Warning: copy(.htaccess): failed to open stream: Permission denied in /home/jp321/public_html/header.php on line 8
薬物含有高分子組成物を形成するための低温乾燥法 - コーディス・コーポレイション
米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 医学 -> コーディス・コーポレイション

発明の名称 薬物含有高分子組成物を形成するための低温乾燥法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−190378(P2007−190378A)
公開日 平成19年8月2日(2007.8.2)
出願番号 特願2006−355413(P2006−355413)
出願日 平成18年12月28日(2006.12.28)
代理人 【識別番号】100066474
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 博昭
発明者 ビピュル・ダベ / ムルティ・エヌ・ビャカルナム / キアン・ザン
要約 課題
薬物含有の高分子の組成物の中の溶媒の含有量を減少させるための方法を提供する。

解決手段
より詳細には、薬物含有の高分子の組成物の中の溶媒の含有量は、その高分子の組成物の全重量の、約0.5重量%〜約10重量%、の範囲まで、1種類以上の従来の乾燥方法により、最初に、減少される。これに続いて、薬物含有の高分子の組成物は、溶媒の含有量を、10,000ppm未満になるまで、さらに減少させるために、1種類以上の低温の(すなわち、60℃よりも低い処理温度を有している)乾燥方法により、さらに処理される。
特許請求の範囲
【請求項1】
方法において、
生体適合性の高分子の基材、および前記生体適合性の高分子の基材の中にカプセル化されている1種類以上の治療用の薬剤、を含有している、薬物含有の高分子の組成物を形成する工程であって、
前記高分子の基材は、当該高分子の基材の全重量の約0.5重量%〜約10重量%の範囲内の量で、1種類以上の有機性または水性の溶媒をさらに含有している、
工程と、
60℃よりも低い処理温度において、低温乾燥処理を用いて、前記薬物含有の高分子の組成物を処理し、これにより、前記組成物の中の溶媒の含有量を、10,000ppm未満に減少させる工程と、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記処理温度は、45℃よりも低い、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、
前記薬物含有の高分子の組成物は、前記高分子の基材の全重量の約0.5重量%〜約5重量%の範囲内の量で、1種類以上の有機溶媒を含有している、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
前記薬物含有の高分子の組成物は、前記高分子の基材の全重量の約0.5重量%〜約2.5重量%の範囲内の量で、1種類以上の有機溶媒を含有している、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
前記組成物を処理する工程後の前記組成物の中の溶媒の含有量は、約1,000ppm未満である、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、
前記組成物の中の溶媒の含有量は、前記組成物を処理する工程後において、100ppm未満である、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、
前記薬物含有の高分子の組成物は、第1の比較的に硬質で生体適合性のポリマー、および第2の比較的に軟質で生体適合性のポリマー、を含有している高分子の混合物を含有している、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、
前記薬物含有の高分子の組成物は、ポリマー、および可塑剤を含有している、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、
前記薬物含有の高分子の組成物は、前記低温乾燥処理により処理される前に、乾燥される、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法において、
前記低温乾燥処理は、凍結乾燥工程を含む、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法において、
前記低温乾燥処理は、超臨界抽出工程を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、
超臨界の前記乾燥処理は、約25℃〜約50℃の範囲内の温度、および約10バール(1.0×106 パスカル)〜約500バール(5×107 パスカル)の範囲内の圧力において、超臨界二酸化炭素を用いることにより、行なわれる、方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法において、
前記薬物含有の高分子の組成物の中の溶媒の含有量は、1,000ppm未満である、方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法において、
前記薬物含有の高分子の組成物は、植え込み可能な薬物送達装置の少なくとも一部分を形成しているか、または植え込み可能な薬物送達装置の少なくとも一部分の上に塗布されている、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、
前記植え込み可能な薬物送達装置は、変形可能である、方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法において、
前記植え込み可能な薬物送達装置は、ステントである、方法。
【請求項17】
請求項1に記載の方法において、
前記薬物含有の高分子の組成物は、1種類以上の放射線不透過性の添加物をさらに含有している、方法。
【請求項18】
薬物含有の高分子の組成物において、
生体適合性の高分子の基材と、
前記生体適合性の高分子の基材の中にカプセル化された1種類以上の治療用の薬剤と、
を含有し、
前記高分子の基材は、10,000ppm未満の量で、1種類以上の有機溶媒をさらに含有している、
組成物。
【請求項19】
請求項18に記載の組成物において、
1,000ppm未満の量の、1種類以上の有機溶媒、
を含有している、組成物。
【請求項20】
請求項18に記載の組成物において、
100ppm未満の量の、1種類以上の有機溶媒、
を含有している、組成物。
【請求項21】
請求項18に記載の組成物において、
第1の比較的に硬質で生体適合性のポリマー、および第2の比較的に軟質で生体適合性のポリマー、を含有している高分子の混合物、
を含有している、組成物。
【請求項22】
請求項18に記載の組成物において、
ポリマーと、
可塑剤と、
を含有している、組成物。
【請求項23】
請求項18に記載の組成物において、
植え込み可能な薬物送達装置に含まれているか、または植え込み可能な薬物送達装置の上に塗布されている、組成物。
【請求項24】
請求項18に記載の組成物において、
前記植え込み可能な薬物送達装置は、変形可能である、組成物。
【請求項25】
請求項18に記載の組成物において、
前記植え込み可能な薬物送達装置は、ステントである、組成物。
【請求項26】
請求項18に記載の組成物において、
1種類以上の放射線不透過性の添加物、
をさらに含有している、組成物。
発明の詳細な説明
【開示の内容】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、植え込み可能な医療装置(または少なくともその一部分)を形成するか、あるいは、植え込み可能な医療装置(または少なくともその一部分)の上の被膜を形成する、薬物含有の高分子組成物から、溶媒を除去するための方法、に関連している。
【0002】
〔発明の背景〕
近年において、1種類以上の治療用の薬物の局所的な投与および調整された放出のために、それらの治療用の薬物を含有している、例えば、ステント、ステント移植片、吻合装置、脈管移植片、脈管パッチ、AVシャント、カテーテル、ガイド・ワイヤ、バルーン、およびフィルタ、等のような、薬物溶出式の植え込み可能な医療装置が、医療装置業界において、ますます、受け入れられつつある。これらの植え込み可能な医療装置(または少なくともその一部分)は、一般的に、治療用の薬物をカプセル化するか、あるいは含有している、生体適合性のポリマーにより、形成されているか、または被覆されており、これらの薬物は、調整および持続された様式で、それらの植え込み可能な医療装置から、周囲の環境の中に、放出され得る。
【0003】
上記のような生体適合性のポリマーは、噴霧乾燥(被膜の調製用)、溶媒キャスティングまたはスピン・コーティング(薄いフィルムまたは膜の調製用)、および紡績(繊維の調製用)、を含むが、これらに限定されない、さまざまな異なる方法により、高分子の溶液から、作ることができる。この高分子の溶液は、一般的に、1種類以上の生体適合性のホモポリマーまたはコポリマー(生体安定性であるか生体分解性である)と、1種類以上の溶媒に溶けている、1種類以上の治療用の薬物と、を含有している。しかしながら、このような高分子の溶液に用いられている溶媒は、生きている組織に、有害な影響を及ぼす可能性がある。それゆえ、最終的な高分子の組成物の中に含有されている治療用の薬物の量を減少させることなく、その最終的な高分子の組成物から、溶媒を、できるだけ完全に、除去するか、少なくとも、許容可能な政府の基準により定めされている安全な水準まで、その最終的な高分子の組成物の中における溶媒の含有量を減少させることが重要である。
【0004】
例えば、上記高分子の溶液は、薬物含有の薄い高分子のフィルム(例えば、約7.6×10-2mm〜約1.5×10-1mm(約3ミル〜約6ミル))を形成するために、植え込み可能な医療装置の少なくとも一部分の上に被覆するかその中にキャスティングすることが可能であり、その高分子のフィルムの中に含有されている溶媒は、周囲条件(すなわち、室温および大気圧)の下において、気化により、徐々に除去できる。この高分子のフィルムの中における最終的な溶媒の含有量は、一般的に、そのフィルムの全重量に対して、約5重量%〜約10重量%、の範囲内である。このような周囲条件下における溶媒除去法は、高分子のフィルムの中の薬物含有量の減少を、ほとんどまたは全く、結果として生じない。
【0005】
あるいは、上記の高分子のフィルムの中に含有されている溶媒は、低温乾燥により、除去可能であり、この低温乾燥は、一般的に、減圧下において、約45℃〜約60℃の範囲内の温度において、行なわれる。この低温乾燥法は、かなりの効率で、溶媒を除去することができ、高分子のフィルムの中の薬物含有量の減少を、ほとんどまたは全く、伴わずに、約2重量%〜約5重量%の、減少された最終的な溶媒の含有量、を結果として生じる。
【0006】
さらに、上記の溶媒は、高温乾燥により、除去することができ、この高温乾燥は、一般的に、約60℃〜約110℃の範囲内の温度において、行なわれる。この高温乾燥法は、高分子のフィルムの中における最終的な溶媒の含有量、をさらに減少させることができる。しかしながら、高分子のフィルムの中に含有されている治療用の薬物は、一般的に、非晶質の状態であり、それゆえ、熱に不安定であるので、この高温乾燥法は治療用の薬物の分解を生じて、その高分子のフィルムの中の薬物含有量の著しい減少につながる可能性がある。
【0007】
それゆえ、組成物の中に含有されている治療用の薬物を除去または分解させることなく、薬物含有の高分子の組成物から、溶媒を有効に除去するための、改善された方法に対する、継続している要望が存在している。
【0008】
〔発明の概要〕
本発明は、一態様において、
