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発明の名称 回転式固視標装置及び眼科診断機器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−7299(P2007−7299A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−194550(P2005−194550)
出願日 平成17年7月4日(2005.7.4)
代理人 【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
発明者 水野 貴
要約 課題
固視標として発光素子を用いることなく、時間を要する検査/測定などの場合であっても、被検者の注視動作を極力継続させることが可能な、回転式固視標装置及び眼科診断機器の提供

解決手段
眼科診断機器1において、被検眼2の位置が変わらないように、被検者に注視させる、光路20上に配置される固視標装置13であって、固視標装置は、光路に交差する軸CT上に配置され、かつ当該軸CTを中心にして第1の位置と第2の位置との間で回転移動自在に設けられた固視標を有しており、固視標は、当該固視標の前記光路に対する投影形状SD1,SD2を、第1の位置と第2の位置では異なるように形成して構成される。
特許請求の範囲
【請求項1】
眼科診断機器において、被検眼の位置が変わらないように、被検者に注視させる、光路上に配置される固視標装置であって、
前記固視標装置は、前記光路に交差する軸上に配置され、かつ当該軸を中心にして第1の位置と第2の位置との間で回転移動自在に設けられた固視標を有しており、
前記固視標は、当該固視標の前記光路に対する投影形状を、前記第1の位置と第2の位置では異なるように形成して構成した、回転式固視標装置。
【請求項2】
前記固視標は、回転駆動自在に設けられたシャフトに装着されており、
当該シャフトは、前記光路に交差する方向に移動自在に支持されている、
請求項1記載の回転式固視標装置。
【請求項3】
前記固視標は、当該固視標の前記光路に対する投影形状を、前記第1の位置では円形とし、第2の位置では多角形となるように形成して構成した、請求項1記載の回転式固視標装置。
【請求項4】
前記シャフトには、ステッピングモータが接続されており、
前記シャフトには、当該シャフトの回転角度量を検出する、シャフト回転角検出手段が設けられ、
前記ステッピングモータを駆動する際の駆動パルスの数によるオープン制御よるシャフトの回転角度制御と、前記シャフト回転角検出手段を介した前記ステッピングモータのフィードバック制御による前記シャフトの回転角度制御を、前記オープン制御による1回以上の制御毎に、前記フィードバック制御を1回行うシャフト回転角制御手段を設けて構成した、請求項2記載の回転式固視標装置。
【請求項5】
前記シャフトには、往復駆動手段が接続しており、
該往復駆動手段は、前記シャフトを前記固視標と共に、所定角度範囲に渡り正逆方向に回転駆動自在に構成したことを特徴とする、請求項1記載の回転式固視標装置。
【請求項6】
請求項1記載の回転式固視標装置が設けられた前記眼科診断機器には、前記被検眼の前眼部又は眼底部の撮影を所定時間連続的に行うことの出来る動画撮影装置が設けられていることを特徴とする、眼科診断機器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼底カメラ、前眼部観察測定装置などの眼科診断機器で、可視光を用いて被検眼の測定や撮影を行う場合、被検眼の位置が変わらないように、被検者に注視させる、光路上に配置される回転式固視標装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の固視標装置としては、光路上の眼底共役位置に配置されたLEDなどの発光素子を発光させてその光像を固定視標とするものや(特許文献1)、眼底共役位置に自身は発光しない固視標を、L字型のアームを介して配置し、被検者に当該固視標の影を点の形で見えるように配置したもの(特許文献2)が、知られている。
【0003】
なお、先行特許文献としては、次のものがある。
