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発明の名称 迅速交換塞栓捕捉ガイドワイヤーシステムおよび使用方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−216013(P2007−216013A)
公開日 平成19年8月30日(2007.8.30)
出願番号 特願2007−24383(P2007−24383)
出願日 平成19年2月2日(2007.2.2)
代理人 【識別番号】100066474
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 博昭
発明者 ペドロ・ディアス / カーク・エル・ジョンソン
要約 課題
カテーテル法を利用するための改善されたガイドワイヤーシステムを提供すること。

解決手段
遠位の塞栓保護装置を備えた、迅速交換塞栓捕捉ガイドワイヤーシステムを含むカテーテル法のシステムおよび方法を開示する。保護装置は、シースの除去を速めるため、シースがガイドワイヤーから剥離されるように構成された長さ方向の出口を含む送達シースを介して、患部領域に配備される。側面ポートを有する捕捉シースは、カテーテル法による治療後、時間を節約するように、フィルターを捕捉し回収するために用いられる。トルク操作装置は、保護装置を操作するために用いられ、シースの不注意な操作を防ぐためにシースを自由にしたまま、ガイドワイヤー上でクランプするように構成される。本発明のシース利用により、また、従来技術のシステムよりも短いガイドワイヤーを用いることができ、カテーテル法をさらに迅速化することが可能である。
特許請求の範囲
【請求項1】
カテーテル法に使用するための送達シースにおいて、
内腔であって、
遠位端、
近位端、および、
ワイヤーが前記内腔を通じて長さ方向に移動することを可能にするよう構成された内部チャネルを画定する側壁、
を有する、内腔、
を具備し、
前記側壁が、前記内腔の内部に配置されたワイヤーの一部を側面に沿って通過させることを可能にするために、前記内腔の長さに沿った長さ方向の出口をさらに含む、
送達シース。
【請求項2】
請求項1に記載の送達シースにおいて、
送達すべきワイヤー案内型装置を収容するための、前記遠位端によって画定される遠位球状部、
をさらに備える、送達シース。
【請求項3】
請求項1に記載の送達シースにおいて、
前記長さ方向の出口が、前記近位端から前記遠位端の一部へと延在する、送達シース。
【請求項4】
請求項3に記載の送達シースにおいて、
前記長さ方向の出口は、内部に配置されたワイヤーを保持する大きさで、かつ前記シースが前記ワイヤーから剥離されることを可能にする大きさの、スリットを備える、送達シース。
【請求項5】
請求項3に記載の送達シースにおいて、
前記長さ方向の出口は、一連のミシン目を備え、
前記ミシン目は、前記ミシン目によって横断される長さにわたって、前記チャネル内に配置されたワイヤーから前記シースが剥離されることを可能にするよう構成されている、送達シース。
【請求項6】
請求項3に記載の送達シースにおいて、
前記長さ方向の出口は、長さ方向に刻み目をつけた領域を備え、
前記長さ方向に刻み目をつけた領域は、前記刻み目をつけた領域によって横断される長さにわたって、前記チャネル内に配置されたワイヤーから前記シースが剥離されることを可能にするよう構成されている、送達シース。
【請求項7】
請求項3に記載の送達シースにおいて、
前記出口は、前記ワイヤーを保持するよう構成された壊れやすい膜を有するチャネルを備え、前記壊れやすい膜は、前記チャネル近傍の前記ワイヤーの長さから前記シースが剥離されることを可能にする、送達シース。
【請求項8】
請求項1に記載の送達シースにおいて、
前記長さ方向の出口を通じて、前記チャネルに配置されたワイヤーの領域からの前記シースの除去を、ユーザーが開始できるよう構成された、剥離開始ハンドル、
をさらに備える、送達シース。
【請求項9】
請求項1に記載の送達シースにおいて、
前記長さ方向の出口を通じて、前記チャネルに配置されたワイヤーの領域からの前記シースの除去を、ユーザーが開始できるよう構成された切り欠き部、
を含む、送達シース。
【請求項10】
塞栓捕捉ガイドワイヤーシステムにおいて、
ワイヤーに案内される遠位保護装置と、
前記遠位保護装置を患部領域に送達するための送達シースであって、前記遠位保護装置に結合されている前記ワイヤーのための長さ方向の出口を含む、送達シースと、
を備え、
前記長さ方向の出口によって前記シースが前記ワイヤーから剥離されることができる、
システム。
【請求項11】
