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発明の名称 自己拡張型ステントの配置精度を向上させるステント運搬システム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−222612(P2007−222612A)
公開日 平成19年9月6日(2007.9.6)
出願番号 特願2007−16953(P2007−16953)
出願日 平成19年1月26日(2007.1.26)
代理人 【識別番号】100066474
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 博昭
発明者 ヒュイスン・ワン
要約 課題
展開中のステントジャンピングを阻止し、自己拡張型ステントの配置精度を向上させるステント運搬システムの提供。

解決手段
血管まで医療装置を運搬して展開するための運搬装置において、内側シャフト10上に自己拡張型ステント50を保持する外側シース40を動かすための制御装置を備える運搬装置。前記内側シャフトは、前記外側シースと同軸である、操作可能な部分と、前記内側シャフト10上に保持されると共に、展開前に、前記外側シース40内に保持される自己拡張型ステント50と、前記内側シャフト10に係合していて前記ステント50の遠位側の場所で前記外側シース40内に設けられた、中心を外れた支持部材100とを具備する。前記中心を外れた支持部材100は、拡張すると前記内側シャフト10を、変位させて前記ステント50の展開前の中心を外れた配置状態にする。
特許請求の範囲
【請求項1】
医療処置を必要とする患者の体内の場所、例えば血管まで医療装置を運搬して展開するための、運搬装置において、
内側シャフト上に自己拡張型ステントを保持する外側シースを動かすための制御装置を備える、操作可能な部分であって、前記内側シャフトは、前記外側シースと同軸である、操作可能な部分と、
前記内側シャフト上に保持されると共に、展開前に、前記外側シース内に保持される、自己拡張型ステントと、
前記内側シャフトに係合していて前記ステントの遠位側の場所で前記外側シース内に設けられた、中心を外れた支持部材と、
を具備し、
前記中心を外れた支持部材は、自己拡張性材料で構成されると共に、前記内側シャフトの長さ方向軸線に対して非同軸状に前記内側シャフトに係合し、
前記中心を外れた支持部材は、初期の状態では相対的圧縮状態にあり、拘束力が除かれると拡張し、それにより、前記運搬装置が患者の体内に挿入されたときに、前記中心を外れた支持部材が、拡張すると展開して前記血管の壁に当たり、前記内側シャフトを、変位させて前記ステントの展開前の中心を外れた配置状態にする、
運搬装置。
【請求項2】
請求項1記載の運搬装置において、
前記中心を外れた支持部材は、ニチノールで構成されている、運搬装置。
【請求項3】
請求項1記載の運搬装置において、
前記中心を外れた支持部材は、スプリングテンパー・ステンレス鋼で構成されている、運搬装置。
【請求項4】
請求項1記載の運搬装置において、
前記中心を外れた支持部材は、前記ステントの遠位側で、かつ前記運搬装置の遠位端部の近位側に、配置されている、運搬装置。
【請求項5】
請求項1記載の運搬装置において、
前記中心を外れた支持部材は、血管フィルタで構成されている、運搬装置。
【請求項6】
請求項5記載の運搬装置において、
前記血管フィルタは、拡張可能なフープで構成され、
前記フープは、前記フープに係合した血液透過性サックの口を形成する、
運搬装置。
【請求項7】
請求項1記載の運搬装置において、
前記運搬装置の中央内腔を通って延びるガイドワイヤ、
を更に具備する、運搬装置。
【請求項8】
医療処置を必要とする患者の体内の場所、例えば血管まで医療装置を運搬して展開するための、運搬装置において、
内側シャフト上に自己拡張型ステントを保持する外側シースを動かすための制御装置を備える、操作可能な部分であって、前記内側シャフトは、前記外側シースと同軸である、操作可能な部分と、
前記内側シャフト上に保持されると共に、展開前に、前記外側シース内に保持される、自己拡張型ステントと、
前記運搬装置中の中央内腔を通り抜けるガイドワイヤと係合している、中心を外れた支持部材であって、前記ステントの遠位側の場所に位置決めされる、中心を外れた支持部材と、
