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発明の名称 超音波診断装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−167351(P2007−167351A)
公開日 平成19年7月5日(2007.7.5)
出願番号 特願2005−369062(P2005−369062)
出願日 平成17年12月22日(2005.12.22)
代理人 【識別番号】100075258
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 研二
発明者 園山 輝幸
要約 課題
組織性状の解析に好適な超音波診断装置を提供する。

解決手段
送受信部102は、超音波ビーム方向を変更させながら超音波を送波するBモード送信を実行し、画像形成部106は、Bモード送信によって取得された組織データに基づいてBモード画像を形成する。Bモード画像上のカーソルによって超音波ビーム方向が指定されると、送受信制御部111は送受信部102を制御して、指定された超音波ビーム方向に超音波を繰り返し送波するMモード送信を実行させる。画像形成部106は、Bモード画像上のカーソルによって超音波ビーム方向が指定されると、Bモード画像のフリーズ画像とMモード画像とを並べて表示した表示画像を形成する。
特許請求の範囲
【請求項1】
対象組織を含む空間内に超音波を送受波することによって組織データを取得する超音波診断装置であって、
超音波ビームを走査しながら超音波を送波する走査送信と、指定された走査位置に超音波を繰り返し送波する繰り返し送信と、を選択的に実行する機能を備え、
走査送信を実行して超音波画像を形成し、当該超音波画像が利用されて超音波ビームの走査位置が指定されると、繰り返し送信に切り替えて指定された走査位置に超音波を繰り返し送波する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
請求項1に記載の超音波診断装置において、
前記走査送信として、超音波ビーム方向を変更させながら超音波を送波するBモード送信を実行し、前記繰り返し送信として、指定された超音波ビーム方向に超音波を繰り返し送波するMモード送信を実行する送受波部と、
Bモード送信によって取得された組織データに基づいてBモード画像を形成し、Mモード送信によって取得された組織データに基づいてMモード画像を形成する画像形成部と、
を有し、
Bモード送信を実行してBモード画像を形成し、当該Bモード画像上のカーソルによって超音波ビーム方向が指定されると、Mモード送信に切り替えて、指定された超音波ビーム方向に超音波を繰り返し送波してMモード画像を形成する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項3】
請求項2に記載の超音波診断装置において、
前記画像形成部は、Bモード画像上のカーソルによって超音波ビーム方向が指定されると、当該Bモード画像のフリーズ画像と前記Mモード画像とを並べて表示した表示画像を形成する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項4】
請求項3に記載の超音波診断装置において、
Mモード送信によって取得された組織データのうち、前記Bモード画像のフリーズ画像上に設定された関心領域に対応する組織データに基づいて、対象組織の組織性状を解析する組織性状解析部、
をさらに有する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項5】
請求項4に記載の超音波診断装置において、
前記画像形成部は、前記Bモード画像のフリーズ画像上の関心領域に対応する画像部分に、組織性状の解析結果を反映させた表示処理を施す、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項6】
対象組織を含む空間内に超音波を送受波することによって組織データを取得する超音波診断装置であって、
超音波ビームを走査しながら超音波を送波する走査送信と、指定された走査位置に超音波を繰り返し送波する繰り返し送信と、を選択的に実行する機能を備え、
走査送信によって取得された組織データに基づいて組織形態画像を形成し、
繰り返し送信によって取得された組織データのうち、組織形態画像上に設定された関心領域に対応する組織データに基づいて、対象組織の組織性状を解析する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項7】
請求項6に記載の超音波診断装置において、
前記組織形態画像として形成されるBモード画像と前記繰り返し送信によって取得された組織データに基づいて形成されるMモード画像とを並べて表示した表示画像を形成する画像形成部を有し、