請求項10に記載のシステムにおいて、
前記遠位保護装置は、捕捉フィルターを備える、システム。
【請求項12】
請求項10に記載のシステムにおいて、
前記ワイヤーに案内される遠位保護装置を操作するためのトルク装置、
をさらに備える、システム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムにおいて、
前記剥離する過程を容易にするための前記送達シースの近位端に配置された剥離開始ハンドル、
をさらに備える、システム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムにおいて、
前記トルク装置は、前記剥離開始ハンドル上にクランプすることなく前記ワイヤー上にクランプしており、これによって前記送達シースを操縦することなく前記ワイヤーに案内される遠位保護装置を操縦することができる、システム。
【請求項15】
請求項12に記載のシステムにおいて、
前記送達シースは、前記剥離する過程を容易にするため、前記近位端上に切欠部を含む、システム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムにおいて、
前記トルク装置は、前記シース上にクランプすることなく前記ワイヤー上にクランプしており、これによって前記送達シースを操縦することなく前記ワイヤーに案内される遠位保護装置を操縦することができる、システム。
【請求項17】
請求項10に記載のシステムにおいて、
前記遠位保護装置を回収するための捕捉シース、
をさらに備え、
前記捕捉シースは、側面ポートを含み、
前記側面ポートは、前記ワイヤーが遠位開口部を通って前記捕捉シース内に入り前記側面ポートから出るように、前記捕捉シースが前記ワイヤー上を通ることを可能にする、
システム。
【請求項18】
請求項17に記載のシステムにおいて、
前記捕捉シースは、前記遠位保護装置を折り畳んで、保持するための遠位球状部を含む、システム。
【請求項19】
カテーテル法を実行する方法において、
塞栓捕捉ガイドワイヤーシステムを、送達シースへ挿入し、前記システムのコアワイヤー上でクランプされたトルク装置を用いて、前記塞栓捕捉ガイドワイヤーシステムを治療する病巣の下流側へ送達する工程と、
前記トルク装置を除去し、前記シースの近位端から前記シースの前記遠位端の領域にわたる長さ方向の出口を通じて、前記送達シースを前記ワイヤーの領域から剥離する工程と、
前記送達シースの残余部を前記コアワイヤーから近位に引き抜く工程と、
前記コアワイヤーを覆うように前記病巣に治療システムを挿入して治療処置を行う工程と、
前記治療システムを除去する工程と、
捕捉シースを挿入し、遠位保護装置を捕捉する工程と、
前記捕捉シースおよび前記コアワイヤーを除去する工程と、
を備える、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法において、
前記塞栓捕捉システムは、塞栓フィルターを備え、
前記治療システムは、バルーンカテーテルの血管形成術システムおよびステント植え込み術システムのいずれかを備える、
方法。
発明の詳細な説明
【発明の詳細な説明】
【0001】
http://www.ne.jp/asahi/patent/toyama/jitsumu/m_shousai2.htm
【0002】
〔発明の分野〕
本発明は、患者の体内の血管もしくは他の管腔に用いられるワイヤー案内器具に関する。より詳細には、本発明は、ワイヤー案内処置の間、塞栓を軽減する迅速交換塞栓捕捉ガイドワイヤーシステムに関する。
【0003】
〔発明の背景〕
血管狭窄のための血管形成術もしくはステント植え込み術における患者のカテーテル処置の間、ガイドワイヤーは患者の血管を通して患部へ案内される。例えば、患者の脈管系内の特定の位置において部分的に閉塞した血管を拡張するために、医師はバルーンカテーテルを利用することを望むかもしれない。その実施のために、医師は、患者の脈管系を通してバルーンカテーテル処置のための特定部位に案内されるガイドワイヤーを用いる。ガイドワイヤーを利用してさまざまな医療装置が患者の血管に経皮的に挿入される。バルーンカテーテルは、例えば、細長いチューブの遠位端に取り付けられる。ガイドワイヤーをバルーンカテーテルチューブの内腔に配置してバルーンカテーテルがガイドワイヤーに装着され、脈管系を通じてガイドワイヤーに従って患部に届けられる。
【0004】
