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発明の名称 光活性生体適合性コーティング組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−190379(P2007−190379A)
公開日 平成19年8月2日(2007.8.2)
出願番号 特願2006−355418(P2006−355418)
出願日 平成18年12月28日(2006.12.28)
代理人 【識別番号】100066474
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 博昭
発明者 ロバート・ファロティコ / ジョナソン・ゼット・ザオ
要約 課題
封埋治療薬の生体活性の保持を改善する生体適合性コーティング組成物を提供する。

解決手段
本発明は、長波長紫外光に曝露されると、光架橋されることができる生体適合性コーティング組成物を開示する。生体適合性コーティング組成物は、少なくとも1種類の生体適合性ポリマーに共有結合された光活性部分を有する少なくとも1種類の生体適合性ポリマーと、生体活性分子に共有結合された光活性部分を有する生体活性分子を含む。生体活性分子に共有結合された光活性部分と、少なくとも1種類の生体適合性ポリマーに共有結合された光活性部分は、同一であるか、異なり、ほぼ300 nm以上の波長帯を有する紫外光を吸収し、これに応答する。好ましくは、光活性部分は、チオキサントンから誘導される化学部分である。本発明の生体適合性コーティング組成物は、用品の一表面の少なくとも一部に塗布されることができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
用品の一表面の少なくとも一部に塗布する生体適合性コーティング組成物において、
少なくとも1種類の生体適合性ポリマーであって、当該ポリマーに共有結合された光活性部分を有する、前記少なくとも1種類の生体適合性ポリマーと、
生体活性分子であって、当該分子に共有結合された光活性部分を有する、前記生体活性分子と、
を含み、
前記生体活性分子に共有結合された前記光活性部分、および、前記少なくとも1種類の生体適合性ポリマーに共有結合された前記光活性部分は、同一であるか、または、異なり、ほぼ300 nm以上の波長帯を有する紫外光を吸収し、前記紫外光に応答する、
生体適合性コーティング組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の生体適合性コーティング組成物において、
前記光活性部分は、以下の構造を有する化学部分であり、
【化1】


式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は、同一であるか、または、異なり、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、-CN、-COOH、-NO2、フェニルスルホニル、C1〜C12のアルキル、C3〜C6のシクロアルキル、C1〜C12のアルコキシ、C1〜C12のアルキルチオ、-NHR8、またはアルキル部分に炭素原子1〜6個を有するN,N-ジアルキルアミノ、であり、
Xは、CH2、O、S、NR8であり、
R8は、C1〜C6のアルキルである、
生体適合性コーティング組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の生体適合性コーティング組成物において、
前記共有結合された光活性部分を有する前記少なくとも1種類の生体適合性ポリマーは、生体適合性ポリマー、および反応性光開始剤から誘導され、
前記反応性光開始剤は、光活性部分、および官能基を含み、
前記光活性部分は、ほぼ300 nm以上の波長帯を有する紫外光を吸収し、前記紫外光に応答し、
前記官能基は、前記生体適合性ポリマーと反応し、共有結合を形成する、
生体適合性コーティング組成物。
【請求項4】
請求項3に記載の生体適合性コーティング組成物において、
前記生体適合性ポリマーは、水溶性ポリマーである、
生体適合性コーティング組成物。
【請求項5】
請求項1に記載の生体適合性コーティング組成物において、
前記共有結合された光活性部分を有する前記少なくとも1種類の生体適合性ポリマーは、以下の構造を有する反復単位を含み、
【化2】


式中、
Mは、アルカリ金属陽イオンであり、
nは、10〜5000の整数である、
生体適合性コーティング組成物。
【請求項6】
請求項1に記載の生体適合性コーティング組成物において、
前記共有結合された光活性部分を有する前記少なくとも1種類の生体適合性ポリマーは、以下の構造を有する反復単位を含み、
【化3】


式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は、同一であるか、または、異なり、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、-CN、-COOH、-NO2、フェニルスルホニル、C1〜C12のアルキル、C3〜C6のシクロアルキル、C1〜C12のアルコキシ、C1〜C12のアルキルチオ、-NHR8、またはアルキル部分に炭素原子1〜6個を有するN,N-ジアルキルアミノ、であり、
Xは、CH2、O、S、NR8であり、
Mは、アルカリ金属陽イオンであり、
nは、10〜5000の整数であり、
R8は、C1〜C6のアルキルである、
生体適合性コーティング組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の生体適合性コーティング組成物において、
前記共有結合された光活性部分を有する前記生体活性分子は、生体活性分子、および反応性光開始剤から誘導され、
前記反応性光開始剤は、光活性部分、および官能基を含み、
前記光活性部分は、ほぼ300 nm以上の波長帯を有する紫外光を吸収し、前記紫外光に応答し、
前記官能基は、前記生体活性分子と反応し、共有結合を形成する、
生体適合性コーティング組成物。
【請求項8】
請求項7に記載の生体適合性コーティング組成物において、
前記生体活性分子は、抗血栓形成剤、免疫抑制剤、抗腫瘍剤、抗炎症剤、血管新生抑制剤、およびタンパクキナーゼ阻害剤、から成る群から選択される、
生体適合性コーティング組成物。
【請求項9】
請求項7に記載の生体適合性コーティング組成物において、
前記生体活性分子は、抗血栓形成剤または免疫抑制剤である、
生体適合性コーティング組成物。
【請求項10】
請求項7に記載の生体適合性コーティング組成物において、
前記生体活性分子は、ヘパリンまたはシロリマスである、
生体適合性コーティング組成物。
【請求項11】
請求項3または7に記載の生体適合性コーティング組成物において、
前記反応性光開始剤は、以下の構造を有し、
【化4】