生体適合性の高分子の基材、およびこの生体適合性の高分子の基材の中にカプセル化されている1種類以上の治療用の薬物、を含有している、薬物含有の高分子の組成物を形成する工程であって、前記高分子の基材は、その高分子の基材の全重量の約0.5重量%〜約10重量%の範囲内の量で、1種類以上の有機性または水性の溶媒をさらに含有している、工程と、
60℃よりも低い処理温度において、低温乾燥処理を用いて、前記薬物含有の高分子の組成物を処理し、これにより、前記組成物の中の溶媒の含有量を、約1ppm〜約10,000ppmに減少させる、工程と、
を含む、方法、に関連している。
【0009】
上記用語の「ポリマー(polymer)」または「高分子(polymeric)」は、本明細書において用いられる場合に、ホモポリマー、コポリマー、またはポリマーの混合物、のいずれでもよい、1種類以上のポリマーを含有している、任意の、材料、組成物、構造、または物品、を言う。
【0010】
また、用語の「生体適合性」は、本明細書において用いられる場合に、生きている組織または生きている系に、実質的に、全く、毒性のまたは有害な、影響、を及ぼさない、任意の、材料、組成物、構造、または物品、を言い、それらの材料、組成物、構造、または物品は、それらの生きている組織または生きている系、に接触して、それらの組織または系に、実質的に全く免疫応答を生じない。特に、上記の、材料、組成物、構造、または物品は、これらの、材料、組成物、構造、または物品、に接触している、生きている組織または生きている系、の細胞の、増殖および何らかの別の特性に、実質的に、全く、悪影響を及ぼさない。一般に、材料、組成物、構造、または物品、の生体適合性、を試験するための方法は、当業界において、周知である。
【0011】
別の態様において、本発明は、生体適合性の高分子の基材の中にカプセル化されている1種類以上の治療用の薬物と共に、生体適合性の高分子の基材を含む、薬物含有の高分子組成物、に関連しており、上記高分子の基材は、約1ppm(パーツ・パー・ミリオン(parts per million))〜約10,000ppm、の量で、1種類以上の有機溶媒または水性の溶媒、をさらに含有している。
【0012】
本発明の薬物含有の高分子組成物は、好ましくは、上記高分子の基材の全重量の、約0.5重量%〜約10重量%、の比較的に低い初期の溶媒の含有量を達成するために、1種類以上の従来の処理工程により、最初に形成された後に、その溶媒の含有量を、約1ppm〜約10,000ppmの範囲まで、さらに減少させるために、1種類以上の低温処理工程により、処理される。従来の処理工程を用いて、溶媒の含有量を、最初に減少させることにより、低温乾燥工程により結果として生じる最終的な組成物の中の多孔度をかなり減少させることができると共に、組成物から活性な治療用の薬剤を除去することなく、最終的な組成物の中の溶媒の含有量を、所望のレベル(例えば、10,000ppm未満)まで、減少させることが可能になる。
【0013】
比較的に低い初期の溶媒の含有量の、初期的な薬物含有の高分子組成物、を形成するために使用できる従来の処理工程は、溶媒処理および押出し、溶媒および可塑剤を用いる溶融処理、ゲルおよび粘性溶液からの処理、溶媒の抽出、塗布、共押出し、ワイヤ塗布、スピニング・ディスク、湿式および乾式の繊維紡績、静電式繊維紡績、射出成形、および圧縮成形、を含むが、これらに限定されない。
【0014】
本発明の薬物含有の高分子組成物の中の溶媒の含有量、をさらに減少させるために使用できる低温処理工程は、凍結乾燥(フリーズ・ドライイングとも呼ばれている)、超臨界流体抽出、および共沸抽出、を含むが、これらに限定されない。本発明の低温処理は、薬物含有の高分子組成物の中の、薬物またはその他の活性な薬剤の、装填の用量または濃度、を増加するように、機能する。
【0015】
本発明の薬物含有の組成物は、好ましくは、1種類以上の生体吸収性のポリマー、を含有していて、フィルム、繊維およびチューブ、を含むが、これらに限定されない、さまざまな構造、に形成できる。本発明の薬物含有の組成物は、治療用の薬物の持続および調整された局所的な送達のために、高分子の被膜として、あるいは、装置の一体化されている部分として、薬物送達装置に、容易に組み込むことが可能である。さらに、その薬物含有の高分子組成物および/または装置を作るために用いる処理条件を調節することにより、その薬物送達装置の、異なる形状および性能の特徴が達成できる。
【0016】
好ましいが、必ずしも必要ではない、本発明の実施形態において、上記の薬物送達装置は、薬物または他の薬剤として活性な薬剤が組み込まれている、生体吸収性のポリマーにより構成されている、ステント、である。これらの薬物または他の薬剤として活性な薬剤は、先行技術のステントよりも、かなり多い量で、ステントの中に組み込まれているか、ステントの上に塗布されている。同様に、ステントの可視化と、これによる、患者の体内におけるそのステントのさらに正確な配置と、を可能にするために、放射線不透過性の標識を、そのステントの中に組み込むか、そのステントの上に塗布することも可能である。さらに、上記放射線不透過性の標識との組み合わせにおける、本発明の装置による、薬物および/または他の薬剤として活性な薬剤の、比較的に多量の送達は、標的とされた部位、病気または状況、を治療する効果、を高める傾向がある。
【0017】
本発明の、別の態様、特徴および利点は、以下の、開示および添付の特許請求項、により、さらに完全に明らかになるであろう。
【0018】
〔発明の詳細な説明〕
以下の説明において、本発明の完全な理解を与えるために、特定の材料、組成物、化学式、構造、装置、およびこれらを製造または使用するための方法、等のような、多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、本発明が、これらの具体的な詳細を伴わずに、実施可能であることが、当業者により、認識されるであろう。また、別の場合において、周知の材料、構造または処理工程が、本発明を不明瞭にすることを避けるために、詳細に説明されていない。
【0019】
本発明の具体的な実施形態が、上記において、説明および例示されているが、当業者が、ここに記載されている説明に一貫して、これらの実施形態を容易に変更できることは明らかである。それゆえ、本発明は、上記において例示されている具体的な実施形態に限定されず、むしろ、他の、変更、変形、応用、および実施形態に、実用性において、及んでおり、したがって、全てのこれらの、他の、変更、変形、応用、および実施形態は、本発明の趣旨および範囲の中にあるものとして、見なされるべきであることが、当然に認識されるであろう。
【0020】
本発明は、組成物の中に含有されている治療用の薬物を除去または分解させることなく、薬物含有の高分子組成物から、溶媒を有効に除去するために使用できる、幾つかの低温乾燥法、を提供している。
【0021】
本発明の薬物含有の高分子組成物は、好ましくは、ポリマーの中にカプセル化されている1種類以上の治療用の薬剤と共に、1種類以上の生体適合性のポリマー(生体安定性であるか生体分解性である)により、形成されている高分子の基材、を含み、この場合に、この高分子の基材は、当該高分子の基材の全重量の、約0.5重量%〜約10重量%である量で、1種類以上の有機溶媒をさらに含有している。さらに好ましくは、上記高分子の基材は、当該高分子の基材の全重量の、約0.5重量%〜約5重量%、最も好ましくは、約0.5重量%〜約2.5重量%、である量で、1種類以上の有機溶媒を含有している。
【0022】
上記のような薬物含有の高分子組成物は、溶媒処理および押出し、溶媒および可塑剤を用いる溶融処理、ゲルおよび粘性溶液からの処理、溶媒の抽出、塗布、共押出し、ワイヤ塗布、スピニング・ディスク、湿式および乾式の繊維紡績、静電式繊維紡績、射出成形、圧縮成形、を含むが、これらに限定されない、上記の従来の乾燥方法の内の任意の一つ、およびこれらの従来の方法の内の二つ以上の組み合わせ、を最初に用いることにより、上記の発明の背景において記載されているように、高分子の溶液から、形成される。
【0023】
本発明の低温乾燥法は、溶媒の含有量をさらに減少させるために、上記薬物含有の高分子組成物をさらに処理するために、その後、用いられる。この本発明の低温乾燥法は、60℃よりも高くない、好ましくは45℃よりも高くない、処理温度において、行なわれる。この様式において、上記高分子組成物の中に含有されている治療用の薬物は分解されることがなく、それゆえ、その薬物の含有量は、治療の前後において、実質的に同じ量に維持される。一方、薬物含有の高分子組成物の中の溶媒の含有量は10,000ppm未満に減少される。好ましくは、この溶媒の含有量は、1,000ppm未満、さらに好ましくは、100ppm未満、最も好ましくは、10ppm未満に、減少されるが、このような減少は、従来の乾燥方法では、達成できない。
【0024】
本発明の一例の具体的な実施形態において、フリーズ・ドライイング法とも言うことができる、凍結乾燥法が、上記薬物含有の高分子組成物を処理して、その中の溶媒の含有量をさらに減少させるために、用いられている。
【0025】
凍結乾燥は、液体の物質を凍らせて、その凍結した物質を低い蒸気分圧に曝すことにより蒸気に直接に昇華させることにより、達成される、乾燥処理、である。この場合に、その物質は、特に、非水性の溶媒が存在していれば、完全に凍結されなくてもよい。しかしながら、真空中におかれると、比較的にエネルギーの高い分子はその試料から流出して、気化の冷却により、その試料の温度を低下させるので、その試料は最終的に凍結することになる。凍結乾燥処理のほとんどは、脱着乾燥の時間により、完了する。この処理は、薬物、治療用の薬剤および生物学的な材料、等のような、熱の影響を受けやすい成分を含有している組成物、を乾燥させるために用いられる。乾燥処理としての凍結乾燥の利点は、熱の影響を受けやすい材料における活性の最小限の損傷および損失と、脱水の速度および完全さと、および多孔質な構造の形成と、を含む。
【0026】
例えば、試料材料を、乾燥室の中の棚の上、に置くことができ、この乾燥室は、最初に、大気圧においてその試料材料を凍結させるために、冷却され(すなわち、凍結段階)、これに続いて、大気圧において、あるいは、溶媒の凝固点よりも高い適当な乾燥温度において、その試料を乾燥させるための真空の形成が行なわれる(すなわち、乾燥段階)。この場合に、上記の凍結段階の間に試料材料を冷却するためと、溶媒の昇華によるエネルギーの損失を補うためにその試料材料に熱エネルギーを供給して、その試料材料を、比較的に一定な乾燥温度に保つために、上記の棚に、温度制御装置を備えることができる。
【0027】
一般的に、上記薬物含有の高分子組成物の中に含有されている溶媒は、約−100℃〜約15℃、の凝固点を有している。例えば、ジオキサン(dioxane)は約11℃の凝固点を有しており、クロロホルムは約−64℃の凝固点を有していて、アセトンは約−95℃の凝固点を有しており、酢酸エチルは約−84℃の凝固点を有している。本発明の凍結乾燥法は、それゆえ、最初に、上記薬物含有の高分子組成物の温度を、溶媒の凝固点の近くまで減少させる工程と、その後に、その薬物含有の高分子組成物を、5.3×102 パスカル(4トル)よりも低い圧力において、真空中に、置く工程と、これに続いて、その薬物含有の高分子組成物の温度を、溶媒の凝固点よりもかなり高いが、一般的には、60℃よりも低く、好ましくは、45℃よりも低く、上昇させる工程と、を含む。
【0028】
上記の様式で、上記薬物含有の高分子組成物の中の溶媒は、最初に、固体の状態に、凍結され、その後、この溶媒は、減圧条件下に、昇華により、除去される。
【0029】
好ましくは、上記薬物含有の高分子組成物の温度を、溶媒の凝固点よりも低く、減少させるために、速やかな冷却技法が用いられる。この速やかな冷却は、上記の高分子組成物の中に含有されている薬物の治療効果に対する、有害な影響、を最小限にする。
【0030】