部分的に閉塞した血管を拡張するために、医師は様々な手術法、およびバルーンカテーテル、スクレイパーもしくは別の既知の医療装置のような生物医学的装置もしくは用具を使用することができる。しかしながら、これらの装置の利用によって、静脈や動脈を通じて治療部位から移動する可能性のあるプラークおよび血塊のような血液中に循環している異常な粒子である栓子(塞栓物質)を解放し、下流の血流に障害を生じさせることがある。移動した栓子から生じる合併症を低減するため、医師は治療部位の下流に配置されたフィルターを用いることがある。ここで用いる「下流」という用語は、基準となる事項(referenced item)から間隔を置いて配置され、血管を通る血流方向にある事項を指す。
【0005】
フィルターを運ぶために用いる同一のガイドワイヤーもまた、様々なカテーテルを治療部位に/から案内するため頻繁に利用される。例えば、血管形成術もしくはステント植え込み術の間、通常、様々なカテーテルがガイドワイヤー上で交換される。カテーテルが術中に交換される場合、不注意なおよび好ましくないワイヤーの動きが発生するかもしれない。このような不注意の動きによって、フィルターは再配備を必要とする治療領域に移動させられる可能性がある。悪いことに、フィルターは過度な移動により近位(上流)に引き込まれて配備されたステントに絡まるか、もしくは保護用に配備されたはずのフィルターが血管を保護できない位置に不注意に移動させられる可能性がある。
【0006】
同様な問題には、内腔間処置(inter-lumen procedures)中のカテーテルシース装置(catheter-sheathed device)のユーザーによる操作中に遭遇する。ユーザーは配備中にシースをワイヤーとは反対に操作し、塞栓フィルターのような装置の偶発的な転置(displacement)を引き起こすことがあるので、シース装置の操作は、ガイドワイヤーと関連する装置の制御について、シース装置特有の課題を提起する。また、いくつかの血管では、ガイドカテーテルが再配置される場合、フィルターは血管内部で移動しがちである。これは、この動きによって血管が損傷を受けるだけでなく、捕捉された塞栓が自由にされるか、もしくは新たな塞栓がフィルターの上流に解放されるので、望ましくない。
【0007】
したがって、当技術分野において、カテーテル処置の間のユーザーの制御を改善するガイドワイヤーの方法およびシステムに対して、長年にわたる切実な要求が残っている。また、当業者に理解されるように、ワイヤーガイドシステムの欠点は、操作、配備、もしくはカテーテル交換中の不注意な動きに限定されない。例えば、これらの方法のために必要なガイドワイヤーの長さ、および配備中に送達カテーテルシースを外すために必要な時間は、直接的に相関関係を有する。当技術分野において、より短いガイドワイヤーの使用を提供するガイドワイヤーの方法およびシステムに対して、長い間の継続的で、切実な要求が残っている。同様に、当技術分野において、捕捉シースの配備および回収(retrieval)を通じて、配備された装置を外す場合の捕捉時間を最適化するガイドワイヤーの方法およびシステムも要求されている。
【0008】
〔発明の概要〕
本発明の様々な実施例は、上記の欠点を克服する有益な特徴、および新たな利点をも提供する。
【0009】
本発明の目的は、カテーテル法による処置を利用するための改善されたガイドワイヤーシステムを提供することである。本発明における関連目的は、内腔間装置(inter-lumen devices)の改善された操作を可能にするガイドワイヤーシステムを提供することである。本発明の他の目的は、カテーテル法による処置の間にコアワイヤーの改善された制御を可能にするガイドワイヤーシステムを提供することである。本発明の少なくとも1つの実施例における有利な特徴は、カテーテル法による処置中の塞栓フィルターの偶発的な転置などの改善された防止法である。
【0010】
また、本発明の他の目的は、迅速な交換のデザインを有するガイドワイヤーシステムを提供することである。本発明の関連目的は、カテーテル法による処置の間に、コアワイヤーを露出させるために送達シースの素早い撤去を可能にするガイドワイヤーシステムを提供することである。本発明における他の関連目的は、カテーテル法による処置の間に、より迅速な捕捉方法を可能にするガイドワイヤーシステムを提供することである。本発明の少なくとも1つの実施例における有利な特徴は、カテーテル法による処置の間に、より短いコアワイヤーが使用可能なことである。
【0011】
本発明の他の目的は、脈管狭窄の血管形成術およびステント植え込み術のような内腔内手術中における巨視的および微視的な塞栓を低減する迅速交換塞栓捕捉ガイドワイヤーシステムを含む、ガイドワイヤーシステムを提供することである。
【0012】