式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は、同一であるか、または、異なり、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、-CN、-COOH、-NO2、フェニルスルホニル、C1〜C12のアルキル、C3〜C6のシクロアルキル、C1〜C12のアルコキシ、C1〜C12のアルキルチオ、-NHR8、またはアルキル部分に炭素原子1〜6個を有するN,N-ジアルキルアミノ、であり、
Xは、CH2、O、S、NR8であり、
R8は、C1〜C6のアルキルである、
生体適合性コーティング組成物。
【請求項12】
請求項3または7に記載の生体適合性コーティング組成物において、
前記反応性光開始剤は、以下の構造を有する、
生体適合性コーティング組成物。
【化5】


【請求項13】
請求項1に記載の生体適合性コーティング組成物において、
前記共有結合された光活性部分を有する前記生体活性分子は、以下の構造を有し、
【化6】


式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は、同一であるか、または、異なり、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、-CN、-COOH、-NO2、フェニルスルホニル、C1〜C12のアルキル、C3〜C6のシクロアルキル、C1〜C12のアルコキシ、C1〜C12のアルキルチオ、-NHR8、またはアルキル部分に炭素原子1〜6個を有するN,N-ジアルキルアミノ、であり、
Xは、CH2、O、S、NR8であり、
mは、10〜5000の整数であり、
R8は、C1〜C6のアルキルであり、
mは、1から20の整数である、
生体適合性コーティング組成物。
【請求項14】
請求項1に記載の生体適合性コーティング組成物において、
前記コーティング組成物は、約1nm〜約10μmの厚さを有する、
生体適合性コーティング組成物。
【請求項15】
用品上に生体適合性コーティング剤を有する用品において、
前記生体適合性コーティング剤は、
少なくとも1種類の生体適合性ポリマーであって、当該ポリマーに共有結合された光活性部分を有する、前記少なくとも1種類の生体適合性ポリマーと、
生体活性分子であって、当該分子に共有結合された光活性部分を有する、前記生体活性分子と、
を含み、
前記生体活性分子に共有結合された前記光活性部分、および前記少なくとも1種類の生体適合性ポリマーに共有結合された前記光活性部分は、同一であるか、または、異なり、ほぼ300 nm以上の波長帯を有する紫外光を吸収し、前記紫外光に応答する、
用品。
【請求項16】
請求項15に記載の用品において、
前記用品は、医療用具、または医療用具の構成物である、
用品。
【請求項17】
請求項16に記載の用品において、
前記医療用具、または前記医療用具の構成物は、植え込み型である、
用品。
【請求項18】
請求項15に記載の用品において、
前記光活性部分は、以下の構造を有する化学部分であり、
【化7】


式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7が、同一であるか、または、異なり、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、-CN、-COOH、-NO2、フェニルスルホニル、C1〜C12のアルキル、C3〜C6のシクロアルキル、C1〜C12のアルコキシ、C1〜C12のアルキルチオ、-NHR8、またはアルキル部分に炭素原子1〜6個を有するN,N-ジアルキルアミノ、であり、
Xは、CH2、O、S、NR8であり、
R8は、C1〜C6のアルキルである、
用品。
【請求項19】
請求項15に記載の用品において、
前記共有結合された光活性部分を有する前記少なくとも1個の生体適合性ポリマーは、以下の構造を有する反復単位を含み、
【化8】


式中、
Mは、アルカリ金属陽イオンであり、
nは、10〜5000の整数である、
用品。
【請求項20】
請求項15に記載の用品において、
前記共有結合された光活性部分を有する前記少なくとも1個の生体適合性ポリマーは、以下の構造を有する反復単位を含み、
【化9】


式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7が、同一であるか、または、異なり、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、-CN、-COOH、-NO2、フェニルスルホニル、C1〜C12のアルキル、C3〜C6のシクロアルキル、C1〜C12のアルコキシ、C1〜C12のアルキルチオ、-NHR8、またはアルキル部分に炭素原子1〜6個を有するN,N-ジアルキルアミノ、であり、
Xは、CH2、O、S、NR8であり、
Mは、アルカリ金属陽イオンであり、
nは、10〜5000の整数であり、
R8は、C1〜C6のアルキルである、
用品。
【請求項21】
請求項15に記載の用品であって、
前記共有結合された光活性部分を有する前記生体活性分子は、以下の構造を有し、
【化10】


