米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 医学 -> アロカ株式会社

発明の名称 超音波診断装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−143606(P2007−143606A)
公開日 平成19年6月14日(2007.6.14)
出願番号 特願2005−338644(P2005−338644)
出願日 平成17年11月24日(2005.11.24)
代理人 【識別番号】100075258
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 研二
発明者 伊藤 安啓
要約 課題
組織の複数時相に亘る運動を視覚的に捕らえる技術を提供する。

解決手段
パターンマッチングの手法を利用して、複数フレームに亘って心筋の動きに伴って線分が動的に設定される。線分群8の各線分は、心筋1の厚さ方向に沿って設定された内膜の特定部位と外膜の特定部位とを結ぶ線分であり、線分の動きは心筋1の動きを捉えたものである。長さの変化グラフ16は、複数フレームに亘って動的に設定される線分の長さの変化を示すグラフであり、基準フレームの線分に対する各フレームの線分の長さを示す縦軸と、各フレームの時相を示す時間軸(横軸)とによって構成される。角度の変化グラフ18は、複数フレームに亘って動的に設定される線分の角度の変化を示すグラフであり、基準フレームの線分に対する各フレームの線分の角度を示す縦軸と、各フレームの時相を示す時間軸(横軸)とによって構成される。
特許請求の範囲
【請求項1】
対象組織を含む空間内に超音波を送受波してエコー信号を取得する送受波手段と、
エコー信号から得られるデータで構成されるデータ空間内において、対象組織の動きに伴って移動する対象組織の二つの特定部位の各々を複数フレームに亘って追跡する特定部位追跡手段と、
各フレームごとに二つの特定部位を結ぶように設定されて対象組織の動きに伴って複数フレームに亘って動的に設定される線分について、その線分の動きを反映させた組織運動の評価画像を形成する評価画像形成手段と、
を有する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
請求項1に記載の超音波診断装置において、
前記評価画像形成手段は、前記評価画像として、複数フレームに亘って動的に設定される線分の角度変化を示す角度変化グラフを形成する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項3】
請求項2に記載の超音波診断装置において、
前記角度変化グラフは、基準フレームの線分に対する各フレームの線分の角度を示す軸と各フレームの時相を示す時間軸とを含む、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項4】
請求項1に記載の超音波診断装置において、
前記評価画像形成手段は、前記評価画像として、複数フレームに亘って設定された複数の線分の画像を所定フレームの対象組織の画像上に重ねて表示した線分表示画像を形成する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項5】
心筋を含む空間内に超音波を送受波してエコー信号を取得する送受波手段と、
エコー信号から得られるデータで構成されるデータ空間内において、心筋の動きに伴って移動する心筋の内膜特定部位と外膜特定部位の各々を複数フレームに亘って追跡する特定部位追跡手段と、
各フレームごとに内膜特定部位と外膜特定部位を結ぶように設定され、心筋の動きに伴って複数フレームに亘って動的に設定される線分について、その線分の動きを反映させた心筋運動の評価画像を形成する評価画像形成手段と、
を有する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項6】
請求項5に記載の超音波診断装置において、
前記評価画像形成手段は、前記評価画像として、複数フレームに亘って設定された複数の線分の画像を、互いに異なる表示態様で所定フレームの心筋の断層画像上に重ねて表示した線分表示画像を形成する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項7】
請求項5に記載の超音波診断装置において、