本発明の別の具体的な実施形態において、上記薬物含有の高分子組成物をさらに処理して、その中の溶媒の含有量をさらに減少させるために、超臨界抽出法が用いられている。
【0031】
臨界温度(TC )と臨界圧力(PC )よりも高い、熱力学的な状態において、気体は超臨界流体(SCFs)として存在することができ、これらの超臨界流体は多数の特異的な特性を示す。これらの臨界点は、物質が、平衡状態において、蒸気および液体として、存在できる、最高の温度と圧力、を表している。上記のSCFsは、液体と気体の特性の間にある特性、を示す。このような超臨界流体の特性の一部は、液相に近い密度および溶解度と、気相に近い拡散率と、を含む。臨界密度の領域の中において操作することにより、圧力および温度は、SCFsの密度、溶解度、および拡散性、を調整するために、使用できる。物質移動は超臨界流体の場合に速やかであり、これらの動力学的粘性率(dynamic viscosity)は、通常の気体の状態において見られる動力学的粘性率、に近い。また、臨界点の領域内において、拡散係数は、液体の拡散係数の10倍よりも、大きい。さらに、粘性率および拡散率は、温度および圧力によっても、決まり、これらの粘性率および拡散率における変化は、臨界点の領域の中において、さらにはっきりしている。それゆえ、気体様(gas-like)の拡散率、気体様の粘度、および圧力依存性の溶媒和力(solvating power)と組み合わされた液体様(liquid-like)の密度、の特性は、超臨界流体の技法を、さまざまな領域における問題を解決するために、適用する機会、を与えている。SCFsは、多くの通常において不溶性の物質に対して、高い溶媒力を示し、それゆえ、液体および固体の混合物からの、特定の物質の抽出のために、使用できる。例えば、SCFsは、コーヒーからカフェインを抜くこと、スナックおよび食品からの飽和脂肪およびコレステロールの除去、衣服のドライ・クリーニング、および作物の中の農薬の存在の検出、のために、用いられている。
【0032】
上記のSCFsを形成するための、一般的に用いられている材料は、二酸化炭素、エタン、水、アンモニア、イソプロパノール、アセトン、およびこれらの混合物、を含む。具体的に、二酸化炭素の使用は、その無毒性、不燃性、および化学的に不活性な特性と、その利用可能性および比較的に安価であることと、により、かなりの注目を集めている。この二酸化炭素の超臨界条件は、73.8バール(7.38×106 パスカル)の圧力および31.1℃の温度において、容易に達成できる。さらに、この二酸化炭素を用いる別の利点は、(1)溶媒は単純な減圧により除去できること、(2)溶媒の密度は圧力を変えることにより調整できること、さらに(3)多くのポリマーは、二酸化炭素の存在下に、高度に膨潤して可塑化されること、である。超臨界状態の二酸化炭素は、それゆえ、これらの利点により、ポリマーの合成およびポリマーの処理において、広く用いられている。
【0033】
本発明において、超臨界の二酸化炭素等のような、超臨界の抽出流体は、60℃よりも低い、さらに一般的には、45℃よりも低い、温度と、約10バール(1×106 パスカル)〜500バール(5×107 パスカル)の範囲内の圧力と、において、上記薬物含有の高分子組成物から溶媒を抽出するために、用いられている。好ましくは、この超臨界抽出は、約25℃〜約40℃の範囲内の温度と、約50バール(5×106 パスカル)〜約150バール(1.5×107 パスカル)の範囲内の圧力と、において、行なわれる。
【0034】
本発明のさらに別の具体的な実施形態において、上記薬物含有の高分子組成物を処理して、その組成物の中の溶媒の含有量をさらに減少させるために、共沸抽出法が用いられている。
【0035】
具体的に言えば、ジオキサンと塩素化した溶媒等のような、溶媒を含有している、共沸混合物が、上記薬物含有の高分子組成物に添加される。この共沸混合物は、2種類以上の物質の液体、の混合物である。この共沸混合物は、液体の部分的な蒸発により生成される蒸気が、液体と同じ組成を有していることにおいて、単一の物質と同様に、挙動する。好ましくは、上記の共沸混合物は、2種類の溶媒、すなわち、2成分系の共沸混合物、を含有している。さらに、この共沸混合物は、その混合物の沸点がいずれの成分の沸点よりも低い、最低の沸点の共沸混合物である。さらに、この共沸混合物は、上記薬物含有の高分子組成物の中に含有されている溶媒に対して混和性であり、これにより、これらの溶媒は、比較的に低い温度において、気化により、その共沸混合物と一緒に、抽出できる。
【0036】
上記の低温乾燥法は、最終の薬物含有の高分子組成物の中において所望の低い溶媒の含有量を達成するために、従来の乾燥法との組み合わせか、その従来の乾燥法に続いて、用いられる。上述のように、従来の乾燥法は、最初に、比較的に低い初期のレベル(例えば、約0.5重量%〜約10重量%)まで、溶媒の含有量を減少させるために、行なわれ、その後、低温乾燥法が、上記の従来の乾燥法では達成し得ない、かなりのレベルの領域(すなわち、約1ppm〜約10,000ppm)まで、溶媒の含有量をさらに減少させるために、行われる。この場合に、最初の溶媒の減少は、低温乾燥の条件下におけるかなりの多孔度の形成を防ぐために、機能している。
【0037】
本発明のシステムおよび方法によれば、十分な量において、1種類以上の治療用の薬剤を組み込んでいて、約1ppm〜約10,000ppmの範囲内の溶媒の含有量を有している、生体吸収性の材料により構成されている薬物送達装置が、任意のさまざまな処理により、作ることができる。この薬物送達装置は、例えば、繊維紡績(乾式および湿式の紡績)、静電繊維紡績、スピニング・ディスク(均一な厚さを有する薄膜)、押出しおよび共押出し、混合繊維、溶媒注型フィルム、または溶媒注型チューブ、等による、溶媒を用いる溶液に基く処理により、調製可能であり、この場合に、従来の乾燥法と低温乾燥法との両方を組み合わせている乾燥処理が、上記の薬物送達装置が形成された後に、溶媒を除去するために、用いられる。なお、当業者は、本明細書において記載されていないものを除いて、上記において言及されているさまざまな方法、およびそれらの詳細な説明、に付随する一般的な技法が、簡潔のために省略されているが、本明細書に含まれるべきと理解されることを、当然に、容易に認識するであろう。
【0038】
上記の薬物送達装置を調製するために用いる処理は、これらの装置を構成している生体吸収性の高分子材料の基材の中に組み込まれている、薬物またはその他の治療用の薬剤、の分解を最小限にするために、低温処理であることが好ましい。この目的のために、上記の処理方法は、上記において概説されていて、以下においてさらに詳細に論じられている、低温の、溶液に基く処理、により、生体吸収性の高分子材料から、上記装置を形成する処理、を含んでいてよい。
【0039】
本発明の薬物送達装置は病気特異性にすることができ、これらは、局所的または一定領域に及ぶ療法、あるいは、これらの組み合わせ、のために、設計できる。また、本発明のシステムおよび方法による薬物送達装置により送達される薬物またはその他の薬剤は、1種類以上の薬物、増殖因子またはその他の薬剤等のような、生物活性な薬剤、またはこれらの組み合わせ物、とすることができる。この装置の、薬物またはその他の薬剤は、理想的には、その装置から調整可能に放出され、この場合に、この放出の速度は、上記装置を形成している生体吸収性のポリマーの分解速度と、上記薬物またはその他の薬剤の性質と、のいずれかまたは両方、により、決まる。また、この薬物放出の速度は、要望に応じて、数分〜数年、に広く変えることができる。
【0040】
任意の適当な、生体適合性の、ポリマー、コポリマー、またはポリマー混合物が、本発明の、高分子組成物または薬物送達装置、を形成するために、使用できる。このような生体適合性の、ポリマー、コポリマー、またはポリマー混合物は、生体安定性または生体吸収性のいずれであってもよい。本発明における使用に適している生体安定性のポリマーは、ポリウレタン、シリコーン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリ(エステルアミド)(poly(esteramide))、ポリカプロラクトン(polycaprolactam)、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリビニル・メチル・エーテル(polyvinyl methyl ether)、ポリビニル・アルコール、アクリル酸のポリマーおよびコポリマー、ポリアクリロニトリル、オレフィンとビニル・モノマー(vinyl monomers)とのポリスチレンコポリマー(スチレン・アクリロニトリルのコポリマー、エチレン・メチル・メタクリレートのコポリマー、エチレン・ビニル・アセテート等)、ポリエーテル、レーヨン、セルロース(酢酸セルロース、硝酸セルロース、プロピオン酸セルロース等(cellulose propionate))、パリレンおよびその誘導体、およびこれらの混合物およびコポリマー、を含むが、これらに限定されない。また、本発明において使用可能である生体吸収性のポリマーは、ポリ(L−乳酸)(poly(L-lactic acid))、ポリ(DL−乳酸)(poly(DL-lactic acid))、ポリカプロラクトン、ポリグリコリド(polyglycolide)、ポリ(ジオキサノン)(poly(dioxanone))、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(poly (lactide-co-glycolide))、ポリ(ヒドロキシ・ブチレート−コ−バレレート)(poly(hydroxy butyrate-co-valerate))、ポリ(グリコリド−コ−トリメチレン・カーボネート)(poly(glycolide-co-trimethylene carbonate))、等のような、コポリマー、ポリホスホエステル(polyphosphoester)、ポリ(ホスホエステル−ウレタン)(poly(phosphoester-urethane))、ポリ(アミノ酸)(poly(amino acids))、フィブリン、フィブリノゲン、セルロース、デンプン、コラーゲンおよびヒアルロン酸、等のような、生体分子、およびこれらの混合物およびコポリマー、を含むが、これらに限定されない。
【0041】
例えば、表面侵食性ポリマーまたはバルク侵食性ポリマー等も、これらのポリマーからの薬物送達をさらに良く調整するために、生体吸収性のポリマーとして、使用可能である。
【0042】
表面侵食性ポリマーは、一般的に、水に不安定な結合を伴って、疎水性である。したがって、水のバルク内への浸透を全く伴わずに、このような表面侵食性ポリマーの表面において、加水分解が速く生じやすい。それゆえ、このような表面侵食性ポリマーにより構成されている装置からの薬物放出の速度は、その装置の機械的な完全性を維持しながら、線形に変えることができる。このような表面侵食性ポリマーの初期的な強度は低くなる傾向があるが、このような表面侵食性ポリマーは、市場において、容易に入手可能でない場合が多い。それにもかかわらず、本発明のシステムおよび方法による装置の薬物送達速度を変えることに役立てるために使用可能である表面侵食性のポリマーの例は、ポリ(カルボキシフェノキシ・ヘキサン−セバシン酸)(poly (carboxyphenoxy hexane-sebacic acid))等のようなポリ酸無水物(polyanhydrides)、ポリ(フマル酸−セバシン酸)(poly (fumaric acid-sebacic acid))、ポリ(カルボキシフェノキシ・ヘキサン−セバシン酸)(poly (carboxyphenoxy hexane-sebacic acid)、ポリ(イミド−セバシン酸)(poly (imide-sebacic acid))(50:50の比率)、ポリ(イミド−カルボキシ・ヘキサン)(poly (imide-carboxyphenoxy hexane ))(33:67の比率)、およびポリオルソエステル(polyorthoesters)(例えば、ジケテン・アセタール基材のポリマー)、を含む。