式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7が、同一であるか、または、異なり、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、-CN、-COOH、-NO2、フェニルスルホニル、C1〜C12のアルキル、C3〜C6のシクロアルキル、C1〜C12のアルコキシ、C1〜C12のアルキルチオ、-NHR8、またはアルキル部分に炭素原子1〜6個を有するN,N-ジアルキルアミノ、であり、
Xは、CH2、O、S、NR8であり、
mは、10〜5000の整数であり、
R8は、C1〜C6のアルキルであり、
mは、1から20の整数である、
用品。
【請求項22】
請求項15に記載の用品であって、
前記コーティング組成物は、約1nm〜約10μmの厚さを有する、
用品。
発明の詳細な説明
【開示の内容】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、長波長紫外光に曝露されると、光架橋されることができる生体適合性コーティング組成物、および、用品上に本発明の生体適合性コーティングを有する用品に関する。
【0002】
〔発明の背景〕
医療用具、特に医療用インプラントは、長期使用を目的とされ、生体組織と直接境界面を接する。よって、医療用具の製造にとって、生体適合性の問題は、重要な懸念事項である。しかし、大半の医療用具は、金属、セラミックまたはポリマー材料などの非生体適合性材料から形成されており、これらは、疎水性、非共形であり、滑りにくい。臨床使用または手術中、これらの非生体適合性材料は、血栓形成、炎症、または、他の粘膜損傷を引き起こす可能性がある。正しく、安全に、機能するためには、医療用具は、通常、1層以上の生体適合性材料層でコートされる。これらの医療用具のコーティング剤は、ある場合には、治療薬および医薬品の送達に使用されることができる。
【0003】
医療用具のコーティング材料の一つの要件は、血液適合性である。それは、異物への血液の応答が侵襲的で、表面誘発血栓形成(surface induced thrombus formation)を生じ、これが用具の機能を損なうか、または、不能にするだけでなく、患者の健康を脅かす可能性がある。さらに、医療用具のコーティング材料は、使用または手術中、亀裂を起こさず、医療用具表面から剥離しないように、機械的耐久性を有することも要求される。
【0004】
血液適合性と機械的耐久性の両方を有するコーティング材料を得るために、サーモディクス社(SurModics, Inc.)は、フォトリンク(PhotoLink(登録商標))技術を開発し、当該技術において、光開始剤−修飾ポリマー(photoinitiator-modified polymers)および光開始剤−修飾生体活性分子(photoinitiator-modified biologically active molecules)を含有するポリマーコーティング組成物を紫外(UV)光に曝露することによって架橋された。フォトリンク(PhotoLink(登録商標))において典型的に使用される生体活性分子の一つは、ヘパリンで、これは、先天的凝固障害を治療し、手術中および介入処置中の血餅形成を防止する静注抗凝固剤(intravenous anticoagulant)として何十年も臨床で使用されてきたポリサッカライド化合物(polysaccharide compound)である。ヘパリンは、コーティング材料に固定されると、コーティング材料の血液適合性を改善する。さらに、光活性化架橋プロセス、即ち光架橋プロセスは、用具表面へのコーティング剤の共有化学結合を生じ、比較的安定なコーティングを生じる。
【0005】
しかし、フォトリンク(PhotoLink(登録商標))で使用される光開始剤は、ベンゾフェノン(benzophenone)またはその誘導体であり、これらは、短波長帯を有するUV光、即ちほぼ300 nm以下の波長帯を有するUV光を吸収し、応答する。よって、フォトリンク(PhotoLink(登録商標))における光架橋反応は、短波長帯を有するUV光でのみ開始されるといえる。特に、多くの治療薬(例、シロリマス(sirolimus))は、短波長帯UV光に感受性を示し、それに暴露されると分解する可能性がある。事実、光架橋またはプラズマ処理プロセス後には、シロリマス含量の著しい損失が認められた。さらに、フォトリンク(PhotoLink(登録商標))プロセスによって発生される持続性フリーラジカル(long-lasting free radicals)は、コーティング剤に封埋された薬剤(drugs)の安定性に有害な影響を与え、その結果、当該薬剤の生体活性を低減する可能性がある。
【0006】
そのため、生体適合性コーティング組成物であって、光架橋プロセスを受けて、当該組成物に封埋された治療薬の生体活性の保持を改善する生体適合性コーティング組成物が求められている。
【0007】
〔発明の概要〕
従って、本発明は、用品の一表面の少なくとも一部に塗布する生体適合性コーティング組成物を提供し、この生体適合性コーティング組成物は、少なくとも1種類の生体適合性ポリマーであって、このポリマーに共有結合された光活性部分を有する、少なくとも1種類の生体適合性ポリマーと、生体活性分子であって、この分子に共有結合された光活性部分を有する、生体活性分子とを含み、生体活性分子に共有結合された光活性部分、および少なくとも1種類の生体適合性ポリマーに共有結合された光活性部分は、同一であるか、または、異なり、ほぼ300 nm以上の波長帯を有するUV光を吸収し、このUV光に応答(respond)する。好ましくは、光活性部分は、チオキサントン(thioxanthone)から誘導される化学部分である。
【0008】
本発明はまた、用品上の生体適合性コーティング剤を有する用品を提供し、この生体適合性コーティング剤は、少なくとも1種類の生体適合性ポリマーであって、このポリマーに共有結合された光活性部分を有する、少なくとも1種類の生体適合性ポリマーと、生体活性分子であって、この分子に共有結合された光活性部分を有する、生体活性分子とを含み、生体活性分子に共有結合された光活性部分、および少なくとも1種類の生体適合性ポリマーに共有結合された光活性部分は、同一であるか、または、異なり、ほぼ300 nm以上の波長帯を有するUV光を吸収し、このUV光に応答する。好ましくは、当該用品は、医療用具または医療用具構成物である。
【0009】
〔発明の詳細な説明〕
本発明は、用品の一表面の少なくとも一部に塗布するための生体適合性コーティング組成物を提供する。用語「生体適合性」は、本明細書で使用される場合、生組織に有毒な応答、有害な応答、または、免疫応答(immunological response)を生じないことによって、生物学的に適合することを示す。生体適合性コーティング組成物は、少なくとも1種類の生体適合性ポリマーに共有結合された光活性部分を有する当該少なくとも1種類の生体適合性ポリマーと、生体活性分子に共有結合された光活性部分を有する当該生体活性分子とを含む。用語「生体活性分子」は、本明細書で使用される場合、生組織からの応答への作用を有するか、または、この応答を誘発する、化合物もしくは物質を示す。生体活性分子に共有結合された光活性部分、および、少なくとも1種類の生体適合性ポリマーに共有結合された光活性部分は、同一であるか、または、異なり、ほぼ300 nm以上の波長帯を有するUV光を吸収し、このUV光に応答する。本発明の生体適合性コーティング組成物は、少なくとも1種類の生体適合性ポリマーに共有結合された光活性部分を有する当該少なくとも1種類の生体適合性ポリマーと、生体活性分子に共有結合された光活性部分を有する当該生体活性分子とに加えて、任意に、1種類以上の生体適合性ポリマーであって、このポリマーに共有結合された光活性部分を保有しない、1種類以上の生体適合性ポリマー、をさらに含むことができる。
【0010】
本発明の光活性部分は、長波長帯、即ちほぼ300 nm以上の波長帯を有するUV光を吸収し、その結果、光架橋反応を開始する。本発明の光活性部分は、架橋反応の開始に必要な光曝露時間を短縮させるように、ベンゾフェノンの吸光係数よりも高い吸光係数を有することが好ましい。
【0011】
本発明のある実施態様では、光活性部分は、チオキサントンから誘導される化学部分である。典型的には、チオキサントンから誘導される光活性部分は、以下の構造を有し、
【化1】


