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発明の名称 超音波探触子及びそれに用いるバッキング
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−130385(P2007−130385A)
公開日 平成19年5月31日(2007.5.31)
出願番号 特願2005−328791(P2005−328791)
出願日 平成17年11月14日(2005.11.14)
代理人 【識別番号】100075258
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 研二
発明者 小林 和裕
要約 課題
リードアレイを内蔵したバッキングにおいて、その下面に形成される各パッドのサイズを大きくする。

解決手段
バッキングの下面にはリード下端アレイが形成され、それに対して複数のリード下端サブアレイ34が設定される。リード下端サブアレイ34は2以上のリード下端列26によって構成される。各リード下端サブアレイ34においてはY方向における各区画ごとに1つのリード下端のみが存在するように各リード下端の位置が定められる。これによって、各区画のX方向のサイズを増大できる。リード下端間のピッチを増大すれば、Y方向のサイズも増大できる。
特許請求の範囲
【請求項1】
複数の振動素子を有するアレイ振動子と、
前記アレイ振動子の下面側に設けられ、X方向に並んだ複数の基板を有するバッキングと、
前記バッキングの下面に形成されたパッドアレイと、
を含み、
前記各基板には、Y方向に並んだ複数のリードからなるリード列が形成され、これにより、前記バッキング内には、複数のリード列からなるリードアレイが構成され、
前記各リード列は前記バッキングの下面に表れるリード下端列を有し、これにより、前記バッキングの下面には、複数のリード下端列からなるリード下端アレイが構成され、
前記リード下端アレイにおけるn(但し、nは2以上の整数)個のリード下端列からなるリード下端サブアレイごとに、Y方向においてリード下端位置を互いに異ならせたシフト関係が成立し、
前記パッドアレイは、前記リード下端アレイに接続され、X方向においてn個の基板に跨ったサイズを有する複数のパッドを有する、
ことを特徴とする超音波探触子。
【請求項2】
請求項1記載の超音波探触子において、
前記バッキングの上面には、前記複数のリード列に対応した複数のリード上端列からなるリード上端アレイが構成され、
前記リード上端アレイにおけるX方向の最小ピッチは、前記アレイ振動子におけるX方向の基本ピッチに一致し、
前記リード下端アレイにおけるX方向の最小ピッチは、前記アレイ振動子におけるX方向の基本ピッチのn倍に相当する、
ことを特徴とする超音波探触子。
【請求項3】
請求項2記載の超音波探触子において、
前記各リード列は、リード上端列からリード下端列に向けてY方向に広がった形態を有し、
前記リード上端アレイにおけるY方向の最小ピッチは、前記アレイ振動子におけるY方向の基本ピッチに一致し、
前記リード下端アレイにおけるY方向の最小ピッチは、前記アレイ振動子におけるY方向の基本ピッチよりも大きい、
ことを特徴とする超音波探触子。
【請求項4】
請求項3記載の超音波探触子において、
前記バッキングは、直方体形状を有し、
前記バッキングの上面には、前記リード上端アレイ以外の領域としてマージン領域が形成された、
ことを特徴とする超音波探触子。
【請求項5】
請求項1記載の超音波探触子において、
前記アレイ振動子はスパース型2Dアレイ振動子であることを特徴とする超音波探触子。
【請求項6】
請求項1記載の超音波探触子において、
前記nは2であることを特徴とする超音波探触子。
【請求項7】
請求項1記載の超音波探触子において、
当該超音波探触子は体腔内挿入型超音波探触子であることを特徴とする超音波探触子。
【請求項8】
アレイ振動子の下面側に設けられる超音波探触子用バッキングにおいて、
当該バッキングは、X方向に並んだ複数のリード列からなるリードアレイを内蔵し、
前記各リード列は、Y方向に並んだ複数のリードで構成され、
前記リードアレイは、当該バッキングの上面に構成される複数のリード上端列からなるリード上端アレイと、当該バッキングの下面に構成される複数のリード下端列からなるリード下端アレイと、を有し、