【0043】
一方、バルク侵食性ポリマーは、一般的に、水に不安定な結合を伴って、親水性である。したがって、このバルク侵食性ポリマーの加水分解は、その装置のポリマー基材の至る所において、さらに均一な速度で、生じる傾向がある。この結果として、バルク侵食性ポリマーは、そのポリマー基材の分解中に、初期的に一気に薬物、を放出する。このようなバルク侵食性ポリマーは優れた初期的な強度を示し、市場において、容易に入手可能である。このような、本発明のシステムおよび方法による薬物送達装置と共に使用可能な、バルク侵食性ポリマー、の例は、ポリ乳酸(poly (lactic acid))等のようなポリ(α−ヒドロキシ・エステル)(poly (α-hydroxy esters))、ポリ(グリコール酸)(poly (glycolic acid))、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(p−ジオキサノン)(poly (p-dioxanone))、ポリ(トリメチレン・カーボネート)(poly (trimethylene carbonate))、ポリ(オキサエステル)(poly (oxaesters))、ポリ(オキサアミド)(poly (oxaamides))、およびこれらのコ−ポリマーおよび混合物、を含む。また、一部の市場において入手可能なバルク侵食性ポリマーおよびそれらの一般的に関連している医療への応用は、ポリ(ジオキサノン)[ニュージャージー州、ソマービルの、エシコン・インコーポレイテッド(Ethicon, Inc.)から入手可能な、PDS(登録商標)縫合糸]、ポリ(グリコリド)[コネチカット州、ノース・ハーベンの、ユナイテッド・ステーツ・サージカル・コーポレイション(United States Surgical Corporation)から入手可能な、デキソン(Dexon)(登録商標)縫合糸]、ポリ(ラクチド)−PLLA[骨修復用]、ポリ(ラクチド/グリコリド)[ニュージャージー州、ソマービルの、エシコン・インコーポレイテッド(Ethicon, Inc.)から入手可能な、ビクリル(Vicryl)(登録商標)(10/90)およびパナクリル(Panacryl)(登録商標)(95/5)、の縫合糸]、ポリ(グリコリド/カプロラクトン)(75/25)[ニュージャージー州、ソマービルのエシコン・インコーポレイテッド(Ethicon, Inc.)から入手可能な、モノクリル(Monocryl)(登録商標)縫合糸]、およびポリ(グリコリド/トリメチレン・カーボネート)[コネチカット州、ノース・ハーベンの、ユナイテッド・ステーツ・サージカル・コーポレイション(United States Surgical Corporation)から入手可能な、マキソン(Maxon)縫合糸]、を含む。さらに、他のバルク侵食性ポリマーも、本発明の薬物送達装置を形成するために、使用できる。例えば、チロシン誘導型ポリペプチド(tyrosine-derived polypeptides)[例えば、ポリ(DTH・カーボネート)(poly (DTH carbonates) )、ポリ(アリーレート)(poly(arylates))、およびポリ(イミノ−カーボネート)(poly (imino-carbonates))]、リン含有ポリマー[例えば、ポリ(ホスホエステル)(poly (phosphoesters))およびポリ(ホスファゼン)(poly (phosphazenes))]、ポリ(エチレン・グリコール)[PEG]基材型ブロック・コ−ポリマー[PEG−PLA、PEG−ポリ(プロピレン・グリコール)、PEG−ポリ(ブチレン・テレフタレート)]、ポリ(α−リンゴ酸)(poly (α -malic acid))、ポリ(エステル・アミド)(poly (ester amide))、およびポリアルカノエート(polyalkanoates)[例えば、ポリ(ヒドロキシブチレート)(poly (hydroxybutyrate)(HB)およびポリ(ヒドロキシバレレート)(poly (hydroxyvalerate))(HV)のコ−ポリマー]、も使用可能である。
【0044】
もちろん、本発明のシステムおよび方法によれば、上記の薬物送達装置は、所望の物理特性を達成し、分解機構と時間の関数としての薬物送達装置からの薬物放出とを調整するために、上記の表面侵食性のポリマーとバルク侵食性のポリマーとの組み合わせ物により、作られていてもよい。例えば、所望の、物理特性と、装置の分解速度と、薬物放出速度と、を達成するために、2種類以上のポリマーを混合してもよい。あるいは、上記の薬物送達装置は、薬物含有の表面侵食性ポリマーにより被覆されているバルク侵食性ポリマーにより、作ることも可能である。さらに、この薬物含有のポリマーの被膜は、高い薬物の装填量を達成できるほどに、十分に厚くすることができ、バルク侵食性ポリマーは、全ての薬物が送達されて表面が侵食された後においても、装置の機械的な特性が維持されるほどに、十分に厚く作ることも可能である。
【0045】
本発明の薬物送達装置を形成するための生体吸収性のポリマーの選択において、分解および薬物の放出のファクターが考慮されているが、その装置の機械的な完全性および弾性を維持することも、考慮されるべき重要なファクターである。この点に関して、装置が、その装置の患者の体内への配備の後に、その元の形状を、保ち、あるいは、記憶していることを補助するために、形状記憶ポリマーを用いることが可能である。
【0046】
形状記憶ポリマーは、硬質のセグメントと軟質のセグメントとを有している、相分離型の線形のブロック・コ−ポリマー、として、特徴付けられている。硬質のセグメントは、一般的に、一定の融点を伴う結晶質であり、軟質のセグメントは、一般的に、ガラス転移温度を伴う非晶質である。軟質のセグメントの転移温度は、形状記憶ポリマーの中の硬質のセグメントの転移温度よりも、相当に低い。この形状記憶ポリマーにおける、形状は、当業者が当然に認識しているように、それぞれの転移温度を考慮している、加熱と冷却とにより、その形状記憶ポリマーの硬質のセグメントと軟質のセグメントの中に、記憶される。
【0047】
形状記憶ポリマーは、生体安定性または生体吸収性、とすることができる。生体吸収性の形状記憶ポリマーは比較的に新しく、熱可塑性および熱硬化性の材料を含む。形状記憶で熱硬化性の材料はポリ(カプロラクトン)ジメチルアクリレート(poly (caprolactone) dimethylacrylates)を含有しており、形状記憶で熱可塑性の材料は、上記軟質のセグメントとしてのポリ(カプロラクトン)と、上記硬質のセグメントとしてのポリ(グリコリド)と、を含有していてよい。
【0048】
本発明の薬物送達装置を形成するための生体吸収性の高分子材料の選択は、例えば、生体吸収性の材料の所望の吸収時間と物理特性、および薬物送達装置の形状等、を含む、多くのファクター、に基いて、容易に決定できる。
【0049】
整形外科用のインプラント、縫合糸、ステント、移植片、および薬物送達装置を含むその他の医療用の応用品、のために必要とされる場合が多い、高い延性および靭性、を有する材料を提供するために、上記の生体吸収性の高分子材料は、それらの複合物または混合物を形成するように、修飾されていてもよい。これらの複合物または混合物は、上記の高分子材料を、異なるポリマーおよび可塑剤と共に、混合することにより、達成できる。可塑剤は、低分子量の、ポリ(エチレン・グリコール)、ポリ(カプロラクトン)、およびクエン酸エステル、等が使用可能である。なお、この基礎を成す生体吸収性のポリマーを修飾するために用いるあらゆる付加的な材料は、その主要なポリマー系に対して、適合性を有していることが当然に好ましい。この付加的な材料はまた、生体吸収性のポリマーのガラス転移温度を下げる傾向もあり、このことは、その基礎を成すポリマーを、さらに延性にして、剛性を低下させる。
【0050】
上記の薬物送達装置のための複合物または混合材料を製造する例として、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコリド)およびポリ(ラクチド−コ−グリコリド)のコポリマー、等のような、極めて硬いポリマーを、ポリ(カプロラクトン)およびポリ(ジオキサノン)、等のような、軟質で延性のポリマーと共に混合する処理は、高い延性と高い剛性を伴う材料を製造する傾向がある。弾性のコ−ポリマーも、異なる比率における、剛性のポリマーと軟質のポリマーとにより、合成可能である。例えば、ポリ(グリコリド)またはポリ(ラクチド)は、ポリ(グリコリド−コ−カプロラクトン)(poly(glycolide-co-caprolactone))またはポリ(グリコリド−コ−ジオキサノン)(poly(glycolide-co-dioxanone))およびポリ(ラクチド−コ−カプロラクトン)(poly(lactide-co-caprolactone))またはポリ(ラクチド−コ−ジオキサノン)(poly(lactide-co-dioxanone))、のコポリマー、を調製するために、ポリ(カプロラクトン)またはポリ(ジオキサノン)と共に、共重合できる。これらの弾性のコポリマーは、その後、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)およびポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、のコポリマー、等のような、剛性の材料と共に、混合して、高い延性を伴う材料を製造することができる。あるいは、所望の特性を達成するために、異なるモノマーにより、ターポリマー(terpolymers)を調製することも可能である。さらに、その所望の特性を達成するために、マクロマー(Macromers)およびその他の架橋可能なポリマー系を使用することも可能である。これらの特性は、本発明のシステムおよび方法による薬物送達ステント装置に、伝達される。もちろん、上記の基礎を成すポリマーは、本発明のシステムおよび方法に従って、整形外科用のインプラントから送達される、増殖因子またはその他の生物活性な薬剤、を有する整形外科用のインプラントの場合に有用になると考えられるような、比較的に高い剛性を有する材料を製造するために、比較的に剛性の高いポリマーと共に、混合することも可能である。
【0051】
本発明のシステムおよび方法による薬物送達装置により送達される薬物またはその他の生物活性な薬剤は、ラパマイシン(rapamycin)、スタチンおよびタクソール(taxol)、または任意の適当な他の薬物または生物活性な薬剤、を含むことができる。これらの薬物またはその他の生物活性な薬剤は、再狭窄、ぜい弱性プラーク、アンギナおよび虚血性発作、等のような、さまざまな病気を治療するために、使用できる。さらに具体的に言えば、これらの薬物または生物活性な薬剤は、上記のような病気の治療のためのステントの中に組み込むか、その上に被覆することができる。また、線維芽細胞および脈管内皮の増殖因子、等のような、増殖因子も、上記の薬物の代わりに、またはそれらと共に、使用できる。このような増殖因子は、例えば、脈管形成のために使用してもよい。
【0052】
上記において定められているさまざまな薬物に加えて、上記装置の中に組み込まれる薬物またはその他の薬剤は、ヘパリン、エベロリムス(everolimus)、タクロリムス(tacrolimus)、ビオリムス(biolimus)、パクリタキセル、スタチンおよびクラドリビン(cladribine)、等のような、細胞増殖抑制性および細胞毒性の薬剤、を含むことも可能である。これらのさまざまな薬物または薬剤は、適宜に、疎水性または親水性であってよい。また、以下に記載されている例の一部において、シロリムス(sirolimus)が、上記薬物送達装置の中に組み込まれている薬物、となっている。
【0053】
