
まず、検者は、撮影すべき右眼あるいは左眼の眼底位置(部位)を選択し、固視灯55a〜55dのいずれか1つを選択して点灯させて、被検者を固視させる(ステップS1)。
【0035】
次に、光源27が点灯され、光源27で照明された前眼部の像がモニタ62に表示され、前眼部アライメントが行われる(ステップS2)。その後、前眼部レンズ30が光路から離脱されて、眼底画像が、モニタ62に表示されるので、検者は眼底画像を観察してアライメントを行う(ステップS3)。このとき、フォーカス指標光源50が点灯され、検者は、フォーカス調整を行い、眼底にピントを合わせる(ステップS4)。
【0036】
眼底アライメントならびにフォーカス調整が完了すると、シャッタスイッチ66が操作される(ステップS5)。このとき、立体視用の左の画像を得るために、移動絞りユニット32を図3(B)の位置への移動により撮影絞り31bが選択されているものとする。最初に立体視用の右の画像を得る場合は、撮影絞り31cを選択しておく。
【0037】
シャッタ操作に同期してリターンミラー39が光路から離脱され、ストロボ(フラッシュ)15が発光し、ストロボ15の発光により照明された眼底像は、選択された絞り31bを介して合焦レンズ35、結像レンズ36、変倍レンズ38aを通過してCCD41に結像され、眼底画像が第1画像として取得される(ステップS6)。
【0038】
なお、この眼底画像は一旦メモリ61に記録され、このとき、眼底画像を被検眼ID、撮影日時、撮影光量(ストロボ発光量)、左右眼の区別、撮影絞りの位置などの撮影条件と関連付けして記録するようにする(ステップS7)。
【0039】
続いて、第1回目の撮影で選択されなかった方の撮影絞り31cが選択され、ストロボが発光し、立体視用の右の眼底画像が第2画像として取得される(ステップS8)。この2枚目の眼底画像は、1枚目の眼底画像と同様に、その画像を取得したときの撮影条件を付し、第1画像と関連させてメモリ61に記録する(ステップS9)。
【0040】
このように、ステレオ撮影の場合には、1回のシャッタ操作で、撮影絞り31bと31c(2孔絞り)を切り替えてそれぞれ立体視用の左右2枚の眼底画像が連続して撮影され、各画像がその画像を取得したときの撮影絞り位置(左位置、右位置など)の情報とともに記録される。
【0041】
なお、図1の眼底カメラは、このようなステレオ撮影以外に、単眼撮影、3枚連続撮影を行うが、本発明は、ステレオ画像の取得であるので、その説明は省略する。また、本発明では、カラー撮影だけでなく、蛍光撮影も行えるようになっており、蛍光撮影の場合には、エキサイタフィルタ18とバリアフィルタ34を光路に挿入して撮影を行う。また、メモリ61に記録された画像を、所定のタイミングで外部記録装置64に転送するようにする。
【0042】
メモリ61あるいは外部記録装置64に記録されたステレオ撮影された画像を呼び出して表示する場合は、ステレオモニタ63を使用して、左右2枚の画像のうち左位置の情報が付された画像を左側に表示し、右位置情報が付された画像をその右側に並べ、他の撮影条件情報も付して表示する(ステップS10)。
【0043】
このステレオモニタ63が、図5に示されている。ステレオモニタ63の基板81には、撮影絞りを切り替えて撮影された左右の2枚の視差画像82、83を左右に並べて表示するディスプレイ80が取り付けられており、また、予め立体視に適した距離ディスプレイ80から離して配置されたレンズ又はプリズム84、85からなるステレオスコープ86が基板81に取り付けられている。立体視するときは、検者は、左眼で、レンズ84を介して左画像82を、また右眼で、レンズ85を介して右画像を観察する。
【0044】
このとき、検者は、立体観察に変倍が必要でないと判断するときは(ステップS11の否定)、拡大あるいは縮小せずにそのまま表示する(ステップS12)。
【0045】
一方、所定部位を拡大して立体観察しようとするときは、左視差画像82と右視差画像83の両方、あるいはそのいずれか一方を記録装置から読み出して表示させ、拡大すべき画像範囲を手動であるいは自動で設定する。
【0046】
手動で設定する場合は(ステップS13の否定)、図6に示したように、左視差画像82の拡大しようとする画像範囲の中心とすべき点82aをマウスなどで指定する。2枚並列表示している時は、どちらかの画像上で指定する。そして、指定された点82aを中心に所定の切り出し範囲(例えば画角10°相当分)を設定し、設定された範囲内にある画像データ82bを切り出す(ステップS14)。