を具備し、
前記中心を外れた支持部材は、自己拡張性材料で構成されると共に、前記内側シャフトの長さ方向軸線に対して非同軸状に前記ガイドワイヤに係合し、
前記中心を外れた支持部材は、初期の状態では相対的圧縮状態にあり、拘束力が除かれると拡張し、それにより、前記運搬装置が患者の体内に挿入されたときに、前記中心を外れた支持部材が、拡張すると展開して前記血管の壁に当たり、前記内側シャフトを、変位させて前記ステントの展開前の中心を外れた配置状態にする、
運搬装置。
【請求項9】
請求項8記載の運搬装置において、
前記中心を外れた支持部材は、ニチノールで構成されている、運搬装置。
【請求項10】
請求項8記載の運搬装置において、
前記中心を外れた支持部材は、スプリングテンパー・ステンレス鋼で構成されている、運搬装置。
【請求項11】
請求項8記載の運搬装置において、
前記中心を外れた支持部材は、前記ステントの遠位側で、かつ前記運搬装置の遠位端部の近位側に、配置されている、運搬装置。
【請求項12】
請求項8記載の運搬装置において、
前記中心を外れた支持部材は、血管フィルタで構成されている、運搬装置。
【請求項13】
請求項12記載の運搬装置において、
前記血管フィルタは、拡張可能なフープで構成され、
前記フープは、前記フープに係合した血液透過性サックの口を形成する、
運搬装置。
発明の詳細な説明
【開示の内容】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、一般に、医療装置に関し、特に、展開中にステントがジャンプするのを阻止する構造を備えた自己拡張型ステント用のステント運搬システムに関する。
【0002】
〔発明の背景〕
ステントは、血管および他の体内脈管中の狭窄、絞窄(strictures)、または動脈瘤の治療に有用な生体適合性材料で作られた全体として長さ方向の管状装置である。ステントは、病的な脈管内に植え込まれてその脈管の潰れ部分、部分的閉塞部分、弱体化部分、または異常に拡張した部分を補強することができる。典型的には、ステントは、血管形成術後に使用されて疾患のある血管の再狭窄を阻止する。ステントは、血管に最も顕著に用いられているが、ステントは、他の体内脈管、例えば、尿生殖路や総胆管にも植え込まれる場合がある。ステントは、湾曲した脈管中を通してステントを挿入することができるよう可撓性を示すことができる。さらに、ステントは、例えばクリンプにより当初半径方向圧縮状態に構成される場合が多く、それにより、管腔内カテーテル植え込みの際に運搬および展開が容易になる。
【0003】
ステントは、これらが通路を支持する点において骨組み(scaffoldings)に類似している。構造的には、ステントは、互いに連結されて格子状のフレームの状態になった2本または3本以上のストラットまたはワイヤ支持部材を有する場合がある。上述したように、ステントは、圧縮により細い腔中への挿入が容易になるので運搬および展開に先立って圧縮された状態であってよい。ステントをカテーテルまたはこれに類似した経内腔装置に入れた状態で経皮的に所望の植え込み部位まで運搬することができる。格子状構造により、ステント表面積の一部は開口しており、かかる開口部は、ステントを形成するストラットによって画定される。開放空間が存在していることが望ましく、その理由は、かかる開放空間により、病変部からのプラークがステントを通って落下し、血液の流れに入ることができるからである。
【0004】
頸動脈ステント植え込み術(carotid artery stenting)は、頸動脈疾患(狭窄症)の治療において益々普及している選択肢になっている。頸動脈ステント植え込み術では、直径が約8〜10mm、長さが約20mmという比較的細いステントが用いられる場合がある。ステントは、形状が全体として円筒形の細長い構造体として構成することができる。ステントは、第1のあらかじめ展開された状態で存在する場合がある。ステントを第2の状態、即ち、運搬後の状態に変形することができ、ステントは、第2の状態では、第1の状態におけるステントの直径よりも実質的に大きな直径を有する。ステントを、血管に運搬されるべきステントの種類に適したステント運搬システムを用いて患者の血管内に植え込むことができる。