前記リード下端アレイは、X方向に並んだ複数のリード下端サブアレイに区分され、
前記各リード下端サブアレイは、n(但し、nは2以上の整数)個のリード下端列によって構成され、
前記各リード下端サブアレイにおいては、前記n個のリード下端列の相互間でY方向における各リード下端位置が揃わないように互いにずらされたシフト関係が成立する、
ことを特徴とする超音波探触子用バッキング。
【請求項9】
請求項8記載の超音波探触子用バッキングにおいて、
前記バッキングは、X方向に第1ピッチで整列した複数の基板を有し、前記各基板にはリード列が形成され、
前記リード下端アレイにおけるX方向の最小ピッチとしての第2ピッチは、前記第1ピッチのn倍のピッチである、
ことを特徴とする超音波探触子用バッキング。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は超音波探触子及びそれに用いるバッキングに関し、特に、バッキング内に埋設されるリードアレイの構成に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波探触子には、アレイ振動子、整合層、バッキング、等が設けられる。アレイ振動子としては、1Dアレイ振動子及び2Dアレイ振動子などが知られており、後者の2Dアレイ振動子の一種としてスパース型アレイ振動子も知られている。一般的な2Dアレイ振動子は、二次元配列された多数の振動素子で構成される。スパース型アレイ振動子は、チャンネル数を削減して信号線の本数を少なくするために利用され、分散的に設定された複数の有効振動素子を用いて超音波の送受信がなされる。有効振動素子は、送信用振動素子、受信用振動素子、又は、送受信用振動素子として機能する。
【0003】
2Dアレイ振動素子を構成する複数の振動素子のそれぞれに対して信号ラインを接続するために、リードアレイを内蔵したバッキングが利用される。すなわち、各振動素子の下面側(非生体側)から信号ラインを接続するものである。バッキング内にリードアレイを埋設するため、一般に、バッキングに所定間隔で複数のバッキング内部配線用のフレキシブル回路(FPC)基板あるいはその他の基板(以下、内部配線用基板という)が設けられる(下記の特許文献1参照)。各内部配線用基板は複数のリードからなるリード列を有するものである。このタイプの超音波探触子においては、複数のリード列によってリードアレイが構成される。
【0004】
バッキングの下面側においては、一般に、リードアレイに対して、外部配線用のフレキシブル回路(FPC)基板あるいはその他の基板(以下、外部配線用基板という)が接続される。そのため、バッキングの下面には、パッド(電極)アレイが形成され、また、接続用基板の側にもパッドアレイが形成される。つまり、2つのパッドのコンタクトによって、各リードに対して信号ラインが接続される。なお、外部配線用基板には、導通用ラインの他、アンプやスイッチング回路などが搭載される場合もある。
【0005】
2Dアレイ振動子においては素子微細化が進んでいる。素子間ピッチは、例えば、0.1〜0.2mmである。リードアレイを構成する複数のリードがそれぞれストレートに伸びて互いに並行関係にある場合、リードアレイにおける上端部及び下端部のいずれにおいても、素子間ピッチと同様、非常に小さいリード間ピッチとなる。これに伴い、バッキングの下面において、個々のパッドアレイを非常に小さく形成しなければならない。このため、パッドアレイと上記外部配線用基板とを電気的に接続する際、高精度の位置決めが必要となり、その作業が困難な状況にある。
【0006】
特に、上記の外部配線用基板として、両面基板(両面に導通パターンが形成された基板)、多層基板(内部にも1又は複数の導通パターンが形成された基板)、等を用いる場合、当該基板における必要な箇所にパッドと共にスルーホールが形成されるが、スルーホールのサイズを小さくすることには限度があるため、当該基板における各パッドのサイズを微細化することは難しい。スルーホールのサイズを非常に小さくして、またその位置決めを高精度に行うことにより、外部配線用基板における各パッドを微細化することも可能であるが、やはり接続作業は困難であり、素子微細化の流れにあっても、外部配線用基板に形成される各パッドのサイズをある程度確保したい要望がある。
