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発明の名称 ステントグラフト装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−244870(P2007−244870A)
公開日 平成19年9月27日(2007.9.27)
出願番号 特願2007−65404(P2007−65404)
出願日 平成19年3月14日(2007.3.14)
代理人 【識別番号】100066474
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 博昭
発明者 デビッド・シー・マジェルカック
要約 課題
体内腔の中に植え込むためのステントグラフト装置と、その使用の方法と、を提供する。

解決手段
上記ステントグラフト装置は、非千鳥足状または千鳥足状の頂部を伴うステントであって、複数のステント部分と、非千鳥足状または千鳥足状の頂部を形成していて、ステント部分のそれぞれを他のステント部分に連結してジグザグ・パタンを形成している屈曲可能な連結部材と、を含む、ステント、を備えており、このステントは、縫合糸の複数の結び目により、グラフトに千鳥足状に縫合されていて、縫合糸の結び目と千鳥足状の頂部とは、ステント部分がクリンプされると、千鳥足状になる。
特許請求の範囲
【請求項1】
体内腔の中に植え込むためのステントグラフト装置において、
非千鳥足状の頂部を備えるステントであって、複数のステント部分、および前記非千鳥足状の頂部を形成していて、前記ステント部分のそれぞれを他の前記ステント部分に連結してジグザグ・パタンを形成している屈曲可能な連結部材、を含む、ステント、
を備えており、
前記ステントは、縫合糸の複数の結び目により、グラフトに千鳥足状に縫合されていて、
前記縫合糸の結び目は、前記ステント部分がクリンプされると、千鳥足状になる、ステントグラフト装置。
【請求項2】
体内腔の中に植え込むためのステントグラフト装置において、
千鳥足状の頂部を備えるステントであって、複数のステント部分、および前記千鳥足状の頂部を形成していて、前記ステント部分のそれぞれを他の前記ステント部分に連結してジグザグ・パタンを形成している屈曲可能な連結部材、を含む、ステント、
を備えており、
前記千鳥足状のステントは、縫合糸の複数の結び目により、グラフトに千鳥足状に縫合されていて、
前記頂部および前記縫合糸の結び目は、前記ステント部分がクリンプされると、千鳥足状になる、ステントグラフト装置。
【請求項3】
請求項1に記載のステントグラフト装置において、
前記縫合糸の結び目は、前記ステントグラフト装置の外形を縮小するために、前記ステントグラフト装置がさらにクリンプされると、さらに千鳥足状になる、ステントグラフト装置。
【請求項4】
請求項1に記載のステントグラフト装置において、
前記ステント部分は、スチール鋼、タングステン、プラチナ、金、チタン、エルジロイ、熱活性化可能なニチノール、ポリマー材料、または、これらの組み合わせ、により構成されている、ステントグラフト装置。
【請求項5】
請求項4に記載のステントグラフト装置において、
前記ステント部分は、ニチノールにより構成されている、ステントグラフト装置。
【請求項6】
請求項1に記載のステントグラフト装置において、
前記ステント部分は、単一片の管材料により形成されている、ステントグラフト装置。
【請求項7】
請求項1に記載のステントグラフト装置において、
前記ステント部分は、平坦なシート状の材料により形成されている、ステントグラフト装置。
【請求項8】
請求項1に記載のステントグラフト装置を植え込む方法において、
(a)送達カテーテルを供給する工程と、
(b)前記カテーテルの上に前記ステントグラフト装置を取り付ける工程と、
(c)前記ステントグラフト装置を、患者の脈管構造を通して、経皮的に、特定の場所に送達する工程と、
(d)前記ステントグラフト装置を、体内腔の中に、配備する工程と、
(e)前記カテーテルを前記患者から抜き取り、前記ステントグラフト装置を前記体内腔の中に配備された状態で残す工程と、