前記関心領域は、表示画像に含まれるBモード画像上に設定される、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項8】
請求項7に記載の超音波診断装置において、
前記画像形成部は、前記Bモード画像上の関心領域に対応する画像部分に、組織性状の解析結果を反映させた着色処理を施す、
ことを特徴とする超音波診断装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置に関し、特に、組織性状の解析などに適した超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波を利用した生体の内部計測は、臓器などの構造や運動をリアルタイムに観測することができ、且つ、非侵襲的な計測であることなどから、医療診断の分野において非常に有効な診断手法となっている。さらに近年では、超音波を利用して臓器の構造や運動を観測することに加え、臓器などから得られた超音波エコー信号に対して、カオス解析などをベースとした組織性状解析を行い、臓器の性状を反映させた特徴量を抽出する技術なども提案されている(特許文献1,2参照)。
【0003】
超音波診断装置を利用した従来の組織性状解析では、超音波診断装置をMモードで動作させてRFデータや画像データを取得し、取得したこれらのデータを例えばコンピュータなどによって解析を行っていた。つまり、コンピュータによってMモード画像を構成し、そのMモード画像内に関心領域を設定して、関心領域内のRFデータや画像データに対して解析を行っていた。
【0004】
【特許文献1】特許第3534667号公報
【特許文献2】特開2005−95327号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、Mモード画像を利用して関心領域を設定する場合、Mモード画像はBモード画像に比べて関心領域の空間的な位置を把握しにくいという問題があった。
【0006】
これに対し、Mモード画像とBモード画像を並べて配置するBMモードが知られているため、そのBMモードを利用して、空間的な位置を把握しつつMモード用の関心領域を設定する手法が考えられる。
【0007】
しかし、従来のBMモードでは、Bモード画像用の複数の超音波ビームのうちからMモード画像用の超音波ビームが選択され、Bモード画像を形成しつつ、選択された超音波ビームによってMモード画像を形成している。このため、従来のBMモードは、Mモードに比べて、Mモード画像用のパルス繰り返し周期が大きくなり、時間分解能の面でMモードよりも劣ってしまう。このように、従来のBMモードは、時間分解能の点で局所的な変化を捉えることができるカオス解析などには不都合な面もあった。
【0008】
以上のように、従来の超音波診断装置では、組織性状の解析に必要な組織データを抽出することに伴ういくつかの問題点があった。
【0009】
本発明は、このような背景において成されたものであり、その目的は、組織性状の解析に好適な超音波診断装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の好適な態様である超音波診断装置は、対象組織を含む空間内に超音波を送受波することによって組織データを取得する超音波診断装置であって、超音波ビームを走査しながら超音波を送波する走査送信と、指定された走査位置に超音波を繰り返し送波する繰り返し送信と、を選択的に実行する機能を備え、走査送信を実行して超音波画像を形成し、当該超音波画像が利用されて超音波ビームの走査位置が指定されると、繰り返し送信に切り替えて指定された走査位置に超音波を繰り返し送波する、ことを特徴とする。
【0011】
上記態様において、走査送信とは、対象組織を含む空間内において超音波ビームの位置や方向などを変化させながら超音波を送波する送信方式であり、例えば、セクタ走査やリニア走査やコンベックス走査などを含んでいる。なお、二次元平面内における平面的な走査に加えて、三次元空間内における立体的な走査が含まれてもよい。また、繰り返し送信には、超音波ビームの位置や方向などを変化させずに超音波を繰り返し送波する送信方式が含まれている。つまり、Mモード画像を形成する場合の送信方式が含まれている。
【0012】
上記態様によれば、超音波ビームの走査位置が指定されると、繰り返し送信に切り替えて指定された走査位置に超音波が繰り返し送波される。このため、指定された走査位置に集中的に超音波を送波することが可能になり、例えば、指定された超音波ビームの走査位置におけるパルス繰り返し周期を小さくすることができる。したがって、例えば、繰り返し送信の方式としてMモード画像用の送信方式を利用した場合に、Mモード画像用のパルス繰り返し周期を小さくすることができ、例えばカオス解析などの組織性状の解析に好適である。
【0013】