【0007】
特許文献1には、2Dアレイ振動子及びバッキングが開示されており、バッキング内には、整列した複数のフレキシブル基板が設けられている。特許文献2には、リードアレイが内蔵されたバッキングが開示されている。ここで、リードアレイは、下面側(非生体側)へ広がった形態を有する。特許文献3にはリードアレイを内蔵したバッキングが開示されている。このバッキングにおいても、リードアレイは下面側へ広がった形態を有する。
【0008】
【特許文献1】特開2001−309493号公報
【特許文献2】特開2002−345094号公報
【特許文献3】特開2003−265476号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1に記載された構成においては、複数のフレキシブル基板が並行に配列されているため、また、フレキシブル基板間でリード列の形成に当たって特別な工夫が施されていないため、バッキング下面に形成される各パッドのサイズを大きくすることは困難である。上記の特許文献2、3に記載された構成においては、放射状に広がるリードアレイによって、バッキングの下面に形成される各パッドのサイズを大きくすることができる。しかし、それらの特許文献には、複数のリード列についてリード列パターンを互いに調整することにより、結果として、パッドのサイズを増大させることについては記載されていない。
【0010】
本発明の目的は、バッキング下面においてリード間ピッチを拡大することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、バッキング下面において第1の方向にリード間ピッチを拡大すると共に第2の方向についてもリード間ピッチを拡大することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)本発明は、複数の振動素子を有するアレイ振動子と、前記アレイ振動子の下面側に設けられ、X方向に並んだ複数の基板を有するバッキングと、前記バッキングの下面に形成されたパッドアレイと、を含み、前記各基板には、Y方向に並んだ複数のリードからなるリード列が形成され、これにより、前記バッキング内には、複数のリード列からなるリードアレイが構成され、前記各リード列は前記バッキングの下面に表れるリード下端列を有し、これにより、前記バッキングの下面には、複数のリード下端列からなるリード下端アレイが構成され、前記リード下端アレイにおけるn(但し、nは2以上の整数)個のリード下端列からなるリード下端サブアレイごとに、Y方向においてリード下端位置を互いに異ならせたシフト関係が成立し、前記パッドアレイは、前記リード下端アレイに接続され、X方向においてn個の基板に跨ったサイズを有する複数のパッドを有する、ことを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、バッキングの下面に構成されるリード下端アレイ(X方向に整列した複数のリード下端列)において、n個のリード下端列を単位とする、複数のリード下端サブアレイが設定される。各リード下端サブアレイにおいては、X方向に直交したY方向について所定のシフト関係が成立するように、個々のリード下端のY方向位置が定められる。つまり、各リード下端サブアレイ内において、Y方向における各位置には、基本的に、いずれか1つのリード下端だけが存在することが許容され、複数のリード下端が同じ位置に同時に存在することが禁止される(この場合、リード下端が存在しない位置があってもよい)。このような条件に従って、各リード下端の位置を定めれば、n個の基板を単位として、n個の基板に跨ってパッド列が形成されることになる。パッド列はY方向に並んだ複数のパッドで構成され、各パッドは、基本的に、1つのリード下端に電気的に接続される(この場合、いずれのリード下端も存在しないY方向位置にダミーパッドを設けてもよい)。
【0014】
なお、リード下端サブアレイ内に、同一の送信信号を並列供給する場合(分岐の場合)、あるいは、複数の受信信号を共通信号線に流し込む場合(合流の場合)には、リード下端サブアレイ内において、複数のリード下端を同一のY方向位置に設定することも可能である。つまり、そのような場合には特定の複数のリード下端を電気的に分離して取り扱う必要がないためである。上記の所定のシフト関係は、互いに電気的に分離して取り扱う必要がある複数のリード(複数のリード下端)に対して適用される条件である。
