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発明の名称 放射線治療装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−61482(P2007−61482A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2005−253639(P2005−253639)
出願日 平成17年9月1日(2005.9.1)
代理人 【識別番号】100098017
【弁理士】
【氏名又は名称】吉岡 宏嗣
発明者 貞森 博之 / 細田 祐司 / 川崎 恭一 / 中村 真 / 八木橋 卓人
要約 課題
治療用放射線の照射位置を患部位置に高精度で位置決めできる放射線治療装置を提供する。

解決手段
患者を乗せる治療台13と、患者14の患部24に治療用放射線15を照射する照射ノズル12と、該照射ノズルを治療台の周りを旋回可能に支持する回転ガントリー11と、患者の患部を撮像して患部位置を特定するための治療画像を取得する画像取得装置19と、治療用放射線の照射位置を治療画像に基づいて特定された患部に合わせるために照射ノズルと治療台の少なくとも一方の位置及び姿勢を制御する位置決め制御装置と、画像取得装置を回転ガントリー11に対して独立して治療台の周りを旋回可能に支持する回転機構16を備えて構成することにより、大型の回転ガントリー11を回転することなく、回転機構16を回転して画像取得装置を回転して、患部位置を特定するための治療画像を複数枚撮像できる。
特許請求の範囲
【請求項1】
患者を乗せる治療台と、前記患者の患部に治療用放射線を照射する照射ノズルと、該照射ノズルを前記治療台の周りを旋回可能に支持する第1の回転支持装置と、前記患者の患部を撮像して患部位置を特定するための治療画像を取得する画像取得装置と、前記治療用放射線の照射位置を前記治療画像に基づいて特定された前記患部に合わせるために前記照射ノズルと前記治療台の少なくとも一方の位置及び姿勢を制御する位置決め制御装置と、前記画像取得装置を前記第1の回転支持装置に対して独立して前記治療台の周りを旋回可能に支持する第2の回転支持装置を備えてなる放射線治療装置。
【請求項2】
前記第1の回転支持装置は、回転自由に支持された円筒部を有する回転ガントリーを備えてなり、
前記照射ノズルは、前記回転ガントリーの円筒部の内周面に取り付けられ、
前記第2の回転支持装置は、前記回転ガントリーの回転軸周りに回転可能に前記回転ガントリーに固定された回転機構を備えてなり、
前記画像取得装置は、前記治療台の周りを旋回可能に前記回転機構に支持されてなることを特徴とする請求項1に記載の放射線治療装置。
【請求項3】
前記第1の回転支持装置は、回転自由に支持された円筒部を有する回転ガントリーを備えてなり、
前記照射ノズルは、前記回転ガントリーの円筒部の内周面に取り付けられ、
前記第2の回転支持装置は、前記回転ガントリーの回転軸に直交する軸周りに回転可能に前記回転ガントリーの円筒部の内周面に固定された回転機構を備えてなり、
前記画像取得装置は、前記治療台の周りを旋回可能に前記回転機構に支持されてなることを特徴とする請求項1に記載の放射線治療装置。
【請求項4】
前記第2の回転支持装置の回転速度は、前記第1の回転支持装置の回転速度よりも速いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の放射線治療装置。
【請求項5】
前記第2の回転支持装置は、該第2の回転支持装置を回転軸方向と該回転軸に直交する方向の少なくとも一方に移動する移動手段を備えてなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の放射線治療装置。
【請求項6】
前記画像取得装置を回転させて前記患部を複数の方向から撮像した複数の治療画像に基づいて前記患部の3次元位置を特定し、特定された前記患部の位置と前記照射ノズルから照射される治療用放射線との位置ずれを算出する誤差算出手段を備え、該誤差算出手段は、前記位置決め制御装置に前記照射ノズルと前記治療台の少なくとも一方の位置及び姿勢を補正する制御指令を出力することを特徴とする請求項1に記載の放射線治療装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線を照射して治療を行う放射線治療装置に係り、特に、治療用放射線照射時の患者位置決め精度を向上させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