前記評価画像形成手段は、前記評価画像として、基準フレームの線分に対する各フレームの線分の角度を示す軸と各フレームの時相を示す時間軸とを含む角度変化グラフを形成し、角度変化グラフ上において線分の角度が所定値になる時相にマーカを形成する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置に関し、特に組織の動きを反映させた表示画像を形成する超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置を利用することによって、例えば心臓などの組織の動きを超音波画像として表示することができる。また、ドプラ情報から組織の運動速度を計測することもできる。
【0003】
特許文献1には、ドプラエコーに基づいて複数のサンプルボリュームにおける速度ベクトルを求めて、さらに、心筋の断層画像上の各サンプルボリュームの位置に速度ベクトルに対応した矢印を表示する技術が記載されている(特許文献1第20図参照)。
【0004】
また、特許文献2には、心臓の時系列画像からパターンマッチングなどを用いて各部の位置座標や運動速度を求めて、さらに、運動速度を収縮/拡張方向成分とその他の方向成分とに分類して、収縮/拡張方向成分の速度ベクトルを心臓の画像上に矢印で表示する技術が記載されている(特許文献2第5図参照)。
【0005】
ちなみに、速度ベクトルを超音波画像上に矢印で表示する旨は、特許文献3や特許文献4においても示唆されている。
【0006】
【特許文献1】特開平6−114059号公報
【特許文献2】特開2003−265480号公報
【特許文献3】特開平8−299333号公報
【特許文献4】特開2005−130877号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記各特許文献に記載されているように、組織内の各位置の速度ベクトルを超音波画像上に矢印で表示することにより、各時相ごとに心筋の動きを視覚的に捕らえることが可能になる。しかしながら、組織の複数時相に亘っての運動、例えば、心筋の拡張収縮の1心周期の運動の様子を視覚的に捕らえることは困難であった。
【0008】
本発明は、このような背景において成されたものであり、その目的は、組織の複数時相に亘る運動を視覚的に捕らえる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の好適な態様である超音波診断装置は、対象組織を含む空間内に超音波を送受波してエコー信号を取得する送受波手段と、エコー信号から得られるデータで構成されるデータ空間内において、対象組織の動きに伴って移動する対象組織の二つの特定部位の各々を複数フレームに亘って追跡する特定部位追跡手段と、各フレームごとに二つの特定部位を結ぶように設定されて対象組織の動きに伴って複数フレームに亘って動的に設定される線分について、その線分の動きを反映させた組織運動の評価画像を形成する評価画像形成手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
上記構成では、複数フレームに亘って動的に設定される線分の動きを反映させた組織運動の評価画像が形成される。評価画像としては、例えば、複数フレームに亘って動的に設定される線分の角度変化を示す角度変化グラフが形成される。望ましくは、その角度変化グラフは、基準フレームの線分に対する各フレームの線分の角度を示す軸と各フレームの時相を示す時間軸とを含んでいる。また評価画像として、例えば、複数フレームに亘って設定された複数の線分の画像を所定フレームの対象組織の画像上に重ねて表示した線分表示画像が形成される。上記構成により、角度変化グラフや線分表示画像などの評価画像から、組織の複数時相に亘る運動を視覚的に捕らえることが可能になる。
【0011】
また上記目的を達成するために、本発明の好適な態様である超音波診断装置は、心筋を含む空間内に超音波を送受波してエコー信号を取得する送受波手段と、エコー信号から得られるデータで構成されるデータ空間内において、心筋の動きに伴って移動する心筋の内膜特定部位と外膜特定部位の各々を複数フレームに亘って追跡する特定部位追跡手段と、各フレームごとに内膜特定部位と外膜特定部位を結ぶように設定され、心筋の動きに伴って複数フレームに亘って動的に設定される線分について、その線分の動きを反映させた心筋運動の評価画像を形成する評価画像形成手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