式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は、同一であるか、または異なり、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、-CN、-COOH、-NO2、フェニルスルホニル(phenylsulfonyl)、C1〜C12のアルキル(C1-C12 alkyl)、C3〜C6のシクロアルキル(C3-C6 cycloalkyl)、C1〜C12のアルコキシ(C1-C12 alkoxy)、C1〜C12のアルキルチオ(C1-C12 alkylthio)、-NHR8、または、アルキル部分に炭素原子1〜6個を有するN,N-ジアルキルアミノ(N,N-dialkylamino)、であり、
Xは、CH2、O、S、NR8であり、
R8は、C1〜C6のアルキルである。
好ましくは、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は、それぞれ、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、またはC1〜C12アルキルである。本発明に適したアルキルの例は、メチル、エチル、n-プロピル(n-propyl)、イソプロピル(isopropyl)、n-ブチル(n-butyl)、n-ペンチル(n-pentyl)、n-ヘキシル(n-hexyl)、および、それらの類似体を含むが、それらに制約されない。式(Ia)、(Ib)、(Ic)および(Id)の光活性部分は、ほぼ300 nm以上の波長を有するUV光を吸収し、このUV光に応答するだけでなく、ベンゾフェノンの吸光係数(extinction coefficient)よりも高い吸光係数を有する。
【0012】
少なくとも1種類の生体適合性ポリマーに共有結合された光活性部分を有する当該少なくとも1種類の生体適合性ポリマーは、生体適合性ポリマーまたはその類似体と反応性光開始剤との共役から誘導されるのが好ましい。反応性光開始剤(reactive photoinitiator)は、光活性部分と少なくとも1個の官能基とを含み、光活性部分は、ほぼ300 nm以上の波長帯を有するUV光を吸収し、このUV光に応答し、少なくとも1個の官能基は、生体適合性ポリマーまたはその類似体と反応し、共有結合を形成する。本発明に適した生体適合性ポリマーの例は、ポリ(エチレングリコール)(poly(ethylene glycol))、ポリ(ビニルピロリドン)(poly(vinyl pyrrolidone))、ポリ(アルキルアクリレート)(poly(alkyl acrylate))、および、ポリ(アルキルメタクリレート)(poly(alkyl methacrylate))を含むが、それらに制約されない。好ましくは、生体適合性ポリマーは、水溶性ポリマーである。本発明のある実施態様では、水溶性ポリマーは、ポリ(ビニルピロリドン)(poly(vinyl pyrrolidone))である。用語「光開始剤」は、UV光を吸収して、応答し、フリーラジカルまたは陽イオン(cations)を生じ、架橋重合プロセスを開始する有機化合物を示す。本発明の反応性光開始剤の官能基は、生体適合性ポリマーと反応し、共有結合を形成できるいずれかの求核性(nucleophilic)または求電子性化学部分(electrophilic chemical moiety)であることができる。本発明において反応性光開始剤に適した官能基の例は、カルボン酸、カルボン酸クロライド(carboxylic acid chloride)、アミノ、ヒドロキシ、ハロゲン置換アルキル、チオカルボキシ(thiocarboxyl)およびトリアゾール(triazole)を含むが、それらに制約されない。
【0013】
本発明のある実施態様では、反応性光開始剤は、以下の構造を有するチオキサントン型光開始剤(thioxanthone-type photoinitiator)であり、
【化2】