望ましい態様において、前記走査送信として、超音波ビーム方向を変更させながら超音波を送波するBモード送信を実行し、前記繰り返し送信として、指定された超音波ビーム方向に超音波を繰り返し送波するMモード送信を実行する送受波部と、Bモード送信によって取得された組織データに基づいてBモード画像を形成し、Mモード送信によって取得された組織データに基づいてMモード画像を形成する画像形成部と、を有し、Bモード送信を実行してBモード画像を形成し、当該Bモード画像上のカーソルによって超音波ビーム方向が指定されると、Mモード送信に切り替えて、指定された超音波ビーム方向に超音波を繰り返し送波してMモード画像を形成する、ことを特徴とする。
【0014】
望ましい態様において、前記画像形成部は、Bモード画像上のカーソルによって超音波ビーム方向が指定されると、当該Bモード画像のフリーズ画像と前記Mモード画像とを並べて表示した表示画像を形成する、ことを特徴とする。
【0015】
望ましい態様において、超音波診断装置は、Mモード送信によって取得された組織データのうち、前記Bモード画像のフリーズ画像上に設定された関心領域に対応する組織データに基づいて、対象組織の組織性状を解析する組織性状解析部をさらに有することを特徴とする。
【0016】
望ましい態様において、前記画像形成部は、前記Bモード画像のフリーズ画像上の関心領域に対応する画像部分に、組織性状の解析結果を反映させた表示処理を施す、ことを特徴とする。
【0017】
また上記目的を達成するために、本発明の好適な態様である超音波診断装置は、対象組織を含む空間内に超音波を送受波することによって組織データを取得する超音波診断装置であって、超音波ビームを走査しながら超音波を送波する走査送信と、指定された走査位置に超音波を繰り返し送波する繰り返し送信と、を選択的に実行する機能を備え、走査送信によって取得された組織データに基づいて組織形態画像を形成し、繰り返し送信によって取得された組織データのうち、組織形態画像上に設定された関心領域に対応する組織データに基づいて、対象組織の組織性状を解析する、ことを特徴とする。
【0018】
上記態様によれば、組織形態画像上に設定された関心領域によって、繰り返し送信で取得された組織データのうちから解析対象となる組織データを抽出することが可能になる。このため、例えば、組織形態画像としてBモード画像を形成することにより、Bモード画像で空間的な位置を把握しつつ、組織性状解析のための関心領域を設定することが可能になる。
【0019】
望ましい態様において、前記組織形態画像として形成されるBモード画像と前記繰り返し送信によって取得された組織データに基づいて形成されるMモード画像とを並べて表示した表示画像を形成する画像形成部を有し、前記関心領域は、表示画像に含まれるBモード画像上に設定される、ことを特徴とする。望ましい態様において、前記画像形成部は、前記Bモード画像上の関心領域に対応する画像部分に、組織性状の解析結果を反映させた着色処理を施す、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明により、組織性状の解析に好適な超音波診断装置が提供される。これにより、例えば、繰り返し送信の方式としてMモード画像用の送信方式を利用した場合に、Mモード画像用のパルス繰り返し周期を小さくすることができる。また、例えば、組織形態画像としてBモード画像を形成することにより、Bモード画像で空間的な位置を把握しつつ、組織性状解析のための関心領域を設定することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1は、本発明に係る超音波診断装置の好適な実施形態が示されており、図1は、本実施形態の超音波診断装置の全体構成を示すブロック図である。
【0023】
プローブ101は、超音波を送受波する超音波探触子である。このプローブ101は、複数の振動素子からなるアレイ振動子を有しており、複数の振動素子が電子的に制御されることによって指向性を備えた超音波ビームが形成される。さらに、複数の振動素子が電子的に制御されることによって超音波ビームの方向が変更され、対象組織を含む空間内において超音波ビームが走査される。検査者は超音波ビームが被検者の対象組織を捉えるようにプローブ101を被検者に当接する。対象組織は、例えば心臓である。心臓の診断を行う場合、プローブ101は、例えば、被検者の胸部に当接される。
【0024】
送受信部102は、振動子アレイに含まれる各振動素子ごとに遅延制御された送信パルスをプローブ101へ出力する。振動素子ごとの遅延量は、送波される超音波が指向性を備えたビームを形成するように制御され、また、形成されるビームの方向に応じて制御される。さらに送受信部102は、プローブ101から得られる各振動素子ごとの受信信号を整相加算する。受信信号はアナログ信号からデジタル信号に変換され、超音波ビームの方向に沿ったRF信号データが形成されて信号処理部103などへ出力される。
【0025】