本明細書において記載されているシステムおよび方法に従って作られている薬物送達装置と共に使用可能な、他の薬物または他の生物活性な薬剤は、ビンカ・アルカロイド類(vinca alkaloids)(すなわち、ビンブラスチン(vinblastine)、ビンクリスチン(vincristine)、およびビノレルビン(vinorelbine))等のような天然産物、パクリタキセル(paclitaxel)、エピジポドフィルロトキシン類(epidipodophyllotoxins)(すなわち、エトポシド(etoposide)、テニポシド(teniposide))、抗生物質(すなわち、ダクチノマイシン(dactinomycin)(アクチノマイシンD(actinomycin D))、ダウノルビシン(daunorubicin)、ドキソルビシン(doxorubicin)およびイダルビシン(idarubicin))、アントラサイクリン(anthracyclines)、ミトザントロン(mitoxantrone)、ブレオマイシン(bleomycins)、プリカマイシン(plicamycin)(ミトラマイシン(mithramycin))およびマイトマイシン(mitomycin)、酵素(L−アスパラギン(L-asparagine)を全身系的に代謝し、独自にアスパラギン(asparagine)を合成する機能をもたない細胞を奪取するL−アスパラギナーゼ(L-asparaginase)等)を含む抗増殖/抗有糸分裂剤、G(GP)IIb/IIIa抑制因子およびビトロネクチン(vitronectin)受容体拮抗物質等のような抗血小板剤、ナイトロジェン・マスタード(nitrogen mustards)(メクロレタミン(mechlorethamine)、シクロホスファミド(cyclophosphamide)およびその類似体、メルファラン(melphalan)、クロラムブシル(chlorambucil))、エチレンイミン(ethyleneimines)およびメチルメラミン(methylmelamines)(ヘキサメチルメラミン(hexamethylmelamine)およびチオテパ(thiotepa))、スルホン酸アルキル類−ブスルファン複合物(alkyl sulfonates-busulfan)、ニトロソ尿素類(nitrosoureas)(カルムスチン(carmustine)(BCNU)およびその類似体、ストレプトゾシン(streptozocin))、トラゼン−ダカルバジニン複合物(trazenes-dacarbazinine)(DTIC)等のような抗増殖/抗有糸分裂アルキル化剤、葉酸類似体(メトトレキサート(methotrexate))、ピリミジン類似体(フルオロウラシル(fluorouracil)、フロクスウリジン(floxuridine)およびシタラビン(cytarabine))、プリン類似体および関連の抑制因子(メルカプトプリン(mercaptopurine)、チオグアニン(thioguanine)、ペントスタチン(pentostatin)および2−クロロデオキシアデノシン(2-chlorodeoxyadenosine){クラドリビン(cladribine)})、白金配位錯体(シスプラチン(cisplatin)、カルボプラチン(carboplatin))、プロカルバジン(procarbazine)、ヒドロキシ尿素(hydroxyurea)、ミトーテン(mitotane)、アミノグルテチミド(aminoglutethimide)等のような抗増殖/抗有糸分裂代謝拮抗物質、ホルモン類(すなわち、エストロゲン(estrogen))、抗凝固薬(ヘパリン(heparin)、合成ヘパリン塩類(synthetic heparin salts)およびその他のトロンビンの抑制因子)、フィブリン溶解剤(組織プラスミノゲン活性化因子(tissue plasminogen activator)、ストレプトキナーゼ(streptokinase)、ウロキナーゼ(urokinaze)等)、アスピリン(aspirin)、ジピリダモール(dipyridamole)、チクロピジン(ticlopidine)、クロピドグレル(clopidogrel)、アブシキシマブ(abciximab)、抗遊走薬、抗分泌薬(ブレベルジン(breveldin))、さらに、副腎皮質ステロイド(コルチソル(cortisol)、コルチゾン(cortisone)、フルドロコルチゾン(fludrocortisone)、プレドニゾン(prednisone)、プレドニゾロン(prednisolone)、6α−メチルプレドニゾロン(6α-methylprednisolone)、トリアムシノロン(triamcinolone)、ベタメタゾン(betamethasone)、およびデキサメタゾン(dexamethasone))、非ステロイド系薬剤(サリチル酸誘導体(salicylic acid derivatives)、すなわち、アスピリン(aspirin)、パラアミノフェノール誘導体(para-aminophenol derivatives)、すなわち、アセトアミノフェン(acetaminophen))等のような抗炎症薬、インドールおよびインデン酢酸(インドメタシン(indomethacin)、スリンダク(sulindac)、およびエトダラック(etodalac))、ヘテロアリール酢酸(heteroaryl acetic acids)(トルメチン(tolmetin)、ジクロフェナク(dicrofenac)およびケトロラク(ketorolac))、アリールプロピオン酸(arylpropionic acids)(イブプロフェン(ibuprofen)およびその誘導体)、アントラニル酸(anthranilic acids)(メフェナム酸(mefenamic acid)およびメクロフェナム酸(meclofenamic acid))、エノール酸(enolic acids)(ピロキシカム(piroxicam)、テノキシカム(tenoxicam)、フェニルブタゾン(phenylbutazone)、およびオキシフェンタトラゾン(oxyphenthatrazone))、ナブメトン(nabumetone)、金化合物(オーラノフィン(auranofin)、金チオグルコース(aurothioglucose)、金チオリンゴ酸ナトリウム(gold sodium thiomalate))、免疫抑制剤、すなわち、(シクロスポリン(cyclosporine)、タクロリムス(tacrolimus)(FK−506)、シロリムス(sirolimus)(ラパマイシン(rapamycin))、アザチオプリン(azathioprine)、ミコフェノール酸モフェチル(mycophenolate (mofetil))、脈管形成剤、すなわち、脈管内皮細胞増殖因子(VEGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、アンギオテンシン受容体遮断薬、酸化窒素供与体、アンチセンス・オリゴヌクレオチド類(anti-sense oligionucleotides)およびこれらの組み合わせ、細胞周期抑制因子、mTOR抑制因子、および増殖因子受容体信号伝達キナーゼ抑制因子、レテノイド(retenoid)、サイクリン/CDK抑制因子、HMG補酵素レダクターゼ抑制因子(スタチン類(statins))、およびプロテアーゼ抑制因子等、を含む。
【0054】
また、本発明のシステムおよび方法による薬物送達装置の中に組み込まれている薬物またはその他の薬剤の量は、その装置の全重量に対して、0〜99%、の範囲にできる。これらの薬物またはその他の薬剤は、異なる方法で、上記装置の中に組み込むことができる。例えば、これらの薬物またはその他の薬剤は、上記装置が形成された後に、その装置の上に塗布することが可能であり、この場合に、その被膜は、上記の薬物またはその他の薬剤が組み込まれている生体吸収性のポリマーにより、構成されている。あるいは、上記の薬物またはその他の薬剤は、上記装置を構成している生体吸収性の材料の基材の中に、組み込むことも可能である。このような生体吸収性のポリマーの基材の中に組み込まれている薬物または薬剤は、望まれる場合に、既に論じられている塗布技法において供給される薬物または薬剤の量、と同じか、これと異なる、量にすることができる。この薬物送達装置、の中か、その上に、上記の薬物またはその他の薬剤を組み込む、これらのさまざまな技法は、その装置の性能を最適にするために、さらに、上記の薬物またはその他の薬剤の上記装置からの放出を調整することを補助するために、組み合わせることも可能である。
【0055】
上記の薬物または薬剤が、上記装置を構成している生体吸収性のポリマーの基材の中に、組み込まれている場合に、例えば、その薬物または薬剤は、拡散により、上記装置の分解の間に、放出される。この拡散により放出される薬物または薬剤の量は、塗布技法を用いて行なわれるよりも、長い時間の期間にわたり放出される傾向があり、それゆえ、多くの場合において、局所的な広汎性の病巣または状況をさらに有効に治療できる。さらに、一定領域に及ぶ薬物または薬剤の場合にも、上記のような薬物または薬剤の拡散の放出は有効である。
【0056】
本発明のシステムおよび方法による薬物送達装置は、好ましくは、その装置の活性な薬物の送達の段階の間に、その機械的な完全性を維持している。さらに、その薬物の送達が達成された後に、上記装置の構造は、理想的には、その装置を構成している材料の生体吸収の結果として、消失する。このような薬物送達装置を構成している生体吸収性の材料は、その装置が患者の体内に配備された後であっても、その装置に対する組織の相互作用が最小限になるように、その装置が植え込みされている組織に対して、生体適合性であることが好ましい。また、上記装置の生体吸収性の材料の分解が生じている際においても、その装置が配備されている組織の最小限の炎症は同様に好ましい。
【0057】
装置が患者の体内に植え込みされる際の、その薬物送達装置の可視化は、その装置を配置および配向するために、さらに、植え込みされた後の、目的とされた部位に対する、上記の薬物またはその他の薬剤の分散を最大にするために、医療の専門家にとって、役立つので、放射線不透過性の材料を、上記装置に、添加してもよい。この放射線不透過性の材料は、上記装置の処理の間に、その装置を構成している生体吸収性の材料の基材に直接に添加して、その装置の全体にわたってその放射線不透過性の材料のかなり均一な組み込みを結果として生じることが可能である。あるいは、この放射線不透過性の材料は、上記装置の形状およびその装置を形成するために用いる処理に応じて、その装置の指定された部分に、層、被膜、帯または粉末、の形態で、その装置に添加することも可能である。
【0058】
理想的には、上記放射線不透過性の材料は、上記の薬物送達装置が配備される解剖学的構造の中において容易に動き回ることができるように、その薬物送達装置に、かなりの剛性を加えることはない。また、この放射線不透過性の材料は、上記の装置が配備される組織に対して、生体適合性である必要がある。このような生体適合性は、上記装置に対する望ましくない組織の反応の可能性を、最小限にする。例えば、金、プラチナ、イリジウム、パラジウム、およびロジウム、等のような、不活性な貴金属は、良く認識されている生体適合性で放射線不透過性の材料である。別の放射線不透過性の材料は、硫酸バリウム(BaSO4 )、亜炭酸ビスマス((BiO)2 CO3 )、酸化ビスマス、タングステン、タンタル、およびヨウ素化合物、を含み、これらの少なくとも一部は、以下においてさらに説明されている実施例において用いられている。理想的には、放射線不透過性の材料は、上記装置からのその放射線不透過性の材料の剥離またははがれが最小限になるか、理想的には生じないように、その装置に十分に付着している。
【0059】
上記の放射線不透過性の材料が装置に金属の帯として加えられる場合に、これらの金属の帯は、上記装置の指定された部分にけん縮できる。あるいは、その装置の指定された部分は放射線不透過性の金属の粉末により被覆されていてもよいが、その装置の別の部分はその金属の粉末を含まない。なお、当業者が当然に認識しているように、上記のような技法を用いて上記装置を可視化するための金属元素として、バリウムが用いられることが最も多いが、タングステンおよびその他の充填剤も広まってきている。