を含む、方法。
【請求項9】
請求項2に記載のステントグラフト装置において、
前記ステントグラフト装置をさらにクリンプすると、前記頂部および前記縫合糸の結び目は、さらに千鳥足状になって、前記ステントグラフト装置の外形を縮小する、ステントグラフト装置。
【請求項10】
請求項2に記載のステントグラフト装置において、
前記頂部は、前記頂部の微動を実質的に阻止するために、前記縫合糸の結び目に対して十分に近い、ステントグラフト装置。
【請求項11】
請求項2に記載のステントグラフト装置において、
前記ステント部分は、スチール鋼、タングステン、プラチナ、金、チタン、エルジロイ、熱活性化可能なニチノール、ポリマー材料、または、これらの組み合わせ、により構成されている、ステントグラフト装置。
【請求項12】
請求項11に記載のステントグラフト装置において、
前記ステント部分は、ニチノールにより構成されている、ステントグラフト装置。
【請求項13】
請求項2に記載のステントグラフト装置において、
前記ステント部分は、単一片の管材料により形成されている、ステントグラフト装置。
【請求項14】
請求項2に記載のステントグラフト装置において、
前記ステント部分は、平坦なシート状の材料により形成されている、ステントグラフト装置。
発明の詳細な説明
【開示の内容】
【0001】
〔発明の背景〕
本発明は、一般に、体内プロテーゼに関連しており、特に、腹大動脈の動脈瘤等のような、損傷または病気により弱められた体内腔の領域に送達するための、ステントグラフト装置、に関連している。体の幾つかの領域は、体内腔を開いた状態に維持して、その開通性を確実にするための、管腔内ステントと一般的に言われている、体内プロテーゼ、を受容するために特に適している。二つのこのような領域は、特に、動脈瘤が発達している領域の中の、冠動脈と大動脈と、を含む。
【0002】
腹部大動脈瘤(AAA)は、腹腔を通過している大動脈の領域の中の、大動脈の動脈壁の異常な拡張である。この状況は、最も一般的に、アテローム性動脈硬化症の疾患の結果として生じる。しばしば、腹部大動脈瘤は解離性動脈瘤であり、これらの動脈瘤は、動脈の内層(lining)または壁の中の裂け目または溝がある場合に形成され、この裂け目または溝を通って血液が押し出されて、最終的に凝固し、膨潤して脈管を弱める血栓症を形成する。腹部大動脈瘤は痛みを引き起こすことはないが、徹底的な身体検査で検出できる。この動脈瘤が検出および治療されなければ、破裂して、患者にとって致命的な大量の出血を引き起こしやすくなる。
【0003】
AAAは、「トリプルA」法と一般的に言われている動脈の再建手術の一部の形態により、伝統的に治療されてきた。一つのこのような方法はバイパス手術であり、この手術においては、切開が腹腔の中に作られて、大動脈が動脈瘤の部位の上方および下方で閉じられ、動脈瘤が切除されて、その動脈瘤と取り替えて、大動脈を通る血流を回復することを可能にするために、正常な大動脈の直径に近づけるような大きさに作られている合成のグラフトまたは管が脈管に縫合される。このグラフトは、一般的に、柔軟で(compliant)薄肉である生体適合性の材料により、作られている。商標をダクロン(DACRON)またはテフロン(登録商標)(TEFLON)として、製造されている繊維等のような、ナイロンおよび合成繊維は、グラフトの構成に適していることが見出されている。調査により、この外科処置に伴う死亡率は、この処置が動脈瘤の破裂の前に行なわれる場合に、有利である(5%よりも低い)こと、が示されている。しかしながら、AAAを有する患者は、一般的に、65才を超えており、術前または術後の合併症の危険性を高める他の慢性疾患、を有している場合が多い。したがって、これらの患者は、この種の大手術にとって、理想的な候補者ではない。さらに、手術の規模とその手術に対して患者を準備させるために必要とされる時間とにより、動脈瘤が破裂した後(死亡率は高まり65%を上回る)では、上記の処置は首尾よく頼られない場合が多いこと、が指摘されている。
【0004】