望ましい態様において、前記評価画像形成手段は、前記評価画像として、複数フレームに亘って設定された複数の線分の画像を、互いに異なる表示態様で、所定フレームの心筋の断層画像上に重ねて表示した線分表示画像を形成する、ことを特徴とする。また、望ましい態様において、前記評価画像形成手段は、前記評価画像として、基準フレームの線分に対する各フレームの線分の角度を示す軸と各フレームの時相を示す時間軸とを含む角度変化グラフを形成し、角度変化グラフ上において線分の角度が所定値になる時相にマーカを形成する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、組織の複数時相に亘る運動を視覚的に捕らえることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
まず、図1および図2を利用して本実施形態において実行される追跡処理の原理について説明する。この処理は超音波診断装置において実行されるものであるが、超音波診断装置からデータを取得するコンピュータにおいて実行されてもよい。
【0016】
図1は、対象組織である心筋を含む超音波画像を示している。つまり、図1に示す超音波画像は、心筋1を含む空間内に超音波を送受波して得られるエコー信号から形成されるBモード画像である。なお本実施形態においては、超音波画像として、心筋1や血流の速度を色によって表現するカラードプラ画像を形成してもよい。つまり、エコー信号から得られるドプラ情報に基づいて、心筋1や心筋1に囲まれた心腔内の血流の各位置ごとの速度を算出し、算出された速度を色によって表現したカラードプラ画像を形成してもよい。
【0017】
心筋1は、その厚さを変化させることによって、血液を全身に循環させるポンプとして機能する。このため、心臓の機能の評価において、心筋1の動きの評価は一つの重要な評価要素となる。例えば、心筋梗塞の症状が進むと、心筋1の厚み変化に影響が生じる。本実施形態では、まず、心筋1に対して、内膜の特定部位を指定する内側の端点3と、外膜の特定部位を指定する外側の端点4と、が設定され、これら二つの端点を通る線分2が設定される。端点3および端点4は、心筋1の厚さ方向に沿って、例えばユーザが超音波画像を見ながら所望の位置に設定する。
【0018】
図2は、心筋1の動きを説明するための図であり、図1の線分2近傍の拡大図である。心筋1は厚みを変化させた結果、図2において、内膜面(破線)10´および外膜面(破線)11´で示す輪郭から、内膜面(実線)10および外膜面(実線)11で示す輪郭に変化する。この際、心筋1に対して設定された端点3および端点4の位置の組織部位は、各々、移動点6および移動点7の位置に移動する。
【0019】
端点3や端点4の移動は、Bモード画像からパターンマッチングの手法で確認することができる。つまり、例えば、端点3と端点4が設定されたフレーム(前フレーム)のBモード画像と、移動点6と移動点7が検出されるフレーム(現フレーム)のBモード画像を比較し、端点3の近傍の画像に類似する画像を現フレームから抽出することにより移動点6を検出し、また、端点4の近傍の画像に類似する画像を現フレームから抽出することにより移動点7を検出することができる。パターンマッチングの手法としては、テンプレートマッチング法やPGマッチング法などの公知の技術を挙げることができる。もちろん、本実施形態では、他のパターンマッチング技術が利用されてもよい。端点3や端点4が移動した結果、線分2も線分5へ移動する。
【0020】
本実施形態では、パターンマッチングの手法を利用して、端点3や端点4が複数フレームに亘って追跡され、心筋の動きに伴って線分が動的に設定される。そして、その線分の動きを反映させた組織運動の評価画像が形成される。図3から図8には、本実施形態の超音波診断装置によって形成される評価画像の例が図示されている。
【0021】
図3は、組織運動の評価画像である線分表示画像を示す図である。つまり、所定フレームの心筋1の超音波画像上に、複数フレームに亘って動的に設定される線分群8を重ねて表示した画像である。図3に示すように、複数フレームに亘って動的に設定される複数の線分(線分群8)が、所定フレーム(例えば最新フレーム)の超音波画像上に一括表示されているため、複数フレームに亘る線分の動きを視覚的に容易に捕らえることが可能になる。
【0022】
線分群8の各線分は、心筋1の厚さ方向に沿って設定された内膜の特定部位と外膜の特定部位とを結ぶ線分である。つまり、線分の動きは、心筋1の動き(特に厚さ方向への動き)を捉えたものである。このため、図3に示す線分表示画像から、複数フレームに亘る心筋1の動きを視覚的に捕らえることができる。