【0004】
【特許文献1】特開昭52−102029号公報
【特許文献2】実公昭62−23455号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、発光タイプの固視標を用いると、発光素子からの光が、被検眼を照射するので、可視光で被検眼を時間的に連続して撮影、観察するような眼科診断機器の場合、その光が撮影/測定の邪魔になり、また、観察光との区別がしづらく、被検者の注視が出来なくなり適当ではない。
【0006】
また、自身は発光しない固視標を用いる場合、被検者に提示される固視標の形状は変化しないことから、眼科診断機器による検査動作が、動画撮影などの時間を要するものの場合、被検者が固視標の存在になれてしまい、固視標の注視動作を止めてしまい、検査が適正に行われなくなる場合が生じる。
【0007】
本発明は、上記した事情に鑑み、固視標として発光素子を用いることなく、時間を要する検査/測定などの場合であっても、被検者の注視動作を極力継続させることが可能な、回転式固視標装置及び眼科診断機器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、眼科診断機器(1)において、被検眼(2)の位置が変わらないように、被検者に注視させる、光路(10)上に配置される固視標装置(13)であって、
前記固視標装置は、前記光路に交差する軸(CT)上に配置され、かつ当該軸(CT)を中心にして第1の位置と第2の位置との間で回転移動自在に設けられた固視標(31)を有しており、
前記固視標は、当該固視標の前記光路(10)に対する投影形状(SD1,SD2)を、前記第1の位置と第2の位置では異なるように形成して構成される。
【0009】
請求項2の発明は、固視標は、回転駆動自在に設けられたシャフト(29)に装着されており、
当該シャフトは、前記光路に交差する方向(矢印A、B方向)に移動自在に支持されて構成される。
【0010】
請求項3の発明は、前記固視標は、当該固視標の前記光路に対する投影形状を、前記第1の位置では円形とし、第2の位置では多角形となるように形成して構成される。
【0011】
請求項4の発明は、前記シャフトには、ステッピングモータ(26)が接続されており、
前記シャフトには、当該シャフトの回転角度量を検出する、シャフト回転角検出手段(30、36)が設けられ、
前記ステッピングモータを駆動する際の駆動パルスの数によるオープン制御よるシャフトの回転角度制御と、前記シャフト回転角検出手段を介した前記ステッピングモータのフィードバック制御による前記シャフトの回転角度制御を、前記オープン制御による1回以上の制御毎に、前記フィードバック制御を1回行うシャフト回転角制御手段を設けて構成される。
【0012】
請求項5の発明は、前記シャフトには、往復駆動手段(37、39)が接続しており、
該往復駆動手段は、前記シャフトを前記固視標と共に、所定角度範囲に渡り正逆方向に回転駆動自在に構成したことを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1記載の回転式固視標装置が設けられた前記眼科診断機器(1)には、前記被検眼の前眼部又は眼底部の撮影を所定時間連続的に行うことの出来る動画撮影装置が設けられていることを特徴として構成される。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、固視標(31)が回転することにより、当該固視標の前記光路(10)、従って被検眼(2)に対する投影形状(SD1,SD2)が、前記第1の位置と第2の位置では異なるように提示されるので、固視標自体を発光させなくても、十分に被検眼の注意を引きつけ、被検者の注視動作を極力継続させることが可能となる。
【0015】
また、被検眼(2)に対する固視標(31)の投影形状が変化しても、その提示位置は一定とすることが出来るので、光源(20)からの光を遮る状態を常に一定に保持することが可能となり、動画撮影など時間を掛けて被検眼(2)を観察する場合に、光源(20)からの光の変化に起因する画像の変動を少なくすることが出来る。
【0016】