従来の手術法における上記の不都合により、その従来の大手術の代わりとして、別の方法が開発された。この方法は、動脈瘤の部位におけるグラフトの据え付け、も含むが、このグラフトは、脈管構造を通り抜けるために適している、カテーテル、ワイヤ、またはその他の装置、により支えられた脈管系を通して送られることにより、その部位に、配備される。
【0005】
さらに最近において、グラフトはステントとの組み合わせにおいて用いられており、この場合に、ステントの頂部は、ステントがクリンプされている時に、周囲に整合されており、このことは全体の送達外形(overall delivery profile)を増大させる可能性がある。したがって、低侵襲的に患者をさらに良く治療するために、AAAを治療するための、比較的に嵩の低い外形(lower profile)のステント−グラフトに対する、継続している要望が存在している。
【0006】
〔発明の概要〕
本発明の一つの態様は、体内腔の中に植え込むためのステントグラフト装置において、非千鳥足状の頂部を伴うステントであって、複数のステント部分と、上記非千鳥足状の頂部を形成していて、上記ステント部分のそれぞれを他のステント部分に連結してジグザグ・パタンを形成している屈曲可能な連結部材と、を含む、ステント、を備えており、このステントは、縫合糸の複数の結び目により、グラフトに千鳥足状に縫合されていて、これらの縫合糸の結び目は、上記ステント部分がクリンプされると、千鳥足状になる、ステントグラフト装置、に関連している。
【0007】
本発明の別の態様は、体内腔の中に植え込むためのステントグラフト装置において、千鳥足状の頂部を伴うステントであって、複数のステント部分と、上記千鳥足状の頂部を形成していて、上記ステント部分のそれぞれを他のステント部分に連結してジグザグ・パタンを形成している屈曲可能な連結部材と、を含む、ステント、を備えており、このステントは、縫合糸の複数の結び目により、グラフトに千鳥足状に縫合されていて、上記の頂部と縫合糸の結び目とは、上記ステント部分がクリンプされると、千鳥足状になる、ステントグラフト装置、に関連している。
【0008】
別の実施形態において、上記のステントグラフト装置の千鳥足状の頂部の一部は突出していて、体内腔に接触して侵入する。
【0009】
好ましくは、上記ステントは千鳥足状の頂部を有しており、これらの千鳥足状の頂部は、これらの頂部の微動を実質的に阻止するために、上記縫合糸の結び目に、十分に近い。
【0010】
別の実施形態において、上記ステント部分は、単一片の管材料(single piece of tubing)により、形成されている。
【0011】
別の実施形態において、上記ステント部分は、平坦なシート状の材料により、形成されている。
【0012】
本発明の別の態様は、上記のステントグラフト装置を植え込むための方法において、
(a)送達カテーテルを供給する工程と、
(b)上記カテーテルの上に上記ステントグラフト装置を取り付ける工程と、
(c)上記ステントグラフト装置を、特定の場所に、患者の脈管構造を通して、経皮的に、送達する工程と、
(d)上記ステントグラフト装置を、体内腔の中に、配備する工程と、
(e)上記カテーテルを患者から抜き取り、上記ステントグラフト装置を体内腔の中に配備された状態で残す工程と、を含む、方法、に関連している。
【0013】
上記の方法は、上記のステントグラフト装置の中に、千鳥足状の頂部(staggered apexes)または非千鳥足状の頂部(non-staggered apexes)を伴うステント、を採用できる。
【0014】
別の実施形態において、上記ステントグラフト装置を植え込む方法は、動脈瘤に上記ステントグラフト装置を位置決めする工程と、その動脈瘤がある大動脈壁に、上記ステントグラフト装置を固定する工程と、をさらに含む。この実施形態において、ステントグラフト装置は、腹部大動脈瘤を治療するために、用いられることが好ましい。
【0015】
本発明の別の特徴および利点は、本発明の以下の詳細な説明により、そして、添付の例示的な図面に基づいて、さらに明らかになるであろう。