【0015】
上記構成によれば、Y方向におけるパッドピッチを基板間ピッチよりも増大させることが可能である。例えば、複数の基板が平行に整列配置される場合には、パッドピッチを基板間ピッチのn倍にすることができる。各基板の厚み(又は各基板間サイズ)を上方から下方へ増大させれば、更にY方向における基板間ピッチを増大させることもできる。一方、各基板を平板プレートの形態とすれば製作が容易となる。なお、Y方向についても、以下に説明するように、パッドピッチを増大させることが可能である。上記の手法は、スパースアレイ型のアレイ振動子用のバッキングに対して適用するのが望ましいが、通常の2Dアレイ振動子用のバッキングに対して適用することも可能である。
【0016】
望ましくは、前記バッキングの上面には、前記複数のリード列に対応した複数のリード上端列からなるリード上端アレイが構成され、前記リード上端アレイにおけるX方向の最小ピッチは、前記アレイ振動子におけるX方向の基本ピッチに一致し、前記リード下端アレイにおけるX方向の最小ピッチは、前記アレイ振動子におけるX方向の基本ピッチのn倍に相当する。上記のX方向の基本ピッチは、通常の2Dアレイ振動子の場合には素子間ピッチに相当し、スパースアレイ型の2Dアレイ振動子の場合には最小の素子間ピッチに相当する。
【0017】
望ましくは、前記各リード列は、リード上端列からリード下端列に向けてY方向に広がった形態を有し、前記リード上端アレイにおけるY方向の最小ピッチは、前記アレイ振動子におけるY方向の基本ピッチに一致し、前記リード下端アレイにおけるY方向の最小ピッチは、前記アレイ振動子におけるY方向の基本ピッチよりも大きい。この構成によれば、X方向についてパッド間ピッチを増大でき、同時に、Y方向についてもパッド間ピッチを増大できる。
【0018】
望ましくは、前記バッキングは、直方体形状を有し、前記バッキングの上面には、前記リード上端アレイ以外の領域としてマージン領域が形成される。バッキングの形態を上方から下方に向かって大きくなったピラミッド型の形態にすることもできるが、上記構成を採用すれば、バッキングの形態がシンプルであるため、それを簡易に形成できる。
【0019】
望ましくは、前記アレイ振動子はスパース型2Dアレイ振動子である。スパース型の場合には有効振動素子が分散設定されるため、逆に言えば隙間が多くなる傾向にあるため、上記のシフト関係を成立させ易い。つまり、バッキングについてY方向の過剰な肥大を防止できる。なお、スパース型2Dアレイ振動子は、例えば、複数の有効素子及び複数の無効振動素子(ダミー振動素子)で構成されるが、後者については設けなくてもよい。望ましくは、前記nは2である。もちろん、nを3以上の整数とすることもできる。
【0020】
望ましくは、当該超音波探触子は体腔内挿入型超音波探触子である。勿論、体表面に当接して用いられる超音波探触子及びその他の超音波探触子に本発明を適用することもできる。
【0021】
(2)本発明は、アレイ振動子の下面側に設けられる超音波探触子用バッキングにおいて、当該バッキングは、X方向に並んだ複数のリード列からなるリードアレイを内蔵し、前記各リード列は、Y方向に並んだ複数のリードで構成され、前記リードアレイは、当該バッキングの上面に構成される複数のリード上端列からなるリード上端アレイと、当該バッキングの下面に構成される複数のリード下端列からなるリード下端アレイと、を有し、前記リード下端アレイは、X方向に並んだ複数のリード下端サブアレイに区分され、前記各リード下端サブアレイは、n(但し、nは2以上の整数)個のリード下端列によって構成され、前記各リード下端サブアレイにおいては、前記n個のリード下端列の相互間でY方向において各リード下端位置が揃わないように互いにずらされたシフト関係が成立する、ことを特徴とする。
【0022】
望ましくは、前記バッキングは、X方向に第1ピッチで整列した複数の基板を有し、前記各基板にはリード列が形成され、前記リード下端アレイにおけるX方向の最小ピッチとしての第2ピッチは、前記第1ピッチのn倍のピッチである。
【0023】