更に、固視標(31)は当該固視標(31)が回転する軸(CT)上に配置されているので、固視標(31)が回転しても、その位置が光路(5)上で移動してしまうことが無く、被検眼(2)に対して、常に当該固視標(31)を適正に視認出来る一定の位置に保持することが可能となる。
【0017】
請求項2の発明よれば、シャフト(29)を介して固視標(31)を回転駆動することが出来る。
【0018】
請求項3の発明よれば、固視標(31)の投影形状を、円形と多角形の間で変化させることが出来るので、被検眼(2)の注意喚起効果が高い。
【0019】
請求項4の発明よれば、制御における負荷の高いフィードバック制御を減らして、オープン制御を取り入れることにより、演算能力の低いCPU等の演算装置からなる制御装置でも、簡単に回転式固視標装置の実現が可能となる。
【0020】
請求項5の発明よれば、往復駆動手段により、簡単な構成で固視標の投影形状の変化を実現することが出来る。
【0021】
請求項6の発明よれば、固視標それ自体は発光しないので、本来の光源(20)の光の性質を変化させることなく、本来の検査光の状態で被検眼(2)に対する検査・測定などを行うことが出来る。また、被検眼(2)に対する固視標(31)の投影形状が変化しても、その提示位置は一定とすることが出来るので、光源(20)からの光を遮る状態を常に一定に保持することが可能となり、動画撮影など時間を掛けて被検眼(2)を観察する場合に、光源(20)からの光の変化に起因する画像の変動を少なくすることが出来る。
【0022】
なお、括弧内の番号等は、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面に基づき、本発明の実施例を説明する。
【0024】
図1は、回転式固視標装置が配置された眼科診断機器(前眼部撮像装置)の光学系一例を示す図、図2は回転式固視標装置の一例を示す正面図、図3は図2の側面図、図4は、本発明の別の実施例である回転式固視標装置の動作を示す図で有り、(1)及び(3)は正面図、(2)及び(4)は平面図である、図5は、回転式固視標装置の制御の一例を示すタイムチャート、図6は、回転式固視標装置が配置された別の眼科診断機器(眼底撮像装置)の光学系一例を示す図である。
【0025】
眼科診断機器である前眼部撮像装置100は、図1に示すように、光路5上に設けられ、被検眼2と対向する形で設けられたレンズ105,ハーフミラー104,CCDカメラ107に対向する形で設けられたレンズ106を有しており、CCDカメラ107には、ビデオ記録装置108を介してモニタ112が接続している。
【0026】
また、光路5からハーフミラー104により分岐された光路10上には、回転式固視標装置13,レンズ103、マスク102及び白色光源20等が設けられている。
【0027】
回転式固視標装置13は、図2及び図3に示すように、前眼部撮像装置100のフレーム21に固着されたベースプレート22を有しており、ベースプレート22には円筒状に形成されたスリーブ23が回転のみ自在に設けられている。スリーブ23には傘歯車25が固着しており、傘歯車25には、フレーム21に固着された回転駆動手段であるステッピングモータ26が、その出力軸26aに嵌着された傘歯車27を介して歯合している。
【0028】
スリーブ23には、スライドシャフト29が同芯状に配置されており、スライドシャフト29はスリーブ23及びスライドシャフト29の共通の軸心CTに沿って矢印A、B方向に移動自在及び、回転軸である軸心CTを中心にして回転自在に設けられている。スリーブ23には、1対の溝23a、23aが互いに対向する形でスリーブ23内外を連通する形で貫通穿設されており、溝23a、23aには、スライドシャフト29に植設されたセンサーピン30が係合している。
【0029】