【0016】
〔発明の詳細な説明〕
本発明は、体内腔の中に植え込むためのステントグラフト装置、に関連している。図2は、非千鳥足状の頂部(3a)を伴うステント(1)、を示しており、このステント(1)は複数のステント部分(2)と、上記非千鳥足状の頂部(3a)を形成していて、上記ステント部分(2)のそれぞれを他のステント部分(2)に連結してジグザグ・パタンを形成している屈曲可能な連結部材と、を含み、このステント(1)は、縫合糸の複数の結び目(4)により、グラフトに千鳥足状に縫合されていて、これらの縫合糸の結び目(4)は、上記ステント部分(2)がクリンプされると、千鳥足状になる。
【0017】
本発明の別の態様は、図3において描かれているような、体内腔の中に植え込むためのステントグラフト装置において、千鳥足状の頂部(3b)を伴うステント(1)であって、複数のステント部分(2)と、上記千鳥足状の頂部(3b)を形成していて、上記ステント部分(2)のそれぞれを他のステント部分(2)に連結してジグザグ・パタンを形成している屈曲可能な連結部材と、を含む、ステント(1)、を備えており、このステント(1)は、縫合糸の複数の結び目(4)により、グラフトに千鳥足状に縫合されていて、上記の千鳥足状の頂部(3b)と縫合糸の結び目(4)とは、上記ステント部分(2)がクリンプされると、千鳥足状になる、ステントグラフト装置、に関連している。
【0018】
上記ステントグラフト装置は、グラフトに縫合されている一つ以上のステント(1)を備えることが可能であること、が本発明において考慮されている。
【0019】
上記ステントグラフト装置の中において用いられるステント(1)が非千鳥足状の頂部(3a)を有する場合に、これらの非千鳥足状の頂部(3a)は、ステント(1)が千鳥足状の頂部(3b)を有する場合ほどには、縫合された結び目(4)に近くない。好ましい実施形態において、上記ステント(1)は千鳥足状の頂部(3b)を有しており、これらの千鳥足状の頂部(3b)は、これらの千鳥足状の頂部(3b)の微動を実質的に阻止するために、縫合糸の結び目(4)に十分に近い。これらの頂部と終点様の結び目(terminated point-like knots)とは、局所的なふくらみ(local bulk)を作り、周囲に整合されると、大きな局在化されたふくらみを作り、それゆえ、千鳥足状になるこれらの領域は外形を縮小する。
【0020】
グラフトシステムは、グラフトとステントとを含むシステムであり、当業界において知られていて、本発明において使用することが可能であり、これらのグラフトシステムは、一般的に、生体適合性の材料により作られており、グラフトを体内腔に固定するための付着システム(attachment system)を含むことができる。上記ステントは、グラフトの内側に嵌合されて、上記グラフトと概ね同軸である、管状の装置、とすることができる。また、このステントは、上記グラフトから延出することも可能である。上記付着システムは、格子様のまたは目の荒い織物構造、を有することができ、この構造は、その付着システムに、柔軟性を与えて、いったん上記グラフトが配備されると、その構造の中を通る、速やかな内皮組織の成長、を助長する。上記付着システムは、上記グラフトの大動脈に対する付着のために、内膜壁への穿通のための付加的なフック様の要素を備えることができ、あるいは、これらのフック様の要素は、グラフト自体に、備えることも可能である。参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第4,787,899号(ラザルス(Lazarus))、同第5,104,399号(ラザルス(Lazarus))、同第5,219,355号(パロディ(Parodi)他)、および同第5,275,622号(ラザルス(Lazarus))、において記載されている、グラフトシステムは、本発明において使用可能である。さらに、ステープル、クランプ、等のような、任意の点様の付着機構も使用可能であることが、当業者には、当然に理解されるであろう。
【0021】