本発明におけるこれらおよび/もしくは他の新規で有利な態様および特徴は、停止部として作用することができる遠位の柔軟な領域を有するコアワイヤーと、コアワイヤー上で折り畳み可能で、配備が可能な塞栓フィルターと、を具備した塞栓捕捉ガイドワイヤーシステムを備えたカテーテル法などのような、内腔内処置に使用するためのガイドワイヤーシステムを提供することによって実現することができる。コアワイヤーは、治療処置中に解放された塞栓を捕捉するためにフィルター(このフィルターは、遠位の柔軟な領域の近傍および近位に配置されている)が、治療領域の遠位の領域に配備されることを可能にする方法で、治療すべき部位領域に配置される。
【0013】
塞栓捕捉システムは、病巣を閉じる前に、送達シース内部で組み立てられることが好ましい。送達シースの遠位端は、その外形を小さくするため、およびフィルターを配置するために目的の病巣を横断する(crossing)のを容易にするために、塞栓フィルターを折り畳む。本発明の1つの特徴によれば、送達シースは、コアワイヤーからシースを剥がせるように構成される。好ましい実施例において、送達シースは、近位シャフトと、できれば遠位シャフトのほんの一部とに設けられたシーススリットを備える。シーススリットは、コアワイヤーの隣接する領域が剥がす間に送達シースから外に出るための出口を備える。剥がせるシースの利用によって、コアワイヤーを露出させるために送達シースの迅速な取り外しが可能となる。本発明による剥がせるシースの利用によって、ユーザーは、フィルターの偶発的な転置を防ぐためのワイヤーの制御が可能となり、カテーテル法による処置の間に、より短いワイヤーが使用可能になる。理解すべきは、使用するワイヤーが長いほどコアワイヤーからシースおよび装置を除去する時間がかかることである。
【0014】
本発明の他の特徴によれば、病巣にアクセスする塞栓システムの操作を容易にするため、トルク装置がコアワイヤー上でクランプするために使用される。好ましい実施例において、トルク装置は、剥離開始ハンドル(peel-initiator handle)がトルク装置の中心内に入れられる(dock)ことを可能にする凹部を伴って設計される。望ましくは、送達シースの操作を防止するために、トルク装置は剥離開始ハンドル上ではなく、コアワイヤー上でクランプする。
【0015】
フィルターは、送達シースを引き戻すことで配備される。本発明の有益な特徴によれば、一旦フィルターが配備されると、送達シースは、剥離開始ハンドルを引くことによって、コアワイヤーから剥がされることが可能である。シースは、好ましくは、近位シャフトおよび遠位シャフトの一部により画定される送達シーススリットによって、シースは剥がしやすくなる。好ましい実施例において、遠位シャフトは、スリットの端部が位置する領域をユーザーに示すため、近位シャフトとは異なる色を備える。スリットの遠位端は、剥離開始ハンドルよりも遠位端に近い。理解すべきは、送達シースがコアワイヤーから取り除かれれば、PTA(経皮経管的血管形成)、PTCA(経皮経管的冠動脈形成)もしくはステント送達のシステムは、血管形成術およびステント植え込み術を行うため、コアワイヤー上に搭載することができる。
【0016】
血管形成術、ステント植え込み術、もしくは他の治療処置が完了すると、捕捉シースはフィルターへのアクセスおよびフィルターの回収を行うために利用される。本発明の特徴によれば、側面ポート開口部を有する捕捉シースが提供される。操作中、捕捉シースの遠位先端は、捕捉された塞栓を固定し、内腔から回収するためのフィルター外形を小さくするために、フィルターと係合し、フィルターを畳むように構成される。本発明のこの特徴によれば、捕捉シースの遠位端はコアワイヤー上に載せられ、コアワイヤーは側面ポートから出る。捕捉シースおよびコアワイヤーのこの構成により、捕捉処置が促進される。
【0017】
好ましい実施例において、シースの側面ポートは、シースの動きを操作するために使用する近位ハンドルよりも遠位先端に近いところに位置する。近位シャフト領域もまた、シースを押しやすくするため、捕捉シースの遠位シャフトよりも堅く形成される。この構成は、捕捉処置の速度および機敏さをさらに迅速化する。
【0018】
以下の図面の可能な説明が与えられたとすると、本装置は当業者に明らかとなるであろう。
【0019】
本発明は添付図面を参照して説明される。図において、同様の参照符号は同一もしくは機能的に類似した要素を示す。
【0020】
本発明がカテーテル法による処置において使用される塞栓フィルターシステムに関して説明されると、当業者は、あらゆる内腔内処置において装置の配備および捕捉に適用することを含む、本発明の有益な特徴の一般性を理解するであろう。
【0021】