【0060】
上記装置の全部または部分における放射線不透過性の被膜は、患者の体内に配備された装置の放射線不透過性および可視化を高めるために、使用することも可能である。このような被膜は、他の技法よりも、その装置の物理特性(例えば、寸法、重量、剛性、柔軟性)および性能に、悪影響を及ぼすことが少ない。被膜は、例えば、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、電気めっき、高真空蒸着処理、微小融着、噴霧塗布、浸漬塗布、静電塗布、またはその他の表面の塗布または改質の技法、等のような、当業界において知られているさまざまな処理で、上記装置に適用できる。
【0061】
あるいは、本発明による薬物送達装置を構成するために用いる生体吸収性のポリマー材料は、その装置の放射線不透過性を高めるために、その生体吸収性のポリマー材料の基材の処理中にそのポリマー材料に直接に添加される放射線不透過性の添加物、を含んでいてもよい。これらの放射線不透過性の添加物は、硫酸バリウム、亜炭酸ビスマス、酸化ビスマスおよび/またはヨウ素化合物、等のような、無機の充填剤を含むことができる。また、これらの放射線不透過性の添加物は、その代わりに、タンタルまたは金等のような金属粉末、あるいは、金、プラチナ、イリジウム、パラジウム、ロジウム、を含む金属合金、または、これらの組み合わせ物、あるいは、当業界において知られているその他の材料、を含むこともできる。さらに、これらの放射線不透過性の材料の粒度は、ナノメートルからミクロン、の範囲にすることができ、これらの放射線不透過性の材料の量は、0〜99%(重量%)、の範囲にすることができる。
【0062】
上記放射線不透過性の添加物の密度は一般的に極めて高く、この場合に、これらの放射線不透過性の材料は上記生体吸収性の材料の基材の全体にわたって分布されており、要望に応じて、その生体吸収性の材料の全体にわたってそれらの放射線不透過性の添加物を分布させるために、分散技法が用いられることが好ましい。これらの技法は、高剪断混合、界面活性剤および潤滑剤の添加、粘度調整、添加物の表面改質、およびその他の、粒度、形状および分布、の技法、を含む。このことに関して、上記放射線不透過性の材料は、上記装置の生体吸収性の材料の全体にわたって均一に分布されていてもよく、あるいは、上記と同様に、標識として現れるように、上記装置の各部分に集中させることも可能であることが注目される。
【0063】
本発明のシステムおよび方法による薬物送達装置を形成する、好ましい低温処理は、溶液処理および超臨界流体処理、の技法、を含む。さらに、これらの処理は、溶媒抽出、塗布、ワイヤ塗布、押出し、共押出し、静電繊維紡績を含む繊維紡績、凍結乾燥、共沸抽出、および上記の薬物送達装置を含む生体吸収性の高分子材料の基材の中に、高温で不安定である薬物またはその他の生物活性な薬剤を組み込む他の技法、を含む。また、このような高温で安定である薬物または薬剤に対しては、異なる溶融処理技法を、上記の代わりに、それらの薬物または薬剤を、上記装置を含む生体吸収性のポリマーの基材の中に、組み込むために用いてもよい。あるいは、上記の薬物または薬剤は、上記生体吸収性のポリマーによる装置の形成の後に、その装置の上に、噴霧、浸漬、または塗布、することも可能である。いずれの場合においても、上記のポリマー基材、および供給される場合に混合される薬物または薬剤は、その後、例えば、後に、要望に応じて、さまざまな形状または形態にさらに処理される、繊維、フィルム、ディスク/リングまたはチューブ、等のような、構造、に変えられる。
【0064】
したがって、異なる処理は、処理されている生体吸収性のポリマーに、異なる構造、形状または形態、を与えることができる。例えば、剛性ポリマーにより処理されたチューブは極めて硬くなる傾向があるが、静電処理または凍結乾燥により処理される場合には、極めて柔軟になる可能性がある。また、前者の場合に、そのチューブは中実になるが、後者の場合には、そのチューブは多孔質になる。別の処理は、繊維、マイクロファイバー、薄膜および厚膜、ディスク、発泡体、微小球、およびさらに複雑な形状または形態までも、含んでいてよい、付加的な形状および構造、を与える。また、溶融または溶液の方式で紡績された繊維、フィルムおよびチューブは、編組および/またはレーザー切断により、管状、スライド式およびロック式、螺旋状またはこれら以外の様式、等のような、異なるデザインに、さらに処理することができる。これらの、異なる処理により与えられる、構造、形状または形態、における違いは、所望の、寸法、強度、薬物送達および可視化の特徴、を伴う異なる薬物送達装置を調製するために、有用である。
【0065】
また、異なる処理は、同様に、処理されている生体吸収性のポリマーの形態学的な特徴を変更させることも可能である。例えば、ポリマーの希釈溶液が速やかに攪拌される場合に、それらのポリマーは、その構造の全体の軸に対して概ね平行であるポリマー鎖、を示す傾向がある。一方、ポリマーが剪断されて、熱的に安定な条件まで急冷される場合には、そのポリマー鎖は、剪断方向に対して、平行に延びる傾向がある。さらに別の形態学的な変化も、別の処理技法に従って、生じる傾向がある。このような変化は、例えば、スフェルライトから小繊維への変形、多形結晶形成の変化、既に形成されている結晶薄層の再方位、方位づけされた晶子の形成、非晶質ポリマー鎖の方位および/またはこれらの組み合わせ、を含むことができる。
【0066】
本発明のシステムおよび方法による生体吸収性の高分子材料により構成されている薬物送達装置の場合に、その装置は、例えば、溶液紡績の繊維または溶媒キャスティングのフィルムまたはチューブ、により形成可能であり、この場合に、これらのポリマーの繊維、フィルムまたはチューブは、一般的に、周囲条件において、形成されている。この結果として、その生体吸収性の高分子材料の中に組み込まれている薬物は容易には分解しない。また、形成後に、上記の繊維、フィルムまたはチューブは、ステントの形状等のような、所望の形状または形態、にレーザー切断される。
【0067】
以下において記載されているような、実施例は、薬物送達装置における使用のための生体吸収性の高分子材料により調製されている、溶媒キャスティングのフィルムおよびチューブ、を説明しており、この場合に、その生体吸収性の高分子材料は、PLA/PGA(95/5および85/15)等のようなポリラクチド/ポリグリコリドのコポリマー、およびこれらの混合物、から選択されている。これらの高分子の混合物は、さらに高い歪値を必要とするステントを調製するために、剛性のポリマーを、さらに高い延性および柔軟性にするために、調製されている。また、上記のフィルムを調製するために、クロロホルム、ジオキサン、および、ジオキサン/アセトンおよびジオキサン/酢酸エチル、等のような、二成分系の混合物、を含む、異なる溶媒が用いられている。さらに、硫酸バリウム、亜炭酸ビスマス、酸化ビスマス、タングステンおよびタンタル、を含む、材料により、異なる放射線不透過性の物質が、10%〜40%(重量%)で、用いられている。また、シロリムス(sirolimus)が、5〜30%(重量%)の範囲内の濃度で、上記のフィルムおよびチューブの中に、治療用の薬剤として、供給されている。
【0068】
一般的に、1種類以上の生体吸収性のポリマーおよび治療用の薬剤と、随意的に、放射線不透過性の標識とが、所与の溶媒に添加されて、それらのポリマーおよび治療用の薬剤と、随意的に、放射線不透過性の標識とが、その溶媒に完全に溶けて均質な溶液を与えるまで、熱を伴うか伴わずに、混合およびタンブリングされる。
【0069】
薬物含有の高分子組成物は、その後、上記のような溶液から、調製できる。
【0070】
例えば、上記の溶液は、この溶液を、金型の中か、ガラス・プレートの上に、注いで、その溶媒を、室温において、高濃度の窒素の環境の中で、一晩にわたり、自然に蒸発させることにより、薬物含有の高分子のフィルム、に変えることができる。このフィルムは、その後、ガラス・プレートから取り外されて、そのフィルムの中に含まれている溶媒の含有量をさらに減少させるために、上記記載されたような低温乾燥法により、処理される。
【0071】
あるいは、上記の溶液は、その溶液を、室温かそれよりも高い温度において、マンドレルの上に付着させることにより、溶媒キャスティングのチューブを調製するために、使用できる。このマンドレルは、そのマンドレルからの最終的な取り外しを改善するために、例えば、テフロンにより、被覆されていてもよい。また、例えば、注射器式のポンプを、上記ポリマー溶液をマンドレルの上に付着させるために、使用することも可能である。このマンドレルは、その後、乾燥される。この場合に、このマンドレルは、高濃度の溶媒の環境、および/または、高濃度の窒素の環境、の中において、乾燥できる。また、上記のチューブは、その後、取り外されて、溶媒は、異なる条件下において、さらに除去できる。
【0072】
さらに、溶融式および溶媒押出型の、チューブ、発泡体、繊維、ディスク、ステント、等のような、別の形状および形態も、本発明の方法により、調製可能である。
【0073】
上記に記載された溶液により調製される薬物含有の高分子組成物は、最初に、高温炉乾燥(例えば、約10時間にわたり、80℃〜110℃)および低温炉乾燥(例えば、約10時間にわたり、25℃〜80℃)等のような、従来の乾燥方法により処理された後に、超臨界二酸化炭素抽出(例えば、20〜60分間にわたり、約25〜60℃の温度と約60〜80バール(6×106 〜8×106 パスカル)の圧力において)、凍結乾燥、共沸抽出し、またはこれらの組み合わせ、等のような、上述されている低温乾燥法による処理により処理される。この低温乾燥は、フィルムの中の薬物含有量を維持するために、用いられる。さらに、上記の乾燥条件はフィルムおよびチューブの形態(非晶質または結晶質)も決定する。
【0074】
本発明の主な目的は、薬物の著しい損失を伴わずに、ラパマイシン(rapamycin)を装填した、ポリマーのフィルムおよびチューブから、残留している溶媒を抽出すること、である。この場合に、従来の熱乾燥とこれに続く超臨界二酸化炭素抽出とを用いる、組み合わせの方法が、ステントを調製するために、薬物を含有している生体吸収性のフィルムおよびチューブから、溶媒を除去するために、用いられている。この超臨界抽出の条件は、容器の大きさ、実験設備、試料の大きさ、および形状により決まる、異なる処理のパラメータに対応する一定の範囲、を含むことができる。具体的には、処理温度は、約35℃〜50℃、の範囲にすることができ、処理圧力は、約60バール〜約500バール(6×106 〜5×107 パスカル)、の範囲にすることができる。また、二酸化炭素の流量は、約1g/分〜約200g/分、の範囲にすることができ、処理時間は、約10〜200分、の範囲にすることができる。
【0075】
実施例I
フィルムを、15%のラパマイシン(rapamycin)と20%の硫酸バリウムとを含有しているクロロホルムから、PLGA・95/5により、調製した。これらのフィルムは、窒素中において、45℃で乾燥した。また、別のフィルムを、薬物または硫酸バリウムを全く伴わずに、同一のポリマーの1,4−ジオキサン溶液により、キャスティングした。両方のフィルムには、抽出前には有意量の残留溶媒が含まれていた。
【0076】
抽出調査のために用いたシステムは、光ダイオード・アレイのUV検出器を備えている超臨界流体システム、であった。フィルム試料を、最初に、抽出セル(この場合に、25mlのセルを用いた)の中に装填し、その後、極めて穏やかな条件下に、超臨界CO2 を用いる抽出のためのシステムの中に、入れた。このセルから出るCO2 を上記のUV検出器の中に導入して、薬物および溶媒の吸光度を検出した。この抽出条件は77バール(7.7×106 パスカル)において35℃であった。これらの薬物および溶媒は、オン−ラインで、モニターした。
【0077】
以下の、表1は、上記の抽出条件および分析結果、をまとめている。
【表1】