式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は、同一であるか、または異なり、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、-CN、-COOH、-NO2、フェニルスルホニル、C1〜C12のアルキル、C3〜C6のシクロアルキル、C1〜C12のアルコキシ、C1〜C12のアルキルチオ、-NHR8、またはアルキル部分に炭素原子1〜6個を有するN,N-ジアルキルアミノ、であり、
Xは、CH2、O、S、NR8であり、
R8は、C1〜C6のアルキルである。
好ましくは、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は、それぞれ、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、またはC1〜C12のアルキルである。
【0014】
チオキサントン型光開始剤の合成は、文献で報告されており、当業者に周知である。チオキサントン型光開始剤の調製の典型的合成反応経路は、反応経路1に示され、この場合、XはCH2、O、S、NR8であり、R8はC1〜C6のアルキルである。
【化3】


【0015】
本発明のある実施態様では、少なくとも1種類の生体適合性ポリマーに共有結合された光活性部分を有する当該少なくとも1種類の生体適合性ポリマーは、ポリ(ビニルピロリドン)と反応性光開始剤とから誘導され、以下の構造を有し、
【化4】


式中、
Mは、アルカリ金属陽イオンであり、
nは、10〜5000の整数である。
好ましくは、Mはナトリウム陽イオンもしくはカリウム陽イオンである。
【0016】
本発明の別の実施態様では、反応経路2に示すように、少なくとも1種類の生体適合性ポリマーに共有結合された光活性部分を有する当該少なくとも1種類の生体適合性ポリマーは、ポリ(ビニルピロリドン)と式(II)のチオキサントン型光開始剤とから誘導される。「塩基」は、本明細書で使用される場合、ラクトアミド(lactamide)を加水分解(hydrolize)できるいずれかの塩基であることができる。好ましくは、塩基は、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどの水酸化アルカリである。
【化5】


式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は、同一であるか、または異なり、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、-CN、-COOH、-NO2、フェニルスルホニル、C1〜C12のアルキル、C3〜C6のシクロアルキル、C1〜C12のアルコキシ、C1〜C12のアルキルチオ、-NHR8、またはアルキル部分に炭素原子1〜6個を有するN,N-ジアルキルアミノ、であり、
Xは、CH2、O、S、NR8であり、
R8は、C1〜C6のアルキルであり、
Mは、アルカリ金属陽イオンであり、
nは、10〜5000の整数である。
【0017】
本発明の別の実施態様では、反応経路3に示されるように、少なくとも1種類の生体適合性ポリマーに共有結合された光活性部分を有する当該少なくとも1種類の生体適合性ポリマーは、二官能価反応性光開始剤(di-functional reactive photoinitiator)と2種類の生体適合性ポリマーとから誘導される。用語「二官能価反応性光開始剤」は、本明細書で使用される場合、光活性部分と2個の官能基とを含む反応性光開始剤を示し、この場合、光活性部分は、ほぼ300 nm以上の波長帯を有するUV光を吸収し、このUV光に応答し、2個の官能基は、2種類の生体適合性ポリマーまたはその類似体と反応し、それぞれ2個の共有結合を形成する。二官能価反応性光開始剤から誘導された、少なくとも1種類の生体適合性ポリマーに共有結合された光活性部分を有する当該少なくとも1種類の生体適合性ポリマーを含む本発明の生体適合性コーティング組成物は、さらに増強された統合性および安定性を有する。合成経路3のポリマー1およびポリマー2は、同一であるか、または異なり、ともに生体適合性ポリマーである。好ましくは、ポリマー1-NH2およびポリマー2-NH2は、ポリ(ブチルメタクリレート)(poly(butyl methacrylate))とポリ(メチルメタクリレート)(poly(methyl methacrylate))とのアミン末端基によるコポリマー(copolymers)である。
【化6】


【0018】
生体活性分子に共有結合した光活性部分を有する当該生体活性分子は、生体活性分子またはその類似体と反応性光開始剤との共役から誘導されるのが好ましい。反応性光開始剤は、光活性部分と少なくとも1個の官能基を含み、光活性部分は、ほぼ300 nm以上の波長帯を有するUV光を吸収し、このUV光に応答し、少なくとも1個の官能基は生体活性分子またはその類似体と反応し、共有結合を形成する。本発明のある実施態様では、反応性光開始剤は、上記のとおりの式(II)の構造を有する。
【0019】
本発明に適した生体活性分子は、例えば、疾患、または、医療用具の生体への導入に対する生体反応(biological organism's reaction)の治療または防止に治療効果を有するいずれかの薬剤(drugs)、作用物質(agents)、化合物、および/または、それらの組み合わせを含む。好ましい生体活性分子は、抗血栓形成剤、免疫抑制剤、抗腫瘍剤、抗炎症剤、血管新生抑制剤、タンパクキナーゼ阻害剤、および、哺乳動物の再狭窄を治癒、軽減または防止できる他の作用物質を含むがそれらに制約されない。本発明の生体活性分子の例は、ヘパリン、アルブミン、ストレプトキナーゼ、組織プラスミノーゲンアクチベーター(tissue plasminogin activator)(TPA)、ウロキナーゼ、ラパマイシン、パクリタキセル、ピメクロリマス(pimecrolimus)、および、それらの類似体および誘導体を含むが、それらに制約されない。
【0020】
本発明のある実施態様では、反応経路4に示されるように、生体活性分子に結合した光活性部分を有する当該生体活性分子は、ヘパリン類似体および式(II)のチオキサントン型光開始剤から調製される。
【化7】