多様な図面は、本発明に基づいた迅速交換塞栓捕捉ガイドワイヤーシステムの、好ましい実施例のさまざまな態様を示す。本発明によって構成された迅速交換塞栓捕捉ガイドワイヤーシステムは、血管狭窄のための血管形成術、およびステント植え込み術中の、巨視的および微視的な塞栓の低減に有益である。図1に示すように、迅速交換塞栓捕捉ガイドワイヤーシステムは、コアワイヤー20の遠位柔軟領域40の近位に配置された塞栓フィルター30を含むガイドワイヤーフィルターシステム10を備える。
【0022】
塞栓フィルター30は、PTA、PTCA、もしくはステント植え込み術中に脱出する粒子を捕捉するため、治療される病巣の下流部位に送達されるように構成される。この目標を達成するため、塞栓フィルター30はニチノールで形成し、その遠位端に血液の濾過を容易にする孔36を有する高分子膜35を備えることが好ましい。孔のサイズは、血液の通過および塞栓の捕捉を可能とするため、50〜200μmの範囲であることが好ましい。フィルターの精密な構造は本発明の本質ではなく、実施される内腔内手術のためのいかなる適切なフィルターでも本発明の範囲内と見なす。同様に、説明した実施例に関するフィルターの使用中、患者の管腔もしくは血管に配備されるように構成される任意の適切な遠位の保護装置が、本発明とともに使用可能であると理解すべきである。
【0023】
図2を参照すると、送達シース50は、ガイドワイヤーフィルターシステム10を適切な位置へ届けやすいように設けられる。ガイドワイヤーフィルターシステム10は、病巣を閉じる前に送達シース50の内部で組み立てられる。この目的を達成するため、送達シースの遠位端55は、塞栓フィルター30の外形を小さくして標的の病巣の横断(crossing)を促進するため、塞栓フィルター30を畳むように構成される。図3は、フィルターの配備前の送達過程における、ガイドワイヤーフィルターシステム10を備えた送達シース50を示す。
【0024】
図2および図3に示すように、送達シース50はまた、剥離開始ハンドル70および長さ方向のシーススリット80を備えるが、その重要性は後述する。シーススリット80は、送達シース50の近位シャフト51および遠位シャフト52の一部の長さに沿った領域に及ぶことが好ましい。図2および図3の線53は、近位シャフト部分51と遠位シャフト部分52の間の部分のおおよその境界区分を示す。好ましくは、境界区分53に隣接する遠位シャフト52の領域は、シーススリット80の端部がどこであるかをユーザーに示すように、色彩、もしくは境界区分53の近傍領域と視覚的に区別可能な他の特徴を、近位シャフト51上に含む。
【0025】
図4は、コアワイヤー20の直径に比較してシーススリット80の相対的な大きさを強調する、図3の線A−Aで切断した断面図である。スリット80は、好ましくは、偶発的もしくは不注意に移動しないようコアワイヤー20を保持する大きさである。コアワイヤー20をスリット80から突出させるためには、少なくともある程度の意図的な摩擦もしくは圧力が必要である。シーススリット80は、その長さに沿う連続した開口裂溝(continuous open fissure)として示され、ミシン目を含むスリットを提供すること、もしくは破れやすい膜を有するスリットを提供することは同様に実行可能である。送達シース50の一部を横方向に移動させることが必要とされるまでコアワイヤー20を保持するいかなる適切な方法も、本発明によって意図するものである。
【0026】
図5は、ガイドワイヤー20、送達シーススリット80、および剥離開始ハンドル70の配置方向を示すため、図3の線B−Bで切断した断面図である。剥離開始ハンドル70は、図示のごとく、コアワイヤー20がスリット80から出ると、コアワイヤー20が側方に通過することができる開口領域にスリット80を露出するよう送達シース50(および内部に収容されたコアワイヤー)を入れて支え(cradle)、一方、送達シース50はハンドル70の陰に留まる。
【0027】
図3を参照すると、装着されたフィルターは、病巣の閉鎖処置の間、血液中に開放された塞栓を捕捉する位置に配備するため、治療する病巣の遠位領域に案内される。図6に示すように、フィルター30は、送達シース50を遠位端55からフィルター30を露呈させるよう引き戻すことによって配備される。フィルターが配備されると、送達シース50は行われている治療において他に何の役にも立たない。したがって、送達シース50は、ステントもしくは血管形成術用バルーンのような治療装置を収容するカテーテルの病巣部位へ配置および進行させるようにコアワイヤーを自由に使用できるようにする(free up)ために、コアワイヤー20から取り除かなければならない。
【0028】