【0005】
ある種のステントは、自己拡張型であり、他の種類のステント、例えば、米国フロリダ州マイアミ・レイクス所在のコーディス・コーポレイション(Cordis Corporation)から入手できるパルマズ‐シャッツ(Palmaz-Schatz)(登録商標)ステントは、膨張した血管形成術型バルーンがステント内壁を押しているときにこのバルーンにより及ぼされる力によって半径方向外方に拡張される。自己拡張型ステントの一例は、スマート(SMART)(登録商標)ニチノールステントであり、これもまた、コーディス・コーポレイションから入手できるニッケルチタン合金ステントである。
【0006】
典型的には、ステントは、導入器シース(introducer sheath)内で運搬されてもよい。ステント、およびシースを、ガイドカテーテルを通して患者の血管内の部位まで前進させることができる。自己拡張型ステントは、拘束するシースを圧縮状態のステントから引っ込めると、ステントの血管内への植え込みに続いてステントを拡張させるばね力を備えている。変形例として、一例を挙げると、自己拡張型ニチノールステントは、ニチノール合金のマルテンサイト変態温度より高い温度に(例えば、30℃より高い温度に)温められた場合、拡張する種類のものであってもよい。
【0007】
自己拡張型ステント運搬システム(SDS)は、ステントが装入される外側シースを備えている。外側シース部材の遠位端部は、自己拡張型ステントを展開させるためにSDSの近位端部に向かって引っ込められる。外側シースは弛みを生じる場合があるので、ステント運搬システム(SDS)の内側部材および先端部は、外側部材を引き戻したときに前方へ動く傾向がある。
【0008】
展開時、自己拡張型ステントは、周りの外側シースを引っ込めると、列毎に拡張する。首尾よく行われた配備の際、ステントの最初に拡張した列は、血管壁に固着してステントの位置を設定するはずである。次に拡張する列は、次に外方へ拡張し、血管壁に接触する。
【0009】
首尾よく行われた展開の際、ステントは、血管内の所望の場所に位置決めされる。しかしながら、自己拡張型ステントは、ばねのような特性を示し、従って、「ステントジャンピング(stent jumping)」の現象を排除しないまでも減少させるよう注意を払わなければならない。すなわち、自己拡張型ステントは、エネルギーを貯えることができる。外側シースを引っ込めているときに生じる摩擦力の結果として、ステントがばねのように働いて摩擦力がステントに作用しているときにエネルギーを貯える場合がある。貯えられたエネルギーは、ステントがシースの端を越えて拡張するときに放出され、このエネルギーの放出により、ステントは、所望の位置から動き、または「ジャンプ」し、その結果、配置が不正確になる場合がある。不正確なステント配置により、ステントの展開が、狭窄症を治療するのに役に立たなくなる可能性がある。
【0010】
したがって、自己拡張型ステントのより正確な配置を提供するためにステントジャンピングを排除しないまでも最小限に抑える装置を提供することが望ましい。
【0011】
〔発明の概要〕
ステントの配置精度(正確さ)の向上は、本発明の目的である。
【0012】
ステントジャンピングを排除しないまでも最小限に抑えることは、本発明の別の目的である。
【0013】
本発明は、所望の場所での正確なステント展開を容易にする構造を備えた自己拡張型ステントの運搬のためのステント運搬システムに関する。この装置は、上述したようにステント展開に悪影響を及ぼすステントジャンピングを排除しないまでも減少させることを意図している。
【0014】