式中、
mは、1〜20の整数であり、
R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は、上記のとおりである。
【0021】
本発明では、少なくとも1種類の生体適合性ポリマーに結合された光活性部分を有する当該少なくとも1種類の生体適合性ポリマーと、生体活性分子に結合した光活性部分を有する当該生体活性分子は、別個に調製され、次に、当業者に周知の方法で物理的に混合され、本発明の生体適合性コーティング組成物を形成する。本発明のある実施態様では、本発明の生体活性分子に結合された光活性部分を有する当該生体活性分子は、有機溶媒に溶解され、次に、得られた溶液は、少なくとも1種類の生体適合性ポリマーに結合された光活性部分を有する当該少なくとも1種類の生体適合性ポリマーの溶液と混合される。本発明の別の実施態様では、生体活性分子に結合された光活性部分を有する当該生体活性分子は、少なくとも1種類の生体適合性ポリマーに結合された光活性部分を有する当該少なくとも1種類の生体適合性ポリマーが溶解した有機溶媒の溶液中に直接溶解される。少なくとも1種類の生体適合性ポリマーに共有結合された光活性部分を保有しない当該少なくとも1種類の生体適合性ポリマーは、本発明の生体適合性コーティング組成物の使用目的に応じて、別個に調製された、少なくとも1種類の生体適合性ポリマーに結合された光活性部分を有する当該少なくとも1種類の生体適合性ポリマーと、生体活性分子に結合された光活性部分を有する当該生体活性分子と、任意に混合されることができる。
【0022】
本発明の生体適合性コーティング組成物は、ほぼ300 nm以上の波長帯を有するUV光に曝露されると、架橋反応を起こし、それによって、少なくとも1種類の生体適合性ポリマーに共有結合された光活性部分を有する当該少なくとも1種類の生体適合性ポリマーと、生体活性分子に共有結合された光活性部分を有する当該生体活性分子とが架橋される。本発明の光架橋プロセスに使用される光源は、長波長帯を有するUV光であるので、本発明の生体適合性コーティング組成物内の生体活性分子への損傷は、フォトリンク(PhotoLink(登録商標))プロセスでの生体活性分子への損傷に比較して著しく軽減される。さらに、本発明の生体適合性コーティング組成物は、ベンゾフェノンの吸光係数よりも高い吸光係数を有し、その結果、本発明での光架橋プロセスの開始に必要とされる曝露時間が、実質的に短縮される。よって、生体活性分子への損傷がさらに軽減される。即ち、先行技術のフォトリンク(PhotoLink(登録商標))技術と異なり、本発明の生体適合性コーティング組成物は、光架橋プロセスを受け、生体適合性コーティング組成物に封埋された生体活性分子への損傷をまったくもしくはほとんど引き起こさない。そのため、本発明の生体適合性組成物内の生体活性分子は、先行技術のフォトリンク(PhotoLink(登録商標))技術の生体活性分子と比較して、改善された生体活性を保持する。
【0023】
本発明の生体適合性組成物の物理機械的特性(例、滑らかさ、潤滑性および耐久性)は、反応性光開始剤との共役に使用される生体適合性ポリマーを変えることによって、あるいは、少なくとも1種類の生体適合性ポリマーに共有結合された任意の光活性部分を保有しない当該少なくとも1種類の生体適合性ポリマーの導入によって、調整されることができる。さらに、各種官能基が、本発明の光活性部分に導入され、少なくとも1種類の生体適合性ポリマーまたは生体分子に所望の物理機械的特性を付与することができる。本発明の生体適合性コーティング組成物中の光活性部分の密度の調整、適当な光源の配置またはそれらの組み合わせによって、本発明の最適な光架橋条件が得られることができる。生体適合性コーティング組成物中の光活性部分の密度は、生体適合性ポリマーまたは生体活性分子に対する反応性光開始剤の供給比を調整することによって調節されることができる。本発明に適した光源は、ほぼ400 nmの長波長のLED光およびほぼ300 nmよりも長い波長帯を有するUV光で最大吸収を示す金属ハライド塗装(doped with metal halides)の水銀ランプを含むが、それらに制約されない。
【0024】
本発明の生体適合性コーティング組成物は、用品の一表面の少なくとも一部に塗布されることができる。一部の実施態様では、本発明の生体適合性コーティング組成物は、用品の全露出表面に塗布される。生体適合性コーティング剤の厚さは、コーティング剤の形成に使用されるプロセスおよび用品の使用目的に応じて変えられることができる。典型的には、また、医療用具用として、本発明のコーティング剤は、約1nm〜約10μmの厚さに塗布され、約100nm〜約10μmの厚さがさらに典型的である。
【0025】
本発明は、用品上に設けられた本発明の生体適合性コーティング剤を有する当該用品も提供する。本発明の生体適合性コーティング剤は、用品の一表面の少なくとも一部上にある。用品の一表面の少なくとも一部は、ポリマーコート、プラスチック物質、セラミック、スチール、または、他の合金の表面であることができる。本発明の生体適合性コーティング組成物でコートされることができる用品は、いずれの形状であることもでき、好ましくは、医療用具、または、医療用具の構成物である。用語「医療用具」は、本明細書で使用される場合、医療治療で使用される身体用具(physical item)を示し、外用医療用具と植え込み型医療用具の両方を含む。本発明の生体適合性コーティング材でコートされることができる医療用具は、カテーテル、ガイドワイヤー、薬剤溶出ステント、渦巻管インプラント(cochlear implant)、網膜インプラント、胃バンド、神経系刺激装置(neurostimulation devices)、筋肉刺激装置、植え込み型薬剤送達用具、眼内用具、および、各種の他の医療用具を含むが、それらに制約されない。好ましくは、医療用具は、植え込み型医療用具、即ち、医療用インプラントである。
【0026】
本発明の生体適合性コーティング材は、例えば噴霧コーティング、超音波コーティング、浸漬コーティングなどの従来のコーティング技術を使って、用品表面に塗布されることができる。浸漬コーティングプロセスでは、用品は、生体適合性コーティング材を含有する浴槽中に浸漬された後、取り出される。構成材料、用具の複雑さ、および、所望のコーティングの厚さに応じて、約1分〜約2時間の範囲の留置時間が使用されることができる。次に、生体適合性コーティング材でコートされた用品は、乾燥され、乾燥コーティングを提供することができる。乾燥は、単に周囲条件での放置によって達成されることができ、あるいは、約30℃〜約65℃などの低温で加熱することによって促進されることができる。
【0027】
本発明は、特に、本発明の好ましい実施態様に関して提示、説明されているが、本発明の精神および範囲を逸脱せずに、前記および他の形態および詳細の変更を加えられることができる点は、当業者の理解するところとなる。そのため、本発明は、説明、図解された形態および詳細そのものに制約されず、添付された特許請求の範囲内であることを意図するものである。
【0028】
〔実施の態様〕
(1)用品の一表面の少なくとも一部に塗布する生体適合性コーティング組成物において、
少なくとも1種類の生体適合性ポリマーであって、当該ポリマーに共有結合された光活性部分を有する、前記少なくとも1種類の生体適合性ポリマーと、
生体活性分子であって、当該分子に共有結合された光活性部分を有する、前記生体活性分子と、
を含み、
前記生体活性分子に共有結合された前記光活性部分、および、前記少なくとも1種類の生体適合性ポリマーに共有結合された光活性部分は、同一であるか、または、異なり、ほぼ300 nm以上の波長帯を有する紫外光を吸収し、前記紫外光に応答する、
生体適合性コーティング組成物。
(2)実施態様1に記載の生体適合性コーティング組成物において、
前記光活性部分は、以下の構造を有する化学部分であり、
【化8】