システムからの送達シース50を取り除く速さを促進させるため、剥離開始ハンドル70およびシーススリット80が作用する。つまり、送達シースは、図6の工程に示すようコアワイヤー20から「剥ぎ取られる(peeled away)」。
【0029】
送達シースの剥ぎ取りは、剥離開始ハンドル70を引くことで開始される。ハンドル70を作動させることによって、送達シース50が取り除かれると、コアワイヤー20の過度な邪魔にならない出口としてのシーススリット80を利用して、送達シース50をコアワイヤー20の周辺から取り除くことができる。近位シャフト51および遠位シャフト52の異なる色彩もまた、ユーザーにスリット80の端部および/もしくは遠位端がいつ接近するかを示すことによって、シース50を支障なく取り除く一助となる。スリットの遠位端は、剥離開始ハンドルよりも遠位端に近いことが好ましい。さらに、このとき、送達シースは、システムから取り除かれ、血管形成術もしくはステント植え込み術を行うPTA、PTCA、もしくはステント送達システムの取り付けのため、コアワイヤーを自由に使用できるようにする。
【0030】
血管形成術、もしくはステント植え込み術による狭窄治療の最後には、塞栓フィルターを取り除かなければならない。フィルター30の閉鎖および捕捉されたあらゆる塞栓の保持のため、捕捉シース100が使用される。図7は本発明による現在の好ましい迅速な捕捉シース100を示す。ここに示すように、捕捉シース100は、遠位端120上の遠位先端110と、近位端140上の近位ハンドル150と、遠位先端110とハンドル150との間に配置された側面ポート130とを備える。側面ポート130によって、捕捉シース100の遠位端120はコアワイヤー20を覆うことができる。すなわち、捕捉シースは、コアワイヤーが遠位端の中心およびシャフトの一部を通り、側面ポート130を通ってシースの外へ出るよう、コアワイヤー20の上を通される。これで理解されるように、側面ポートの利用は、カテーテルの全長にコアワイヤーを通す必要がないという点で、時間を節約する。
【0031】
図8に最もよく示されるように、コアワイヤー上に通されると、捕捉シース100がフィルターの外形を畳んでフィルター膜35の内部のあらゆる捕捉された塞栓を保持するように、遠位先端110がフィルター30を覆うまで、ハンドル150を用いて捕捉シース100は進行させられる。捕捉シース100の進行を促進するために、近位シャフト部分は、遠位シャフト部分よりも剛性である。剛性を高めると、シースがフィルターの捕捉および回収を行うための操作位置にシースを押し出しやすくなり、さらなる時間節約の手段となる。
【0032】
図9は本発明の他の有利な特徴を示す。本発明の様々な好ましい実施例において、トルク装置180は、システムを適切な位置へ案内するために用いられる。図9に示すように、トルク装置180は、塞栓フィルターシステム10を送達のための適切な位置へ案内するために使用してもよい。この実施例によるトルク装置180は、遠位結節部(distal nub portion)190、および近位本体部195を備える。トルク装置180の内壁は、コアワイヤー20を受け入れる通路181を画定し、コアワイヤー上でクランプすることができる。トルク装置180は、結節部190に、送達シース50の剥離開始ハンドル70を受け入れるための凹部182を含む。
【0033】
この実施例において、トルク装置180は病巣にアクセスするためにシステムを操作しやすくするために用いられる。凹部182を結節部190内に設けることで、配備中に剥離開始ハンドル70を装着できる。この構成によって、トルク装置180は、コアワイヤー20上でクランプすることができるが、剥離開始ハンドル70上ではクランプしない。剥離開始ハンドル70上でクランプせずに、コアワイヤー20上でクランプすることは、送達シース50の操縦なしにフィルターシステム10を操縦することに備えるものである。トルク装置の厳密な構成は本発明の本質ではない。本明細書をもってすれば、当業者は本発明で使用するための操縦装置を改造することが可能である。操縦装置は、ここで言及した理由のため、コアワイヤー上でのみクランプすることが好ましいが、本発明の範囲内であれば代わりの構成が可能である。
【0034】
このように、本発明の有利な特徴のいくつかのさまざまな改造を利用する他の実施例の広がりを明らかにする例証的な目的のため、送達シースの剥離を開始する他の方法だけでなく、他のクランプ位置も図10に示す。いくつかの代替的な実施例において、送達シースの近位端は、剥離開始ハンドルを必要とすることなしに、ユーザーが剥離する工程を開始することができるように切り欠く。例えば、シースはスリット側を切り欠いた半分の壁面を備える。切り欠きは、ユーザーが剥離工程を開始するために操作することができる領域を提供する。