【0078】
上記の結果は、薬物の著しい損失を伴わずに、超臨界二酸化炭素を用いることにより、上記のフィルムから、溶媒が容易に抽出できること、を示している。これらの高分子組成物の中の、最終の溶媒の含有量は、50ppm未満であり、この値は、従来の乾燥方法では、達成し得ない。
【0079】
なお、使用した抽出条件は、低温および低圧に、設定されていることが、当然に、注目されるであろう。これらの処理条件(温度、圧力、時間、抽出セルの容積等)は、薬物の損失を最小限にしながら、溶媒の速やかで完全な除去を達成するために、最適化できる。
【0080】
実施例II
幾つかのフィルムを、ジオキサンおよびクロロホルムから、添加物を伴わずに、または20%の硫酸バリウムを伴って、または20%の硫酸バリウムと15%のシロリムスとを伴って、PLGA・95/5により、調製した。全てのこれらのフィルムは、金型の中にキャスティングしてから、周囲温度で20時間にわたり、窒素によりパージした後に、窒素のパージを伴って、20時間にわたり、45℃で、熱乾燥することにより、調製した。以下の表は、抽出調査のために調製したフィルムの全ての組成、をまとめている。
【表2】


【0081】
次に、ポリマー・フィルムからの溶媒の除去を、以下の工程を用いて、行なった。
(1)上記のポリマーを最初に秤量して、高圧抽出カラムの中に入れた。
(2)次に、高圧カラムを、超臨界CO2 (scCO2 )を用いて、それぞれ、80バール(8×106 パスカル)および35℃、の動作圧力と温度まで、加圧した。その後、溶媒の抽出を、2g/分におけるscCO2 の定常的な流れを用いて、行なった。
(3)次に、光ダイオード・アレイ(PDA)の検出器を用いて、継続的な様式で、溶媒の含有量について、上記の抽出カラムからの排気をモニターした。この処理は、フィルム試料からの溶媒の損失の、速度および量、を調査するために、行なった。
(4)溶媒の損失の必要とされる量が達成されると、scCO2 の流れを終わらせて、高圧抽出カラムの圧力を下げて、ポリマー・フィルムの試料を、分析のために、集めた。
【0082】
上記の抽出実験の結果が以下の表にまとめられている。効率的な溶媒の抽出は、PDA検出器により示されているように、全ての場合において、達成されている。抽出圧力、温度、抽出時間および流量、等のような、適当なパラメータを変えることにより、抽出条件をさらに最適化できる。
【表3】