スライドシャフト29の、図中下端の軸心CT上には、固視標31が設けられており、固視標31は、図1に示すように、眼底共役位置PS1またはその近傍に配置されている。固視標31は、当該固視標31を、被検眼2が光路10側から正面視した場合の形状と、側面視した場合の形状が相違するように形成されている。即ち、固視標31は、図2及び図3に示すように、全体が紡錘形状(即ち、両端が尖った円柱形状)に形成されており、固視標31を、図2に示す方向、即ち紙面と直角方向から見た場合には、その形状は、多角形状と認識されるが、図2に直角な方向である図3の紙面と直角方向、即ち、図2の紙面と平行な方向から見た場合には、円形状と認識されるように構成されている。これにより、固視標31は、スライドシャフト29を矢印C、D方向に回転させることにより、スライドシャフト29の回転角度の90度毎に、図2及び図3に示す光路10に対する投影形状を、多角形状と円形状との間で変化させることが出来るように構成されている。
【0030】
なお、固視標31の全体形状は、光路10に対する投影形状を、当該固視標31をスライドシャフト29を介して回転させることにより変化させることが出来る限り、紡錘形状の他に任意の形状を用いることが出来る。なお、スライドシャフト29は、被検眼2がスライドシャフト29を固視しないように、また光路10上を被検眼2に向けて伝達されてくる光源20からの光を邪魔しないように、その直径をなるべく細く形成することが望ましい。
【0031】
スライドシャフト29の図2上端部には、他の部分よりもやや大径に形成された係合部29bが形成されており、係合部29bの外周部には係合溝29aが軸心CTを中心に環状に形成されている。係合溝29aには、ベースプレート22上に配置され、スライドシャフト29やステッピングモータ26を被覆する形で形成されたケース33に設けられた操作レバー32が、先端の係合部32aに植設されたピン32bを介して係合しており、スライドシャフト29は操作レバー32に対して、ピン32b及び係合溝29aを介して矢印C、D方向に回転自在に設けられている。
【0032】
操作レバー32にはスリット32dが軸心CT方向に貫通形成されており、スリット32dには、ケース33に固着されたリング35に植設されたピン35aが相対的に矢印A、B方向に移動自在に係合している。これにより操作レバー32は、ケース33に対して矢印C、D方向には回転不能かつ軸心CT方向にのみ移動自在に設けられ、更に操作レバー32の図2上端部には操作部32cが設けられている。
【0033】
また、ベースプレート22には、穴22aが図2上下方向に貫通穿設されており、穴22aの上部には、光センサ36が配置されている。光センサ36は、当該光センサ36から穴22aを介して固視標31方向に射出した光が、センサーピン30で反射されてくる反射光を捕捉して、図5に示す所定の信号S1を、図示しない制御装置に出力することが出来る。
【0034】
前眼部撮像装置100は、以上のような構成を有するので、レンズ106に接続された動画撮影装置であるCCDカメラ107で、被検眼2の前眼部蛋白濃度や前眼部涙液層などの前眼部の観察・測定を、当該被検眼2の前眼部をある程度の時間(所定時間)連続的に撮影することにより行う場合には、光源20を点灯して、その状態でステッピングモータ26を回転駆動する。
【0035】
ステッピングモータ26の回転は、図2及び図3に示すように、傘歯車27,25を介してスリーブ23に伝達され、更に、溝23a、センサーピン30を介してスライドシャフト29を固視標31と共に、矢印C、D方向に回転させる。すると、既に述べたように、光路10上の眼底共役位置PS1またはその近傍に配置された固視標31の映像は、反射鏡104,レンズ105を介して被検眼2により認識される。
【0036】
固視標31がスライドシャフト29と共に、光路10に直交(交差)する軸心CTを中心に矢印C、D方向に回転すると、スライドシャフト29の回転と共にセンサーピン30も矢印C、D方向にスライドシャフト29の回転と同期して回転し、光センサ36は、穴22aを介してセンサーピン30を検出し、図5に示すように、信号S1を、図示しない制御装置に対して出力する。なお、センサーピン30は光センサ36と共にシャフト回転角度検出手段を構成する。センサーピン30は、既に述べたように、スライドシャフト29を軸心CTに対して直交する方向に貫通設置されており、また、センサーピン30の軸心CT周りの配置位相は180度で、固視標31の光路10に対する投影形状の変化サイクルは90度となっている。従って、光センサ36がセンサーピン30を検出した時点で、仮に、図2及び3に示すように、固視標31が光路10に対してその投影形状が円形となるような第1の(回転角度)位置にステッピングモータ26により、位置決めされていた場合には、更にステッピングモータ26を所定パルス数だけ駆動してスライドシャフト29を更に90度だけ矢印C又はD方向に回転させて、固視標31を第2の(回転角度)位置に位置決めすると、固視標31の光路10に対する投影形状は、図2に示すように、多角形の形状となる(図2の固視標31の位置では、実際の光路10に対しては、円形の投影形状を示すことになるが、ここでは単に固視標31の投影形状の説明としてのみ、図2を参照する)。