信号処理部103は、送受信部102から得られるRF信号データに対して検波処理を施し、検波処理されたエコーデータ列を形成する。また、後段の画像形成部106において形成される超音波画像の種類に応じて、検波処理されたエコーデータ列から輝度値を抽出する処理や、ドプラ情報を抽出する処理などを施す。
【0026】
画像形成部106は、診断に応じた超音波画像を形成する。超音波画像としては、Mモード画像、Bモード画像、ドプラ画像などを挙げることができる。本実施形態において、画像形成部106は、少なくともBモード画像とMモード画像を形成する機能を備えている。また、画像形成部106は、生体信号検出部105から出力される生体信号データに基づいて、生体信号波形画像を形成してもよい。画像形成部106で形成された画像はモニタ107に表示される。
【0027】
生体信号は、生体ユニット104を介して被検者から得られる信号であり、例えば、心臓の心拍運動を反映させた心電波形である。生体信号検出部105は、心電波形からR波などの特徴時相を検出し、また、心電波形の波形データ(生体信号データ)を出力する。
【0028】
生体信号検出部105から出力される生体信号データは、画像形成部106へ供給されると共に、送受信制御部111へ出力される。後に詳述するように、送受信制御部111は、生体信号データから得られるR波のタイミングや、操作パネル112を介して行われる検査者の操作に応じて、送受信部102を制御する。
【0029】
メモリ108には、送受信部102から出力されるRF信号データ、画像形成部106において形成される超音波画像の画像データが記憶される。本実施形態では、メモリ108に記憶された各種データに基づいて心臓から得られる組織データが解析される。解析の際には、対象組織である心臓に対して解析領域となる関心領域(ROI)が設定され、設定された関心領域内の組織データが解析される。設定された関心領域や組織データの解析結果などは、画像形成部106によって画像化されてモニタ107に表示される。組織データの解析結果などは外部記憶装置109に記憶されてもよい。
【0030】
操作パネル112は、トラックボールやキーボードやタッチパネルなどの入力デバイスである。検査者は、この操作パネル112を介して本実施形態の超音波診断装置の各種設定を行い、本超音波診断装置は検査者によって設定されたモードなどに応じて動作する。
【0031】
以下、図1の超音波診断装置による組織性状の解析処理について説明する。なお、既に図1に示した部分には、図1の符号を付して説明する。
【0032】
図2は、本実施形態の超音波診断装置による組織データの解析に関する処理を説明するためのフローチャートである。また、図3は、本実施形態の超音波診断装置によって表示される表示画面を示す図である。図3に示す表示画面を参照して、図2のフローチャートの各ステップごとに処理内容を説明する。
【0033】
S201では、Bモード画像が表示される。つまり、検査者が、プローブ101を被検者の胸部などに当接し、また操作パネル112を利用して各種設定操作を行い、対象組織である心臓を含むBモード画像をモニタ107に表示させる。
【0034】
S202では、Mモード用カーソル(Mカーソル)が設定される。つまり、検査者が、モニタ107に表示されたBモード画像上でMカーソルの位置を設定する。その際の表示画面が図3(A)に示されている。
【0035】
図3(A)には、心臓の長軸断面のBモード画像310が示されている。つまり、右室腔内312、中隔313、左室腔内314、左室後壁315の断面が示されている。そしてBモード画像310上には、Mモード用カーソル(Mカーソル)311が表示されている。Mカーソル311は、Bモード画像310を構成する複数のラインのうちの一つのラインを特定するためのカーソルであり、検査者が操作パネル112を利用して、Bモード画像310上でMカーソル311の位置(角度)を変更して、所望の解析部位にMカーソル311を移動させてMカーソル311の位置を設定する。
【0036】
図2に戻り、S203では、設定されたMカーソル上のRF信号データの収集が開始される。つまり、S202で設定されたMカーソルの位置(角度)に超音波ビームが固定され、その固定された超音波ビーム上で超音波の送受波が繰り返し行われる(Mモード送信)ことで、Mモード画像用のデータが収集される。RF信号データは、予め設定されたライン数分だけ収集される。例えば、収集ライン数が10本に設定されている場合には、Mカーソルに対応するビーム上で10回の送受信が繰り返されて、同一ライン上で互いに時間が異なる10本分のラインのRF信号データが収集される。なお、予めライン数を設定せずに、収集開始の指示から収集終了の指示までのRF信号データが収集される構成でもよい。
【0037】
そして、S204では、Bモード画像とMモード画像を並べたB/M画像が表示される。その際の表示画面が図3(B)に示されている。
【0038】