放射線治療は、放射線(例えば、X線、ガンマ線、電子線、速中性子線、陽子線、炭素線など)を癌などの患部に照射し、細胞のDNAなどを破壊することによって治療を行う方法である。一般に、放射線治療は、治療前準備と称する治療計画段階と、実際に放射線照射を行う治療段階とに分かれている。まず、治療計画段階においては、X線CT装置やMRI装置などの画像撮像装置を用いて患者の患部の画像を取得し、取得した患部の画像に基づいて治療部位を特定するとともに、過去の実績データ等を勘案して放射線の線量及び治療日程等の治療計画を立案する。治療段階においては、患者を放射線照射装置の治療台に固定し、放射線照射装置に設けられた画像取得装置によって患者の患部の画像を治療画像として取得する。次いで、計画時に作成した参照画像に基づいて治療画像中の患部位置を特定し、治療台を移動して放射線ビームの照射位置を患部位置に合わせて治療を実施する。
【0003】
放射線ビームの照射位置は、患部以外の細胞を破壊させないために患部に正確に合わせる必要がある。そのため、治療の開始時に、患者を治療台の所定位置にしっかり固定するとともに、放射線ビームの照射位置を患部位置に精度よく位置決めする必要がある。治療は、日を変えて複数回行われることがあるから、治療の開始時ごとに、患者の位置決めを精度よく行う必要がある。
【0004】
そこで、特許文献1には、患者周りに回転可能に設けた回転ガントリーに、治療画像を撮像するX線CT装置を取り付け、X線CT装置を回転させて、異なる方向から複数の画像を取得して患部位置を特定して、放射線ビームの照射位置決めを行うようにしている。具体的には、X線CT装置を一定角度ずつ回転させて、複数枚の治療画像を撮像して治療台上の患者の患部の3次元位置を求め、治療計画段階で生成した参照画像中の患部の3次元位置と対比して、それらの座標のずれが、最も小さくなるように治療台の6自由度の位置を調整することにより、患者の位置決め精度を向上させている。
【0005】
【特許文献1】特開2000−140137号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の従来技術では、患部を特定し易い3次元の治療画像を取得するために、回転ガントリーを回転させて、回転ガントリーに取り付けたX線CT装置の撮像方向を変える必要がある。特に、撮像方向によっては、患部が他の臓器や骨と重なって見にくい場合があるから、回転ガントリーを回転させて撮像方向を種々変えなければならない。
【0007】
しかし、一般に、放射線治療装置の回転ガントリーは、非常に大型な構造物であるから、変形や加工ないし組立て誤差の影響で、回転角度による振れ回りが生じる。そのため、X線CT装置により複数の方向から撮像された治療画像に基づいて患者の患部の位置を算出すると、誤差が発生するおそれがある。この誤差を低減するには、放射線治療装置の構成及び機構の製造精度を高くすることが要求されるとともに、変形に対する誤差補正手段を設けることが必要となる場合がある。
【0008】
また、回転ガントリーは大型な構造物なので、高速で回転させることが困難であることから、X線CT装置の撮像方向を変えて複数枚の治療画像を取得するための時間がかかり、治療時間が長くなるという問題がある。
【0009】
本発明は、治療用放射線の照射位置を患部位置に高精度で位置決めできる放射線治療装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明の放射線治療装置は、患者を乗せる治療台と、前記患者の患部に治療用放射線を照射する照射ノズルと、該照射ノズルを前記治療台の周りを旋回可能に支持する第1の回転支持装置と、前記患者の患部を撮像して患部位置を特定するための治療画像を取得する画像取得装置と、前記治療用放射線の照射位置を前記治療画像に基づいて特定された前記患部に合わせるために前記照射ノズルと前記治療台の少なくとも一方の位置及び姿勢を制御する位置決め制御装置と、前記画像取得装置を前記第1の回転支持装置に対して独立して前記治療台の周りを旋回可能に支持する第2の回転支持装置を備えて構成する。