本発明によれば、自己拡張型ステント用のステント運搬システム(SDS)が提供される。このステント運搬システムは、遠位端部、近位端部、内径、および外径を有する細長い管状部材を形成する外側シースを有する。ステント運搬システムは、外側シース内に同軸状に配置された内側シャフトを更に含む。内側シャフトは、遠位端部、近位端部、およびこれら端部相互間に延びる長さ方向軸線を有する。ステント運搬システムは、外側シース内に納められた自己拡張型ステントを保持するよう構成されており、ステントは、外側シースと摩擦接触し、シャフトは、ステントの内腔内に同軸状に配置される。SDSは、放出および展開時に、ステントの配置精度を向上させ、ステントジャンピングを排除しないまでも減少させる構造体を更に備えている。本発明の一特徴によれば、この構造体は、ステントが保持される運搬装置上の位置の遠位側に位置決めされる。例えば、この構造体をステントがその展開前に保持される場所と運搬装置の遠位端部との中間に位置決めすることができる。変形例として、この構造体を運搬装置の遠位側の場所でガイドワイヤに沿って位置決めしてもよい。好ましくは、この構造体は、当初内腔内に非展開状態で保持される、中心を外れた支持部材(off-center support member)であってもよく、この内腔は、例えば、これもまたステントを保持するSDSの外側シースであってもよく、これは、SDSの遠位先端部であってもよい。さらに、中心を外れた支持部材をSDSに設けることができる場所とは無関係に、中心を外れた支持部材を非同軸状にSDSに係合させるのが有利である。換言すると、拡張時、中心を外れた支持部材の軸線は、以下に明らかになる理由で、運搬装置の内側シャフトと同軸ではない。
【0015】
例示の構成では、中心を外れた支持部材は、外側シース内に保持され、内側シャフトに対して非同軸状に設けられる。外側シースがステント展開プロセス中に引っ込められると、本発明の一特徴では拡張可能なばね状材料で作られた中心を外れた支持部材は、運搬装置の長さ方向軸線に対して同軸ではない向きに拡張する。中心を外れた支持部材は、血管内壁まで拡張し、これに接触する。血管壁は、対向力をSDSの内側シャフトに及ぼし、SDSを血管内で中心を外れた配置状態を取るようにさせる。今や、SDSが中心を外れた配置状態にあり、更にシースが引っ込み状態にあるので、自己拡張型ステントが露出される。この構成により、ステントの初期の中心を外れた展開が生じ、これは、血管の壁に対するステントの固着を容易にすると考えられる。かくして、本発明の運搬システムの構造的属性は、結果的にステント展開を不正確にすると考えられるステントジャンピング効果を排除しないまでも減少させるはずである。
【0016】
変形実施形態では、中心を外れた支持部材は、血管装置、例えば、血管フィルタ、または血栓切除術/塞栓切除術用装置であり、このような装置では、血液透過性サックが、サックの開口端部周りに縁を形成する支持ループを有している。支持フープを、ステント運搬システムまたは他の細長い部材、例えばガイドワイヤの遠位領域に取り付けることができる。支持ループは、展開されて開くと、サックに開口部を画定する。
【0017】
〔発明の詳細な説明〕
初期の中心を外れたステント展開を容易にする本発明の構造的属性を既存のステント運搬システムに組み込むことができる。その理由で、各々本願と共通の譲受人に譲渡されている米国特許第6,773,446号明細書、および同第6,939,352号明細書に開示されているステント運搬システムの特徴を、本発明の範囲内で中心を外れた構造的属性を含むよう改造できるステント運搬システムの一例として参照により本明細書に組み込む。しかしながら、これら特定の特許文献の特定の特徴および実施形態に拘束される必要はない。ともかく、図1は、米国特許第6,773,446号明細書に開示された種類の従来型ステント運搬システムを示している。
【0018】
図2は、体内脈管5、例えば血管内への展開中における本発明に従って作られた自己拡張型ステント運搬のためのステント運搬システム1を示している。ステント運搬システム1は、内側および外側の同軸管を有し、内側管は、シャフト10として特定され、外側管は、シース40として特定されている。自己拡張型ステント50が、外側シース内に位置しており、ステントは(少なくとも展開前においては)、外側シースと摩擦接触する。図1で分かるように、シャフト10は、ステントの内腔内で同軸状に配置されている。
【0019】