上記グラフトを送達する実際の機能は、患者の外部の供給源から、カテーテルの内腔の中に、加圧された流体を導入して、そのカテーテルのバルーンを膨張させることにより、達成できる。このバルーンの膨張は、グラフトとその中に供給されている任意の付着システムとに力を加え、この力は、グラフトと付着システムとを、半径方向に拡張させて、動脈瘤のすぐ上方およびすぐ下方の脈管壁の中に、押し込む。
【0022】
別の実施形態において、上記ステント−グラフト装置は、送達カテーテルのバルーン部分に取り付けられて、体内腔の一部分の中に、管腔内を通して、送達されることにより、管腔内を通して、送達できる。このステントグラフト装置が、当該装置が植え込まれる部位に、位置決めされると、上記カテーテルのバルーン部分は、ステントを外側に拡張させて体内腔に接触させるために、既知の手段により、拡張させることができる。送達カテーテルのバルーン部分は、ステントグラフト装置を受容して、そのステントグラフト装置を外側に拡張させるか押し動かして体内腔に接触させることができる、任意の拡張部材、により、置換できる。上記ステントグラフト装置を外側に押し動かして拡張させるために利用可能である他の非限定的な手段は、機械式、液圧式、空気圧式、さらに、形状記憶合金または超弾性合金を用いる相転移、の手段、を含む。
【0023】
例えば、上記ステントグラフト装置は、バルーンの上に取り付けて、オーバー−ザ−ワイヤ式カテーテル(over-the-wire catheter)により、管腔内を通して、送達することができる。ガイドワイヤは、患者の脈管構造を通り抜けて、ステントグラフト装置を運ぶ、カテーテルとバルーンと、を位置決めすることを補助するために、使用できる。
【0024】
上記グラフトおよびその配備システムは、大腿部への接近を伴って、経皮的に血流の中に導入することができ、全体の処置は、局所麻酔または全身麻酔を用いて、行なうことができる。
【0025】
上記ステントグラフト装置が動脈瘤にいったん位置決めされると、その装置は、送達システムから外して、動脈瘤がある大動脈壁に固定できる。この目的のために、グラフトシステムは、そのシステムの一部の機械的な特徴によるか、圧力の適用によるグラフトの拡張等のような、ある物理的な処理により、脈管の内膜の中に、操縦および駆動できるステープルまたはフック等のような、固定手段、を含むことができる。このステントグラフト装置の時期尚早の分離を避けるために、そして、ステントグラフト装置が治療部位に送られている間に、付着要素が脈管を損傷することを回避するため、あるいは、システムの前方への移動を停止させることを防ぐために、上記システムは、配備が望まれるような時まで、ステントグラフト装置を保護して収容するカプセルまたはシース、等のような、特徴を備えることができる。
【0026】
ステントグラフト装置がいったん配置されると、このステントグラフト装置は、当該ステントグラフト装置の壁が大動脈の罹患領域の壁に対して概ね平行になるように、動脈瘤の部位に及んでいる脈管の中に、位置決めできる。この動脈瘤は、したがって、ステントグラフト装置により、循環系から、排除される。この動脈瘤が解離性型であって、血栓症が大動脈の壁の間に存在していれば、今や排除された動脈瘤は、ステントグラフト装置に対して、構造的な支持を、有益に、与えることができる。
【0027】
AAA治癒のために、大動脈壁に、グラフトを取り付けるために使用できる別の装置は、米国特許第5,316,023号において見られる種類の、脈管内ステント、を含むことができる。
【0028】
別の実施形態において、動脈瘤の治療および治癒のために、上記ステントグラフト装置の中において用いられているステント部分(2)は、生体適合性の材料により構成されており、動脈瘤の部位まで、脈管の経路を通して、ステントグラフト装置を送るために用いられるカテーテルまたは他の要素に応じるために十分に柔軟性であると同時に、いったん送達されるとステントグラフト装置の中の開口部を維持するために十分に半径方向に丈夫である。別の実施形態において、ステントグラフト装置は、それ自体を、大動脈壁に固定できる。例えば、ステント(1)は、このステントが、それ自体を、大動脈壁に固定することを可能にするために、フック、またはぎざぎざの端部、を有することができる。