【0023】
なお、線分群8に含まれる複数の線分は、その時相に応じて互いに異なる表示態様で表示されてもよい。例えば、各時相ごとに異なる色で線分を表示する。また、各時相ごとに異なる輝度で線分を表示させてもよい。また、線分群8は、例えば、1心拍期間内の線分で構成されてもよい。つまり、心電信号から得られるR波のタイミングを利用して、R波に対応するフレームの線分から次々に得られる線分を重ねて1心拍期間内の線分群8を構成し、次のR波のタイミングでその線分群8を消去してから、次の1心拍期間内の線分群8を再構成する表示態様でもよい。
【0024】
図4は、組織運動の評価画像である長さの変化グラフを示す図である。つまり、図4に示すグラフは、複数フレームに亘って動的に設定される線分の長さの変化を示すグラフであり、基準フレームの線分に対する各フレームの線分の長さを示す縦軸と、各フレームの時相を示す時間軸(横軸)とによって構成される。各線分は、心筋の厚さ方向に沿って設定された内膜の特定部位と外膜の特定部位とを結ぶ線分である。従って、各線分の長さの変化は、心筋の注目部分の厚さの変化に相当する。つまり、図4のグラフから、複数フレーム(複数時相)に亘る心筋の厚さの変化の様子を視覚的に捕らえることができる。
【0025】
なお、心臓の機能を評価する際には、通常、心臓の拡張末期を基準として、縦軸の心筋の厚さ(線分の長さ)を正規化するのが一般的である。また、心筋の厚みの変化を示すストレインε(t)を算出してもよい。ストレインはε(t)=(L(t)−L)/Lで定義される。ここでL(t)は現在注目している時相の心筋の厚さ(線分の長さ)であり、Lは規格化のための特定時相(例えば、拡張末期)における心筋の厚さ(線分の長さ)である。
【0026】
図5は、組織運動の評価画像である角度の変化グラフを示す図である。つまり、図5に示すグラフは、複数フレームに亘って動的に設定される線分の角度の変化を示すグラフであり、基準フレームの線分に対する各フレームの線分の角度を示す縦軸と、各フレームの時相を示す時間軸(横軸)とによって構成される。各線分は、心筋の厚さ方向に沿って設定された内膜の特定部位と外膜の特定部位とを結ぶ線分である。各線分の角度の変化は、心筋の拡張収縮運動におけるねじれ運動などによって発生する。つまり、図4のグラフから、複数フレーム(複数時相)に亘る心筋のねじれ具合などを視覚的に捕らえることができる。
【0027】
図6は、線分表示画像と変化グラフの表示態様を説明するための図であり、図6(A)には、心筋1の超音波画像上に線分群8を重ねて表示した線分表示画像が示されており、図6(B)には、長さの変化グラフ16と角度の変化グラフ18が示されている。図6は、例えば、本実施形態の超音波診断装置のモニタ(表示器)に表示される表示画面の構成例であり、図6に示すように、例えば、画面左側に線分表示画像が表示されて画面右側に長さの変化グラフ16と角度の変化グラフ18が表示される。
【0028】
長さの変化グラフ16と角度の変化グラフ18にはマーカ20が形成されている。マーカ20は、線分の長さが所定値になる時相あるいは線分の角度が所定値になる時相に付される。例えば、角度の変化グラフ18上において線分の角度が0(ゼロ)になる時相にマーカ20が形成される。このように、マーカ20は、複数の時相のうちの特定の時相(特定のフレーム)を示している。なお、マーカ20は、図6に示す直線形状に限定されない。例えば、長さの変化グラフ16や角度の変化グラフ18の時間軸(横軸)上に矢印などが施されても良い。また、図6(A)に示す線分表示画像の線分群8のうち、マーカ20に対応する時相の線分に対して太線などの強調処理を施してもよい。マーカ20は、操作者によって所定の時相に設定されてもよい。
【0029】
図1から図6を利用した説明では、心筋(図1の符号1)に対して1本の線分(図1の符号2)のみが設定されていた。しかしながら、心筋の複数の関心部位に複数の線分が設定されてもよい。
【0030】
図7は、複数の関心部位に複数の線分が設定された場合の評価画像を示す図である。つまり、心筋1の互いに異なる複数の関心部位に、線分2a〜2dが設定されている。各線分2a〜2dは、各々、図1を利用して説明したように二つの端点によって設定される。そして、各線分2a〜2dごとに線分群(図3の符号8)が形成され、また、各線分2a〜2dごとに長さの変化グラフ(図6の符号16)や角度の変化グラフ(図6の符号18)が形成される。
【0031】