シャフトの遠位端部には、シャフト10に遠位先端部20が取り付けられている。遠位先端部20を当該技術分野において知られている多くの材料から多層または単一層構造で作ることができ、かかる材料としては、ポリアミド、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、およびポリエチレンを含む。遠位先端部20は、直径が遠位先端部に隣接したシース40の外径の直径にほぼ等しい近位側の端部34を有している。さらに、遠位先端部は、その近位端部34からその遠位端部36まで小さな直径へとテーパしている。運搬装置から延びて出ているガイドワイヤ3は、血管通路を進む際に運搬装置をステント展開部位まで案内するために用いられる。具体的には、図示のように、遠位先端部36は、先端部の遠位端部にガイドワイヤ3上でスライドし、従ってこのガイドワイヤによって差し向けられる機能を与えるよう中空であるのがよい。
【0020】
シャフト10は、マーカ22を備えている。本発明の特徴では、マーカ22は、ステントベッド24の遠位側に配置され、即ち、ステントがその展開前に運搬装置上に保持される場所に配置される。マーカ22は、多くの材料、例えばステンレス鋼で作ることができ、このマーカは、より好ましくは、放射線不透過性の高い物質、例えば、白金、金、タンタル、または放射線不透過性物質入りポリマー(radio-opaque filled polymer)で作られる。マーカを機械的結合、もしくは接着、または当業者には知られている任意他の手段によりシャフト10に取り付けることができる。ステント50は、ステントベッド24がステント50の内腔内に位置するようステントベッド24上で同軸状に位置する。
【0021】
中心を外れた支持部材100が、マーカ22に係合している。シャフト10と関連して、中心を外れた支持部材100は、非同軸状にシャフト10に取り付けられている。中心を外れた支持部材100を機械的結合もしくは接着または当業者に知られている任意他の手段によってシャフト10に取り付けることができる。中心を外れた支持部材を自己拡張性材料、例えばニチノールで形成することができる。中心を外れた支持部材は、少なくとも完全拡張時には、血管内壁に接触するのに必要な大きさおよび寸法を備え、対向力をSDSのシャフト10に及ぼしてSDSを血管内で中心を外れた配置状態にするようにすべきである。単なる例示として挙げると、中心を外れた支持部材100は、円形リング、長円形または楕円形の形状をしていてよい。中心を外れた支持部材は、例えばこれが馬蹄形の形をしていてもよいため、閉じられる必要はない。この場合もまた、中心を外れた支持部材は、任意の形態を取ることができるが、好ましくは、シャフト10の長さ方向軸線に対して同軸ではなく、好ましくは、中心を外れた支持部材を展開してこれを血管内壁に接触させたとき、シャフトを中心を外れた状態に変位させるような大きさおよび寸法を備える。
【0022】
中心を外れた支持部材100は、好ましくは、超弾性合金、例えばニチノールで作られる。最も好ましくは、中心を外れた支持部材100は、約50.5%(本明細書において用いられるこれら百分率は、原子百分率である)のNiから約60%のNi、最も好ましくは約55%のNiを含み、残部がTi合金(alloy Ti)である合金で作られる。中心を外れた支持部材100は、ニチノールワイヤであってよい。ただし、中心を外れた支持部材は、マルチストランドニチノールケーブル(multi-strand nitinol cable)、もしくはスプリングテンパー・ステンレス鋼(spring tempered stainless steel)、または他の超弾性材料で形成してもよい。
【0023】
いつでも使用できる状態では、シースの遠位端部は、内側シャフト10、ステントベッド24上のステント50、マーカ22、および中心を外れた支持部材100を保持する。シースは、遠位先端部36まで外へ延びることができる。
【0024】
手技にあたり、ステント運搬システム1を血管内に挿入し、ガイドワイヤ3に沿って前進させてステントベッド24が標的展開部位まで移動するようにする。外科医が既知の技術によりシャフト10のマーカ22が、これが標的疾患部位に対して取るべき位置にあることをいったん判定すると、外科医は、装置を展開するためにシースの後退を開始させる。これは、ステント運搬システムに設けられた制御装置を操作することにより達成される。外側シースが引っ込んでいるとき、ステントがステントベッド24上に保持されている場所の遠位側の中心を外れた支持部材100は、最初に展開する。中心を外れた支持部材は、好ましくは自己拡張性材料で作られているので、これがシースの拘束から解除されているときに拡張する。