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発明の名称 運動機能測定装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−29401(P2007−29401A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−216534(P2005−216534)
出願日 平成17年7月26日(2005.7.26)
代理人 【識別番号】100064414
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 道造
発明者 神鳥 明彦 / 宮下 豪 / 緒方 邦臣 / 牧 敦
要約 課題
生体が行う運動の適切な測定と、生体から発する磁場の測定とを並行して行う装置を提供することを目的とする。

解決手段
磁場を生成する磁場生成手段および生体に設置されて磁場を受信する磁場受信手段とを備え、磁場受信手段が受信する磁場生成手段から発する磁場に基づいて生体の運動を測定する運動センサと、生体が発する生体磁場を受信するSQUID磁束計と、運動センサおよびSQUID磁束計により測定されたデータを解析する解析手段と、解析手段により処理された解析結果を出力する表示手段、とを備えた運動機能測定装置であって、磁場生成手段は、SQUID磁束計との相対位置が所定に固定されることを特徴とする運動機能測定装置である。
特許請求の範囲
【請求項1】
磁場を生成する磁場生成手段および生体に設置されて前記磁場を受信する磁場受信手段を備え、前記磁場受信手段が受信する前記磁場生成手段から発する前記磁場に基づいて前記生体の運動を測定する運動センサと、
前記生体が発する生体磁場を受信するSQUID磁束計と、
前記運動センサおよび前記SQUID磁束計により測定された生体磁場データを解析する解析手段と、
前記解析手段により処理された解析結果を出力する表示手段と、
を備えた運動機能測定装置であって、
前記磁場生成手段は、
前記SQUID磁束計との相対位置が所定に固定されることを特徴とする運動機能測定装置。
【請求項2】
前記磁場生成手段は、
前記生体を支持する指示台に固定されることを特徴とする請求項1に記載の運動機能測定装置。
【請求項3】
前記解析手段は、
前記運動センサから取得された時系列の波形データから、前記波形データに対応する運動波形を生成する運動波形生成手段と、
前記運動波形に基づいて、前記生体磁場データを選別し、選別された生体磁場データに対して加算平均化処理を行うことで生体磁場波形を生成する加算平均化処理手段と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の運動機能測定装置。
【請求項4】
前記解析手段は、さらに、
前記生体磁場波形に基づいて、等磁場線図を生成する等磁場線図生成手段を含むことを特徴とする請求項3に記載の運動機能測定装置。
【請求項5】
前記解析手段は、さらに、
前記生体磁場波形に基づいて、電流分布図を作成する電流分布図作成手段を含むことを特徴とする請求項3に記載の運動機能測定装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体の運動機能を測定する運動機能測定装置に関し、特に、生体が行う運動の測定と、生体から発する磁場の測定とを並行して行う運動機能測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パーキンソン病は、運動を司る脳内の黒質や線条体に障害を起こし、歩行等の無随意運動に失調を来たす難病である。また、進行性の病気であるため、放置すると、約10年で寝たきりの状態になってしまうと言われており、早期の診断と治療が求められている。
【0003】
しかし、パーキンソン病は脳疾患であるにも関わらず、血液検査や従来のCTやMRI等の画像診断によって診断可能な特徴がなく、現状においては、病状の重症度(進行度)を、特異的な臨床兆候(振戦、筋固縮、無動、姿勢保持障害等)と患者の訴えとによって判定している。このような判定方法では、病状の重症度を定量的に評価することが難しく、適切な投薬治療を実現するための情報が充分とは言えなかった。
【0004】
従来、SQUID(Superconducting QUantum Interference Device:超伝導量子干渉素子)磁束計を用いる生体磁場装置は、生体内の心筋活動(筋肉の活動一般)や脳内のニューロンの活動にともなって生じるイオン流が作る微弱な生体磁場(計測された磁場は心磁場や脳磁場と呼ばれる)の計測に使用されてきた。