(3)上記のバッキングは、例えば、複数の基板(例えば、フレキシブル回路基板)と複数のスペーサ板とをX方向に互い違いに積層して積層体を形成することによって構成できる。あるいは、そのような積層方法を利用するのではなく、型枠内にリードアレイ(又は複数の基板)を配置して、型枠内にバッキング材料を流し込んで、それを硬化させるようにしてもよい。また、バッキング材料に複数のスリットを形成し、各スリットに基板を差し込むことにより、積層体を構成することもできる。スパース型2Dアレイ振動子用のバッキングにおいて、複数の基板を用いる場合、各基板ごとにそれぞれ所定のパターンでリードアレイが形成される。バッキング組立時にはそれらの基板が適正な順序で位置決めされる。
【0024】
バッキングが直方体で形成される場合、その下面におけるY方向のサイズ(最小サイズ)は、リード下端サブアレイ(n個のリード列)に含まれる最大のリード数(最大の振動素子数に相当)に、Y方向のパッド間ピッチ、を乗算した値として計算することができる。一般に、nを増大すれば、パッド間ピッチ一定の前提の下では、バッキングのY方向サイズが増大する。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように、本発明によれば、バッキング下面においてリード間ピッチを拡大することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
図1には、本発明に係る振動子アセンブリの好適な実施形態が示されており、図1はその斜視図である。この振動子アセンブリは、後に説明するように、超音波探触子内に組み込まれるものである。超音波探触子は、生体に対して超音波診断を行って超音波画像を形成する超音波診断装置本体に接続される。
【0028】
図1において、アレイ振動子10は2Dアレイ振動子であり、本実施形態においては、2Dアレイ振動子として、スパース型2Dアレイ振動子が利用されている。スパース型2Dアレイ振動子は、後に図2を用いて説明するように、X方向及びY方向に整列した複数の振動素子によって構成され、それらの振動素子は複数の有効振動素子及び複数の無効振動素子(ダミー振動素子)によって構成される。それぞれの有効振動素子は本実施形態において送信用振動素子又は受信用振動素子である。もちろん、送受信兼用の振動素子が用いられてもよい。図1においては、1つの有効振動素子が符号11によって例示されている。なお、無効振動素子についてはそれを2Dアレイ振動子から除外するようにしてもよい。
【0029】
アレイ振動子10の上面側には1つ又は複数の整合層が設けられる。各整合層は複数の振動素子に対応して設けられた複数の整合素子によって構成される。それらについては図示省略されている。振動子アセンブリは図示されていない探触子ケース内に配置されるが、図1においては探触子ケースが図示省略されている。
【0030】
2Dアレイ振動子10の下面側には、後方に放射された超音波を散乱及び、吸収するためのバッキング12が設けられている。図1に示す例において、バッキング12は、複数の基板(図においてA−H)と、複数のスペーサ14とで構成され、それらが互い違いに配列されている。その配列方向はX方向である。ちなみに、Y方向はX方向に直交する水平方向である。更に、X方向及びY方向に直交する方向としてZ方向が定義される。スペーサ14はバッキング材料によって構成されるものである。
【0031】
各基板(A−H)にはそれぞれリード列20が形成されている。リード列20はY方向に並んで設けられた複数のリード20によって構成される。リード列20の上端部は複数のリード上端からなるリード上端列24を構成している。リード列20の下端部は複数のリード下端22bによって構成されるリード下端列26を構成している。各リード上端22aはバッキング12における上面12Aに現れており、各リード下端22bはバッキング12における下面12Bに現れている。リード列20においては、その上端部がY方向において中央部寄りに集合しており、その下端部はY方向に広がっている。すなわち、リード列20は上方から下方にかけて広がった末広型の形態を有する。以下に詳述するように、各基板におけるリード列20のアレイパターン(特にリード下端列26の配列)は、それぞれの基板ごとに所定のシフト関係が成立するように決定されている。
【0032】