さらに、中心を外れた支持部材が非同軸の配置でシャフト10に取り付けられているので、この中心を外れた支持部材は、シャフト10の長さ方向軸線に対して非同軸状に拡張する。中心を外れた支持部材は、血管内壁5まで拡張してこれに接触し、対向力をステント運搬システムのシャフト10に及ぼし、ステント運搬システムを血管5内で中心を外れた配置状態を取るようにさせる。かくして、図2に示すように、ステント運搬システムは、中心を外れた状態に変位される。図2に更に示すように、自己拡張型ステントは、外科医が引き続きシースを引っ込めると、露出される。かくして、ステントの最初の列が、内側シャフトが中心を外れた配置状態にはない場合よりも血管壁により効率的に固着すると考えられる斜めの配置状態で展開される。
【0025】
自己拡張型ステントを最初に中心を外れた配置状態に展開することにより、ステントが備えているストラットの先導列は、血管壁に向かって傾けられ、その結果、ステントは血管壁に比較的迅速に固着される。シースを引っ込めて、圧縮状態のステントの圧縮エネルギーが放出されると、ステントは、ステントの初期固着の向上によりジャンプすることが抑制されるはずである。この構成は、ステントジャンピングを排除しないまでも阻止すると考えられる。かくして、本発明の運搬システムの構造的属性は、結果的にステント展開を不正確にすると考えられるステントジャンピング効果を排除しないまでも減少させるはずである。
【0026】
シースを完全に引っ込め、ステントが完全に拡張し、血管壁に接して係合した後、中心を外れた支持部材を含むステント展開システムを患者から抜去する。
【0027】
図3は、中心を外れた支持部材が、中心を外れた塞栓捕捉フィルタ70、即ち、シャフト10の軸線に対して非同軸状に展開する捕捉フィルタである変形実施形態を示している。捕捉フィルタ70は、ステント展開システムのシャフトを効果的に中心を外れた配置状態になるようにさせる。図示の実施形態では、捕捉フィルタ70は、ガイドワイヤ3に係合し、このガイドワイヤは、遠位側の部材20に対して遠位側に延びる。具体的に説明すると、捕捉フィルタ70は、支持フープ100′、およびこの支持フープ100′に取り付けられた血液透過性サック102を備えている。サック102は、支持フープ100′がサックのための開口部を形成するように支持フープ100′に結合されている。図2では、支持フープ100′は、好ましくは、ガイドワイヤの遠位端部23の近くに、しかも、装置1の遠位先端部20に比較的近接してガイドワイヤ3に連結される。また、図示のように、サック102′の遠位端部は、好ましくは、軸受(bearing)104のところで固着されている。ただし、サックの遠位端部が固着されていない構成も同様に許容できる。
【0028】
サック102は、薄く、柔軟な生体適合性材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、もしくはポリテトラフルオロエチレン、またはこれらの組み合わせで構成されるのがよい。サック102は、大きな塞栓、血栓、または医療手技、例えば、血管形成術またはステント配置中に放出される場合のある異物を濾過しながら血液細胞が妨げられることなくサックを通過できるように寸法決めされた開口部または細孔106を含む。サック102の開口部または細孔106は、約20〜400μm、より好ましくは約80μmの直径を有する。これら細孔の寸法により、赤血球(約5μmの直径を有する)は、サックを容易に通過することができ、他方、血栓または塞栓は捕捉される。
【0029】
支持フープ100′は、好ましくは、ニチノールワイヤで構成されている。ただし、この支持フープをマルチストランドニチノールケーブル、スプリングテンパー・ステンレス鋼、または超弾性材料で形成してもよい。支持フープ100′は、放射線不透過性特徴部、例えば、支持フープ100′の周囲に沿ってぐるりと間隔を置いて設けられた金または白金のバンド33、または支持フープに巻き付けられた放射線不透過性物質のコイル、もしくは金めっき被膜を更に含むことができる。
【0030】