【0005】
生体磁場測定装置により測定された磁場を解析することによって、様々な生体情報を取得することができる。例えば、脳磁計は、被験者内で自発的に発生する自発脳磁場や、被験者に対して電気的または機械的に刺激して誘発される誘発脳磁場や、被験者に運動をさせる際に生じる運動関連脳磁場等の測定に用いることができる。
【0006】
自発脳磁場以外の事象関連脳磁場(前記した誘発脳磁場や運動関連脳磁場を含む)は、通常、自発脳磁場に比べてさらに微弱な磁場であるが、被験者に対して繰り返しの刺激またはタスクを与え、それによって発生した繰り返しの脳磁場データを加算平均化処理することによって、S/N(Signal/Noise)比の向上を図ることができる。このように、脳磁計を用いることによって、例えば、パーキンソン病等の脳疾患に関する診断や研究の進展が期待されている。
【0007】
そこで、パーキンソン病を診断するための生体磁場測定装置として、ボタンを押す装置を簡易に構成し、被験者がボタンを押す運動と、この運動の際の脳磁場とを経時的に測定する装置が開示されている(例えば、非特許文献1参照)。このような生体磁場測定装置によれば、指の動きをデジタル的なオンとオフの情報として評価しつつ、この指の動きにともなって発生する脳磁場を測定することができる。
【非特許文献1】Yoshino K., Takagi K., Nomura T., Sato S., and Tonoike M..MEG responses during rhythmic finger tapping in humans to phasic stimulation and their interpretation based on neural mechanisms. “Biological Cybernetics”, 86, p483-496. 2002
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、非特許文献1に開示される装置によれば、指の動きに関してデジタル的なオンオフの情報しか取得できず、パーキンソン病に特異的な症状である指の動きの悪さを充分に判定できていなかった。そのため、ボタンを押す運動が不均一であっても(例えば、指の開閉距離が異なる、ボタンを押す速度が異なる、ボタンを押す過程において振戦等が起こる等)、全ての運動に対応する脳磁場データに関して加算平均化処理が行われることとなる。
【0009】
そこで、本発明は、生体が行う運動の適切な測定と、生体から発する磁場の測定とを並行して行う装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明は、磁場を生成する磁場生成手段および生体に設置されて前記磁場を受信する磁場受信手段とを備え、前記磁場受信手段が受信する前記磁場生成手段から発する前記磁場に基づいて前記生体の運動を測定する運動センサと、前記生体が発する生体磁場を受信するSQUID磁束計と、前記運動センサおよび前記SQUID磁束計により測定されたデータを解析する解析手段と、前記解析手段により処理された解析結果を出力する表示手段、とを備えた運動機能測定装置であって、前記磁場生成手段は、前記SQUID磁束計との相対位置が所定に固定されることを特徴とする運動機能測定装置である。
【0011】
このような構成とすることによって、被験者の運動を適切に測定することができ、均一な運動に対応する脳磁場データに基づいて加算平均化処理を施すことができる。その結果、パーキンソン病等の脳障害を伴う患者の脳と運動との関係を適切に評価することができる。
なお、他の発明に関しては、本明細書中で明らかにする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、生体が行う運動の適切な測定と、生体から発する磁場の測定とを並行して行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
<<第一の実施形態>>
第一の実施形態は、被験者に迅速なタッピングを行わせたときに運動機能を測定する実施形態である。具体的には、被験者に対して、できるだけ早く人指し指と親指とを重ね合わせるタッピング運動を行うように指令し、このときの指の運動と脳磁場とを測定する。
【0015】