図1において、バッキング12の上面12Aにおける符号100で示される領域は2Dアレイ振動子10が接合される領域である。Y方向における領域100の両側にはマージン領域102,104が形成されている。バッキング12は図1に示されるように直方体の形態を有している。変形例としては、マージン領域102,104を設けることなく、バッキング12が上方から下方にかけてY方向について広がった形態とすることも可能である。その場合、各基板(A−H)はそれぞれ台形型の形態に形成される。バッキング12を直方体の形態とすることにより、各基板や各スペーサ14の製作を簡易化できる。各基板及び各スペーサ14はそれぞれY−Z面において同じ形態を有する。
【0033】
以上のように、各基板ごとに、リード上端列24及びリード下端列26が形成されるため、バッキング12における上面12A上には複数のリード上端列によって構成されるリード上端アレイが形成され、一方、バッキング12における下面12B上には複数のリード下端列26によって構成されるリード下端アレイが形成される。リード上端アレイは2Dアレイ振動子10における複数の有効素子に対して電気的に接続される。一方、リード下端アレイは図1において図示省略されている所定の外部配線用基板に形成されたパッドアレイに対して電気的に接続される。それに先だって、バッキング12の下面12B上には所定配列をもってパッドアレイが形成される。すなわち、バッキング12におけるパッドアレイと外部配線用基板上のパッドアレイとが電気的に接続される。
【0034】
各基板は、本実施形態において、フレキシブル回路基板(FPC)によって構成される。すなわち、フィルム状の絶縁性をもったベース層18と、そのベース層18の一方面上に形成されたリード列20と、によって構成される。リード列20はエッチングその他の手法によって所定のパターンに形成される。図1においては各基板がある程度の厚みをもって描かれており、また各リード22がある程度の厚みをもって描かれているが、実際にはそれらの厚さは極めて小さい。なお、バッキング12における上面12Aに対してもパッドアレイを形成するのが望ましい。そのようなパッドアレイは、蒸着あるいはスパッタ処理などによって均一の厚みをもった電極層を形成した後、ダイシングソーによる切削加工やエッチング処理を行うことによって容易に作成することが可能である。
【0035】
図2には、図1に示した振動子アセンブリの上面図が示されている。上述したように2Dアレイ振動子10は、X方向及びY方向に配列された複数の振動素子からなり、それらの振動素子は、図においてハッチングで示されている複数の有効振動素子11aとそれ以外の複数の無効振動素子11bとによって構成される。複数の有効振動素子11aは図示されるようにランダム的にあるいは分散的に配置されている。図2において符号100は2Dアレイ振動子10が接合される領域を表しており、符号102,104はそれ以外のマージン領域を表している。
【0036】
図3には、バッキング12における下面の状態が示されている。ただし、発明説明の都合上、図3は上方から透視して見た下面の状態を示すものである。
【0037】
上述したように、バッキングの下面においては、リードアレイに対応するリード下端アレイが現れる。リード下端アレイは複数のリード下端列26によって構成されるものであり、それらはX方向に整列している。各リード下端列26はY方向に所定のパターンで並んだ複数のリード下端によって構成される。
【0038】
本実施形態においては、リード下端アレイに対して、n個のリード下端列を単位として、複数のリード下端サブアレイ34が仮想的に設定される。本実施形態においてnは2であり、すなわちY方向において2つのリード下端列26ごとにリード下端サブアレイ34が設定されている。そして、リード下端サブアレイ26ごとに所定のシフト関係が成立するように2つのリード下端列におけるリード下端配列が定められている。以下にこれについて詳述する。なお、符号200はn個の基板からなる基板サブアレイを示している。それはリード下端サブアレイに対応する。
【0039】