【0037】
なお、固視標31は、スライドシャフト29の回転中心である軸心CT上に配置されているので、固視標31がスライドシャフト29と共に軸心CTを中心に回転しても、その光路10、即ち被検眼2に対する位置は、変化することはなく、固視標31は、光路10上の眼底共役位置PS1またはその近傍にその位置がすれることなく保持される。従って、被検眼2は、常に固視標31を一定の位置で認識することが出来る。
【0038】
そして、固視標31の光路10に対する投影形状が、図2に示すように、多角形の形状となった状態(第2の位置)から、更にステッピングモータ26を同方向に所定パルス数だけ駆動して、光センサ36により、センサーピン30が検出されるまでスライドシャフト29を矢印C又はD方向に回転させると、固視標31は、固視標31が光路10に対してその投影形状が円形となるような位置(第1の位置)に位置決めされることとなる。即ち、固視標31は、第1の位置と第2の位置とではその光路10に対する投影形状が変化する形にその外形が形成されている。
【0039】
従って、センサーピン30の位置を検出することにより固視標31の180度毎の矢印C又はD方向の回転角度量を検出すると共に、ステッピングモータ26により当該180度内における固視標31の投影形状の多角形と円形の間の位置決め動作を制御することにより、被検眼2に対して、図5に示すように、多角形の形状SD1と円形の形状SD2とを交互に提示することが可能となる。これにより、被検眼2に対して、変化する固視標31の投影形状を出来るだけ長い間注視させることが出来、レンズ106を介した被検眼2の動画撮影も、固視標31を長時間に渡り注視させることが出来るので、円滑に行うことが出来る。
【0040】
なお、固視標31の光路10に対する投影形状は、第1の位置及び第2の位置の位置の間で、その形状を変化させることが出来る限り任意であり、円形と多角形の間で変化させるほかに、多様な形状を設定することが可能である。
【0041】
なお、固視標31の光路10に対する回転態様、即ち、視標31の変化する投影形状の提示態様は、被検眼2(被検者)がその提示態様に規則性を見いだして飽きてしまわないように、各種の提示サイクルを用いるようにすると望ましい。例えば、図5に示す場合は、眼科診断機器1により診断等に際して、まず、ステッピングモータを回転駆動し、光センサ36がセンサーピン30を2度検出するまで、即ち、少なくとも360度、矢印CまたはD方向にスライドシャフト29を回転させ、3度目にスライドシャフト29を検出した時点T1で、ステッピングモータ26の駆動を停止する。すると、スライドシャフト29は、固視標31を光路10に対する投影形状が円形となる位置に位置決めされ、被検眼2に対して円形の形状SD2が提示される。その状態で、時間TM1だけステッピングモータ26を停止させて、被検眼2に対して円形の形状SD2を時間TM1の間提示する。
【0042】
時間TM1が経過した時点T2で、再度図示しない制御装置は、ステッピングモータ26を、スライドシャフト29が矢印C又はD方向に90度だけ回転するように時間T3までの間パルス駆動し、固視標31を光路10に対する投影形状が多角形となる位置に位置決めし、被検眼2に対して多角形の形状SD1を提示する。即ち、図示しない制御装置は、時点T2からステッピングモータ26を所定駆動パルス数だけ駆動し、固視標31が光路10に対する投影形状が多角形となる位置に位置決めされた時点T3から、所定時間TM2の間、ステッピングモータ26を停止保持して、被検眼2に対して多角形の形状SD1を時間TM2の間提示する。
【0043】