支持フープ100′、および血液透過性サック102は、シース40または遠位先端部20の内腔内に運搬状態で保持される(図4は、遠位先端部20がフープ100′およびサック102を収容している構成を示している)。使用にあたり、ガイドワイヤ3を周知の経皮的技術を用いて血管内の狭窄部の近位側の位置まで操作する。ステント50は、収縮運搬状態でシース40の遠位端部内に配置される。ガイドワイヤ3を用いて血管を通って装置を前進させる。支持フープ100は、例えば、フープを半分に折り畳むことにより圧縮されている。
【0031】
図3に関し、装置1を患者の血管内の狭窄部の近位側の所望の場所に配置し、ガイドワイヤ3の遠位端部110を病変部を通って前進させ、ついにはステントが所望の場所に位置決めされる。装置が適所に位置した状態で、ガイドワイヤ3を静止状態に保持しながらシース40を引っ込める。変形例として、シース40を静止状態に保持してガイドワイヤ3を前進させてもよい。いずれの場合においても、フィルタ70がもはや封じ込められない場合、支持フープ100′は、拡張して、血管5の壁に接してこれをふさぎ、拡張して血管壁に当たって血液透過性サック102を展開させる。血液は、引き続き血管5を通って流れる。さらに、フィルタ70の支持フープ100′が非同軸構造でガイドワイヤ3に取り付けられているので、支持フープは、シャフト10の長さ方向軸線に対して非同軸状に拡張する。中心を外れた支持部材は、血管内壁まで拡張してこれに接触し、対向力をステント運搬システムの内側シャフトに及ぼし、ステント運搬システムを血管内で中心を外れた配置状態を取るようにさせる。かくして、ステント運搬システムが中心を外れた配置状態にあり、外科医が引き続きシースを引っ込めると、自己拡張型ステントは、露出される。ステントが展開されるこの中心を外れた配置状態では、ステントは、ステントが備えているストラットの先導列が上述したように血管壁に向かって傾けられるので血管壁に良好に固着されると考えられる。
【0032】
変形構成例では、サック102に代えて、塞栓を濾過して除去しながら血液を通すことができる細孔寸法を有するネットを用いてもよい。単に例示として挙げると、ボストン・サイエンティフィック・アンド・スパイダ(Boston Scientific, and Spider)からev3によって入手できる製品であるフィルタ・ワイヤ(Filter Wire)をフィルタの構成材料として使用することができる。
【0033】
さらに別の実施形態では、中心を外れた支持部材を、この支持部材の運搬および展開専用のシース内に保持してもよい。このようなシースは、例えば、ステントを保持する外側シース40の内部に位置決めすることができる。この構成では、運搬システムは、(1)中心を外れた支持部材の展開に先立って専用シースを遠位側に動かし、(2)中心を外れた支持部材を展開するためにシースを近位側へ引っ込め、(3)ステントを中心を外れた配置状態に展開した後、シースおよびOCRSを外側シース40内で引っ込める、という機能のうち幾つかまたは全てを実行するのに必要な制御装置を備える。運搬シースおよび他の構成要素の後退および配備を行うためのこの種のステント運搬システムの操作、およびこの運搬システムを作動させる制御装置は、当該技術分野においては周知であり、当業者であれば、中心を外れた支持部材の運搬専用の内腔を操作するための、このような制御装置を提供できることは容易に理解されよう。単に例示として挙げると、既に参照により本明細書に組み込んだ米国特許第6,773,446号明細書、および同第6,939,352号明細書は、このような制御装置を開示している。
【0034】
本明細書における開示は、多くの点で、例示に過ぎないことは理解されよう。本発明の範囲から逸脱しないで、細部、特に、部品の形状、寸法、材料および配置の変更を行うことができる。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づいて定められる。
【0035】
〔実施の態様〕
本発明の具体的な実施態様は、次の通りである。
(1)医療処置を必要とする患者の体内の場所、例えば血管まで医療装置を運搬して展開するための、運搬装置において、
内側シャフト上に自己拡張型ステントを保持する外側シースを動かすための制御装置を備える、操作可能な部分であって、前記内側シャフトは、前記外側シースと同軸である、操作可能な部分と、