図3において、符号30はバッキングの下面上に仮想的に設定される複数の区画を表すラインであり(パッド間分離溝に相当する)、各区画は1つのパッドに対応する。例えば1つのリード下端サブアレイ34に着目すると、それに対してはY方向に1列に並んだ複数の区画が設定され、各区画は2つの基板にまたがって設定される。各リード下端サブアレイにおいては、Y方向における各位置すなわち各区画ごとに、基本的に1つのリード下端のみの存在が許容されている。例えば、区画40に着目すると、2つの基板A,Bにおいて基板A上のリード下端42のみが含まれており、区画44に着目すると、2つの基板A,Bにおいて基板Aのリード下端46のみが存在しており、区画48に着目すると、2つの基板A,Bの内で基板B上のリード下端50のみが存在している。これは他の区画についても同様である。1つの区画におけるX方向の幅W3は本実施形態において基板ピッチ(素子間ピッチ)の2倍に相当しており、区画におけるY方向の幅W2は任意に設定することが可能である。本実施形態においては、素子間ピッチの2倍としてW2が定められている。これにより、従来においては、各パッドのX方向及びY方向のサイズが素子間ピッチと同一であったが、本実施形態によれば、それらのサイズを素子間ピッチの2倍にすることができる。もちろん、1つのリード下端サブアレイを定義するnを増大させれば、幅W3を増大することができ、また上述したようにW2は自在に設定することができる。一般的には、W3とW2を同じ値にするのが望ましい。このようにすれば、正方形のパッドを形成できる。
【0040】
以上のように、各リード下端サブアレイ34ごとに所定のシフト関係が成立するようにリード下端配列が定められるので、1つのリード下端サブアレイ34に着目した場合には、各Y方向の位置ごとに基本的に1つのリード下端のみが対応付けられることになる。したがって、1つのリード下端サブアレイ34内に含まれるリードの個数の最大値に対し、W2を乗算した結果として、バッキングにおけるY方向のサイズW1を求めることができる。もちろん、バッキングのY方向のサイズをより増大させてもよい。各リード下端サブアレイ34においては、それに含まれるリード下端の個数が一定でない場合があるので、リード下端の個数が最大となるリード下端サブアレイを特定し、当該リード下端の個数の最大値をもって上記のW1を計算するようにすればよい。なお、リード下端サブアレイ内において複数のY方向の位置すなわち複数の区画の中に1又は複数の空区画があってもよい。すなわち1つのリード下端も存在しない区画があってもよい。また、複数の振動素子を同時駆動するような場合、あるいは、複数の振動素子からの複数の受信信号を結線によって加算するような場合、例外的に、1つの区画すなわち1つのパッドに対して複数のリード下端を対応付けるようにしてもよい。
【0041】
本実施形態において、素子間ピッチは例えば0.15mm×0.15mmであるが、バッキング下面側におけるパッドピッチを0.3mm×0.3mmにすることができる。この場合、例えばY方向におけるパッドの個数が8個であれば、0.3mm×8=2.4mmとしてW1の大きさを計算することができる。もちろん、以上あげた各数値はいずれも例示にすぎない。
【0042】
本実施形態においては、特に、X方向において複数の基板にまたがってパッドを形成しても、そのパッドに接続されるリードを1つに限定することができるので、1つのリードに対して1つのパッドを対応付けつつも、パッドのX方向のサイズを増大することができるという利点がある。本実施形態ではnが2であったが、nを3にすれば、3倍のサイズ拡大をもたらすことができ、nは所望の値に設定することが可能である。本実施形態に係る手法は、バッキングの下面側における全部の領域に対して適用される必要はなく、一部の領域に対して部分的に適用されるようにしてもよい。バッキングの下面側において複数のパッドを形成する場合には、上述したように、まず、蒸着処理やスパッタ処理などを用いてバッキングの下面上に一定の厚みをもって電極層を形成し、それに対してダイシングソーなどによって上述したライン30に沿った切削溝を形成することにより、あるいは、ライン30に沿ってエッチングを行うことにより、容易にパッドアレイを形成することが可能である。パッドの形状は四角形であるのが望ましいが、それ以外の形状とするようにしてもよい。
【0043】
図4〜図11には、各基板におけるリード列20のパターンが示されている。符号18は各基板のベース層を表しており、符号20は各基板上に形成されたリード列を示している。また、基板18の下方に示されている図形は各基板に対応付けられるパッド列を模式的に示している。