【0011】
このように、照射ノズルを回転支持する第1の回転支持装置に対して、治療画像を取得する画像取得装置を治療台の周りを旋回させる第2の回転支持装置を独立して構成したことから、第1の回転支持装置を回転することなく、第2の回転支持装置を回転することにより、患部位置を特定するための治療画像を複数枚撮像することができる。
【0012】
特に、画像取得装置を旋回させる第2の回転支持装置の回転半径は、照射ノズルを回転する第1の回転支持装置の回転半径よりも小さくできるから、変形や加工ないし組立て誤差を小さくできる。その結果、回転角度による振れ回りを低減できるので、複数の方向から患部を撮像して得られる治療画像の位置ずれを小さくでき、患部位置の算出誤差を抑えることができ、治療用放射線の照射位置を患部位置に高精度で位置決めすることができる。しかも、第1の回転支持装置の製造精度を格別高精度にしたり、変形等に対する誤差補正手段を設ける必要がないから、製造コストを低減できる。
【0013】
また、画像取得装置を旋回させる第2の回転支持装置は小型であるから、第1の回転支持装置に比べて高速で回転させることができる。その結果、撮像方向を変えて複数枚の治療画像を取得するための時間を低減して、治療時間を短縮できる。特に、画像取得装置としてX線CT装置を適用すれば、画像取得装置及び第2の回転支持装置を含めて、回転する部分を小型軽量化できるから、一層高速で回転させることができる。また、患者の検査用放射線の被爆量を抑えることができる。
【0014】
上記の場合において、第1の回転支持装置は、回転自由に支持された円筒部を有する回転ガントリーを備えて構成できる。この場合、照射ノズルは、回転ガントリーの円筒部の内周面に取り付ける。また、第2の回転支持装置は、回転ガントリーの回転軸周りに回転可能に、回転ガントリーに固定された回転機構を備えて構成し、この回転機構に、画像取得装置を治療台の周りを旋回可能に支持させることができる。
【0015】
また、これに代えて、第2の回転支持装置は、回転ガントリーの回転軸に直交する軸周りに回転可能に回転ガントリーの円筒部の内周面に固定された回転機構を備えて構成し、この回転機構に、画像取得装置を治療台の周りを旋回可能に支持させることができる。
【0016】
さらに、第2の回転支持装置は、該第2の回転支持装置を回転軸方向と該回転軸に直交する方向の少なくとも一方に移動する移動手段を備えて構成することができる。
【0017】
また、画像取得装置を回転させて前記患部を複数の方向から撮像した複数の治療画像に基づいて患部の3次元位置を特定し、特定された患部の位置と照射ノズルから照射される治療用放射線との位置ずれを算出する誤差算出手段を備え、該誤差算出手段は、位置決め制御装置に照射ノズルと治療台の少なくとも一方の位置及び姿勢を補正する制御指令を出力するように構成することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、治療用放射線の照射位置を患部位置に高精度で位置決めできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施形態に基づいて説明する。
【0020】
(実施形態1)
図1に、本発明の一実施形態の放射線治療装置の構成を斜視図で示す。同図に示すように、放射線治療装置10は、円筒状に形成された回転ガントリー11と、回転ガントリー11の内周面に取り付けられた放射線の照射ノズル12と、患者14を乗せて移動する治療台13を備えて構成されている。回転ガントリー11は、円筒体の一端開口を閉塞して設けられた壁面25を備え、図示していない駆動装置によって軸22の周りに回転可能に形成されている。これにより、照射ノズル12は、回転ガントリー11を軸22の周りに回転することによって、患者14の患部である患部24に、治療用放射線15を周囲のどの方向からでも照射できるようになっている。治療台13は、図示していない6自由度機構を介して固定され、患者14を任意の位置及び姿勢に保持するようになっている。
【0021】