前記内側シャフト上に保持されると共に、展開前に、前記外側シース内に保持される、自己拡張型ステントと、
前記内側シャフトに係合していて前記ステントの遠位側の場所で前記外側シース内に設けられた、中心を外れた支持部材と、
を具備し、
前記中心を外れた支持部材は、自己拡張性材料で構成されると共に、前記内側シャフトの長さ方向軸線に対して非同軸状に前記内側シャフトに係合し、
前記中心を外れた支持部材は、初期の状態では相対的圧縮状態にあり、拘束力が除かれると拡張し、それにより、前記運搬装置が患者の体内に挿入されたときに、前記中心を外れた支持部材が、拡張すると展開して前記血管の壁に当たり、前記内側シャフトを、変位させて前記ステントの展開前の中心を外れた配置状態にする、
運搬装置。
(2)実施態様(1)記載の運搬装置において、
前記中心を外れた支持部材は、ニチノールで構成されている、運搬装置。
(3)実施態様(1)記載の運搬装置において、
前記中心を外れた支持部材は、スプリングテンパー・ステンレス鋼で構成されている、運搬装置。
(4)実施態様(1)記載の運搬装置において、
前記中心を外れた支持部材は、前記ステントの遠位側で、かつ前記運搬装置の遠位端部の近位側に配置されている、運搬装置。
(5)実施態様(1)記載の運搬装置において、
前記中心を外れた支持部材は、血管フィルタで構成されている、運搬装置。
(6)実施態様(5)記載の運搬装置において、
前記血管フィルタは、拡張可能なフープで構成され、
前記フープは、前記フープに係合した血液透過性サックの口を形成する、
運搬装置。
(7)実施態様(1)記載の運搬装置において、
前記運搬装置の中央内腔を通って延びるガイドワイヤ、
を更に具備する、運搬装置。
【0036】
(8)医療処置を必要とする患者の体内の場所、例えば血管まで医療装置を運搬して展開するための、運搬装置において、
内側シャフト上に自己拡張型ステントを保持する外側シースを動かすための制御装置を備える、操作可能な部分であって、前記内側シャフトは、前記外側シースと同軸である、操作可能な部分と、
前記内側シャフト上に保持されると共に、展開前に、前記外側シース内に保持される、自己拡張型ステントと、
前記運搬装置中の中央内腔を通り抜けるガイドワイヤと係合している、中心を外れた支持部材であって、前記ステントの遠位側の場所に位置決めされる、中心を外れた支持部材と、
を具備し、
前記中心を外れた支持部材は、自己拡張性材料で構成されると共に、前記内側シャフトの長さ方向軸線に対して非同軸状に前記ガイドワイヤに係合し、
前記中心を外れた支持部材は、初期の状態では相対的圧縮状態にあり、拘束力が除かれると拡張し、それにより、前記運搬装置が患者の体内に挿入されたときに、前記中心を外れた支持部材が、拡張すると展開して前記血管の壁に当たり、前記内側シャフトを、変位させて前記ステントの展開前の中心を外れた配置状態にする、
運搬装置。
(9)実施態様(8)記載の運搬装置において、
前記中心を外れた支持部材は、ニチノールで構成されている、運搬装置。
(10)実施態様(8)記載の運搬装置において、
前記中心を外れた支持部材は、スプリングテンパー・ステンレス鋼で構成されている、運搬装置。
(11)実施態様(8)記載の運搬装置において、
前記中心を外れた支持部材は、前記ステントの遠位側で、かつ前記運搬装置の遠位端部の近位側に配置されている、運搬装置。
(12)実施態様(8)記載の運搬装置において、
前記中心を外れた支持部材は、血管フィルタで構成されている、運搬装置。
(13)実施態様(12)記載の運搬装置において、
前記血管フィルタは、拡張可能なフープで構成され、
前記フープは、前記フープに係合した血液透過性サックの口を形成する、
運搬装置。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に従って改造できるステント運搬システムの単純化された側面図である。
【図2】本発明のステント運搬システムの実施形態の、血管壁を通った断面図である。
【図3】本発明のステント運搬システムの別の実施形態の、血管壁を通った断面図である。
【図4】図3に示す実施形態の特徴の断面図である。




 

 


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