【0029】
また、それぞれの実施形態が、冠動脈等のような、他の体内腔を治療するためのステントグラフト装置において使用できることも、考慮されている。したがって、例えば、本発明のステントグラフト装置は、動脈の損傷された部分または罹病部分を治療するために、PTCA処置の後に、冠動脈の中に植え込むことができる。ステント(1)は、上記のステントグラフト装置が、大動脈の中におけるよりも、冠動脈の中において対応して小さくてよいことを除いて、このステントグラフト装置と同様に、配備されて植え込まれることになる。
【0030】
上記ステントグラフト装置は、本発明において使用可能であり、任意の既知の管状のグラフトまたは分岐状のグラフトにより、作ることができる。好ましくは、このステントグラフト装置は、大動脈瘤、冠動脈、およびその他の脈管、を治療するために、用いられるが、他の体内腔も、本発明のステントグラフト装置を受容するために、同等に適合する。
【0031】
本発明と一致して、図2および図3は、図(2)において示されているような、非千鳥足状の頂部(3a)と、図(3)において示されているような、千鳥足状の頂部(3b)と、を形成している、複数の屈曲可能な連結部材により連結されているステント部分(2)、を描いている。これらのステント部分(2)は、平坦なシート状の材料により、形成できる。あるいは、これらのステント部分(2)は、既知の化学エッチングまたはレーザー切断技法を用いて、一片の管により、形成できる。
【0032】
上記ステントグラフト装置に、千鳥足状に縫い合わされて、その外形を低くする、縫合糸の結び目(4)、を有することが、ステントグラフト装置にとって、有利である。特に好ましい実施形態において、上記ステントグラフト装置の中のステント(1)は千鳥足状の頂部(3b)を有しており、これらの千鳥足状の頂部(3b)は、これらの千鳥足状の頂部(3b)の微動を実質的に阻止するために、縫合糸の結び目(4)に十分に近い。これらの千鳥足状の頂部(3b)は、ステントグラフト装置が比較的に低い外形を有することを可能にし、これにより、このステントグラフト装置の中身は、至る所に、さらに均一に分布されて、送達することがさらに容易になる。
【0033】
上記ステントグラフト装置が動脈瘤に及び、そのステントグラフト装置を通して、血流を大動脈からそらすように、そのステントグラフト装置を位置決めすることが好ましく、これにより、血流は、そのステントグラフト装置の周囲、および動脈瘤の中に、全く漏れなくなる。好ましくは、上記ステントグラフト装置の頭側の端部は、健康な組織のある大動脈壁の中に位置決めされるのであって、動脈瘤が脈管壁を弱めている大動脈壁の中に位置決めされるのではない。
【0034】
特定の形態のカテーテルが、動脈瘤にステントグラフト装置を送るために、説明されているが、動脈瘤および同様の状況を治療する技術における熟練者において、さまざまな構成を有するカテーテルが、同じ機能を行なうために、首尾よく使用可能になること、が明らかになるであろう。例えば、周知の固定型ワイヤ・システムおよび迅速交換式ワイヤ・システムも、上記の送達システムにおいて、使用可能である。
【0035】
上記ステント部分(2)は、スチール鋼だけで、あるいは、他の材料と組み合わせて、作ることができる。これらのステント部分(2)には、スチール鋼に加えて、他の材料も考慮されており、これらの材料は、タングステン、プラチナ、金、チタン、エルジロイ(elgiloy)、ニチノール(NITINOL)等のような熱活性化可能金属、ポリマー材料、またはこれらの組み合わせ、を含む。また、この金属の厚さは、約0.25〜約0.50ミリメートルの範囲内、にすることができる。好ましくは、上記ステント部分(2)はニチノールにより作られている。
【0036】