【0035】
切り欠きを利用する実施例のような、剥離工程をユーザーに開始させる実施例において、本発明の他の有利な特徴は、ワイヤー上の切り欠きの位置に端部保護部材を設けることが可能であることである。端部保護部材は、剥離工程の事前開始を防ぎ、結果として生じる時期尚早のフィルター配備を防ぐのに役立つ。
【0036】
本発明による迅速交換塞栓捕捉ガイドワイヤーシステムを使用する模範的な方法は、フィルターを装填した送達シースを治療する病巣の遠位側へ挿入する工程を備える。フィルターシステムは、送達シースを自由にしたままコアワイヤー上をクランプするトルク装置を用いて操作することが好ましい。フィルターは、次に、ガイドワイヤーを静止させたまま保持し、送達シースを引き戻すことによって配備される。送達シースを引き戻すことで、フィルターの支柱を病巣の遠位で広げ、治療中に開放されたあらゆる塞栓を捕捉することが可能である。トルクを使用するのであれば、フィルター配備の後にトルクを取り除く。送達シースは、次にコアワイヤーから外され、好ましくはコアワイヤーから送達シースを分離する剥離開始ハブによって支援される。
【0037】
剥離工程を継続し、配備シースがシーススリットの端部に引き出される。遠位シャフトの残余部は、ガイドワイヤー上で近位へ取り除かれる。バルーンカテーテルもしくはステントの送達システムは、ガイドワイヤーを覆うように病巣へ挿入され、血管形成術もしくはステント植え込み術が、当業者に既知の方法によって行われる。血管形成カテーテルもしくはステント送達システムが外される。このとき、側面ポートを有する迅速交換捕捉シースは、捕捉されたあらゆる塞栓を保持すると同時に、取り除くため、フィルターを捕捉しそれをより小さな形状に畳むために用いられる。最後に、捕捉シースの近位シャフトもしくはハンドルと、ガイドワイヤーの双方をしっかりと保持したまま、この2つが患者の体内からシステムを回収するために引き戻される。
【0038】
説明した本発明の好ましい実施例および方法のさまざまな改造および変更が、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなしに、構成することができることを当業者は理解すべきである。したがって、添付の特許請求の範囲において、本発明は、本明細書に明確に記載されたもの以外にも実施できることを理解されたい。
【0039】
〔実施の態様〕
(1)カテーテル法に使用するための送達シースにおいて、
内腔であって、
遠位端、
近位端、および、
ワイヤーが前記内腔を通じて長さ方向に移動することを可能にするよう構成された内部チャネルを画定する側壁、
を有する、内腔、
を具備し、
前記側壁が、前記内腔の内部に配置されたワイヤーの一部を側面に沿って通過させることを可能にするために、前記内腔の長さに沿った長さ方向の出口をさらに含む、
送達シース。
(2)実施態様1に記載の送達シースにおいて、
送達すべきワイヤー案内型装置を収容するための、前記遠位端によって画定される遠位球状部、
をさらに備える、送達シース。
(3)実施態様1に記載の送達シースにおいて、
前記長さ方向の出口が、前記近位端から前記遠位端の一部へと延在する、送達シース。
(4)実施態様3に記載の送達シースにおいて、
前記長さ方向の出口は、内部に配置されたワイヤーを保持する大きさで、かつ前記シースが前記ワイヤーから剥離されることを可能にする大きさの、スリットを備える、送達シース。
(5)実施態様3に記載の送達シースにおいて、
前記長さ方向の出口は、一連のミシン目を備え
前記ミシン目は、前記ミシン目によって横断される長さにわたって、前記チャネル内に配置されたワイヤーから前記シースが剥離されることを可能にするよう構成されている、送達シース。
(6)実施態様3に記載の送達シースにおいて、
前記長さ方向の出口は、長さ方向に刻み目をつけた領域を備え、
前記長さ方向に刻み目をつけた領域は、前記刻み目をつけた領域によって横断される長さにわたって、前記チャネル内に配置されたワイヤーから前記シースが剥離されることを可能にするよう構成されている、送達シース。
(7)実施態様3に記載の送達シースにおいて、
前記出口は、前記ワイヤーを保持するよう構成された壊れやすい膜を有するチャネルを備え、前記壊れやすい膜は、前記チャネル近傍の前記ワイヤーの長さから前記シースが剥離されることを可能にする、送達シース。
(8)実施態様1に記載の送達シースにおいて、
前記長さ方向の出口を通じて、前記チャネルに配置されたワイヤーの領域からの前記シースの除去を、ユーザーが開始できるよう構成された、剥離開始ハンドル、