また、本実施形態の放射線治療装置10は、2組の画像取得装置18、19を有して構成されている。一方の画像取得装置18は、撮像用の放射線20を発生する放射線源18aと、放射線源18aから射出された放射線20のうち、患者14を透過する放射線を検出する受像手段18bを備えて構成される。放射線源18aは照射ノズル12に内蔵され、受像手段18bは放射線源18aに対向する位置の回転ガントリー11の内周面に取り付けられている。同様に、他方の画像取得装置19は、撮像用の放射線21を発生する放射線源19aと、患者14を挟んで対向配置された受像手段19bを備えて構成されている。これらの放射線源19aと受像手段19bは、回転可能に壁面25に回転機構16を介して固定されたU字状のアーム17の両端に取り付けられている。これによって、画像取得装置19は、回転ガントリー11に対して独立に、軸22の周りに回転できるように構成されている。
【0022】
図2に、放射線治療装置10の制御ブロック構成図を示す。図2に示すように、画像取得装置18、19により撮像された画像は、画像処理装置30に入力されている。画像処理装置30は、処理した治療画像をディスプレイ38に表示させるとともに、誤差算出装置31に出力するようになっている。また、画像処理装置30は、回転機構用制御装置35に制御指令を送り、回転機構16を介して画像取得装置19を回転して、撮像方向を制御することができるようになっている。
【0023】
誤差算出装置31は、画像処理装置30から入力される撮像方向が異なる複数枚の治療画像と、治療計画情報37の参照画像に基づいて、治療画像中の患部24の3次元位置を特定し、照射ノズル12から照射される治療用放射線15の照射位置との位置ずれ誤差を算出するようになっている。そして、誤差算出装置31は、算出した位置ずれ誤差を制御指令値算出装置32に出力するようになっている。制御指令値算出装置32は、位置ずれ誤差を補正するために、照射ノズル12と治療台13の少なくとも一方の位置及び姿勢を補正する制御指令値を、それぞれ照射ノズル制御装置33と治療台制御装置34に出力するようになっている。すなわち、本発明に係る位置決め制御装置は、画像処理装置30、誤差算出装置31、制御指令値算出装置32によって構成されている。
【0024】
照射ノズル制御装置33と治療台制御装置34は、それぞれ照射ノズル12と治療台13の位置及び姿勢を制御して、照射ノズル12から照射される治療用放射線15の照射位置に患部24が位置するように位置決めするようになっている。また、監視装置39は、治療計画情報37、制御指令値算出装置32及び回転機構用制御装置35からの情報により、照射ノズル12、治療台13、患者14、画像取得装置18、19などが互いに接触する恐れの有無を計算して、接触を回避するための指令をそれぞれの装置に送るようになっている。
【0025】
このように構成される本実施形態の放射線治療装置10を用いて、治療用放射線の照射位置に患部24を位置決めする手順を、図3、図4を用いて説明する。図3では、患者14の患部24が頭部にある場合を示し、治療用放射線15を患者14の頭上方向から照射する場合を示している。
【0026】
(1)治療前準備
治療前に、X線CT装置や磁気共鳴装置等の画像取得装置を用い、患者14の患部24を含む領域を撮像して、患部24の周辺の3次元画像を作成する。そして、その3次元画像に基づいて、患部24の位置を確認するとともに、その位置情報を算出する。このとき、例えば、患者24の体表又は体内に埋め込んだマーカー、あるいは骨や臓器などの特徴部分を基準にする。ここで、照射ノズル12から患部24に正確に治療用放射線15を照射するために、患部24の位置情報を並進3自由度及び回転3自由度の6自由度で算出する。
【0027】
次に、患部24の3次元画像及び患部24の位置情報に基づいて、計算機を用いたシミュレーション等により治療計画を立案する。この治療計画において、計算機に記憶されている予め定めた基準又は過去の事例に基づいて、治療用放射線15のエネルギ及び線量、方向、照射回数等を決定する。また、治療時に撮像する画像取得装置18、19の撮像方向等も決定する。この撮像方向は、患部24及び骨、臓器等の位置を勘案し、画像取得装置18、19を用いて得られる画像から患者14の体表又は体内に埋め込んだマーカーや、骨や臓器などの特徴部分を抽出し易い方向を決定する。