式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は、同一であるか、または、異なり、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、-CN、-COOH、-NO2、フェニルスルホニル、C1〜C12のアルキル、C3〜C6のシクロアルキル、C1〜C12のアルコキシ、C1〜C12のアルキルチオ、-NHR8、またはアルキル部分に炭素原子1〜6個を有するN,N-ジアルキルアミノ、であり、
Xは、CH2、O、S、NR8であり、
R8は、C1〜C6のアルキルである、
生体適合性コーティング組成物。
(3)実施態様1に記載の生体適合性コーティング組成物において、
前記共有結合された光活性部分を有する前記少なくとも1種類の生体適合性ポリマーは、生体適合性ポリマー、および反応性光開始剤から誘導され、
前記反応性光開始剤は、光活性部分、および官能基を含み、
前記光活性部分は、ほぼ300 nm以上の波長帯を有する紫外光を吸収し、前記紫外光に応答し、
前記官能基は、前記生体適合性ポリマーと反応し、共有結合を形成する、
生体適合性コーティング組成物。
(4)実施態様3に記載の生体適合性コーティング組成物において、
前記生体適合性ポリマーは、水溶性ポリマーである、
生体適合性コーティング組成物。
(5)実施態様1に記載の生体適合性コーティング組成物において、
前記共有結合された光活性部分を有する前記少なくとも1種類の生体適合性ポリマーは、以下の構造を有する反復単位を含み、
【化9】


式中、
Mは、アルカリ金属陽イオンであり、
nは、10〜5000の整数である、
生体適合性コーティング組成物。
(6)実施態様1に記載の生体適合性コーティング組成物において、
前記共有結合された光活性部分を有する前記少なくとも1種類の生体適合性ポリマーは、以下の構造を有する反復単位を含み、
【化10】


式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は、同一であるか、または、異なり、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、-CN、-COOH、-NO2、フェニルスルホニル、C1〜C12のアルキル、C3〜C6のシクロアルキル、C1〜C12のアルコキシ、C1〜C12のアルキルチオ、-NHR8、またはアルキル部分に炭素原子1〜6個を有するN,N-ジアルキルアミノ、であり、
Xは、CH2、O、S、NR8であり、
Mは、アルカリ金属陽イオンであり、
nは、10〜5000の整数であり、
R8は、C1〜C6のアルキルである、
生体適合性コーティング組成物。
(7)実施態様1に記載の生体適合性コーティング組成物において、
前記共有結合された光活性部分を有する前記生体活性分子は、生体活性分子、および反応性光開始剤から誘導され、
前記反応性光開始剤は、光活性部分、および官能基を含み、
前記光活性部分は、ほぼ300 nm以上の波長帯を有する紫外光を吸収し、前記紫外光に応答し、
前記官能基は、前記生体活性分子と反応し、共有結合を形成する、
生体適合性コーティング組成物。
(8)実施態様7に記載の生体適合性コーティング組成物において、
前記生体活性分子は、抗血栓形成剤、免疫抑制剤、抗腫瘍剤、抗炎症剤、血管新生抑制剤、およびタンパクキナーゼ阻害剤、から成る群から選択される、
生体適合性コーティング組成物。
(9)実施態様7に記載の生体適合性コーティング組成物において、
前記生体活性分子は、抗血栓形成剤または免疫抑制剤である、
生体適合性コーティング組成物。
(10)実施態様7に記載の生体適合性コーティング組成物において、
前記生体活性分子は、ヘパリンまたはシロリマスである、
生体適合性コーティング組成物。
【0029】
(11)実施態様3または7に記載の生体適合性コーティング組成物において、
前記反応性光開始剤は、以下の構造を有し、
【化11】