ここで、図1は、第一の実施形態の運動機能測定装置の外観斜視図であり、図2は、第一の実施形態の運動機能測定装置の全体構成を示すブロック図である。
【0016】
図1および図2に示すように、運動機能測定装置1は、被験者7の脳から発する微弱な磁場を測定する脳磁場測定部2と、被験者7の指の運動を測定する運動測定部3と、これらの脳磁場測定部2や運動測定部3によって測定されたデータの記録や解析を行う運動機能解析部4と、測定結果や解析結果を出力する出力部5と、被験者7の情報等を入力する入力部6とを含んで構成される。
【0017】
ここで、被験者7は、脳磁場測定部2および運動測定部3による測定対象であって、運動にともなってその内部で電気的活動を生じるものである。すなわち、本実施形態において、被験者7は、例えば、動物、人間等の生体である。
【0018】
そして、被験者7は、環境磁気雑音の影響を除去する磁気シールドルーム8の内部に備えられた被験者7を支持するためのベッド9に横たわっている。図1において、ベッド9は位置合わせをするために可動式であるが、測定時には床に固定されている。このとき、xy面がベッド9の面に一致するように直交座標系(x,y,z)(磁場成分をBx,By,Bzとする)を設定する。また、ベッド9は必ずしも水平である必要はない。
【0019】
なお、本実施形態においては、脳磁場測定部2により測定された生データを「脳磁データ」とよび、運動機能解析部4によって加算平均化処理が施された脳磁データを「脳磁波形」とよぶ。
【0020】
<脳磁場測定部>
脳磁場測定部2は、被験者7から発する脳磁場を時系列に測定して脳磁データを取得するものである。脳磁場測定部2は、例えば、一般に使用される脳磁計等の生体磁場測定装置を用いることができる。
ここで、脳磁場測定部2は、主に、微弱な脳磁場を検出する複数のSQUID磁束計21(図2参照)を収容したデュワ23と、SQUID磁束計21を制御する脳磁制御部22とを備えて構成される。
【0021】
デュワ23は、SQUID磁束計21を極低温に冷却して超伝導状態に維持するためのものであって、デュワ23内部では、SQUID磁束計21が液体ヘリウムや液体窒素等の冷媒によって包囲される。また、外部からの熱の侵入を防ぐために、デュワ23外壁と冷媒との間には真空層が形成される。そして、デュワ23は、被験者7の頭部上方に配設され、床から立設したガントリ24によって支持される。
【0022】
図3は、複数のSQUID磁束計21の配列を示す斜視図である。SQUID磁束計21は、体表面に対して垂直な磁場成分(Bz)を計測するセンサである。図3に示すように、複数のSQUID磁束計21は、デュワ23(図1参照)底部の内壁にz方向に沿って垂設している。また、複数のSQUID磁束計21は、磁気の距離変化量を的確に捉えられるように、x方向およびy方向には等間隔に配列している。本実施形態においては、例えば、SQUID磁束計21間の距離は25mmであって、SQUID磁束計21の数は、図3に示すように、8×8のアレー状に配置した64チャンネルである。
【0023】
図4は、SQUID磁束計21の構成を示す斜視図である。図4に示すように、SQUID磁束計21は、一次微分型コイル211と、SQUID212とを含んで構成される。
【0024】
一次微分型コイル211は、被験者7(図1参照)に近い位置に配置される検出コイル211aと、検出コイル211aよりも被験者7から遠い位置に配置され、主に外部磁場雑音を検出する参照コイル211bとにより形成される。また、検出コイル211aと参照コイル211bとは巻線方向が逆向きに巻かれ、それぞれのコイル211a、211bの面はz方向に向いている。本実施形態においては、例えば、コイル径は20mmΦであって、コイル間の間隔を示す距離ベースラインは50mmである。外部磁場雑音は被験者7より遠い信号源から生じており、これらは検出コイル211aおよび参照コイル211bで同じように検出される。一方で、被験者7からの信号は外部磁場雑音よりもコイル211a、211bに近いため検出コイル211aでより強く検出される。従って、両コイル211a、211bで捕らえられた磁気の差を取ることによって、S/N比の高い検出をすることができる。
また、一次微分型コイル211の材質は、例えば、ニオブチタン(Nb−Ti)線等の超伝導線によって構成することができる。そして、一次微分型コイル211は、SQUID212に磁束として伝達し高感度に磁気検出が行える。
【0025】
SQUID212は、超伝導リングにジョセフソン素子を接合したSQUIDを組み合わせたものであって、従来公知のものを使用することができる。そして、SQUID212は、脳磁制御部22に接続している。