【0028】
また、治療前に取得した3次元画像に基づいて、治療の際に画像取得装置18、19で取得する撮像方向の画像を予めシミュレーション等により作成して参照画像とする。このようにして立案した治療計画情報37は、治療時に使用される。
【0029】
(2)治療時の患部の位置決め
治療計画に従った位置に、患者14を治療台13に固定具などを用いて固定し、治療計画情報37に基づいて治療台13及び照射ノズル12を移動する。次いで、照射位置及び患部24の位置を確認するために、画像取得装置18、19を用いて患部24の周辺の画像を取得する。
【0030】
ところで、画像取得装置18により得られる画像は、患者14の身長(体軸)方向の透視画像であるから、多数の骨や臓器が重なってしまうので、患部24、又は患部24の位置を特定するためのマーカーなどの基準位置を抽出するのは困難である。このような状況は、治療計画時に予見できるので、それを考慮した撮影方向を決めておき、上述したように、治療計画情報37として計算機に記憶しておく。
【0031】
しかし、患部24の位置情報を、6自由度で算出するためには、2方向以上から画像を取得する必要がある。そこで、図4に示すように、治療計画情報37に基づいて、回転機構用制御装置35の指令により、最初に画像取得装置19を矢印50の方向へ回転させて、位置Iで患部24周辺の画像を撮像する。次に、画像取得装置19を矢印51の方向へ回転させて、位置IIで患部24周辺の画像を撮像する。取得した異なる2方向からの画像データは、画像処理装置30へ送られる。
【0032】
画像処理装置30は、画像データを治療画像に加工して誤差算出装置31に送る。誤差算出装置31は、治療計画情報37として記憶されている参照画像、画像処理装置30で加工した治療画像等を用いて、患部24の位置決め誤差を6自由度で算出する。算出された位置決め誤差は、制御指令値算出装置32に送られる。
【0033】
一方、誤差算出装置31が算出した位置決め誤差は、確認のためディスプレイ38にも送られる。ディスプレイ38に参照画像及び治療画像と一緒に位置決め誤差を表示すると、術者は位置決め誤差や患部周辺の画像を直接確認できるため、理解がし易く治療の信頼性が向上する。
【0034】
制御指令値算出装置32は、誤差算出装置31が算出した位置決め誤差と、先に設定された治療計画情報37に基づいて、治療台13の誤差補正量を算出し、算出した誤差補正量を治療台制御装置34に送る。治療台制御装置34は、誤差補正量に基づいて治療台13の位置及び姿勢を6自由度で制御し、位置決め誤差を補正する。なお、治療台13の位置及び姿勢を制御するのに代えて、誤差算出装置31が算出した誤差に基づいて、照射ノズル12の位置及び姿勢を制御して、位置決め誤差を補正するようにすることもできる。
【0035】
このようにして患部24の位置決めが完了すると、位置決めが完了したことをディスプレイ38に表示して、術者に知らせる。
【0036】
なお、回転機構用制御装置35は、治療計画情報37、画像処理装置30、監視装置39の情報に基づいて回転機構16の回転位置を制御する。例えば、治療計画時に回転ガントリー11の目標位置と、治療台13の目標位置と、患部24の位置とから、画像取得装置18、19により撮像する方向を予め算出して治療計画情報37に記憶しておき、その情報に基づいて画像取得装置18、19bの回転位置を制御してもよい。
【0037】
また、画像取得装置18により取得した治療画像が、患部24の位置を特定できない、あるいは、特定し難い治療画像の場合、画像処理装置30からの情報により、画像取得装置18の撮影方向を変えて再度画像を取得してもよい。さらに、照射ノズル12、治療台13、患者14、画像取得装置18、19が、お互いに接触する恐れのある場合は、接触を監視する監視装置39からの情報により、接触の回避動作をすることができる。なお、監視装置39は、治療計画情報37と、照射ノズル12と治療台13への指令値を算出する制御指令値算出装置32と、画像取得装置18、19を回転させる回転機構16への指令値を算出する回転機構用制御装置35からの情報により、事前にそれぞれの装置の接触の有無を計算して、接触を回避するための指令をそれぞれの装置に送るようにする。
【0038】