上記ステント部分(2)は、例えば、化学エッチング、レーザー切断によるか、放電加工(electronic discharge machining)を用いることにより、平坦なシート状の材料によるか、単一のシート状スチール鋼管材料により、形成できる。例えば、上記ステント部分(2)は、米国特許第5,780,807号の記載に従って、作ることができ、この特許文献は参照により本明細書に組み込まれている。
【0037】
また、上記の千鳥足状の頂部(3b)または非千鳥足状の頂部(3a)、を形成している屈曲可能な連結部材は、この連結部材の残部と比較して、比較的に薄い、あるいは、くびれている(necked-down)、材料、により作られている、この連結部材に沿う、ある領域、を含んでいることも考えられる。また、上記の屈曲可能な連結部材は、上記ステント(1)の残部を形成している金属とは異なる金属によって形成するか、自然材料の所与の領域を選択的に処理することにより、形成することも可能である。例えば、上記ステント部分(2)はスチール鋼により形成可能であるが、上記屈曲可能な連結部材は、さらに低い弾性率を有し、スチール鋼よりも容易に屈曲するであろう、任意の材料により形成可能である。
【0038】
本発明は、大動脈瘤を治療するために、大動脈の中で使用するためのステントグラフト装置としての、本発明の使用に関して、本明細書において、図示および説明されているが、当業者には、上記のステントグラフト装置が、体の別の脈管の中の別の事例においても、使用可能であること、が明らかになるであろう。
【0039】
別の変更および改善が、本発明の範囲から逸脱することなく、行なうことができる。例えば、種々の図面は、ステント(1)の幾つかの構成と、さまざまな寸法と、を描いており、これらのそれぞれは、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、特定の適用に適合するように、変更可能である。
【0040】
〔実施の態様〕
(1)体内腔の中に植え込むためのステントグラフト装置において、
非千鳥足状の頂部を備えるステントであって、複数のステント部分、および前記非千鳥足状の頂部を形成していて、前記ステント部分のそれぞれを他の前記ステント部分に連結してジグザグ・パタンを形成している屈曲可能な連結部材、を含む、ステント、
を備えており、
前記ステントは、縫合糸の複数の結び目により、グラフトに千鳥足状に縫合されていて、
前記縫合糸の結び目は、前記ステント部分がクリンプされると、千鳥足状になる、ステントグラフト装置。
(2)体内腔の中に植え込むためのステントグラフト装置において、
千鳥足状の頂部を備えるステントであって、複数のステント部分、および前記千鳥足状の頂部を形成していて、前記ステント部分のそれぞれを他の前記ステント部分に連結してジグザグ・パタンを形成している屈曲可能な連結部材、を含む、ステント、
を備えており、
前記千鳥足状のステントは、縫合糸の複数の結び目により、グラフトに千鳥足状に縫合されていて、
前記頂部および前記縫合糸の結び目は、前記ステント部分がクリンプされると、千鳥足状になる、ステントグラフト装置。
(3)実施態様1に記載のステントグラフト装置において、
前記縫合糸の結び目は、前記ステントグラフト装置の外形を縮小するために、前記ステントグラフト装置がさらにクリンプされると、さらに千鳥足状になる、ステントグラフト装置。
(4)実施態様1に記載のステントグラフト装置において、
前記ステント部分は、スチール鋼、タングステン、プラチナ、金、チタン、エルジロイ、熱活性化可能なニチノール、ポリマー材料、または、これらの組み合わせ、により構成されている、ステントグラフト装置。
(5)実施態様4に記載のステントグラフト装置において、
前記ステント部分は、ニチノールにより構成されている、ステントグラフト装置。
【0041】
(6)実施態様1に記載のステントグラフト装置において、
前記ステント部分は、単一片の管材料により形成されている、ステントグラフト装置。
(7)実施態様1に記載のステントグラフト装置において、
前記ステント部分は、平坦なシート状の材料により形成されている、ステントグラフト装置。
(8)実施態様1に記載のステントグラフト装置を植え込む方法において、