図3(B)には、心臓の長軸断面のBモード画像310とMモード画像320を左右に並べた表示画面(B/M画像)が示されている。Bモード画像310は、図3(A)に示したBモード画像310と同じ内容の画像である。なお、Mカーソルが設定された後にMモード送信に切り替えられるため、図3(B)に示すBモード画像310は、Mカーソルが設定されたタイミング付近のデータによるフリーズ画像である。
【0039】
一方、Mモード画像320は、Mカーソル上のRF信号データによって形成される画像であり、縦軸がビーム方向(深さ軸)であり横軸が時間軸である。本実施形態では、例えば、予め設定された10本分のRF信号データが収集されるため、横軸方向に10本のビームが並べられたMモード画像320が形成される。
【0040】
図2に戻り、S205では、Mカーソルの位置が適切かどうかを判断する。つまり、検査者は、モニタ107に表示されるB/M画像を見て、設定されたMカーソルの位置が適切かどうかを判断する。そして、設定されたMカーソルの位置を変更したければ、操作パネル112を介して再びMカーソルの設定を行う(S202)。設定されたMカーソルの位置が適切であると判断した場合には、操作パネル112を介してMカーソルの設定を確定させる。
【0041】
S206では、確定したMカーソルに基づいてBモード画像上で関心領域(ROI)が設定される。そして、S207では、設定したROIの位置が適切かどうかを判断し、適切でなければ、操作パネル112を利用して再びROIの設定を行う(S206)。
【0042】
図3(C)には、関心領域(ROI)317の設定画面が示されている。検査者は、モニタ107に表示されるB/M画像を見ながら、操作パネル112を利用して、Bモード画像310のMカーソル上にROI317を設定する。ROI317は、解析対象となる組織部位に設定される。図3(C)には、中隔313の内部にROI317が設定された例を示している。つまり、検査者は、Mカーソル上の深さ方向の位置を指定して、中隔313の内部にROI317を設定する。
【0043】
Bモード画像310上にROI317が設定されると、その設定がMモード画像320に反映される。つまり、Mモード画像320の深さ方向において、Bモード画像310のROI317に対応する部分、つまり中隔内部に、MモードROI322が設定される。MモードROI322は、深さ方向の位置と幅をそのままにして、時間軸方向に平行にスライドされ、その結果、矩形状のMモードROI322がMモード画像320内に設定される。
【0044】
検査者は、モニタ107に表示される画像から、設定されたMモードROI322やROI317が適切かどうかを判断する(図2のS207)。例えば、MモードROI322が中隔313の内部に収まっているかどうかなどを確認する。そして、適切でなければ再びBモード画像310上でROI317の設定を行う(図2のS206)。なお、左室後壁315が解析対象となる場合には、Bモード画像310によって左室後壁315の位置を確認して左室後壁315の内部にROI317を設定すればよい。
【0045】
このように、本実施形態では、Bモード画像310を見ながら、解析対象となる組織部位(例えば中隔や左室後壁)の空間的位置を把握しつつ、Mモード画像320にMモードROI322設定することが可能になる。
【0046】
図2に戻り、検査者は、設定したROIの位置が適切であると判断すると、操作パネル112を介してROIの設定を確定させる(S207)。ROIの位置が確定されると、S208では、設定されたROI内の組織データに基づいてカオス解析が実行される。
【0047】
つまり、カオス解析部110は、Mモード画像に設定されたMモードROI(図3(C)符号322)内の組織データに基づいてカオス解析を実行する。組織データとは、信号処理部103によって信号処理される前のRF信号データか、または、画像形成部106において処理された画像データである。カオス解析部110は、メモリ108に記憶されたRF信号データまたは画像データのうち、MモードROI内に相当するデータを抽出して解析を行う。
【0048】
図3(D)には、カオス解析の解析結果を表示する表示画面が示されている。カオス解析によって得られた結果は、数値としてカオス指標値340に表示される。また、Bモード画像310上のROIに対応する画像部分に、カオス解析の結果を反映させた着色処理319が施される。さらに、Bモード画像310のROIに着色された色と、カオス解析の結果値との対応関係を示すためのカラーバー330が表示される。
【0049】
カラーバー330の縦軸は、カオス解析の結果値を示す軸である。カラーバー330は、縦軸に示される結果値に応じて、縦軸方向に沿って徐々に色を変化させた表示態様となっている。このため、Bモード画像310のROIに着色された色と、カラーバー330に表示される色との対応関係から、ROIに着色された色とカラーバー330の縦軸方向の位置が対応付けられ、その結果、ROIに対応する画像部分におけるカオス解析の結果値を読み取ることができる。こうして、解析結果と解析対象部位との対応関係を容易に確認することができる。