【0026】
図5は、被験者7の頭部とSQUID磁束計との位置関係を説明するための上面図であって、(a)は左側頭を測定する場合、(b)は右側頭を測定する場合である。それぞれに対応して、被験者は頭部を横に向けている。なお、図5に示すSQUID磁束計21の設置位置は一例に過ぎず、測定を所望する部位が測定範囲の中心に来るように適宜調整することができる。
【0027】
図1および図2に示すように、脳磁制御部22は、SQUID磁束計21を制御することによって脳磁データを取得するものである。なお、脳磁制御部22は、通常、SQUID磁束計21が検出する雑音を減少させるために、磁気シールドルーム8の外部に設置される。
ここで、図2を参照して、脳磁制御部22が脳磁データを取得する手順について説明する。
図2に示すように、SQUID磁束計21からの出力は、脳磁制御部22のFLL(Flux Locked Loop)回路221に入力される。このFFL回路221は、SQUID212の出力を一定に保つように、SQUID212に入力された生体磁気の変化をキャンセルするように帰還コイルを介して電流を流している。この帰還コイルに流した電流を電圧に変換したものが、脳磁気信号の変化に比例した電圧としてアンプ回路222に出力される。
この電圧出力は、アンプ回路222により増幅され、さらに、フイルタ回路223により周波数帯域が選択された後に、運動機能解析部4に出力される。
【0028】
<運動測定部>
図1および図2に示すように、運動測定部3は、被験者7の運動情報を時系列に検出するものであって、少なくとも、距離、速度、加速度、躍度のいずれか1つに関する被験者7の運動情報を、波形データとして取得するものである。運動測定部3は、例えば、特開2005−95197号公報に開示される磁気センサ型のタッピング装置を適用することができる。また、磁気センサ型のタッピング装置を適用する場合において、距離換算しない出力電圧をそのまま使用してもよい。
ここで、運動測定部3は、主に、磁場を発信する発信コイル311と、この磁場を受信する受信コイル312とを含んでなる運動センサ部31と、運動センサ制御部32とを備えて構成される。
【0029】
図1において、発信コイル311は親指の下方に配設されており、受信コイル312は人差し指の上部にバンド312cを介して装着されている。バンド312cの材質は、指の大きさの個人差を吸収するために、ゴムやスポンジ等の弾性変形可能な部材で構成されることが好ましい。
発信コイル311は、コイル装着部材311aに巻き付けてあり、運動センサ制御部32の電流発生用アンプ310と接続している。受信コイル312は、バンド312cに固定されたコイル装着部材312aに巻き付けてあり、運動センサ制御部32のプリアンプ回路321と接続している。
【0030】
ここで、発信コイル311は、固定手段311bを介してベッド9等に固定されており、測定中にはSQUID磁束計21(つまり211a、211b)との相対距離が一定に固定(所定に固定)されている。このように構成することによって、SQUID磁束計21が被験者7から発する磁場を測定する際に、発信コイル311の移動にともなう磁場の変動による低周波なノイズを減少させることができる。
【0031】
図6は固定手段311bの構成例を示す斜視図である。
固定手段311bは、発信コイル311が巻き付けられたコイル装着部材311aをベッド9(図1参照)に固定することができれば、その構成を特に限定しない。例えば、固定手段311bは、図6(a)に示すように、接着剤により実現することができる。また、例えば、固定手段311bは、図6(b)に示すように、コイル装着部材311aから突設された平板をねじ止めすることによってベッド9に固定する構成としてもよい。また、例えば、図6(c)に示すように、ベッド9に有底孔を設け、発信コイル311を埋設する構成としてもよい。
なお、発信コイル311を固定する固定手段311bは、適宜、被験者が運動しやすい場所に位置合わせ可能な構成としてもよい。この場合においても、測定時にはSQUID磁束計21との相対位置が一定に固定される。
【0032】
また、発信コイル311を設置する指や、受信コイル312を装着する指は、親指や人差し指に限定されることなく、どの指に発信コイル311や受信コイル312を装着してもよい。また、指のみに限定されず、四肢や全身の運動を測定する構成としてもよい。この場合においても、発信コイル311をベッド等に固定し、受信コイル312を被験者の体の一部に装着することで、所望する部位の運動を容易に測定することができる。