(a)送達カテーテルを供給する工程と、
(b)前記カテーテルの上に前記ステントグラフト装置を取り付ける工程と、
(c)前記ステントグラフト装置を、患者の脈管構造を通して、経皮的に、特定の場所に送達する工程と、
(d)前記ステントグラフト装置を、体内腔の中に、配備する工程と、
(e)前記カテーテルを前記患者から抜き取り、前記ステントグラフト装置を前記体内腔の中に配備された状態で残す工程と、
を含む、方法。
(9)実施態様8に記載の方法において、
動脈瘤に前記ステントグラフト装置を位置決めする工程と、
前記ステントグラフト装置を、前記動脈瘤がある大動脈壁に、固定する工程と、
をさらに含む、方法。
(10)実施態様9に記載の方法において、
前記ステントグラフト装置は、腹部大動脈瘤を治療するために用いられる、方法。
【0042】
(11)実施態様2に記載のステントグラフト装置において、
前記ステントグラフト装置をさらにクリンプすると、前記頂部および前記縫合糸の結び目は、さらに千鳥足状になって、前記ステントグラフト装置の外形を縮小する、ステントグラフト装置。
(12)実施態様2に記載のステントグラフト装置において、
前記頂部は、前記頂部の微動を実質的に阻止するために、前記縫合糸の結び目に対して十分に近い、ステントグラフト装置。
(13)実施態様2に記載のステントグラフト装置において、
前記ステント部分は、スチール鋼、タングステン、プラチナ、金、チタン、エルジロイ、熱活性化可能なニチノール、ポリマー材料、または、これらの組み合わせ、により構成されている、ステントグラフト装置。
(14)実施態様13に記載のステントグラフト装置において、
前記ステント部分は、ニチノールにより構成されている、ステントグラフト装置。
(15)実施態様2に記載のステントグラフト装置において、
前記ステント部分は、単一片の管材料により形成されている、ステントグラフト装置。
【0043】
(16)実施態様2に記載のステントグラフト装置において、
前記ステント部分は、平坦なシート状の材料により形成されている、ステントグラフト装置。
(17)実施態様2に記載のステントグラフト装置を植え込む方法において、
(a)送達カテーテルを供給する工程と、
(b)前記カテーテルの上に前記ステントグラフト装置を取り付ける工程と、
(c)前記ステントグラフト装置を、患者の脈管構造を通して、経皮的に、特定の場所に送達する工程と、
(d)前記ステントグラフト装置を、体内腔の中に、配備する工程と、
(e)前記カテーテルを前記患者から抜き取り、前記ステントグラフト装置を前記体内腔の中に配備された状態で残す工程と、
を含む、方法。
(18)実施態様17に記載の方法において、
動脈瘤に前記ステントグラフト装置を位置決めする工程と、
前記ステントグラフト装置を、前記動脈瘤がある大動脈壁に、固定する工程と、
をさらに含む、方法。
(19)実施態様18に記載の方法において、
前記ステントグラフト装置は、腹部大動脈瘤を治療するために用いられる、方法。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】非千鳥足状の頂部(3a)を伴うステント(1)を用いている、典型的なステントグラフト装置、を描いている図であり、非千鳥足状の頂部(3a)および縫合糸の結び目(4)は、局所的な外形の増大を作り出すように、整合されている。
【図2】非千鳥足状の頂部(3a)を伴うステント(1)を用いている、本発明のステントグラフト装置、を描いている図であり、ステント(1)は、外形を縮小するためにクリンプされると千鳥足状になる縫合糸の複数の結び目(4)、により、千鳥足状に縫合されている。
【図3】千鳥足状の頂部(3b)を伴うステント(1)を用いている、本発明のステントグラフト装置、を描いている図であり、ステント(1)は、外形を縮小するためにクリンプされると千鳥足状になる縫合糸の複数の結び目(4)、により、千鳥足状に縫合されている。




 

 


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