をさらに備える、送達シース。
(9)実施態様1に記載の送達シースにおいて、
前記長さ方向の出口を通じて、前記チャネルに配置されたワイヤーの領域からの前記シースの除去を、ユーザーが開始できるよう構成された切り欠き部、
を含む、送達シース。
【0040】
(10)塞栓捕捉ガイドワイヤーシステムにおいて、
ワイヤーに案内される遠位保護装置と、
前記遠位保護装置を患部領域に送達するための送達シースであって、前記遠位保護装置に結合されている前記ワイヤーのための長さ方向の出口を含む、送達シースと、
を備え、
前記長さ方向の出口によって前記シースが前記ワイヤーから剥離されることができる、
システム。
(11)実施態様10に記載のシステムにおいて、
前記遠位保護装置は、捕捉フィルターを備える、システム。
(12)実施態様10に記載のシステムにおいて、
前記ワイヤーに案内される遠位保護装置を操作するためのトルク装置、
をさらに備える、システム。
(13)実施態様12に記載のシステムにおいて、
前記剥離する過程を容易にするための前記送達シースの近位端に配置された剥離開始ハンドル、
をさらに備える、システム。
(14)実施態様13に記載のシステムにおいて、
前記トルク装置は、前記剥離開始ハンドル上にクランプすることなく前記ワイヤー上いクランプしており、これによって前記送達シースを操縦することなく前記ワイヤーに案内される遠位保護装置を操縦することができる、システム。
(15)実施態様12に記載のシステムにおいて、
前記送達シースは、前記剥離する過程を容易にするため、前記近位端上に切欠部を含む、システム。
(16)実施態様15に記載のシステムにおいて、
前記トルク装置は、前記シース上にクランプすることなく前記ワイヤー上にクランプしており、これによって前記送達シースを操縦することなく前記ワイヤーに案内される遠位保護装置を操縦することができる、システム。
(17)実施態様10に記載のシステムにおいて、
前記遠位保護装置を回収するための捕捉シース、
をさらに備え、
前記捕捉シースは、側面ポートを含み、
前記側面ポートは、前記ワイヤーが遠位開口部を通って前記捕捉シース内に入り前記側面ポートから出るように、前記捕捉シースが前記ワイヤー上を通ることを可能にする、
システム。
(18)実施態様17に記載のシステムにおいて、
前記捕捉シースは、前記遠位保護装置を折り畳んで、保持するための遠位球状部を含む、システム。
【0041】
(19)カテーテル法を実行する方法において、
塞栓捕捉ガイドワイヤーシステムを、送達シースへ挿入し、前記システムのコアワイヤー上でクランプされたトルク装置を用いて、前記塞栓捕捉ガイドワイヤーシステムを治療する病巣の下流側へ送達する工程と、
前記トルク装置を除去し、前記シースの近位端から前記シースの前記遠位端の領域にわたる長さ方向の出口を通じて、前記送達シースを前記ワイヤーの領域から剥離する工程と、
前記送達シースの残余部を前記コアワイヤーから近位に引き抜く工程と、
前記コアワイヤーを覆うように前記病巣に治療システムを挿入して治療処置を行う工程と、
前記治療システムを除去する工程と、
捕捉シースを挿入し、遠位保護装置を捕捉する工程と、
前記捕捉シースおよび前記コアワイヤーを除去する工程と、
を備える、方法。
(20)実施態様19に記載の方法において、
前記塞栓捕捉システムは、塞栓フィルターを備え、
前記治療システムは、バルーンカテーテルの血管形成術システムおよびステント植え込み術システムのいずれかを備える、
方法。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に関連して用いられる模範的なガイドワイヤーフィルターシステムを示す。
【図2】本発明による送達シースの実施例を示す。
【図3】本発明による配備のためのガイドワイヤーフィルターシステムを搭載した送達シースの実施例を示す。
【図4】図3のA−Aに沿った断面図である。
【図5】図3のB−Bに沿った断面図である。
【図6】フィルターの配備後に、ガイドワイヤーフィルターシステムのコアワイヤーから取り除いた送達シースの実施例を示す。
【図7】本発明による捕捉シースの実施例を示す。
【図8】ガイドワイヤーフィルターシステムの配備されたフィルターを回収する工程における、捕捉シースの実施例を示す。
【図9】本発明によるガイドワイヤーシステムを操作するためのトルク装置を示す。
【図10】本発明による、剥離可能なシースおよびトルクをクランプさせる位置の代替構成を示す。




 

 


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