【0033】
図2の運動センサ制御部32は、運動センサ部31を制御し、運動センサ部31を介して指の運動に関する波形データを取得するものである。なお、運動センサ制御部32は、SQUID磁束計21が検出する雑音を減少させるために、磁気シールドルーム8の外部に設置されることが好ましい。
【0034】
図7は、運動センサ制御部32の構成を示すブロック図である。ここで、図7を参照して、運動センサ制御部32が波形データを取得する手順について説明する。
図7において、交流発生回路326によって特定の周波数(例えば20kHz等)を持つ交流電圧が作成される。交流発生回路326によって作成された特定の周波数を持つ交流電圧は、電流発生用アンプ回路327によって特定の周波数を持つ交流電流に変換され、電流発生用アンプ回路327によって変換して作成された交流電流を発信コイル311に流す構成とする。発信コイル311によって発生した磁場は、受信コイル312内に誘起起電力を発生させる。
【0035】
発生した誘起起電力(交流発生回路326によって作成された特定の周波数を持つ交流電圧と同じ周波数を有している)は、プリアンプ回路321によって増幅され、増幅後の信号は検波回路322に入力される。
検波回路322では、交流発生回路326によって作成された特定の周波数または2倍周波数によって検波を行うため、交流発生回路326の出力を位相調整回路328によって位相を調整した後、参照信号329として検波回路322の参照信号入力端子に接続される。
【0036】
また、特定周波数の2倍周波数で検波する場合は、位相調整回路328は必ずしも必要ではない。2倍周波数で検波する簡単な回路構成としては、交流発生回路326の特定周波数を2倍の周波数としておき、分周器によって半分の周波数に変換した後に、電流発生用アンプ回路327に入力する構成とし、参照信号329には交流発生回路326の特定周波数の2倍の周波数の信号を検波回路322の参照信号入力端子に接続する構成とする。
【0037】
検波回路322の出力は、LPF(Low−Pass filter)回路323を通った後、所望の電圧を得るためにアンプ回路324によって増幅されて、この出力325は、運動機能解析部4に入力される。出力325は、生体に装着された受信コイル312と発信コイル311との相対距離Dに相当する電圧である。
【0038】
以上、運動センサ部31として磁気センサ型のタッピング装置を適用した場合を説明したが、運動センサ部31は、磁場の発生を利用して運動を測定するものであれば特に限定しない。例えば、従来公知のストレインゲージや加速度計を併用することができる。ただし、いずれの装置を適用した場合においても、SQUID磁束計21との相対位置は一定に固定される。
【0039】
<運動機能解析部>
図2に示すように、運動機能解析部4は、脳磁場測定部2や運動測定部3により測定されたデータの記録や解析を行うものである。
ここで、運動機能解析部4は、脳磁場測定部インタフェース41と、運動測定部インタフェース42と、データ処理部43と、を含んで構成される。
【0040】
脳磁場測定部インタフェース41および運動測定部インタフェース42は、例えば、一般のコンピュータに備えられるアナログデジタル変換ボード(以下「ADボード」という)を含み、脳磁場測定部2および運動測定部3により検出されたアナログ信号の脳磁データおよび運動に関する波形データを、所定のサンプリング周波数でデジタル信号に変換し、データ処理部43に入力するものである。
【0041】
データ処理部43は、脳磁インタフェース41および運動測定部インタフェース42により取得されたデータに基づいて被験者の運動機能を解析し、これらの解析された運動機能を、適宜、被験者情報等とともに出力部5に出力するものである。
ここで、データ処理部43は、運動波形生成手段431と、加算平均化処理手段432と、等磁場図生成手段433と、電流アローマップ生成手段434と、被験者情報処理手段435と、出力処理手段436とを含んで構成される。
【0042】
なお、データ処理部43は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなるメモリと、ハードディスク等を含んで構成される。前記したデータ処理部43内の各手段431〜436は、メモリまたはハードディスクに格納されたプログラムまたはデータをコンピュータ(図示せず)にロードすることにより実現される。そして、CPUがメモリにプログラムを読み出して演算処理を実行することにより、データ処理部43の各処理が実現されるものとする。