【0044】
図4及び図5には基板A,Bが示されている。パッド列52ABにおいてはそれらに含まれる複数のパッドの内で一部が基板A用に利用され、残りが基板B用に利用されている。これは、図6及び図7に示されるパッド列52CDについても同様であり、図8及び図9に示されるパッド列52EFについても同様であり、図10及び図11に示されるパッド列52GHについても同様である。
【0045】
図12及び図13には上述した振動子アセンブリが組み込まれた超音波探触子が示されている。具体的には、図12及び図13には体腔内挿入型の超音波探触子における先端部の構造が示されている。図12には上方から見た断面図が示されており、図13には側方から見た断面図が示されている。
【0046】
この体腔内挿入型の超音波探触子は、本実施形態において、食道や直腸などに挿入され、図12及び図13には挿入部における先端部54が示されている。プローブケース56内には、振動子アセンブリ58が設けられている。振動子アセンブリ58は上述したように2Dアレイ振動子10を有しており、その上面側には整合層64が設けられている。整合層64の上面側にはプローブケースの一部を成す音響窓(保護層)67が設けられている。2Dアレイ振動子10の下方側にはバッキング12が配置されており、その下面上には二次元配列された複数のパッドアレイ66が形成されている。
【0047】
一方、振動子アセンブリの下方側には外部配線用の基板60が設けられており、その上面には二次元配列されたパッドアレイ68が形成されている。パッドアレイ66とパッドアレイ68は両者の物理的なコンタクトによって互いに電気的に接続されるものである。基板60の一方端には複数の信号線(ケーブル)62が接続される。
【0048】
振動子アセンブリは図示されるように2つのマージン領域102,104の存在によりY方向に伸長した直方体の形態を有しており、先端部54における中心軸に対して長手方向を合致させて振動子アセンブリが収納配置されている。したがって、マージン領域102,104が存在していてもそれらの肥大部分によって格別な問題は生じない。むしろ、バッキング12が十分な広がりをもっているためバッキング効果を十分に発揮させることができるという利点がある。基板60内に電気回路を設けることも可能である。また、先端部54内において振動子アセンブリを回転駆動するようにしてもよい。更に、体表面上に当接して用いられるプローブに上述した振動子アセンブリを組み込むことも可能である。この場合において、上述したマージン領域102,104を斜めに切り落として台形状あるいはピラミッド型の振動子アセンブリを構成することも可能であり、そのようにすればプローブにおける被検体接触部を先細にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係る振動子アセンブリの好適な実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す振動子アセンブリの概略的な上面図である。
【図3】図1に示す振動子アセンブリの下面側の構成を上方から透視して見た図である。
【図4】基板Aについてのリード列を示す図である。
【図5】基板Bについてのリード列を示す図である。
【図6】基板Cについてのリード列を示す図である。
【図7】基板Dについてのリード列を示す図である。
【図8】基板Eについてのリード列を示す図である。
【図9】基板Fについてのリード列を示す図である。
【図10】基板Gについてのリード列を示す図である。
【図11】基板Hについてのリード列を示す図である。
【図12】振動子アセンブリが組み込まれたプローブの水平断面図である。
【図13】振動子アセンブリが組み込まれたプローブの垂直断面図である。
【符号の説明】
【0050】
10 2Dアレイ振動子、12 バッキング、14 スペーサ、16 基板列、18 ベース層、20 リード列、22 リード、24 リード上端列、26 リード下端列、34 リード下端サブアレイ、102,104 マージン領域、200 基板セット。




 

 


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