なお、図7に示すように、互いに異なる複数の関心部位に設定された線分2a〜2dは、互いに異なる表示態様で表示されることが望ましい。つまり、線分の色、太さ、線種、輝度などによって線分が互いに区別できる表示態様が望ましい。さらに、各線分2a〜2dごとに、時相に応じて表示態様を変化させてもよい。また、各線分2a〜2dごとに、特定の時相の線分のみを表示させてもよい。例えば、各線分2a〜2dごとに、線分の長さが最大となる時相の線分のみを表示させてもよいし、線分の角度がゼロとなる時相の線分のみを表示させてもよい。
【0032】
図8は、複数の関心部位に複数の線分が設定された場合の評価画像の表示例を示す図である。表示画像90は、線分の長さまたは角度の変化グラフ群92、カラードプラ画像100、Bモード画像102を含んでいる。なお、図示の都合上、カラードプラ画像100において速度に応じた色の表現を省略しているが、実際には、対象組織である心筋の断層画像上の各部に、その速度に応じた色が施される。
【0033】
変化グラフ群92は、複数の線分の各々についての変化グラフバー80で構成される。各変化グラフバー80は、各線分の長さの変化グラフ(図6の符号16)または角度の変化グラフ(図6の符号18)に対応するものであるが、以下においては、各変化グラフバー80は、各線分の角度の変化グラフに対応するものとして説明する。各変化グラフバー80は、各時刻ごとの線分の角度を色で識別できるように配色されて時間軸方向に延びたバーである。図示の都合上、図8において、各変化グラフバー80の色は省略しているが、実際には、各変化グラフバー80には、各時刻ごとの線分の角度が色によって表現されている。
【0034】
変化グラフ群92は、複数の変化グラフバー80を、時相が揃うように並べることにより形成されたものである。図8においては、横方向に時間軸が伸びている。従って、横軸の所定の位置(時刻)において、縦方向に複数の変化グラフバー80の色を見ることにより、同じ時刻(同じ時相)における複数の線分の角度を確認することができる。
【0035】
変化グラフ群92に反映される変化グラフバー80は、複数の線分に対応している。そして、これら複数の線分は、カラードプラ画像100およびBモード画像102に表示される。つまり、カラードプラ画像100およびBモード画像102内の心筋1に対して、複数の関心部位の各々に線分2が設定されている。図8においては、10箇所の関心部位に10本の線分2が設定されている。
【0036】
各線分2と各変化グラフバー80との対応関係を明示するため、線分番号94が示されている。この線分番号94には、対応する線分2に応じた色が施される。つまり、例えば、Bモード画像102上の10本の線分2の各々に対して、互いに異なる色が施され、そして、線分番号94の各々の番号に、その番号に対応する線分2と同じ色が施され、線分番号94と線分2との対応関係が色によって示される。さらに、線分番号94の各番号が、対応する変化グラフバー80の隣に配置されることにより、各変化グラフバー80と線分2との対応関係が明らかになる。
【0037】
さらに、本実施形態では、所定期間内における角度の特徴値が各変化グラフバー80ごとに抽出され、複数の変化グラフバー80における角度の特徴値を結んだ特徴ライン96を表示してもよい。特徴ライン96は、例えば、各変化グラフバー80の角度の最大値を結ぶラインであり、あるいは、各変化グラフバー80の角度の0(ゼロ)値を結ぶラインである。もちろん、ユーザによって設定された基準値を結ぶ特徴ライン96を形成してもよい。
【0038】
変化グラフ群92は、複数の変化グラフバー80を、時相が揃うように並べることにより形成されたものである。仮に、心臓内の各部分が一様に心拍運動を行っている場合を想定すると、線分2が設定された複数の関心部位において一様な運動が計測され、特徴ライン96が、図の上下方向に一直線に延びる波形となる。ただし、実際には、心臓内の各部分は必ずしも完全に一様な心拍運動を行うとは限らないため、各特徴ライン96は直線からずれて、折れ線状の波形となる。このため、折れ線状に形成される各特徴ライン96の直線からのずれに基づいて、心拍運動の一様性を評価することができる。例えば、心臓の収縮が一様ではなくなるアシンクロニーなどの病状を診断する際に、特徴ライン96は極めて有効である。
【0039】
次に本実施形態の超音波診断装置の装置構成について説明する。
【0040】