【0043】
[運動波形生成手段]
運動測定部3から取得された波形データは、運動波形を直接表すものではなく、運動波形に対応する電圧出力である。
運動波形生成手段431は、この電圧出力である波形データを、対応する運動波形に変換し、変換された運動波形を時間微分または時間積分することによって、距離波形と、速度波形と、加速度波形と、躍度波形とを補完的に生成するものである。
例えば、距離波形は図9(a)に示す符号802のように表示される。
なお、「運動波形」とは、特に限定しない限り、距離波形と、速度波形と、加速度波形と、躍度波形のうち、少なくとも1つを含む。
同様に、運動測定部3として、ストレインゲージや速度計等を適用した場合であっても、少なくとも1つの運動波形が測定されれば、微積分演算することによって補完的に他の運動波形(距離、速度、加速度、躍度)を求めることができる。
【0044】
[加算平均化処理手段]
加算平均化処理手段432は、脳磁データから所定の運動に対応する領域を抽出し、加算平均化処理を施すことによって、脳磁波形を生成するものである。
【0045】
ここで、図8を参照して、第一の実施形態の加算平均化処理手段432が、脳磁データに加算平均化処理を施し、脳磁波形を生成する手順を説明する。
まず、加算平均化処理手段432は、図8(a)に示す運動波形に対し、所定の閾値Sと交差する交点(S1〜S6)を抽出する。
次に、加算平均化処理手段432は、抽出した交点(S1〜S6)の前後を比較し、増加している(開く運動が行われている)交点の時刻(T1〜T3)を抽出する。以下、この複数の時刻を加算同期点として扱う。
そして、加算平均化処理手段432は、この複数の加算同期点(T1〜T3)を、図8(b)に示す脳磁データに重畳し、加算同期点から所定時間幅の波形(P1〜P3)を抽出する。
そして、加算平均化処理手段432は、抽出した複数の波形(P1〜P3)の加算平均化処理を行うことによって、一本の脳磁波形を得る。
そして、全てのSQUID磁束計21で測定された脳磁データに関して、同様に脳磁波形が生成され、合計64本の脳磁波形を得る。生成された64本の脳磁波形を重畳したものは、例えば、図9(b)のように表示され、測定部位全体の磁場の傾向を診断するために用いられる。
【0046】
このように、加算平均化処理手段432によれば、閾値Sを基準にして運動の選別を行い、均一な運動に関してのみ加算平均化処理を行うことができるため、運動と生体磁場との関係を適切に対応させることができる。
【0047】
[等磁場図生成手段]
等磁場図生成手段433は、脳磁波形の所定の時刻における磁場を抽出し、等しい磁場を結ぶことによって等磁場線(一般には脳磁図と呼ばれる)を描画するものである。等磁場図生成手段が行うこれらの処理は、従来の脳磁計において周知である。
【0048】
[電流アローマップ生成手段]
電流アローマップ生成手段434は、体に垂直なz方向の磁場(Bz)をx、y方向に偏微分を行うことにより、擬似的な電流を可視化するものである。
具体的に偏微分の方法を示すと、次式(1)、(2)で表される。
【0049】
Ix=dBz/dy …(1)
Iy=-dBz/dx …(2)
【0050】
ここで、擬似的な電流を示す電流アローは、(Ix、Iy)のアローによってxy平面上に示される。
図9(c)は、本実施形態の脳磁波形を電流アローマップで表示した図である。図9(c)において、符号803は測定画面であって、符号805は被験者7の脳を示す。図9(c)に示すように、時刻T1における電流アローマップでは、頭頂部付近の体性感覚野において電流を強く検出した。一方で、診断画面803の下方に位置する聴性感覚野では特に電流を検出しなかった。
このように電流アローマップ生成手段434によれば、ダイポール推定や多数の等磁場線図を表示することなく、電気生理学的な興奮の伝播過程を定量化できる。
なお、本実施形態では電流アローマップ法を電流分布図の作成法として説明したが、電流アローマップ法に限るものではない。例えば、ミニマムノルム法やリードフィールド法などを用いて電流分布図を作成し、図9(c)と同様の図面を作成することが可能である。
【0051】
[被験者情報処理部]
被験者情報処理部435(図2参照)は、被験者情報や解析結果等の情報を記録する図示しない被験者DBを備え、被験者DBに記録される情報の管理を行うものである。