ここで、画像取得装置19は、例えば図1の矢印26に示す方向に退避する機構を備えると、患者14を移動する際などに、画像取得装置19が治療台13や患者14と接触することを回避できる。
【0039】
以上説明したように、本実施形態によれば、回転ガントリー11に対して独立に画像取得装置19を回転できるようにしたので、画像取得装置19の画像の取得方向を変える際に、回転ガントリー11を回転させなくてもよい。そのため、回転ガントリー11の変形、加工及び組立て誤差などによる振れ回りの影響を受けることなく、位置決め誤差を補正することができ、高精度な照射が可能となる。
【0040】
また、画像取得装置19の画像の取得方向を変える際に、回転ガントリー11を回転させる必要が無いので、回転角度による振れ回りを抑えるために、高精度に機構を製造したり、複雑な制御手段を必要としないことから、製造コストを低減できる。
【0041】
さらに、画像取得装置19を回転する回転機構16及びアーム17は、回転ガントリー11に比べて小型、軽量であり、回転ガントリー11より高速に回転させることが可能なので、治療画像の取得に要する時間が短くなり、治療時間を短縮できる。
【0042】
(実施形態2)
図5に、本発明の他の実施形態の放射線治療装置の構成を斜視図で示す。本実施形態が図1の実施形態と異なる点は、画像取得装置19を回転ガントリー11の内周面に固定して設けたことにある。その他の点は、図1実施形態と同一であることから、同一の符号を付して説明を省略する。
【0043】
すなわち、図5に示すように、画像取得装置19の放射線源19aと受像手段19bは、U字状のアーム17の両端に取り付けられ、アーム17の中央部は回転機構16を介して回転ガントリー11の内周面に固定されている。回転機構16は、照射ノズル12と対向する位置の回転ガントリー11の内周面に固定されている。また、画像取得装置18の放射線源18aに対向する受像手段18bは、U字状のアーム17の底部に設けられている。
【0044】
したがって、画像取得装置19は、回転ガントリー11の回転軸22と直交した軸43の周りに、矢印44の方向に回転可能となっている。
【0045】
本実施形態によっても、画像取得装置19は回転ガントリー11に対して独立に回転できるので、実施形態1と同様の効果が得られる。
【0046】
また、本実施形態においても、実施形態1と同様に、治療台13を移動させる際などに、画像取得装置19が治療台13や患者14との接触するのを回避するために、画像取得装置19を例えば矢印45や矢印46の方向へ退避させる機構を備えることができる。
【0047】
また、本実施形態において、回転ガントリー11に対して独立に回転可能な画像取得装置19に、X線CT装置を適用した場合、X線CT装置は回転ガントリー11に比べて小型、軽量であるから、回転ガントリー11よりも高速に回転させることができる。その結果、治療時間を短縮できるだけでなく、治療画像の撮像時間を短縮できるため、X線CT装置による患者の被爆量を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施形態の放射線治療装置の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態の放射線治療装置に係る制御ブロック構成図である。
【図3】本発明の一実施形態の放射線治療装置の動作状態を説明するための斜視図である。
【図4】本発明の特徴に係る画像取得装置の動作を説明する図である。
【図5】本発明の他の実施形態の放射線治療装置の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0049】
10 放射線治療装置
11 回転ガントリー
12 照射ノズル
13 治療台
14 患者
15 治療用放射線
16 回転機構
17 アーム
18、19 画像取得装置
24 患部
25 壁面
30 画像処理装置
31 誤差算出装置
32 制御指令値算出装置
33 照射ノズル制御装置
34 治療台制御装置
35 回転機構用制御装置
37 治療計画情報
38 ディスプレイ
39 監視装置




 

 


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