【表4】


【0083】
上記の結果は、超臨界抽出の後に、残留溶媒は、高い薬物の回収率を伴って、かなり(10,000ppm未満になるまで)、量が少なくなっていること、を示している。
【0084】
実施例III
この調査のための実験は、クロロホルムおよび安定化ジオキサンから調製された、20%の硫酸バリウムと15%のシロリムス(sirolimus)とを伴う、PLGA・95/5フィルムについて、行なわれている。2つの異なる乾燥条件、すなわち、60℃で6時間と、50℃、70℃、および90℃の、それぞれの温度で、2時間の、一定比で変化する乾燥処理と、を用いた。この乾燥処理の後に、それぞれのフィルムを、上記のような異なる条件下において、超臨界二酸化炭素法を用いて、抽出した。使用したフィルムは以下の表にまとめられている。
【表5】


【0085】
フィルム調製後のフィルムの中の、シロリムス(sirolimus)および残留溶媒、の含有量は以下にまとめられている。
【表6】


【0086】
これらのフィルムを、25mlの容器を用いて、超臨界CO2 クロマトグラフィのシステムの中において、抽出した。それぞれのフィルムを小さな試料に切断して、異なる時間(A−20分、B−60分、C−100分およびD−140分)にわたり、35℃および77バール(7.7×106 パスカル)において、抽出した。公称のCO2 の流量は2g/分であった。異なる試料についての実際の条件は以下のようにまとめられている。
【表7】


【0087】
上記の薬物および残留溶媒の分析結果は以下の表に記載されている。
【表8】


【0088】
クロロホルムとジオキサンとにより、6時間にわたり、60℃で乾燥したフィルムは、高い薬物含有量(ほとんど100%の回収率)と、約8%および2%の残留溶媒と、をそれぞれ、有していた。異なる時間にわたる抽出の後に、残留溶媒の量は、クロロホルムのフィルムの場合には、20分以内に360ppmまで下がり、さらに、約92%の薬物の回収率を伴って、100分以内に検出限界よりも低く、下がり、ジオキサンのフィルムの場合には、20分以内に47ppmまで下がり、さらに、約100%の薬物の回収率を伴って、60分以内に19ppmまで、下がった。なお、上記のフィルムの厚さが異なっていたことが当然に注目されるであろう。
【0089】
ジオキサンによる、一定比で変化する条件下において、乾燥したフィルムは、0.2%だけの残留溶媒と、90%の薬物の回収率と、を有していた。抽出後に、この残留溶媒の量は、20分以内に110ppmまで下がり、さらに、約88%の薬物の回収率を伴って、140分以内に約10ppmまで、下がった。フィルムの乾燥処理中に、約2時間にわたる高温(90℃)への曝露により、回収率がより低くなっている。
【0090】
60℃で6時間の乾燥条件は、高い薬物の回収率、を結果として生じている。60分の超臨界抽出の時間は、全てのフィルムに対して、許容可能な限界まで、溶媒を除去するために十分であると思える。
【0091】
実施例IV
この実施例は、前の実施例においてまとめられているような、薬物装填したPLGAフィルム、に対応している。すなわち、27−1、27−4および27−6、の番号を付けたフィルムは、安定化ジオキサンを用いて、20%の硫酸バリウムと15%のシロリムス(sirolimus)とを伴って、PLGA・85/15により、調製されている。これらのフィルムを、50℃で1時間乾燥した後に、70℃で6時間、において、乾燥した。この場合に、フィルム27−1および27−6は、両面型の構成を用いて、乾燥し、フィルム27−4は、片面型の構成を用いて、乾燥した。これらのフィルムの中の、残留溶媒と薬物の含有量、は、それぞれ、約4〜5%および12.5%、であった。
【0092】
その後、これらのフィルムを、約6.35cm(約2.5インチ)の内径(I.D. of about 2.5'')を有する500ミリリットルの容器の中において、抽出した。この抽出温度は35℃であり、使用したCO2 の圧力は77バール(7.7×106 パスカル)であった。この抽出時間は、抽出の前後における試料の重量と共に、以下の表において、記載されている。
【表9】


【表10】


【0093】
上記の実験からのフィルムの一部は高い残留物の含有量を示しているので、さらに3種類のフィルムを、それぞれ、80g/分と120g/分、の比較的に高いCO2 の流量を伴って、同一の温度および圧力下において、同一のシステムの中で、抽出した。これらの結果は以下のように記載されている。
【表11】


【表12】


【0094】
実施例V
幾つかの異なるフィルムを、異なる溶媒を用いて、20%の硫酸バリウムと15%のシロリムス(sirolimus)とを伴って、ポリマー混合物と共に、PLGA・95/5および85/15、により、調製した。
【表13】


【0095】
上記のフィルムは、CO2 の流れ=80g/分を伴って、100分間にわたり、35℃で77バール(7.7×106 パスカル)において、500mlの容器を用いて、抽出した。これらのフィルムについての、残留溶媒とシロリムス(sirolimus)の含有量は、以下の表においてまとめられている。
【表14】


【0096】
薬物の回収率は極めて高く、溶媒の含有量は、全てのフィルムの中において、極めて低かった。これらの実験は、抽出条件をさらに最適化するために、比較的に大きな容器において、さらにスケール・アップできる。
【0097】
また、望ましくない量の溶媒を認める処理により調製されている類似のポリマー組成物、を含有しているチューブについて、同様の抽出実験を行なうことも可能である。さらに、このような抽出の方法は、被膜、ステント、等のような、他の装置の形態から、他の低分子量の物質(例えば、エチレン・オキシド、モノマー)を除去するために、使用することも可能である。
【0098】
本発明の具体的な実施形態が、上記において、説明および例示されているが、当業者は、ここに記載されている説明に一貫して、これらのような具体的な実施形態を容易に変更することが可能である。それゆえ、本発明は、上記において例示されている具体的な実施形態に限定されず、むしろ、あらゆる他の、変更、変形、応用、および実施形態に、実用性において、及んでおり、したがって、これらの他の、変更、変形、応用、および実施形態は、本発明の趣旨および範囲の中にあるものとして、見なされるべきである。
【0099】
〔実施の態様〕
(1)方法において、
生体適合性の高分子の基材、および前記生体適合性の高分子の基材の中にカプセル化されている1種類以上の治療用の薬剤、を含有している、薬物含有の高分子の組成物を形成する工程であって、
前記高分子の基材は、当該高分子の基材の全重量の約0.5重量%〜約10重量%の範囲内の量で、1種類以上の有機性または水性の溶媒をさらに含有している、
工程と、
60℃よりも低い処理温度において、低温乾燥処理を用いて、前記薬物含有の高分子の組成物を処理し、これにより、前記組成物の中の溶媒の含有量を、10,000ppm未満に減少させる工程と、
を含む、方法。
(2)実施態様1に記載の方法において、
前記処理温度は、45℃よりも低い、方法。
(3)実施態様1に記載の方法において、
前記薬物含有の高分子の組成物は、前記高分子の基材の全重量の約0.5重量%〜約5重量%の範囲内の量で、1種類以上の有機溶媒を含有している、方法。
(4)実施態様1に記載の方法において、
前記薬物含有の高分子の組成物は、前記高分子の基材の全重量の約0.5重量%〜約2.5重量%の範囲内の量で、1種類以上の有機溶媒を含有している、方法。
(5)実施態様1に記載の方法において、
前記組成物を処理する工程後の前記組成物の中の溶媒の含有量は、約1,000ppm未満である、方法。
【0100】
(6)実施態様1に記載の方法において、
前記組成物の中の溶媒の含有量は、前記組成物を処理する工程後において、100ppm未満である、方法。
(7)実施態様1に記載の方法において、
前記薬物含有の高分子の組成物は、第1の比較的に硬質で生体適合性のポリマー、および第2の比較的に軟質で生体適合性のポリマー、を含有している高分子の混合物を含有している、方法。
(8)実施態様1に記載の方法において、
前記薬物含有の高分子の組成物は、ポリマー、および可塑剤を含有している、方法。
(9)実施態様1に記載の方法において、
前記薬物含有の高分子の組成物は、前記低温乾燥処理により処理される前に、乾燥される、方法。
(10)実施態様1に記載の方法において、
前記低温乾燥処理は、凍結乾燥工程を含む、方法。
【0101】
(11)実施態様1に記載の方法において、
前記低温乾燥処理は、超臨界抽出工程を含む、方法。
(12)実施態様11に記載の方法において、
超臨界の前記乾燥処理は、約25℃〜約50℃の範囲内の温度、および約10バール(1.0×106 パスカル)〜約500バール(5×107 パスカル)の範囲内の圧力において、超臨界二酸化炭素を用いることにより、行なわれる、方法。
(13)実施態様11に記載の方法において、
前記薬物含有の高分子の組成物の中の溶媒の含有量は、1,000ppm未満である、方法。
(14)実施態様1に記載の方法において、
前記薬物含有の高分子の組成物は、植え込み可能な薬物送達装置の少なくとも一部分を形成しているか、または植え込み可能な薬物送達装置の少なくとも一部分の上に塗布されている、方法。
(15)実施態様14に記載の方法において、
前記植え込み可能な薬物送達装置は、変形可能である、方法。
【0102】
(16)実施態様14に記載の方法において、
前記植え込み可能な薬物送達装置は、ステントである、方法。
(17)実施態様1に記載の方法において、
前記薬物含有の高分子の組成物は、1種類以上の放射線不透過性の添加物をさらに含有している、方法。
(18)薬物含有の高分子の組成物において、
生体適合性の高分子の基材と、
前記生体適合性の高分子の基材の中にカプセル化された1種類以上の治療用の薬剤と、
を含有し、
前記高分子の基材は、10,000ppm未満の量で、1種類以上の有機溶媒をさらに含有している、
組成物。
(19)実施態様18に記載の組成物において、
1,000ppm未満の量の、1種類以上の有機溶媒、
を含有している、組成物。
(20)実施態様18に記載の組成物において、
100ppm未満の量の、1種類以上の有機溶媒、
を含有している、組成物。
【0103】
(21)実施態様18に記載の組成物において、
第1の比較的に硬質で生体適合性のポリマー、および第2の比較的に軟質で生体適合性のポリマー、を含有している高分子の混合物、
を含有している、組成物。
(22)実施態様18に記載の組成物において、
ポリマーと、
可塑剤と、
を含有している、組成物。
(23)実施態様18に記載の組成物において、
植え込み可能な薬物送達装置に含まれているか、または植え込み可能な薬物送達装置の上に塗布されている、組成物。
(24)実施態様18に記載の組成物において、
前記植え込み可能な薬物送達装置は、変形可能である、組成物。
(25)実施態様18に記載の組成物において、
前記植え込み可能な薬物送達装置は、ステントである、組成物。
【0104】
(26)実施態様18に記載の組成物において、
1種類以上の放射線不透過性の添加物、
をさらに含有している、組成物。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013