図9は、本実施形態の超音波診断装置の機能ブロック図である。プローブ50は、超音波を送受波する送受波器である。本実施形態において、プローブ50内には複数の振動素子からなるアレイ振動子が設けられており、そのアレイ振動子によって超音波ビームが形成される。超音波ビームは本実施形態において電子セクタ走査方式によって電子走査され、これによって扇状の走査面が構築されている。ちなみに、1つの送信ビーム当たり複数の受信ビームを同時形成する制御を適用することも可能であり、またプローブ50がいわゆる3Dプローブであってもよい。例えば心臓の超音波診断を行う場合には、生体の胸部表面上に当接されるプローブ50の位置及び姿勢が適正に調整される。その場合においては表示器に表示される例えばBモード画像などが観察される。組織ドプライメージング法(TDI法)を実行するために、各ビームアドレスごとに複数回の超音波の送受信が実行されてもよい。
【0041】
送受信部52はデジタルビームフォーマーとして構成されている。すなわち送受信部52は送信ビームフォーマー及び受信ビームフォーマーを有している。送信ビームフォーマーによってアレイ振動子に対して複数の送信信号が供給され、これによって送信ビームが形成される。一方、アレイ振動子から出力される複数の受信信号が受信ビームフォーマーにおいて整相加算処理され、これによって整相加算後の受信信号が得られる。すなわち受信ビームに対応した受信信号が得られることになる。送受信部52から出力される受信信号は組織エコー処理部56及び組織速度処理部58へ出力される。
【0042】
組織エコー処理部56は、組織エコー画像を形成するための各種の信号処理を実行している。その処理には、例えば対数変換処理などが含まれる。そして、スキャンコンバート部64において、座標変換処理や補間処理などが行われる。つまり、スキャンコンバート部64はいわゆるDSC(デジタルスキャンコンバータ)の機能を備えている。組織エコー処理部56およびスキャンコンバート部64による処理を経て、各フレームのデータが出力され、そして2Dエコー画像処理部68において2次元のBモード画像の画像データが形成される。
【0043】
なお、組織エコー処理部56の後段にはシネメモリ60が設けられており、シネメモリ60には座標変換前の各フレームのデータが時系列順で格納される。スキャンコンバート部64において処理された座標変換後の各フレームのデータを保存するメモリが設けられてもよい。
【0044】
組織速度処理部58は、ドプラ処理部として機能するものであり、送受信部52から出力される受信信号に対して複素信号変換処理、自己相関演算処理などを実行し、これによって組織の速度情報を演算している。そして、スキャンコンバート部62において、座標変換処理や補間処理などが行われ、さらに2D速度画像処理部70において、各組織部位ごとに速度の正負及びその値に応じた色を施したカラー画像(カラードプラ画像)の画像データが形成される。なお、組織速度処理部58の後段にはシネメモリ60が設けられており、組織速度処理部58から出力される各フレームのデータが時系列順で格納される。
【0045】
本実施形態において、シネメモリ60には、組織エコー処理部56で処理された組織エコーデータと組織速度処理部58で処理された組織速度データが格納される。これら二種類のデータは、一定の時間範囲内における時系列順の複数のデータが互いに対応付けられて格納されている。シネメモリ60はリングバッファ構造を有しており、最新のフレームから過去一定時間前のフレームまでの時間範囲内にわたってフレーム列を格納する機能を有する。シネメモリ60を利用することにより、そこに格納されているフレーム列を後に読み出してループ再生させることなどが可能である。
【0046】
なお、シネメモリ60に一時的に保存されたデータを、外部記録メディア54へ記憶することにより、シネメモリ60の容量を超えた長時間に亘るフレームデータの格納も可能となる。本実施形態においては、例えば、シネメモリ60又は外部記録メディア54に記憶された一定の時間範囲内における時系列順の複数のフレームデータに対して各種処理が実行される。
【0047】
端点トラッキング部66は、組織エコー処理部56およびスキャンコンバート部64による処理を経て出力される各フレームの組織エコーデータ(Bモード画像用のデータ)に基づいて、心筋の内側の端点と外側の端点をトラッキングする。つまり、端点トラッキング部66は、図1および図2を利用して説明したように、パターンマッチングの手法を利用して、心筋の動きに伴って移動する内側の端点と外側の端点を複数のフレームに亘って追跡する。また、端点トラッキング部66は、組織速度処理部58およびスキャンコンバート部62による処理を経て出力される各フレームの組織速度データ(カラードプラ画像用のデータ)に対しても、Bモード画像の場合と同様に、心筋の内側の端点と外側の端点をトラッキングする。