より詳細には、被験者情報処理部435は、1)被験者情報の登録、修正、削除および検索、ソート、2)被験者情報と測定データとの関連付け、3)測定データの解析結果の登録、修正、削除(項目の追加、修正、削除)、4)統計処理を行った場合には、その統計処理結果の登録、修正、削除の主に4項目の処理、を被験者DBとの連携によって行う。
また、被験者DBに登録される被験者情報としては、被験者ID、氏名、生年月日、年齢、身長、体重、疾患名、被験者に関するコメント等が挙げられる。
なお、被験者情報処理部435による、これらの情報管理は、従来公知のプログラムとデータ構成によって容易に実現することができるものである。
また、被験者DBは、ハードディスク等によって実現することができる。
【0052】
[出力処理手段]
出力処理手段436は、出力部5に、被験者DBに登録された被験者情報や解析結果等の情報を、グラフやテーブルの形式を適宜用いて視覚的に理解しやすい表示形式で表示させるものである。
なお、出力処理部436は、前記した全ての解析結果に関し、同時に表示させる必要はなく、操作者が適宜選択する項目に関して表示させる構成とすることもできる。
【0053】
出力部5は、データ処理部43により処理された被験者情報や運動情報を出力するものであって、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイやプリンタ等によって実現することができる。
【0054】
また、入力部6は、図示しない運動機能測定装置1の操作者が、被験者情報等を入力するためのものであって、キーボードやマウス等によって実現することができる。また、被験者情報等を入力する場合には、操作者による入力を補助するユーザインタフェースとして、ディスプレイに入力画面を表示させるようにしてもよい。
【0055】
<<第二の実施形態>>
次に、第二の実施形態の運動機能測定装置を図面を参照して説明する。この第二の実施形態は、被験者に音刺激に応じたタッピングを行わせることによって運動機能を測定する実施形態である。具体的には、被験者に対して、音刺激装置から発する音に合わせて人指し指と親指とを重ね合わせるタッピング運動を行うように指令している。
以下、第二の実施形態の説明において特徴的な部分に関して詳細に説明するが、第一の実施形態と重複する説明は省略する。
【0056】
図10に示すように、運動機能測定装置1は、被験者7の脳から発する微弱な磁場を測定する脳磁場測定部2(図1参照)と、被験者7の指の運動を測定する運動測定部3(図1参照)と、これらの脳磁場測定部2や運動測定部3によって測定されたデータの記録や解析を行う運動機能解析部4と、測定結果や解析結果を出力する出力部5と、被験者7の情報等を入力する入力部6と、被験者7に対して音刺激を行う音刺激装置203とを含んで構成される。
【0057】
音刺激装置203は、トーンバースト音を生成して被験者7に出力するとともに、同期信号204を生成して運動機能解析部4に出力するものである。
音刺激装置203が生成するトーンバースト音は、例えば、1kHzで50msの保持時間幅であり、音刺激の間隔は0.3Hz(約3.3秒に1回)である。音刺激装置203により生成されたトーンバースト音は、エアチューブ202とアダプタ201を介して被験者の耳に入力される。
また、図10では図示しないが、右耳にはホワイト雑音の音を常時与えることによって外部からの音による影響がないように計測を行っている。
【0058】
ここで、図11を参照して、第二の実施形態の加算平均化処理手段432が、脳磁データに加算平均化処理を施し、脳磁波形を生成する手順を説明する。
【0059】
第二の実施形態のデータ処理部43の加算平均化処理手段432は、図11(a)に示す同期信号の時刻(T1〜T5)を加算同期点として、脳磁データの加算平均化処理を行うものである。ただし、この場合においても、例えば、図11(b)に示す距離波形に所定の閾値Sを設定し、加算同期点(T1〜T5)から所定時間幅の波形(P1〜P5)の中で、この閾値Sを超えた波形(P1、P3、P5)に対応する脳磁データ(図示せず)のみを加算平均化処理することができる。
【0060】
このように、音刺激を利用して運動機能を測定することによって、聴覚野と体性感覚野とを同時に賦活化する状況で運動機能を評価することができる。
また、音刺激装置203を用いることによって、音刺激装置203が生成した同期信号204に基づいて脳磁データの加算平均化処理を行うことができる。