時間TM2が経過した時点T4で、再度図示しない制御装置は、ステッピングモータ26の回転駆動を開始し、今度は光センサ36がセンサーピン30を検出して信号S1が立ち上がる時点T5まで、ステッピングモータ26の回転駆動を行う。光センサ36がセンサーピン30を検出すると、スライドシャフト29はステッピングモータ26により、固視標31の光路10に対する投影形状が円形となる位置に再度位置決めされることになるので、制御装置はその時点でステッピングモータ26の駆動を停止し、被検眼2に対して円形の形状SD2を提示する。その状態で、時間TM3だけステッピングモータ26を停止させて、被検眼2に対して円形の形状SD2を時間TM3の間提示する。
【0044】
以後、同様に、ステッピングモータ26の駆動パルスの数による回転角度制御と、光センサ36によるセンサーピン30の検出によるステッピングモータ26の回転制御を交互に行って、固視標31の光路10に対する投影形状を、多角形の形状SD1と円形の形状SD2との間で交互に変化させる形で、固視標31を回転制御する。
【0045】
なお、光センサ36によるフィードバック制御はスライドシャフト29の回転方向における180度毎、即ち、固視標31の一方の投影形状(円形又は多角形)の位置決めの際にのみ行い、その間の90度毎の位置決め、即ち、固視標31の他方の投影形状(多角形又は円形)の位置決めは、フィードバック制御によらず、ステッピングモータ26を駆動する際の駆動パルス数によるオープン制御としているので、眼科診断機器の制御装置に過度の負荷が掛からず、好都合である。なお、固視標31の各投影形状の位置決め精度は、厳密な精度が要求されることはないので、上述のような簡易的な制御で十分であり、また、スライドシャフト29は、オープン制御の所定回数(1回以上)毎に、センサーピン30の検出によるフィードバック制御が行われるので、ステッピングモータ26の駆動パルスによるオープン制御に起因する誤差の累積が、所定のオープン制御回数毎にリセットされ、固視標31の投影形状の位置決め精度が、眼科診断機器1の計測動作に影響を与える程度に大幅に狂ってしまうような事態は、未然に回避される。なお、フィードバック制御の実施回数とオープン制御の実施回数の割合の調整は、センサーピン30の軸心CT周りの設置態様を、図2の180度ピッチから適宜変化させたり、図示しない制御装置の側で、ソフトウエアにより、センサーピン30検出信号を適宜取捨選択したりすることで実現出来る。
【0046】
一方、固視標31の被検眼2における視認位置を調整するには、固視標31を、光路10に対して直交(交差)する方向である図2矢印A、B方向に適宜移動させる必要がある。その場合は、検査者は操作レバー32の操作部32cを矢印A、B方向に適宜引っ張ることにより、係合部32aに植設されたピン32bが、スライドシャフト29の係合溝29bを介して、スライドシャフト29を矢印A、B方向に移動させることが出来る。すると、固視標31も、光路10に対して矢印A、B方向に移動するので、固視標31の被検眼2における視認位置を調整することが出来る。
【0047】
なお、操作レバー32は、ケース33に矢印A、B方向にのみ移動自在に設けられており、操作レバー32とスライドシャフト29は、ピン32bと係合溝29aにより、スライドシャフト29の矢印C、D方向の相対的な回転が許容されているので、操作レバー32を矢印A、B方向に操作しても、スライドシャフト29が不用意に矢印C、D方向に回転してしまうようなことはなく、またスライドシャフト29の矢印C、D方向の回転が、操作レバー32に阻害されてしまうようなこともない。従って、スライドシャフト29をステッピングモータ26により矢印C、D方向に回転させている間であっても、操作レバー32による矢印A、B方向の移動は円滑に行うことが出来る。
【0048】