【0050】
なお、着色処理319に換えて、白黒の濃淡処理などによってカオス解析の結果値を表示してもよい。また、例えば、疾患と判断されるカオス指標値が得られた場合にだけ、ROIの画像部分に、疾患である旨を示唆する表示態様を施してもよい。
【0051】
本実施形態では、以上に説明した処理によって組織データの解析が行われる。その処理の過程において、送信モードの切り替えが行われている。そこで、本実施形態における送信モードの切り替え処理について詳述する。
【0052】
図4は、本実施形態の超音波診断装置における送信シーケンスを説明するための図である。図4には、複数の信号の対応関係を示すタイミングチャートが示されている。
【0053】
フレーム同期信号402は、フレームの開始終了タイミングを示す信号であり、フレームごとに発生するパルスを含んでいる。また送信ビーム同期信号404は、送信ビームの開始終了タイミングを示す信号であり、送信ビームごとに発生するパルスを含んでいる。
【0054】
Bモード送信ライン番号406は、Bモード画像を形成するためのBモード送信において、各送信ビームに割り当てられた番号を示している。つまり、送信ビーム同期信号404のパルスごとに、各送信ビームに番号が割り当てられている。なお、フレーム同期信号402のパルスごとに、送信ビーム1から送信ビームNが割り当てられている。すなわち、本実施形態では、送信ビーム1から送信ビームNのN本のビームによって一枚のフレーム(一枚のBモード画像)が形成される。
【0055】
Mモード送信ライン番号408は、Mモード画像を形成するためのMモード送信において利用される送信ビーム番号が示されている。R波同期信号410は、生体ユニット104を介して被検者から得られる心電波形に含まれているR波に基づいて形成される。つまり、R波同期信号410に含まれるパルスは、心電波形のR波が確認された直後のフレーム同期信号402に同期して、心電波形のR波が確認される度に発生するパルスである。
【0056】
本実施形態では、カオス解析の解析対象となる組織データ(RF信号データまたは画像データ)の収集指示に応じて送信モードの切り替えが行われる。つまり、まずBモード送信が行われてBモード画像が表示されている状態で、検査者が収集操作(図2のS202におけるMカーソルの設定)を行う。図4において、収集操作されたタイミングが収集操作タイミング412である。
【0057】
収集操作を受けると、送受信制御部111は、収集操作タイミング412後の最初のR波同期信号410のパルスに基づいて送信モードを切り替える。つまり、収集開始タイミング414において、Bモード送信からMモード送信に切り替える。すなわち、Mモード送信ライン番号408に示されるライン番号iの送信ラインに繰り返し超音波を送信するMモード送信を行う。そして、例えば予め設定されているライン数だけMモード送信を行って組織データを収集した後、収集終了タイミング416で収集を終了する。収集終了後は、Mモード送信を停止(FRZ)させる。
【0058】
このように、本実施形態では、収集開始タイミング414において、Bモード送信からMモード送信に切り替えが行われる。このため、Mカーソル(図3の符号311)によって指定された走査位置に集中的に超音波を送波することが可能になり、Bモード送信を併用する場合に比べて、パルス繰り返し周期を小さくすることができる。
【0059】
なお、Bモード送信からMモード送信に切り替えが行われた後は、Bモード送信は行われないものの、モニタ107には、B/M画像(図3(B)参照)が表示され、そのBモード画像部分には、Bモード画像のフリーズ画像が表示されている。このため、図3(C)を利用して説明したように、Bモード画像310(フリーズ画像)を見ながら、解析対象となる組織部位の空間的位置を把握しつつ、Mモード画像320にMモードROI322を設定することが可能になる。
【0060】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上述した実施形態は、あらゆる点で単なる例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明に係る超音波診断装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態における組織データの解析に関する処理を説明するためのフローチャートである。
【図3】本実施形態の超音波診断装置によって表示される表示画面を示す図である。
【図4】本実施形態の超音波診断装置における送信シーケンスを説明するための図である。
【符号の説明】
【0062】
110 カオス解析部、111 送受信制御部、317 関心領域(ROI)、322 MモードROI、319 着色処理、330 カラーバー、340 カオス指標値。




 

 


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