式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は、同一であるか、または、異なり、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、-CN、-COOH、-NO2、フェニルスルホニル、C1〜C12のアルキル、C3〜C6のシクロアルキル、C1〜C12のアルコキシ、C1〜C12のアルキルチオ、-NHR8、またはアルキル部分に炭素原子1〜6個を有するN,N-ジアルキルアミノ、であり、
Xは、CH2、O、S、NR8であり、
R8は、C1〜C6のアルキルである、
生体適合性コーティング組成物。
(12)実施態様3または7に記載の生体適合性コーティング組成物において、
前記反応性光開始剤は、以下の構造を有する、
生体適合性コーティング組成物。
【化12】


(13)実施態様1に記載の生体適合性コーティング組成物において、
前記共有結合された光活性部分を有する前記生体活性分子は、以下の構造を有し、
【化13】


式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は、同一であるか、または、異なり、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、-CN、-COOH、-NO2、フェニルスルホニル、C1〜C12のアルキル、C3〜C6のシクロアルキル、C1〜C12のアルコキシ、C1〜C12のアルキルチオ、-NHR8、またはアルキル部分に炭素原子1〜6個を有するN,N-ジアルキルアミノ、であり、
Xは、CH2、O、S、NR8であり、
mは、10〜5000の整数であり、
R8は、C1〜C6アルキルであり、
mは、1から20の整数である、
生体適合性コーティング組成物。
(14)実施態様1に記載の生体適合性コーティング組成物において、
前記コーティング組成物は、約1nm〜約10μmの厚さを有する、
生体適合性コーティング組成物。
(15)用品上に生体適合性コーティング剤を有する用品において、
前記生体適合性コーティング剤は、
少なくとも1種類の生体適合性ポリマーであって、当該ポリマーに共有結合された光活性部分を有する、前記少なくとも1種類の生体適合性ポリマーと、
生体活性分子であって、当該分子に共有結合された光活性部分を有する、前記生体活性分子と、
を含み、
前記生体活性分子に共有結合された前記光活性部分、および前記少なくとも1種類の生体適合性ポリマーに共有結合された前記光活性部分は、同一であるか、または、異なり、ほぼ300 nm以上の波長帯を有する紫外光を吸収し、前記紫外光に応答する、
用品。
(16)実施態様15に記載の用品において、
前記用品は、医療用具、または医療用具の構成物である、
用品。
(17)実施態様16に記載の用品において、
前記医療用具、または前記医療用具の構成物は、植え込み型である、
用品。
(18)実施態様15に記載の用品において、
前記光活性部分は、以下の構造を有する化学部分であり、
【化14】


式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7が、同一であるか、または、異なり、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、-CN、-COOH、-NO2、フェニルスルホニル、C1〜C12のアルキル、C3〜C6のシクロアルキル、C1〜C12のアルコキシ、C1〜C12のアルキルチオ、-NHR8、またはアルキル部分に炭素原子1〜6個を有するN,N-ジアルキルアミノ、であり、
Xは、CH2、O、S、NR8であり、
R8は、C1〜C6のアルキルである、
用品。
(19)実施態様15に記載の用品において、
前記共有結合された光活性部分を有する前記少なくとも1個の生体適合性ポリマーは、以下の構造を有する反復単位を含み、
【化15】


式中、
Mは、アルカリ金属陽イオンであり、
nは、10〜5000の整数である、
用品。
(20)実施態様15に記載の用品において、
前記共有結合された光活性部分を有する前記少なくとも1個の生体適合性ポリマーは、以下の構造を有する反復単位を含み、
【化16】


式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7が、同一であるか、または、異なり、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、-CN、-COOH、-NO2、フェニルスルホニル、C1〜C12のアルキル、C3〜C6のシクロアルキル、C1〜C12のアルコキシ、C1〜C12のアルキルチオ、-NHR8、またはアルキル部分に炭素原子1〜6個を有するN,N-ジアルキルアミノ、であり、
Xは、CH2、O、S、NR8であり、
Mは、アルカリ金属陽イオンであり、
nは、10〜5000の整数であり、
R8は、C1〜C6のアルキルである、
用品。
【0030】
(21)実施態様15に記載の用品であって、
前記共有結合された光活性部分を有する前記生体活性分子は、以下の構造を有し、
【化17】


式中、
R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7が、同一であるか、または、異なり、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、-CN、-COOH、-NO2、フェニルスルホニル、C1〜C12のアルキル、C3〜C6のシクロアルキル、C1〜C12のアルコキシ、C1〜C12のアルキルチオ、-NHR8、またはアルキル部分に炭素原子1〜6個を有するN,N-ジアルキルアミノ、であり、
Xは、CH2、O、S、NR8であり、
mは、10〜5000の整数であり、
R8は、C1〜C6アルキルであり、
mは、1から20の整数である、
用品。
(22)実施態様15に記載の用品であって、
前記コーティング組成物は、約1nm〜約10μmの厚さを有する、
用品。




 

 


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