【0048】
評価画像形成部72は、複数フレームに亘って追跡された二つの端点から得られる線分に基づいて、心筋運動の評価画像を形成する。つまり、評価画像形成部72は、線分表示画像(図3参照)、長さの変化グラフ(図4参照)、角度の変化グラフ(図5参照)を形成する。また、評価画像形成部72は、線分表示画像と変化グラフを同時表示させた画像(図6参照)、複数の関心部位に複数の線分が設定された場合の評価画像(図8参照)を形成する。
【0049】
ストレイン演算部74は、評価画像形成部72において得られる線分の長さ、つまり、心筋の厚さから、心筋の厚みの変化を示すストレインε(t)を算出する。前述のとおり、ストレインはε(t)=(L(t)−L)/Lで定義される。
【0050】
合成処理部76は、入力される複数の画像データの中から表示モードに応じて選択された複数の画像データを合成して1つの表示画像を構成するモジュールである。合成処理部76から出力される画像データは表示器78に出力され、表示器78上には、例えば、図6や図8に示した評価画像などが表示される。表示器78は例えばCRTによって構成されてもよいし、液晶ディスプレイによって構成されてもよい。あるいは、合成処理部76の後段にCRT及び液晶ディスプレイの2つのディスプレイを接続し、一方をメインディスプレイとし、他方をサブディスプレイとしてもよい。
【0051】
制御部82は超音波診断装置が有する各構成の動作制御を行っている。この制御部82はCPU及び動作プログラムによって構成されるものである。図9において符号200で示す表示処理部は本実施形態において制御部82とは別のモジュールとして示されているが、表示処理部200がCPU及び処理プログラムによって構成されてもよい。あるいは、表示処理部200が専用のハードウエアによって構成されてもよい。あるいは、表示処理部200が有する機能の内で一部の機能のみがソフトウエア処理によって実現され、残りがハードウエアによって実現されてもよい。
【0052】
制御部82は、本実施形態においてシネメモリ60の動作制御を行っている。シネメモリ60は半導体メモリなどによって構成されており、それらにはフレーム列が格納される。制御部82の制御によってそれらに格納されたフレーム列に対するループ再生などが実行される。例えば、シネメモリ60に対してループ再生の指示が出されると、そこに格納された時系列順のフレーム列が順番に呼び出されて表示器78に動画像として表示されることになる。なお、本実施形態における画像形成処理はリアルタイムで行うことも可能である。また、フリーズ後の画像データや、装置内あるいは外部記録メディア54などに記憶された画像データを処理対象としてもよい。
【0053】
入力部84は操作パネルなどによって構成され、その入力部84を利用して、ユーザが、端点の設定、時相の指定、表示モードの選択などを行うことができる。心電計86から出力される心電信号は制御部82に出力される他に、合成処理部76に出力されている。心電信号は上述したループ再生における同期信号として用いられ、また表示器78上には心電波形が表示されてもよい。
【0054】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上述した実施形態は、あらゆる点で単なる例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】対象組織である心筋を含む超音波画像を示す図である。
【図2】心筋の厚みの変化を説明するための図である。
【図3】線分表示画像を示す図である。
【図4】長さの変化グラフを示す図である。
【図5】角度の変化グラフを示す図である。
【図6】線分表示画像と変化グラフの表示態様を説明するための図である。
【図7】複数の関心部位に複数の線分が設定された場合の評価画像を示す図である。
【図8】複数の関心部位に複数の線分が設定された場合の評価画像の表示例を示す図である。
【図9】本実施形態の超音波診断装置の機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0056】
1 心筋、2 線分、3,4 端点、66 端点トラッキング部、72 評価画像形成部。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013