【0061】
<<その他>>
なお、本発明は前記第一および第二の実施形態に限定されるものではなく、その技術思想のおよぶ範囲で種々の変更実施を行うことができる。
【0062】
本実施形態においては、運動センサ部31の発信コイル311をベッド9に固定したが、固定する場所はベッド9に限定しない。例えば、デュワ23、ガントリ24、床から直接突設した図示しない固定具に固定する構成とすることができる。
【0063】
また、本実施形態においては、加算平均化処理された脳磁波形に基づいて、等磁場線図や電流アローマップを生成して被験者7の運動機能を評価したが、これには限定されない。例えば、従来公知のアルゴリズムを用いたダイポール推定を用いて被験者7の運動機能を評価してもよい。
【0064】
また、データ処理部により出力された解析結果を、そのまま出力するだけでなく、統計処理を施した後に出力する構成としてもよい。この場合には、データ処理部内に統計処理部を設け、図示しない被験者DBに記録された被験者情報に基づいて解析結果をグループ化(例えば、健常群と疾患別群とに区分)し、統計処理(例えば、平均値や分散値の算出)を実行させることができる。
【0065】
また、本実施形態においては、生体磁場測定装置として脳磁計を用いて、運動時の脳磁場を測定したが、生体磁場を測定できるものであればどのような装置であってもよい。例えば、脳磁計の代わりに、心磁計、筋磁計、肺磁計等を用いることができる。
【0066】
また、本実施形態においては、脳磁データを加算平均化処理することによって、S/N比を向上させたが、公知の方法を組み合わせることによって、さらにS/N比を向上させることができるのは言うまでもない。
図12は、運動機能測定装置1とともに、心電計を用いて測定する場合を説明するための図である。図12に示すように、被験者の四肢には心電計用の電極106が設置され、これらの電極106は心電計107に接続する構成としている。また、心電計107は、脳磁制御部22のアンプ回路222やフィルタ回路223(図2参照)を適宜利用することができる。
このような構成とすることによって、脳磁データに含まれる心臓からの磁場信号の影響を補正することができる。そして、その補正された脳磁データに対して加算平均化処理を施すことによって、より適切な脳磁波形を生成することができる。
【0067】
また、本実施形態においては、発信コイル311をベッド9に固定する構成としたが、図13に示すように、さらにコイル装着手段311cを介して親指に固定する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】第一の実施形態の運動機能測定装置の外観斜視図である。
【図2】第一の実施形態の運動機能測定装置の全体構成を示すブロック図である。
【図3】複数のSQUID磁束計の配列を示す斜視図である。
【図4】SQUID磁束計の構成を示す斜視図である。
【図5】被験者の頭部とSQUID磁束計との位置関係を説明するための上面図である。
【図6】固定手段の構成例を示す斜視図である。
【図7】運動センサ制御部の構成を示すブロック図である
【図8】第一の実施形態の加算平均化処理手段が、脳磁データに加算平均化処理を施し、脳磁波形を生成する手順を説明するための図である。
【図9】本実施形態の運動機能測定装置によって測定されたデータを表示した図である。
【図10】第二の実施形態の運動機能測定装置の外観斜視図である。
【図11】第二の実施形態の加算平均化処理手段が、脳磁データに加算平均化処理を施し、脳磁波形を生成する手順を説明するための図である。
【図12】運動機能測定装置とともに、心電計を用いて測定する場合を説明するための図である。
【図13】運動センサ部の変形例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0069】
1 運動機能測定装置
2 脳磁場測定部
3 運動測定部
4 運動機能解析部
5 出力部
6 入力部
9 ベッド(支持台)
21 SQUID磁束計
31 運動センサ部
43 データ処理部(解析手段)
311 発信コイル(磁場生成手段)
312 受信コイル(磁場受信手段)
431 運動波形生成手段
432 加算平均化処理手段
433 等磁場線図生成手段
434 電流アローマップ生成手段(電流分布図作成手段)
311c 固定手段




 

 


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