【0047】
また、2つの画像が関連付けされて記録されているので(ステップS9)、一方の画像を指定すれば、その関連付けから他方の画像を指定することができ、また一方の画像の切り出し範囲を指定すると、その切り出し範囲のメモリ領域に対応する他方の画像のメモリ領域の範囲も求められるので、中心点を指定する時に使用していなかった(表示していなかった)画像、つまり図6の例では右視差画像83の方からも同じ範囲(同じメモリ領域の範囲)、同じ画素数で、画像データ83bを切り出すことができる。
【0048】
これらの切り出し処理は、画像処理部60で行われ、画像処理部60は切り出し手段を構成している。
【0049】
このように、記録された画像からそれぞれ切り出された画像82bと83bをそれぞれ同じ倍率で拡大して拡大画像82c、83cを生成して、これをステレオモニタ63に左右に少し間隔をあけて並べて表示する(ステップS16)。その際、2枚の画像82cと83cの間の境界である縦長部分は黒の縁取り88を入れると立体視しやすくなる。また、2枚の画像のどちらか一方の画像の隅に長さを知るためのスケール89を画像合成で入れる。そして、このようにして作成された立体視用画像を1枚の画像データとして記録装置64に記録、保存する。
【0050】
なお、切り出し範囲の指定は、所定の点82aを指定するのではなく、図形操作で切り出し範囲を直接指定するようにしてもよく、また、ステレオモニタ63ではなく、通常のモニタ62で画像切り出しを行うようにしてもよい。
【0051】
以上は、手動で画像を切り出すようにしたが、切り出し範囲を、たとえば、キーボード67に設けたファンクションキーを使用して、あるいはモニタ62、63にファンクションボタンを表示して操作することにより定めるようにしてもよい。
【0052】
この例が、図7に示されている。まず、左視差画像82あるいは83を読み出し、その画像を走査線90で走査し、眼底画像内の各点(画素)の輝度に着目し、所定のしきい値を越えた輝度を持つ明るい部分(網点の画素91a)を抽出手段として機能する画像処理部60で抽出し(ステップS17)、その領域を眼底の乳頭部91と判断し、その領域の重心91bを求める。その場合、一方の重心からだけでなく、他方の画像に対しても同様な処理で重心を求め、その重心の平均値を用いるようにしてもよい。
【0053】
このようにして重心を求めたら、その重心座標から画像を切り出す中心位置を決め、右視差画像あるいは左視差画像の一方の画像から、その中心位置に基づいて所定の範囲(例えば画角10°相当分)の画像データ82bを切り出す(ステップS14)。その後は、図6の例と同様に、他方の画像から、切り出された画像の範囲に対応する範囲内の画像を切り出し、切り出された2つの画像を所定の倍率に変換(拡大)して、左右に並べて1枚画像として表示する(ステップS15、S16)。
【0054】
このように、図6あるいは図7のいずれの例においても、2枚1組のステレオ画像のどちらか一方の画像において拡大して切り取る画像の点が指定され、その点から高倍変換する範囲が決定される。そして、該点を指定するのに使用した画像、及びもう片方の画像両方を同じ範囲で同じ変換倍率で高倍変換処理して、並べて表示され、新たな1枚の画像として記録、保存される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に使用される眼科撮影装置の光学系を示した構成図である。
【図2】(A)は移動絞りユニットの構成を示す平面図、(B)は固定絞りの構成を示す平面図、(C)は穴あき全反射ミラーの構成を示す平面図である。
【図3】移動絞りユニットの移動により撮影絞りが選択される状態を説明した説明図である。
【図4】眼底の撮影並びに表示の流れを示したフローチャートである。
【図5】ステレオモニタの構成を示した概略斜視図である。
【図6】手動で切り出し範囲を定め、拡大画像を表示する流れを示した説明図である。
【図7】画像の切り出し範囲を画像走査により決定する状態を示した説明図である。
【符号の説明】
【0056】
15 ストロボ
21 リングスリット
23 穴あき全反射ミラー
31 固定絞り
32 移動絞りユニット
50 フォーカス指標光源
63 ステレオモニタ
82 左視差画像
83 右視差画像




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013