なお、固視標31を光路10に対して回転させ、その被検眼2に対する投影形状を変化させる駆動手段としては、図2に示すステッピングモータ26の他にも、多種考えられる。例えば、図4に示すように、90度の範囲で回動自在なソレノイドアクチュエータ37を平行運動機構39を介して、先端に固視標31を装着したシャフト40を、図4(1)乃至(4)に示すように、光路10に対して90度(90度でなくても、固視標31の光路10に対する投影形状が変化する限り、何度の角度範囲を設定しもよい)の範囲で正逆方向に回転させ、被検眼2に対する固視標31の投影形状を、円形と多角形の間で変化させるように構成することも可能である。なお、ソレノイドアクチュエータ37と平行運動機構39により、往復駆動手段が形成される。この場合、光センサ36やセンサーピン30などの固視標31の回転検出機構が不要となるが、固視標31の位置決め位置が、図4の(1)と(3)のソレノイドアクチュエータ37のON/OFFの2位置のみに限定され、中間位置を取ることが出来なくなり、被検眼2に対する固視標31の提示可能な投影形状に制限が生じる。また、ソレノイドアクチュエータ37の駆動に伴って、ステッピングモータ26に比して大きな振動及び音が生じる。
【0049】
なお、本発明による回転式固視標装置は、固視標31自体が発光することはないので、本来の光源20の光の性質を変化させることなく、本来の検査光の状態で被検眼2に対する検査・測定などを行うことが出来る。また、被検眼2に対する固視標31の投影形状が変化しても、その提示位置は一定とすることが出来るので、光源20からの光を遮る状態を常に一定に保持することが可能となり、動画撮影など時間を掛けて被検眼2を観察する場合に、光源20からの光の変化に起因する画像の変動を少なくすることが出来る。
【0050】
また、回転式固視標装置が適用される眼科診断機器としては、図1に示すような、前眼部撮像装置の他にも、図6に示すような眼底撮像装置1にも適用することが出来る。図6の眼底撮像装置1は、光路5上に配置された被検者の被検眼2と対向する対物レンズ3及び穴あき鏡6,静止画/動画撮影装置であるカメラ45に接続された撮影レンズ7及び、光路5に対して矢印X1,X2方向に跳ね上げ自在に設けられた跳ね上げミラー43、ミラー42及び検査者が覗き込むことの出来る接眼レンズ9を有しており、穴あき鏡6により光路5より分光された光路10上には、コンデンサーレンズ11,反射鏡12,回転式固視標装置13、集光レンズ15、スリット16、集光レンズ19、ストロボ41及び白色光源20を有している。
【0051】
こうした眼底撮像装置1を用いて、被検眼2の眼底撮影をカメラ45で行う場合、固視標装置13は被検眼2の眼底に影を作ってしまうが、眼底に結像される固視標装置13の影は、眼底の黄班部に出来るので、当該黄班部以外の撮影時、例えば乳頭部の拡大撮影などを行う場合には何ら問題はない。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、眼底カメラ、前眼部観察測定装置などの眼科診断機器で、可視光を用いて被検眼の測定や撮影を行う場合、被検眼の位置が変わらないように、被検者に注視させる、光路上に配置される回転式固視標装置として利用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は、回転式固視標装置が配置された眼科診断機器(前眼部撮像装置)の光学系一例を示す図。
【図2】図2は回転式固視標装置の一例を示す正面図。
【図3】図3は図2の側面図。
【図4】図4は、本発明の別の実施例である回転式固視標装置の動作を示す図で有り、(1)及び(3)は正面図、(2)及び(4)は平面図である。
【図5】図5は、回転式固視標装置の制御の一例を示すタイムチャートである。
【図6】図6は、回転式固視標装置が配置された別の眼科診断機器(眼底撮像装置)の光学系一例を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
1、100……眼科診断機器
2……被検眼
5……光路
13……固視標装置
26……ステッピングモータ
29……シャフト(スライドシャフト)
30……シャフト回転角検出手段(センサーピン)
31……固視標
36……シャフト回転角検出手段(光センサ)
37……往復駆動手段(アクチュエータ)
39……往復駆動手段(平行運動機構)
CT……軸
P1……第1の位置
P2……第2の位置
SD1,SD2……形状




 

 


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